JP5272289B2 - スクリーン印刷装置 - Google Patents

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本発明は、ドットマトリクス型画像表示パネルの製造に用いられるスクリーン印刷装置に関する。
従来、画像表示パネルの製造工程においては、所定のパターンの各種機能膜を少ない工数で積層形成するために、生産性に優れたスクリーン印刷装置がよく用いられている。
その一例として、特許文献1に示されるように、液晶表示パネルの製造工程において、一対の基板を接合すると共にこれら基板間に液晶を封入するための枠状シール材を形成するのに、スクリーン印刷装置が用いられている。
特開2006−17835号公報
然るに、多数の画素がマトリクス配置で形成されているドットマトリクス型の液晶表示パネルの製造工程において、枠状シール材の形成にスクリーン印刷装置を用いる場合、画素領域内に表示不良の原因となる欠陥を生じさせることなく枠状シール材を形成することが難しい。
何故なら、スクリーン印刷装置では、通常、経糸と緯糸を編組してなるスクリーンメッシュ版を用いるが、このスクリーンメッシュ版では経糸と緯糸の交差部が凸部となり、その凸部が枠状シール材をスクリーン印刷する際に画素領域内の配向膜面に当接するからである。ドットマトリクス型液晶表示パネルにおいては、表示エリア内に画素がマトリクス配置で高密度に配設されており、上述した経糸と緯糸とが交差する凸部が画素領域内の配向膜面により当接し易い。
本発明の目的は、ドットマトリクス型画像表示パネルの製造に用いるスクリーン印刷装置であって、マトリクス配置の画素領域内にスクリーンメッシュ版の凸部に起因し表示不良の原因となる欠陥を生じさせることなくスクリーン印刷を実施できる装置、を提供することである。
本発明のスクリーン印刷装置は、複数の画素が、第1の方向にピッチp1 で、前記第1の方向に直交する第2の方向にピッチp2 で、マトリクス配置されてなり、互いに隣接する前記画素同士の間に間隙が設けられた画像表示パネルの製造に用いるスクリーン印刷装置であって、経糸と緯糸を互いに直交方向に編組してなるスクリーンメッシュ版の経糸または緯糸の少なくとも何れか一方の編組ピッチを前記画素のピッチp1 又はピッチp2 の何れか一方に実質的に一致させ、前記スクリーンメッシュ版の前記経糸と前記緯糸との交差位置を、前記第1の方向に延びる前記間隙と前記第2の方向に延びる前記間隙との交差部に重ねたことを特徴とするものである。
本発明のスクリーン印刷装置によれば、スクリーンメッシュ版の経糸又は緯糸の少なくとも一方の編組ピッチをマトリクス配置された画素の対応する配設ピッチに実質的に一致させたから、経糸と緯糸が交差する凸部が画素領域内の表示に関与する機能膜に当接して表示不良の原因となる欠陥を生じさせる不具合を確実に回避できる。
本発明のスクリーン印刷装置は、画像表示パネルが、電極とこの電極を覆う配向膜がそれぞれ設けられた一対の電極基板をそれぞれの電極形成面を対向させて枠状シール材により接合し、枠状シール材で囲まれた前記一対の基板間に液晶を封入してなる液晶表示パネルであり、スクリーンメッシュ版が、一方の電極基板の電極とこの電極を覆う配向膜が設けられた表面に前記枠状シール材をスクリーン印刷により形成するための印刷版である場合に有効に適用され、これにより、スクリーンメッシュ版の凸部が画素領域内の配向膜に当接して液晶分子の配向を乱す欠陥点を発生させる不具合が解消され、前記欠陥点に起因する表示不良の発生が防止された高表示品質のドットマトリクス型液晶表示パネルを生産性良く製造することができる。
そして、上述のドットマトリクス型液晶表示パネルの製造に用いるスクリーン印刷装置は、一方の電極基板に複数のストライプ状走査電極が配設ピッチp1 で互いに平行に延在形成され、他方の電極基板にストライプ状表示電極が配設ピッチp2 で互いに平行に延在形成されてなる単純マトリクス型液晶表示パネルにおける枠状シール材の製造に用いられる場合に、前記スクリーンメッシュ版の経糸又は緯糸のうちの何れか一方が前記ピッチp1 で編まれ他方が前記ピッチp2 で編まれていることが好ましく、これにより、スクリーン印刷装置による表示不良の原因となる欠陥点の発生が確実に回避された高表示品質の単純マトリクス型液晶表示パネルを、生産性良く製造することができる。
