JP5281379B2 - 偏光変換光学系および偏光変換光学系アレイおよび光源装置 - Google Patents

偏光変換光学系および偏光変換光学系アレイおよび光源装置 Download PDF

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Description

この発明は、偏光変換光学系および偏光変換光学系アレイおよび光源装置に関する。
入射光束の偏光状態を変換する偏光変換素子は、各種の位相板や偏光子等として従来か
ら広く知られている。なかでも、入射光束の偏光状態を変換して、1方向に直線偏光した
光束とするものは偏光子あるいは検光子として使用されるが、従来、安価な偏光変換素子
として知られた有機材料を用いるものは、熱等の環境条件に特性が左右されやすく、寿命
の点でも長寿命化が困難であるとされている。
熱等に影響されにくく、長寿命の偏光分離素子が提案されている(特許文献1、2)。
この偏光分離素子は、ランダム偏光状態にある光を透過と反射とにより、互いに偏光面
が直交する直線偏光状態の2光束に分離するものである。
例として1例を挙げれば、例えば、特許文献1の段落「0009」に記載されたように
「透明平行平板の片面に、波長の1/4〜1/2のピッチで形成されたライン/スペース
形状の断面矩形波状溝を有する基板と、基板の溝を埋めると共に溝短手方向に三角波形状
で溝長手方向に直線状の凸部を備えた調整層を有し、調整層の上に、透明な高屈折率の媒
質からなる複数の高屈折率層と透明な低屈折率の媒質からなる複数の低屈折率層が交互に
積層された構成」のものである。
このように、光の波長よりも十分に小さいピッチで微細凹凸構造をなす「高屈折率層と
低屈折率層の交互の積層体」に光が入射すると、微細凹凸構造の凸部の長手方向に平行な
方向に電場の振動面を有する(TEモードの)光の大部分は反射され、凹凸の周期方向に
電場の振動面を有する(TMモードの)光の大部分は偏光分離素子を透過する。こうして
、互いに直交する電場の振動面を有する光が分離される。
このような偏光分離素子は、特許文献1の段落「0010」に記載されたように、透明
平行平板による基板に「電子ビームリソグラフィ及びドライエッチング」によりライン/
スペース形状の周期的な溝(断面「矩形波状」である。)を形成し、基板と同材料のター
ゲットを用いたスパッタリングによる成膜及び逆スパッタリングによるスパッタエッチン
グを繰り返して、上記ライン/スペース形状の周期的な溝を埋めると共に、溝周期方向に
三角波形状で、溝長手方向に直線状の凸部を備えた調整層を形成し、さらに、高屈折率の
透明媒質及び低屈折率の透明媒質のターゲットを用い、スパッタリングによる成膜及び逆
スパッタリングによるスパッタエッチングを繰り返して、高屈折率層と低屈折率層を順次
、交互に積層させることにより製造することができる。
また、平板状の偏光分離素子として「ワイヤグリッド構造を備えた無機偏光板」も従来
から知られている。
これらの偏光分離素子は薄板状であるので、従来の直方体形状のものに比して設置に必
要なスペースが小さくてよく、これらを用いる光学装置のコンパクト化に資するところが
大きい。
ところで、プロジェクタ等においては「ランダム偏光状態の入射光束の偏光状態を変換
して、1方向に直線偏光した光束とする」機能を持つ偏光変換素子が用いられる。この偏
光変換素子として上記「無機材料による偏光分離素子」を用いると、光源から放射される
ランダム偏光状態の照明光は、偏光分離素子を透過する成分(TMモード光)と反射され
る成分(TEモード光)により分離され、分離された2光束はともに直線偏光状態である
が、液晶ライトバルブやDMDに照射される光は、分離された成分の一方のみであり、残
りの50%は無駄になり、光利用効率が低かった。
また、偏光の分離が「透過と反射」によりなされるので、例えば、偏光分離素子に照明
光を直交させて入射させると、反射された成分(TEモード光)が光源に直接戻ることに
なる。光源としてLDやLED等の固体発光素子を用いる場合、このような戻り光は固体
発光素子の発光状態に影響を及ぼし、発光強度を変動させる等の問題を引き起こす。
特開2006−337860 特開2007− 3756
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、光利用効率を有効に高め得る
偏光変換光学系の実現、また、戻り光の影響を除去できる光源装置の実現を課題とする。
この発明の偏光変換光学系は「略平行光束である入射光束の偏光状態を変換して、1方
向に直線偏光した光束とする偏光変換光学系」であって、無機偏光分離素子と、反射光学
素子とを有する(請求項1)。
「無機偏光分離素子」は、平行平板状の透明基板の少なくとも片面に、無機材料による
微細周期構造を形成され、入射光束のP偏光成分およびS偏光成分の一方を選択的に透過
させ、他方を反射させて偏光分離を行う素子である。
無機偏光分離素子としては、上述の特許文献1等に記載の「透明平行平板の片面に、波
長の1/4〜1/2のピッチで形成されたライン/スペース形状の断面矩形波状溝を有す
る基板と、基板の溝を埋めると共に溝短手方向に三角波形状で溝長手方向に直線状の凸部
を備えた調整層を有し、調整層の上に、透明な高屈折率の媒質からなる複数の高屈折率層
と透明な低屈折率の媒質からなる複数の低屈折率層が交互に積層された構成」のものや、
前述の「ワイヤグリッド構造を備えた無機偏光板」等を用いることができる。
「反射光学素子」は、平反射面と1/4波長層とを組合せてなり、無機偏光分離素子に
より反射された偏光成分を反射するとともに、反射光束の偏光状態を「無機偏光分離素子
を透過する偏光成分と同じ偏光状態」に変換する光学素子である。
