JP5275269B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばホイールローダ等の建設機械に搭載され、油圧モータ、トルクコンバータ等の回転を回転軸に伝達する動力伝達装置に関する。
一般に、ホイール式ショベル、ホイールローダ等を代表例とするホイール式の建設機械は、油圧モータ、トルクコンバータ等の回転源によって車輪を回転駆動することにより、作業現場に向けて一般道路を走行することができるものである。
ここで、ホイール式の建設機械は、通常、油圧モータやトルクコンバータ等の回転源と、この回転源の回転を走行用の回転軸に伝達する動力伝達装置とを備えている。そして、動力伝達装置は、ケーシングと、該ケーシング内に回転可能に設けられ動力伝達用の歯車が取付けられた回転軸と、回転軸とケーシングとの間に設けられ回転軸を回転可能に支持する軸受と、回転軸に設けられ軸受を軸方向に抜止めする抜止め部材とを備えて構成されている。
この場合、回転軸に取付けられる歯車として、例えばはすば歯車(ヘリカル歯車)を用いた場合には、このはすば歯車が他のはすば歯車と噛合することにより、回転軸に対して軸方向の荷重(スラスト荷重)が作用する。このため、はすば歯車が取付けられた回転軸とケーシングとの間には円錐ころ軸受が設けられ、この円錐ころ軸受によってスラスト荷重を受けるようになっている。
ここで、円錐ころ軸受は、回転軸に取付けられる内輪と、ケーシングに取付けられる外輪と、これら内輪と外輪との間に設けられる複数の円錐ころとにより構成され、円錐ころ軸受の内輪は、通常、回転軸の外周面に形成した環状溝に嵌合する止め輪(軸用止め輪)によって軸方向に抜止めされている。
しかし、円錐ころ軸受を抜止めするために止め輪を用いた場合には、動力伝達装置を長時間に亘って作動させることにより、円錐ころ軸受がクリープ現象によって歪みを生じると、つれ廻りによって止め輪が回転軸の環状溝から外れてしまう虞れがある。
また、回転軸に設けられる環状溝の溝幅は、止め輪を円滑に着脱するために該止め輪の軸方向寸法よりも大きく設定されており、通常、環状溝と止め輪との間には、比較的大きな軸方向の隙間が形成されている。
このため、はすば歯車の噛合によって回転軸にスラスト荷重が作用すると、このスラスト荷重が円錐ころ軸受の内輪を介して止め輪に作用することにより、円錐ころ軸受の内輪が止め輪と環状溝との間の隙間分だけ軸方向に移動する。この結果、回転軸からのスラスト荷重によって円錐ころ軸受に過大な予圧力が作用してしまい、円錐ころ軸受の耐久性が低下してしまうという問題がある。
これに対し、軸端部の外周に雄ねじ部を形成し、この雄ねじ部に螺合したナットを座金等を介してころ軸受の内輪に当接させることにより、ころ軸受を軸方向に抜止めする構成となった回転軸(車軸)が提案されている。この回転軸は、ころ軸受の内輪に当接する環状の座金と、該座金上に配置され内周側に径方向内側に向けて複数個の突起(内側かど)が設けられた環状の固定板と、回転軸の雄ねじ部に螺合するナット(六角ナット)とを備えて構成されている。
そして、座金に立設した1本のピンを固定板に設けたくぼみに嵌合させると共に、固定板に設けた各突起をナットの外周側の各辺に係合させることにより、ナットを雄ねじ部に対して廻止めする構成となっている(特許文献1参照)。
特開昭57−33213号公報
しかし、上述した特許文献1による従来技術においては、固定板のくぼみに係合するピンが、雄ねじ部に挿通される環状の座金に設けられているため、このピンの径寸法を小さく設定する必要がある。このため、ピンの強度を高めることが難しく、回転軸を長期に亘って回転させる間にピンが剪断、破損し易くなり、回転軸の雄ねじ部に対してナットを確実に廻止めすることができず、ナットによってころ軸受を確実に抜止めすることができなくなるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、回転軸を支持する軸受を長期に亘って確実に抜止めすることができるようにした動力伝達装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため本発明は、ケーシングと、該ケーシング内に回転可能に設けられ動力伝達用の歯車が取付けられた回転軸と、内輪が前記回転軸に取付けられると共に外輪が前記ケーシングに取付けられ前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、前記回転軸に設けられ前記軸受の内輪を軸方向に抜止めする抜止め部材とを備えてなる動力伝達装置に適用される。
