以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお以下の説明において、上記のトナー像の画像記録部は例えば画像形成部12等から成り、トナー像を一次転写される転写体は例えば転写ベルト24等から成り、二次転写部は例えば転写ベルト24と二次転写ローラ36との対向部等から成り、定着部は例えばベルト式定着装置37等から成る。
図1を用いて実施例1に係る中間連結ユニットを説明する。同図は本発明の2台連結型画像形成装置に用いられる中間連結ユニットの断面図を示している。この中間連結ユニット1は、上下方向に配置される2台の後述する画像形成装置の中間に着脱自在に介装される。
この中間連結ユニット1は、下面右方に、下方の画像形成装置から排出される記録媒体Pを内部に案内する搬入口2と、この搬入口2から内部に搬入される記録媒体Pを挟持して搬送する複数の搬送ローラ対3a、3b〜3gを備えている。
また、中間連結ユニット1は、上面左右それぞれに、上記の搬入口2から内部に給送された記録媒体Pを外部に排出するための排出口4a、4bを備え、内部上方に固設された排紙トレー5と、内部下方には下側面方向から着脱自在な給紙カセット6を備えている。
そして、搬入口2の直ぐ上に上述した搬送ローラ対3aが配置され、上面右側の排出口4aの直ぐ下に搬送ローラ対3bが配置されている。また、搬送ローラ対3aの直ぐ上に、ヒンジ7aを支点にして実線位置と破線位置8a´に回動する第1のフラップ8aを備え、搬送ローラ対3bの直ぐ下に、ヒンジ7bを支点にして実線位置と破線位置8b´に回動する第2のフラップ8bを備えている。
上述した搬送ローラ対3gは、第2のフラップ8bが破線位置8b´に回動したときの位置と排紙トレー5との間に配置されている。
また、この中間連結ユニット1には、排紙トレー5と給紙カセット6との間に在って横方向に延在し、搬入口2と上面左側の排出口4bとを連通させるガイド部9が配置されている。ガイド部9には、上述した搬送ローラ対3c、3d及び3eが配置されている。また、排出口4bの直ぐ下に搬送ローラ対3fが配置されている。
上記の構成において、中間連結ユニット1は、搬入口2、搬送ローラ対3a、破線位置8a´に回動した第1のフラップ8a、実線位置に回動した第2のフラップ8b、搬送ローラ対3b、及び排出口4aにより、下方の画像形成装置から排出される記録媒体Pを排出方向の向きを変えずに上方の画像形成装置に搬送する第1の搬送経路Aを形成する。
また、上記の構成において、中間連結ユニット1は、搬入口2、搬送ローラ対3a、実線位置に回動した第1のフラップ8a、ガイド部9、搬送ローラ対3f、及び排出口4bにより、下方の画像形成装置から排出される記録媒体Pを排出方向の向きを変えて上方の画像形成装置に搬送する第2の搬送経路Bを形成する。
また、上記の構成において、中間連結ユニット1は、搬入口2、搬送ローラ対3a、破線位置8a´に回動した第1のフラップ8a、破線位置8b´に回動した第2のフラップ8b、及び搬送ローラ対3gにより、下方の画像形成装置から排出される記録媒体Pを上方の画像形成装置に搬送することなく内部の排紙トレー5に収容する第3の搬送経路Cを形成する。
この中間連結ユニット1は、必要に応じて、給紙カセット6に収容されている記録媒体Pを給紙コロ10により一枚ごとに取り出し、その取り出した記録媒体Pを、上述した第1の搬送経路A又は第2の搬送経路Bを介して上方に連結された画像形成装置に搬送可能である。
この給紙カセット6には、上下のプリンタ10a又は10bで供給する用意のできていない例えば特殊紙などを収容して、特殊紙への印刷が必要となったときに、給紙カセット6の特殊紙を中間連結ユニット1から上方のプリンタ11に供給するようにするとよい。
更に、この給紙カセット6には、詳しくは後述するが、記録媒体Pや特殊紙の代わりにラミネートフィルムを収容して用いることもできる。
なお、この給紙カセット6が下面より下又は前後方向に取り外されたときは、取り外された内部の空間が下方に連結された画像形成装置の排出トレーの上方空間部を形成するように構成することができる。
図2及び図3を用いて実施例2に係る画像形成装置を説明する。図2は実施例1の中間連結ユニット1の上面又は下面に連結される画像形成装置(以下、単にプリンタという)11の構成を示す正面方向から見た断面図であり、図3は、図2のプリンタ11を背面方向から見た断面図である。
以下の説明では、同一機種のプリンタ11に対して、図2に示した方向から見たものをプリンタ11aとし、図3に示した方向から見たものをプリンタ11bとする。他の構成部分は同一であるので図2及び図3共に同一の番号を付与して示している。
図2及び図3に示すプリンタ11(11a、11b)は、電子写真式で二次転写方式のタンデム型のカラー画像形成装置であり、画像形成部12、中間転写ベルトユニット13、給紙部14、及び両面印刷用搬送ユニット15で構成されている。
上記画像形成部12は、図2の右から左へ(図3の左から右へ)4個の画像形成ユニット16(16M、16C、16Y、16K)を多段式に並設した構成からなる。
上記4個の画像形成ユニット16のうち上流側(図2の右側、図3の左側、以下同様)の3個の画像形成ユニット16M、16C及び16Yは、それぞれ減法混色の三原色であるマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の色トナーによるモノカラー画像を形成し、画像形成ユニット16Kは、主として文字や画像の暗黒部分等に用いられるブラック(K)トナーによるモノクロ画像を形成する。
