JP5272985B2 - 回折光学素子及び光ピックアップ - Google Patents

回折光学素子及び光ピックアップ Download PDF

Info

Publication number
JP5272985B2
JP5272985B2 JP2009210981A JP2009210981A JP5272985B2 JP 5272985 B2 JP5272985 B2 JP 5272985B2 JP 2009210981 A JP2009210981 A JP 2009210981A JP 2009210981 A JP2009210981 A JP 2009210981A JP 5272985 B2 JP5272985 B2 JP 5272985B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
diffraction grating
light
optical element
order diffracted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009210981A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011060393A (ja
Inventor
秀明 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2009210981A priority Critical patent/JP5272985B2/ja
Publication of JP2011060393A publication Critical patent/JP2011060393A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5272985B2 publication Critical patent/JP5272985B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Head (AREA)

Description

本発明は、回折光学素子及び光ピックアップに関する。
光を回折させるための回折光子を有する回折光学素子は、各種の光学装置の光学系に用いられている。回折光学素子の特徴としては、以下のものが挙げられる。
1)一つの入射光を複数の回折光に分けることができる。
2)回折角が波長に依存するため、分光に利用することができる。
3)回折格子を形成する面を曲面としてレンズとすることにより、通常のレンズよりも薄くすることができる。
4)レンズとは正負が逆となる波長分散特性を有するため、レンズを用いる光学系の色収差を補正することができる。
回折光学素子は、回折格子として凹凸を周期的に形成した回折格子を有するものであるが、回折格子となる凹凸を傾斜面により形成した構造のブレーズ型が回折効率は最も高くなり、回折効率の観点からは理想的である。
しかしながら、ブレーズ型の回折格子は作製が難しく、量産には不向きである。このため、ブレーズ型の回折格子の傾斜面を階段状に形成したマルチレベル型の回折格子が考案された。マルチレベル型の回折格子は、半導体プロセスにおいて用いられているフォトリソグラフィとドライエッチングとを繰り返し行うことにより、容易に作製することが可能である。
ところで、光ピックアップにおいては、光ディスク(光記録媒体)の再生信号は、+1次回折光を用いて読み取り、光ディスクに集光させるための対物レンズの位置を制御するためのサーボ信号は−1次回折光を用いて生成する。一般的に、再生信号は高い信号品質が要求されるため、サーボ信号に比べて高い光量が求められる。このため、再生信号における光量とサーボ信号における光量との比率を3:1、又は、4:1に設定する場合がある。従って、光ピックアップに用いられている回折格子においては、+1次回折光と−1次回折光の比率が4:1等に設定することが要求される場合がある。
また、光ディスクに用いられる回折格子においては、サーボ信号は複数の領域からの光を用いることから、光ディスクに照射される光のスポット(有効光束径)において、複数に分割されていることが望ましい。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、2以上の領域に異なる回折格子が形成されているものであって、各々の領域において生じる+1次回折光と−1次回折光との比率が異なる比率となるような回折光学素子を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、透明な基板上に回折格子が形成されている回折光学素子において、前記回折格子は、照射される光の有効光束径の範囲内において、少なくとも第1の領域と第2の領域と第3の領域とを有しており、前記第1の領域に形成される回折格子の段の数と前記第2の領域に形成される回折格子の段の数と前記第3の領域に形成される回折格子の段の数とは各々異なるものであって、前記第1の領域、前記第2の領域、前記第3の領域のいずれかに形成される回折格子において、前記回折格子を形成する段部における各々の段差は、すべて異なる値であって、前記第1の領域における+1次回折光の回折効率と−1次回折光の回折効率の比の値と、前記第2の領域における+1次回折光の回折効率と−1次回折光の回折効率の比の値と、前記第3の領域における+1次回折光の回折効率と−1次回折光の回折効率の比の値は、すべて異なることを特徴とする。
