JP2005192300A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブラシの磨耗量を低減し、回転電機の長寿命化を図る。
【解決手段】 回転電機のブラシを保持するブラシホルダの底部を覆うターミナル38にプレート55,56を介してワッシャ54を接触させ、ワッシャ54をヨークの一端を覆蓋するエンドブラケットに密着させた。プレート55,56及びワッシャ54をホルダステー27よりも熱伝達しやすい材料から構成し、プレート55,56及びワッシャ54を介する熱伝達経路によりブラシの熱を効率良くエンドブラケットに伝達させる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、ブラシをアーマチュアのコンミテータに摺接させてコイルに給電する回転電機に関する。
この種の回転電機は、ブラシを保持するブラシ保持装置を有している。ブラシ保持装置は、絶縁材からなるホルダステーに、金属製のブラシホルダを固定した構成を有し、ブラシホルダ内には、ブラシが収容される。また、ブラシホルダには、同一極性のブラシを電気的に接続する均圧線が架設されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭58−153546号公報
ところで、ブラシは、コンミテータに摺接することにより発熱する。この発熱量が大きくなると、ブラシが高温になって磨耗しやすくなる。したがって、回転電機の長寿命化の観点からは、ブラシの温度上昇を抑えて磨耗量を低減することが望ましい。
この発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、ブラシの磨耗量を低減し、回転電機を長寿命化することを目的とする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、筒状のヨークの一端を覆蓋するエンドブラケットが、アーマチュアを回転自在に支持し、前記アーマチュアのコンミテータに摺接するブラシを金属製のブラシホルダに収容した回転電機において、前記ブラシホルダ、又は前記ブラシホルダを固定するために前記ホルダステー側に取り付けられた導電性部材と、前記エンドブラケットとの間に熱伝達部材を設けたことを特徴とする回転電機とした。
本発明は、ブラシの磨耗量がブラシの温度により変化することに着目してなされたものである。この回転電機によれば、熱伝達部材を設けることで、ブラシの熱が、ブラシホルダ又は導電性部材から、エンドブラケットに伝達されやすくなり、熱の放熱が促進される。
請求項2に係る発明は、筒状のヨークの一端を覆蓋するエンドブラケットが、アーマチュアを回転自在に支持し、前記アーマチュアのコンミテータに摺接するブラシを金属製のブラシホルダに収容した回転電機において、前記ブラシホルダ、又は前記ブラシホルダを固定するために前記ホルダステー側に取り付けられた導電性部材と、前記ヨークとの間に熱伝達部材を設けたことを特徴とする回転電機とした。
この回転電機によれば、熱伝達部材を設けることで、ブラシの熱が、ブラシホルダ又は導電性部材から、ヨークに伝達されやすくなり、熱の放熱が促進される。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の回転電機において、前記熱伝達部材は、金属材料からなり、負極となる前記ブラシを収容する前記ブラシホルダ、又はこのブラシホルダが固定される前記電動性部材に当接することを特徴とする。
この回転電機によれば、熱伝達部材が金属材料からなるので、ブラシからエンドブラケット又はヨークへの熱伝達を効率良く行うことができる。また、熱伝達部材は、負極のブラシを電気的に接続することになるので、均圧線の役割も果たすようになる。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回転電機において、前記エンドブラケット又は前記ヨークに放熱部を設けたことを特徴とする。
この回転電機によれば、ブラシからエンドブラケット又はヨークに伝わる熱を、エンドブラケット又はヨークに設けられた放熱部から放出するようにしたので、効率良く放熱することが可能になる。したがって、ブラシの温度上昇をさらに抑制できる。
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の回転電機において、前記エンドブラケット又は前記ヨークをアースに接続したことを特徴とする。
この回転電機によれば、負極のブラシが、熱伝達部材と、エンドブラケット又はヨークとを介してアース側に電気的に接続されることになる。