上記の各画像形成ユニット16は、トナー容器(トナーカートリッジ)に収納されたトナーの色を除き全て同じ構成である。したがって、以下ブラック(K)用の画像形成ユニット16Kを例にしてその構成を説明する。
画像形成ユニット16は、最下部に感光体ドラム17を備えている。この感光体ドラム17は、その周面が例えば有機光導電性材料で構成されている。この感光体ドラム17の周面近傍を取り巻いて、クリーナ18、帯電ローラ19、光書込ヘッド21、及び現像器22の現像ローラ23が配置されている。
現像器22は、上部のトナー容器に、図にはM、C、Y、Kで示すようにマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のいずれかのトナーを収容し、中間部には下部へのトナー補給機構を備えている。
また、現像器22の下部には側面開口部に上述した現像ローラ23を備え、内部にトナー撹拌部材、現像ローラ23にトナーを供給するトナー供給ローラ、現像ローラ23上のトナー層を一定の層厚に規制するドクターブレード等を備えている。
中間転写ベルトユニット13は、本体装置のほぼ中央で図の左右のほぼ端から端まで扁平なループ状になって延在する無端状の転写ベルト24と、この転写ベルト24を掛け渡されて転写ベルト24を図の反時計回り方向に循環移動させる駆動ローラ25と従動ローラ26を備えている。
上記の転写ベルト24は、トナー像を直接ベルト面に転写(一次転写)されて、そのトナー像を更に用紙に転写(二次転写)すべく用紙への転写位置まで搬送するので、ここではユニット全体を中間転写ベルトユニットといっている。
この中間転写ベルトユニット13は、上記扁平なループ状の転写ベルト24のループ内にベルト位置制御機構27を備えている。ベルト位置制御機構27は、転写ベルト24を介して感光体ドラム17の下部周面に押圧する導電性発泡スポンジから成る一次転写ローラ28を備えている。
ベルト位置制御機構27は、マゼンタ(M)、シアン(C)及びイエロー(Y)の3個の画像形成ユニット16M、16C及び16Yに対応する3個の一次転写ローラ28を鉤型の支持軸を中心に同一周期で回転移動させる。
そして、ベルト位置制御機構27は、ブラック(K)の画像形成ユニット16Kに対応する1個の一次転写ローラ28を上記3個の一次転写ローラ28の周期と異なる回転移動周期で回転移動させて転写ベルト24を感光体ドラム17から離接させる。
すなわち、ベルト位置制御機構27は、中間転写ベルトユニット13の転写ベルト24の位置を、フルカラーモード(4個全部の一次転写ローラ28が転写ベルト24に当接)、モノクロモード(画像形成ユニット16Kに対応する一次転写ローラ28のみが転写ベルト24に当接)、及び全非転写モード(4個全部の一次転写ローラ28が転写ベルト24から離れる)に切換える。
上記の中間転写ベルトユニット13には、上面部のベルト移動方向最上流側の画像形成ユニット16Mの更に上流側に、ベルトクリーナユニットが配置され、下面部のほぼ全面に沿い付けるように平らで薄型の廃トナー回収容器29が着脱自在に配置されている。
給紙部14は、上下2段に配置された2個の給紙カセット31を備え、2個の給紙カセット31の給紙口(図2の右方、図3の左方)近傍には、それぞれ用紙取出ローラ32、給送ローラ33、捌きローラ34、待機搬送ローラ対35が配置されている。
待機搬送ローラ対35の用紙搬送方向(図の鉛直上方向)には、転写ベルト24を介して従動ローラ26に圧接する二次転写ローラ36が配設されて、用紙への二次転写部を形成している。
この二次転写部の下流(図では上方側)側にはベルト式定着装置37が配置されて、ベルト式定着装置37の更に下流側には、定着後の用紙をベルト式定着装置37から搬出する搬出ローラ対38、及びその搬出される用紙を装置上面に形成されている排紙トレー39に排紙する排紙ローラ対41が配設されている。
両面印刷用搬送ユニット15は、上記搬出ローラ対38と排紙ローラ対41との中間部の搬送路から図の右横方向に分岐した開始返送路42a、それから下方に曲がる中間返送路42b、更に上記とは反対の左横方向に曲がって最終的に返送用紙を反転させる終端返送路42c、及びこれらの返送路の途中に配置された4組の返送ローラ対43a、43b、43c、43dを備えている。
上記終端返送路42cの出口は、給紙部14の下方の給紙カセット31に対応する待機搬送ローラ対35への搬送路に連絡している。
また、本例において中間転写ベルトユニット13の上面部には、クリーニング部45及び取り込みローラ46が配置されている。
クリーニング部45は、転写ベルト24の上面に当接して廃トナーを擦り取って除去し、取り込みローラ46はクリーニング部45が除去した廃トナーを引き継いで、図示を省略したベルトクリーナユニットの一時貯留部に溜め込み、その溜め込まれた廃トナーを搬送スクリューにより落下筒内を上部まで搬送し、落下筒を介して廃トナー回収容器29に送り込んでいる。
また、上記のクリーニング部45を適度の圧力で転写ベルト24に圧接させるために、中間転写ベルトユニット13側には、下方から転写ベルト24をクリーニング部45に向けて押圧する押圧ローラ47が設けられている。
図2及び図3に示すように、このプリンタ11は、従来の用紙に直接トナー像を転写する方式ではなく、待機搬送ローラ対35により二次転写部まで鉛直方向に搬送される用紙に転写ベルト24を介してトナー像を転写する方式となっている。
