JP5271680B2 - 旋回燃焼ボイラ - Google Patents
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Description
このため、ボイラ全体の大きさを増すことなくNOxの発生量を低減するためには、すなわち、ボイラを大型化することなく還元燃焼ゾーンにおける燃焼ガスの滞留時間を長くし、還元燃焼ゾーンのさらなる有効化を達成してNOxの発生量を低減するためには、バーナ13の水平角度を調整する以外に、バーナ火炎の干渉防止に有効な燃料投入等の対策が望まれる。
本発明に係る旋回燃焼ボイラは、燃料及び空気を投入するバーナが各段の各コーナ部もしくは各壁面部に配置される旋回燃焼方式のバーナ部とされ、各段にそれぞれ1または複数の旋回火炎が形成されるとともに、空気を多段投入して前記バーナ部から追加空気投入部までの領域を還元雰囲気とする旋回燃焼ボイラにおいて、前記バーナ部の上段に位置する従来のバーナから投入される燃料を空気不足の状態で火炎に向けて投入するための燃料投入ノズルが前記還元雰囲気の下部領域となる各火炉壁面の各バーナ段に1または複数設けられ、さらに、前記燃料投入ノズルで不足した空気が前記バーナ部から前記追加空気投入部の間に投入され、前記燃料投入ノズルは、下段側の投入量を上段側より増量して燃料を投入することを特徴とするものである。
この場合、空気不足の状態とは、微粉炭等の燃料を搬送するのに必要な最低限の空気量(一次空気量)のみ、あるいは、酸素濃度の低い排ガスを循環させるGR(Gas ecirculation)により微粉炭等の燃料を投入することを意味している。
そして、燃料投入ノズルは、下段側の投入量を上段側より増量して燃料を投入することにより、火炎及び燃焼ガスの滞留時間が長い下段側火炎の燃焼量を増加させ、還元燃焼の効果を有効に活用することができる。この場合、追加投入する燃料の全量を最下段から投入してもよい。
一方で本発明において、着火性の悪い燃料を投入する際は、未燃分の発生を防止または低減するため、最下段からの燃料投入を避けてもよい。
この場合の燃料投入方向は、火炎の外側に対して、火炉壁から垂直な方向、火炉壁から傾斜した方向、あるいは、火炎に正面から衝突させる方向のいずれでもよい。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る旋回燃焼ボイラの火炉について、バーナ部の縦断面及び横断面を示している。なお、以下に説明する実施形態では、微粉炭を燃料とする微粉炭焚きの旋回燃焼ボイラ10Aとするが、他の粉体燃料を使用する旋回燃焼ボイラにも適用可能である。
上述した3段配置により、廃止した上段側2段分のバーナ13から投入していた燃料については、各バーナ段に設けた燃料投入ノズル20から空気不足の状態で火炎に向けて投入される。この燃料投入ノズル20は、還元雰囲気の下部領域となる火炉壁面毎に、3段のバーナ段に1または複数設けられている。すなわち、各バーナ段には燃料投入ノズル20が4個ずつ取り付けられているので、合計の取付個数は12個となる。
また、燃料投入ノズル20の空気不足分については、バーナ部12Aから追加空気投入部14の間において適所から投入して補充される。
燃料投入ノズル20は、たとえば一次空気により搬送される微粉炭を火炉11内の火炎Fに向けて投入するものである。この場合の一次空気は、微粉炭の搬送に必要な最小限の空気量であり、上流側に設けられているローラミル等の微粉炭製造装置から燃料となる微粉炭を搬送してきた空気量である。このような一次空気は、通常のバーナ13から投入される空気量と比較すれば20〜30%程度とかなり少量であるから、投入した燃料の燃焼用空気量としては不足した状態にある。
また、燃料投入ノズル20は、従来の上段に位置するバーナ13から投入していた微粉炭量を補うものであるから、図示の構成例では、従来の上段に位置する8個のバーナ13から投入していた微粉炭量を12個の燃料投入ノズル20が分担して投入すればよい。
