JP5274498B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

この発明は、整流用ブラシを備えた回転電機に関するものである。
従来から、整流用ブラシを備えた回転電機においては、整流用ブラシ付近で発生する熱を回転電機の外部に放熱させて、回転電機の内部の温度上昇を抑制するために、ブラケットに熱伝導性を有する熱伝導部材を挿入するとともに、熱伝導部材の一端面と、整流用ブラシを格納保持するブラシホルダの裏面とを、熱伝導性を有する絶縁部材を介して接続させる構成が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2009−78594号公報、図2
従来の整流用ブラシを備えた回転電機では、絶縁部材がブラシホルダの裏面と直接接しているので、ブラシホルダの温度が絶縁部材の耐熱温度を超えた場合に、絶縁部材の表面が熱的に損傷するという課題があった。
また、上記理由により、整流用ブラシに給電される電流値とその給電時間が制限されるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、温度耐久性を向上させて絶縁部材表面の熱的な損傷を抑制するとともに、回転電機の運転時間の延長または回転電機の通電電流の増加を可能にした回転電機を得ることを目的とする。
この発明による回転電機は、整流用ブラシを格納するブラシホルダと、ブラシホルダが載置されるブラケットと、ブラシホルダをブラケットに固定するためのブラシホルダベースとを備えた回転電機において、ブラシホルダとブラケットとの間には、絶縁部材が介在されており、さらに、ブラシホルダと絶縁部材との間には、絶縁部材の表面温度を耐熱温度以下にするための金属製の熱伝導部材が介在されており、ブラシホルダからブラケットへの放熱経路に沿った熱伝導部材の厚さL1と絶縁部材の厚さL2との関係が、L1>L2を満たすとともに、熱伝導部材は、板バネ構造を有し、上端部がブラシホルダの固定部と一体に前記ブラシホルダベースに固定支持されたものである。
この発明によれば、ブラシホルダの裏面と絶縁部材の端面とを熱伝導部材を介して接続し、ブラシホルダの温度が絶縁部材の限界温度に達した場合でも、熱伝導部材の熱容量と内部の温度勾配とにより、熱伝導部材と絶縁部材との接触面温度を限界温度以下に抑制し、絶縁部材の表面が熱的に損傷するのを防止することができる。
また、回転電機内部の限界温度に達するまでの整流用ブラシへの給電時間の延長、または給電電流値の増加を可能にする。
この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す断面図である。 図1の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における熱伝導状態を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による効果を説明するための断面図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態3に係る回転電機の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態5に係る回転電機の要部を示す断面図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機を示す断面図であり、図2は図1内の要部(ブラシホルダ14の周辺構成)を拡大して示す断面図である。
図1において、回転電機は、概して、円筒状のヨーク1と、ヨーク1の下部の開口部を封止するブラケット2と、ヨーク1およびブラケット2を固定するネジ3と、により構成されている。
ヨーク1内には、4個のフェライト磁石4が周方向に沿って所定間隔をおいて固定されている。
ヨーク1の上端中心部には、軸受5が設けられ、ブラケット2の中心部には、軸受6が設けられている。
