JP5275408B2 - ヒートポンプ式乾燥機 - Google Patents

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本発明は、ヒートポンプを用いて被乾燥物の乾燥を行なうヒートポンプ式乾燥機に関する。
従来より、被乾燥物の乾燥に圧縮機、凝縮器及び蒸発器等を備えたヒートポンプ(冷凍サイクル)を用いた構成の衣類乾燥機(例えば特許文献1参照)及び洗濯乾燥機(例えば特許文献2参照)がある。これらは、乾燥運転時に、加熱源たる凝縮器で加熱された空気を乾燥室内に供給した後、内部の被乾燥物から水分を奪って排気として乾燥室から排出し、その排気を冷却源たる蒸発器で冷却除湿して再び凝縮器で加熱するように循環させる空気循環経路を備えるように構成されている。
特開平7−178289号公報 特開2004−135755号公報
従来において、冬季、夏季等のように外気温度の変化に応じて凝縮器の加熱能力を可変にしたい場合には、圧縮機を駆動する圧縮機モータとしてブラシレスモータを用い、駆動回路としてインバータ回路を用いて、センサレス矩形波通電方式を採用することにより圧縮機モータの回転速度を変化させることが考えられる。しかしながら、矩形波通電方式では、非通電の期間は生じるので、全周期通電される正弦波通電方式に比し、効率が悪く、トルクリップルにより圧縮機モータから騒音が発生する問題がある。
逆に、正弦波通電方式を採用した場合には、全周期通電のために圧縮機モータの誘起電圧を検出することができず、ロータの回転位置を検出できなくなる。このため、ロータの回転位置を検出するホールセンサなどの位置センサを設けるようにすればよいが、圧縮機に組み込まれる圧縮機モータは冷媒中にあるので、位置センサを設置することはできないという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧縮機モータをインバータ回路を介してベクトル制御することにより、センサレス正弦波通電方式とすることができ、効率がよく、騒音を低減することができるヒートポンプ式乾燥機を提供することにある。
本発明のヒートポンプ式乾燥機は、乾燥を行なうための運転用モータと、冷媒を圧縮機で圧縮し、凝縮器で凝縮し、蒸発器で蒸発させるように循環させるヒートポンプと、前記凝縮器で加熱した空気を乾燥室に導いて内部の被乾燥物を乾燥させ、前記乾燥室からの排気を前記蒸発器で除湿した後前記凝縮器で再び加熱するように循環させる空気循環経路と、前記運転用モータをインバータ回路を介してPWM制御及びベクトル制御するとともに、前記圧縮機を駆動する圧縮機モータをインバータ回路を介してPWM制御及びベクトル制御する制御手段とを具備し、前記制御手段は、前記圧縮機モータに対するPWM制御のキャリア周波数は前記運転用モータに対するPWM制御のキャリア周波数よりも低く設定することを特徴とする(請求項1)。
本発明は、圧縮機モータをインバータ回路を介してベクトル制御するようにしたので、センサレス正弦波通電方式とすることができて、効率がよく、騒音を低減することができるという効果を奏する。また、運転用モータと圧縮機モータとを何れもPWM制御するように構成し、圧縮機モータに対するキャリア周波数を運転用モータに対するPWM制御のキャリア周波数よりも低く設定したので、圧縮機モータ側を駆動制御するに当たり制御手段の演算量を抑制することができ、制御手段をより廉価なマイクロコンピュータで構成できるとともに、キャリア発生にともなう消費電力を低減できる。加えて、インバータ回路側におけるスイッチング損失も低減できるので消費電力を低減でき、また、放熱用の部品も削減できる。
更に、ベクトル制御演算を行なうための圧縮機モータの電流制御頻度が、運転用モータ側の電流制御頻度よりも低くなるように設定するので、この点でも、制御手段の演算量を抑制して廉価なマイクロコンピュータで構成することを可能にするとともに、動作クロック数を低下させて消費電力を低減できる。
