JP5280248B2 - 発泡樹脂積層板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも硬質層と発泡樹脂層とからなる発泡樹脂積層板の製造方法に関する。
発泡樹脂積層板の製造方法に関する技術としては、例えば特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1に記載された発泡樹脂積層防音板の製造方法は、まず発泡温度より低い温度で未発泡状態の発泡可能樹脂と硬質板とを積層一体化し、積層一体化された積層板をプレス加工などにより所定形状とする。そのあと所定形状とされた積層板を加熱して発泡樹脂層を内部に形成し、防音性を有する発泡樹脂積層防音板とするものである。特許文献1において、積層板を所定形状としたのち加熱して発泡樹脂層を形成することにより、積層板として形状・施工場所などの制約を受けることがなくなる、と称されている。
特開2004−42649号公報
しかしながら、発泡樹脂積層板の製造工程における加熱発泡において、一般に発泡樹脂積層板の板厚が拘束されることはない。そのため、発泡後の発泡樹脂積層板の板厚がバラつき、所望の板厚精度が得られないという問題があった。特に、熱風対流加熱により加熱発泡させる場合において単純に炉内に積層板を設置するだけでは、積層板における熱風の接触の仕方によって温度ムラが生じ、所望の板厚精度を得ることが困難であった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、加熱発泡後における積層板の板厚精度を向上させることができる発泡樹脂積層板の製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明は、未発泡状態の発泡可能樹脂層と硬質層とを積層して積層板を形成する積層工程と、前記積層板の温度が以下の(A)式を満たすとともに当該積層板の各部間の温度差が以下の(B)式を満たすように当該積層板を加熱した後、前記発泡可能樹脂層に含まれる発泡剤の分解温度以上に当該積層板を加熱する加熱工程と、を備える発泡樹脂積層板の製造方法である。
(数1)
−100℃≦Ts≦T−50℃ ・・・(A)
:発泡剤の分解温度、Ts:積層板の温度
(数2)
ΔTs≦30℃ ・・・(B)
ΔTs:積層板の各部間の温度差
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討した結果、積層板の加熱工程における途中段階において、上記のように積層板の温度および積層板の各部間の温度差が所定条件((A)式、(B)式)を満たすように積層板の加熱をコントロールしてやり、そのあと加熱発泡させることで加熱発泡後における積層板の板厚精度を向上させることができることを見出した。
また好適には、前記硬質層が金属板からなることである。さらに好適には、前記金属板がアルミニウム板またはアルミニウム合金板からなることである。この構成によると、アルミニウム板またはアルミニウム合金板からなる硬質層とすることで、発泡樹脂積層板の剛性および軽量性を高めることができる。
さらに好適には、前記発泡可能樹脂層のマトリック樹脂がポリオレフィン系樹脂からなることである。この構成によると、発泡可能樹脂層の均一な発泡性を向上させることができ、積層板の板厚精度がより向上する。
さらに好適には、前記加熱工程は、前記積層板の温度Tsがさらに以下の(C)式を満たすように当該積層板を加熱した後、前記発泡可能樹脂層に含まれる発泡剤の分解温度以上に当該積層板を加熱する工程であることである。この構成によると、未発泡状態での積層板の変形を防止することができ、加熱発泡後における積層板の板厚精度をより向上させることができる。
(数3)
Ts≦Tm ・・・(C)
Tm:未発泡状態の積層板の荷重たわみ温度
発泡樹脂積層板の一形態を示す斜視図である。 温度測定位置を示すための発泡樹脂積層板の平面図である。 発泡樹脂積層板の各部間の温度差と、発泡した発泡樹脂層の厚さの標準偏差との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る発泡樹脂積層板の製造方法を示すためのフロー図である。 実験で用いた発泡樹脂積層板の形態および実験形態を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明に係る製造方法で得られる発泡樹脂積層板は、例えば、新幹線、飛行機などの本体を構成する構造体の材料として用いられる。また、この発泡樹脂積層板は、建築物の床、壁、天井などの材料としても広く利用することができるものである。