また、回転電機の回転軸としてシャフト7が設けられており、シャフト7は、ヨーク1およびブラケット2に配置された一対の軸受5、6により回転自在に支持されている。
シャフト7の上部には、コイル8を備えた積層鉄心9が固定され、シャフト7の下部には、整流子が固定されている。
整流子は、絶縁性を有する整流子樹脂10と、整流子樹脂10の外周に沿って所定間隔をおいて配置された22個の整流子片11と、により構成されている。
22個の整流子片11には、それぞれコイル8が電気的に接続されており、各整流子片11に給電が行われることにより、積層鉄心9から磁界が発生し、積層鉄心9の発生磁界と永久磁石4の磁界との間に働く磁力によって、積層鉄心9を回転させるようになっている。
また、各整流子片11の周方向に沿って所定間隔をおいて4個の整流用ブラシ12が配置されており、各整流用ブラシ12は、ブラケット2上のブラシホルダベース13に取り付けられたブラシホルダ14内に配置されている。
各整流用ブラシ12は、圧縮バネにより整流子片11側に付勢されており、整流用ブラシ12が整流子片11に押し付けられることにより、整流用ブラシ12と整流子片11とが摺動接触されるようになっている。
さらに、ブラケット2とブラシホルダ14との間には、ブラシホルダ14をブラシホルダベース13に固定するカシメ部15と、ブラシホルダベース13をブラケット2に固定するネジ16と、カシメ部15とブラケット2との間に挿入された熱伝導部材17および絶縁部材18と、が設けられている。
図2において、ブラシホルダ14は、ブラシホルダ14の下端面に形成されたカシメ部15によりブラシホルダベース13に固定されている。
ブラシホルダベース13は、左右2箇所のネジ16により、ブラケット2に固定されている。
ブラシホルダ14のカシメ部15とブラケット2との間は、熱伝導性を有する熱伝導部材17と熱伝導性を有する絶縁部材18とを介して接続されており、相互に接触するように、カシメ部15(ブラシホルダ14の裏面)、熱伝導性を有する熱伝導部材17、熱伝導性を有する絶縁部材18、ブラケット2の順に、熱伝導性を維持するように構成されている。
熱伝導部材17および絶縁部材18は、ネジ16を締めることによってカシメ部15が圧着するようにブラシホルダベース13の厚みを調整することにより、または、接着剤などを塗布することにより、カシメ部15とブラケット2との間に固定保持される。
熱伝導部材17とブラケット2との間の電気的絶縁性は、絶縁部材18によって保持されている。
熱伝導性を有する絶縁部材18は、たとえば熱伝導性および耐熱性が良好なポリブタジエン系樹脂により構成されており、具体的な材料としては、高熱伝導率(1.0W/m・K以上)で高耐熱温度(120℃)の「TFラバー(登録商標)」(株式会社トーカン社製の放熱絶縁ゴム)を用いることが望ましい。
また、熱伝導性を有する熱伝導部材17は、熱伝導性が良好な金属により構成されており、具体的な材料としては、約100W/m・Kを超える熱伝導率を有する銅、アルミ、黄銅などを用いることが望ましい。特に、黄銅は、安価で加工性が良いので望ましい。
さらに、熱伝導部材17および絶縁部材18の厚みに関しては、放熱の観点から、熱伝導部材17の厚みが、絶縁部材18の厚みよりも大きくなるように構成することが効果的である。
以下、図3を参照しながら、上記厚み関係の理由について説明する。
図3はこの発明の実施の形態1における熱伝導部材17と絶縁部材18との温度勾配を図式化して示す説明図である。
図3において、金属からなる熱伝導部材17は、断面積A[m]および厚みL1[m]を有し、熱伝導率g1[W/m・K]および熱抵抗R1(=L1/g1・A[K/W])を有する。
樹脂からなる絶縁部材18は、断面積A[m]および厚みL2[m]を有し、熱伝導率g2[W/m・K]および熱抵抗R2(=L2/g2・A[K/W])を有する。
また、温度平衡時には、熱伝導部材17は、上端面温度T1および下端面温度T0を有し、絶縁部材18は、上端面温度T0および下端面温度T2を有する。