したがって、用紙の搬送路に発生する用紙ジャム等の不具合を回復するメンテナンス処理時には、図2の右側(図3では左側)を開放するのみで対処できるようになっている。
そして、用紙ジャム等の不具合はキット類の配設部では発生しないので、図2の左側(図3では右側)に集中するキット類などの消耗品の着脱の操作は、長手方向に入れ替え操作するだけの小さなスペースで良いように構成されている。
これにより、キット間の寸法は、可及的に縮小されており、装置本体全体の小型化が図られている。また、光書込ヘッド自体も小型化され、感光体ドラムに、より近接している構成となっている。
また、キット類などの消耗品の着脱を長手方向に入れ替える操作を前からも後からも出来るように、前には前扉、後には後扉が取り付けられている。
また、このプリンタ11(11a、11b)は、単体で、通常のプリンタのように記録媒体に対し通常の印刷が可能である。また、装置本体の上部面又は下部面にて、中間連結ユニット1に着脱自在に連結可能である。そして、中間連結ユニットに上下から2台のプリンタが連結されたときは、詳しくは後述するが種々の動作が可能である。
上記の中間連結ユニットに着脱自在に連結可能となるプリンタ(11a、11b)の構成ついて、再び図2及び図3を用いて更に説明する。
先ず、上述した待機搬送ローラ対35と、転写ベルト24及び従動ローラ26と二次転写ローラ36との対向部から成る二次転写部48と、ベルト式定着装置37の記録媒体搬入口49と、記録媒体排出口を形成する搬出ローラ対38とは、ほぼ鉛直方向に下から上に順次並設されて形成され、縦一本の記録媒体搬送路を形成している。
プリンタ11は、この記録媒体搬送路において、待機搬送ローラ対35の下方の給紙カセット31から記録媒体が給紙される給紙路に合流し、この合流部下方の給紙側端部が下方外部に開口する外部給紙経路51を備えている。
また、プリンタ11は、上記の記録媒体搬送路において、ベルト式定着装置37の記録媒体排出口を形成する搬出ローラ対38の上方で、排紙トレー39への記録媒体排紙路から分岐し、この分岐部上方の排紙側端部が上方外部に開口する外部排紙経路52を備えている。
この排紙トレー39への記録媒体排紙路から分岐する分岐部には、ヒンジ53を支点にして、実線位置(54)と破線位置(54´)とに回動するフラップ54が設けられている。
このような構成のプリンタ11の内部には、特には図示しないが、装置本体フレームの適宜な位置に、所定枚数の回路基盤を装着可能な電装部が配設されている。この電装部には複数の電子部品からなる制御装置が搭載された回路基盤が装着されている。
図4は、上記制御装置の回路構成を示すブロック図である。同図に示すように、この制御装置60は、インターフェイスコントローラ(以下、I/Fコントローラという)61と、このI/Fコントローラ61に接続するプリンタコントローラ(PR_CONT)62を備え、I/Fコントローラ61には、不図示のホストコンピュータが接続され、プリンタコントローラ62には、プリンタ印字部63が接続されている。
I/Fコントローラ61とプリンタコントローラ62には、CPU64が接続され、CPU64は、ROM65に格納されているシステムプログラムに従って、I/Fコントローラ61とプリンタコントローラ62を制御する。
I/Fコントローラ61は、ホストコンピュータから出力される印字情報に従って、用紙の1頁分に対応するパターンデータを作成する。このとき、I/Fコントローラ61で作成するパターンデータは、例えばマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)及び黒(K)の各色に対応する画像データである。
これら色毎のパターンデータはI/Fコントローラ61内に配設されるフレームメモリ66の色毎の各記憶領域66K、66M、66C、66Yに記憶される。
また、これらのパターンデータはCPU64の制御によりプリンタコントローラ62に出力され、黒(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の各トナー毎にプリンタ印字部63に出力される。
尚、CPU64には、図2及び図3には図示を省略した操作パネルが接続され、この操作パネルを介して外部からの各種操作信号がCPU64に入力する。
また、CPU64には、EEPROM67が接続されている。このEEPROM67には、例えば不図示の給紙センサによって検出された用紙サイズのデータや、両面印刷の指示とタイミングデータ、又は中間連結ユニット1に連結されているか否か、連結されているとすれば上連結か下連結かのデータ等が記憶される。
上記の構成において、プリンタ11が単体で在るときは、画像形成部12で形成され、転写ベルト24に一次転写されたモノクロ又はフルカラーのトナー像は、給紙部14の給紙カセット31から用紙取出ローラ32によって取り出され待機搬送ローラ対35を介して二次転写部48に搬送されてくる記録媒体に対して二次転写される。トナー像を二次転写された記録媒体は、ベルト式定着装置37でトナー像を紙面に定着される。
このとき(プリンタ11が単体で在るとき)、フラップ54は実線位置に回動している。これにより、トナー像を紙面に定着されてベルト式定着装置37から搬出ローラ対38を通って排出される記録媒体は、排紙ローラ対41方向へ案内され、画像記録済み面を下向きにして排紙トレー39へと排紙される。
このようにプリンタ11が単体で在るときは、通常のプリンタのように、モノクロ又はフルカラーの画像を、記録媒体に対し片面又は両面で印刷して、その記録媒体を、排紙トレー39へと排紙する。