そして、無機偏光分離素子の入射側面への入射光束の主光線の入射角:θは
1°≦θ≦12°
の範囲内の角に設定され、無機偏光分離素子を透過した光束と、反射光学素子により偏光
状態を変換された反射光束とが「互いに平行な光束となる」ように、無機偏光分離素子と
反射光学素子との相対的な位置関係が定められている。
即ち、請求項1記載の偏光変換光学系において、略平行光束である入射光束は無機偏光
分離素子に「1度以上、12度以下」の入射角:θを持って入射し、一部は無機偏光分離
素子を透過する。透過光束は入射光束と平行である。一方、無機偏光分離素子により反射
された偏光成分は、入射光束の入射方向に対して角:2θをなして反射され、反射光学素
子の平反射面に入射して反射されるが、平反射面に組合せられた1/4波長板を往復透過
することで偏光面が90度旋回され「無機偏光分離素子を透過した偏光成分」と同じ偏光
状態になる。
そして、無機偏光分離素子と反射光学素子との相対的な位置関係が「無機偏光分離素子
を透過した光束と、反射光学素子により偏光状態を変換された反射光とが、互いに平行な
光束となる」ように定められているので、入射光束を「入射方向に平行で、直線偏光した
光束」に変換することができる。このとき、原理的には入射光束の100%を「直線偏光
状態の光束」に変換できる。
請求項1記載の偏光変換素子は、反射光学素子により反射された反射光束を「その偏光状態を保ったまま透過」させる平行平板状の透過光学素子を有する。この透過光学素子は、これを透過した光束と、無機偏光分離素子を透過した光束とが、互いに平行な光束となるように、無機偏光分離素子と反射光学素子とに対する相対的な位置関係が定められている。
この透過光学素子は「無機偏光分離素子と同一の光学機能を有するもの」であることができる(請求項2)。反射光学素子により反射された光束の偏光状態は、無機偏光分離素子を透過する光束の偏光成分と同じ偏光状態であるので、透過光学素子をそのまま透過する。この請求項1の偏光変換光学素子において、透過光学素子は無機偏光分離素子と同一の光学機能を持つので、無機偏光分離素子と同じ構成で互いに別個のものを用いることができるが、無機偏光分離素子自体を大面積に形成し、その一部を「透過光学素子」として用いることもできる。
請求項1記載の偏光変換光学系における透過光学素子としてはまた「無機偏光分離素子と別個の透明平行平板」であることもできる(請求項3)。
請求項1〜3に記載の偏光変換光学系は何れも、無機偏光分離素子と、この無機偏光分離素子と別個の透過光学素子とを密接して、屋根型をなして一体化し、無機偏光分離素子を透過した光束と透過光学素子を透過した光束とが、互いに平行で近接もしくは密接するように、反射光学素子の位置を設定した構成である。
この発明の偏光変換素子アレイは、請求項1〜3の任意の1に記載の偏光変換光学系を
1単位として、その複数単位を所定の1方向にアレイ配列してなる(請求項4)。
請求項5記載の光源装置は、固体発光素子と、コリメートレンズと、偏光変換手段とを有する。
「固体発光素子」は、ランダム偏光状態の発散光を放射する固体発光素子であり、例え
ば、LEDや「ランダム偏光状態の発散光を放射するLD」であることができる。
「コリメートレンズ」は、固体発光素子から放射される発散光を略平行光束化するレンズである。
「偏光変換手段」は、コリメートレンズにより平行光束化された光束の偏光状態を、直線偏光状態に変換する偏光変換手段であり、請求項1〜3の任意の1に記載の偏光変換光学系が用いられる。偏光変換手段は、コリメートレンズにより平行光束化された光が「無機偏光分離素子に入射角:θで入射するように、平行光束化された光に対して位置設定」されている。
請求項6記載の光源装置は、固体発光素子アレイと、コリメートレンズアレイと、偏光変換手段とを有する。
「固体発光素子アレイ」は、ランダム偏光状態の発散光を放射する2以上の固体発光素子をアレイ配列してなる。具体的には、個別のLEDやLDをアレイ配列したものや、複数の発光部をモノリシックに有するLDアレイやLEDバーを用いることができる。
「コリメートレンズアレイ」は、固体発光素子アレイの各固体発光素子から放射される
発散光を略平行光束化するコリメートレンズを「固体発光素子のアレイ配列と同ピッチで
、固体発光素子アレイと平行にアレイ配列」してなる。アレイ配列されるコリメートレン
ズは互いに別体であってもよいが、全体もしくは一部が相互に一体化されていてもよい。
「偏光変換手段」は、コリメートレンズアレイにより平行光束化された個々の光束の偏
光状態を、直線偏光状態に変換する機能を有し、請求項1〜6の任意の1に記載の偏光変
換光学系であって「固体発光素子アレイ及びコリメートレンズアレイのアレイ配列方向」
に長く、「固体発光素子アレイおよびコリメートレンズアレイに共通化」されている。
請求項7記載の光源装置は、固体発光素子アレイと、コリメートレンズアレイと、偏光
変換手段とを有する。
「固体発光素子アレイ」は、ランダム偏光状態の発散光を放射する2以上の固体発光素
子をアレイ配列してなるものであり、上述の請求項6記載のものと同様のものである。
「コリメートレンズアレイ」は、各固体発光素子から放射される発散光を略平行光束化
するコリメートレンズを、固体発光素子のアレイ配列と同ピッチで、固体発光素子アレイ
と平行にアレイ配列してなり、上述の請求項6記載のものと同様のものである。
「偏光変換手段」は、コリメートレンズアレイにより平行光束化された個々の光束の偏光状態を直線偏光状態に変換するものであり、請求項6記載の偏光変換光学系アレイが用いられる。偏光変換光学系のアレイ配列は「固体発光素子アレイおよびコリメートレンズアレイのアレイ配列と同ピッチで、同方向」である。即ち、請求項7記載の光源装置では、基本的に請求項7記載の光源装置を複数個、アレイ配列した構成であり、光源装置の個々は個別であってもよいし、別個の保持手段等により全体を一体としてもよい。