また、本発明は、前記回折格子は複屈折材料により形成されており、前記回折格子に接して等方性媒質が形成されており、前記等方性媒質の屈折率の値と、前記複屈折材料における常光屈折率の値とは、略等しいものであることを特徴とする。
また、本発明は、前記複屈折材料は、高分子液晶により形成されているものであることを特徴とする。
また、本発明は、レーザ光源と、前記レーザ光源から発せられた光を集光するための対物レンズと、光検出器と、を有し、前記レーザ光源からの光を前記対物レンズにより光ディスクに集光し、前記光ディスクにおいて反射された光を前記記載されている回折光学素子により回折させ、前記光検出器に入射させることにより、前記光ディスクに記録されている情報の読み取りを行うものであることを特徴とする。
本発明によれば、2以上の領域に異なる回折格子が形成されているものであって、各々の領域において生じる+1次回折光と−1次回折光との比率が異なる比率となるような回折光学素子を提供することができる。
マルチレベル型の回折格子における段の数と回折効率との関係図 第1の実施の形態における回折光学素子の構成図 第1の実施の形態における回折光学素子の第1の回折格子における高さと回折効率の相関図 第1の実施の形態における回折光学素子の第2の回折格子における高さと回折効率の相関図 第1の実施の形態における回折光学素子の製造工程図 第1の実施の形態における他の回折光学素子の構成図(1) 第1の実施の形態における他の回折光学素子の構成図(2) 第2の実施の形態における回折光学素子の構成図 図8における破線9A−9Bにおいて切断した断面の要部拡大図 第2の実施の形態における回折光学素子の第3の回折格子における高さと回折効率の相関図 第3の実施の形態における回折光学素子の構成図 図11における破線12A−12Bにおいて切断した断面の要部拡大図 第4の実施の形態における回折光学素子の構成図 第5の実施の形態における光ピックアップの構成図
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態に係る回折光学素子について説明する。
(回折光学素子)
最初に図1に基づき通常のマルチレベル型の回折格子を有する回折光学素子において、回折格子を形成する段差の数と、+1次回折光、0次回折光、−1次回折光における回折効率の関係について説明する。尚、回折格子に形成される各々の段差は略均一となるように形成されている。マルチレベル型の回折格子では、段の数を増やすことにより、+1次回折光の回折効率は高くなる。また、段の数が2段の場合では、+1次回折光の回折効率と−1次回折光の回折効率とは、39%で等しい値であるが、段の数が3段以上になると、−1次回折光は発生しない。このため、通常のマルチレベル型の回折格子では、+1次回折光と−1次回折光との双方を生じさせるものであって、かつ、+1次回折光における回折効率の値と−1次回折光における回折効率の値とを異なるものとすることはできない。即ち、通常のマルチレベル型の回折格子では、+1次回折光の回折効率と−1次回折光の回折効率の比を4:1等にすることができない。
次に、図2に基づき本実施の形態における回折光学素子について説明する。図2(a)は、本実施の形態における回折光学素子の上面図(光の照射面)であり、図2(b)は、図2(a)における破線2A−2Bにおいて切断した断面図であり、図2(c)は、破線2Cに囲まれた領域の拡大図である。
本実施の形態における回折光学素子は、光スポットとなる部分(照射される光の有効光束径内となる部分)に、第1の領域11と第2の領域12とを有している。基板10の表面の第1の領域11には第1の回折格子21が形成されており、第2の領域12には第2の回折格子22が形成されている。尚、基板10は、波長が405nmの光おける屈折率が1.52であるガラス基板により形成されている。
第1の領域11における第1の回折格子21は、最下段より幅がa1の第1段、幅がb1の第2段、幅がc1の第3段、幅がd1の第4段からなる4段の段部が周期的に形成されている回折格子であり、周期的に形成された段部の周期(回折格子の周期)はP1である。第1の回折格子21では、第1段と第2段との段差はg1であり、第2段と第3段との段差はh1であり、第3段と第4段との段差はi1である。尚、第1の回折格子21における高さはm1であり、g1とh1とi1との和の値に等しい値である。また、本実施の形態では、a1=b1=c1=d1=0.25×P1となるように形成されている。
一方、第2の領域12における第2の回折格子22は、最下段の幅がa2の第1段、幅がb2の第2段からなる2段の段部が周期的に形成されている回折格子であり、周期的に形成された段部の周期(回折格子の周期)はP2である。第1段と第2段との段差、即ち、第2の回折格子における高さはm2である。尚、本実施の形態では、a2=b2=0.5×P2となるように形成されている。以上より、本実施の形態における回折光学素子においては、第1の領域11における第1の回折格子21の段部の段の数と第2の領域12における第2の回折格子22の段部の段の数とは異なっている。