図5を用いて実施例3に係る2台連結型画像形成装置の第1の動作態様を説明する。図5は、実施例2として示したプリンタ11(11a)を2台用いて、それら2台のプリンタ11(11a)を実施例1として示した中間連結ユニット1の上下に連結した態様を示している。
尚、図5には、視覚上の煩雑さを避けるため、2台のプリンタ11aについては画像形成部12と中間転写ベルトユニット13の図示を省略し、中間連結ユニット1については内部構成の図示を全て省略している。また、図5には、図1及び図2に示した構成と同一の構成部分には図1及び図2と同一の番号を、説明に必要な部分についてのみ付与して示している。
図5に示すように(図1及び図2も参照)、2台のプリンタ11aが中間連結ユニット1の上下に連結されたとき、下方のプリンタ11aは、フラップ54(図2参照)を破線位置54´に回動させて、ベルト式定着装置37から搬出ローラ対38を通って排出される記録媒体を、外部排紙経路52へ案内するように設定される。
この後、このプリンタ11aは、画像形成部12で形成したトナー像を中間転写ベルトユニット13に一次転写し、その一次転写したトナー像を、給紙カセット31から取り出された記録媒体に対し、二次転写部48において二次転写する。
そして、そのトナー像を二次転写された記録媒体を、ベルト式定着装置37でトナー像を紙面に定着した後、外部排紙経路52から中間連結ユニット1の外部給紙経路51へと排出する。
中間連結ユニット1へと排出された記録媒体は、中間連結ユニット1の第1の搬送経路A(図1参照)を介して、中間連結ユニット1の上方に連結されたプリンタ11aの外部給紙経路51から当該プリンタ11a内に搬入される。
中間連結ユニット1の上方に連結されたプリンタ11aは、フラップ54(図2参照)を実線位置に回動させて、ベルト式定着装置37から搬出ローラ対38を通って排出される記録媒体を、排紙トレー39へ案内するように設定されている。
また、中間連結ユニット1の上方に連結されたプリンタ11aの画像形成部12の画像形成ユニット16(16M、16C、16Y、16K)には、M、C、Y、Kの色のトナーに代えて、例えば中間色のライトマゼンタやライトシアン、不可視光の紫外線や赤外線に反応して発色するトナー、圧着葉書用の接着剤トナー等が、用途に応じて収容されている。
中間連結ユニット1の上方に連結されたプリンタ11aは、階調の高い高画質の画像を形成するときは、中間色のライトマゼンタやライトシアンの画像を画像形成部12で形成して、この画像を中間転写ベルトユニット13に転写する。
また、特殊効果のある画像を形成するときは、紫外線や赤外線に反応して発色するトナーの画像を画像形成部12で形成し、圧着葉書やセキュリティーが要求される印刷を行うときは接着剤トナーの画像等を画像形成部12で形成し、これらの画像を中間転写ベルトユニット13に転写する。
そして中間連結ユニット1の上方に連結されたプリンタ11aに搬入された記録媒体は、下方に連結されたプリンタ11aで形成され定着された中間階調が未完成な画像、又は通常印刷の画像の上に、上方に連結されたプリンタ11aにおいて、上記の中間色のトナーや不可視光に反応して発色するトナー、又は接着剤トナー等を二次転写部48で二次転写され、ベルト式定着装置で定着されて、排紙トレー39に排出される。
再び図5を用いて実施例4に係る2台連結型画像形成装置の第2の動作態様を説明する。この第2の動作態様では、下方に連結されたプリンタ11aで形成され定着された画像を、上方に連結されたプリンタ11aにおいて、トナー等の二次転写を行わず、単にベルト式定着装置37で再度の定着を行うようにする。これを「光沢モード」という。
このように光沢モードにおいて再定着を行うと、下方に連結されたプリンタ11aで形成され定着されたトナー画像は、再度の熱と圧力を加えられることにより、光沢を持つようになる。
プリンタ11には両面印刷機構(図2の両面印刷用搬送ユニット15参照)が備わっているので、この両面印刷機構を用いると、1台のプリンタ11でも光沢モードの再定着を行うことができるが、その方法では最初の定着後の用紙を両面印刷機構に通して搬送する分だけ時間がかかる。
しかし、本例の第1の態様の2台連結型画像形成装置を用いて上記のように光沢モードの再定着を行うと、用紙の搬送は第1の搬送経路Aを直進させるだけなので極めて高速に光沢画像が得られる。
図6は、上記の上下2台連結の構成において、光沢モードと通常モードで印刷した色空間グラフである。YMC、GRBの各色とも通常モードよりも光沢モードのほうが色空間が広くなっている。
尚、実測によれば、通常モードよりも光沢モードのほうが濃度が高くなるが、光沢モード時に画像処理のディザ処理部のしきい値を適宜に階調補正することにより、同じ濃度を確保することが可能である。
また、光沢モードにおいてRGB→CMYK変換に用いるLUT(Look Up Table)を、光沢モードの色空間に合わせた設定にすると、通常モードよりもメリハリのある階調表現が可能である。
ここで、三度、図5を用いて実施例5に係る2台連結型画像形成装置の第3の動作態様を説明する。この第3の動作態様では、中間連結ユニット1の給紙カセット6に、用紙Pに代えて、下方に連結されたプリンタ11aで使用する用紙と同じサイズの、ラミネートフィルムを収納しておく。