熱伝導部材17の上端面からの単位時間あたりの流入熱量dQ[W]は、絶縁部材18の下端面からの単位時間あたりの流出熱量dQ[W]と等しい。
一般に、熱伝導率gに関しては、樹脂の熱伝導率g2よりも金属の熱伝導率g1の方が大きく(g1>g2)、熱抵抗Rに関しては、樹脂の熱抵抗R2よりも金属の熱抵抗R1方が小さい(R1<R2)。
ここで、熱伝導部材17および絶縁部材18の各上下端面の温度差(T1−T0、T0−T2)と熱抵抗R1、R2との関係式は、それぞれ、以下の式(1)、式(2)で表される。
T1−T0=dQ×R1 ・・・(1)
T0−T2=dQ×R2 ・・・(2)
ここで、熱伝導部材17の厚みL1を、絶縁部材18の厚みL2よりも大きく設定する(L1>L2)ことにより、熱伝導部材17の熱抵抗R1が大きくなるので、本来では、R1≪R2の関係にある熱抵抗R2と熱抵抗R1との差を小さくすることが可能となる。
このことは、樹脂からなる絶縁部材18の大きい熱抵抗R2を、金属からなる熱伝導部材17の小さい熱抵抗R1に近づけることができることを意味しており、この発明の実施の形態1(図1、図2)において、ブラシホルダ14からの放熱量を大きくするという、効果的な放熱を可能にする。
また、熱伝導部材17の断面積Aおよび厚みL1を変更することによって、熱伝導部材17および絶縁部材18の接触面の温度T0を調整することができるので、ブラシホルダ14の温度(熱伝導部材17の上端面温度)T1に応じて、絶縁部材18の限界温度を超えないように、式(1)および式(2)に基づき絶縁部材18の表面温度T0を設計することが可能となる。
なお、絶縁部材18の厚みL2は、0.1mm以上に設定することが望ましい。
以下、図4を参照しながら、この理由について説明する。
図4は上記厚みL2(≧0.1mm)による効果を説明するための断面図であり、図4においては、摩耗によってブラケット2の内壁面に堆積されたブラシ粉19が示されている。
一般に、ブラシ付モータにおいては、静止している整流用ブラシ12と回転する整流子片11との摺動運動に起因して、運転経過時間とともに整流用ブラシ12が摩耗していく。
このとき、整流用ブラシ12の摩耗量は、ブラシ材質にもよるが、摩耗により生じたブラシ粉19は、図4に示すように、モータの設置状態によっては、ブラケット2の内部底面の一面に堆積する可能性がある。
堆積したブラシ粉19は、金属であることから導電性が高いので、絶縁部材18の厚みL2が非常に薄い場合には、絶縁部材18の厚みL2よりも厚く堆積したブラシ粉19によって、絶縁部材18の上部構造の電気的絶縁性を確保できなくなる可能性がある。
そこで、絶縁部材18の厚みL2を0.1mm以上に設定することにより、少なくともブラシ粉19の厚みよりも大きくして、電気的絶縁性を確保ししつつ、ブラシホルダ14からの放熱量dQも大きくしたブラシ付モータを実現することができる。
以上のように、この発明の実施の形態1(図1〜図4)によれば、整流用ブラシ12を格納するブラシホルダ14と、ブラシホルダ14が載置されるブラケット2と、ブラシホルダ14とブラケット2との間に介在された熱伝導性の絶縁部材18と、を備えた回転電機において、ブラシホルダ14と絶縁部材18との間に、さらに熱伝導部材17を介在させたので、熱伝導部材17の熱容量と熱伝導部材17の内部の温度勾配とにより、ブラシホルダ14の裏面の表面温度T1と、絶縁部材18の熱伝導部材17側の表面温度T0との間に温度差(T1−T0)を生じさせることができる。
したがって、ブラシホルダ14の裏面と熱伝導性を有する絶縁部材18との間に熱伝導部材17を設けることにより、ブラシホルダ14の温度T1が絶縁部材18の限界温度に達しても、熱伝導部材17の熱容量と温度勾配により、絶縁部材18の表面温度をブラシホルダ14の温度より低くすることができるので、絶縁部材18の熱的な損傷を抑制することが可能となる。
さらに、絶縁部材18が限界温度に達するまでの回転電機への通電時間の延長、または同じ到達時間でも回転電機の通電電流値を増加させることが可能となる。
実施の形態2.