本発明の一実施例であり、ドラムモータ及び圧縮機モータの駆動系を概略的に示す図 制御回路がドラムモータ及び圧縮機モータについて行なうセンサレスベクトル制御の機能ブロックを示す図 制御回路がドラムモータを駆動制御するための概略的な制御内容を示すフローチャート ドラムモータについてのPWM制御のキャリアとベクトル制御演算との関係を示す図 圧縮機モータについての図4相当図 乾燥室の温度特性を示す図 全体構成を示す縦断側面図 同縦断背面図
(一実施例)
以下、本発明をヒートポンプ式洗濯乾燥機に適用した一実施例につき、図面を参照して説明する。
まず、図7において、外箱1の内部には、水槽2が複数の支持装置3により弾性支持されて水平状態に配設されている。この水槽2の内部には、これと同軸状態で回転ドラム4が回転可能に配設されている。この回転ドラム4は、周側壁及び後壁に通風孔を兼ねる脱水孔4a(一部のみ図示)を多数有していて、洗濯槽、脱水槽及び乾燥室としても機能する。なお、回転ドラム4の内周面には、複数のバッフル4b(1個のみ図示)が設けられている。
上記外箱1、水槽2及び回転ドラム4において、いずれも前面部(図1中、右側部)には、洗濯物出入れ用の開口部5、6及び7をそれぞれ有しており、そして開口部5と開口部6とは、弾性変形可能なベロー8によって水密に連通接続されている。また、外箱1の開口部5には、これを開閉する扉9が設けられている。また、前記回転ドラム4は、背面部に回転軸10を有しており、この回転軸10は、軸受(図示せず)に支持されて、水槽2の背面部の外側に取付けられた運転用モータとしてのアウタロータ型ブラシレスモータからなるドラムモータ11によって回転駆動されるようになっている。
外箱1の底板1aには、複数の支持部材12を介してケーシング13が支持されていおり、そのケーシング13の右端部上部及び左端部上部には、吐出口13a及び吸入口13bがそれぞれ形成されている。また、底板1aには、ヒートポンプ(冷凍サイクル)14の圧縮機15が設置されている。更に、ケーシング13内には、ヒートポンプ14の凝縮器16及び蒸発器17が右側から左側に向け順に設置されているとともに、右端部に位置して送風ファン18が配設されている。なお、ケーシング13における凝縮器16の下方に位置する部位には、皿状の水受け部13cが形成されている。
水槽2において、前面部の上部には、吸気口19が形成され、背面部下部には、排気口20が形成されている。吸気口19は、直線状ダクト21及び伸縮自在な連結ダクト22を介してケーシング13の吐出口13a接続されている。また、排気口20は、環状ダクト23及び伸縮自在の連結ダクト24を介してケーシング13の吸入口13bに接続されている。環状ダクト23は、図8に示すように、水槽2の背面部の外側に取付けられており、ドラムモータ11と同心円状をなすように形成されている。従って、この実施例では、環状ダクト23において、その入口側が排気口20に接続され、出口側が連結ダクト24を介して吸入口13bに接続されている。そして、上記ケーシング13、連結ダクト22、直線状ダクト21、吸気口19、排気口20、環状ダクト23及び連結ダクト14は、空気循環経路25を構成する。
外箱1内において、その後方上部には、三方弁からなる給水弁26が配設され、また、前方上部には、洗剤投入器26aが配設されている。給水弁26は、その入水口が給水ホースを介して水道の蛇口に接続され、第1の出水口が洗い用給水ホース26bを介して洗剤投入器26aの上段の入水口に接続され、第2の出水口がすすぎ用給水ホース26cを介して洗剤投入器26aの下段の入水口に接続されるように構成されている。そして、洗剤投入器26aの出水口は、水槽2の上部に形成された給水口2aに給水ホース26dを介して接続されている。