以下、参考技術を説明する。
この参考技術の光源装置は、固体発光素子と、コリメートレンズと、無機偏光分離素
子とを有する。
「固体発光素子」は、ランダム偏光状態の発散光を放射するものであって、上述のLD
やLEDが用いられる。
「コリメートレンズ」は、固体発光素子から放射される発散光を略平行光束化する。
「無機偏光分離素子」は、平行平板状の透明基板の少なくとも片面に、無機材料による
微細周期構造を形成され、入射光束のP偏光成分およびS偏光成分の一方を選択的に透過
させ、他方を反射させる偏光分離素子であり、前述の特許文献1等に記載されたものや、
ワイヤグリッド構造を備えたものを用いることができる。
この無機偏光分離素子は、コリメートレンズにより平行光束化された光を入射されるが「反射される偏光成分が固体発光素子の発光部へ戻らない」ように、コリメートレンズの光軸に対して傾けて配置されている。このように、参考技術の光源装置においては、平行平板状の無機偏光分離素子はコリメートレンズの光軸に対して傾く。
この傾き角を「α(≠0)」とすると、入射光束は無機偏光分離素子に傾いて入射する。このときの入射角はαに等しく、無機偏光分離素子により反射される偏光成分は入射方向に対して「2αの角」をなす。
傾き角:αは、反射された偏光成分の光が「固体発光素子の発光部へ戻らない」ような
大きさに設定される。このとき、αを大きく設定すれば、無機偏光分離素子とコリメート
レンズとの間隔を短くできるが、傾き角:αが大きくなりすぎると、無機偏光分離素子の
「偏光分離機能」を十全に機能させることができない。偏光分離機能を十全に機能させる
ためには、αは小さきほうが良いが、αが小さくなると「反射された偏光成分の光が固体
発光素子の発光部へ戻らない」ようにするには、無機偏光分離素子とコリメートレンズと
の間隔を大きく設定せざるを得ず、光源装置が大型化する。
無機偏光分離素子の機能を十分に機能させることができ、なおかつ、光源装置を大型化
することなく「反射された偏光成分の光が固体発光素子の発光部へ戻らない」ようにする
には、角:αの範囲は、
1°≦α≦12°
の範囲であり、請求項1におけるθの範囲「1°≦θ≦12°」の範囲も、このような観
点から定められている。角:θ、αのより好ましい範囲は、
2°≦θ≦10°、2°≦α≦10°
である。
以上のように、この発明によれば、新規な偏光変換光学系および偏光変換光学系アレイおよび光源装置を実現できる。請求項1〜7の何れかに記載の発明によれば、光源からのランダム偏光状態の光を実質的に100%の利用効率で直線偏光状態に変換できる。また、この発明の光源装置では、無機偏光分離素子で反射された偏光成分が固体発光素子の発光部に戻って発光状態に影響を与えることがない。
以下、実施の形態を説明する。
先ず、図1〜図3を参照して、用語等の説明を行う。
図1は、参考技術としての光源装置の1形態を示している。
図1において、符号10は光源装置、符号11は固体発光素子、符号13はコリメートレンズ、符号15は無機偏光分離素子、符号17は反射光学素子をそれぞれ示している。
固体発光素子11は「ランダム偏光状態の発散光を放射する」ものであり、前述の「ラ
ンダム偏光状態の発散光を放射するLD」やLEDが用いられる。
固体発光素子11から放射されたランダム偏光状態の発散光束はコリメートレンズ13
により、略平行光束である入射光束L0に変換され、平行平板状の無機偏光分離素子15
に入射する。
無機偏光分離素子15は、平行平板状の透明基板の少なくとも片面に、無機材料による
微細周期構造を形成され、この実施の形態においては、入射光束L0におけるP偏光成分
LPを選択的に透過させ、S偏光成分LSを反射させることによりランダム偏光状態の入
射光束を、偏光面が互いに直交するP偏光成分LPとS偏光成分LSとに分離する。この
例に限らず、無機偏光分離素子15が、S偏光成分を透過させ、P偏光成分を反射させる
ようにする構成も可能である。
無機偏光分離素子15は平行平板状であるので、透過したP偏光成分LPは入射光束L
0と同方向に進行する平行光束である。
無機偏光分離素子15は、図の如く、入射光束L0に対して角:θだけ傾けられており
、従って入射光束L0は入射角:θで無機偏光分離素子15に入射する。無機偏光分離素
子15により反射された反射光束はS偏光成分LSであり、入射光束L0に対して「2θ
」傾いて進行し、反射光学素子17に入射する。
無機偏光分離素子15の傾き角:θは、前述したように、無機偏光分離素子15の機能を十分に機能させることができ、なおかつ、光源装置を大型化することなく「反射された偏光成分LSが固体発光素子11の発光部へ戻らない」ように、また、反射された偏光成分LSが反射光学素子17の平反射面171Aに有効に入射するように、
1°≦θ≦12°
の範囲、より好ましくは、
2°≦θ≦10°
の範囲に設定されるが、この形態例では10度に設定されている。
反射光学素子17は反射鏡171の平反射面171Aに、1/4波長層172を形成し
てなり、平反射面171Aが無機偏光分離素子15と平行に対向するように傾けられ、反
射光束であるS偏光成分LSが全て入射するように、大きさおよび配置位置を設定されて
いる。
従って、偏光成分LSは反射光学素子17の平反射面171Aにより全て反射されるが
、反射される際に、1/4波長層172を往復透過するので、位相が180度変換され、
偏光面が90度旋回される。その結果、反射光束は無機偏光分離素子15を透過したP偏
光成分LPと同じ偏光方向の光束LP1となる。平反射面171Aは無機偏光分離素子1
5と平行に対向しているので、反射光束LP1は、P偏光成分LPと平行な光束となる。