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の回転電機において、前記エンドブラケットは、表面に陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム材料からなることを特徴とする。
この回転電機によれば、エンドブラケットを熱伝達率の高いアルミニウム材料から構成することで、放熱の効率が向上する。さらに、このアルミニウム材料の表面に陽極酸化皮膜を形成しておくことで、さらに放熱の効率が向上する。
請求項1に記載した発明によれば、熱伝達部材によって、ブラシホルダ又は導電性部材から伝達された熱を速やかに、エンドブラケットに伝達することができる。このため、ブラシの温度上昇を抑えられ、ブラシの磨耗を抑制できるので、回転電機を長寿命化できる。
請求項2に記載した発明によれば、熱伝達部材によって、ブラシホルダ又は導電性部材から伝達された熱を速やかに、ヨークに伝達することができる。このため、ブラシの温度上昇を抑えられ、ブラシの磨耗を抑制できるので、回転電機を長寿命化できる。
請求項3に記載した発明によれば、金属製の熱伝達部材によってブラシの熱を効率良くエンドブラケット又はヨークに伝達できるので、ブラシの磨耗を抑制できる。また、負極となるブラシ同士が電気的に接続されるので、巻線回路に生じる誘起電圧が同一にならない場合に発生する循環電流を負極のブラシを通さずに流せるようになるので、電磁ノイズを低減することができる。
請求項4に記載した発明によれば、エンドブラケット又はヨークに放熱部を設け、放熱効率を向上させたので、ブラシの温度上昇をさらに抑制できる。したがって、回転電機をさらに長寿命化できる。
請求項5に記載した発明によれば、エンドブラケット又はヨークをアースに接続することで、負極のブラシの磁気吸引力のアンバランスを解消できるので、電磁ノイズをさらに低減することができる。
請求項6に記載した発明によれば、エンドブラケットを表面に陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム材料から作製したので、エンドブラケットに伝達された熱を速やかに外気中に放出することができる。したがって、回転電機を長寿命化できる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に本発明の第1の実施の形態の構成を示す。
図1に示すように、回転電機1のヨーク2は、金属製の有底筒3の内周面に、永久磁石4を固着した構成を有している。ヨーク2の底部5の中央には、アーマチュア6の回転軸7を挿通させる開口8を有している。開口8の周囲は、軸受部9が凹設され、ここに前記回転軸7を回転自在に支持する軸受10が圧入されている。また、底部5と反対側の解放端11は、エンドブラケット12により覆蓋されている。なお、このような回転電機1は、例えば、自動車のラジエターファンを回転させるために用いられる。
図1及び図2に示すように、エンドブラケット12は、円板形状を有し、その周縁部13はヨークと係合可能に折り曲げ加工してある。周縁部13と中心部との間には、後述するブラシ保持装置14を収容する凹部15を有段成形してある。さらに、エンドブラケット12の中心部寄りには、前記回転軸7の軸受16を圧入する軸受部17を設けてある。なお、このエンドブラケット12の周方向を3等分する位置のそれぞれには、回転電機1を車体などに固定する固定用ブラケット18が、スポット溶接されている。また、エンドブラケット12には、アーマチュア6に給電するリード線(不図示)を挿通させる2つの開口19と、ブラシ保持装置14を固定するボルト孔20とを設けてある。
図1に示すように、アーマチュア6は、回転軸7に一体的に設けた複数の板材に、導線22を巻装してコイル23を形成した構成を有する。導線22は、回転軸7のエンドブラケット12寄りに固定されたコンミテータ24に接続してある。コンミテータ24は、ブラシ25に摺接する複数の摺接子24aを有している。
ブラシ25は、前記エンドブラケット12の凹部15に収容されるブラシ保持装置14に保持される。図3から図5に示すように、ブラシ保持装置14は、ブラシ25を収容する金属性のブラシホルダ26a,26b,26c,26dをホルダステー27に固定した構成を有している。
