JP5271689B2 - ボイラ装置 - Google Patents
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Description
また、1次空気系統は、通常酸素を投入しないため着火不良となりやすいことから、バーナ部に若干の純酸素を投入する純酸素系統を設置して着火を調整することもある。
また、着火調整用の純酸素系統をバーナ近傍に設置する場合、可燃物の燃料近傍に純酸素が存在することになるため、燃焼のコントロールを困難にするという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、酸素/二酸化炭素燃焼システムを採用しているボイラ装置において、良好な着火性を確保するとともに、炉内の窒素酸化物還元効果を高めて窒素酸化物排出量を低減できるボイラ装置を提供することにある。
本発明に係るボイラ装置は、ボイラ本体と、酸素(O2)製造装置と、排ガスリサイクル設備とを備え、前記ボイラ本体から排出される燃焼排ガスの一部を酸素と混合させて燃料の酸化剤として使用する酸素/二酸化炭素燃焼システムを採用し、前記ボイラ本体が追加空気投入部(AA部)を備えているボイラ装置において、前記酸素製造装置から供給される酸素の一部が前記ボイラ本体へ燃料を搬送する1次空気系統へ投入され、該1次空気系統を流れる燃焼排ガスとの混合により酸化剤を生成する1次空気酸化剤供給系統と、前記酸素製造装置から供給される酸素の一部が前記ボイラ本体の2次空気系統へ投入され、該2次空気系統をバーナ部系統及び追加空気投入部系統に分岐させたそれぞれの系統に前記酸素の一部を分割投入して、前記2次空気系統を流れる燃焼排ガスとの混合により酸化剤を生成する2次空気酸化剤供給系統と、前記1次空気系統にミルをバイパスする1次空気バイパス流路と、を備え、前記1次空気酸化剤供給系統の燃焼排ガス投入量は、前記1次空気バイパス流路を流れた燃焼排ガス量分が燃料搬送に必要な通常のガス量に加算されることで増量され、かつ、前記2次空気酸化剤供給系統の燃焼排ガス投入量は、前記1次空気酸化剤供給系統における燃焼排ガス投入量の増加分だけ低減され、かつ、系統毎に酸素及び燃焼排ガスの供給量を調整して前記1次空気酸化剤供給系統の酸素濃度が着火適正濃度に調整されることを特徴とするものである。
さらに、良好な着火を維持しつつ1次空気酸化剤の投入量を増大させ、火炎中にできる限り多量の燃焼排ガスを投入して窒素酸化物の還元を促進することができる。
図1に示す実施形態のボイラ装置は、ボイラ本体10と、図示しない酸素(O2)製造装置と、たとえば二酸化炭素(CO2)回収設備等の図示しない排ガスリサイクル設備とを備えている。このボイラ装置は、ボイラ本体10から排出される燃焼排ガスの一部を酸素と混合させて燃料の酸化剤として使用する酸素/二酸化炭素燃焼システムを採用している。
このようなボイラ装置に対し、1次空気酸化剤供給系統20及び2次空気酸化剤供給系統30が設けられている。なお、以下の説明では、ボイラ本体10で燃焼させる燃料を微粉炭とするが、他の固体燃料は勿論のこと、気体燃料や液体燃料を使用するボイラ本体にも本発明の適用が可能である。
なお、図中の符号13は燃料となる微粉炭及び空気(酸化剤)を投入するバーナ、15は追加空気(酸化剤)を投入する追加空気投入ノズルである。
図示の1次空気系統流路21を流れる燃焼排ガスは、燃料の石炭を粉砕して微粉炭とするミル22の内部に供給され、微粉炭をミル22からボイラ本体10のバーナ13まで搬送する1次空気として用いられる。
なお、1次空気酸化剤供給系統20に供給される酸素は、酸素供給流路40から分岐した1次空気用酸素流路41を介して、1次空気バイパス流路23の合流位置より下流側のバーナ部12から離間した位置に投入されている。
バーナ部系統32は、バーナ部12に接続される2次空気酸化剤供給系統30であり、酸素供給流路40から分岐したバーナ酸素流路42を介して燃焼排ガスに酸素が投入される。こうして混合・生成された2次空気酸化剤は、バーナ部12の各バーナ13から燃焼用の酸化剤として炉内へ投入される。