水槽2の底部の後方の部位には、排水口2bが形成されており、この排水口2bは、排水弁27aを介して排水ホース27に接続されている。なお、排水ホース27の一部は伸縮自在になっている。そして、ケーシング13の水受け部13cは、排水ホース28及び逆止弁28aを介して排水ホース27の途中部位に接続されている。
外箱1の前面上部には、図7に示すように、操作パネル部29が設けられており、この操作パネル部29には、図示はしないが、表示器及び各種の操作スイッチが設けられている。また、前記操作パネル部29の裏面には、制御手段たる制御回路30が設けられている。この制御回路30は、マイクロコンピュータで構成されており、操作パネル部29の操作スイッチの操作に基いて給水弁26、ドラムモータ11及び排水弁27aを制御することによる洗い、すすぎ及び脱水の洗濯運転及びその後のドラムモータ11及び圧縮機15を駆動するブラシレスモータからなる圧縮機モータ31を制御することによる乾燥運転を実行させるようになっている。従って、水槽2、回転ドラム4及びドラムモータ11等は、洗い、すすぎ、脱水及び乾燥を行なう機構37を構成する。
図1は、ドラムモータ11及び圧縮機モータ31の駆動系を概略的に示すものである。インバータ回路32は、6個のIGBT(スイッチング素子)33a〜33fを三相ブリッジ接続して構成されており、各IGBT33a〜33fのコレクタ−エミッタ間には、フライホイールダイオード34a〜34fが接続されている。
下アーム側のIGBT33d、33e、33fのエミッタは、シャント抵抗35u、35v、35wを介してグランドに接続されている。また、IGBT33d、33e、33fのエミッタとシャント抵抗35u、35v、35wとの共通接続点は、夫々レベルシフト回路36を介して制御回路30に接続されている。尚、ドラムモータ11の巻線11a〜11cには最大で7A程度流れるので、シャント抵抗35u〜35wの抵抗値は、例えば0.2Ωに設定されている。
レベルシフト回路36はオペアンプなどを含んで構成されており、シャント抵抗35u〜35wの端子電圧を増幅すると共にその増幅信号の出力範囲が正側に収まるように(例えば、0〜+3.3V)バイアスを与える。また、過電流比較回路38は、インバータ回路32の上下アームが短絡した場合に回路の破壊を防止するために過電流検出を行なうものである。
インバータ回路32の入力側には駆動用電源回路39が接続されている。駆動用電源回路39は、100Vの交流電源40を、ダイオードブリッジで構成される全波整流回路41及び直列接続された2個のコンデンサ42a、42bにより倍電圧全波整流し、約280Vの直流電圧をインバータ回路32に供給する。そして、インバータ回路32の出力端子は、ドラムモータ11の各相巻線11u、11v、11wに接続されている。
制御回路30は、レベルシフト回路36を介して得られるモータ11の巻線11u〜11wに流れる電流Iu〜Iwを検出し、その電流値に基づいて2次側の回転磁界の位相θ及び回転角速度ωを推定すると共に、三相電流を直交座標変換及びdq(direct-quadrature) 座標変換することで励磁電流成分Id、トルク電流成分Iqを得る。
そして、制御回路30は外部より速度指令が与えられると、推定した位相θ及び回転角速度ω並びに電流成分Id、Iqに基づいて、電流指令Idref 、Iqref を生成し、それを電圧指令Vd、Vqに変換すると直交座標変換及び三相座標変換を行なう。最終的には、駆動信号がPWM信号として生成され、インバータ回路32を介してモータ11の巻線11u〜11wに出力される。
第1電源回路43は、インバータ回路32に供給される約280Vの駆動用電源を降圧して15Vの制御用電源を生成して制御回路30及び駆動回路44に供給するようになっている。また、第2電源回路45は、第1電源回路43によって生成された15V電源に基づいて3.3V電源を生成して制御回路30に供給する三端子レギュレータである。高圧ドライバ回路46は、インバータ回路32における上アーム側のIGBT33a〜33cを駆動するために配置されている。
