JP5274791B2 - 表面改質装置及びその表面改質方法 - Google Patents

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Description

本発明は、略円柱状、略四角柱等の表面加工対象物の外表面をプラズマにより改質する表面改質装置及びその表面改質方法に関するものである。
移動体としての自動車などには、種々の電子機器が搭載される。このため、前記自動車などは、前記電子機器に電源などからの電力やコンピュータなどからの制御信号などを伝えるために、ワイヤハーネスを配索している。ワイヤハーネスは、複数の電線と、該電線の端部などに取り付けられたコネクタなどを備えている。
電線は、導電性の芯線と該芯線を被覆する絶縁性の合成樹脂からなる被覆部とを備えている。電線は、所謂被覆電線である。コネクタは、導電性の端子金具と絶縁性のコネクタハウジングとを備えている。端子金具は、電線の端部などに取りつけられかつ該電線の芯線と電気的に接続する。コネクタハウジングは、箱状に形成されかつ端子金具を収容する。
前記ワイヤハーネスを組み立てる際には、まず電線を所定の長さに切断した後、該電線の端部などに端子金具を取り付ける。必要に応じて電線同士を接続する。その後、端子金具をコネクタハウジング内に挿入する。こうして、前述したワイヤハーネスを組み立てる。
前述したワイヤハーネスの電線は、芯線の大きさと、被覆部の材質(耐熱性の有無などによる材質の変更)と、使用目的などを識別する必要がある。なお、使用目的とは、例えば、エアバック、ABS(Antilock Brake System)や車速情報などの制御信号や、動力
伝達系統などの電線が用いられる自動車の系統(システム)である。
ワイヤハーネスの電線は、前述した使用目的(系統)を識別するために、外表面が互いに異なる2色でストライプ模様に形成されてきた。そこで、従来から芯線の周りに合成樹脂を押し出し被覆して、被覆部を形成する際に、まず、被覆部を構成する合成樹脂に所望の色の着色剤を混入する。そして、芯線を被覆した合成樹脂即ち被覆部の外表面の一部に、前記着色剤と異なる色の着色剤を付着させる。こうして、被覆部の外表面の一部を着色して、電線をストライプ模様に着色してきた(マーキングしてきた)。
また、インクジェット印刷による被覆電線の高品位の印刷を実現するために、特許文献1,2等に示す表面改質処理方法が知られている。この表面改質処理方法としては、搬送される被覆電線にプラズマトリーターのノズルからプラズマを照射することにより表面改質処理を行う方法が記載されている。このような方法により、高生産性で絶縁体層の濡れ性の改善が図られてきた。
特開2003−272455号公報 特開2004−342404号公報
しかしながら、上述した特許文献1,2等の表面改質処理方法では、プラズマトリーターのノズルからプラズマを被覆電線に照射して表面改質処理を行っていたため、円柱状に形成された電線の表面全体を均一に表面改質処理できないという問題があった。また、電線の製造速度にプラズマによる表面改質処理の速度が追いつかない場合、製造速度を下げて対応するか、それとも、プラズマトリーターの数を増やして対応する必要があり、さらには、プラズマトリーターからのプラズマジェットが直接露出することから、人への感電防止や周囲にある装置への障害防止を図る必要があるため、電線の製造工程等で実現するのは困難であった。
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、表面加工対象物の表面全体を均一に表面改質処理が施せ且つ加工対象物の製造工程で実現することができる表面改質装置及び表面改質方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載の表面改質装置は、表面加工対象物の外表面をプラズマにより改質する表面改質装置において、前記プラズマを発生させるためのプラズマ発生ガスが流れ且つ端部が大気圧中に開放されたガス管と、前記ガス管からプラズマ発生ガスが流れ込み且つ前記表面加工対象物を移動自在に収容する収容管と、前記ガス管又は前記収容管の少なくとも一方の外表面に設けられ且つ電圧を印加して前記プラズマ発生ガスと大気圧で前記プラズマを発生させる電極と、前記ガス管又は前記収容管の少なくとも一方の外表面に設けられて接地される、前記電極とは別の接地電極と、を有し、前記収容管が、前記ガス管からのプラズマ発生ガスを前記表面加工対象物の外表面の全てにわたって滞留させ且つ前記電極による電圧の印加に応じて発生するプラズマによって前記表面加工対象物の外表面の改質を行う滞留部を有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の表面改質装置において、前記接地電極が、前記プラズマ発生ガスの流れ方向に対して前記電極の上流側となるように、前記ガス管又は前記収容管の少なくとも一方の外表面に設けられていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の表面改質装置において、前記電極は、所望の間隔となるように前記ガス管又は前記収容管の少なくとも一方の外表面に複数設けられることを特徴とする。