そして、請求項1の発明の特徴は、前記回転軸は、前記軸受の内輪が嵌合する大径部と、該大径部よりも軸方向の端部側に位置し前記大径部よりも小径となって前記軸受の内輪と半径方向に間隔をもって対面する小径部とを有し、前記回転軸の小径部には、その外周側に軸方向の端部から前記軸受に向けて軸方向に延びる雄ねじ部を設けると共に、前記回転軸の軸方向の端面に軸方向に延びる軸穴を設け、前記抜止め部材は、前記回転軸の小径部の端面に対面し前記軸穴と対向する位置に軸方向に貫通する貫通孔が形成された蓋部と、該蓋部の周縁部から前記軸受の内輪に向けて延び前記回転軸の雄ねじ部に螺合するナット部とにより構成し、前記ナット部の外周側には、前記回転軸の雄ねじ部に螺合した状態で前記軸受の内輪に嵌合する軸受嵌合部と、前記軸受の内輪の端面に当接する軸受端面当接部とを設け、前記蓋部と前記回転軸との間には、前記蓋部の貫通孔と前記回転軸の軸穴とに挿通され前記ナット部を前記回転軸に対して廻止めする軸体を設ける構成としたことにある。
請求項の発明は、前記回転軸の軸穴と前記蓋部の貫通孔のうち一方は、前記回転軸の軸中心を中心とする同心円上に均等な角度間隔をもってn個設け、前記回転軸の軸穴と前記蓋部の貫通孔のうち他方は、前記同心円上に均等な角度間隔をもって(n+1)個または(n−1)個設ける構成としたことにある。
請求項1の発明によれば、抜止め部材のナット部を、回転軸の小径部の雄ねじ部に螺合させて軸受の内輪に当接させた状態で、抜止め部材の蓋部に設けた貫通孔と回転軸の軸穴とに軸体を挿通することにより、この軸体によってナット部を廻止めすることができる。この場合、軸体は、回転軸の内部に軸方向に延びて設けられた軸穴に挿通されるので、回転軸の径寸法に応じて軸体の径寸法を大きく設定することができ、その強度を高めることができる。従って、回転軸を長時間に亘って回転させた場合でも、軸体が剪断、破損することがなく、軸体によって抜止め部材のナット部を確実に廻止めすることができる。この結果、回転軸にスラスト荷重が作用する場合でも、回転軸を支持する軸受の内輪を抜止め部材によって確実に抜止めすることができ、動力伝達装置全体の信頼性を高めることができる。
しかも、回転軸の小径部に設けた雄ねじ部に、抜止め部材のナット部を螺合させたときに、ナット部の外周側に設けた軸受嵌合部を軸受の内輪に嵌合させることができる。このように、ナット部の一部を軸受の内輪の内側に配置することにより、軸受の内輪の端面から抜止め部材の蓋部の端面までの軸方向寸法を小さくすることができる。この結果、回転軸と抜止め部材とをケーシング内に収容する場合に、ケーシングの軸方向寸法を短縮することができ、この分、ケーシングの重量を低減することができる。
請求項の発明によれば、回転軸に設けた軸穴と抜止め部材の蓋部に設けた貫通孔とを、回転軸の軸中心を中心とする同心円上に設けたので、回転軸の雄ねじ部に抜止め部材のナット部を螺合させることにより、回転軸の軸穴と蓋部の貫通孔とを確実に一致(位置合わせ)させることができ、これら貫通孔と軸穴とに軸体を挿通することにより、ナット部を回転軸に対して廻止めすることができる。
この場合、軸穴と貫通孔のうち一方は、前記同心円上に均等な角度間隔をもってn個(但し、nは正の整数)設け、軸穴と貫通孔のうち他方は、前記同心円上に均等な角度間隔をもって(n+1)個または(n−1)個設けたので、抜止め部材のナット部が回転軸の雄ねじ部に螺合して1回転する間に、軸穴と貫通孔とを、n×(n+1)箇所、またはn×(n−1)箇所で一致させることができる。従って、ナット部の軸受端面当接部が軸受の内輪の端面に当接したときに、蓋部の貫通孔と回転軸の軸穴とが一致しない場合でも、ナット部を緩み方向に僅かな角度だけ回転させることにより、回転軸の軸穴と蓋部の貫通孔とを確実に一致させることができ、これら貫通孔と軸穴とに軸体を挿通することができる。この結果、軸受の内輪の端面とナット部の軸受端面当接部との間に生じる隙間を小さくし、軸受に過大な予圧力が作用するのを抑えることができるので、軸受の耐久性を高めることができ、動力伝達装置の信頼性を一層高めることができる。
本発明の第1の実施の形態による動力伝達装置を示す断面図である。 図1中の回転軸、歯車、軸受、抜止め部材、廻止めボルト等を示す要部拡大断面図である。 回転軸、歯車、軸受、抜止め部材、廻止めボルト等を示す分解斜視図である。 2個の軸穴を設けた回転軸の端面を示す拡大図である。 3個の貫通孔を設けた抜止め部材の蓋部の端面を示す拡大図である。 1個の貫通孔を設けた抜止め部材の蓋部の端面を示す拡大図である。 第2の実施の形態による回転軸、歯車、軸受、抜止め部材、ノックピン等を示す図2と同様な要部拡大断面図である。 抜止め部材の変形例を示す図2と同様な要部拡大断面図である。
以下、本発明に係る動力伝達装置の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、図1ないし図6は本発明の第1の実施の形態を示し、図中、1は動力伝達装置を示している。ここで、動力伝達装置1は、例えばホイールローダ、ホイール式ショベル等のホイール式建設機械の走行装置に用いられるもので、油圧モータの回転を車輪(ホイール)を駆動するための出力軸に伝達するものである。そして、動力伝達装置1は、後述のケーシング2、第1の回転軸6、駆動歯車10、中間歯車11、出力軸12、従動歯車15、カウンタ歯車16、クラッチ装置18、ブレーキ装置19、第2の回転軸20、円錐ころ軸受21,22、抜止め部材23、廻止めボルト24等を備えて構成されている。