下方に連結されたプリンタ11aで形成された画像を定着された用紙が、第1の搬送経路Aを直進して、中間連結ユニット1を通過する際に、給紙カセット6の給紙コロ10(図1参照)が、ラミネートフィルムを1枚取り出して、画像を定着された用紙面に沿えて送り出し、搬送ローラ対3a及び3bがラミネートフィルムと用紙を重ねて挟持し、搬送する。
下方に連結されたプリンタ11aで形成された画像を定着された用紙に対し、上方に連結されたプリンタ11aは、「光沢モード」のときと同様に、トナー等の二次転写を行わず、単にベルト式定着装置37で定着のみを行うようにする。
これにより、用紙の画像形成面に重ねられて用紙と共にベルト式定着装置37を通過するラミネートフィルムが、ベルト式定着装置37により加えられる熱と圧力で画像面に溶着固定されて貼り付けられ、画像形成された上にラミネート被覆された印刷物が出来上がる。尚、上方に連結されたプリンタ11aのベルト式定着装置37は、ラミネート処理に適した温度に設定保持されている。
また、用紙の両面にラミネート加工するときは、上記に続いて、片面ラミネート加工の終了した用紙を、両面印刷用搬送ユニット15により反転搬送させる。そして、この反転搬送される用紙に同期して、中間連結ユニット1の用紙カセット6から、再度ラミネートフィルムを給紙する。
給紙されたラミネートフィルムは、上方に連結されたプリンタ11aのベルト式定着装置37に搬送される途中で、両面印刷用搬送ユニット15から出てきた反転用紙に重ね合わせられ、ベルト式定着装置37で再度熱と圧力を加えられて用紙裏面にラミネートフィルムを貼り付けられる。表裏両面のラミネート加工処理が完了した用紙は、上のプリンタ11aの排紙トレー39上に排紙される。
ラミネートフィルムが透明の場合は高い光沢画像の紙面からなる印刷物を作成することができる。また、ラミネートフィルムを不透明のフィルムとした場合は、秘密文書等の印刷物を作成することができる。
従来、ラミネート加工装置はラミネート専用であって原稿印刷機能はなく、このためラミネート加工をするに際しては、別途プリンタ等を使用して、ラミネート加工する原稿を予め用意しておき、これをラミネートフィルムに挟んだ後、ラミネート加工装置によりラミネートフィルムを原稿に熱溶着させることで密着固定させる方式が一般的であった。
本例の方式を用いれば、原稿印刷とラミネート加工の処理を1台の装置で同時に実施することができるので便利である。
図7を用いて実施例6に係る2台連結型画像形成装置の第4の動作態様を説明する。図7は、実施例2として示したプリンタ11(11a)を2台用いて、それら2台のプリンタ11(11a)を、実施例1として示した中間連結ユニット1の上下に連結した態様を示している。
尚、図7の場合も、視覚上の煩雑さを避けるため、プリンタ11aについては画像形成部12と中間転写ベルトユニット13の図示を省略し、中間連結ユニット1については内部構成の図示を省略している。
また、図7には、図1及び図2に示した構成と同一の構成部分には図1及び図2と同一の番号を、説明に必要な部分についてのみ付与して示している。
本例において、2台のプリンタ11a及び11aは、あたかも中間連結ユニット1が無いかのごとく、それぞれ個別に独立した印刷を行って、全体としての印刷速度を倍化する。処理動作そのものは通常の処理動作であるので装置各部の負荷は通常の印刷時と同様であり、したがって、装置各部の保全(高速化に対処する保全対策等)に対する特別な配慮は必要ない。
全体としての印刷速度の倍化は、例えば100部というように部数の多い書類の印刷には、上下2台のプリンタ11aが、それぞれ50部ずつ通常速度で印刷する。また、1部のみの印刷であっても、例えば300頁というように頁数の多い書類の印刷では、上のプリンタ11aで1頁〜150頁を印刷し、下のプリンタ11aで151頁〜300頁を印刷する、というように上下のプリンタ11aで、印刷を分担する。
印刷内容が複数種類であって、それぞれ複数部数の印刷が必要な場合も、種類別の印刷を2台で分担する方法で、上記と同様に全体としての印刷速度を向上させることが容易にできる。
ただし、本例の場合、2台のプリンタ11a及び11aは、あたかも中間連結ユニット1が無いかのごとく個別に独立した印刷を行うが、中間連結ユニット1が全く無用というわけではない。
特に下方のプリンタ1aには、記録媒体の排紙方法が2通りある。一つの方法は、通常に排紙トレー39に排紙する場合であり、その場合は、排紙トレー39の後方(図の左方)に排紙される記録媒体が積載される空間が必要となるので、上方に連結されている中間連結ユニット1の給紙カセット6を予め取り外しおく。
給紙カセット6は中間連結ユニット1の下面に対し、下又は前後方向から着脱自在に装着されるように構成されているので、この給紙カセット6が取り外されたときは、その取り外された中間連結ユニット1の内部の空間が下方のプリンタ11aの排出トレー39の上方空間部を形成する。
これにより、中間連結ユニット1の下方に連結されたプリンタ11aが、独立に印刷処理を行う場合でも、排紙トレー39に十分な空間部ができ、矢印fで示すように排出トレー39上に排紙しても、空間部不足による排紙時の不便が解消する。なお、中間連結ユニット1の上方に連結されたプリンタ11aの場合は、排紙トレー39の後部上方には十分な自由空間があるので、排紙トレー39上の空間部不足の心配はない。
下方のプリンタ1aにおける記録媒体の排紙方法の他の方法は、フラップ54を図2の破線位置54´に回動させて、外部排紙経路52に排紙路を形成し、図1で説明した中間連結ユニット1の第3の搬送経路Cにより、中間連結ユニット1内部の排紙トレー5に排紙する方法である。この場合は、給紙カセット6を取り外す手間が省ける。