この形態例における無機偏光分離素子15と反射光学素子17とは「偏光変換光学系」を構成している。
即ち、この「偏光変換光学系」は、略平行光束である入射光束の偏光状態を変換して、1方向に直線偏光した光束とする偏光変換光学系において、平行平板状の透明基板の少なくとも片面に、無機材料による微細周期構造を形成され、入射光束L0のP偏光成分LPを選択的に透過させ、S偏光成分を反射させる無機偏光分離素子15と、平反射面171Aと1/4波長層172とを組合せてなり、無機偏光分離素子15により反射された偏光成分LSを反射し、反射光束LP1の偏光状態を、無機偏光分離素子15を透過する偏光成分LPと同じ偏光状態に変換する反射光学素子17とを有し、無機偏光分離素子15の入射側面への入射光束の主光線の入射角:θが1°≦θ≦12°の範囲の角:10°に設定され、無機偏光分離素子15を透過した光束LPと、反射光学素子17により偏光状態を変換された反射光束LP1とが、互いに平行な光束となるように、無機偏光分離素子15と反射光学素子17との相対的な位置関係が定められている。
図2は、無機偏光分離素子の代表的な例を2例示す図である。
図2(a)に示す無機偏光分離素子150は、透明平行平板の片面に、波長(固体発光
素子11の発光波長)の1/4〜1/2のピッチで形成された「ライン/スペース形状の
断面矩形波状溝」を有する基板151と、基板151の溝を埋めると共に溝短手方向(図
の上下方向)に「三角波形状で溝長手方向(図面に直交する方向)に直線状の凸部」を備
えた調整層153を有し、調整層153の上に、透明な高屈折率の媒質からなる複数の高
屈折率層と透明な低屈折率の媒質からなる複数の低屈折率層が交互に積層された積層体1
55を有するものである。積層体155の表面形状は、調整層153表面の「断面三角波
形状」に倣った微細凹凸構造となる。
このように、光の波長よりも十分に小さいピッチで微細凹凸構造をなす「高屈折率層と
低屈折率層の交互の積層体」に光が入射すると、微細凹凸構造の凸部の長手方向に平行な
方向に電場の振動面を有する(TEモードの)光の大部分(説明中の実施の形態ではS偏
光成分)は反射され、凹凸の周期方向に電場の振動面を有する(TMモードの)光(説明
中の実施の形態ではP偏光成分)の大部分は無機偏光分離素子150を透過する。
このような偏光分離素子は、特許文献1記載のように、透明平行平板の片面に「電子ビ
ームリソグラフィ及びドライエッチング」によりライン/スペース形状の周期的な溝(上
記「断面矩形波状」の溝)を形成して基板151とし、基板と同材料のターゲットを用い
たスパッタリングによる成膜及び逆スパッタリングによるスパッタエッチングを繰り返し
て、上記ライン/スペース形状の周期的な溝を埋めると共に、溝周期方向に三角波形状で
、溝長手方向に直線状の凸部を備えた調整層153を形成し、さらに、高屈折率の透明媒
質及び低屈折率の透明媒質のターゲットを用い、スパッタリングによる成膜及び逆スパッ
タリングによるスパッタエッチングを繰り返して、高屈折率層と低屈折率層を順次、交互
に積層させて積層体155を形成することにより製造することができる。
図2(b)は、無機偏光分離素子1500を示している。
無機偏光分離素子1500は、図2(a)に示した無機偏光分離素子150と同様の構
成の、2枚の無機偏光分離素子150Aと150Bとを透明な基板の側で接着等の貼り合
せ方法で一体化したものである。
このような構成とすることにより、2つの積層構造を入射光の方向へ直列的に設けるこ
とができ、図2(a)の場合よりも更に、偏光分離の効率を高めることができる。
勿論、この発明における無機偏光分離素子は図2に例示するものに限らず、前述の「ワ
イヤグリッド構造を備えた無機偏光板」や、「ワイヤグリッド構造を備えた無機偏光板を
2枚重ねて一体化したもの」、図2(a)に示した無機偏光分離素子150と「ワイヤグ
リッド構造を備えた無機偏光板」を互いに重ねて一体化したもの等を適宜に用いることが
できる。
図1に即して説明した光源装置においては、図示の如く、偏光変換された偏光成分LP
とLP1とはそれぞれ平行光束で「互いに平行」であるが、偏光成分LPとLP1とは、
図の上下方向において相互間に「若干の隙間」がある。しかし、無機偏光分離素子15、
反射光学素子17の大きさや、相互の位置関係を調整することにより、偏光成分LPとL
P1とが「互いに密接する」ようにすることも勿論可能である。
図3は、光源装置の別形態例を説明図的に示している。繁雑を避けるため、混同の虞が無いと思われるものについては、図1におけると同一の符号を用いた。
固体発光素子11から放射された「ランダム偏光状態の発散光束」はコリメートレンズ13により、略平行光束である入射光束L0に変換され、平行平板状の無機偏光分離素子15Aに入射する。
無機偏光分離素子15Aは、平行平板状の透明基板の少なくとも片面に、無機材料による微細周期構造を形成され、この実施の形態においては、入射光束L0におけるP偏光成分LPを選択的に透過させ、S偏光成分LSを反射させることにより、ランダム偏光状態の入射光束L0を、偏光面が互いに直交するP偏光成分LPとS偏光成分LSとに分離する。無機偏光分離素子15Aが、S偏光成分を透過させ、P偏光成分を反射させるようにする構成も可能である。
無機偏光分離素子15Aは平行平板状であるので、透過したP偏光成分LPは入射光束
L0と同方向に進行する平行光束である。
無機偏光分離素子15Aは、図の如く、入射光束L0に対して角:θだけ傾けられてお
り、入射光束L0は入射角:θで無機偏光分離素子15Aに入射する。無機偏光分離素子
15Aにより反射された反射光束はS偏光成分LSであり、入射光束L0に対して2θ傾
いて進行し、反射光学素子17に入射する。