上記実施の形態1(図1〜図4)では、熱伝導部材17の具体的な形状について言及しなかったが、たとえば図5のように、熱伝導部材17Aの下端面の面積を上端面の面積よりも広く設定してもよい。
図5はこの発明の実施の形態2に係る回転電機のブラシホルダ14の周辺構成を拡大して示す断面図であり、前述(図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「A」を付して詳述を省略する。また、図5に示されない構成は、図1に示した通りである。
この場合、熱伝導部材17Aの形状は、ブラシホルダ14の裏面と接する上端面と、絶縁部材18と接する下端面とで異なり、下端面の面積が上端面の面積より広くなるように形成されている。
すなわち、熱伝導部材17Aと絶縁部材18との接触面積は、ブラシホルダ14と熱伝導部材17Aとの接触面積以上に設定されている。
たとえば、前述の実施の形態1(図1、図2)においては、カシメ部15とブラケット2との間隔が比較的小さい場合に、0.1mm以上の絶縁部材18を挿入すると、熱伝導部材17の厚みを小さくする必要があるので、絶縁部材18との接触面温度T0を絶縁部材18の限界温度以下に抑えることが困難になる可能性がある。
しかし、この発明の実施の形態2(図5)によれば、熱伝導部材17Aの厚みが小さい場合であっても、熱伝導部材17Aと絶縁部材18との接触面積が大きいので、接触面温度T0を低減することができる。
なぜなら、熱伝導部材17Aの断面積が、絶縁部材18に向けて徐々に増加することにより、熱伝導部材17Aの熱容量が大きくなるからである。
極端な例で言えば、熱伝導部材17Aの断面積を非常に大きくした場合には、温度が平衡状態になるまでに長い時間を要し、その時間においては、接触面温度T0を低くすることができる。
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、カシメ部15とブラケット2との間隔が小さく、熱伝導部材17Aの厚みを大きくすることができない場合であっても、絶縁部材18の表面温度T0を低減することができるので、絶縁部材18の熱的保護が可能となる。
また、熱伝導部材17Aの形状を直方体で構成する場合よりも軽量化を実現しつつ、熱容量を大きくすることできるので、熱伝導部材17Aと絶縁部材18との接触面温度T0を低減することが可能となる。
さらに、絶縁部材18が限界温度に達するまでの回転電機への通電時間の延長、または同じ到達時間でも回転電機の通電電流値を増加させることが可能となる。
実施の形態3.
上記実施の形態1(図1〜図4)では、ブラケット2の上面を平面形状としたが、図6のように、ブラシホルダ14に向けて突出した凸形状部2Aを設けてもよい。
図6はこの発明の実施の形態3に係る回転電機のブラシホルダ14の周辺構成を拡大して示す断面図であり、前述(図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。また、図6に示されない構成は、図1に示した通りである。
図6において、絶縁部材18と接するブラケット2の表面には、凸形状部2Aが設けられている。
図6の構成によれば、カシメ部15とブラケット2との間隔が大きくなって、熱伝導部材17の厚みL1を大きくする必要が生じた場合であっても、凸形状部2Aが吸収するので、熱伝導部材17の厚みL1を低減することができる。
このように、熱伝導部材17の厚みL1を低減することにより、ブラシホルダ14からブラケット2への放熱経路の距離を短縮することができるので、放熱熱量を増加させることが可能となる。
また、整流用ブラシ12の摩耗によって、回転電機内部のブラケット2の表面にブラシ粉19(図4参照)が堆積しても、ブラシ粉19の堆積による熱伝導部材17とブラケット2との間の短絡防止にも有効となる。
さらに、この場合、絶縁部材18の厚みL2を0.1mm以下に薄くすることができ、絶縁部材18の熱抵抗を小さくして放熱量を大きくすることが可能となるので、絶縁部材18が限界温度に達するまでの回転電機への通電時間の延長、または、同じ到達時間でも回転電機の通電電流値を増加させることが可能となる。
以上のように、この発明の実施の形態3(図6)によれば、熱伝導部材17の厚みL1を抑制して放熱経路の長さを短縮することにより、ブラシホルダ14からブラケット2への放熱熱量を増加させることができるうえ、ブラシ粉19の堆積による熱伝導部材の短絡を防止することができる。
実施の形態4.