(発泡樹脂積層板の構成)
図1は、発泡樹脂積層板の一形態を示す斜視図である。図1(a)は、発泡前(未発泡状態)の発泡樹脂積層板1の斜視図であり、図1(b)は、発泡後の発泡樹脂積層板1の斜視図である。
図1(a)に示すように、発泡前の発泡樹脂積層板1は、未発泡状態の発泡可能樹脂層4aと、この発泡可能樹脂層4aの両側に配置された2枚のアルミニウム板2とからなる。発泡可能樹脂層4aが加熱されて発泡させられることで発泡樹脂層4bとなり、図1(b)に示す発泡後の発泡樹脂積層板1となる。
なお、発泡樹脂積層板1は、発泡樹脂層4bと、発泡樹脂層4bの両側に配置された2つの硬質層2とからなるが、このような形態に限られることはなく、発泡樹脂層4bと硬質層2との間に発泡しない樹脂層をさらに配置してもよいし、単に1つの発泡樹脂層4bと1つの硬質層2とを隣接させて配置するのみであってもよいし、並列配置した3つの硬質層2の間に2つの発泡樹脂層4bを配置してもよい。すなわち、少なくとも硬質層と発泡樹脂層とからなる発泡樹脂積層板であればよい。
発泡可能樹脂層4aは、マトリックス樹脂と発泡剤とを有している。マトリックス樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂などがある。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、EPR、EPDMなどがある。ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン樹脂、熱可塑性エラストマー、ABS樹脂、AS樹脂などがある。これらの樹脂は熱可塑性樹脂であり加熱により軟化し可塑性が高くなる性質がある。
発泡剤としては、有機発泡剤、無機発泡剤がある。有機発泡剤としては、アゾ化合物、ニトロソ化合物、スルホニルヒドラジド化合物などがあり、具体的には、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾジカルボン酸バリウム、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p、p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられる。無機発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸亜鉛、熱膨張性マイクロカプセルなどがある。なお、発泡剤は、その発泡温度(分解温度)が、マトリックス樹脂の融点よりも20℃程度高い温度となるものを選択する必要がある。また、1種の発泡剤を単独で使用してもよく、2種以上の発泡剤を組み合わせて使用してもよい。
硬質層2は、アルミニウム板2に限定されることはなく、アルミニウム合金板、ステンレス板、めっき鋼板などの金属板であってもよいし、樹脂板であってもよい。
発泡可能樹脂層4aとアルミニウム板2とは接着剤を用いて接着させてもよいし、発泡可能樹脂層4aの発泡温度よりも低温で溶着させてもよい。
次に、本発明の一実施形態に係る発泡樹脂積層板の製造方法に関して説明する。
(加熱工程の検討)
まず、本発明者らが実施した、発泡樹脂積層板の製造工程における加熱工程の検討について記載する。図2は、温度測定位置を示すための発泡樹脂積層板1の平面図である。
加熱工程の検討実験において使用した発泡樹脂積層板1は、長さ1.0m×幅1.0mの正方形の板である。この発泡樹脂積層板1は、厚さ0.9mmの発泡可能樹脂層4aの両面に、厚さ0.15mmのアルミニウム板2を接着したものである。発泡可能樹脂層4aは、マトリックス樹脂にポリプロピレン樹脂を用い、発泡剤としてADCA系発泡剤(分解温度195℃、永和化成工業株式会社製)を用いた。なお、加熱発泡後の発泡樹脂層4bの最終厚さが2.7mm(発泡前の3倍の厚さ)となるように設計されている。
また、加熱手段としては、ガス加熱式連続加熱炉(炉長10m、炉幅2.2m)を使用した。発泡樹脂積層板1の温度は、図2に示したように、9箇所(ポイントP1〜P9)測定した。発泡樹脂積層板1のアルミニウム板2の表面に直接カプトンテープで熱電対を貼り付けて、データロガー(グラフテック株式会社製、midi LOGGER GL200)で温度データを採取した。