図1は本発明の一実施形態としてのスクリーン印刷装置を用いて製造する液晶表示パネルを示した模式的断面図で、図2(a)〜(c)はそれぞれ画素の配置構成を示す各説明図、図3(a)はシール材印刷工程を示す説明図、図3(b)は前記スクリーン印刷装置におけるスクリーンメッシュ版を示す平面図、図4(a)はスクリーンメッシュ版の詳細構成を示した部分拡大平面図、図4(b)はそのB−B線断面図である。
まず、本実施形態のスクリーン印刷装置を用いて製造される液晶表示パネルについて説明する。図1において、一対の矩形をなす透明ガラス基板1、2が所定の間隙を保って枠状シール材3により接合されている。これら一対のガラス基板1、2のうちの表示の観察側に位置させる前ガラス基板1の後ガラス基板2との対向面(以下、内面という)には、複数のストライプ状の走査電極4が所定のピッチで平行に延在形成されている。そして、これら走査電極4を覆って前ガラス基板1内面のシール材3で囲まれた略全域にわたり前配向膜5が一様に被着されている。この前配向膜5には、ラビング法によって所定の方向に配向処理が施されている。
他方の後ガラス基板2の内面には、複数のストライプ状の表示電極6が上記走査電極4に直交する方向に所定のピッチで平行に延在形成されている。これら表示電極6にも前配向膜5と同様の後配向膜7が被覆されている。この後配向膜7には、対向する前側配向膜5に施された配向処理とは異なる所定の方向に配向処理が施されている。
上述のように構成された液晶セルの内部、即ち一対の前後各ガラス基板1、2の対向する各内面と枠状シール材3で囲まれた領域には、ネマティック液晶がツイスト配向した状態で封入されている。すなわち、ネマティック液晶の液晶分子が後ガラス基板2から前ガラス基板1に向けて250°±10°の角度にわたり捩れ配列し、ツイステッドネマチック液晶層8が形成されている。なお、前ガラス基板1の外面には、2枚の位相差板9、10及び前偏光板11が順次積層されている。一方、後ガラス基板2の外面には、後偏光板12が設置されている。
ここで、上述した表示電極6と走査電極4の交差対向部に形成される画素の配列について、図2(a)〜(c)に基づき説明する。図2(a)に示されるように、前ガラス基板1上には、幅w4 が191μmのストライプ状走査電極4が201μmのピッチp1 で基板長手辺に平行なX方向に沿って互いに平行に延在形成されている。したがって、隣設された走査電極4間の間隔d4 は、10μmである。
一方、図2(b)に示されるように、後ガラス基板2上には、幅w6 が57μmのストライプ状表示電極6が67μmのピッチp2 で前記X方向と直交するY方向に沿って互いに平行に延在形成されている。したがって、隣設された表示電極6間の間隔d6 は、10μmである。
上記前、後ガラス基板1、2を枠状シール材3(図1参照)を介し接合して得られる液晶セルにおいては、走査電極4と表示電極6の交差対向部に画素が形成される。従って、本実施形態の液晶表示パネルにおいては、図2(c)に示されるように、57μm×191μmの大きさの矩形状画素46が、X方向に沿って配設ピッチp2 つまり67μmピッチで、Y方向に沿って配設ピッチp1 つまり201μmピッチで、ドットマトリクス配列で配設されている。
次に、上述の液晶表示パネルの製造工程におけるスクリーン印刷による枠状シール材の形成方法とそのスクリーン印刷装置について、図3(a)、(b)及び図4(a)、(b)に基づき説明する。
まず、図3(a)に示されるように、作業台20上の所定位置に、前、後ガラス基板1、2のうちの何れか一方の例えば前ガラス基板1に走査電極4と配向膜5を形成したワーク(以下、前ガラス基板ワークという)21を、図示しない画像認識による位置決め機構により正確に位置決めして載置する。この場合、前ガラス基板ワーク21をその配向膜5形成面を表にして載置する。
次いで、スクリーンメッシュ版22を上記前ガラス基板ワーク21上に、同様に図示しない画像認識による位置決め機構により正確に位置決めして配置する。本発明に係わるスクリーンメッシュ版22は、次のように構成されている。
図3(b)に示されるように、本実施形態のスクリーンメッシュ版22は、矩形枠状のフレーム221にスクリーンメッシュ222が弛み無く張設されてなる。スクリーンメッシュには、大別して、シルクスクリーンメッシュ、ナイロンやテトロン等の合成繊維メッシュ、及びステンレスメッシュがあるが、本実施形態では精密印刷に適したステンレスメッシュを用いる。
ステンレス製スクリーンメッシュ222は、図4(a)に示されるように、矩形をなすスクリーンメッシュ版22の長手辺に平行なX方向に平行に延在する緯糸222aとこれに直交するY方向に延在する経糸222bとが互いに織り込まれて成る。これら緯糸222aと経糸222bは、共に直径が15μm程度のステンレス線材からなる。