2は動力伝達装置1の外殻をなすケーシングで、該ケーシング2は、前,後方向の前側に位置するフロントケーシング3と、後側に位置するリヤケーシング4と、該リヤケーシング4の後側に取付けられるリヤカバー5とにより大略構成され、全体として中空な箱状をなしている。
ここで、フロントケーシング3の上端側には、後述する第1の回転軸6の前部側を支持する軸支持部3Aが設けられ、フロントケーシング3の上,下方向の中間部には、後述する第2の回転軸20の前部側を支持する軸支持部3Bが設けられ、フロントケーシング3の下端側には、後述する出力軸12の前部側を支持する円筒部3Cが設けられている。
一方、リヤケーシング4の上端側には、後述のブレーキ装置19を収容するブレーキ収容筒部4Aと、該ブレーキ収容筒部4Aに開口するブレーキ解除圧導入路4Bとが設けられている。また、リヤケーシング4の上,下方向の中間部には、第2の回転軸20の後部側を支持する軸支持部4Cが設けられ、リヤケーシング4の下端側には、出力軸12の後部側を支持する軸支持部4Dが設けられている。
さらに、リヤカバー5には、第1の回転軸6の後端部を支持する軸支持部5Aが形成されている。また、リヤカバー5の上端側には、後述の環状溝6Eに連通するクラッチ圧導入路5Bが設けられ、リヤカバー5の後端部には、後述の潤滑油通路6Dに連通する潤滑油導入路5Cが設けられている。
6はケーシング2内に回転可能に設けられた第1の回転軸で、該第1の回転軸6は、前部側が軸受7を介してフロントケーシング3の軸支持部3Aに支持され、後部側が軸受8を介してリヤカバー5の軸支持部5Aに支持されている。そして、第1の回転軸6の前端部には軸スプライン部6Aが形成され、この軸スプライン部6Aはフロントケーシング3から前方に突出し、低速走行用の油圧モータ(図示せず)にスプライン結合される構成となっている。また、第1の回転軸6のうち軸受7の近傍部位には、後述のクラッチ装置18が取付けられる鍔状のクラッチ取付部6Bが設けられている。
一方、第1の回転軸6の内部には、クラッチ圧通路6Cと潤滑油通路6Dとが、それぞれ軸方向に貫通して設けられている。そして、クラッチ圧通路6Cの前,後方向の両端部と潤滑油通路6Dの前端部は、それぞれプラグ9によって閉塞され、潤滑油通路6Dの後端部は、リヤカバー5の潤滑油導入路5Cに向けて開口している。
また、第1の回転軸6の後端部外周側には、環状溝6Eが全周に亘って凹設され、第1の回転軸6のクラッチ圧通路6Cとリヤカバー5のクラッチ圧導入路5Bとが、環状溝6Eを介して連通する構成となっている。さらに、第1の回転軸6の内部には、クラッチ圧通路6Cからクラッチ装置18に向けて径方向に延びる1本のクラッチ圧導出路6Fが設けられると共に、潤滑油通路6Dから各軸受7,8等に向けて径方向に延びる複数本の潤滑油導出路6Gが設けられている。
10は第2の回転軸20に一体形成された駆動歯車で、該駆動歯車10は、第2の回転軸20と一体に回転するものである。そして、駆動歯車10は、後述の従動歯車15に常時噛合することにより、第2の回転軸20の回転を、従動歯車15を介して出力軸12に伝達する構成となっている。
11は駆動歯車10と同軸に第2の回転軸20に設けられた中間歯車で、該中間歯車11は、駆動歯車10の後側に隣接して配置され、後述の軸スプライン部20Bにスプライン結合されている。そして、中間歯車11は、第2の回転軸20と一体に回転し、後述のカウンタ歯車16に常時噛合するものである。
12は第2の回転軸20と並列に並んでケーシング2内に回転可能に設けられた出力軸で、該出力軸12は、第2の回転軸20の下側に隣接して配置されている。ここで、出力軸12は、その前部側が軸受13を介してフロントケーシング3の円筒部3Cに支持され、後部側が軸受14を介してリヤケーシング4の軸支持部4Dに支持されている。そして、出力軸12の前,後方向の両端部には、それぞれ接続フランジ12Aが取付けられ、前端側の接続フランジ12Aはフロントケーシング3から前方に突出し、後端側の接続フランジ12Aはリヤケーシング4から後方に突出している。
15は出力軸12の軸方向中間部に固定して設けられた従動歯車で、該従動歯車15は、出力軸12に一体形成され、該出力軸12と一体に回転するものである。この場合、従動歯車15は駆動歯車10に常時噛合しており、出力軸12は、常に第2の回転軸20と一緒に回転する構成となっている。
16は第1の回転軸6に相対回転可能に設けられたカウンタ歯車で、該カウンタ歯車16は、第2の回転軸20に取付けられた中間歯車11に常時噛合するものである。ここで、カウンタ歯車16は、軸受装置17を介して第1の回転軸6の外周側に配置され、該第1の回転軸6の軸方向に延びる円筒部16Aと、該円筒部16Aの外周側に固定して設けられ中間歯車11に噛合する歯車部16Bとにより構成されている。
この場合、中間歯車11とカウンタ歯車16の歯車部16Bとは、互いに噛合した状態で第2の回転軸20と一緒に高速で回転するため、噛合時の騒音を低減すべく、はすば歯車(ヘリカル歯車)によって構成されている。