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項4記載の表面改質装置の表面改質方法装置は、プラズマを発生させるためのプラズマ発生ガスが流れ且つ端部が大気圧中に開放されたガス管と、前記ガス管から流れ込むプラズマ発生ガスを滞留する滞留部を有し且つ表面加工対象物が前記滞留部を通過するように前記表面加工対象物を移動自在に収容する収容管と、前記ガス管又は前記収容管の少なくとも一方の外表面に設けられ且つ電圧を印加して前記プラズマ発生ガスと大気圧で前記プラズマを発生させる電極と、前記ガス管又は前記収容管の少なくとも一方の外表面に設けられて接地される、前記電極とは別の接地電極と、を有する表面改質装置の表面改質方法であって、前記ガス管から前記収容管の滞留部に前記プラズマ発生ガスを流す過程と、前記電極に電圧を印加して、前記収容管の滞留部に位置付けられた前記表面加工対象物の外表面の全てにわたって発生するプラズマによって前記表面加工対象物の外表面の改質を行う過程と、を有することを特徴とする。
以上説明したように請求項1に記載した本発明の表面改質装置によれば、ガス管から収容管に流れ込んだプラズマ発生ガスを、収容管に収容した表面加工対象物の外表面の全てにわたって滞留させ、電極による電圧の印加に応じて発生するプラズマによって滞留部に位置付けられた表面加工対象物の外表面の改質を行うようにしたことから、収容管に表面加工対象物を入れることによって、より低い印加電圧でその外表面の全周囲に側面放電を発生させることができるため、表面加工対象物の表面全体を均一に表面改質処理を施すことができる。また、電極をガス管又は収容管の外に配置しているため、電極材料が放電領域に混入することを防止でき且つプラズマによる電極への損傷等を防ぐことができる。さらに、表面改質の処理範囲を広範囲とし且つ均一に処理することができるため、表面加工対象物の移動速度を落とす必要がなくなり、表面改質工程として製造ライン等に組み込んでも製造ライン等の高速化に貢献することができる。
請求項2に記載した本発明の表面改質装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、プラズマ発生ガスの流れ方向に対して前記電極の上流側となるように接地電極を設けるようにしたことから、電極と接地電極間における電子の流れ方向がプラズマ発生ガスの流れ方向と同じになるため、効率よくプラズマ放電させることができる。
請求項3に記載した本発明の表面改質装置によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、ガス管又は収容管の少なくとも一方の外表面に複数の電極を設けるようにしたことから、複数の電極間にプラズマを発生させることができるため、そのプラズマの発生領域が広範囲となり、表面加工対象物の外表面を広範囲にわたって改質することができる。
以上説明したように請求項4に記載した本発明の表面改質装置の表面改質方法によれば、ガス管から収容管の滞留部にプラズマ発生ガスを流し、電極による電圧の印加して収容管の滞留部に位置付けられた表面加工対象物の外表面の全てにわたって発生するプラズマによって表面加工対象物の外表面の改質を行うようにしたことから、収容管に表面加工対象物を入れることによってその外表面の全周囲に側面放電を発生させることができるため、表面加工対象物の表面全体を均一に表面改質処理を施すことができる。また、電極をガス管又は収容管の外に配置しているため、電極材料が放電領域に混入することを防止でき且つプラズマによる電極への損傷等を防ぐことができる。さらに、表面改質の処理範囲を広範囲とし且つ均一に処理することができるため、表面加工対象物の移動速度を落とす必要がなくなり、表面改質工程として製造ライン等に組み込んでも製造ライン等の高速化に貢献することができる。
以下、本発明に係る表面改質装置を電線着色システムに適用する場合の一実施形態を、図1〜図6の図面を参照して以下に説明する。
図1〜図3において、電線着色システム1は、本発明に係る表面改質装置10と、該表面改質装置10で外表面が改質された電線2に任意の意匠パターン等の着色を施す電線着色装置20と、を有している。
電線着色装置20は、公知であるように、電線2の外表面の一部に示す意匠パターンを形成する装置である。即ち、電線着色装置20は、電線2の外表面にインクジェットノズル等から液体の着色材を付着させて帯状の意匠パターンを形成する。
電線2は、断面が略円形に形成されており、移動体としての自動車などに配索されるワイヤハーネスを構成する。電線2は、図3に示すように、導電性の芯線3と、絶縁性の被覆部4とを備えている。芯線3は、複数の導線が撚られて形成されている。芯線3を構成する導線は、導電性の金属からなる。
