JP5278211B2 - 放電ランプ - Google Patents

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Description

本発明は、一対の電極を対向して配置した放電容器内に少なくとも発光物質と始動用ガスが封入された発光管と、発光管の両端を気密に封止する封止部の端末から突出した電極リードを電気的に接続する給電ワイヤと、発光管の放電容器に向けて始動補助用の紫外線を放射するUVエンハンサとを有する放電ランプに関する。
この種の放電ランプとしては、例えば図8に示すような金属蒸気放電ランプがあり、当該放電ランプ80は、一対の電極83a、83bを対向して配置した放電容器82内に発光物質である水銀及び金属ハロゲン化物と始動用ガスとが封入された発光管81と、当該発光管81の両端を気密に封止する封止部84a、84bの端末から突出した電極リード85a、85bを電気的に接続する給電ワイヤ86、87と、発光管81の放電容器82に向けて始動補助用の紫外線を放射するUVエンハンサ88とが、口金89を取り付けた外バルブ90の内部に収容配設された構成となっている(特許文献1参照)。なお、電極83a、83bは、各々電極リード85a、85bに接続された給電ワイヤ86、87を介して、口金89の一方の接点と他方の接点に接続されている。
UVエンハンサ88は、焼結多結晶質のアルミナ(Al)から成るセラミック材料によって管壁が形成されたUV放電管91の内部に、希ガスのアルゴンガスが充填されると共に、そのUV放電管91の片端側に封着された線径620μmのニオブ線で成るリードスルー導体92の先端部に溶接した線径170μmのタングステン線で成る内部電極93が配設されている。そして、その内部電極93がリードスルー導体92を介して当該導体92の後端を溶接した給電ワイヤ87に接続されると共に、UV放電管91が、リードスルー導体92に支持されて給電ワイヤ86の近くに配置され、当該給電ワイヤ86と容量的に結合されてUV源として働くようになっている。
しかしながら、UVエンハンサ88は、セラミック材料で成るUV放電管91の片端側を給電ワイヤ87に溶接されたリードスルー導体92の先端部で支持する構成となっているため、放電ランプ80を輸送運搬する際など生ずる衝撃や振動でUV放電管91が大きく揺れ動いて、当該放電管91の動的荷重を受けたリードスルー導体92が屈曲変形し、当該導体92の先端部に支持されたUV放電管91の向きや位置が変動して、当該放電管91から発光管81の放電容器82に向けて必要十分な量の紫外線が放射されない状態となったり、給電ワイヤ87に溶接したリードスルー導体92が逆極性の給電ワイヤ86と接触して短絡事故を生ずるおそれがあり、これらは重大な品質クレーム要因となる。
特表平11−513182号公報
本発明は、ランプを輸送運搬する際などに生ずる衝撃や振動によってUVエンハンサの向きや位置が変動したり、短絡事故が生ずるおそれのない放電ランプを提供することを主たる技術的課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、一対の電極を対向して配置した放電容器内に少なくとも発光物質と始動用ガスが封入された発光管と、当該発光管の両端を気密に封止する封止部の端末から突出した電極リードを電気的に接続する給電ワイヤと、前記放電容器に向けて始動補助用の紫外線を放射するUVエンハンサとを有する放電ランプにおいて、希ガスが充填された気密容器に当該容器を貫通するパイプ部を設けたUVエンハンサが、そのパイプ部内に、前記電極リードもしくは前記封止部、又は前記給電ワイヤを挿し通して、発光管の片端側に偏倚した位置に取り付けられていることを特徴とする。