加熱工程の検討実験は、ガス加熱式連続加熱炉の炉内設定温度を200℃とし、送り速度を0.8m/minとして、発泡樹脂積層板1をガス加熱式連続加熱炉内に入れ、炉内を進行させていった。図2に示した方向Aは、ガス加熱式連続加熱炉内における発泡樹脂積層板1の進行方向である。
図3は、実験結果を示すグラフであり、発泡樹脂積層板1の各部間の温度差と、発泡した発泡樹脂層4bの厚さの標準偏差との関係を示している。図3(a)および図3(b)の縦軸は、いずれも発泡した発泡樹脂層4bの厚さ(最終厚さ)の標準偏差(mm)である。図3(a)の横軸は、発泡樹脂積層板1の平均板温度(温度)が発泡剤の分解温度(195℃)よりも低い100℃のときの、発泡樹脂積層板1の各部間の温度差(℃)であり、図3(b)の横軸は、発泡樹脂積層板1の平均板温度(温度)が195℃のときの、発泡樹脂積層板1の各部間の温度差(℃)である。ここで、発泡樹脂積層板1の平均板温度とは、図2に示した9箇所の温度測定位置(ポイントP1〜P9)で測定された温度データの平均値のことをいう。また、発泡樹脂積層板1の各部間の温度差とは、図2に示した9箇所の温度測定位置(ポイントP1〜P9)で測定された温度データのうち最大値データと最小値データとの差の値のこと、すなわち最大温度差のことをいう。
図3(a)に示すように、発泡樹脂積層板1の平均板温度が発泡剤の分解温度(195℃)よりも低い100℃のとき、発泡樹脂積層板1の各部間の温度差と、最終的な(発泡後の)発泡樹脂層4bの厚さのバラツキとの相関が高い。一方、図3(b)に示すように、発泡樹脂積層板1の平均板温度が発泡剤の分解温度(195℃)になると(平均板温度が分解温度付近になると)、発泡樹脂積層板1における各部間の温度のバラツキは小さくなるが、発泡樹脂積層板1の各部間の温度差と、最終的な発泡樹脂層4bの厚さのバラツキとの相関はほとんどない。
上記実験結果より、例えば発泡樹脂層4bの厚さの標準偏差を0.4mm以下に抑えるには、図3(a)より、発泡樹脂積層板1の平均板温度(温度)が発泡剤の分解温度(195℃)よりも低い場合における発泡樹脂積層板1各部間の温度差を30℃以下にすればよいことがわかる。すなわち、本発明者らは、加熱工程における途中段階において、発泡樹脂積層板1の温度および発泡樹脂積層板1の各部間の温度差をコントロールしてやり、その後に発泡可能樹脂層4aを加熱発泡させることで、加熱発泡後における発泡樹脂積層板1の板厚精度を向上させることができることを見出した。
(発泡樹脂積層板の製造方法)
次に、上記実験結果に基づいた本発明の一実施形態に係る発泡樹脂積層板の製造方法に関して、フロー図に基づき説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る発泡樹脂積層板の製造方法を示すためのフロー図である。
図4に示すように、まず、未発泡状態の発泡可能樹脂層4aとアルミニウム板2(硬質層2)とを積層して積層板(未発泡状態の発泡樹脂積層板1)を形成する(積層工程、ステップ1、以下S1と記載する。他のステップも同様)。S1では発泡可能樹脂層4aの両面にアルミニウム板2を接着して積層板とする。
尚、積層板(未発泡状態の発泡樹脂積層板1)は、厚さ0.9mmの発泡可能樹脂層4aの両面に、厚さ0.15mmのアルミニウム板2を接着したものである。発泡可能樹脂層4aは、マトリックス樹脂にポリプロピレン樹脂を用い、発泡剤としてADCA系発泡剤(分解温度195℃、永和化成工業株式会社製)を用いている。加熱発泡後の発泡樹脂層4bの最終厚さは2.7mm(発泡前の3倍の厚さ)となるように設計されている。
次に、積層板の加熱工程に移行する。この加熱工程をS2〜S4のステップに分けて説明する。まず、熱風対流加熱炉(例えば、前記ガス加熱式連続加熱炉)に積層板を入れ、積層板の加熱を開始する(S2)。積層板の加熱を開始すると、積層板の温度が上昇していく。
次に、積層板の温度Tsが以下の(A)式を満たすとともに当該積層板の各部間の温度差ΔTsが以下の(B)式を満たすように当該積層板を加熱する(S3)。前記ガス加熱式連続加熱炉を例にとり具体的に説明すると、発泡可能樹脂層4aに含まれる発泡剤の分解温度Tに対し、積層板の温度Tsが以下の(A)式を満たし、かつ、その時の積層板の各部間の温度差ΔTsが以下の(B)式を満たすように、当該ガス加熱式連続加熱炉の加熱制御および送り制御を、積層板の加熱を開始する前に(S2の前に)あらかじめ調整・設定しておく。そして、ガス加熱式連続加熱炉にて積層板を加熱するのである。積層板の温度Tsとは、本実施形態では、積層板のうちのアルミニウム板2(硬質層2)の温度(表面温度)のことをいう。