次に、本実施の形態における回折光学素子の第1の領域11に形成される第1の回折格子21について詳細に説明する。図3は、第1の回折格子21において形成される段差の比、即ち、g1:h1:i1の比を1:0.2:1.1とした場合において、第1の回折格子21の高さm1と、0次回折光の回折効率、+1次回折光の回折効率、−1次回折光の回折効率、+2次回折光の回折効率及び−2次回折光の回折効率との相関について計算した結果である。尚、回折効率の計算方法としては、RCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)法を用い、波長が405nmの光において、基板10の屈折率が1.52の場合について計算を行ったものである。図に示されるように、第1の回折格子21の高さm1が約0.66μmの場合では、+1次回折光率は約62%で最大となり、−1次回折光率は15%となり、+1次回折光率と−1次回折光率との比は、略4:1となる回折光子を得ることができる。この場合、各々の段差は、g1が約0.29μm、h1が約0.06μm、i1が約0.31μmである。
次に、本実施の形態における回折光学素子の第2の領域12に形成される第2の回折格子22について説明する。図4は、第2の回折格子22の高さm2と、0次回折光の回折効率、+1次回折光の回折効率、−1次回折光の回折効率、+2次回折光の回折効率及び−2次回折光の回折効率との相関について計算した結果である。尚、回折効率の計算方法は、第1の回折格子21の場合と同様である。尚、第2の回折格子22は、2段の回折格子により形成されているため、+1次回折光の回折効率と−1次回折光の回折効率とは等しい値となり、+2次回折光の回折効率と−2次回折光の回折効率とは等しい値となる。図に示されるように、第2の回折格子22の高さm2が約0.4μmの場合では、+1次回折光の回折効率及び−1次回折光の回折効率は最大となる。本実施の形態では、後述するように、3枚のフォトマスクを用いて製造する回折光学素子であるため、高さm2は第1の回折格子21の第3段の高さと同じ高さとなるように形成されている。即ち、高さm2は、0.35μmとなるように形成されている。
以上より、本実施の形態における回折光学素子は、第1の領域11と第2の領域12を有しており、第1の領域11では、+1次回折光率と−1次回折光率との比は、略4:1となり、第2の領域12では、+1次回折光率と−1次回折光率との比は、略1:1となる回折光学素子を得ることができる。
(回折光学素子の製造方法)
次に、図5に基づき本実施の形態における回折光学素子の製造方法について説明する。本実施の形態における回折光学素子は、フォトリソグラフィとドライエッチングを3回繰り返すことにより製造される。従って、本実施の形態における回折光学素子を製造する際に、フォトリソグラフィを行うために用いられるフォトマスクは3種類である。
最初に、図5(a)に示すように、第1のエッチング工程を行う。具体的には、屈折率が1.52のガラスからなる基板10にフォトレジストを塗布し、プリベークを行った後、フォトマスク31を用いて露光装置により露光し、現像を行う。フォトマスク31には、露光装置からの光を透過するガラス等からなる基板上に、光を遮光する遮光領域31aが形成されている。従って、露光装置からの光は、遮光領域31aにおいて遮光され、遮光領域31aの形成されていない開口領域31bのみ透過し、フォトレジストを感光する。感光した領域のフォトレジストは、現像することにより除去され、露光装置からの光によって露光されていない領域のみ残存する。この後、RIE(Reactive Ion Etching)等のドライエッチングにより、基板10を深さ0.31μm除去する。即ち、図5(a)に示す領域10aを除去し、基板10において、第1の領域11における第4段と第3段を形成し、第2の領域12における第2段を形成する。
次に、図5(b)に示すように、第2のエッチング工程を行う。具体的には、第1のエッチング工程後の基板10にフォトレジストを塗布し、プリベークを行った後、フォトマスク32を用いて露光装置により露光し現像を行う。フォトマスク32には、露光装置からの光を透過するガラス等からなる基板上に基板上に、光を遮光する遮光領域32aが形成されている。従って、露光装置からの光は、遮光領域32aにおいて遮光され、遮光領域32aの形成されていない開口領域32bのみ透過して、フォトレジストを感光する。感光した領域のフォトレジストは、現像することにより除去され、露光装置からの光によって露光されていない領域のみ残存する。この後、RIE等のドライエッチングにより、基板10を深さ0.06μm除去する。即ち、図5(b)に示す領域10bを除去し、基板10において、第1の領域11における第2段を形成する。