被覆部4は、例えば、PP、PE(LDPE,HDPE,XLPE等)、PVC、PCなどの合成樹脂材料からなる。被覆部4は、芯線3を被覆している。このため、電線2の外表面とは、被覆部4の外表面をなしており、本実施形態はその表面改質を行うものである。
電線2は、図示しない搬送装置、押出機、引取機等によって図2中の矢印X方向に搬送される。即ち、電線着色システム1において、電線2はその長手方向に搬送されることで、表面改質装置10で電線2の外表面がプラズマにより改質され、その後、電線着色装置20によって着色される。
表面改質装置10は、プラズマ(放電)を発生させ、その内部で生成したイオンやラジカルを利用して電線2の外表面3を改質する装置であって、図1に示すように、ガス管11と、収容管12と、複数(図1中では2つ)の電極13と、接地電極14と、を有している。なお、本実施形態では、ガス管11と収容管12とを略T字状に一体形成した放電管の場合について説明するが、本発明はこれに限定するものではなく、ガス管11と収容管12とを別体に形成して接続部材等により接続するなど種々異なる実施形態とすることができる。
また、本実施形態において、表面改質とは、電線2の表面の形状を変化させることを意味している。例えば、凹凸のものを平坦にする、逆に、平坦なものを凹凸にするなどの電線2の表面形状の変化とすることである。これはプラズマ処理によって表面に化学活性種(−OHなど)が生成され、表面張力の変化によるものと考えられる。
ガス管11は、セラミックス、ガラス等によって筒状に形成されている。ガス管11の一方側は、プラズマ発生ガスを導入する導入口11aであり、大気に開放されている。また、ガス管11の他方側は、他方側がプラズマ発生ガスを収容管12に流出する流出口11bとなっている。即ち、他方側に収容管12が連なっている。
なお、本実施形態では、電線2の表面改質するためのプラズマ発生ガスとして、ヘリウム(He)やアルゴン(Ar)を使用する場合について説明するが、表面改質の目的に応じて、例えば、アルゴン、酸素、窒素、有機ガスなどをヘリウムに数パーセント混合させる、放電電圧が高い(例えば8kV以上)大気、窒素、酸素など他のガスを用いるなど種々異なる実施形態とすることができる。
収容管12は、ガス管11と同一の構成材料であるセラミック、ガラス等によって、ガス管11からプラズマ発生ガスが流れ込み且つ電線2を移動自在に収容する略筒状にガス管11と一体形成されている。収容管12は、ガス管11から流れ込むプラズマ発生ガスを電線2の外表面3の全周にわたって滞留させ且つ電極13による電圧の印加に応じて発生するプラズマによって電線2の外表面3の改質を行う滞留部12aを有している。滞留部12aは、ガス管11が交わる箇所から所定の範囲となっており、プラズマ発生ガスが滞留(充満)するため、放電し易くなっている。
滞留部12aは、図3に示すように、その内面12bと電線2の被腹部4の外表面との間に、0.5〜3.0mmの空隙Dを形成する断面形状で形成することが好ましい。なお、本実施形態においては、電線2の外径は2.95mm、滞留部12aの外径は8.0mm、内径は5.7mmとなっており、空隙Dは2.75mmとなる。そして、この空隙Dにプラズマ発生ガスが充満させることで、電線2の外表面の全てにわたってプラズマ発生ガスを滞留させる構造となっている。
このように収容管12の滞留部12aの断面形状は、表面加工対象物の直径、形状に対応した形状となり、その空隙Dは、収容管12に設けられて電線2を係止する係止部材、収容管12を所定の位置に位置付ける位置付け部材等によって維持されている。そして、空隙Dが狭いと、プラズマ発生ガスが通りにくくなり、また、広いと放電電圧が高くなることから、電線2の直径等に応じて任意に設定を変更することが好ましい。
電極13は、収容管12の滞留部12aの外表面に、ガス管11の接続箇所を中心に対称となるように巻いた状態で固定されている。電極13は、例えばSUS、Al、Cu、Mo、Ti等の金属部材であるのが好ましい。一対の電極13,13は、電源(図示せず)に電気的に接続しており、電極13,13間に高電圧を印加可能な構成となっている。そして、プラズマを発生させるためには、0.5〜100kHzのサイン波あるいはパルス波、変調パルス波等で電極13に電圧が印加される。
一対の電極13,13間の間隔Wは、1〜10cmであることが好ましい。これは、間隔Wが10cmを超えると放電しにくくなり、また、間隔Wが1cmよりも小さい場合は、電極13の外側に放電し易くなるためである。この間隔Wは、請求項中の所望の間隔であり、電極13である表面加工対象物のサイズ、形状等に応じて任意に定められる。
また、一対の電極13,13に印加する最適な印加電圧としては、プラズマ発生ガスの種類、電極の間隔等に応じて任意に定められる。例えば、プラズマ発生ガスがHeのみの場合、1kV<印加電圧<10kVとなる。また、プラズマ発生ガスがArのみの場合、2kV<印加電圧<12kVとなる。なお、印加電圧がその下限値(1又は2kV)よりも小さい場合は、放電しない。そして、印加電圧がその上限値(10又は12kV)よりも大きい場合は、アーク放電する。