本発明の放電ランプは、発光管の放電容器に向けて始動補助用の紫外線を放射するUVエンハンサが、希ガスが充填された気密容器を貫通するパイプ部内に、発光管の封止部もしくはその端末から突出した電極リード、又は当該電極リードを電気的に接続する給電ワイヤを挿通して、発光管の片端側に偏倚した位置に取り付けられているので、ランプを輸送運搬する際などに生ずる衝撃や振動でUVエンハンサが揺れ動いて当該エンハンサの向きや取付位置が変動したり、短絡事故を生ずるおそれがない。
本発明の実施例1に係る放電ランプを示す図 図1の放電ランプに用いるUVエンハンサの分解図 本発明の実施例2に係る放電ランプを示す図 本発明の実施例3に係る放電ランプを示す図 本発明の実施例4に係る放電ランプを示す図 図4の放電ランプに用いるUVエンハンサの分解図 本発明の実施例5に係る放電ランプを示す図 従来の放電ランプを示す図
本発明に係る放電ランプの一実施形態は、一対のタングステン電極を対向して配置した放電容器内に発光物質とアルゴンガス等の始動用ガスが封入された透光性セラミックスで成る発光管と、当該発光管の両端を気密に封止する封止部(細管部/キャピラリ部)の端末から突出したニオブ線又はモリブデン線で成る電極リードを電気的に接続するニッケルメッキ鉄線で成る給電ワイヤと、発光管の放電容器に向けて始動補助用の紫外線を放射するUVエンハンサとが、硬質ガラスで成る外バルブの内部に収容配設された金属蒸気放電ランプであって、当該放電ランプは、希ガスのアルゴンガスもしくは水銀蒸気を含むアルゴンガスが充填された筒状の気密容器に当該容器の中心を貫通するパイプ部を設けたUVエンハンサが、そのパイプ部内に、前記電極リードもしくは前記封止部、又は前記給電ワイヤを挿し通して、ランプ乃至外バルブの後端側となる発光管の片端側に偏倚した位置に取り付けられている。
UVエンハンサの気密容器は、その全体、もしくは少なくとも発光管の放電容器に向けて始動補助用の紫外線を放射する部分が、透光性セラミックスで形成されている。
また、UVエンハンサの気密容器は、当該容器を貫通するパイプ部を形成する内筒の片端側と外筒の片端側とを繋げるように一体化させて外筒の片端側を閉塞した二重筒構造の容器本体と、前記内筒の他端側を穴に挿嵌して前記外筒の他端側開口部を閉栓する穴開きキャップとで組み立てられるか、あるいは、片端側に開口部を有し、他端側に穴開きの底部を有する有底筒状の容器本体と、当該容器本体の片端側開口部を閉栓する穴開きキャップと、当該穴開きキャップの穴と前記容器本体の底部に開いた穴に挿嵌してそれらの穴を塞ぐセラミックスパイプ又は金属パイプで形成されたパイプ部とで組み立てられている
また、UVエンハンサは、発光管の一方の封止部もしくは当該封止部の端末から突出した電極リードをパイプ部に挿し通した気密容器の外側に、発光管の他方の封止部の端末から突出した電極リードを電気的に接続する給電ワイヤに溶接された外部電極が配設されるか、あるいは、発光管の一方の封止部の端末から突出した電極リードを電気的に接続する給電ワイヤをパイプ部に挿し通した気密容器の外側に、発光管の他方の封止部の端末から突出した電極リードに溶接された外部電極が配設されている。なお、前記外部電極は、片端側を前記気密容器の胴部に巻き付けた帯状金属薄板で形成されている。
図1に示す実施例1の放電ランプ1Aは、一対のタングステン電極を対向して配置した放電容器3内に発光物質である水銀及び金属ハロゲン化物と始動用ガスとが封入された発光管2と、当該発光管2の両端を気密に封止する封止部4a、4bの端末から突出した線径約0.3〜0.7mmのニオブ線又はモリブデン線で成る電極リード5a、5bを電気的に接続すると同時に発光管2を支持する支柱となる線径約0.5〜1.0mmのニッケルメッキ鉄線で成る給電ワイヤ6a、6bと、発光管2の放電容器3に向けて始動補助用の紫外線を放射するUVエンハンサ7Aとが、硬質ガラスで成る外バルブ8の内部に収容配設された金属蒸気放電ランプである。
放電ランプ1Aの発光管2は、放電容器3と、その両端を気密に封止する封止部4a、4bの外殻を形成する外径約2.0〜4.0mmの細管部(キャピラリ部)11、11とが、高純度・高密度の透光性アルミナセラミックスによって一体的に形成されている。