ところで、倍速印刷実現のために上記のように、2台で分担して印刷するまでは良いが印刷終了時は、上下の排紙トレー39又は5から、印刷済みの記録媒体を取り出して、それぞれ仕分け又は統合する手数を掛ける必要がある。
このような分担印刷した印刷済み記録媒体を仕分け又は統合する手数を省く印刷方法について、実施例7として以下に説明する。
図8は、実施例7における分担印刷した印刷済み記録媒体を一括して排紙トレー上に積載する方法を示す図である。尚、同図は印刷済み記録媒体の搬送経路の動きのみを示し、その他の構成部分は簡略に省略して示している。
図8に示すように、本例では、中間連結ユニット1の上に更に第2の中間連結ユニット68が配設される(以下、今までの中間連結ユニット1を第1の中間連結ユニット1ということにする)。
第2の中間連結ユニット68は、上方のプリンタ11aの図8では図示を省略している排紙トレー39に排紙された記録媒体を、その搬送を更に継続して、図8の左方に示す第4の搬送経路Dに示すように記録媒体を下方に案内する案内路69を備えている。
これにより、上方のプリンタ11aで画像転写面を下向きにして排紙トレー39に排紙された記録媒体Pの下向きの画像転写面は、案内路69を通過するときは図の右向きとなっており、第1の中間連結ユニット1の排紙トレー5に積載されるときは、上向きとなっている。
他方、下方のプリンタ11aで画像転写面を左向きにして外部排紙経路52から排紙され第1の中間連結ユニット1の搬入口2から第1の中間連結ユニット1内に搬入された記録媒体Pの左向きの画像転写面は、第2の搬送経路Bを通過中には下向きとなっており、排出口4bを出てから、第2の中間連結ユニット68側に配置されている不図示の案内部材によって方向B´に方向を変えられて、排紙トレー5に積載されるときは、上向きとなっている。
これにより、片面印刷の場合は勿論、両面印刷の場合でも、上下2台のプリンタ11aで分担して印刷した書類を、画像転写面を上下同一向きに揃えて一括して排紙トレー5に積載することができる。
また、ページ合わせにおいも、上下のプリンタ11aで、片面の場合は、奇数頁と偶数頁ごとに分担して交互に排紙トレー5に積載する。また、両面印字の場合は2頁置きに印刷分担して、交互に排紙トレー5に積載する。
これにより、上下2台のプリンタ11aで分担して印刷した書類を、頁合わせをした状態で一括して排紙トレー5に積載することができる。
ところで、上述したプリンタ11(11a、11b)は単体でも、通常の印刷(モノクロ、フルカラー、片面、両面)ができることは前述したが、第1の中間連結ユニット1(以下、単に中間連結ユニット1の表現に戻す)の上下に組み付ける形態によっては、両面印刷を高速に、つまり用紙反転機構のキックバック動作を伴うことなく実行することができる。
図9は、実施例8に係る両面印刷を高速に行う中間連結ユニット1とプリンタ11(11a、11b)との組み合わせの形態を示す図である。尚、同図も視覚上の煩雑さを避けるため、プリンタ11aについては画像形成部12と中間転写ベルトユニット13の図示を省略し、中間連結ユニット1については内部構成の図示を全て省略している。
また、図9には、図1、図2及び図3に示した構成と同一の構成部分には図1、図2及び図3と同一の番号を、説明に必要な部分についてのみ付与して示している。
本例においては、2台のプリンタがそれぞれ向きを変えて中間連結ユニット1の上下に連結される。すなわち、図9に示すように、中間連結ユニット1の下に図2に示した向きのプリンタ11aが連結され、中間連結ユニット1の上に図3に示した向きのプリンタ11bが連結される。
本例において、下方のプリンタ11aは、フラップ54(図2参照)を破線位置54´に回動させて、ベルト式定着装置37から搬出ローラ対38を通って排出される記録媒体を、外部排紙経路52へ案内するように設定される。
この後、この下方のプリンタ11aは、画像形成部12で形成したトナー像を中間転写ベルトユニット13に一次転写し、その一次転写したトナー像を、給紙カセット31から取り出された記録媒体に対し、二次転写部48において二次転写する。
そして、そのトナー像を二次転写された記録媒体を、ベルト式定着装置37でトナー像を紙面に定着した後、外部排紙経路52から中間連結ユニット1の外部給紙経路51へと排出する。
中間連結ユニット1へと排出された記録媒体は、中間連結ユニット1の第2の搬送経路B(図1参照)を介して、中間連結ユニット1の上方に連結されたプリンタ11bの外部給紙経路51からプリンタ11b内に搬入される。
このとき、記録媒体Pの画像転写面は、下方のプリンタ11aから排出されるときは左向きであり、中間連結ユニット1の第2の搬送経路Bを通過中は下向きであり、上方のプリンタ11bに外部給紙経路51から搬入されるときは、再び左向きとなっている。
すなわち、上方のプリンタ11bに搬入された記録媒体Pの画像形成済みの面は図9では左側を向いている。したがって、右側は未だ画像が形成されていない面である。一方、いま記録媒体Pが搬入された上方のプリンタ11bは、下方のプリンタ11aとは二次転写部48の配置向きが反対向きとなっている。
この配置により、上方のプリンタ11bに搬入された記録媒体Pの未だ画像が形成されていない右向きの面に、プリンタ11bの二次転写部48によってトナー像が二次転写され、ベルト式定着装置37でトナー像を紙面に定着され、排紙ローラ対41により、排紙トレー39へと排紙される。