接地電極14は、電極13と同様に、例えばSUS、Al、Cu、Mo、Ti等の金属部材であり、プラズマ発生ガスの流れ方向Mに対して電極13の上流側となるように、ガス管11の外表面に巻いた状態で固定されて接地されている。そして、接地電極14の配置を検討した結果、ガス導入側に接地電極14を配置し、その下流側に電極13を配置した方がプラズマを引き出しやすくなることを実験で確認している。これは、電子の流れとガスの流れが同じ方向となったときに、プラズマ放電し易い傾向があることを意味している。
このように構成した表面改質装置10において、ガス管11に外部からプラズマ発生ガスが導入されると、そのプラズマ発生ガスはガス管11から収容管12に流れ込み、滞留部12aに滞留する。そして、収容管12に電線2が引き込まれると、滞留部12aでは電線2の外表面の全周にわたってプラズマ発生ガスが滞留することになる。そして、電極13に所定の電圧が印加されると、プラズマ発生ガスと大気圧とによりプラズマが電極13,13間のプラズマ領域E(図1中の斜線部分)に発生する。このとき電子は接地電極14から電極13に流れることになる。
その結果、収容管12の滞留部12aの内部では、電線2の外周に側面プラズマ放電が発生することから、高効率に均一な広範囲にわたる表面処理が行われる。そして、処理効果の一例を表1に示す。この表1では、電線2の被腹部4が、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリプロピレンの3種類に対して、各表面張力を未処理、処理後の2つのタイミングで測定した結果を示している。そして、実験条件は、印加電圧が6V、印加電圧の周波数が7.0kHz、処理時間が300秒、プラズマ発生ガスの流量が16.2L/minとなっている。
Figure 0005274791
表1によれば、被腹部4の3つの部材とも、プラズマ放電処理によって56mN/mに電線表面張力が変化したことを示している。そして、電線2の外表面の全てが均一な表面改質を得られたことを確認できた。
以上説明した本発明の表面改質装置10によれば、ガス管11から収容管12に流れ込んだプラズマ発生ガスを、収容管12の滞留部12aに収容した電線2の外表面の全てにわたって滞留させ、電極13による電圧の印加に応じて発生するプラズマによって滞留部12aに位置付けられた電線2の外表面の改質を行うようにしたことから、収容管12に表面加工対象物を入れることによってその外表面の全周囲に側面放電を発生させることができるため、電線2の表面全体を均一に表面改質処理を施すことができる。また、電極13を収容管12の外に配置しているため、電極13が放電領域に混入することを防止でき且つプラズマによる電極13への損傷等を防ぐことができる。さらに、表面改質の処理範囲を広範囲とし且つ均一に処理することができるため、電線2の移動速度を落とす必要がなくなり、表面改質工程として製造ライン等に組み込んでも製造ライン等の高速化に貢献することができる。
また、プラズマ発生ガスの流れ方向Mに対して電極13の上流側となるように接地電極14を設けるようにしたことから、電極13と接地電極14間における電子の流れ方向がプラズマ発生ガスの流れ方向Mと同じになるため、効率よくプラズマ放電させることができる。
さらに、収容管12の外表面に一対の電極13,13を設けるようにしたことから、一対の電極13,13間にわたってプラズマを発生させることができるため、そのプラズマの発生領域が広範囲となり、電線2の外表面を広範囲にわたって改質することができる。
次に、上述した構成の表面改質装置10において、ガス管11に流す流量と放電電流の関係を確認した実験結果を図4に示している。この実験条件は、上述した実験条件と同一であり、ガス流量を0.9、3、6、12、18、24、30[L/min]に変化させた場合となっている。そして、図4においては、各流量に対する印加電圧と放電電流との関係をそれぞれ示している。
図4に示す実験結果等から、プラズマ発生ガスのガス流量が大きくなると、電子の流れとガスの流れの方向が一致するときにのみプラズマ放電が発生することが確認できた。これに対し、両者の方向が逆のときには放電し難くなり、放電開始電圧が高くなることが確認できた。一方、ガス流量が非常に小さいときは放電しないが、ガス流量が大きくなるにつれ、放電時間が長くなり、放電電流は小さくなることが確認できた。従って、ガス管11に流すプラズマ発生ガスの流量は、3〜20L/minであるのが好ましい。
次に、上述した構成の表面改質装置10において、電極13及び接地電極14の配置の違いによるプラズマ放電の違いを確認した結果を、図5及び図6に示している。