UVエンハンサ7Aは、アルゴンガスもしくは水銀蒸気を含むアルゴンガスが5〜100torr程度の圧力で充填された円筒状の気密容器9に、当該容器9の中心を貫通する円筒状のパイプ部10が設けられ、当該パイプ部10の内部に発光管2の封止部4aの端末から突出した電極リード5aを挿し通して当該電極リード5aに装着されることにより、ランプ1A乃至外バルブ8の後端側となる発光管2の片端側に偏倚した位置に配設されている。
UVエンハンサ7Aの気密容器9は、図2の如く、当該容器9を貫通するパイプ部10を形成する外径約1.0〜2.0mm、内径約0.4〜0.8mm、長さ約6〜9mmの内筒Pの片端側と気密容器9の胴部を形成する外径約4〜8mm、内径約2〜6mm、長さ約5〜8mmの外筒Pの片端側とを繋げるように一体化させて外筒Pの片端側を閉塞した二重筒構造の容器本体12と、内筒Pの他端側を穴14に挿嵌して外筒Pの他端側開口部を閉栓する厚さ約0.5〜1.0mmのドーナツ円盤で成る穴開きキャップ13とを、溶融固化させたガラスフリットで気密に接着して組み立てられている。そして、図1の如く、穴開きキャップ13の部分を発光管2の放電容器3に向けて電極リード5aに装着されている。
なお、図2の気密容器9は、その全体が透光性セラミックスで形成されているが、図1の如く穴開きキャップ13の部分を発光管2の放電容器3に向けて電極リード5aに装着する場合は、少なくとも穴開きキャップ13が透光性セラミックスで形成されていれば足りる。
UVエンハンサ7Aの気密容器9を装着した電極リード5aの端末側には、先端部を電極リード5aと直交させるように鉤型に折り曲げた給電ワイヤ6aが溶接されて、電極リード5aに装着された気密容器9が、発光管2の封止部4aの端末と給電ワイヤ6Lとの間に挟持されると共に、その気密容器9の外側に、発光管2の他方の封止部4bの端末から突出した電極リード5bを電気的に接続する給電ワイヤ6bに溶接された幅約2〜5mm、厚さ約0.3〜0.6mmの帯状ステンレス鋼板やニッケルリボン線等の帯状金属薄板で成る外部電極15が、気密容器9の胴部に巻き付けるように配設されて、気密容器9が定位置に確りと固定されている。なお、給電ワイヤ6bには、ランプ1A乃至外バルブ8の先端側となる発光管2の他端側に偏倚した位置に、ランプ点灯時の高熱によって外バルブ8の内部に配設された部材から発生する不純ガスを吸収するゲッター16が溶接されている。
以上の如く構成された放電ランプ1Aは、給電ワイヤ6a、6bと電極リード5a、5bを通じて発光管2の放電容器3内に配設された対向電極間に始動用電圧が印加されたときに、UVエンハンサ7Aの気密容器9内に充填された希ガスのアルゴンガスが励起されて紫外線が発生し、その紫外線の一部が気密容器9の穴開きキャップ13を透過して発光管2の放電容器3に向けて放射されることにより、放電容器3内の始動用ガスが励起されると同時に、当該放電容器3内に配設された電極を形成するタングステンから放電開始に必要な初期電子が放出されて、放電ランプ1Aの始動が促進されることとなる。
なお、図8に示す従来のUVエンハンサ88は、希ガスを充填した気密容器(UV放電管91)内に、その希ガスを励起するための内部電極93が設けられているが、本発明のUVエンハンサ7Aは、希ガスを充填した気密容器9の中心を貫通するパイプ部10内に挿通された電極リード5aが、気密容器9内の希ガスを励起する内部電極の機能を奏するため、気密容器9内には別途内部電極を設ける必要がないから、その構造が簡易で、製造も容易であり、製造加工コストが嵩まないという利点がある。