18は第1の回転軸6のクラッチ取付部6Bとカウンタ歯車16の円筒部16Aとの間に設けられたクラッチ装置で、該クラッチ装置18は、例えば湿式多板型クラッチからなっている。そして、クラッチ装置18は、第1の回転軸6のクラッチ圧通路6C、クラッチ圧導出路6F等を通じてクラッチ圧油が供給されることにより、カウンタ歯車16の円筒部16Aと第1の回転軸6との間を接続し、クラッチ圧油の供給が停止されたときには、カウンタ歯車16の円筒部16Aと第1の回転軸6との接続状態を解除する構成となっている。
19はリヤケーシング4のブレーキ収容筒部4Aとカウンタ歯車16の円筒部16Aとの間に設けられたブレーキ装置で、該ブレーキ装置19は、例えば湿式多板型のネガティブブレーキからなっている。そして、ブレーキ装置19は、リヤケーシング4のブレーキ解除圧導入路4Bを通じてブレーキ解除圧油が供給されることにより、カウンタ歯車16に対する制動力を解除し、ブレーキ解除圧油の供給が停止されることにより、カウンタ歯車16に対して制動力を付与する構成となっている。
次に、20はケーシング2内に回転可能に設けられた第2の回転軸を示し、該第2の回転軸20は、第1の回転軸6と出力軸12との間に並列に配置され、その軸方向の中間部位には駆動歯車10が一体形成されると共に中間歯車11が取付けられている。ここで、第2の回転軸20は、その前部側が円錐ころ軸受21を介してフロントケーシング3の軸支持部3Bに支持され、後端側が円錐ころ軸受22を介してリヤケーシング4の軸支持部4Cに支持されている。
この場合、円錐ころ軸受21は、第2の回転軸20に嵌合する内輪21Aと、フロントケーシング3の軸支持部3Bに嵌合する外輪21Bと、これら内輪21Aと外輪21Bとの間に設けられた多数の円錐ころ21Cとにより構成されている。一方、円錐ころ軸受22は、第2の回転軸20に嵌合する内輪22Aと、リヤケーシング4の軸支持部4Cに嵌合する外輪22Bと、これら内輪22Aと外輪22Bとの間に設けられた多数の円錐ころ22Cとにより構成され、内輪22Aは、後述する抜止め部材23を用いて軸方向に抜止めされている。
また、第2の回転軸20の前端部には軸スプライン部20Aが形成され、この軸スプライン部20Aはフロントケーシング3から前方に突出し、高速走行用の油圧モータ(図示せず)にスプライン結合される構成となっている。一方、第2の回転軸20のうち駆動歯車10よりも後側には軸スプライン部20Bが形成され、この軸スプライン部20Bには中間歯車11がスプライン結合されている。
ここで、第2の回転軸20のうち軸スプライン部20Bよりも後側となる後端側には、図2および図3に示すように、円錐ころ軸受22の内輪22Aが嵌合する大径部20Cと、大径部20Cよりも軸方向の端部側に位置し該大径部20Cよりも小径となった小径部20Dとが設けられている。このように、第2の回転軸20の小径部20Dは、第2の回転軸20の後端側の端面20Eから大径部20Cまでの範囲に形成され、図2に示すように、円錐ころ軸受22の内輪22Aと半径方向に間隔Aをもって対面している。
20Fは第2の回転軸20の小径部20Dの外周側に設けられた雄ねじ部を示し、該雄ねじ部20Fは、第2の回転軸20の後端側の端面20Eから円錐ころ軸受22に向けて軸方向に延びている。そして、雄ねじ部20Fには、後述する抜止め部材23のナット部23Bが螺合する構成となっている。
20Gは第2の回転軸20の後端側の端面20Eに設けられた軸穴としての2個のボルト穴(雌ねじ穴)を示し、該各ボルト穴20Gは、端面20Eから第2の回転軸20の軸方向に延び、後述の廻止めボルト24が螺入されるものである。ここで、図2ないし図4に示すように、各ボルト穴20Gは、廻止めボルト24の頭部24Aよりも僅かに大径となって第2の回転軸20の端面20Eに開口した座ぐり穴20Hを有する段付きの有底穴として構成されている。この場合、2個のボルト穴20Gは、第2の回転軸20の軸中心O−Oを中心とした半径Bの同心円C(図4参照)上に、均等な角度間隔D(この場合は180度)をもって配置されている。
なお、第2の回転軸20の端面20Eに設けられるボルト穴20Gの個数は2個に限るものではなく、ボルト穴20Gは、第2の回転軸20の軸中心O−Oを中心とした半径Bの同心円C上に、均等な角度間隔をもってn個(但し、nは正の整数)設けることができるものである。
次に、23は本実施の形態に用いる抜止め部材を示し、該抜止め部材23は、第2の回転軸20の雄ねじ部20Fに取付けられることにより、円錐ころ軸受22の内輪22Aを軸方向に抜止めするものである。ここで、抜止め部材23は、図2および図3に示すように、第2の回転軸20の端面20Eに対面する円板状の蓋部23Aと、該蓋部23Aの周縁部から円錐ころ軸受22の内輪22Aに向けて延びる円筒状のナット部23Bとにより、全体として略コ字型の断面形状を有する有蓋円筒状に形成されている。そして、ナット部23Bの内周側には、第2の回転軸20の雄ねじ部20Fに螺合する雌ねじ部23Cが形成されている。