ここで、緯糸222aの配設ピッチpa と経糸222bの配設ピッチpb は、それぞれ、前述した画素46(図2(c)参照)を形成する走査電極4の配ピッチp1 と表示電極6の配ピッチp2 に実質的に一致させてある。すなわち、緯糸222aの配設ピッチpa が201μmに、経糸222bの配設ピッチpb が67μmに、それぞれ設定されている。
図3(b)に戻って、このステンレス製スクリーンメッシュ222には、塗布形成すべき枠状シール材3(図1参照)に対応する塗布パターン2221を除いて、乳剤(不図示)が被着されている。これにより、塗布パターン2221以外のエリアのスクリーンメッシュ222の網目が乳剤で閉じられている。
図3(a)において、上述のように構成されたスクリーンメッシュ版22を、作業台20上に正確に位置決めしてセットされている前ガラス基板ワーク21上に配置する。このとき、スクリーンメッシュ版22は、緯糸222aが対応する隣接する走査電極4間の間隙44(図2(c)参照)に位置する所定の配置に、図示しない画像認識による位置決め機構により正確に位置決めされる。
次に、スクリーンメッシュ222上に例えばエポキシ樹脂等からなる枠状シール材料液23を供給し、スキージ24をスクリーンメッシュ222に圧接させつつ矢印24a方向に摺動させる。これにより、前ガラス基板1の周辺に沿った所定位置に正確に枠状シール材3(図1参照)が塗布形成される。
上述のようにして枠状シール材が形成された前ガラス基板1の配向膜5の表面には、図5に示されるように、凹点51が格子の目状に規則的に発生している。配向膜5表面に生じたそれら凹点51は、液晶分子の配向を乱し表示不良を引き起こす原因となる欠陥点である。
それら凹点51は、スクリーンメッシュ222にスキージ224を圧接摺動させた際にスクリーンメッシュ222表面の凸部が配向膜5表面に圧接されることにより生じる。図4(b)に示されるように、スクリーンメッシュ222表面の凸部2222は、緯糸222aと経糸222bが交差する位置に発生する。したがって、スクリーンメッシュ版22が前ガラス基板ワーク21に対して上述した所定の配置、つまり、隣接する走査電極4間の間隙44に緯糸222aが位置する配置、に位置決めされていることにより、配向膜5表面に発生する凹点51は、隣接する走査電極4間の間隙44上に経糸222bの配設ピッチpb で等間隔に発生する。
次に、上述のように走査電極4を覆う配向膜5表面に枠状シール材3がスクリーン印刷により形成された前ガラス基板1に、表示電極6とこれらを覆う配向膜7が被着された後ガラス基板2を、所定の配置に正確に位置決めしつつ熱圧着接合し、液晶セルを形成する。このときの後ガラス基板2の前ガラス基板1に対する配置は、各表示電極6が凹点51間に位置する配置に設定されている。
このようにして形成された液晶セルにおいては、図5に示されるように、配向膜5の表面に格子目状に生じる凹点51が、マトリクス配列に形成される矩形画素46間のX方向に延びる間隙44とY方向に延びる間隙66との交差部に位置している。したがって、凹点51により液晶分子の配向が乱された配向不良は画素46間の非表示エリアに選択的に発生するから、スクリーンメッシュ版22の凸部に起因した表示不良を引き起こすことはない。
以上のように、本実施形態のスクリーン印刷装置によれば、スクリーンメッシュ222を編組する緯糸222aと経糸222bの各配設ピッチpa 、pb を、それぞれ、走査電極4の配設ピッチp1 と表示電極6の配設ピッチp2 に実質的に一致させたから、スクリーンメッシュ222の緯糸222aと経糸222bとの交差位置に生じる凸部2222がスクリーン印刷時に配向膜5の表面に圧接されることにより生じる凹点51を、直交する間隙44、66の交差部に選択的に発生させることができ、これにより、凹点51により液晶分子の配向が乱された配向欠陥に起因する表示不良をマトリクス配置された画素46間の非表示エリアに選択的に発生させることが可能となる。
次に、上記実施形態の変形例について、上記図5に対応する図6に基づき説明する。なお、上記実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
本変形例では、スクリーンメッシュを編組する経糸の配設ピッチpb のみを画素46を形成する表示電極の配設ピッチ(画素Px のX方向に沿った配列ピッチ)p2 に一致させ、緯糸のピッチpa は、走査電極の配設ピッチ(画素Px のY方向に沿った配列ピッチ)p1 の1/2に設定されている。