次に、図5(c)に示すように、第3のエッチング工程を行う。具体的には、第2のエッチング工程後の基板10にフォトレジストを塗布し、プリベークを行った後、フォトマスク33を用いて露光装置により露光し現像を行う。フォトマスク33には、露光装置からの光を透過するガラス等からなる基板上に基板上に、光を遮光する遮光領域33aが形成されている。従って、露光装置からの光は、遮光領域33aにおいて遮光され、遮光領域33aの形成されていない開口領域33bのみ透過し、フォトレジストを感光する。感光した領域のフォトレジストは、現像することにより除去され、露光装置からの光によって露光されていない領域のみ残存する。この後、RIE等のドライエッチングにより、基板10を深さ0.29μm除去する。即ち、図5(c)に示す領域10cを除去し、基板10において、第1の領域11における第1段を形成し及び第2の領域12における第1段を形成する。尚、第2の領域12の第1段と第2段の段差は、第2のエッチング工程と第3のエッチング工程により形成されるため、0.06μmと0.29μmとの和である0.35μmとなる。
以上の工程により本実施の形態における回折光学素子を製造することができる。
(回折光学素子の他の構造)
次に、本実施の形態における回折光学素子の他の構造について説明する。
図6に示す回折光学素子は、光スポットとなる部分(照射される光の有効光束径内となる部分)に、第1の領域41、第2の領域42及び第3の領域43の一部を有している。具体的には、基板10の照射される光スポットの中心部分に円形の第1の領域41を形成し、第1の領域41を囲むようにドーナッツ状の第2の領域42を形成し、第2の領域42を囲むようにドーナッツ状の第3の領域43を形成したものであり、第1の領域41及び第3の領域43には、第1の回折格子21を形成し、第2の領域42には、第2の回折格子22を形成した構造のものである。尚、図6(a)は、この回折光学素子の上面図であり、図6(b)は、図6(a)における破線6A−6Bにおいて切断した断面図である。このような構造の回折光学素子においても、本実施の形態における効果を得ることができる。
また、図7に示す回折光学素子は、光スポットとなる部分(照射される光の有効光束径内となる部分)において、基板10の一方の端より順に第1の領域51、第2の領域52、第3の領域53、第4の領域54及び第5の領域55を形成し、第1の領域51、第3の領域53及び第5の領域55には、第1の回折格子21を形成し、第2の領域52及び第4の領域54には、第2の回折格子22を形成した構造のものである。即ち、第1の回折格子21の形成される領域(第1の領域51、第3の領域53及び第5の領域55)と第2の回折格子22の形成される領域(第2の領域52及び第4の領域54)とが交互にストライプ状に形成されたものである。尚、図7(a)は、この回折光学素子の上面図であり、図7(b)は、図7(a)における破線7A−7Bにおいて切断した断面図である。このような構造の回折光学素子においても、本実施の形態における効果を得ることができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、図8及び図9に示すように、光スポットとなる部分(照射される光の有効光束径内となる部分)に、第1の領域61と第2の領域62を有しており、基板10の表面の第1の領域61には、第3の回折格子23が形成されており、第2の領域62には、第1の回折格子21が形成されている。尚、基板10は、波長が405nmの光おける屈折率が1.52であるガラス基板により形成されており、第2の領域62に形成される第1の回折格子21は、第1の実施の形態において説明した第1の回折格子21と同じものである。尚、図9は、図8における破線9A−9Bにおいて切断した断面の要部拡大図である。
第1の領域61に形成される第3の回折格子23は、最下段より幅がa3の第1段、幅がb3の第2段、幅がc3の第3段、幅がd3の第4段、幅がe3の第5段、幅がf3の第6段からなる6段の段部が周期的に形成されている回折格子であり、周期的に形成された段部の周期はP3である。第3の回折格子23では、第1段と第2段との段差はg3であり、第2段と第3段との段差はh3であり、第3段と第4段との段差はi3であり、第4段と第5段との段差はj3であり、第5段と第6段との段差はk3である。よって、第1の領域61における第3の回折格子23の段部の段の数と第2の領域62における第1の回折格子21の段部の段の数とは異なっている。尚、第3の回折格子23における高さはm3であり、g3とh3とi3とj3とk3との和の値に等しい値である。本実施の形態では、a3=b3=c3=d3=e3=f3=(1/6)×P3となるように形成されている。
次に、本実施の形態における回折光学素子の第1の領域61に形成される第3の回折格子23についてより詳細に説明する。図10は、第1の回折格子23において形成される段差の比、即ち、g3:h3:i3:j3:k3の比を0.1:0.19:0.07:0.2:0.15とした場合において、第3の回折格子23の高さm3と、0次回折光の回折効率、+1次回折光の回折効率、−1次回折光の回折効率、+2次回折光の回折効率及び−2次回折光の回折効率との相関について計算した結果である。尚、回折効率の計算方法としては、RCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)法を用い、波長が405nmの光において、基板10の屈折率が1.52の場合について計算を行ったものである。図に示されるように、第3の回折格子23の高さm3が約0.6μmの場合では、+1次回折光率は約82%で最大となり、0次回折光の回折効率、−1次回折光率、+2次回折光の回折効率及び−2次回折光の回折効率はいずれも略0%となる。よって、+1次回折光のみを得ることができる。この場合、各々の段差は、g3が約0.1μm、h3が約0.19μm、i3が約0.07μm、j3が約0.2μm、k3が約0.15μmである。