(数1)
−100℃≦Ts≦T−50℃ ・・・(A)
:発泡剤の分解温度、Ts:積層板(発泡樹脂積層板)の温度
(数2)
ΔTs≦30℃ ・・・(B)
ΔTs:積層板(発泡樹脂積層板)の各部間の温度差
尚、ガス加熱式連続加熱炉の加熱制御および送り制御に関しては、積層板の温度Tsを(A)式で示される範囲まで一旦加熱してその温度範囲を保ち、かつ、その時の積層板の各部間の温度差ΔTsが(B)式で示される範囲になるようにする(温度バラツキを抑制する)制御としてもよいし、積層板の温度Tsが(A)式、(B)式をほぼ同時に満たすような制御としてもよい。
また、積層板の温度Tsが(A)式を満たすように加熱するとは、積層板の各部の平均温度Tsmが(A)式を満たすようにガス加熱式連続加熱炉の加熱制御および送り制御を調整・設定して加熱する場合のことも意味するし、測定した積層板の各部の温度が全て(A)式を満たすように加熱制御および送り制御を調整・設定して加熱する場合のことも意味する。
また、積層板の各部間の温度差ΔTsが(B)式を満たすように加熱するとは、積層板の各部間の最大温度差ΔTsmaxが(B)式を満たすようにガス加熱式連続加熱炉の加熱制御および送り制御を調整・設定して加熱することをいう。
そして、積層板の温度Tsが(A)式を満たすとともに当該積層板の各部間の温度差ΔTsが(B)式を満たすように当該積層板を加熱した後、発泡剤の分解温度T以上に当該積層板を加熱して、発泡可能樹脂層4aを発泡させる(S4)。そして、積層板の加熱が終了する(S5)。
このように、発泡可能樹脂層4aを有する積層板の加熱工程における途中段階において、積層板の温度および積層板の各部間の温度差が、それぞれ上記の(A)式および(B)式を満たすように積層板の加熱をコントロールしてやり、その後に発泡可能樹脂層4aを加熱発泡させることで、対流伝熱加熱方式で積層板を加熱発泡させる場合であっても、加熱発泡後の積層板(加熱発泡後の発泡樹脂積層板1)の板厚精度を向上させることができるのである。
(発泡剤の分解温度以上に積層板を加熱する前における積層板の温度Tsのさらなる条件)
前記ステップ3(S3)において、前記積層板の温度Tsがさらに以下の(C)式を満たすように当該積層板を加熱することが好ましい。すなわち、ステップ3(S3)においてTsがTm(未発泡状態の積層板の荷重たわみ温度)を超えないようにすることが好ましい。
(数3)
Ts≦Tm ・・・(C)
Tm:未発泡状態の積層板の荷重たわみ温度
ここで、前記した内容と同様に、ガス加熱式連続加熱炉の加熱制御および送り制御に関しては、積層板の温度Tsを(A)式および(C)式で示される範囲まで一旦加熱してその温度範囲を保ち、かつ、その時の積層板の各部間の温度差ΔTsが(B)式で示される範囲になるようにする(温度バラツキを抑制する)制御としてもよいし、積層板の温度Tsが(A)式、(B)式、および(C)式をほぼ同時に満たすような制御としてもよい。
また、積層板の温度Tsが(C)式を満たすように加熱するとは、積層板の各部の平均温度Tsmが(C)式を満たすようにガス加熱式連続加熱炉の加熱制御および送り制御を調整・設定して加熱する場合のことも意味するし、測定した積層板の各部の温度が全て(C)式を満たすように加熱制御および送り制御を調整・設定して加熱する場合のことも意味する。
そして、積層板の温度Tsが(A)式および(C)式を満たすとともに当該積層板の各部間の温度差ΔTsが(B)式を満たすように当該積層板を加熱した後、発泡剤の分解温度T以上に当該積層板を加熱して、発泡可能樹脂層4aを発泡させる(S4)。そして、積層板の加熱が終了する(S5)。
このように、ステップ3での温度制御に上記(C)式の条件を加えることで、未発泡状態での積層板の変形を防止することができ、その結果、加熱発泡後における積層板の板厚精度をより向上させることができる。
(Ts≦Tmとすることについて)
荷重たわみ温度とは、試験片に所定の荷重を与えた状態で、試験片の温度を上げていき、試験片のたわみの大きさが一定の値に達したときの温度のことをいう。試験法はJIS K7191などで定められている。