また、抜止め部材23の蓋部23Aには、第2の回転軸20の端面20Eに設けた各ボルト穴20Gと対向する位置に、軸方向に貫通する3個の貫通孔23Dが穿設されている。そして、各貫通孔23Dは、廻止めボルト24の頭部24Aよりも僅かに大径に形成され、図2に示すように、蓋部23Aの貫通孔23Dに挿通した廻止めボルト24を、第2の回転軸20のボルト穴20Gに螺入したときに、廻止めボルト24の頭部24Aが貫通孔23D内に没入する構成となっている。
この場合、3個の貫通孔23Dは、図5に示すように、第2の回転軸20の軸中心O−Oを中心とした半径Bの同心円C上に、均等な角度間隔E(この場合は120度)をもって配置されている。従って、第2の回転軸20の雄ねじ部20Fに抜止め部材23のナット部23Bを螺合させ、このナット部23Bを1回転させる間に、ボルト穴20Gと貫通孔23Dとは、60度回転するごとに1箇所づつ、合計6箇所で一致する(位置合せされる)構成となっている。
なお、蓋部23Aに形成される貫通孔23Dの個数は3個に限るものではなく、第2の回転軸20に設けられるボルト穴20Gの個数をn個(但し、nは正の整数)としたときに、貫通孔23Dは、第2の回転軸20の軸中心O−Oを中心とした半径Bの同心円C上に、均等な角度間隔をもって(n+1)個、または(n−1)個設けることができるものである。
従って、図6に示すように、第2の回転軸20に設けた2個のボルト穴20Gに対し、蓋部23Aには、同心円C上に1個の貫通孔23Dを設ける構成としてもよく、この場合には、ボルト穴20Gと貫通孔23Dとは、抜止め部材23のナット部23Bが180度回転するごとに1箇所づつ、合計2箇所で一致する構成となっている。
即ち、第2の回転軸20に対し、軸中心O−Oを中心とする同心円C上に均等な角度間隔をもってn個のボルト穴20Gを設け、抜止め部材23の蓋部23Aに対し、前記同心円C上に均等な角度間隔をもって(n+1)個の貫通孔23Dを設けた場合には、各貫通孔23Dのうち1個が、各ボルト穴20Gのうち1個に一致するための抜止め部材23の回転数P1は、下記数1によって表される。
Figure 0005275269
また、第2の回転軸20に対し、軸中心O−Oを中心とする同心円C上に均等な角度間隔をもってn個のボルト穴20Gを設け、抜止め部材23の蓋部23Aに対し、前記同心円C上に均等な角度間隔をもって(n−1)個の貫通孔23Dを設けた場合には、各貫通孔23Dのうち1個が、各ボルト穴20Gのうち1個に一致するための抜止め部材23の回転数P2は、下記数2によって表される。
Figure 0005275269
このように、本実施の形態では、抜止め部材23の蓋部23Aに(n+1)個の貫通孔23Dを設けた場合には、抜止め部材23を1/{n×(n+1)}回転させる間に、各貫通孔23Dのうち1個を各ボルト穴20Gのうち1個に一致させることができ、抜止め部材23の蓋部23Aに(n−1)個の貫通孔23Dを設けた場合には、抜止め部材23を1/{n×(n−1)}回転させる間に、各貫通孔23Dのうち1個を各ボルト穴20Gのうち1個に一致させることができる構成となっている。
一方、抜止め部材23のナット部23Bの外周側には、第2の回転軸20の雄ねじ部20Fにナット部23Bを螺合させた状態で、円錐ころ軸受22の内輪22Aに嵌合する軸受嵌合部23Eと、該軸受嵌合部23Eよりも大径な鍔状をなし、円錐ころ軸受22の内輪22Aの端面22A1に当接する軸受端面当接部23Fとが設けられている。また、軸受端面当接部23Fの外周縁部には、抜止め部材23を締付ける工具(図示せず)を掛止めするための切欠き部23Gが、例えば90度の角度間隔をもって4個設けられている。
そして、第2の回転軸20の大径部20Cに円錐ころ軸受22の内輪22Aを嵌合させた状態で、第2の回転軸20の雄ねじ部20Fに、抜止め部材23のナット部23Bを螺合することにより、図2に示すように、ナット部23Bの軸受嵌合部23Eが内輪22Aに嵌合すると共に、ナット部23Bの軸受端面当接部23Fが内輪22Aの端面22A1に当接し、円錐ころ軸受22の内輪22Aを軸方向に抜止めすることができる構成となっている。
この場合、第2の回転軸20の雄ねじ部20Fは、円錐ころ軸受22の内輪22Aと半径方向に間隔Aをもって対面する小径部20Dに形成されているので、抜止め部材23のナット部23Bを雄ねじ部20Fに螺合させることにより、ナット部23Bの外周側に設けた軸受嵌合部23Eが、円錐ころ軸受22の内輪22Aに軸方向寸法Fをもって嵌合し、この分、内輪22Aの端面22A1から抜止め部材23の蓋部23Aの後端面までの軸方向寸法Gを短縮することができる構成となっている。
24は抜止め部材23の蓋部23Aに設けられた貫通孔23Dと第2の回転軸20のボルト穴20Gとに挿通される軸体としての1本の廻止めボルトを示し、該廻止めボルト24は、抜止め部材23のナット部23Bを、第2の回転軸20に対して廻止めするものである。ここで、廻止めボルト24は、円筒状の頭部24Aを有する六角穴付きボルトにより構成され、蓋部23Aの貫通孔23Dを通じて第2の回転軸20のボルト穴20Gに螺入される。
