JP5273027B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
ここで、複数の半導体モジュールとコンデンサとはバスバーによって接続されている。そして、複数の半導体モジュールとコンデンサとの間の閉回路において生じるサージ電圧をできるだけ均等に抑制するために、上記閉回路のインダクタンスをできるだけ均等にすることが行われている。すなわち、これを実現するために、複数の半導体モジュールについて、コンデンサとの間の電流経路の長さをできるだけ均一にすることが行われている(特許文献1等)。
すなわち、複数の半導体モジュールは冷却器によって冷却されるが、冷却器の位置によって冷却媒体の流量や温度に分布が生じるため、すべての半導体モジュールを均等に冷却することができない。例えば、図3に示すごとく、冷却器3を構成する複数の冷却管31の間に半導体モジュール2を配置し、積層方向Sの一端(前端)の冷却管311に冷媒導入口321と冷媒排出口322とを設けた場合、どうしても積層方向Sの他端(後端)側の冷却管314ほど冷却媒体6の流量が少なくなってしまう(図5(A))。その結果、積層方向Sの後端に近い位置に配された半導体モジュール2ほど、冷却器3との間の熱抵抗が高いため、冷却され難く、温度が上昇しやすい(図5(B)、(C))。
したがって、冷却管3の積層方向Sの後端に近い位置に配される半導体モジュール2(或いは冷媒流路の下流側に配置される半導体モジュール2)ほど、高いサージ電圧を発生しやすくなる。
上記複数の半導体モジュールのうち、上記冷却器への放熱が最もされ難い半導体モジュールは、上記スイッチング素子におけるゲート抵抗又はベース抵抗が最も小さいか、或いはゲート電圧又はベース電圧が最も大きく、かつ上記コンデンサとの間の電流経路におけるインダクタンスが最も小さいことを特徴とする電力変換装置にある(請求項1)。
そこで、本発明においては、この半導体モジュールと上記コンデンサとの間の電流経路におけるインダクタンスを最も小さくしている。これにより、冷却器への放熱が最もされ難い半導体モジュールにかかるサージ電圧を抑制することができる。すなわち、複数の半導体モジュールにかかるサージ電圧のバラツキを抑制することができる。
この場合には、複数の半導体モジュールの温度バラツキを一層抑制すると共に、特定の半導体モジュールに局所的に大きなサージ電圧が作用することをより効果的に防ぐことができる。
この場合には、複数の半導体モジュールの温度バラツキをより一層抑制すると共に、複数の半導体モジュールに作用するサージ電圧をもより一層均等化することができる。
この場合には、複数の半導体モジュールの温度バラツキを抑制すると共に、特定の半導体モジュールに局所的に大きなサージ電圧が作用することを防ぐことができる。
これにより、複数の半導体モジュールの温度バラツキを抑制すると共に、特定の半導体モジュールに局所的に大きなサージ電圧が作用することを防ぐことができる。
この場合には、複数の半導体モジュールの温度バラツキを一層抑制すると共に、半導体モジュールに作用するサージ電圧をより均等化することができる。
この場合には、複数の半導体モジュールの温度バラツキをより一層抑制すると共に、複数の半導体モジュールに作用するサージ電圧をもより一層均等化することができる。
この場合には、上記積層方向の後端に配置された上記半導体モジュールと上記コンデンサとの間の電流経路におけるインダクタンスが最も小さくなる構成とすることが容易となる。
この場合には、上記複数の半導体モジュールに対して、上記コンデンサと上記交流負荷とを、同じ側において接続することができる。そのため、電力変換装置の組み立てを容易に行うことができる。
この場合には、複数の半導体モジュールの温度バラツキを抑制すると共に、特定の半導体モジュールに局所的に大きなサージ電圧が作用することを防ぐことができる。
これにより、複数の半導体モジュールの温度バラツキを抑制すると共に、特定の半導体モジュールに局所的に大きなサージ電圧が作用することを防ぐことができる。
この場合には、複数の半導体モジュールの温度バラツキを一層抑制すると共に、半導体モジュールに作用するサージ電圧をより均等化することができる。
この場合には、複数の半導体モジュールの温度バラツキをより一層抑制すると共に、複数の半導体モジュールに作用するサージ電圧をもより一層均等化することができる。
本発明の実施例にかかる電力変換装置につき、図1〜図7を用いて説明する。