そして、圧縮機モータ31については、ドラムモータ11の駆動系と対称な構成が配置されている。即ち、圧縮機モータ31は、インバータ回路47によって駆動され、その下アーム側にはシャント抵抗48u〜48wが挿入されている。それらのシャント抵抗48u〜48wの端子電圧は、レベルシフト回路49を介して制御回路30に与えられ、また、過電流比較回路50によって過電流検出のための比較が行なわれる。制御回路30は、駆動回路51及び高圧ドライバ回路52を介してインバータ回路47を駆動する。但し、圧縮機モータ31の巻線31u〜31wに流れる電流はドラムモータ11に比較して最大で2A程度と小さいため、シャント抵抗48a〜48cの抵抗値は例えば0.7Ωに設定されている。
図2は、制御回路30が、ドラムモータ11並びに圧縮機モータ31について行なうセンサレスベクトル制御の機能ブロックを示す図である(但し、ドラムモータ11側についてのみ図示する)。この構成は、例えば特開2003−181187号公報などに開示されているものと同様であるから、ここでは概略的に説明する。尚、図2において、(α、β)は、三相ブラシレスモータであるドラムモータ11の各相に対応する電気角120度間隔の三相(UVW)座標系を直交変換した直交座標系を示し、(d、q)は、ドラムモータ11のロータの回転に伴って回転している2次磁束の座標系を示すものである。
速度指令出力部60は、目標速度指令ωref を減算器62に被減算値として出力する。また、減算器62には、エスティメータ(Estimator) 63によって検出されたモータ11の検出速度ωが、切換スイッチ64の可動接点64cより固定接点64aを介して減算値として与えられるようになっている。そして、減算器62の減算結果は、速度PI(Proportional-Integral) 制御部65に与えられる。
速度PI制御部65は、目標速度指令ωref と検出速度ωとの差分量に基づいてPI (比例積分)制御を行い、q軸電流指令値Iqrefとd(direct)軸電流指令値Idrefとを生成して減算器66q、66dに被減算値として夫々出力する。尚、ベクトル制御を行なう場合、d軸電流指令値Idrefは“0”に設定されて全界磁制御によってモータ11を駆動する。減算器66q、66dには、αβ/dq変換部67より出力されるq軸電流値Iq、d軸電流値Idが減算値として夫々与えられ、減算結果は、電流PI制御部68q、68dに夫々与えられる。尚、速度PI制御部65における制御周期は1m秒に設定されている。
電流PI制御部68q、68dは、q軸電流指令値Iqrefとd軸電流指令値Idrefとの差分量に基づいてPI制御を行い、q軸電圧指令値Vq及びd軸電圧指令値Vdを生成してdq/αβ変換部69に出力する。dq/αβ変換部69には、エスティメータ63によって検出されたドラムモータ11における2次磁束の回転位相角(ロータ位置角)θが与えられ、その回転位相角θに基づいて電圧指令値Vd、Vqを電圧指令値Vα、Vβに変換する。
dq/αβ変換部69が出力する電圧指令値Vα、Vβは、αβ/UVW変換部70に与えられ、αβ/UVW変換部70は、電圧指令値Vα、Vβを三相の電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換して出力する。電圧指令値Vu、Vv、Vwは、切換スイッチ71u、71v、71wの一方の固定接点71ua、71va、71waに与えられており、他方の固定接点71ub、71vb、71wbには、初期パターン出力部76によって出力される電圧指令値Vus、Vvs、Vwsが与えられる。そして、切換スイッチ71u、71v、71wの可動接点71uc、71vc、71wcは、PWM形成部73の入力端子に接続されている。