そして、廻止めボルト24は、ボルト穴20Gの座ぐり穴20Hに当接した状態で、頭部24Aが廻止め部材23の蓋部23Aに設けた貫通孔23Dに係合することにより、廻止め部材23のナット部23Bを第2の回転軸20に対して廻止めする。このとき、廻止めボルト24の頭部24Aは、廻止め部材23の蓋部23Aから突出することなく、蓋部23Aの貫通孔23D内に没入する構成となっている。
本実施の形態による動力伝達装置1は上述の如き構成を有するもので、以下、動力伝達装置1を搭載したホイールローダ(図示せず)の走行時における動力伝達装置1の作動について説明する。
まず、エンジンと油圧ポンプ(いずれも図示せず)とが停止し、油圧ポンプからブレーキ装置19に対するブレーキ解除圧油の供給が停止されている状態では、ブレーキ装置19がカウンタ歯車16に対して制動力を付与する。
これにより、カウンタ歯車16に噛合する中間歯車11を介して第2の回転軸20に制動力が作用し、この制動力は、駆動歯車10に噛合する従動歯車15を介して出力軸12に作用する。この結果、ホイールローダの車輪を回転駆動するための出力軸12を停止状態に保ち、ホイールローダを停止(駐車)させておくことができる。
次に、エンジンと油圧ポンプ(いずれも図示せず)とが作動すると、油圧ポンプから吐出した圧油の一部が、リヤケーシング4のブレーキ解除圧導入路4Bを通じてブレーキ装置19に供給され、カウンタ歯車16に対する制動力が解除される。
ここで、ホイールローダが一般道路等を走行するときには、動力伝達装置1の出力軸12を高速回転させる必要がある。この場合には、クラッチ装置18に対するクラッチ圧油の供給を停止することにより、カウンタ歯車16の円筒部16Aと第1の回転軸6との接続状態を解除する。
このように、ブレーキ装置19によるカウンタ歯車16に対する制動力を解除し、クラッチ装置18によるカウンタ歯車16と第1の回転軸6との接続を解除することにより、第2の回転軸20は、軸スプライン部20Aに接続された高速走行用の油圧モータ(図示せず)によって高速回転する。そして、第2の回転軸20の回転は、駆動歯車10に噛合する従動歯車15を介して出力軸12に伝達され、出力軸12が、駆動歯車10と従動歯車15との歯数比に応じた回転速度をもって高速回転することにより、ホイールローダを高速走行させることができる。
一方、例えば掘削作業時にホイールローダを低速走行させてバケットを土砂に突込むような作業を行うときには、動力伝達装置1の出力軸12を低速、高トルクで回転させる必要がある。この場合には、油圧ポンプ(図示せず)からのクラッチ圧油が、リヤカバー5のクラッチ圧導入路5Bに導かれた後、第1の回転軸6に設けられた環状溝6E、クラッチ圧通路6C、クラッチ圧導出路6Fを通じてクラッチ装置18に供給され、カウンタ歯車16の円筒部16Aと第1の回転軸6とが接続状態となる。
この結果、低速走行用の油圧モータ(図示せず)に接続された第1の回転軸6の回転は、カウンタ歯車16から中間歯車11を介して第2の回転軸20に伝達され、さらに駆動歯車10から従動歯車15を介して出力軸12に伝達される。このように、第1の回転軸6の回転と、第2の回転軸20の回転とは、合成された状態で出力軸12に伝達され、出力軸12が低速、高トルクで回転することにより、ホイールローダを掘削作業に応じて低速走行させることができる。
ここで、上述の如き動力伝達装置1の作動時には、クラッチ装置18を介して第1の回転軸6に取付けられたはすば歯車からなるカウンタ歯車16と、第2の回転軸20に取付けられたはすば歯車からなる中間歯車11とが噛合することにより、第2の回転軸20を支持する円錐ころ軸受22に軸方向のスラスト荷重が作用するため、円錐ころ軸受22の内輪22Aを、抜止め部材23によって確実に軸方向に抜止めする必要がある。
これに対し、本実施の形態では、第2の回転軸20の後端部外周側に軸方向に延びる雄ねじ部20Fを設けると共に、第2の回転軸20の後端側の端面20Eに軸方向に延びるボルト穴20Gを設け、抜止め部材23を、第2の回転軸20の端面20Eに対面し軸方向に貫通孔23Dが形成された蓋部23Aと、該蓋部23Aの周縁部から円錐ころ軸受22の内輪22Aに向けて延び、雄ねじ部20Fに螺合するナット部23Bとにより構成している。
このため、図2に示すように、抜止め部材23のナット部23Bを、第2の回転軸20の雄ねじ部20Fに螺合させて円錐ころ軸受22の内輪22Aの端面22A1に当接させた状態で、抜止め部材23の蓋部23Aに設けた貫通孔23Dに廻止めボルト24を挿通し、この廻止めボルト24を第2の回転軸20のボルト穴20Gに螺入することにより、この廻止めボルト24によって抜止め部材23のナット部23Bを廻止めすることができる。
この場合、廻止めボルト24は、大径な第2の回転軸20の内部に形成されたボルト穴20Gに螺入されるので、第2の回転軸20の径寸法に応じて廻止めボルト24の径寸法を大きく設定することができ、その強度を大幅に高めることができる。しかも、廻止めボルト24に熱処理等を施すことにより、廻止めボルト24の強度を一層高めることができる。