本例の電力変換装置1は、図1、図2に示すごとく、スイッチング素子を内蔵してなる複数の半導体モジュール2と、これらを冷却する冷却器3と、上記複数の半導体モジュール2に接続されたコンデンサ4とを有する。
複数の半導体モジュール2のうち、冷却器3への放熱が最もされ難い半導体モジュール203は、スイッチング素子におけるゲート抵抗R3が最も小さく、かつコンデンサ4との間の電流経路におけるインダクタンスL3が最も小さい。
冷媒導入口321から導入された冷却媒体6は、4本の冷却管31に分配されて各冷却管31内を流れる。このとき、各冷却管31に密着配置された半導体モジュール2と熱交換することにより、半導体モジュール2を冷却する。その後、冷却媒体6は冷媒排出口322に集まり、そこから冷却器3の外へ排出される。なお、冷却媒体6としては、例えば、水やアンモニア等の自然冷媒、エチレングリコール系の不凍液を混入した水、フロリナート等のフッ化炭素系冷媒、HCFC123、HFC134a等のフロン系冷媒、メタノール、アルコール等のアルコール系冷媒、アセトン等のケトン系冷媒等の冷媒を用いることができる。
正極バスバー51は、その一端をコンデンサ4の一方の電極411に接続され、負極バスバー52は、その一端をコンデンサ4の他方の電極412に接続されている。また、正極バスバー51と負極バスバー52は、直流電源(図示略)の正極と負極とにそれぞれ電気的に接続されている。
正極バスバー51及び負極バスバー52は、それぞれ側辺から切り込まれたスリット部54を複数有し、該スリット部54に主電極端子51、52を配置している。そして、この部分において、主電極端子211と正極バスバー51、主電極バスバー212と負極バスバー52とをそれぞれ溶接してある。
入出力バスバー53U、53V、53Wと、主電極端子213とは、互いに主面同士を重ね合わせるように配置されると共に、主電極端子213の先端部において互いに溶接されている。
それゆえ、後端に配された半導体モジュール203、すなわち、冷却管313と冷却管314との間に挟持された半導体モジュール203は、冷却媒体6との熱交換が最もされ難く、放熱され難い。すなわち、冷却器3との間の熱抵抗が最も大きい(図5(A)、(B))。
また、冷却媒体6の流量が4本の冷却管31のうちの2番目と3番目の冷却管312、323の間に配された中間の半導体モジュール202は、放熱されやすさが前端の半導体モジュール201よりも小さく、後端の半導体モジュール203よりも大きい。
そして、中間の半導体モジュール202は、スイッチング素子におけるゲート抵抗R2、及びコンデンサ4との間の電流経路におけるインダクタンスL2を、他の2つの半導体モジュール201、203の中間となるようにしている。
そして、半導体モジュール201とコンデンサ4との間の電流経路におけるインダクタンスL1と、半導体モジュール202とコンデンサ4との間の電流経路におけるインダクタンスL2と、半導体モジュール203とコンデンサ4との間の電流経路におけるインダクタンスL3とは、L1>L2>L3の関係を有する。
つまり、半導体モジュール2とコンデンサ4との間の電流経路は、正極バスバー51及び負極バスバー52のうち当該半導体モジュール2とコンデンサ4との間の部分と、半導体モジュール203と、コンデンサ4とによって構成される。そして、正極バスバー51及び負極バスバー52のうち半導体モジュール2とコンデンサ4との間の部分が最も短くなるのが、後端の半導体モジュール203となる。その結果、3つの半導体モジュール2のうち、後端の半導体モジュール203とコンデンサ4との間の電流経路が最も短くなり、そのインダクタンスL3を最も小さくすることができる。
逆に、正極バスバー51及び負極バスバー52のうち半導体モジュール2とコンデンサ4との間の部分が最も長くなるのが、前端の半導体モジュール201であるため、そのインダクタンスL1が最も大きくなる。
上記電力変換装置1においては、冷却器3への放熱が最もされ難い後端の半導体モジュール203は、スイッチング素子におけるゲート抵抗R3が最も小さい。これにより、複数の半導体モジュール2のうち、最も冷却され難い半導体モジュール203において、スイッチング素子の発熱量を最も小さくすることができる。すなわち、この半導体モジュール2のスイッチング素子のゲート抵抗R3を最も小さくすることにより、スイッチング損失を最小にしてその発熱を最小にすることができる。その結果、複数の半導体モジュール2の間の温度バラツキを抑制することができる。