ここで、実験例として、図5(a)に示す発泡樹脂積層板11を用いた。発泡樹脂積層板11は、幅15mm×長さ200mmの長方形の板である。この発泡樹脂積層板11は、厚さ0.9mmの発泡可能樹脂層14aの両面に、厚さ0.3mmのアルミニウム板12(5182−O材)を接着したものである。発泡可能樹脂層14aは、マトリックス樹脂にポリプロピレン樹脂を用い、発泡剤としてADCA系発泡剤(分解温度195℃、永和化成工業株式会社製)を用いた。なお、加熱発泡後の発泡樹脂層の最終厚さが2.7mm(発泡前の3倍の厚さ)となるように設計されている。
また、この発泡樹脂積層板11(未発泡状態)の荷重たわみ温度は138℃である(JIS K7191−1、K7191−2に準じて測定。曲げ応力:1.8MPa、フラットワイズ、試験片寸法:長さ80mm×幅10mm、曲げ歪み:0.2%、昇温速度:120℃/h)。
次に、実験形態を図5(b)に示したように、幅15mm×長さ200mmの発泡樹脂積層板11(未発泡状態)を恒温槽15の中のステージ16上に載せ、所定の温度条件で発泡樹脂積層板11を加熱し、そのときの変形量を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0005280248
表1からわかるように、発泡樹脂積層板11(未発泡状態)の荷重たわみ温度Tm(138℃)以下で発泡樹脂積層板11を5分間加熱した場合は、その変形量は2mm以下という良好な結果であった。一方、発泡樹脂積層板11(未発泡状態)の荷重たわみ温度Tm(138℃)を超える温度で発泡樹脂積層板11を5分間加熱した場合は、その変形量は25mm以上という不良な結果であった。これより、図4に示したステップ3(S3)において、積層板の温度Tsが、その荷重たわみ温度Tmを超えないように調整すると、未発泡状態での積層板の変形を防止することができ、加熱発泡後における積層板の板厚精度をより向上させ得ることがわかる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
また、上記実施形態においては、積層板の温度Tsが(A)式を満たすとともに積層板の各部間の温度差ΔTsが30℃以下になるようにしているが、温度差ΔTsが25℃以下になるようにしてもよいし、20℃以下になるようにしてもよい。尚、このように温度差ΔTsは小さいほうが好ましく、望ましくは0℃、すなわち、温度差が存在しない状態である。
1:発泡樹脂積層板
2:アルミニウム板(硬質層)
4a:発泡可能樹脂層
4b:発泡樹脂層

Claims (5)

  1. 未発泡状態の発泡可能樹脂層と硬質層とを積層して積層板を形成する積層工程と、
    前記積層板の温度が以下の(A)式を満たすとともに当該積層板の各部間の温度差が以下の(B)式を満たすように当該積層板を加熱した後、前記発泡可能樹脂層に含まれる発泡剤の分解温度以上に当該積層板を加熱する加熱工程と、
    を備えることを特徴とする、発泡樹脂積層板の製造方法。
    (数1)
    −100℃≦Ts≦T−50℃ ・・・(A)
    :発泡剤の分解温度、Ts:積層板の温度
    (数2)
    ΔTs≦30℃ ・・・(B)
    ΔTs:積層板の各部間の温度差
  2. 前記硬質層が金属板からなることを特徴とする、請求項1に記載の発泡樹脂積層板の製造方法。
  3. 前記金属板がアルミニウム板またはアルミニウム合金板からなることを特徴とする、請求項2に記載の発泡樹脂積層板の製造方法。
  4. 前記発泡可能樹脂層のマトリック樹脂がポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発泡樹脂積層板の製造方法。
  5. 前記加熱工程は、前記積層板の温度Tsがさらに以下の(C)式を満たすように当該積層板を加熱した後、前記発泡可能樹脂層に含まれる発泡剤の分解温度以上に当該積層板を加熱する工程であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発泡樹脂積層板の製造方法。
    (数3)
    Ts≦Tm ・・・(C)
    Tm:未発泡状態の積層板の荷重たわみ温度
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