従って、第2の回転軸20を長時間に亘って回転させた場合でも、廻止めボルト24が剪断、破損することがなく、この廻止めボルト24によって抜止め部材23のナット部23Bを確実に廻止めすることができる。この結果、第2の回転軸20にスラスト荷重が作用する場合でも、第2の回転軸20を支持する円錐ころ軸受22の内輪22Aを長期に亘って確実に抜止めすることができ、動力伝達装置1全体の信頼性を高めることができる。
しかも、本実施の形態では、第2の回転軸20の後端部に、円錐ころ軸受22の内輪22Aに嵌合する大径部20Cと、内輪22Aと半径方向に間隔Aをもって対面する小径部20Dとを設け、この小径部20Dに雄ねじ部20Fを設ける構成としている。このため、抜止め部材23のナット部23Bを雄ねじ部20Fに螺合させることにより、図2に示すように、ナット部23Bの外周側に設けた軸受嵌合部23Eは、円錐ころ軸受22の内輪22Aの内側に軸方向寸法Fをもって嵌合する。
この結果、内輪22Aの端面22A1から抜止め部材23の蓋部23Aの後端面までの軸方向寸法Gを短縮することができ、図1に示すように、ケーシング2のうち第2の回転軸20と抜止め部材23とを収容する部位の軸方向寸法Sを短縮することができる。従って、ケーシング2の重量を低減することができ、動力伝達装置1全体の軽量化を図ることができる。
さらに、本実施の形態では、第2の回転軸20の軸中心O−Oを中心とした半径Bの同心円C上に、均等な角度間隔をもってn個(但し、nは正の整数)のボルト穴20Gを設け、抜止め部材23の蓋部23Aには、第2の回転軸20の軸中心O−Oを中心とした半径Bの同心円C上に、均等な角度間隔をもって(n+1)個、または(n−1)個の貫通孔23Dを設ける構成としている。
従って、第2の回転軸20の端面20Eにボルト穴20Gを2個設け、抜止め部材23の蓋部23Aに貫通孔23Dを3個設けた場合には、抜止め部材23のナット部23Bが第2の回転軸20の雄ねじ部20Fに螺合して1回転する間に、ボルト穴20Gと貫通孔23Dとを6箇所で一致させることができる。
即ち、抜止め部材23のナット部23Bを第2の回転軸20の雄ねじ部20Fに螺合させ、ナット部23Bの軸受端面当接部23Fが、円錐ころ軸受22の内輪22Aの端面22A1に当接したときに、蓋部23Aの貫通孔23Dと第2の回転軸20のボルト穴20Gとが一致しない場合でも、ナット部23Bを緩み方向に最大で1/6回転させる間に、貫通孔23Dをボルト穴20Gに確実に一致させることができ、貫通孔23Dに挿通した廻止めボルト24をボルト穴20Gに螺入することができる。
これにより、抜止め部材23の緩み側への移動量を小さくし、ナット部23Bの軸受端面当接部23Fと円錐ころ軸受22の内輪22Aの端面22A1との間に生じる隙間を小さくすることができる。この結果、第2の回転軸20の回転時における円錐ころ軸受22の軸方向への移動を最小限に抑えることができ、円錐ころ軸受22に過大な予圧力が作用するのを抑えることができる。これにより、円錐ころ軸受22の耐久性を高めることができ、動力伝達装置1の信頼性を一層高めることができる。
次に、図7は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、回転軸の軸穴と廻止め部材の貫通孔とに挿通される軸体としてノックピンを用いたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図7において、31は本実施の形態による第2の回転軸を示し、該第2の回転軸31は、第1の実施の形態による第2の回転軸20とほぼ同様に、中間歯車11がスプライン結合された軸スプライン部31Aと、円錐ころ軸受22の内輪22Aが嵌合する大径部31Bと、大径部31Bよりも小径となった小径部31Cとを有し、この小径部31Cは、円錐ころ軸受22の内輪22Aと半径方向に間隔Aをもって対面している。そして、小径部31Cの外周側には、第2の回転軸31の後端側の端面31Dから円錐ころ軸受22に向けて軸方向に延びる雄ねじ部31Eが形成されている。
31Fは第2の回転軸31の後端側の端面31Dに設けられた軸穴としての2個のピン穴を示し、該各ピン穴31Fは、第1の実施の形態によるボルト穴20Gに代えて本実施の形態に用いたものである。ここで、各ピン穴31Fは、端面31Dから第2の回転軸31の軸方向に延び、後述のノックピン32が圧入されるものである。そして、各ピン穴31Fは、第1の実施の形態によるボルト穴20Gと同様に、第2の回転軸31の軸中心O−Oを中心とした半径Bの同心円上に、均等な角度間隔(180度)をもって配置されている。
32は抜止め部材23の蓋部23Aに設けられた貫通孔23Dと第2の回転軸31のピン穴31Fとに挿通される軸体としての1本のノックピンを示し、該ノックピン32は、例えば一様な円柱状をなす平行ピンからなり、抜止め部材23のナット部23Bを第2の回転軸31に対して廻止めするものである。また、ノックピン32の一端側には雌ねじ穴32Aが形成され、この雌ねじ穴32Aに螺合したボルト(図示せず)を引張ることにより、ピン穴31Fに圧入されたノックピン32を抜取ることができるようになっている。