このように、本例によれば、用紙反転機構のキックバック動作を伴うことなく、単に中間連結ユニット1の第2の搬送経路Bを通過させるだけで両面印刷ができる。
この第2の搬送経路Bを通過させる時間は、最初の一枚の印字のときには、印刷時間に加算される経過時間となるが、二枚目以降は、印刷が連続して行われるので第2の搬送経路Bを通過させる時間は印刷の経過時間に関係がなく、通常の片面印刷と同じ処理速度で連続して両面印刷済みの記録媒体Pが上方のプリンタ11bの排紙トレー39上に排出される。
ところで、上下のプリンタ11a及び11bは、それぞれベルト式定着装置37を備えており、このベルト式定着装置37には加熱ローラを加圧ローラが備えられている。近年加熱ローラには、画像形成の高速化に対処するため、また印字開始可能までの時間を短縮するために、複数のヒータを組み合わせて使用する場合が多い。
図10は、加熱ローラのヒータ構成を模式的に示す図である。同図に示すように、加熱ローラ71に配設される複数のヒータ72、73(73a、73b)は、加熱ローラ71の長手方向に分割された加熱領域に対応して配置されている。以下の説明では、中央部のヒータ72を第1のヒータ72といい、両端部のヒータ73(73a、73b)を第2のヒータ73という。
第1のヒータ72及び第2のヒータ73は、それぞれ加熱ローラ71を所定の一定温度に保つため、必要に応じて選択的に通電(以下、点灯という)と通電遮断(以下、消灯という)が出来る構造となっている。
通常、印字時は、定着装置を印刷用紙が通過することで用紙幅部分の温度低下が発生するため、第1のヒータ72の点灯頻度が多い。そして、待機時には、加熱ローラ71の両端部は、中央部よりも熱の放散が早いので、両端部の温度低下を補うために、第2のヒータ73の点灯頻度が高くなる傾向にある。
いずれにしても、加熱ローラ71の中央部及び両端部の温度低下を補うために、第1のヒータ72と第2のヒータ73は、それぞれ独立に、点灯を消灯を繰り返している。そして点灯時期が重なるときもあれば、別々になるときもある。
本来は、上下のプリンタ11a、11a(又は11b)は、個別に加熱ローラ71の第1のヒータ72及び第2のヒータ73の制御を行っているが、ヒータの消費電力は大きいので、上下のプリンタ11a、11a(又は11b)の全てのヒータが同時に点灯するとシステム内を流れる電流が過電流となる恐れがある。
そこで、本例では、上下に配置された2台のプリンタ11a、11a(又は11b、以下、下に連結されるプリンタ11aを印字装置A74として示し、上に連結されるプリンタ11a又は11bを印字装置B75として示す)のヒータ制御を、印字装置A74とB75それぞれが個別に行うのではなく、一つのヒータ制御部で行うようにする。
図11は、本例において、印字装置A74とB75のベルト式定着装置37における加熱ローラ71の複数のヒータを1つの制御部で制御するヒータ制御ブロック図である。同図において、印字装置A74のベルト式定着装置37(以下、定着装置A76として示す)と、印字装置B75のベルト式定着装置37(以下、定着装置B77として示す)の各温度情報は、それぞれのエンジン制御部A78及びB79に送られる。
ここで、本例においては、各印字装置A74及びB75が個別にヒータを制御するのではなく、印字装置A74内にあるヒータ制御部80のみが、2台の印字装置A74とB75の複数のヒータ(第1のヒータ72、第2のヒータ73)を制御する。
印字装置A74及びB75が中間連結ユニット1を介して上下に連結されると、上の印字装置B75のエンジン制御部B79と定着装置B77は、ハーネス81を介して下の印字装置A74のヒータ制御部80に接続される。これにより印字装置A74のヒータ制御部80による2台の印字装置A74とB75の複数のヒータの一括制御が可能になる。
前述の通り、定着装置A76及びB77の加熱ローラ71にそれぞれ内蔵される第1のヒータ72及び第2のヒータ73は、それぞれの印字装置A74及びB75の動作状況によって、点灯・消灯の頻度が異なる。
そこで、本例においては、点灯頻度の同じヒータをグループ化する。すなわち、図10に示したヒータ構成の例では、加熱ローラ71内には、加熱領域の異なる2本のヒータ(第1のヒータ72、第2のヒータ73)がある。
本例では、印字装置A74の第1のヒータ72と印字装置B75の第1のヒータ72を1つのグループ(第1のグループ)とし、印字装置A74の第2のヒータ73と印字装置B75の第2のヒータ73を他の1つのグループ(第2のグループ)とする。そして、これら各グループのヒータの点灯制御は、印字装置A74内のヒータ制御部80により一括して行われる。
図12は、印字装置A74内のヒータ制御部80による点灯制御の例を示す図である。同図に示すように、第1のグループのヒータと、第2のグループのヒータとは、同時に点灯しないように制御される。
尚、印字装置A74及びB7内には、それぞれ図11に示すヒータ制御部80が内蔵されているが、中間連結ユニット1により上下に連結配置された場合は、連結に応じて定着装置A76及びB77の複数のヒータ(第1のヒータ72、第2のヒータ73)を制御可能な機能を有しており、連結配置されたことを検知し単独制御から上述した複数のグループ制御方式へと自動的に変更可能に構成されている。
このように、本例においては、上下2台のプリンタの定着装置の複数のヒータを点灯頻度に応じてグループに分け、グループごとに点灯制御することにより、省電力化を図ることができる。