ホルダステー27は、エンドブラケット12の凹部15に収容可能な円板形状を有している。さらに、その中央には、アーマチュア6の回転軸7及びコンミテータ24を挿通させる開口28を有している。ホルダステー27の周方向を4等分する位置のそれぞれには、ホルダステー27の表面から裏面に貫通する貫通孔29a,29b,29c,29dを有している。この貫通孔29a〜29dは、ホルダステー27の半径方向に延びる細長形状を有している。この貫通孔29a〜29dは、導電性部材であるターミナル38によって覆蓋されている。なお、図5に示すように、貫通孔29cと貫通孔29dとには、それぞれの貫通孔を横断する架橋部32が設けられている。
さらに、貫通孔29cと貫通孔29dとの間には、第1窓孔30を開設し、貫通孔29bと貫通孔29cとの間には、第2窓孔31を開設してある。
また、図5に示すように、ホルダステー27において、エンドブラケット12に望む裏面の周縁部には、エンドブラケット12に当接する脚部33と、エンドブラケット12に固定する際に使用するボルト孔34の周縁部とが、ホルダステー27の板厚方向に突出している。
さらに、図3に示すように、ホルダステー27の表面には、第1窓孔30から貫通孔29cまで連なる凹溝35aや、第2窓孔31から貫通孔29bまで連なる凹溝35bを有している。
ブラシホルダ26a〜26dは、断面コ字形状を有し、その開放端をターミナル38に当接させるようにしてホルダステー27に固定されている。このブラシホルダ26a〜26dとターミナル38とで区画される空間には、ブラシ25が摺動自在に収容され、ストッパスプリング39(図4参照)によって中央に向かって付勢される。また、ブラシホルダ26a〜26dの一方の側面には、ピグテール40を引き出す孔41(図4参照)を有する。ピグテール40は、一端がブラシ25に接続され、他端がターミナル38にスポット溶接される。
貫通孔29cに取り付けられているターミナル38には、ホルダステー27の表面に形成されている前記凹溝35aに収容される導電板42aが接続されている。この導電板42aは、基端がターミナル38に連なり、先端にターミナル端子43が設けられている。このターミナル端子43は、第1窓孔30の空隙部分に位置し、通電用のリード線が接続される。
また、第1窓孔30の空隙部分には、ターミナル端子45がさらに配置されている。このターミナル端子45には、導電板46aが接続されている。導電板46aは、貫通孔29dの架橋部32(図5参照)の内部を通り、ブラシホルダ26aが固定されているターミナル38と電気的に接続されている。
なお、ターミナル端子43,45には、マイナス側のリード線が接続される。このため、ブラシホルダ26aとブラシホルダ26cとに収容されるブラシ25は、マイナス(負極)になる。
同様に、貫通孔29bに取り付けられているターミナル38には、ホルダステー27の前記凹溝35bに収容される導電板42bが接続されている。この導電板42bの先端には、通電用のリード線が接続されるターミナル44が設けられている。
また、第2窓孔31の空隙部分には、ターミナル端子47がさらに設けられている。このターミナル端子47には、導電板46bが接続される。導電板46bは、貫通孔29cの架橋部32(図5参照)の内部を通り、ブラシホルダ26dが固定されているターミナル38と電気的に接続されている。
なお、ターミナル端子44,47には、プラス側のリード線が接続される。このため、ブラシホルダ26bとブラシホルダ26dとに収容されるブラシ25は、プラス(正極)になる。
さらに、図6及び図7に示すように、このブラシ保持装置14は、マイナス側に帯電するブラシ25の熱をエンドブラケット12に伝達する熱伝達部材50を有している。
熱伝達部材50は、円環の一部を切り欠いた形状を有するワッシャ54と、ワッシャ54よりも小型で、略方形状を有する2つのプレート55,56とを有し、それぞれが熱伝導率の高い金属、例えば、アルミニウムなどから製造されている。
ワッシャ54は、中央開口28と同形状の開口51を有するリング部52と、リング部52の外縁部の一部を半径方向に延出させた扇形部53とからなり、ホルダステー27の裏面の少なくとも一部を覆うように、ホルダステー27に装着される。
ワッシャ54のリング部52には、貫通孔29cの形成位置に対応する位置に、孔57を有している。また、扇形部53には、ホルダステー27の脚部33及びボルト孔34の周辺部の形状に合わせた位置に、凹部58及び孔59を有している。さらに、貫通孔29aに対応する位置にも、孔60を有している。
プレート55は、ワッシャ54のリング部52と貫通孔29c側(マイナス側)のターミナル38との間に介挿させて使用するもので、幅が貫通孔29cの幅に略等しい。また、高さは、ターミナル38からワッシャ54までの距離に略等しい。プレート55において、開口28(51)に望む面は、円弧状に切り取られている。さらに、面積が最も大きい面であって、ワッシャ54に当接する面には、突起62が形成されている。この突起62は、リング部52の前記孔57に挿入される。