また、UVエンハンサ7Aの気密容器9は、その中心を貫通するパイプ部10内に発光管2の封止部4aの端末から突出した電極リード5aを挿通して、発光管2の封止部4aの端末と、電極リード5aの端末側に溶接した給電ワイヤ6aとの間に挟持されると共に、その気密容器9の胴部に、給電ワイヤ6bに溶接した帯状金属薄板で成る外部電極15を巻き付けて当該外部電極15に保持されて、放電ランプ1Aを輸送運搬する際に生ずる衝撃や振動で気密容器9の向きや取付位置が変動することが防止される。これにより、気密容器9から発光管2の放電容器3に向けて始動補助用の紫外線を確実に放射することができ、気密容器9を装着した電極リード5aが逆極性の給電ワイヤ6bと接触して短絡事故を生ずるおそれもない。
また、UVエンハンサ7Aは、気密容器9の中心を貫通するパイプ部10内に挿し通された電極リード5aが内部電極として機能し、当該内部電極と気密容器9の外側に配設された外部電極15との間に、気密容器9内に充填された希ガスを励起する放電が生じて、ランプの始動補助に必要十分な量の紫外線を確実に発生させることができる。
図3に示す実施例2の放電ランプ1Bは、鉤型に折り曲げた給電ワイヤ6aの先端部を発光管2の封止部4aの端末付近でその端末から突出する電極リード5aに溶接した後、当該電極リード5aをUVエンハンサ7Aの気密容器9のパイプ部10内に挿し通して、当該パイプ部10から突出する電極リード5aの端末に気密容器9の抜け止め用ストッパとなる金属スリーブ17を溶接することにより、UVエンハンサ7Aの気密容器9が、電極リード5aに溶接した給電ワイヤ6aの先端部と金属スリーブ17との間に挟持された状態で電極リード5aに装着されている点と、電極リード5aに装着された気密容器9の向きが、図1の気密容器9とは逆向きになっている点において、図1の放電ランプ1Aと構成が相違し、その他の構成は図1の放電ランプ1Aと共通している。
図3の放電ランプ1Bは、発光管2の封止部4aの端末から突出した電極リード5aを支持する給電ワイヤ6aが、電極リード5aに装着されたUVエンハンサ7Aの気密容器9よりも封止部4aの端末に近い位置に溶接されているから、ランプを輸送運搬する際に生ずる衝撃や振動によって電極リード5aに気密容器9の動的荷重が加わっても、その動的荷重で封止部4aの内部や封止部4aの外殻を形成する細管部11にクラックが生ずることが防止されるという格別の効果がある。
なお、UVエンハンサ7Aの気密容器9が図3に示すような向きで電極リード5aに装着される場合は、少なくともその気密容器9の容器本体12の部分が透光性セラミックスで形成されていれば足りる。
図4に示す実施例3の放電ランプ1Cは、アルゴンガス等の希ガスが充填された気密容器9に当該容器を貫通するパイプ部10を設けたUVエンハンサ7Bが、そのパイプ部10内に、発光管2の封止部4aの端末側を挿し通して、発光管2の片端側に偏倚した位置に取り付けられている。なお、放電ランプ1Cに用いるUVエンハンサ7Bの気密容器9は、図1及び図3に示すUVエンハンサ7Aの気密容器9とサイズが異なるが、その基本的な構造は共通しているから、対応部分に同一符号を付すことにより、気密容器9の構造に関する詳細説明は省略する。
UVエンハンサ7Bの気密容器9は、当該容器を貫通するパイプ部10が発光管2の封止部4aを挿通し得る程度の内径を有しており、そのパイプ部10内に封止部4aの端末側とその端末に取り付けられるセラミックス製の補強リング18を挿し通した後、その端末付近で鉤型に折り曲げた給電ワイヤ6aの先端部が電極リード5aに溶接されると共に、給電ワイヤ6bに溶接された帯状金属薄板で成る外部電極15が気密容器9の容器本体12に巻き付けられて、定位置に保持されている。
なお、気密容器9は、その容器本体12の開口部に形成されたフランジ部19にガラスフリットで固着された穴開きキャップ13を発光管2の放電容器3側とは逆側に向けた状態で封止部4aの端末側に装着される。これにより、気密容器9は、もし万一、外部電極15によって定位置に保持できないほど強い衝撃を受けても、容器本体12の開口部に形成されたフランジ部19が容器本体12に巻き付けられた外部電極15に衝止されて発光管2の放電容器3方向への移動が阻止され、また、電極リード5aに溶接された給電ワイヤ6aによって逆方向への移動が阻止されるから、品質クレーム要因となるような位置ずれの不具合が生ずるおそれはない。また、気密容器9をガラスフリット等を用いて発光管2の封止部4aに固定すれば、位置ずれを確実に防止することができる。
図4のUVエンハンサ7Bは、気密容器9を貫通するパイプ部10に挿通された発光管2の封止部4a内と補強リング18内に封着されている電極リード5a等の給電体が内部電極として機能する。なお、気密容器9は、発光管2の放電容器3から放射される有効光の一部を遮って光利用効率を低下させたり、気密容器9の影を生じさせない限度で、図4の位置よりも発光管2の放電容器3に近づけて設けてもよい。
図5に示す実施例4の放電ランプ1Dは、発光管2の放電容器3に向けて始動補助用の紫外線を放射するUVエンハンサ20Aが、希ガスを充填した円筒状の気密容器21の中心を貫通するように設けられたパイプ部22内に電極リード5bと接続される給電ワイヤ6bを挿し通して、ランプ1Dの後端側となる発光管2の片端側に偏倚した位置に配設されている。
UVエンハンサ20Aの気密容器21は、図6の如く、片端側に開口部24を有し、他端側に穴26が開けられた底部25を有する有底筒状の容器本体23と、当該容器本体23の片端側開口部24を閉栓するドーナツ円盤状の穴開きキャップ27と、当該穴開きキャップ27の穴28と容器本体23の底部25に開けられた穴26に挿嵌してそれらの穴26、28を一括的に塞ぐパイプ部22とで組み立てられて、図5の如く、容器本体23の底部25側を発光管2の放電容器3に向けて給電ワイヤ6bに装着されている。
気密容器21は、その容器本体23と穴開きキャップ27が何れもセラミックスで形成され、少なくとも容器本体23は透光性セラミックスで形成されている。また、容器本体23の底部25に開けられた穴26と穴開きキャップ27の穴28に挿嵌して気密容器21の中心を貫通するように設けるパイプ部22は、セラミックスと熱膨張係数が近似したニオブパイプ等の金属パイプで形成されている。なお、これら容器本体23、穴開きキャップ27及びパイプ部22は、互いにガラスフリットで気密に接着されている。
また、気密容器21は、給電ワイヤ6bを挿し通したパイプ部22の片端もしくは両端を給電ワイヤ6bに溶接して定位置に固定されると共に、給電ワイヤ6bと逆極性の給電ワイヤ6aに接続された電極リード5aに溶接した帯状金属薄板で成る外部電極29が、容器本体23に巻き付けられている。
これにより、UVエンハンサ20Aは、気密容器21の中心を貫通するパイプ部22内に挿通された給電ワイヤ6bが気密容器21内の希ガスを励起する内部電極の機能を奏して紫外線が発生し、その紫外線の一部を発光管2の放電容器3に向けて放射することができると同時に、ランプを輸送運搬する際などに生ずる衝撃や振動によって気密容器21の向きや取付位置が変動することが確実に防止される。
また、UVエンハンサ20Aの気密容器21は、電極リード5aよりも太くて剛直な給電ワイヤ6bに取り付けられているから、外部から加えられた衝撃によって向きや取付位置が変動するおそれは全くない。
なお、気密容器21の中心を貫通するパイプ部22は、容器本体23や穴開きキャップ27と同質のセラミックスで形成されたセラミックパイプであってもよく、その場合は、図5破線図示の如く、パイプ部22の両端側に配置した一対の金属スリーブで成るストッパ30、30を給電ワイヤ6bに溶接して、気密容器21を定位置に固定すればよい。
図7に示す実施例4の放電ランプ1Eは、発光管2の放電容器3に向けて始動補助用の紫外線を放射するUVエンハンサ20Bが、図5のUVエンハンサ20Aの気密容器21と同型に形成された気密容器21の内面に、金属やカーボン等の導電性材料で成る線条体31、31…をパイプ部22と平行に複数条付設した構成となっている点と、図5の如き外部電極29を有しない点で、実施例3の放電ランプ1Dと相違する。
UVエンハンサ20Bは、気密容器21の胴部を成す容器本体23の内周面に沿って一定の間隔で付設された線条体31、31…に、気密容器21の中心を貫通するパイプ部22内に挿し通された給電ワイヤ6bと逆極性の電荷を集中させて、気密容器21内に充填された希ガスを励起する放電が生じやすくする構造となっている。なお、線条体31、31…に代えて、厚さ・太さがミクロンオーダーの金属の細片もしくは小片を気密容器21内に配してもよく、また、それら細片・小片は、定位置に固定せずに、単に気密容器21内に封入するのみでもよい。
本発明は、始動補助用のUVエンハンサを設けた放電ランプの品質及び信頼性の向上に資するものである。
1A〜1E・・・放電ランプ
2・・・発光管
3・・・放電容器
4a・・・封止部
4b・・・封止部
5a・・・電極リード
5b・・・電極リード
6a・・・給電ワイヤ
6b・・・給電ワイヤ
7A・・・UVエンハンサ
7B・・・UVエンハンサ
7C・・・UVエンハンサ
9・・・気密容器
10・・・パイプ部
12・・・気密容器の容器本体
13・・・穴開きキャップ
15・・・外部電極
20A・・・UVエンハンサ
20B・・・UVエンハンサ
21・・・気密容器
22・・・パイプ部
23・・・気密容器の容器本体
27・・・穴開きキャップ
29・・・外部電極
31・・・導電性材料で成る線条体

Claims (8)

  1. 一対の電極を対向して配置した放電容器内に少なくとも発光物質と始動用ガスが封入された発光管と、当該発光管の両端を気密に封止する封止部の端末から突出した電極リードを電気的に接続する給電ワイヤと、前記放電容器に向けて始動補助用の紫外線を放射するUVエンハンサとを有する放電ランプにおいて、希ガスが充填された気密容器に当該容器を貫通するパイプ部を設けたUVエンハンサが、そのパイプ部内に、前記電極リードもしくは前記封止部、又は前記給電ワイヤを挿し通して、発光管の片端側に偏倚した位置に取り付けられていることを特徴とする放電ランプ。
  2. 前記気密容器の全体もしくは前記放電容器に向けて始動補助用の紫外線を放射する部分が、透光性セラミックスで形成されている請求項1記載の放電ランプ。
  3. 前記気密容器が、前記パイプ部を形成する内筒の片端側と外筒の片端側とを繋げるように一体化させて外筒の片端側を閉塞した二重筒構造の容器本体と、前記内筒の他端側を穴に挿嵌して前記外筒の他端側開口部を閉栓する穴開きキャップとで組み立てられる請求項1又は2記載の放電ランプ。
  4. 前記気密容器が、片端側に開口部を有し、他端側に穴開きの底部を有した有底筒状の容器本体と、当該容器本体の片端側開口部を閉栓する穴開きキャップと、当該穴開きキャップの穴と前記容器本体の底部の穴に挿嵌してそれらの穴を塞ぐセラミックスパイプ又は金属パイプで形成された前記パイプ部とで組み立てられる請求項1又は2記載の放電ランプ。
  5. 前記発光管の一方の封止部もしくは当該封止部の端末から突出した電極リードを前記パイプ部に挿し通した前記気密容器の外側に、前記発光管の他方の封止部の端末から突出した電極リードを電気的に接続する給電ワイヤに溶接された外部電極が配設されている請求項1、2、3又は4記載の放電ランプ。
  6. 前記発光管の一方の封止部の端末から突出した電極リードを電気的に接続する給電ワイヤを前記パイプに挿し通した前記気密容器の外側に、前記発光管の他方の封止部の端末から突出した電極リードに溶接された外部電極が配設されている請求項1、2、3又は4記載の放電ランプ。
  7. 前記外部電極が、片端側を前記気密容器の胴部に巻き付けた帯状金属薄板で形成されている請求項5又は6記載の放電ランプ。
  8. 前記気密容器内に、導電性材料で成る細片、小片もしくは線条体が配されている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の放電ランプ。
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