本実施の形態における回折光学素子は、第3の回折格子23における段差g3とh3との和は0.29μmであり、第1の回折格子21における段差g1と等しく、第3の回折格子23における段差i3は0.07μmであり、第1の回折格子21における段差h1の値に近く、第3の回折格子23における段差j3とk3との和は0.35μmであり、第1の回折格子21における段差i1の値に近い。よって、第3の回折格子23における第4段と第5段を形成する際に、第1の回折格子21の第3段を形成し、第3の回折格子23の第2段を形成する際に、第1の回折格子21の第2段を形成し、第3の回折格子23における第1段と第2段を形成する際に、第1の回折格子21の第1段を形成することにより、図9に示す構成に近い構成の回折光学素子を5枚のフォトマスクにより製造することができる。
以上より、本実施の形態における回折光学素子は、第1の領域61と第2の領域62を有しており、第1の領域61では、+1次回折光のみを得ることができ、第2の領域62では、+1次回折光率と−1次回折光率との比が、略4:1となる回折光学素子を得ることができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、図11及び図12に示すように、光スポットとなる部分(照射される光の有効光束径内となる部分)に、第1の領域71と第2の領域72と第3の領域73とを有しており、基板10の表面の第1の領域71には、第3の回折格子23が形成されており、第2の領域72には、第1の回折格子21が形成されており、第3の領域73には、第2の回折格子22が形成されている。よって、第1の領域71における第3の回折格子23の段部の段の数と、第2の領域72における第1の回折格子21の段部の段の数と、第3の領域73における第2の回折格子22の段部の段の数はすべて異なっている。尚、図12は、図11における破線12A−12Bにおいて切断した断面の要部拡大図である。また、基板10は、波長が405nmの光おける屈折率が1.52となるガラス基板により形成されており、第1の回折格子21、第2の回折格子22及び第3の回折格子23は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態において説明した第1の回折格子21、第2の回折格子22及び第3の回折格子23と同じものである。
本実施の形態における回折光学素子は、第1の領域71、第2の領域72及び第3の領域73を有しており、第1の領域71では、+1次回折光のみを得ることができ、第2の領域72では、+1次回折光率と−1次回折光率との比を略4:1とすることができ、第3の領域73では、+1次回折光率と−1次回折光率との比を略1:1とすることができる。
尚、本実施の形態における回折光学素子では、第1の領域71、第2の領域72及び第3の領域73となる3つの領域を有しているが、更に異なる構成の回折格子を新たな領域に加えることより、4つ以上の領域を有する回折光学素子についても同様に形成することが可能である。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。図13に、本実施の形態における回折光学素子の断面の構造を示す。
本実施の形態における回折光学素子は、第1の領域81と第2の領域82を有している。具体的には、ガラス又は石英ガラス等からなる光学的に等方性を有する基板90上に、第1の領域81には第1の回折格子91が形成されており、第2の領域82には第2の回折格子92が形成されている。第1の回折格子91及び第2の回折格子92は、複屈折材料により形成されており、第1の回折格子91及び第2の回折格子92の上には、等方性媒質93が形成されており、更には、ガラス又は石英ガラス等からなる光学的に等方性を有する基板94が形成されている。また、基板94の上には、λ/4板等の波長板95が形成されている。
第1の回折格子91及び第2の回折格子92を構成している複屈折材料における異常光屈折率をne、常光屈折率をnoとし、等方性媒質93における屈折率nsとした場合、等方性媒質93は、等方性媒質93における屈折率nsの値が複屈折材料における常光屈折率noの値と略等しくなるような材料により形成されている。
次に、本実施の形態における回折光学素子の製造方法について説明する。本実施の形態における回折光学素子は、ガラス等からなる基板90上に、ポリイミドを膜状に塗布し、ラビング配向処理を施して不図示の配向膜を形成した後、配向膜上に、液晶モノマーを塗布し光重合硬化させることにより高分子液晶層を形成する。この後、第1の実施の形態と同様に、形成された高分子液晶層において、フォトリソグラフィとドライエッチングを繰り返し行うことにより、基板90上に第1の回折格子91及び第2の回折格子92を形成する。この後、基板90上に第1の回折格子91及び第2の回折格子92の形成されている側とガラス等からなる基板94との間に、有機材料からなる等方性媒質93を形成し、更に、基板94の上にはλ/4板等の波長板95を形成する。