無機偏光分離素子15Aの傾き角:θは、無機偏光分離素子15Aの機能を十分に機能させることができ、なおかつ、光源装置を大型化することなく「反射された偏光成分LSが固体発光素子11の発光部へ戻らない」ように、また、反射された偏光成分LSが反射光学素子17の平反射面171Aに有効に入射するように、
1°≦θ≦12°
の範囲、より好ましくは、
2°≦θ≦10°
の範囲に設定されるが、この形態例では10度に設定されている。
反射光学素子17は反射鏡171の平反射面171Aに、1/4波長層172を形成し
てなり、平反射面171Aが無機偏光分離素子15と平行に対向するように傾けられ、反
射光束であるS偏光成分LSが全て入射するように、大きさおよび配置位置を設定されて
いる。
偏光成分LSは、反射光学素子17の平反射面171Aにより全て反射されるが、反射
される際に、1/4波長層172を往復透過するので位相が180度変換され、偏光面が
90度旋回される。その結果、反射光束は無機偏光分離素子15を透過したP偏光成分L
Pと同じ偏光方向の光束LP1となる。平反射面171Aは無機偏光分離素子15と平行
に対向しているので、反射光束LP1はP偏光成分LPと平行な光束となる。
この形態例における無機偏光分離素子15Aと反射光学素子17とは「偏光変換光学系」を構成している。
図3の形態例においては、無機偏光分離素子15Aの大きさが、図の上下方向に大きく、光源側からのランダム偏光状態の平行光束である入射光束L0は、無機偏光分離素子15Aの、図における「下半分」に入射し、透過光束である偏光成分LPと反射光束である偏光成分LSとに分離される。そして、偏光成分LSは反射光学素子17により偏光成分LP1となって、無機偏光分離素子15Aの「上半分」に入射する。
偏光成分LP1の偏光方向は偏光成分LPと同方向であるから、偏光方向を保ったまま
無機偏光分離素子15Aの上半分を透過する。
この形態例では、偏光変換された平行光束である偏光成分LPとLP1とが、図の上下方向において互いに密接するように、無機偏光分離素子15Aや反射光学素子17、コリメートレンズ13等の大きさや位置関係が設定されている。
無機偏光分離素子15Aの形態や構成は、上に説明した各種のものを適宜に利用できることは言うまでも無い。
この形態例においては、無機偏光分離素子15Aと反射光学素子17とが、偏光変換光学系を構成し、略平行光束である入射光束の偏光状態を変換して、1方向に直線偏光した光束とする偏光変換光学系において、平行平板状の透明基板の少なくとも片面に、無機材料による微細周期構造を形成され、入射光束L0のP偏光成分LPを選択的に透過させ、S偏光成分を反射させる無機偏光分離素子15Aと、平反射面171Aと1/4波長層172とを組合せてなり、無機偏光分離素子15Aにより反射された偏光成分LSを反射し、反射光束LP1の偏光状態を、無機偏光分離素子15を透過する偏光成分LPと同じ偏光状態に変換する反射光学素子17とを有し、無機偏光分離素子15Aの入射側面への入射光束の主光線の入射角:θが1°≦θ≦12°の範囲の角:10°に設定され、無機偏光分離素子15Aを透過した光束LPと、反射光学素子17により偏光状態を変換された反射光束LP1とが、互いに平行な光束となるように、無機偏光分離素子15Aと反射光学素子17との相対的な位置関係が定められている。
また、無機偏光分離素子15Aの、図3における「上半分の部分」は、反射光学素子17により反射された反射光束LP1を、その偏光状態を保ったまま透過させる「平行平板状の透過光学素子」をなしており、無機偏光分離素子を透過した光束LPと、透過光学素子を透過した光束LP1とが互いに平行な光束となるように、無機偏光分離素子15Aと反射光学素子17と透過光学素子15Aとの相対的な位置関係が定められている。さらに、透過光学素子15Aは、無機偏光分離素子15Aと「同一の光学機能」を有する。
図4は、光源装置の実施の1形態を説明図的に示している。繁雑をさけるため、混同の虞が無いと思われるものについては、図1におけると同一の符号を用いた。
固体発光素子11から放射されたランダム偏光状態の発散光束はコリメートレンズ13により、略平行光束である入射光束L0に変換され、平行平板状の無機偏光分離素子15Bに入射する。
無機偏光分離素子15Bは、平行平板状の透明基板の少なくとも片面に、無機材料による微細周期構造を形成され、この実施の形態においては、入射光束L0におけるP偏光成分LPを選択的に透過させ、S偏光成分LSを反射させることにより、ランダム偏光状態の入射光束L0を、偏光面が互いに直交するP偏光成分LPとS偏光成分LSとに分離する。無機偏光分離素子15Bが、S偏光成分を透過させ、P偏光成分を反射させるようにする構成も可能である。
無機偏光分離素子15Bは平行平板状であるので、透過したP偏光成分LPは入射光束
L0と同方向に進行する平行光束である。
無機偏光分離素子15Bは、図の如く、入射光束L0に対して角:θだけ傾けられてお
り、従って入射光束L0は入射角:θで無機偏光分離素子15Bに入射する。無機偏光分
離素子15Bにより反射された反射光束はS偏光成分LSであり、入射光束L0に対して
2θ傾いて進行し、反射光学素子17に入射する。
無機偏光分離素子15Bの傾き角:θは、前述したように、無機偏光分離素子15Aの
機能を十分に機能させることができ、なおかつ、光源装置を大型化することなく「反射さ
れた偏光成分LSが固体発光素子11の発光部へ戻らない」ように、また、反射された偏
光成分LSが反射光学素子17の平反射面171Aに有効に入射するように、
1°≦θ≦12°
の範囲、より好ましくは、
2°≦θ≦10°
の範囲に設定されるが、この実施の形態では10度に設定されている。
反射光学素子17は反射鏡171の平反射面171Aに、1/4波長層172を形成し