PWM形成部73は、電圧指令値Vus、Vvs、Vwsに基づいて15.6kHzのキャリア(三角波)を変調した各相のPWM信号Vup(+,-) 、Vvp(+,-) 、Vwp(+,-) をインバータ回路32に出力するようになっている。PWM信号Vup〜Vwpは、例えばモータ11の各相巻線11u、11v、11wに正弦波状の電流が通電されるように正弦波に基づいた電圧振幅に対応するパルス幅の信号として出力される。
A/D変換部74は、IGBT33d〜33fのエミッタに現れる電圧信号をA/D変換した電流データIu、Iv、IwをUVW/αβ変換部75に出力する。UVW/αβ変換部75は、三相の電流データIu、Iv、Iwを所定の演算式に従って直交座標系の2軸電流データIα、Iβに変換する。そして、2軸電流データIα、Iβをαβ/dq変換部67に出力する。
αβ/dq変換部67は、ベクトル制御時にはエスティメータ63よりモータ11のロータ位置角θを得ることで、所定の演算式に従って2軸電流データIα、Iβを回転座標系(d、q)上のd軸電流値Id、q軸電流値Iqに変換する。そして、d軸電流値Id、q軸電流値Iqを前述したようにエスティメータ63及び減算器66d、66qに出力する。
エスティメータ63は、q軸電圧指令値Vq、d軸電圧指令値Vd、q軸電流値Iq、d軸電流値Idに基づいてロータの位置角θ及び回転速度ωを推定し、各部に出力する。ここで、モータ11は、起動時には、初期パターン出力部76による起動パターンが印加され強制転流が行われる。ベクトル制御の開始以降は、エスティメータ63が起動されてドラムモータ11のロータの位置角θ及び回転速度ωが推定される。
切換スイッチ71及び64の切換えは、切換え制御部78によって行われるようになっている。切換え制御部78は、PWM形成部73より与えられるPMW信号のデューティ情報に基づいて切換スイッチ71及び64の切換えを制御する。
尚、以上の構成において、インバータ回路32を除く構成は、制御回路(制御手段)30のソフトウエアによって実現されている機能をブロック化したものである。そして、ベクトル制御における電流制御周期は、PWMキャリア周波数の逆数である64.1μ秒に設定されている。
次に、本実施例の作用について図3乃至図6も参照して説明する。
図3は、主に制御回路30がドラムモータ11を駆動制御するための概略的な制御内容を示すフローチャートである。制御回路30は、洗い、すすぎ、脱水の洗濯運転を開始させる場合に前述した起動処理を行なう(ステップS1)。即ち、切換スイッチ71u〜71wの可動接点71uc〜71wcを切換え制御部78により初期パターン出力部76側(固定接点71ub〜71wb側)に切り換えるとともに、切換スイッチ64の可動接点64cを固定接点64b側に切り換える。そして、初期パターン出力部76により直流励磁を行わせるように電圧指令値Vus〜Vwsをインバータ回路32に与えてドラムモータ11を強制転流させる(ステップS2)。すると、ドラムモータ11は回転を開始し、回転速度は徐々に上昇して行く。
それから、制御回路30は、例えば、初期パターン出力部76によって与えられる電圧指令値によりドラムモータ11の回転数が20rpmに達したと判断すると(ステップS3、「YES」)、切換スイッチ71u〜71wの可動接点71uc〜71wcを固定接点71ua〜71waに接続するように切換えるとともに、切換スイッチ64の可動接点64cを固定接点64a側に切り換え、ベクトル制御を開始させる(ステップS4)。その後は、運転停止の指示があるまで運転を継続する(ステップS5)。その間、洗い、すすぎを行なう場合は、ドラムモータ11を最大回転数が150rpmに達するように正逆転させ、脱水を行なう場合には、ドラムモータ11を最大回転数が800rpmに達するように正転させる。
以下、ステップS4以降におけるベクトル制御について処理の流れを説明する。PWM形成部73は、内部のアップダウンカウンタ(図示せず)のカウンタ出力によってPWMキャリアを生成しており、そのカウンタ値が“最大”、即ち三角波の山に達した時点で変換タイミング信号をA/D変換部74に出力するようになっている(図4参照)。