本実施の形態における回折光学素子は、第1の回折格子91は4段の段部を有する回折格子であり、第2の回折格子92は2段の段部を有する回折格子により形成されている。第1の回折格子91及び第2の回折格子92は、高分子液晶により形成されているものの、上述のとおり、基板90上における第1の回折格子91及び第2の回折格子92を形成する際の形成方法は、第1の実施の形態における第1の回折格子21及び第2の回折格子22と同様の形成方法により形成することができる。
本実施の形態における回折光学素子では、入射光の偏光が常光となる場合では、第1の回折格子91及び第2の回折格子92を構成する高分子液晶の屈折率(常光屈折率)noと等方性媒質93の屈折率nsとが略等しい値となるため、そのまま透過する。しかしながら、入射光の偏光が異常光となる場合では、第1の回折格子91及び第2の回折格子92を構成する高分子液晶の屈折率(異常光屈折率)neと等方性媒質93の屈折率nsとが異なる値となるため、入射した光を回折させることができる。
尚、本実施の形態では、4段の段部を有する第1の回折格子91と2段の段部を有する第2の回折格子92を形成した場合について説明したが、上記以外の段部を有する回折格子を組み合わせてもよく、また、回折光学素子を3以上の領域に分割して、各々異なる段部を有する回折格子を配置させることも可能である。
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態について説明する。本実施の形態は、光ディスクにおける情報の記録及び再生を行うための光ピックアップであり、第4の実施の形態における回折光学素子を有するものである。
図14に示すように、本実施の形態における光ピックアップは、光ディスク100に記録されている情報の再生等を行うためのものであり、半導体レーザ101、コリメートレンズ102、回折光学素子103、対物レンズ104、フォトディテクタ等の光検出器105を有している。
半導体レーザ101は、波長が約405nmの直線偏光の光を発するものである。半導体レーザ101から出射された光は、コリメートレンズ102を介し、回折光学素子103に入射する。回折光学素子103は、第4の実施の形態において説明した回折光学素子であり、入射光は基板90が形成されている側から入射する。この回折光学素子103に入射する直線偏光の光は、回折光学素子103において常光として入射し、入射した光は回折されることなく透過し、λ/4板である波長板95により円偏光の光となり、対物レンズ104に入射し、対物レンズ104により光ディスク100の情報が記録されている面に集光される。このように集光された光は光ディスク100において反射し、対物レンズ104を介し、回折光学素子103に入射する。回折光学素子103に入射した円偏光の光は、λ/4板である波長板95において直線偏光の光となり、回折光学素子103における回折格子に対し異常光となる直線偏光の光として入射する。回折格子に対し異常光として入射した光は、回折光学素子103における回折格子において回折され、コリメートレンズ102を介し光検出器105入射し電気信号に変換される。これにより、光ディスク100に記録されている情報を読み取ることができる。
本実施の形態における光ピックアップでは、回折光学素子103として、第4の実施の形態における回折光学素子を用いており、第1の領域と第2の領域に分けられている。第4の実施の形態における回折光学素子では、各々の領域における回折光の+1次回折効率と−1次回折効率との比を所望の比率にすることができる。例えば、回折光の+1次回折効率と−1次回折効率との比を一方は、1:1とし、他方を4:1とすることができる。よって、光ディスク100に記録されている情報の読み取りにより適した信号検出を行うことができる。これにより、光ディスク100の読み取りにより適した光ピックアップを得ることができる。
第1の実施の形態から第4の実施の形態における回折光学素子は、光記録再生装置、プロジェクタ装置、撮像装置、分光器等の計測装置など、回折光学素子を一般的に備える光学機器に適用することができる。
尚、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
10 基板
11 第1の領域
12 第2の領域
21 第1の回折格子
22 第2の回折格子
a1 第1の回折格子における第1段の幅
a2 第2の回折格子における第1段の幅
b1 第1の回折格子における第2段の幅
b2 第2の回折格子における第2段の幅
c1 第1の回折格子における第3段の幅
d1 第1の回折格子における第4段の幅
g1 第1の回折格子における第1段と第2段との段差
h1 第1の回折格子における第2段と第3段との段差
i1 第1の回折格子における第3段と第4段との段差
m1 第1の回折格子における高さ
m2 第2の回折格子における高さ
P1 第1の回折格子における段差の周期
P2 第2の回折格子における段差の周期
特開平11−16051号公報 特開平10−10308号公報 特開2007−257828号公報