本実施の形態による動力伝達装置は、上述の如き第2の回転軸31とノックピン32とを備えるもので、抜止め部材23のナット部23Bを、第2の回転軸31の雄ねじ部31Eに螺合させて円錐ころ軸受22の内輪22Aの端面22A1に当接させた状態で、抜止め部材23の蓋部23Aに設けた貫通孔23Dにノックピン32を挿通し、このノックピン32を第2の回転軸31のピン穴31Fに圧入する。これにより、ノックピン32によって抜止め部材23のナット部23Bを廻止めすることができ、抜止め部材23を長期に亘って確実に抜止めすることができる。
なお、上述した第1の実施の形態では、抜止め部材23を構成する蓋部23Aの軸方向寸法(厚さ寸法)を比較的大きく設定した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図8に示す変形例のように、蓋部23A′の軸方向寸法を小さく設定した抜止め部材23′を用いることにより、円錐ころ軸受22の内輪22Aの端面22A1と蓋部23A′の端面との間の軸方向寸法Gを一層小さくすることができる。
また、上述した第1の実施の形態では、第2の回転軸20の端面20Eにn個のボルト穴20Gを設け、抜止め部材23の蓋部23Aに(n+1)個、または(n−1)個の貫通孔23Dを設けた場合を例示している。
しかし、本発明はこれに限らず、抜止め部材23の蓋部23Aにn個の貫通孔23Dを設け、第2の回転軸20の端面20Eに(n+1)個、または(n−1)個のボルト穴20Gを設ける構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、例えばエンジンによって駆動される油圧ポンプからの圧油によって油圧モータを回転させ、この油圧モータの回転を出力軸12に伝達する動力伝達装置1を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばエンジンの回転をトルクコンバータによって変換し、このトルクコンバータの回転を出力軸に伝達する動力伝達装置にも適用することができる。
さらに、上述した実施の形態では、ホイール式建設機械の走行装置に用いられる動力伝達装置1を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、ケーシング内に、歯車が取付けられた回転軸と、該回転軸を支持する軸受と、該軸受を抜止めする抜止め部材とが設けられた動力伝達装置に広く適用することができる。
1 動力伝達装置
2 ケーシング
6 第1の回転軸
10 駆動歯車
11 中間歯車
12 出力軸
15 従動歯車
16 カウンタ歯車
20,31 第2の回転軸
20C,31B 大径部
20D,31C 小径部
20E,31D 端面
20F,31E 雄ねじ部
20G ボルト穴(軸穴)
21,22 円錐ころ軸受
21A,22A 内輪
21B,22B 外輪
23,23′ 抜止め部材
23A,23A′ 蓋部
23B ナット部
23D 貫通孔
23E 軸受嵌合部
23F 軸受端面当接部
24 廻止めボルト(軸体)
31F ピン穴
32 ノックピン(軸体)

Claims (2)

  1. ケーシングと、該ケーシング内に回転可能に設けられ動力伝達用の歯車が取付けられた回転軸と、内輪が前記回転軸に取付けられると共に外輪が前記ケーシングに取付けられ前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、前記回転軸に設けられ前記軸受の内輪を軸方向に抜止めする抜止め部材とを備えてなる動力伝達装置において、
    前記回転軸は、前記軸受の内輪が嵌合する大径部と、該大径部よりも軸方向の端部側に位置し前記大径部よりも小径となって前記軸受の内輪と半径方向に間隔をもって対面する小径部とを有し、
    前記回転軸の小径部には、その外周側に軸方向の端部から前記軸受に向けて軸方向に延びる雄ねじ部を設けると共に、前記回転軸の軸方向の端面に軸方向に延びる軸穴を設け、
    前記抜止め部材は、前記回転軸の小径部の端面に対面し前記軸穴と対向する位置に軸方向に貫通する貫通孔が形成された蓋部と、該蓋部の周縁部から前記軸受の内輪に向けて延び前記回転軸の雄ねじ部に螺合するナット部とにより構成し、
    前記ナット部の外周側には、前記回転軸の雄ねじ部に螺合した状態で前記軸受の内輪に嵌合する軸受嵌合部と、前記軸受の内輪の端面に当接する軸受端面当接部とを設け、
    前記蓋部と前記回転軸との間には、前記蓋部の貫通孔と前記回転軸の軸穴とに挿通され前記ナット部を前記回転軸に対して廻止めする軸体を設ける構成としたことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記回転軸の軸穴と前記蓋部の貫通孔のうち一方は、前記回転軸の軸中心を中心とする同心円上に均等な角度間隔をもってn個設け、
    前記回転軸の軸穴と前記蓋部の貫通孔のうち他方は、前記同心円上に均等な角度間隔をもって(n+1)個または(n−1)個設ける構成としてなる請求項1に記載の動力伝達装置。
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