図4に示すように、PWM形成部73は、αβ/UVW変換部70が出力する電圧指令値Vu〜VwとPWMキャリアとのレベルを比較して、前者のレベルが後者を上回っている期間に上アーム側のIGBT33a〜33cがオンするようにPWM信号Vup(+) 〜Vwp(+) を出力する(但し、図4では1相分のみ示している)。そして、下アーム側のIGBT33d〜33fは、上アーム側のIGBT33a〜33cがオフしている期間にデッドタイムを挟んで(図4中には図示せず)オンされるようになっている。尚、ドラムモータ11に対するPWM制御のキャリア周波数は例えば15.6kHzとなっており、可聴周波数域には属するが、実際の人間の聴覚では殆ど聞き取ることができない周波数に設定されている。
また、シャント抵抗35u〜35wに電流が流れる期間は、下アーム側のIGBT33d〜33fがオンしている期間である。従って、三角波の山(頂点)は、下アーム側のIGBT33d〜33fがオンしている期間の中間位相を示すことになる。つまり、A/D変換部74が、PWM形成部73内部のカウンタ値が最大となる時点でA/D変換を行なうようにすれば、インバータ回路32の下アーム側に流れる相電流を確実にサンプリングすることができる。このA/D変換処理は、PWM制御周期の2回につき1回行なうようになっている。
A/D変換部74によりA/D変換された3相の電流値は、UVW/αβ変換部75、αβ/dq変換部67を介することで2軸電流データIα、Iβ、→Id、Iqに変換され、エスティメータ63及び減算器66q、66dに出力され、エスティメータ63によって位置角θ及び回転速度ωが推定される。尚、電流Iqは、ドラムモータ11の2次磁束の方向に対して垂直となる方向に流れる電流であり、トルクの発生に寄与する電流成分である。一方、電流Idは、2次磁束の方向に対して平行となる方向に流れる電流であり、トルクの発生には寄与しない電流成分である。
そして、速度PI制御部65は、速度指令出力部60より与えられる目標速度指令ωref と検出速度ωとの差分量に基づいてq軸、d軸電流指令値Iqref、Idrefを出力し、電流PI制御部68q、68dは、指令値Iqref、Idrefと検出された電流値Iq、Idとの差分に基づいて電圧指令値Vq、Vdを出力する。電圧指令値Vq、Vdは、dq/αβ変換部69、αβ/UVW変換部70を介して電圧指令値(図4におけるコンパレータ電圧)Vu、Vv、Vwに変換されてPWM形成部73に出力され、PWM形成部73がインバータ回路32にPWM信号Vup〜Vwpを出力する。すると、ドラムモータ11の各相巻線に通電が行われる。
さて、上述した洗濯運転に続く乾燥運転は、制御回路30により次のように行なわれる。まず、ドラムモータ11が動作されて、回転ドラム4を低速度で回転させる。これにより、回転ドラム4内の洗濯物は洗濯運転時と同様に撹拌される。また、圧縮機モータ31が動作されて、ヒートポンプ4の圧縮機15が運転される。これにより、圧縮機15で圧縮された気体冷媒は、凝縮器16により恐縮されて液体冷媒となり、この時に凝縮器16は放熱するようになり、更に、液体冷媒は、蒸発器17で蒸発して気体冷媒となり、この時に蒸発器17は吸熱するようになり、そして、この気体冷媒は再び圧縮機15で圧縮されるように循環される。更に、送風ファン18が運転される。これにより、図7及び図8に矢印で示すように、加熱源たる凝縮器16で加熱された空気は、ケーシング13の吐出口13a、連結ダクト22、直線状ダクト21及び吸気口19を介して水槽2内に温風として供給される。
水槽2内に吸気口19から供給された温風は、水槽2の排気口20に向って対角線上を流れるようになるが、この間に、回転ドラム4の周側壁の脱水孔4aから回転ドラム4内に流入して撹拌されている洗濯物から水分を奪い、更に、後壁の脱水孔4aを経て排気口20から水槽2外に排気として排出される。