Claims (4)

  1. 透明な基板上に回折格子が形成されている回折光学素子において、
    前記回折格子は、照射される光の有効光束径の範囲内において、少なくとも第1の領域と第2の領域と第3の領域とを有しており、
    前記第1の領域に形成される回折格子の段の数と前記第2の領域に形成される回折格子の段の数と前記第3の領域に形成される回折格子の段の数とは各々異なるものであって、
    前記第1の領域、前記第2の領域、前記第3の領域のいずれかに形成される回折格子において、前記回折格子を形成する段部における各々の段差は、すべて異なる値であって、
    前記第1の領域における+1次回折光の回折効率と−1次回折光の回折効率の比の値と、前記第2の領域における+1次回折光の回折効率と−1次回折光の回折効率の比の値と、前記第3の領域における+1次回折光の回折効率と−1次回折光の回折効率の比の値は、すべて異なることを特徴とする回折光学素子。
  2. 前記回折格子は複屈折材料により形成されており、
    前記回折格子に接して等方性媒質が形成されており、
    前記等方性媒質の屈折率の値と、前記複屈折材料における常光屈折率の値とは、略等しいものであることを特徴とする請求項1に記載の回折光学素子。
  3. 前記複屈折材料は、高分子液晶により形成されているものであることを特徴とする請求項に記載の回折光学素子。
  4. レーザ光源と、
    前記レーザ光源から発せられた光を集光するための対物レンズと、
    光検出器と、
    を有し、前記レーザ光源からの光を前記対物レンズにより光ディスクに集光し、前記光ディスクにおいて反射された光を請求項1から3のいずれかに記載されている回折光学素子により回折させ、前記光検出器に入射させることにより、前記光ディスクに記録されている情報の読み取りを行うものであることを特徴とする光ピックアップ。
JP2009210981A 2009-09-11 2009-09-11 回折光学素子及び光ピックアップ Expired - Fee Related JP5272985B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009210981A JP5272985B2 (ja) 2009-09-11 2009-09-11 回折光学素子及び光ピックアップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009210981A JP5272985B2 (ja) 2009-09-11 2009-09-11 回折光学素子及び光ピックアップ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011060393A JP2011060393A (ja) 2011-03-24
JP5272985B2 true JP5272985B2 (ja) 2013-08-28