ところで、上下に連結された印字装置A74及びB75のようなプリンタは、一般に、定着装置、電源、制御基板、モータ等の冷却のために複数の空冷用ファンを備えている。複数の空冷用ファンは、それぞれ印字装置A74又はB75の動作モードに適した回転制御がされている。
しかし、中間連結ユニット1によって上下方向に垂直配置された2台の印字装置A74及びB75の複数のファンが同時に使用されると、ファンの動作音がうるさいという問題が生じるおそれがある。
そこで、本例においては、上下で同一位置のファンの同時作動を禁止して、複数のファンを必要に応じて効率よく最小限に稼動させ、静音化と省電力化を図ることとする。
図13は、実施例10に係る2台連結型画像形成装置の複数の空冷用ファンの駆動を制御するファン制御ブロック図である。同図において、第1のファンA85及び第1のファンB82は、それぞれ定着装置を冷却するファンである。また、第2のファンA86及び第2のファンB83は、それぞれ電源を冷却するファンである。また、第3のファンA87及び第3のファンB84は、それぞれその他の部分を冷却するファンである。
同図において、印字装置A74及びB75がそれぞれ独立した単体で在るときは、それぞれのエンジン制御部A78又はB79が独立して、それぞれの印字装置A74又はB75の状態に応じて、複数の空冷用ファンの駆動をON/OFF制御する。なお、上記のファンで冷却される各部は、破線で示す仕切り88、89、91、及び92で示すように、印字装置内で仕切られている。
上述した仕切り88、89、91、及び92で仕切られている各部において、上下の同一位置にある各部は、図の両方向矢印g、h及びiで示すように、空間的に連通するように、中間連結ユニット1を介して連結されている。
上記のように上下2台連結の構成で各印字装置が独立して空冷用ファンの駆動制御を行ったのでは、6個全てのファンがON状態となることがあり得るので、そうするとファンの騒音がうるさい。
しかし、本例においては、印字装置A74及びB75が中間連結ユニット1を介して上下に連結されたとき、上下のエンジン制御部B79とエンジン制御部A78を、ハーネス93で接続し、相互に連携をとりながら、上下で同一位置のファンの同時作動を禁止するように制御する。
尚、本例においては、エンジン制御部A78とB79で通信することにより、上と下の定着装置A76とB77のヒータ(第1のヒータ72又は第2のヒータ73)が同時に点灯しないように制御されていることとする。また、中間連結ユニット1を介して、それぞれの仕切りごとに空気の流通が確保されていることとする。
例えば第1のファンA85がONで、第1のファンB82がOFFのときは、印字装置A74の定着装置の冷却はもちろんのこと、印字装置B75側からの引き込み(矢印下方向の空気の流れ)が行われるので印字装置B75側の定着装置の冷却も行われる。
第1のファンA85及び第1のファンB82は、前述の通り定着装置を冷却を目的としているので、定着装置のヒータがONしている側の印字装置のファンをON、定着装置のヒータがOFFしている側の印字装置のファンをOFFにする。
このように、定着装置のヒータのON/OFFとファンのON/OFF制御を同期させることにより、定着装置の冷却の効率化を図り、ファンの同時動作を最小限に抑えることにより、静音化と省電力化が実現する。
また、第2のファンA86と第2のファンB83は、電源の冷却を目的としている。電源の発熱量はヒータがONしているときに増えるので、第2のファンA86と第2のファンB83のうち、ヒータONの印字装置側のファンをON、ヒータOFFの印字装置側のファンをOFFする。
これにより、冷却する必要がある側の電源がより効率よく冷やされ、且つ、他方の電源も冷却することができる。この場合も、ファンの同時動作を最小限に抑えて、静音化と省電力化を実現している。
また、第3のファンA87と第3のファンB84は、冷却の必要性がヒータのON/OFFとは同期しないが、本例では、ファンの動作音を上下に分散させるために、ヒータOFF側のファンをONとするように制御する。また、ヒータが同時OFFの場合は前の状態を引き継ぐこととする。
図14(a),(b) は、上記複数の空冷用ファンの駆動を制御する制御パターンの例を示す図である。同図(a) は上に連結されている印字装置75の第1のファンB82、第2のファンB83、及び第3のファンB84の制御パターンを示すタイミングチャートである。
そして、同図(b) は、同図(a) の制御パターンに同期して制御される下に連結されている印字装置74の第1のファンA85、第2のファンA86、及び第3のファンA87の制御パターンを示すタイミングチャートである。
同図(a),(b) を比較して分かるように、第1のファンB82が停止しているときは第1のファンA85が駆動され、第1のファンB82が駆動されているときは第1のファンA85は停止している。
同様に、第2のファンB83が駆動されているときは第2のファンA86は停止しており、第2のファンB83が停止しているときは第2のファンA86が駆動されている。そして、同様に、第3のファンB84が停止しているときは第3のファンA87が駆動され、第3のファンB84が駆動されているときは第3のファンA87は停止している。
このように、本例では、 中間転写ユニットにより上下2段に配置された印字装置に内蔵される複数のファンをその役割ごとにグループ化し、発熱体の状態に応じて最小限の稼動を行うので、印字装置A74及びB75が、それぞれ独立した状態でファンの制御を行った場合の半分のファンの稼動で、同等の冷却効果を得ることができ、且つ静音化と省電力化が実現する。