図5は、上述した表面改質装置10の構成から接地電極14を削除した参考例を示している。この実験結果からは、接地電極14が存在しなくてもプラズマ放電は可能であるが、図5に示すように、プラズマ領域Eは上述した構成と同様に、電極13,13間に発生することが確認できた。
図6は、上述した表面改質装置10の構成において、接地電極14を一方の電極13(図6中の右側)の近くに配置した場合を示している。この実験結果からは、接地電極14を隣接した電極13の周りにプラズマを発生でき、他方側の電極13(図6中の左側)の周囲にもプラズマが発生することを確認できた。
これらの実験結果から、電極13,13の配置によってプラズマ領域Eの制御が可能であることが確認できた。従って、電極13の数を増加させることで、表面改質処理の範囲をさらに広げることができるため、より一層の作業効率の向上に貢献することができる。
なお、上述した本実施形態では、電極13を収容管12に設ける場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば、電極13をガス管11のみに設ける、複数の電極13をガス管11と収容管12との双方に設けるなど種々異なる実施形態とすることができる。
また、上述した本実施形態では、略円柱状の電線2に対して表面改質を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば、燃線、FFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)などを表面加工対象物とすることもできる。
このように上述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の表面改質装置の概略構成を示す構成図である。 本発明に係る表面改質装置を電線着色システムに適用した場合のシステム構成図である。 収容管と電線との配置関係を説明するための図である。 プラズマ発生がガスの各流量に対する印加電圧と放電電流との関係を示す図である。 図1に示す表面改質装置の構成から接地電極を削除した参考例の構成図である。 図1に示す表面改質装置において接地電極の配置を変更した場合の構成図である。
符号の説明
1 電線着色システム
2 電線(表面加工対象物)
10 表面改質装置
11 ガス管
12 収容管
12a 滞留部
13 電極
14 接地電極
E プラズマ領域
M 流れ方向

Claims (4)

  1. 表面加工対象物の外表面をプラズマにより改質する表面改質装置において、
    前記プラズマを発生させるためのプラズマ発生ガスが流れ且つ端部が大気圧中に開放されたガス管と、
    前記ガス管からプラズマ発生ガスが流れ込み且つ前記表面加工対象物を移動自在に収容する収容管と、
    前記ガス管又は前記収容管の少なくとも一方の外表面に設けられ且つ電圧を印加して前記プラズマ発生ガスと大気圧で前記プラズマを発生させる電極と、
    前記ガス管又は前記収容管の少なくとも一方の外表面に設けられて接地される、前記電極とは別の接地電極と、
    を有し、
    前記収容管が、前記ガス管からのプラズマ発生ガスを前記表面加工対象物の外表面の全てにわたって滞留させ且つ前記電極による電圧の印加に応じて発生するプラズマによって前記表面加工対象物の外表面の改質を行う滞留部を有することを特徴とする表面改質装置。
  2. 前記接地電極が、前記プラズマ発生ガスの流れ方向に対して前記電極の上流側となるように、前記ガス管又は前記収容管の少なくとも一方の外表面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の表面改質装置。
  3. 前記電極は、所望の間隔となるように前記ガス管又は前記収容管の少なくとも一方の外表面に複数設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面改質装置。
  4. プラズマを発生させるためのプラズマ発生ガスが流れ且つ端部が大気圧中に開放されたガス管と、前記ガス管から流れ込むプラズマ発生ガスを滞留する滞留部を有し且つ表面加工対象物が前記滞留部を通過するように前記表面加工対象物を移動自在に収容する収容管と、前記ガス管又は前記収容管の少なくとも一方の外表面に設けられ且つ電圧を印加して前記プラズマ発生ガスと大気圧で前記プラズマを発生させる電極と、前記ガス管又は前記収容管の少なくとも一方の外表面に設けられて接地される、前記電極とは別の接地電極と、を有する表面改質装置の表面改質方法であって、
    前記ガス管から前記収容管の滞留部に前記プラズマ発生ガスを流す過程と、
    前記電極に電圧を印加して、前記収容管の滞留部に位置付けられた前記表面加工対象物の外表面の全てにわたって発生するプラズマによって前記表面加工対象物の外表面の改質を行う過程と、
    を有することを特徴とする表面改質装置の表面改質方法。
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