てなり、平反射面171Aが無機偏光分離素子15と平行に対向するように傾けられ、反
射光束であるS偏光成分LSが全て入射するように、大きさおよび配置位置を設定されて
いる。
従って、偏光成分LSは反射光学素子17の平反射面171Aにより全て反射されるが
、反射される際に、1/4波長層172を往復透過するので位相が180度変換され、偏
光面が90度旋回される。その結果、反射光束は無機偏光分離素子15Bを透過したP偏
光成分LPと同じ偏光方向の光束LP1となる。平反射面171Aは無機偏光分離素子1
5Bと平行に対向しているので、反射光束LP1はP偏光成分LPと平行な光束となる。
この反射光束LP1は透過光学素子19に入射する。透過光学素子19は透明材料による平行平板状であって、反射光学素子17により反射された反射光束LP1を「その偏光状態(P偏光状態)を保ったまま透過」させる。また、無機偏光分離素子15Bを透過した光束LPと、透過光学素子19を透過した光束LP1とが、互いに平行な光束となるように、無機偏光分離素子15Bと反射光学素子17と透過光学素子19との相対的な位置関係が定められている。
この実施の形態における無機偏光分離素子15Bと反射光学素子17と透過光学素子1
9は「偏光変換光学系」を構成し、偏光変換された平行光束である偏光成分LPとLP1
とが、図の上下方向において互いに密接するように、無機偏光分離素子15B、反射光学
素子17、透過光学素子19やコリメートレンズ13等の大きさや位置関係が設定されて
いる。
無機偏光分離素子15Bの形態や構成は上に説明した各種のものを適宜利用できる。
即ち、図4の実施の形態においては、無機偏光分離素子15Bと反射光学素子17と透
過光学素子19が「偏光変換光学系」を構成する。
即ち、略平行光束である入射光束の偏光状態を変換して、1方向に直線偏光した光束と
する偏光変換光学系は、平行平板状の透明基板の少なくとも片面に、無機材料による微細周期構造を形成され、入射光束L0のP偏光成分LPを選択的に透過させ、S偏光成分を反射させる無機偏光分離素子15Bと、平反射面171Aと1/4波長層172とを組合せてなり、無機偏光分離素子15Bにより反射された偏光成分LSを反射し、反射光束LP1の偏光状態を、無機偏光分離素子15Bを透過する偏光成分LPと同じ偏光状態に変換する反射光学素子17とを有し、無機偏光分離素子15Aの入射側面への入射光束の主光線の入射角:θが1°≦θ≦12°の範囲の角:10°に設定され、無機偏光分離素子15Bを透過した光束LPと、反射光学素子17により偏光状態を変換された反射光束LP1とが互いに平行な光束となるように、無機偏光分離素子15Bと反射光学素子17との相対的な位置関係が定められ、反射光学素子17により反射された反射光束LP1を、その偏光状態を保ったまま透過させる平行平板状の透過光学素子19を有し、この透過光学素子19は「無機偏光分離素子15Bと別個の透明平行平板」である。
図4の実施の形態において、透過光学素子19は、図の如く、偏光成分LP1の入射方
向に対して、角:βだけ傾けて設けられている。勿論、これに限らず、透過光学素子19
が偏光成分LP1に対して直交するようにしてもよい。図4の実施の形態で、角:βは角
:θに等しく、即ち10°に設定されている。
即ち、無機偏光分離素子15Bと、この無機偏光分離素子15Bとは別個の透過光学素子19とは密接して屋根型をなして一体化され、無機偏光分離素子15Bを透過した光束LPと透過光学素子19を透過した光束LP1とが、互いに平行で近接もしくは密接するように、反射光学素子17の位置が設定されている(請求項1)。
図4を用いて、請求項6の光源装置を説明する。
上に説明したところでは、光源である固体発光素子11は単一の素子であったが、この固体発光素子11を「図4の図面に直交する方向へ所定のピッチでアレイ配列する」ことができる。アレイ配列の形態としては、複数個の固体発光素子を所定のピッチで配列しても良いし、LDアレイやLEDバーのように、発光部自体がアレイ配列をなし、全体がモノリシックに一体化されたものであることもできる。
このようにして「ランダム偏光状態の発散光を放射する2以上の固体発光素子11をア
レイ配列してなる固体発光素子アレイ」を構成することができる。
この固体発光素子アレイにおける各固体発光素子11から放射される発散光を略平行光
束化するコリメートレンズ13を、固体発光素子のアレイ配列と同ピッチで、固体発光素
子アレイと平行(図面に直交する方向)にアレイ配列して「コリメートレンズアレイ」と
することができる。
そうすると、固体発光素子アレイの個々の固体発光素子11からの発散性の光束は、そ
れぞれ対応するコリメートレンズ13により平行光束化され、図面に直交する方向に互い
に平行に配列する。
一方において、無機偏光分離素子15B、反射光学素子17、透過光学素子19の形状
を「断面形状を図4の形状としたまま、図面に直交する方向へ長く形成」し、コリメート
レンズアレイにより平行光束化されて図面に直交する方向へ配列する入射光束に対して共
通化し、先に説明したような偏光変換機能を持たせて「個々の光束の偏光状態を全体とし
て、直線偏光状態に変換する偏光変換手段」とすることができる。
このようにして、複数の固体発光素子からの光束を同時に偏光変換できる光源装置(請求項6)を実現できる。
図5を参照して、請求項7記載の光源装置の実施の1形態を説明する。
ランダム偏光状態の発散光を放射する2以上の固体発光素子11a、11b、・・が図の上下方向へ所定のピッチでアレイ配列され固体発光素子アレイ110を構成する。
コリメートレンズ13a、13b、・・はそれぞれ、固体発光素子11a、11b、・
・から放射される発散光を略平行光束化するものであり、固体発光素子11a、11b、
・・のアレイ配列と同ピッチで、固体発光素子アレイ110と平行(図の除下方向)にア