そこで、本例においては、図7(A)に示すごとく、この半導体モジュール203とコンデンサ4との間の電流経路におけるインダクタンスL3を最も小さくしている。これにより、図7(B)に示すごとく、冷却器3への放熱が最もされ難い半導体モジュール203にかかるサージ電圧を抑制することができる。すなわち、複数の半導体モジュール2にかかるサージ電圧のバラツキを抑制することができる。
そのため、図6(B)に示すごとく、複数の半導体モジュール2の温度バラツキをより一層抑制すると共に、図7(B)に示すごとく、複数の半導体モジュール2に作用するサージ電圧をもより一層均等化することができる。
それゆえ、この場合にも、後端の半導体モジュール203のスイッチング素子のスイッチング速度が速くなることによって、その損失を抑制し、発熱を抑制することができるためである。
また、下記の実施例2、3においても同様である。
本例は、図8に示すごとく、正極バスバー51及び負極バスバー52が、冷却器3における積層方向Sの後端側から入出力バスバー53U、53V、53Wの延設方向と同一の方向へ屈曲している例である。
そして、コンデンサ4は、半導体モジュール2と冷却管31との積層体に対して、入出力バスバー53U、53V、53Wが延設された側の側方に配置されている。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図9、図10に示すごとく、冷却器30における一つの冷却面33に3個の半導体モジュール2を、冷媒流路に沿って並べて配置した電力変換装置10の例である。
冷却器30は、略直方体形状を有すると共に冷却面33とは異なる一つの端面34の両端に冷媒導入口321と冷媒排出口322とをそれぞれ設けてなる。
ここで、冷却器30における、冷却面33及び端面34に直交する2つの面のうち、冷媒導入口321に近い側を前端面351とし、冷媒排出口322に近い側を後端面352とする。
そして、この冷却媒体6の流通方向に沿って、前端の半導体モジュール201、中間の半導体モジュール202、後端の半導体モジュール203が、この順で配置されている。
また、3個の半導体モジュール2における、さらに他の主電極端子213は、それぞれ入出力バスバー53U、53V、53Wに接続され、交流負荷のU相電極、V相電極、W相電極に接続されている。
また、冷媒流路の最上流に配された前端の半導体モジュール201は、スイッチング素子におけるゲート抵抗R1が最も大きく、かつコンデンサ4との間の電流経路におけるインダクタンスL1が最も大きい。
その他は、実施例1と同様である。
すなわち、冷却器30を流れる冷却媒体6は、下流側へ行くほど半導体モジュール2との熱交換を行っているため、温度が高くなっている。それゆえ、冷媒流路の最下流に配置された半導体モジュール203は、冷却器30への放熱がされ難い。そこで、この冷媒流路の最下流の半導体モジュール2のスイッチング素子におけるゲート抵抗R3が最も小さく、かつコンデンサ4との間の電流経路におけるインダクタンスL3を最も小さくすることにより、その温度上昇を抑制し、サージ電圧を抑制する。
これにより、複数の半導体モジュール2の温度バラツキを抑制すると共に、特定の半導体モジュール2に局所的に大きなサージ電圧が作用することを防ぐことができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
2、201、202、203 半導体モジュール
3、30 冷却器
31、311、312、313、314 冷却管
4 コンデンサ
51 正極バスバー
52 負極バスバー
53U、53V、53W 入出力バスバー
Claims (11)
- スイッチング素子を内蔵してなる複数の半導体モジュールと、これらを冷却する冷却器と、上記複数の半導体モジュールに接続されたコンデンサとを有する電力変換装置であって、
上記複数の半導体モジュールのうち、上記冷却器への放熱が最もされ難い半導体モジュールは、上記スイッチング素子におけるゲート抵抗又はベース抵抗が最も小さいか、或いはゲート電圧又はベース電圧が最も大きく、かつ上記コンデンサとの間の電流経路におけるインダクタンスが最も小さいことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1に記載の電力変換装置において、上記複数の半導体モジュールのうち、上記冷却器への放熱が最もされ易い半導体モジュールは、上記スイッチング素子におけるゲート抵抗又はベース抵抗が最も大きいか、或いはゲート電圧又はベース電圧が最も小さく、かつ上記コンデンサとの間の電流経路におけるインダクタンスが最も大きいことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1又は2に記載の電力変換装置において、上記冷却器への放熱がよりされ難い半導体モジュールほど、上記スイッチング素子におけるゲート抵抗又はベース抵抗が小さいか、或いはゲート電圧又はベース電圧が最も大きく、かつ上記コンデンサとの間の電流経路におけるインダクタンスが小さいことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1に記載の電力変換装置において、上記冷却器は、内部の冷媒流路が互いに連結された複数の冷却管を有し、上記複数の半導体モジュールと上記冷却管とは互いに積層されており、積層方向の前端に配置される上記冷却管には、上記冷却器へ冷却媒体を導入する冷媒導入口と、上記冷却器から冷却媒体を排出する冷媒排出口とを設けてあり、上記積層方向の後端に配置された上記半導体モジュールは、上記スイッチング素子におけるゲート抵抗又はベース抵抗が最も小さいか、或いはゲート電圧又はベース電圧が最も大きく、かつ上記コンデンサとの間の電流経路におけるインダクタンスが最も小さいことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項4に記載の電力変換装置において、上記積層方向の最も前端に配置された上記半導体モジュールは、上記スイッチング素子におけるゲート抵抗又はベース抵抗が最も大きいか、或いはゲート電圧又はベース電圧が最も小さく、かつ上記コンデンサとの間の電流経路におけるインダクタンスが最も大きいことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項4又は5に記載の電力変換装置において、上記積層方向の後端により近い位置に配置された上記半導体モジュールほど、上記スイッチング素子におけるゲート抵抗又はベース抵抗が小さいか、或いはゲート電圧又はベース電圧が最も大きく、かつ上記コンデンサとの間の電流経路におけるインダクタンスが小さいことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項4〜6のいずれか一項に記載の電力変換装置において、上記複数の半導体モジュールと上記コンデンサとを電気的に接続する正極バスバー及び負極バスバーは、上記積層方向の後端に配された上記半導体モジュールとの接続部から更に後方へ延設された延設部に上記コンデンサとの接続部を設けてなることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項7に記載の電力変換装置において、上記複数の半導体モジュールは、交流電力を授受する交流負荷の端子と、複数の入出力バスバーによって接続されており、該入出力バスバーは、上記積層方向と直交する方向を向き、上記正極バスバー及び上記負極バスバーは、上記冷却器における積層方向の後端側から上記入出力バスバーの延設方向と同一の方向へ屈曲していることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電力変換装置において、上記冷却器は、冷却媒体が一定の方向に流れるよう構成された冷媒流路を内部に有しており、上記複数の半導体モジュールのうち、上記冷媒流路の最下流に配された半導体モジュールは、上記スイッチング素子におけるゲート抵抗又はベース抵抗が最も小さいか、或いはゲート電圧又はベース電圧が最も大きく、かつ上記コンデンサとの間の電流経路におけるインダクタンスが最も小さいことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項9に記載の電力変換装置において、上記複数の半導体モジュールのうち、上記冷媒流路の最上流に配された半導体モジュールは、上記スイッチング素子におけるゲート抵抗又はベース抵抗が最も大きいか、或いはゲート電圧又はベース電圧が最も小さく、かつ上記コンデンサとの間の電流経路におけるインダクタンスが最も大きいことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項9又は10に記載の電力変換装置において、上記冷媒流路の下流側の半導体モジュールほど、上記スイッチング素子におけるゲート抵抗又はベース抵抗が小さいか、或いはゲート電圧又はベース電圧が最も大きく、かつ上記コンデンサとの間の電流経路におけるインダクタンスが小さいことを特徴とする電力変換装置。
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