Family

ID=43947844

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009210981A Expired - Fee Related JP5272985B2 (ja) 2009-09-11 2009-09-11 回折光学素子及び光ピックアップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5272985B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113009705A (zh) * 2019-12-19 2021-06-22 苏州苏大维格科技集团股份有限公司 一种消除零级衍射影响的结构光组件

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2796196B2 (ja) * 1990-04-12 1998-09-10 松下電器産業株式会社 光ヘッド装置
JP4043058B2 (ja) * 1995-06-01 2008-02-06 旭硝子株式会社 光ヘッド装置に用いられる回折素子の製造方法
JPWO2005083694A1 (ja) * 2004-02-27 2007-11-29 コニカミノルタオプト株式会社 対物光学系、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置
JP4613651B2 (ja) * 2005-03-16 2011-01-19 旭硝子株式会社 階段状回折素子および光ヘッド装置
JP4787060B2 (ja) * 2006-04-26 2011-10-05 株式会社リコー 光ピックアップおよび光情報処理装置
JP2008084444A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Sanyo Electric Co Ltd 光ピックアップ装置および光ディスク装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113009705A (zh) * 2019-12-19 2021-06-22 苏州苏大维格科技集团股份有限公司 一种消除零级衍射影响的结构光组件

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011060393A (ja) 2011-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI231495B (en) Wavelength selective diffraction element and optical head device
JP2010153027A (ja) 回折素子および光ヘッド装置
JP4613651B2 (ja) 階段状回折素子および光ヘッド装置
JP2008257771A (ja) 光ピックアップ
JP5767858B2 (ja) 光回折素子、光ピックアップ及び光回折素子の製造方法
JP4378832B2 (ja) 光ヘッド装置
JP2007334975A (ja) 回折格子とその製造方法及び光ピックアップ装置
KR100656000B1 (ko) 광회절 소자 및 광정보 처리 장치
JP5272985B2 (ja) 回折光学素子及び光ピックアップ
KR100779693B1 (ko) 파장선택형 회절소자 및 이를 갖는 광헤드장치
JP2004170524A (ja) ホトマスクおよびホトマスクを用いたホログラム素子製造方法ならびにホログラム素子
JP2007503071A (ja) 光記録担体
JP4599763B2 (ja) 光ヘッド装置
JP3851253B2 (ja) 回折格子及び光ピックアップ
JP3966400B2 (ja) 光回折素子およびその製造方法、ならびにそれを用いた光ピックアップ装置
JP3860715B2 (ja) ホログラム素子製造方法
JP4800254B2 (ja) 波長選択性回折素子、光ピックアップ、光情報処理装置及び光情報処理方法
JP2007323762A (ja) 回折格子とその製造方法、及び光ピックアップ装置
JP2007317326A (ja) 回折格子とその製造方法、及び光ピックアップ装置
KR20050084914A (ko) 2파장 광원유닛 및 광헤드 장치
JP4337510B2 (ja) 回折素子および光ヘッド装置
JP2007293938A (ja) 回折格子とその製造方法、及び光ピックアップ装置
JP4591602B2 (ja) 波長選択性回折素子および光ヘッド装置
JP4366862B2 (ja) 光ヘッド装置
JP2007317265A (ja) 回折格子とその製造方法、及び光ピックアップ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120705

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130329

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130416

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130429

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees