JP5277890B2 - エンドミルおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部外周に複数の切屑排出溝が形成されて、そのエンドミル回転方向を向く壁面の外周側辺稜部に切刃が形成されたエンドミルおよびその製造方法に関するものである。
このようなエンドミルにおいては、複数の上記切刃のうち少なくとも一の切刃の上記軸線に対する捩れ角を他の切刃と異なる捩れ角とすることにより、軸線方向の少なくとも一部において切刃の周方向の間隔を異なるようにした、不等捩れあるいは不等リードエンドミルや、捩れ角は等しいまま切刃の周方向の間隔を異なるようにした、不等分割エンドミルが知られており、切刃が被削材に食い付く周期が一定ではなくなるため、周期的な食い付きによる共振によってビビリ振動が発生するのを防ぐことができる。ところが、このように切刃の周方向の間隔が異なるエンドミルでは、この間隔の大きい部分において切屑の生成量が多くまた切屑厚さも厚くなるため、そのエンドミル回転方向後方側の切刃への切削負荷が大きくなって損傷を招いたり、この部分の切屑排出溝に切屑詰まりが発生するおそれがある。
そこで、例えば特許文献1には、このように切刃の周方向の間隔が異なるエンドミルにおいて、エンドミル回転方向側に隣接する切刃との間隔が他の切刃と異なる大きさとされた切刃について、そのエンドミル回転方向後方側に連なる外周逃げ面の断面形状を他の切刃と異なるものとしたエンドミルが提案されている。従って、このようなエンドミルでは、上述のように切削負荷が大きくなる切刃に対しては、例えばエンドミル回転方向後方側の肉厚が大きくなるように凸曲折した断面形状に外周逃げ面を形成することにより、剛性や強度を確保して損傷等を防止するとともに、該切刃のエンドミル回転方向側に隣接する切刃の外周逃げ面には凹部を形成して切屑排出溝の断面積を大きくし、切屑詰まりを防止することができる。
特開2007−136626号公報
ところが、このように切刃に連なる外周逃げ面の断面を異なる形状としても、実際に切削負荷が作用する切刃からエンドミル回転方向後方側に向けてのエンドミル本体の肉厚が確保されていなければ、切刃に十分な剛性や強度を与えることができず、その損傷を確実に防ぐのは困難となる。また、このように異なる断面形状の外周逃げ面を形成するには、この外周逃げ面や切屑排出溝を回転砥石によって形成する際に、異なる研削面形状を有する複数の回転砥石を用いたり、あるいは同一の砥石であってもその研削位置をずらしてエンドミル本体の軸線方向に複数回相対移動させたりしなければならず、当該エンドミルを製造するのに多くの時間やコストを要するおそれもあった。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のように切刃の周方向の間隔が異なる部分を有するエンドミルにおいて、特に大きな切削負荷の作用する切刃の損傷を確実に防止することが可能なエンドミルを提供し、またそのようなエンドミルを低コストで簡略に製造することが可能なエンドミルの製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のエンドミルは、軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部外周に複数の切屑排出溝が形成され、これらの切屑排出溝のエンドミル回転方向を向く壁面の外周側辺稜部に切刃が形成されるとともに、この切刃のエンドミル回転方向後方側には、該切刃に連なる外周逃げ面が、この切刃のエンドミル回転方向後方側に隣接する切刃の切屑排出溝に交差するように形成されており、上記切刃のうち少なくとも一の切刃は、上記軸線方向に沿った少なくとも一部において、上記エンドミル回転方向側に隣接する切刃との周方向の間隔が他の切刃よりも大きくされるとともに、該少なくとも一の切刃に連なる上記外周逃げ面の周方向の幅も上記他の切刃より大きくされていることを特徴とする。
このような構成のエンドミルにおいては、上述のように周方向の間隔が異なる部分を有する切刃のうち、エンドミル回転方向側に隣接する切刃との周方向の間隔が他の切刃よりも大きくされた切刃は、そのエンドミル回転方向後方側に連なる外周逃げ面の周方向の幅も大きくなるように形成されているので、こうしてエンドミル回転方向側の間隔が大きくなるために切屑生成量が多く、また厚めの切屑が生成されることにより大きな切削負荷が作用する当該切刃のエンドミル回転方向後方側に確実に大きな肉厚を確保することができる。このため、かかる切刃の剛性や強度も確実に確保することができて、切削時に欠損やチッピング等の損傷が生じるのを防止することが可能となる。
ここで、このようにエンドミル回転方向側に隣接する切刃との周方向の間隔が他の切刃よりも大きくされた上記少なくとも一の切刃は、該少なくとも一の切刃に連なる上記切屑排出溝の周方向の幅も上記他の切刃より大きくされているのが望ましく、これにより、当該切刃の切屑排出溝の容積をも大きく確保して、上述のような生成量の多い切屑も詰まりを生じることなく円滑に排出することが可能となる。
また、このように周方向の間隔が他の切刃よりも大きくされた上記少なくとも一の切刃について、その切屑排出溝の幅も他の切刃より大きくした場合には、上記複数の切屑排出溝同士で、各切屑排出溝の周方向の幅と、それぞれの切屑排出溝のエンドミル回転方向後方側に上記切刃を介して連なる上記外周逃げ面の周方向の幅との比が、互いに略等しくされているのが望ましく、これにより上記間隔が大きい切刃の外周逃げ面および切屑排出溝の周方向の長さと、このエンドミル回転方向側の切刃との間隔が小さくて、すなわち切削負荷が小さく切屑生成量の少ない他の切刃の外周逃げ面および切屑排出溝の周方向の長さとのバランスをとって、上記少なくとも一の切刃に効率的に高い剛性や強度を付与することができる。
さらに、このようなエンドミルを製造する際の本発明のエンドミルの製造方法は、上記少なくとも一の切刃に連なる上記切屑排出溝を、上記他の切刃に連なる切屑排出溝を形成する回転砥石を用いて、該回転砥石の回転中心軸の上記軸線に対する振り角と該回転中心軸と上記軸線からの距離との少なくとも一方を、上記他の切刃に連なる切屑排出溝を形成するときとは異なる大きさとして、上記回転砥石を回転させつつ上記軸線方向に上記エンドミル本体に対して相対移動させることにより形成することを特徴とする。
すなわち、このようなエンドミルは、通常は外周面に砥粒層が形成された回転砥石を、この外周面が切屑排出溝に沿うようにその回転中心軸にエンドミル本体の軸線に対して振り角を与え、かつ該回転中心軸と軸線との間に所定の距離をあけて配置し、この回転砥石を回転させつつエンドミル本体に対して上記軸線方向に相対移動させることにより、上記砥粒層によって切屑排出溝を形成して、そのエンドミル回転方向を向く壁面の外周側辺稜部に切刃を研ぎ付けることで製造される。従って、各切屑排出溝を形成するのに同じ回転砥石を用いて1回軸線方向に相対移動させるだけでも、この回転砥石の振り角や上記距離を調整することにより、上記他の切刃の切屑排出溝の幅を小さくして上記少なくとも一の切刃に連なる外周逃げ面の周方向の幅を大きくし、またこの少なくとも一の切刃の切屑排出溝の幅は大きくすることができる。
以上説明したように、本発明のエンドミルによれば、エンドミル回転方向側の切刃との間隔が大きくて大きな切削負荷が作用する上記少なくとも一の切刃に対し、確実に高い剛性や強度を確保することができ、これにより当該切刃に損傷が生じるのを防いで工具寿命を延長し、円滑かつ安定した切削を行うことが可能となる。また、本発明のエンドミルの製造方法によれば、このようなエンドミルの切刃を、1種の回転砥石を用いて各切屑排出溝ごとに1回の相対移動で形成することができ、時間やコストを削減して効率的なエンドミルの製造を行うことができる。
図1ないし図3は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態においてエンドミル本体1は、超硬合金等の硬質材料によって形成されて軸線Oを中心とした概略円柱状をなし、その後端側部分(図1において右側部分)は円柱状のままのシャンク部2とされるとともに先端側部分(図1において左側部分)は切刃部3とされ、シャンク部2が工作機械の主軸に保持されて軸線O回りにエンドミル回転方向Tに回転されつつ該軸線Oに交差する方向に送り出されることにより、上記切刃部3によって被削材に切削加工を施してゆく。
切刃部3の外周には、その先端から後端側に向けて軸線O回りにエンドミル回転方向T後方側に捩れる複数(本実施形態では4条)の切屑排出溝4が形成されており、これらの切屑排出溝4のエンドミル回転方向T側を向くの外周側辺稜部には、それぞれ切刃(外周刃)5が形成されている。従って、上記壁面はこの切刃5のすくい面6とされるとともに、切刃5からエンドミル回転方向T後方側に延びるエンドミル本体1の外周面は切刃5の外周逃げ面7とされ、これらすくい面6と外周逃げ面7との交差稜線部が切刃5とされて、本実施形態では4条の切刃5が、そのすくい面6とされる上記壁面が形成された切屑排出溝4の捩れに合わせて螺旋状に捩れるように形成されている。
なお、外周逃げ面7には、本実施形態では図3に示すように当該外周逃げ面7が切刃5からエンドミル回転方向Tの後方側に向かうに従いエンドミル本体1の径方向内周側に向かうようにして所定の逃げ角が与えられるが、切刃5に近接した幅の小さい部分ではこのような逃げ角が与えられずに切刃5と同径の円筒面状とされたマージン部が形成されていてもよい。また、外周逃げ面7は、そのエンドミル回転方向T後方側に隣接する切屑排出溝4の底面と交差稜線Lにおいて角度をもって交差するようにされている。
一方、エンドミル本体1の先端部には、上記切屑排出溝4から内周側に延びるギャッシュ8が形成されており、このギャッシュ8の先端側辺稜部には、上記切刃5の先端からエンドミル本体1内周の軸線O近傍にまで延びる底刃9が形成されている。ここで、本実施形態のエンドミルは、この底刃9と外周刃とされる上記切刃5とが軸線O回りの回転軌跡で略直交するスクエアエンドミルとされている。なお、外周刃とされる切刃5は、それぞれの軸線O回りの回転軌跡が一致して該軸線Oを中心とした円筒面をなすようにされている。
さらに、上記複数の切刃5は、そのうち少なくとも一の切刃5が、上記軸線O方向に沿った少なくともその一部において、上記エンドミル回転方向T側に隣接する切刃5との周方向の間隔が、他の切刃5よりも大きくされている。そして、この軸線O方向の少なくとも一部において、周方向の間隔が他の切刃5よりも大きくされたこの少なくとも一の切刃5では、該少なくとも一の切刃5に連なる外周逃げ面7の周方向の幅Aも、他の切刃5に連なる外周逃げ面7の周方向の幅Bより大きくされていて、A>Bとされている。
ここで、本実施形態では、切刃5同士の軸線Oに対する捩れ角は互いに等しくされて、その周方向の間隔が異なるようにされた不等分割エンドミルの構成とされている。従って、本実施形態では少なくとも一の切刃5は、切刃部3において軸線O方向全長に渡り、エンドミル回転方向T側に隣接する切刃5との周方向の間隔が他の切刃5の同間隔よりも大きくされ、すなわち切刃部3は図3に示した軸線Oに直交する断面形状のまま、上記捩れ角に合わせて捩れつつ軸線O方向に延びることになる。また、これに伴い、この少なくとも一の切刃5に連なる上記底刃9も、図2に示すようにそのエンドミル回転方向T側に隣接する底刃9との周方向の間隔が他の底刃9の同間隔よりも大きくされている。
より詳しくは、本実施形態における上記4条の切刃5は、エンドミル回転方向T側に隣接するものとの周方向の間隔が大きくされた第1の切刃5Aと、これに対して上記周方向の間隔が小さくされた第2の切刃5Bとが、一対ずつ交互に、それぞれ軸線Oに関して180°回転対称となるように形成されており、従って本実施形態では上記第1の切刃5Aが上記少なくとも一の切刃5とされ、また第2の切刃5Bは他の切刃5とされる。そして、このうち第1の切刃5Aのエンドミル回転方向T後方側に連なる外周逃げ面7Aの周方向の幅Aは、第2の切刃5Bのエンドミル回転方向T後方側に連なる外周逃げ面7Bの周方向の幅Bよりも大きくされている。
さらに、本実施形態では、各切刃5のすくい面6となる壁面が形成された切屑排出溝4の、該切刃5から上記交差稜線Lまでの周方向の幅も、上記少なくとも一の切刃である第1の切刃5Aに連なる切屑排出溝4Aの幅aが、他の切刃である第2の切刃5Bに連なる切屑排出溝4Bの幅bよりも大きくなるように、すなわちa>bとされている。従って、上記第1の切刃5Aは、そのエンドミル回転方向T側に隣接する第2の切刃5Bとの間に周方向の間隔a+Bをもって配設されるとともに、第2の切刃5Bは、そのエンドミル回転方向T側に隣接する第1の切刃5Aとの間に周方向の間隔b+Aをもって配設され、すなわちa+B>b+Aとされる。
さらにまた、こうしてA>B、a>b、a+B>b+Aとされた第1、第2の切刃5A、5Bの外周逃げ面7A、7Bの周方向の幅A、Bと切屑排出溝4A、4Bの周方向の幅a、bは、各切刃5A、5B同士で、そのエンドミル回転方向T側に連なる切屑排出溝4の周方向の幅a、bとエンドミル回転方向T後方側に連なる外周逃げ面7の周方向の幅A、Bとの比a/A、b/Bが、互いに略等しくなるようにされている。なお、これらの比a/A、b/Bは、そのうち最大のものが最小のものの120%以内の範囲となる程度に等しくされていればよい。
このようなエンドミルは、外形が粗加工されたエンドミル本体1の切屑排出溝4部分に、例えば図1に破線で示すような回転砥石Gの外周面に形成された砥粒層を沿わせるように挿入し、この回転砥石Gをその回転中心軸C回りに回転させながら、切屑排出溝4の捩れに合わせてエンドミル本体1を軸線O回りに回転させつつ該軸線O方向に送り出して相対移動させ、この切屑排出溝4の上記すくい面6とされる壁面を研削して、その外周側辺稜部の、同じく研削により形成された外周逃げ面7との交差稜線部に切刃5を形成することにより、製造される。
ここで、上記実施形態のエンドミルを製造する本発明のエンドミルの製造方法の一実施形態では、このように回転砥石Gによって切屑排出溝4を研削して切刃5を形成するのに際し、図1に示すようにエンドミル本体1の軸線Oに垂直な方向から見た回転砥石Gの回転中心軸Cの振り角θと、これら軸線Oと回転中心軸Cとの距離とのうち少なくとも一方を、上記第1の切刃(少なくとも一の切刃)5Aに連なる切屑排出溝4Aを形成するときと、上記第2の切刃(他の切刃)5Bに連なる切屑排出溝4Bを形成するときとで、異なる大きさとなるようにしている。
すなわち、上記第2の切刃5Bに連なる切屑排出溝4Bを形成するときに対して、第1の切刃5Aに連なる切屑排出溝4Aを形成するときには、軸線Oと回転中心軸Cとの距離は同じまま上記振り角θを小さくしたり、逆に振り角θを同じとしたまま軸線Oと回転中心軸Cとの距離を小さくしたり、あるいはこれら軸線Oと回転中心軸Cとの距離と振り角θとをともに小さくしたりすることにより、同じ研削砥石Gを用いてエンドミル本体1の軸線O方向に1回相対移動させるだけでも、切屑排出溝4Bの周方向の幅bよりも大きな幅aの切屑排出溝4Aが形成され、これに伴い第1の切刃5Aに連なる外周逃げ面7Aの周方向の幅Aも、第2の切刃5Bに連なる外周逃げ面7Bの幅Bよりも大きくすることができるのである。
例えばこのようにして製造される上記構成のエンドミルでは、エンドミル回転方向T側に隣接する切刃5との周方向の間隔a+Bが第2の切刃(他の切刃)5Bの間隔A+bよりも大きくされた第1の切刃(少なくとも一の切刃)5Aが、そのエンドミル回転方向Tの後方側に連なる外周逃げ面7Aの周方向の幅Aも第2の切刃5Bの外周逃げ面7Bの周方向の幅Bより大きくされているので、この第1の切刃5Aに高い剛性と強度を確実に確保することができる。従って、この第1の切刃5Aによって厚みの大きい切屑が多量に生成されることにより、当該第1の切刃5Aには第2の切刃5Bよりも大きな切削負荷が作用しても、この第1の切刃5Aに欠損やチッピングが生じたりするのを防止して、長期に亙って円滑かつ安定した切削を促すことが可能となる。
また、本実施形態では、この第1の切刃5Aにおいて、その外周逃げ面7Aの幅Aがこうして大きくされるのとともに、エンドミル回転方向T側に連なる切屑排出溝4Aの周方向の幅aも、第2の切刃5Bの切屑排出溝4Bと比べて大きくされており、従ってその断面積も第2の切刃5Bの切屑排出溝4Bより大きく確保することができる。このため、上述のように第1の切刃5Aによって厚い切屑が多く生成されても、これを確実に切屑排出溝4Aに収容して排出することができ、かかる切屑が詰まり気味になることによって切削抵抗が増したりするのも防いで、一層円滑な切削を図ることが可能となる。
しかも、こうしてエンドミル回転方向T側の切刃5(第2の切刃5B)との間隔が大きくされた第1の切刃5Aについて、その切屑排出溝4Aと外周逃げ面7Aの周方向の幅a、Aを第2の切刃5Bより大きくした場合でも、本実施形態においてはこの幅a、Aの比a/Aが、第2の切刃5Bの切屑排出溝4Bと外周逃げ面7Bの周方向の幅b、Bの比b/Bと上述のように略等しくされており、これにより第1、第2の切刃5A、5Bでその切屑排出溝4A、4Bと外周逃げ面7A、7Bの幅a、b、A、Bのバランスをとって、より一層確実に切刃5の損傷を防ぎつつさらに円滑な切削を促すことが可能となる。
すなわち、これら第1、第2の切刃5A、5Bの切屑排出溝4A、4Bの幅a、bと外周逃げ面7A、7Bの幅A、Bの比a/A、b/Bが上述の範囲を超えるほど大きく異なっていると、エンドミル回転方向T側に隣接する切刃5との周方向の間隔a+B、b+Aに対して、第1、第2の切刃5A、5Bのいずれか一方あるいは双方の切屑排出溝4A、4Bや外周逃げ面7A、7Bの幅a、b、A、Bを十分に確保することができなくなり、特に幅b、Bが小さくなる第2の切刃5Bにおいて欠損やチッピング、あるいは切屑詰まりが生じ易くなるおそれがある。
一方、このようなエンドミルを、上述のように回転砥石によって切屑排出溝4を研削することにより切刃5を形成して製造するには、例えば第1、第2の切刃5A、5Bの切屑排出溝4A、4Bを研削する回転砥石として外周面の砥粒層の幅が異なる2種類の回転砥石を用いたり、あるいは同じ回転砥石を用いる場合でも、幅aの大きい第1の切刃5Aの切屑排出溝4Aは、周方向の位置を変えて回転砥石をエンドミル本体1の軸線O方向に複数回相対移動させることにより形成したりすることも可能である。ただし、前者の場合は複数種の回転砥石が必要となり、また後者の場合は研削に多くの時間を要することになり、いずれも効率的ではない。
そこで、かかるエンドミルを製造するための本発明の製造方法の一実施形態では、切屑排出溝4A、4Bを研削するのに同一の回転砥石Gを用いて、上述のようにエンドミル本体1の軸線Oに対するこの回転砥石Gの回転中心軸Cの振り角θと、該軸線Oと回転中心軸Cとの距離との少なくとも一方を異なる大きさとすることにより、回転砥石Gのエンドミル本体1に対する1回の軸線O方向への相対移動によって幅a、bの異なる切屑排出溝4A、4Bを形成し、これに伴い外周逃げ面7A、7Bの幅A、Bも異なる大きさとなるようにしている。このため、本実施形態の製造方法によれば、複数種の回転砥石を要したりすることなく、通常のエンドミルを製造するのと略同じ時間で、上述のような円滑な切削を行うことが可能なエンドミルを効率的に製造することができる。
なお、本実施形態では、本発明を4枚刃のエンドミルに適用した場合について説明したが、例えば図4に切刃部3の軸線Oに直交する断面を示すような変形例の8枚刃の多刃のエンドミルに本発明を適用することも可能であるし、この8枚刃よりもさらに多くの切刃5を有する、例えば20枚刃もの切刃を有するエンドミルに本発明を適用することも可能である。ここで、図4に示す変形例のエンドミルにおいて、上記実施形態と共通する部分には同一の符号を配してある。すなわち、この図4に示す変形例では、エンドミル回転方向T側に隣接する切刃5との周方向の間隔が大きい第1の切刃5Aとこの間隔が小さい第2の切刃5Bとが4枚ずつ周方向に交互に形成され、上記実施形態と同様に第1の切刃5Aでは外周逃げ面7Aの幅Aと切屑排出溝4Aの幅aとが、第2の切刃5Bの外周逃げ面7Bの幅Bと切屑排出溝4Bの幅bよりも大きくされている。