そして、送風ファン18の送風作用により、排気口20からの排気は、環状ダクト23内を図8の時計方向に流通し、連結ダクト24及び吸入口13b介してケーシング13内に戻される。ケーシング13内に戻された排気は、冷却源たる蒸発器17で冷却されて除湿された後、凝縮器16で再び加熱されるように循環される。なお、蒸発器17で除湿された水は、ケーシング13の水受け部13cで受けられた後、排水ホース28及び逆止弁28aを介して排水ホース27に排出される。
ここで、圧縮機モータ31の駆動制御については、乾燥運転が実行される場合に、図2に示すものと同様の制御系によってセンサレスベクトル制御が行われ、図3に示すフローチャートと略同様の手順で駆動される。即ち、ステップS2において圧縮機モータ31の回転数が20rpmに達すると、ステップS4に移行してベクトル制御に切換えるようになっている。そして、図5に示すように、圧縮機モータ31に対するPWM制御のキャリア周波数は4kHzとなっている。これは、圧縮機モータ31に通電される電流はドラムモータ11に比較して小さいため、キャリア周波数をこの程度まで低下させたとしても、人間の聴覚によっては殆ど認識されないからである。また、圧縮機モータ31の場合も、ベクトル制御演算処理、即ちその演算処理のために電流値をA/D変換する処理は、ドラムモータ11に比較して制御精度がそれ程要求されないため、PWM制御周期の4回につき1回行なうようになっている。
この場合、乾燥運転は、図6に示すように、まず、圧縮機モータ31がベクトル制御に切換えられた実質的な乾燥開始の時点から若干の時間後に乾燥室(ドラム4)内の温度が徐々に上昇する加熱工程になる。この加熱工程は、乾燥室内及び内部の被乾燥物(洗濯物)を加熱してその温度を上昇させる過程である。その後、乾燥運転は、乾燥室内の温度が一定の温度T(例えば50℃)となる恒率工程になり、被乾燥物から活発に水分を蒸発させるようになる。そして、被乾燥物の乾燥が略終了すると、乾燥室内の温度は急激に上昇するドライアップ状態になり、この時点で制御回路30は圧縮機モータ31の運転(凝縮器16の加熱)を停止させる。そして、一定の冷却期間後に送風ファン18を停止させ、乾燥終了となる。
しかして、制御回路30は、圧縮機モータ31に対して特定のタイミングたる乾燥開始時点から弱め界磁を行なって、圧縮機モータ31を高速回転させる。具体的には、制御回路30は、乾燥開始時点になると、速度PI制御部65のd軸電流指令値Idrefをマイナス“−”になるように設定し、これにより圧縮機モータ31は進み位相角制御が行なわれて高速回転するようになり、凝縮器16の加熱能力が増加する。その後、加熱工程が終了して恒率工程に移行すると、制御回路30は、上記d軸電流指令値Idrefを“0”に設定して全界磁制御によって圧縮機モータ31を駆動するように切換える。
以上のように本実施例によれば、ヒートポンプ14の圧縮機15を駆動する圧縮機モータ31を、インバータ回路47を介してベクトル制御するように構成したので、センサレス正弦波通電方式とすることができ、従って、効率がよく、また、ベクトル制御により圧縮機モータ31のトルクを直接制御することができるので、制御応答速度が向上し、圧縮機モータ31が発生する騒音を低減することが可能となる。更に、センサレス通電方式により、コストの低減を図ることもでき、圧縮機モータ31の構造を簡略化して部品点数を削減し、信頼性を向上させることができる。
また、乾燥開始時点に圧縮機モータ31を弱め界磁制御して高速回転させ、凝縮器16の加熱能力を増加させるようにしたので、加熱工程を効果的に実行することができ、乾燥時間の短縮を図ることができる。