また、プレート56は、ワッシャ54の扇形部分53と貫通孔29a側(マイナス側)のターミナル38との間に介挿させて使用するもので、長方体形状を有する。また、その高さは、ターミナル38からワッシャ54までの距離に等しい。面積が最も大きい面であって、ワッシャ54に当接する面には、突起63が形成されている。この突起63は、扇形部分53の孔60に挿入される。
したがって、ブラシホルダ保持装置14をエンドブラケット12の凹部15に収容し、ボルトで固定すると、図8に模式的に示す断面図のように、ターミナル38とホルダステー27との間の隙間が、プレート55,56により埋められる。また、プレート55,56とホルダステー27とエンドブラケット12との間の隙間は、ワッシャ54により埋められる。つまり、プレート55,56は、ターミナル38とワッシャ54に密着(当接)し、ワッシャ54はエンドブラケット12に密着(当接)する。
ここで、図3に示すブラシホルダ保持装置14のターミナル端子43,44,45,47には、リード線が接続される。また、エンドブラケット12は、固定用ブラケット18(図1参照)を介してアースに接続される。この状態で、リード線から電流を供給すると、図3に示すターミナル端子43,44,45,47から、導電板42a,42b,46a,46b、ターミナル38、ピグテール40を介してブラシ25とコンミテータ24の摺設部分に電流が流れ、アーマチュア6が回転して動力が発生する。この際に、ブラシ25や、アーマチュア6のコイル23が、電流の通電により熱を帯びる。
図1に示すようなコイル23で発生した熱は、周囲に放射されるか、導線22を介してコンミテータ24に伝わる。周囲に放射された熱は、ヨーク2内の空間(エアギャップ)を介して、マグネット4に伝わり、有底筒3から外部の空気に放射される。また、有底筒3の温度よりもエンドブラケット12の温度が低い場合には、エンドブラケット12に熱が伝達される。この場合に、エンドプレート12に伝達された熱は、エンドプレート12から外部の空気に放射される。一方、コイル23からコンミテータ24に伝達された熱は、ブラシ25の温度がコンミテータ24の温度よりも低い場合に、ブラシ25に伝達される。
ブラシ25の熱は、ブラシ25の温度がコンミテータ24の温度よりも高いときには、コンミテータ24とブラシホルダ26a〜26dとに伝達される。一方、ブラシホルダ26a〜26dの温度が、コンミテータ24の温度よりも低いときには、コンミテータ24からブラシ25に熱が伝達される。
ブラシ25からブラシホルダ26a〜26dに伝達される熱は、ターミナル38に伝達される。そして、ターミナル38に伝達された熱は、図8の矢印Q1に示すように、ホルダステー27を介してエンドブラケット12に伝達されるか、矢印Q2に示すように、プレート55,56及びワッシャ54を介してエンドブラケット12に伝達される。ホルダステー27は、前述のように絶縁材からなり熱伝導率が低いので、ブラシ25の熱の多くは、熱伝達部材50を介してエンドブラケット12に伝達される。なお、矢印Q1,Q2の太さは、その熱伝達経路で伝達される熱量の大きさを示しており、矢印Q1よりも矢印Q2の方が太くなっている。
そして、エンドブラケット12に伝達された熱は、外部の空気に放射される。また、エンドブラケット12の温度よりもヨーク2の有底筒3の温度の方が低い場合には、エンドブラケット12から有底筒3に熱が伝達される。この場合に有底筒3に伝達された熱は有底筒3から外部の空気に放射される。
ここで、この回転電機1におけるブラシ25などの温度の測定結果の一例を図9に示す。なお、図9において、横軸はブラシ、コイル、回転軸、ヨーク、エンドブラケットといった回転電機の部位の名称が配列されており、縦軸には温度を示している。また、四角でプロットしてある温度特性は、回転電機における温度の測定結果を示し、菱形でプロットしてある温度特性は、対比として、図10に示すような、熱伝達部材50を有しない回転電機(従来の回転電機1rという)の温度の測定結果を示している。ここで、図10における各構成要素は、回転電機1と区別するために、符号にrを付してある。従来の回転電機1rにおいて、ブラシホルダが固定されるターミナル38rと、ホルダステー27r及びエンドブラケット12rが形成する空間70rは、空洞であり、空気が満たされているのみである。したがって、ブラシからターミナル38rに伝達される熱は、矢印Q1及び矢印Q3に示すように、熱伝導率の低いホルダステー27r及び空気を介してエンドブラケット12rに放出されるのみである。