レイ配列して「コリメートレンズアレイ」を構成する。
無機偏光分離素子15a、反射光学素子17a、透過光学素子19aは「固体発光素子
11aに対応する偏光変換光学系」を構成する。また、無機偏光分離素子15b、反射光
学素子17b、透過光学素子19bは「固体発光素子11bに対応する偏光変換光学系」
を構成する。
このようにして、固体発光素子アレイ110における固体発光素子ごとに1個の「偏向
変換光学系」が用いられ、これら複数の偏光変換光学系は、固体発光素子アレイ110お
よびコリメートレンズアレイのアレイ配列と同ピッチで、同方向(図の上下方向)にアレ
イ配列して「偏光変換手段」である偏光変換光学系アレイを構成する。
この実施の形態でも、複数の固体発光素子11a、11b、・・からの光束を同時に偏光変換することができる光源装置(請求項7)を実現できる。
また、図5において、固体発光素子ごとに対応する偏光変換光学系を1単位として、その複数単位が所定の1方向(図の上下方向)にアレイ配列する部分は請求項4記載の「偏光変換光学系アレイ」を構成する。
図4において「ランダム偏光状態の発散光を放射する固体発光素子11と、固体発光素
子11から放射される発散光を略平行光束化するコリメートレンズ13と、平行平板状の
透明基板の少なくとも片面に、無機材料による微細周期構造を形成され、入射光束のP偏
光成分およびS偏光成分の一方を選択的に透過させ、他方を反射させる無機偏光分離素子
15、15A、15Bとによる部分」において、無機偏光分離素子にはコリメートレンズ
13により平行光束化された光が入射するが「反射される偏光成分LSが固体発光素子1
1の発光部へ戻らない」ように、無機偏光分離素子は「コリメートレンズ13の光軸に対
して傾けて配置され」ており、従って、これらにより構成される部分は、前述の参考技術における光源装置を構成する。
勿論、図5においても、無機偏光分離素子15a、15b等には、コリメートレンズ13a、13b等により平行光束化された光が入射するが「反射される偏光成分が固体発光素子11a等の発光部へ戻らない」ように、各無機偏光分離素子は「対応するコリメートレンズの光軸に対して傾けて配置され」ている。
図6に示すのは、図5の実施の形態の変形例である。繁雑を避けるため、混同の恐れがないと思われるものについては、図5におけると同一の符号を付してある。
ランダム偏光状態の発散光を放射する2以上の固体発光素子11a、11b、・・が図の上下方向へ所定のピッチでアレイ配列され固体発光素子アレイ110を構成する。
コリメートレンズ13a、13b、・・はそれぞれ、固体発光素子11a、11b、・
・から放射される発散光を略平行光束化するものであり、固体発光素子11a、11b、
・・のアレイ配列と同ピッチで、固体発光素子アレイ110と平行(図の除下方向)にア
レイ配列して「コリメートレンズアレイ」を構成する。
無機偏光分離素子15a、反射光学素子17a、透過光学素子19aは「固体発光素子
11aに対応する偏光変換光学系」を構成する。また、無機偏光分離素子15b、反射光
学素子17b、透過光学素子19bは「固体発光素子11bに対応する偏光変換光学系」
を構成する。
このようにして、固体発光素子アレイ110における固体発光素子ごとに1個の「偏向
変換光学系」が用いられ、これら複数の偏光変換光学系は、固体発光素子アレイ110お
よびコリメートレンズアレイのアレイ配列と同ピッチで、同方向(図の上下方向)にアレ
イ配列して「偏光変換手段」である偏光変換光学系アレイを構成する。
図6の形態例では、図の上下方向に配列された反射光学素子17a、17b・・が透明な平行平板18a、18b・・により互いに連結され、これら互いに連結された反射光学素子17a、17b・・、平行平板18a、18b・・は一体化された「反射光学素子アレイ」を構成する。
無機偏光分離素子15a・・、透過光学素子19a・・も互いに連結されて一体化され「分離透過光学素子アレイ」をなしている。
この形態でも、複数の固体発光素子11a、11b、・・からの光束を同時に偏光変換することができる。
このように、複数の反射光学素子を平行平板で連結一体化した形態として反射光学素子アレイを形成し、複数の無機偏光分離素子と透過光学素子とを互いに連結一体化した形態として分離透過光学素子アレイを形成するようにすると、製造段階から一体的に形成することができ、「偏光変換光学系アレイ」として組み立てる(上記各アレイを、図6のように位置あわせし、図示されない結合保持手段で一体化すればよい。)ときの作業が簡単化され、製造コストの低減化につながる。
図7に示す例は別の参考例である。繁雑を避けるため、混同の恐れがないと思われるものについては、図5におけると同一の符号を付してある。
この例では、光を偏光状態に拘わりなく透過させる透明な材質による支持部材20を用いる。支持部材20は、図面左右方向を厚み方向とする板状である。
支持部材20の固体発光素子アレイ110側の面は、図の上下方向に平行な面201a、201b・・と、上下方向に対して1度〜12度、好ましくは2度〜10度傾いた面202、202b・・・が図の如く交互に形成され、図の上下方向に平行な面201a、201b・・は、個々の固体発光素子11a、11b・・に対応し、これら固体発光素子からの光の入射面をなしている。
また、傾斜した面202、202b・・・には、反射光学素子17a、17b・・が設けられている。
支持部材20の反対側の面(図で右側の面)には、図の上下方向に平行な面204a、204b・・と、上記傾斜した面202a、202b・・と同じ傾斜角を持つ傾斜面203a、203b・・・が図の如く交互に形成され、個々の傾斜面203a、203b・・・には、無機偏光分離素子15a、15b・・が設けられている。
なお、これら無機偏光分離素子は、支持部材20の表面に直接、図2(a)に示す如き「ライン/スペース形状の断面矩形波状溝」を形成し、同じく図2(a)に「符号155で示す積層体」と同様の積層体を形成することにより構成することもできる。
図7の上下方向に平行な面202a、202b・・は「無機偏光分離素子15a、15b・・を透過する偏光成分と同じ偏光状態」に変換された平行光束を射出させる面となっている。
この形態でも、複数の固体発光素子11a、11b、・・からの光束を同時に偏光変換することができる。
このように、複数の反射光学素子・無機偏光分離素子を支持部材20により互いに連結一体化した形態とすることにより、製造段階から一体的に形成でき「偏光変換光学系アレイ」として組み立てる作業が不要となり、製造コストの低減化につながる。
光源装置の参考例を説明するための図である。 無機偏光分離素子の構成例を2例説明するための図である。 光源装置の別形態例を説明するための図である。 光源装置の実施の1形態を説明するための図である。 請求項7記載の光源装置の実施の1形態を説明するための図である。 図5に即して説明した光源装置の変形例を説明するための図である。 図5に即して説明した光源装置の変形参考例を説明するための図である。
符号の説明
10 光源装置
11 固体発光素子
13 コリメートレンズ
15 無機偏光分離素子
17 反射光学素子

Claims (7)

  1. 略平行光束である入射光束の偏光状態を変換して、1方向に直線偏光した光束とする偏光変換光学系において、
    平行平板状の透明基板の少なくとも片面に、無機材料による微細周期構造を形成され、入射光束のP偏光成分およびS偏光成分の一方を選択的に透過させ、他方を反射させる無機偏光分離素子と、
    平反射面と1/4波長層とを組合せてなり、上記無機偏光分離素子により反射された偏光成分を反射し、反射光束の偏光状態を、上記無機偏光分離素子を透過する偏光成分と同じ偏光状態に変換する反射光学素子とを有し、
    上記無機偏光分離素子の入射側面への入射光束の主光線の入射角:θが、
    1°≦θ≦12°
    の範囲の角に設定され、
    上記無機偏光分離素子を透過した光束と、反射光学素子により偏光状態を変換された反射光束とが、互いに平行な光束となるように、上記無機偏光分離素子と反射光学素子との相対的な位置関係が定められ、
    上記反射光学素子により反射された反射光束を、その偏光状態を保ったまま透過させる平行平板状で上記無機偏光分離素子とは別個の透過光学素子を有し、
    上記無機偏光分離素子を透過した光束と、上記透過光学素子を透過した光束とが、互いに平行な光束となるように、上記無機偏光分離素子と上記反射光学素子と上記透過光学素子との相対的な位置関係が定められ、
    上記無機偏光分離素子と、上記透過光学素子とが密接して屋根型をなして一体化され、
    上記無機偏光分離素子を透過した光束と透過光学素子を透過した光束とが、互いに平行で近接もしくは密接するように、上記反射光学素子の位置が設定されていることを特徴とする偏光変換光学系。
  2. 請求項1記載の偏光変換光学系において、
    透過光学素子が、無機偏光分離素子と同一の光学機能を有するものであることを特徴とする偏光変換光学系。
  3. 請求項1記載の偏光変換光学系において、
    透過光学素子が、無機偏光分離素子と別個の透明平行平板であることを特徴とする偏光変換光学系。
  4. 請求項1〜3の任意の1に記載の偏光変換光学系を1単位として、その複数単位を所定の1方向にアレイ配列してなる偏光変換光学系アレイ。
  5. ランダム偏光状態の発散光を放射する固体発光素子と、
    この固体発光素子から放射される発散光を略平行光束化するコリメートレンズと、
    このコリメートレンズにより平行光束化された光束の偏光状態を、直線偏光状態に変換する偏光変換手段とを有し、
    上記偏光変換手段が、請求項1〜3の任意の1に記載の偏光変換光学系であって、上記平行光束化された光が、無機偏光分離素子に入射角:θで入射するように、上記平行光束化された光に対して位置設定されていることを特徴とする光源装置。
  6. ランダム偏光状態の発散光を放射する2以上の固体発光素子をアレイ配列してなる固体発光素子アレイと、
    各固体発光素子から放射される発散光を略平行光束化するコリメートレンズを、固体発光素子のアレイ配列と同ピッチで、上記固体発光素子アレイと平行にアレイ配列してなるコリメートレンズアレイと、
    このコリメートレンズアレイにより平行光束化された個々の光束の偏光状態を、直線偏光状態に変換する偏光変換手段と、を有し、
    上記偏光変換手段が、請求項1〜3の任意の1に記載の偏光変換光学系であって、上記固体発光素子アレイおよびコリメートレンズアレイのアレイ配列方向に長く、上記固体発光素子アレイ、コリメートレンズアレイに共通化されていることを特徴とする光源装置。
  7. ランダム偏光状態の発散光を放射する2以上の固体発光素子をアレイ配列してなる固体発光素子アレイと、
    各固体発光素子から放射される発散光を略平行光束化するコリメートレンズを、固体発光素子のアレイ配列と同ピッチで、上記固体発光素子アレイと平行にアレイ配列してなるコリメートレンズアレイと、
    このコリメートレンズアレイにより平行光束化された個々の光束の偏光状態を、直線偏光状態に変換する偏光変換手段とを有し、
    上記偏光変換手段が、請求項4記載の偏光変換光学系アレイであって、偏光変換光学系のアレイ配列が、上記固体発光素子アレイおよびコリメートレンズアレイのアレイ配列と同ピッチで、同方向であることを特徴とする光源装置。
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