上記実施の形態1(図1〜図4)では、絶縁部材18の上面を平面形状としたが、図7のように、ブラシホルダ14に向けて突出したフリンジ形状部18Aを設けてもよい。
図7はこの発明の実施の形態4に係る回転電機のブラシホルダ14の周辺構成を拡大して示す断面図であり、前述(図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。また、図7に示されない構成は、図1に示した通りである。
図7において、熱伝導部材17と接する絶縁部材18の外周部には、フリンジ形状部18Aが設けられている。
絶縁部材18は、熱伝導部材17の底面に接触するのみでなく、フリンジ形状部18Aにより、熱伝導部材17の側面の一部を覆っている。
なお、熱伝導部材17の側面を覆うフリンジ形状部18Aの高さは、カシメ部15に接近しすぎると、熱伝導部材17との接触面温度が高いことから熱的損傷を受ける可能性があるので、熱的損傷を起こさない程度の高さに設定することが望ましい。
以上のように、この発明の実施の形態4(図7)によれば、絶縁部材18は、熱伝導部材17と接触する表面側の外周部にフリンジ形状部18Aを有し、フリンジ形状部18Aは、熱伝導部材17の外周側面の一部を覆っているので、前述の実施の形態3(図6)の場合と同様に、ブラシ粉19の堆積による熱伝導部材17とブラケット2との短絡の防止により有効となる。
また、図7の構成においても、絶縁部材18の本体の厚みを0.1mm以下に薄くすることが可能となるので、絶縁部材18の熱抵抗を小さくして放熱量を大きくすることができる。
これにより、絶縁部材18が限界温度に達するまでの回転電機への通電時間の延長、または、同じ到達時間でも回転電機の通電電流値を増加させることが可能となる。
実施の形態5.
上記実施の形態1〜4(図1〜図7)では、剛体構造の熱伝導部材17を用いたが、たとえば図8のように、板バネ構造の熱伝導部材17Bを用いてもよい。
図8はこの発明の実施の形態5に係る回転電機のブラシホルダ14の周辺構成を拡大して示す断面図であり、前述(図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「B」を付して詳述を省略する。また、図8に示されない構成は、図1に示した通りである。
図8において、熱伝導部材17Bは、U字形状の板バネ構造を有し、下端面が絶縁部材18に接触している。
また、熱伝導部材17Bの上端部は、ブラシホルダ14のカシメ部15B内に挿入されており、熱伝導部材17Bおよびカシメ部15Bは、互いにカシメ合って固定支持されている。
前述の実施の形態1(図2)の場合、絶縁部材18の厚みL2は、高い放熱性を確保するために薄い方が効果的であるが、ブラシ粉19(図4)による短絡を防止するために、0.1mm以上に設定する必要があった。
また、一般に、絶縁部材18となる樹脂は、0.1mm程度の厚みであっても弾力性が小さいので、寸度の許容誤差が厳しく限定されるうえ、良好な接触を確保することが難しいことが知られている。
この発明に係る回転電機においては、ブラシ総数を4個としており、ブラシ付モータは整流用ブラシ12が2極(+−極)で最低2個(複数個)は必要である。
したがって、図8において、複数個の整流用ブラシ12の各々に熱伝導部材17Bと絶縁部材18とを設置し、それぞれ、カシメ部15Bやブラケット2の間を隙間なく密着させて組立てて、さらに運転時の振動状態においても、良好な接触を確保することが放熱の上で重要となる。
この発明の実施の形態5(図8)によれば、熱伝導部材17Bを板バネ構造として、カシメ部15Bに固定して保持することにより、以下のような効果を実現することができる。
まず、組立時に関しては、ブラシホルダ14と熱伝導部材17Bとを密着させて一体化することができるので、組立作業を簡易化することが可能となる。
また、複数個の整流用ブラシ12の加工精度および組立精度が悪化した場合に、その寸法誤差を、板バネ構造の熱伝導部材17Bの伸縮によって吸収することができるうえ、放熱経路の密着性を確保することができる。
さらに、板バネ構造の伝導部材17Bが均一に絶縁部材18に押し付けられるので、絶縁部材18との接触面積を設計値に一致させることが可能となる。