図9に示すように、ブラシの温度は、従来の回転電機1rの145.3degに対して、熱伝達部材50を有する回転電機1では135.4degであり、9.9degも温度が下がっている。また、コイルの温度も、従来の回転電機1rの143degに対して、回転電機1では133.6degとなり、9.4degも温度が下がっている。さらに、アーマチュアの回転軸の温度や、ヨークの温度も、回転電機1の方が低くなっている。なお、回転電機1のエンドブラケット12の温度が、従来の回転電機1rのものよりも高くなっているが、これは回転電機1において、ブラシ25からエンドブラケット12への熱伝達が効率良く行われていることを示している。
このように、この実施の形態によれば、熱伝達部材50により、マイナス側のブラシ25の熱を、エンドブラケット12に伝達しやすくする熱伝達経路を設けたので、マイナス側のブラシ25の温度上昇を抑制することができる。このような熱伝達経路は、長さが短く、かつ接触面積を大きくとれるので、熱伝達の効率が良い。したがって、ブラシ25の磨耗量を低減することができる。また、マイナス側のブラシ25の温度が下がることで、これと摺接するコンミテータ24や、ホルダステー27などの温度も下がるので、プラス側のブラシ25の温度も間接的ではあるが低下する。したがって、ブラシ25の寿命が長くなるので、回転電機1を長寿命化することができる。なお、回転電機1を高出力化、高密度化する場合には、ブラシ25の温度上昇が大きくなることが予想されるが、このような回転電機1であっても、ブラシ25の熱をエンドブラケット12に速やかに伝達できるので、長寿命化が図れる。
さらに、コイル23によって形成される巻線回路に電流を流すと、誘起電圧が発生する。この誘起電圧が巻線回路ごとに異なる場合には循環電流が発生するが、この回転電機1は、マイナス側のブラシ25同士を熱伝達部材50によって電気的に接続しているので、循環電流をマイナス側のブラシ25を通さずに流すことができる。したがて、電磁ノイズを低減することができる。そして、熱伝達部材50及びエンドブラケット12をアースとして機能させたので、磁気吸引力のアンバランスを解消できるので、電磁ノイズをさらに低減することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してある。さらに、第1の実施の形態と重複する説明は省略する。
図11及び図12に示すように、この実施の形態の回転電機81は、エンドブラケット82の外表面に放熱部83を設けたことを特徴とする。
放熱部83は、ブラシ保持装置14を固定する凹部15の外表面にプレス加工や、切削加工などにより形成した複数の凹凸からなる放熱フィンである。この放熱部83によれば、エンドブラケット82の外表面の表面積が、第1の実施の形態のエンドブラケット12(図1及び図2参照)に比べて大きくなり、放熱し易くなる。
この回転電機81によれば、前述の熱伝達部材50により、ブラシ25からエンドブラケット82に伝達される熱を、放熱部83から速やかに大気中に放射することができる。このため、ブラシ25からエンドブラケット82に伝達する熱量を増大できる。したがって、ブラシ25の温度をさらに低く抑えることができるので、回転電機81の寿命もさらに延びる。
なお、放熱フィンの代わりに、エンドブラケット82をアルミニウムなどの熱伝達率の高い材料から製造しても良い。この場合は、エンドブラケット82自体が放熱部となる。また、エンドブラケット82の外表面に、陽極酸化処理によって酸化アルミニウムの皮膜(陽極酸化皮膜)を形成し、この陽極酸化皮膜を放熱部としても良い。陽極酸化皮膜により、熱の放射が促進されるので、ブラシ25の温度上昇を抑制できる。さらに、陽極酸化皮膜の多孔質の表面に黒色の色素を染み込ませて着色しておくと、放射特性を向上させることができる。また、熱伝達率の高い材料と、放熱フィンと、陽極酸化皮膜の少なくとも2つを組み合わせた放熱部であっても、前述のような効果を得ることができる。
ここで、前述のような放熱部を有する回転電機81における各部の温度の測定結果の一例を図13に示す。なお、図13において、横軸には回転電機の各部の名称が配列され、縦軸は温度が示している。また、四角でプロットしてある温度特性は、回転電機81の測定結果を示し、菱形でプロットしてある温度特性は、図10に示すような、いわゆる従来の回転電機1rの測定結果を示している。
ブラシ25の温度は、従来の回転電機1rの145.3degに対して、回転電機81は115.9degであり、29.4degも温度が下がっている。また、コイルの温度は、従来の回転電機1rの143degに対して、回転電機81は121.8degであり、21.2degも温度が下がっている。そして、回転軸、ヨーク、エンドブラケットの温度も回転電機81の方が従来の回転電機1rに比べて低くなっている。このように、前述の熱伝達部材50により、ホルダステー27よりも効率の良い熱伝達経路を設け、エンドブラケット12への熱伝達を促進させると共に、放熱部によりエンドブラケット12の熱を放出することでブラシ25の温度を大幅に低減することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、前記の各実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してある。さらに、重複する説明は省略する。
図14に示すように、この実施の形態における回転電機91は、ブラシホルダ26aとヨーク2との熱伝達を促す熱伝達部材92を備えている。
熱伝達部材92は、熱伝導率の高い金属などから製造されており、細長形状を有している。その一端は、マイナス側のブラシ25を収容するブラシホルダ26aの開放端に対向する頂面に固定されている。他端は、先端がU字状に折り曲げられており、この折り曲げられた部分92aでヨーク2の内面に当接している。なお、熱伝達部材92をヨーク2の内面に弾接するようにすると、熱伝達部材92とヨーク2とを確実に接触させることができる。
また、図示しないが、ブラシホルダ26aと対向配置されているブラシホルダ26cにも、同様の熱伝達部材92が取り付けられている。
この回転電機91によれば、マイナス側のブラシ25の熱が、ブラシホルダ26a及びブラシホルダ26cから熱伝達部材92を介してヨーク2に伝達され易くなる。このため、ブラシ25の熱をヨーク2から大気中に放射することができるので、ブラシ25の温度をさらに低く抑えることができるので、回転電機81の寿命もさらに延びる。
さらに、この回転電機91では、不図示のケーブルでヨーク2をアースに接続しても良い。このようにすると、ヨーク2及び各ブラシホルダ26a,26cを介して、負極側のブラシ25をアースに接続することができるので、磁気吸引力のアンバランスを解消でき、電磁ノイズをさらに低減することができる。
次に、本発明の第4の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、前記の各実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してある。さらに、重複する説明は省略する。
この実施の形態は、ヨークに放熱部を備えることを特徴とする。
図15に示すように、回転電機のヨーク94は、金属製の有底筒95を有している。この有底筒95の筒部分の外面には、放熱部96が設けられている。放熱部96は、ヨーク94の長さ方向に沿って所定の間隔で形成された環状の溝によって、波打ち形状になっている。そして、このヨーク94の内面には、図14に示すような熱伝達部材92が当接する。熱伝達部材92の一端は、負極側のブラシホルダ26aに固定されている。また、負極側のブラシホルダ26cとヨーク94との間にも熱伝達部材92が配置されている。
この回転電機では、放熱部96によって、ヨーク94の表面積が増加するので、放熱効率が高くなる。このため、ブラシ25からブラシホルダ26a,26c及び熱伝達部材92を介して、ヨーク94に伝達される熱を効率良く放出することができる。
なお、放熱部96の形状や大きさは、図15に図示されているものに限定されない。
また、図16に示すヨーク97のように、円筒部98の内周に放熱部99を設けても良い。この放熱部99は、ヨーク97の長さ方向に沿って所定の間隔で形成された環状の溝によって、波打ち形状になっている。そして、ヨーク97の内面、つまり放熱部99には、図14に示すような熱伝達部材92が当接している。
このヨーク97では、放熱部99によって内面側の表面積が増大し、放熱効率が向上する。このため、ブラシ25からブラシホルダ26a,26c及び熱伝達部材92を介して、ヨーク97に伝達される熱を効率良く放出することができる。ここで、ヨーク97の外面に、図15に示すような熱放熱部96を設けても良い。外周及び内周から熱を効率良く放出することが可能になる。
なお、本発明は、前述の各実施の形態に限定されずに広く応用できる。