また、上記実施形態では、本発明を切刃5の捩れ角は等しくて周方向の間隔が異なるようにされた不等分割エンドミルに適用した場合について説明したが、切刃5の捩れ角が異なる大きさとされることにより、周方向の間隔も異なるものになる不等捩れエンドミル(不等リードエンドミル)に本発明を適用することも可能であり、この場合には軸線O方向の一部で切刃5の周方向の間隔がすべて等しくなっていて、この部分では外周逃げ面7の週方向の幅や切屑排出溝4の幅が等しくされていてもよい。さらに、上述のようなスクエアエンドミル以外の、例えば底刃の回転軌跡が半球状とされたボールエンドミルや、底刃と外周刃(切刃5)とが略1/4円弧状のコーナ刃を介して接続されるラジアスエンドミルに本発明を適用することも可能である。
本発明を不等分割エンドミルに適用した場合の一実施形態を示す側面図である。 図1に示す実施形態を軸線O方向先端側から見た正面図である。 図1におけるZZ断面図である。 図1に示す実施形態の変形例を示す切刃部3の軸線Oに直交する断面図である。
符号の説明
1 エンドミル本体
3 切刃部
4(4A、4B) 切屑排出溝
5(5A、5B) 切刃(第1の切刃、第2の切刃)
6 すくい面
7(7A、7B) 外周逃げ面
A、B 外周逃げ面7A、7Bの周方向の幅
a、b 切屑排出溝4A、4Bの周方向の幅
O エンドミル本体1の軸線
T エンドミル回転方向
L 切屑排出溝4と外周逃げ面7との交差稜線
G 回転砥石
C 回転砥石Gの回転中心軸
θ エンドミル本体1の軸線Oに対する回転砥石Gの回転中心軸Cの振り角

Claims (4)

  1. 軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部外周に複数の切屑排出溝が形成され、これらの切屑排出溝のエンドミル回転方向を向く壁面の外周側辺稜部に切刃が形成されるとともに、この切刃のエンドミル回転方向後方側には、該切刃に連なる外周逃げ面が、この切刃のエンドミル回転方向後方側に隣接する切刃の切屑排出溝に交差するように形成されており、上記切刃のうち少なくとも一の切刃は、上記軸線方向に沿った少なくとも一部において、上記エンドミル回転方向側に隣接する切刃との周方向の間隔が他の切刃よりも大きくされるとともに、該少なくとも一の切刃に連なる上記外周逃げ面の周方向の幅も上記他の切刃より大きくされていることを特徴とするエンドミル。
  2. 上記少なくとも一の切刃は、該少なくとも一の切刃に連なる上記切屑排出溝の周方向の幅も上記他の切刃より大きくされていることを特徴とする請求項1に記載のエンドミル。
  3. 上記複数の切屑排出溝同士で、各切屑排出溝の周方向の幅と、それぞれの切屑排出溝のエンドミル回転方向後方側に上記切刃を介して連なる上記外周逃げ面の周方向の幅との比が、互いに略等しくされていることを特徴とする請求項2に記載のエンドミル。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエンドミルの製造方法であって、上記少なくとも一の切刃に連なる上記切屑排出溝を、上記他の切刃に連なる切屑排出溝を形成する回転砥石を用いて、該回転砥石の回転中心軸の上記軸線に対する振り角と該回転中心軸と上記軸線からの距離との少なくとも一方を、上記他の切刃に連なる切屑排出溝を形成するときとは異なる大きさとして、上記回転砥石を回転させつつ上記軸線方向に上記エンドミル本体に対して相対移動させることにより形成することを特徴とするエンドミルの製造方法。
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