これにより、加工精度や組立精度の悪化に起因した接触面の傾きなどを回避することができ、接触面の傾きにともなう接触面積の減少によって接触面温度が設計値以上になることを回避することができるので、絶縁部材18が限界温度を超えて熱的損傷を受けることを防止することが可能となる。
また、複数個の整流用ブラシ12の各々において、放熱経路の同一の接触状態を実現して同一の熱量を放熱することが可能となる。
一方、回転電機に振動が発生する運転時に関しては、熱伝導部材17Bと絶縁部材18との接触圧力を、板バネ構造により確保することができるので、接触面での相対運動を防止して、絶縁部材18の表面が熱伝導部材17Bとの振動摩擦で損傷することを防止することが可能となる。
また、熱伝導部材17Bは、板バネ構造により、絶縁部材18に常に押し付けられているので、振動時においても、放熱経路を構成する各部材間の接触面積が一定の設計値に維持され、常に安定した熱量をブラシホルダ14から放熱することができる。
また、振動時に接触面積の変動が生じないので、絶縁部材18の表面温度が設計値を超えることがなく、熱的損傷を防止することができる。
さらに、絶縁部材が限界温度に達するまでの回転電機への通電時間の延長、または同じ到達時間でも回転電機の通電電流値を増加させることが可能となる。
以上のように、この発明の実施の形態5(図8)によれば、熱伝導部材17Bは、板バネ構造を有し、ブラシホルダ14に固定支持されるので、前述と同様の作用効果に加えて、熱伝導部材17Bをブラシホルダ14と一体化することができ、組立作業を容易にすることができる。
また、複数のブラシホルダ14を有する場合に、ブラシホルダ14および絶縁部材18の寸法精度や組立精度などに依存することがなく、板バネ構造の伸縮によって寸法精度および組立精度のばらつきを吸収することができる。
なお、上記実施の形態3〜5では、前述の実施の形態1(図2)の構成に適用した場合を例にとって説明したが、実施の形態1のみへの適用に限らず、各実施の形態2〜4のいずれの構成に対しても、任意の組み合わせで適用可能なことは言うまでもなく、それぞれの効果を重複して実現することができる。
4 フェライト磁石、7 シャフト、8 コイル、9 積層鉄心、12 整流用ブラシ、14 ブラシホルダ、15、15B カシメ部、17、17A、17B 熱伝導部材、18、18A 絶縁部材。

Claims (5)

  1. 整流用ブラシを格納するブラシホルダと、
    前記ブラシホルダが載置されるブラケットと、
    前記ブラシホルダを前記ブラケットに固定するためのブラシホルダベースと
    を備えた回転電機において、
    前記ブラシホルダと前記ブラケットとの間には、絶縁部材が介在されており、
    さらに、前記ブラシホルダと前記絶縁部材との間には、前記絶縁部材の表面温度を耐熱温度以下にするための金属製の熱伝導部材が介在されており、
    前記ブラシホルダから前記ブラケットへの放熱経路に沿った前記熱伝導部材の厚さL1と前記絶縁部材の厚さL2との関係が、L1>L2を満たすとともに、
    前記熱伝導部材は、板バネ構造を有し、上端部が前記ブラシホルダの固定部と一体に前記ブラシホルダベースに固定支持されたことを特徴とする回転電機。
  2. 前記絶縁部材は、ポリブタジエン系の熱伝導性の絶縁材料により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記ブラシホルダから前記ブラケットへの放熱経路に沿った、前記熱伝導部材と前記絶縁部材との接触面積は、前記ブラシホルダと前記熱伝導部材との接触面積以上に設定されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記ブラケットは、前記絶縁部材と接触する表面に凸形状部を有し、
    前記凸形状部は、前記ブラシホルダに向けて突出していることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 前記絶縁部材は、前記熱伝導部材と接触する表面側の外周部にフリンジ形状部を有し、
    前記フリンジ形状部は、前記熱伝導部材の外周側面の一部を覆っていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の回転電機。
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