例えば、ホルダステー27が導電性部材であるターミナル38を有さずに、ホルダステー27の絶縁部分にブラシホルダ26a〜26dが直接に固定するような回転電機の場合には、熱伝達部材50をブラシホルダ26a〜26dに直接に接触するように配置すると良い。具体的には、ブラシホルダ26a〜26dのうち、ホルダステー27の裏面側に突出する部分に熱伝達部材50を接触させたり、ホルダステー27にブラシホルダ26a〜26dと熱伝達部材50を接触させるような貫通孔を設けたりする。
また、熱伝達部材50は、ヨーク2の底部5に当接し、底部5にブラシ25の熱を伝達する構成であって良い。この場合には底部5に前述のような放熱部83を設けても良い。
さらに、熱伝達部材50は、ワッシャ54にプレート55,56を一体的に設けた構造でも良い。
そして、熱伝達部材50は、金属の他に、熱伝導率の高いセラミックスでも良い。
本発明の実施形態における回転電機の一部側面断面図である。 エンドブラケットの正面図である。 ブラシホルダを装着したホルダステーの正面図である。 図3のA−A線に沿った断面図である。 ブラシホルダを装着したホルダステーの背面図である。 熱伝達部材を示す図である。 熱伝達部材をホルダステーに取り付けた状態を示す図である。 ブラシ保持装置をエンドブラケットに固定した状態を示す説明図である。 回転電機の各部の温度の測定結果の一例を示す図である。 従来の回転電機においてブラシ保持装置をエンドブラケットに固定した状態を示す説明図である。 本発明の実施形態における回転電機の一部側面断面図である。 エンドブラケットの正面図である。 回転電機の各部の温度の測定結果の一例を示す図である。 本発明の実施形態における回転電機の一部側面断面図である。 本発明の実施形態におけるヨークの一部断面図である。 本発明の実施形態におけるヨークの一部断面図である。
符号の説明
1,81,91 回転電機
2,94,97 ヨーク
5 底部
6 アーマチュア
12 エンドブラケット
14 ブラシ保持装置
24 コンミテータ
25 ブラシ
26a,26b,26c,26d ブラシホルダ
27 ホルダステー
38 ターミナル(導電性部材)
50,92 熱伝達部材
83,96,99 放熱部

Claims (6)

  1. 筒状のヨークの一端を覆蓋するエンドブラケットが、アーマチュアを回転自在に支持し、前記アーマチュアのコンミテータに摺接するブラシを金属製のブラシホルダに収容した回転電機において、
    前記ブラシホルダ、又は前記ブラシホルダを固定するために前記ホルダステー側に取り付けられた導電性部材と、前記エンドブラケットとの間に熱伝達部材を設けたことを特徴とする回転電機。
  2. 筒状のヨークの一端を覆蓋するエンドブラケットが、アーマチュアを回転自在に支持し、前記アーマチュアのコンミテータに摺接するブラシを金属製のブラシホルダに収容した回転電機において、
    前記ブラシホルダ、又は前記ブラシホルダを固定するために前記ホルダステー側に取り付けられた導電性部材と、前記ヨークとの間に熱伝達部材を設けたことを特徴とする回転電機。
  3. 前記熱伝達部材は、金属材料からなり、負極となる前記ブラシを収容する前記ブラシホルダ、又はこのブラシホルダが固定される前記電動性部材に当接することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記エンドブラケット又は前記ヨークに放熱部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回転電機。
  5. 前記エンドブラケット又は前記ヨークをアースに接続したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の回転電機。
  6. 前記エンドブラケットは、表面に陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム材料からなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の回転電機。

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JP2011035962A (ja) * 2009-07-30 2011-02-17 Mitsuba Corp 電動モータ
JP2014027814A (ja) * 2012-07-27 2014-02-06 Canon Precision Inc モータ
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