その結果、スクリーンメッシュの凸部が配向膜5表面に圧接されることにより発生する凹点51の数は、上記実施形態において発生した間隙44、66の交差位置に発生する凹点51aに加えて、Y方向(表示電極延在方向)に平行な間隙66におけるこれに直交する間隙44との交差位置間の中間点に発生する凹点51bが増える。
しかし、それら凹点51a、51bは、画素46間の非表示エリアである間隙44、66に発生しているから、液晶分子の配向不良に起因する表示欠陥を発生させることはなく、且つ、スクリーンメッシュの網目が密になり、耐久性に優れたスクリーン印刷版が得られる。
なお、本発明は、単純マトリクス型液晶表示パネルの枠状シール材を形成するためのスクリーン印刷装置に限らず、アクティブマトリックス型の液晶表示パネルの枠状シール材を形成するためのスクリーン印刷装置や、枠状シール材でなく他の遮光膜やカラーフィルタ等の機能膜を形成するためのスクリーン印刷装置、或いは、液晶表示パネル以外の例えばドットマトリクス型有機エレクトロルミネッセンス表示パネル等の他のドットマトリックス型画像表示パネルにおける各種機能膜を形成するスクリーン印刷装置にも、有効に適用できることは勿論である。
本発明の一実施形態としてのスクリーン印刷装置を用いて製造される液晶表示パネルを示した模式的断面図である。 上記液晶表示パネルにおける画素の構成を示す説明図で、(a)は走査電極の配列、(b)は表示電極の配列、(c)は画素の配列を、それぞれ示している。 (a)は上記スクリーン印刷装置を用いた枠状シール材の塗布形成工程を示す説明図、(b)はその工程で用いるスクリーンメッシュ版を示す平面図である。 (a)は上記スクリーンメッシュ版におけるスクリーンメッシュの構成を示す部分拡大平面図で、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。 上記スクリーン印刷工程で発生する欠陥点の配置を示す部分拡大平面図である。 上記実施形態の変形例としてのスクリーン印刷装置を用いた場合に発生する欠陥点の位置を示す部分拡大平面図である。
符号の説明
1、2 前、後ガラス基板
3 枠状シール材
4 走査電極
44 間隙(走査電極間)
5 前配向膜
51 凹点
6 表示電極
66 間隙(表示電極間)
7 後配向膜
8 液晶層
9、10 位相差板
11、12 前、後偏光板
20 作業台
21 前ガラス基板ワーク
22 スクリーンメッシュ版
222 スクリーンメッシュ
222a 緯糸
222b 経糸
2221 塗布パターン
2222 凸部
23 枠状シール材料液
24 スキージ
46 画素

Claims (3)

  1. 複数の画素が、第1の方向にピッチp1 で、前記第1の方向に直交する第2の方向にピッチp2 で、マトリクス配置されてなり、互いに隣接する前記画素同士の間に間隙が設けられた画像表示パネルの製造に用いるスクリーン印刷装置であって、
    経糸と緯糸を互いに直交方向に編組してなるスクリーンメッシュ版の経糸または緯糸の少なくとも何れか一方の編組ピッチを前記画素のピッチp1 又はピッチp2 の何れか一方に実質的に一致させ
    前記スクリーンメッシュ版の前記経糸と前記緯糸との交差位置を、前記第1の方向に延びる前記間隙と前記第2の方向に延びる前記間隙との交差部に重ねたことを特徴とするスクリーン印刷装置。
  2. 前記画像表示パネルは、電極とこの電極を覆う配向膜がそれぞれ設けられた一対の電極基板をそれぞれの電極形成面を対向させて枠状シール材により接合し、枠状シール材で囲まれた前記一対の基板間に液晶を封入してなる液晶表示パネルであり、
    前記スクリーンメッシュ版は、一方の電極基板の電極とこの電極を覆う配向膜が設けられた表面に前記枠状シール材をスクリーン印刷により形成するための印刷版であることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷装置。
  3. 前記液晶表示パネルは、一方の電極基板に複数のストライプ状表示電極がピッチp1 で互いに平行に延在形成され、他方の電極基板にストライプ状走査電極がピッチp2 で互いに平行に延在形成されてなる単純マトリクス型液晶表示パネルであり、
    前記スクリーンメッシュ版は、経糸または緯糸の何れか一方が前記ピッチp1 で編まれ他方が前記ピッチp2 で編まれていることを特徴とする請求項2に記載のスクリーン印刷装置。
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