更に、ドラムモータ11と圧縮機モータ31とを何れもPWM制御するように構成し、ドラムモータ11に対するPWM制御のキャリア周波数を15.6kHzに設定するとともに、圧縮機モータ31に対するキャリア周波数を4kHzに設定したので、圧縮機モータ31側を駆動制御するに当たり制御回路30の演算量を抑制することができ、制御回路30をより廉価なマイクロコンピュータで構成できるとともに、キャリア発生にともなう消費電力を低減できる。加えて、インバータ回路47側におけるスイッチング損失も低減できるので消費電力を低減でき、また、放熱用の部品も削減できる。
また、ドラムモータ11側のインバータ回路32と、圧縮機モータ31側のインバータ回路47とで共通の制御回路30たるマイクロコンピュータで制御するようにしたので、この点においても、部品点数の削減によるコストの低減が図れ、コンパクト化も図ることができる。
更に、ベクトル制御演算を行なうための圧縮機モータ31の電流制御頻度を、ドラムモータ11側の電流制御頻度よりも低くなるように設定したので、この点でも、制御回路30の演算量を抑制して廉価なマイクロコンピュータで構成することを可能にするとともに、動作クロック数を低下させて消費電力を低減できる。
(他の実施例)
上記実施例は、本発明をヒートポンプ式洗濯乾燥機に適用した場合であるが、代わりに、ヒートポンプ式乾燥機に適用してもよい。
ヒートポンプ式乾燥機は、図示はしないが、構造的には図7及び図8に示すヒートポンプ式洗濯乾燥機と同様であり、但し、洗い、すすぎ及び脱水の洗濯運転は行なわず、ドラムモータ11、送風ファン18及びヒートポンプ14による乾燥運転のみを行なうようになっている。従って、この実施例によっても、乾燥に関しては、前記実施例同様の作用効果を得ることができるものである。
なお、本発明は上記し図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形が可能である。
インバータ回路32、47に駆動用電源を供給する電源回路を、夫々別個に設けてもよい。
インバータ回路32側におけるPWM制御のキャリア周波数は、8kHz以上で任意の値に設定すればよい。8kHz以上に設定すれば、実際の使用上、当該制御周波数が人間の聴覚では殆ど認識されることはない
更に、インバータ回路32、47を夫々制御するマイクロコンピュータを独立に設けてもよい。
図面中、4は回転ドラム(乾燥室)、11はドラムモータ(運転用モータ)、14はヒートポンプ、15は圧縮機、16は凝縮器、17は蒸発器、18は送風ファン、30は制御回路(制御手段、マイクロコンピュータ)、31は圧縮機モータ、32はインバータ回路、37は機構、47はインバータ回路を示す。

Claims (2)

  1. 乾燥を行なうための運転用モータと、
    冷媒を圧縮機で圧縮し、凝縮器で凝縮し、蒸発器で蒸発させるように循環させるヒートポンプと、
    前記凝縮器で加熱した空気を乾燥室に導いて内部の被乾燥物を乾燥させ、前記乾燥室からの排気を前記蒸発器で除湿した後前記凝縮器で再び加熱するように循環させる空気循環経路と、
    前記運転用モータをインバータ回路を介してPWM制御及びベクトル制御するとともに、前記圧縮機を駆動する圧縮機モータをインバータ回路を介してPWM制御及びベクトル制御する制御手段とを具備し、
    前記制御手段は、前記圧縮機モータに対するPWM制御のキャリア周波数は前記運転用モータに対するPWM制御のキャリア周波数よりも低く設定することを特徴とするヒートポンプ式乾燥機。
  2. 前記制御手段は、前記圧縮機モータに対するPWM制御のキャリア周波数を、前記運転用モータに対するPWM制御のキャリア周波数よりも低く、且つ、人の聴覚によっては殆ど認識されない周波数に設定することを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ式乾燥機。
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