すなわち、AA部14を備えたボイラ本体10においては、2次空気系統31がバーナ部系統32及びAA部系統33に分岐されているので、2次空気系統31に接続されたバーナ部12及びAA部14対して供給する酸化剤の分配割合を調整することができる。
このため、燃焼排ガス及び酸素を混合した1次空気酸化剤は、微粉炭とともに火炎中に投入される量が増大することとなり、火炉11内では多量の燃焼排ガスに含まれる窒素酸化物を還元させることができるようになる。すなわち、1次空気酸化剤として火炉11内へ投入される燃焼排ガス量が増加したことにより、窒素酸化物の還元を効率よく行わせて窒素酸化物排出量を低減することができる。
また、上述した1次空気酸化剤については、着火性を維持するために1次空気用酸素流路41から投入する酸素量を調整している。なお、着火性を維持するために酸素濃度を調整した1次空気酸化剤を使用し、酸素を供給する1次空気用酸素流路41はバーナ部12から離間した位置にあるので、純酸素系統をバーナ部12の近傍に設置する場合に問題となっていた燃焼制御の困難性を解消することができる。
具体的には、二次空気酸化剤供給系統30の酸素濃度は、バーナ部系統32の酸素比が0.7〜0.9程度となるように維持しつつ高めに設定され、さらに、AA部系統33の酸素濃度を下げることにより、二次空気酸化剤供給系統30における全体の酸素量及び酸素濃度は一定に保たれる。この結果、酸素濃度の高いバーナ部12では、火炉11内の燃焼温度が上昇して窒素酸化物の還元及び燃焼が促進され、一方、酸素濃度の低いAA部14では、窒素酸化物の発生が抑制される。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
11 火炉
12 バーナ部
13 バーナ
14 追加空気投入部(AA部)
15 追加空気投入ノズル
20 1次空気酸化剤供給系統
21 1次空気系統流路
22 ミル
23 1次空気バイパス流路
30 2次空気酸化剤供給系統
31 2次空気系統流路
32 バーナ部系統
33 追加空気投入部系統(AA部系統)
40 酸素供給流路
41 1次空気用酸素流路
42 バーナ酸素流路
43 AA部酸素流路
Claims (2)
- ボイラ本体と、酸素(O2)製造装置と、排ガスリサイクル設備とを備え、前記ボイラ本体から排出される燃焼排ガスの一部を酸素と混合させて燃料の酸化剤として使用する酸素/二酸化炭素燃焼システムを採用し、前記ボイラ本体が追加空気投入部(AA部)を備えているボイラ装置において、
前記酸素製造装置から供給される酸素の一部が前記ボイラ本体へ燃料を搬送する1次空気系統へ投入され、該1次空気系統を流れる燃焼排ガスとの混合により酸化剤を生成する1次空気酸化剤供給系統と、
前記酸素製造装置から供給される酸素の一部が前記ボイラ本体の2次空気系統へ投入され、該2次空気系統をバーナ部系統及び追加空気投入部系統に分岐させたそれぞれの系統に前記酸素の一部を分割投入して、前記2次空気系統を流れる燃焼排ガスとの混合により酸化剤を生成する2次空気酸化剤供給系統と、
前記1次空気系統にミルをバイパスする1次空気バイパス流路と、を備え、
前記1次空気酸化剤供給系統の燃焼排ガス投入量は、前記1次空気バイパス流路を流れた燃焼排ガス量分が燃料搬送に必要な通常のガス量に加算されることで増量され、かつ、前記2次空気酸化剤供給系統の燃焼排ガス投入量は、前記1次空気酸化剤供給系統における燃焼排ガス投入量の増加分だけ低減され、
かつ、系統毎に酸素及び燃焼排ガスの供給量を調整して前記1次空気酸化剤供給系統の酸素濃度が着火適正濃度に調整されることを特徴とするボイラ装置。 - 前記2次空気酸化剤供給系統は、前記バーナ部系統に配分する酸素比を前記追加空気投入部系統より高く設定したことを特徴とする請求項1に記載のボイラ装置。
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