具体的な空気投入位置としては、従来のボイラを改良する場合、廃止したバーナ13の位置や追加空気投入ノズル15が望ましい。廃止したバーナ13の位置は、バーナ13の空気投入口をそのまま利用できるという利点があり、追加空気投入ノズル15の利用は、追加空気投入量の増量により対応できるという利点がある。なお、不足分の空気量補充については、バーナ部12Aと追加空気投入部14との間に専用の空気投入ノズルを追設することも可能である。
そして、本発明では、従来のボイラを改良する場合、バーナ部12Aの上段側に位置するバーナ13を廃止するとともに、廃止したバーナ13からの燃料投入分について、空気不足の状態にして火炎Fに向けて追加投入する燃料投入ノズル20を還元雰囲気の下部領域となる火炉壁面毎に1個ずつ設けてあり、さらに、燃料投入ノズル20で不足した空気がバーナ部12AからAA部14までの間に投入されるようになっている。
また、空気不足の状態で追加燃料を投入したバーナ部12Aでは、空気比が低下して火炎温度が低下するため、追加燃料投入に対して熱負荷が過大とならず、火炉壁面の熱負荷が緩和される。
また、各バーナ段に形成される旋回火炎の数についても、たとえば各段に二つ並んで形成されるバーナ配置など、上述した1つに限定されることはない。
なお、以下に説明する各実施形態においても、バーナ段数や旋回火炎の数が限定されることはない。
次に、本実施形態に係る旋回燃焼ボイラについて、第2の実施形態を図3に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態において、旋回燃焼ボイラ10Cの燃料投入ノズル20Bは、火炎仮想円Fcの内周方向に向けて微粉炭を投入している。すなわち、この場合の追加微粉炭は、火炎Fの内周面に沿うような角度で火炎内部に投入されており、従って、追加投入した微粉炭が火炎Fと火炉壁との間で輻射熱を遮断することはない。なお、この場合の燃料投入ノズル20Bも、火炎Fと同一平面上の水平方向へ向けて微粉炭を投入している。
次に、本実施形態に係る旋回燃焼ボイラについて、第3の実施形態を図4に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態において、旋回燃焼ボイラ10Dの燃料投入ノズル20Cは、火炎仮想円Fcより上部の位置から、すなわち、各バーナ段のバーナ13よりやや高い位置から、下向きの角度で燃料の微粉炭を投入している。この場合、旋回燃焼ボイラ10Dの水平方向角度については、上述した各実施形態及びその変形例のいずれを採用してもよい。
次に、本実施形態に係る旋回燃焼ボイラについて、第4の実施形態を図5に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態において、旋回燃焼ボイラ10Eの燃料投入ノズル20Dは、各火炉壁面の各バーナ段に複数(図示の例では2個)が取り付けられている。この場合の燃料投入ノズル20Dは、投入方向の水平方向角度や上下方向角度(下向きなど)については、上述した各実施形態のいずれを採用してもよい。
このような構成としても、燃料投入ノズルを単数設置とした各実施形態及びその変形例と同様の作用効果を得ることができる。
具体的には、図6に示すように、ノズル出口に燃料拡散手段の旋回羽根21を設けた燃料投入ノズル20Eや、ノズル出口に燃料拡散手段のスプリット22を設けた燃料投入ノズル20Fを採用すればよい。
次に、本実施形態に係る旋回燃焼ボイラについて、第5の実施形態を図8に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態において、旋回燃焼ボイラ10Fの燃料投入ノズルは、燃料投入量が異なるものを上下に3段配置している。すなわち、最下段の燃料投入ノズル30aと、中段の燃料投入ノズル30bと、最上段の燃料投入ノズル30cとが設けられ、各段の燃料投入ノズル30a,30b,30cから投入される燃料の微粉炭量は、下段側の投入量が上段側より増量して投入されている。
このようにすれば、火炎F及び燃焼ガスの滞留時間が長い下段側火炎に追加投入して燃焼させる微粉炭量が増加するので、還元燃焼ゾーンにおける還元燃焼の効果を有効に活用することができる。なお、この場合の追加投入は、全量を最下段から投入するようにしてもよい。一方で、着火性の悪い燃料を投入する際は、未燃分の発生を防止または低減するため、最下段からの燃料投入を避けてもよい。
また、追加投入する燃料について各段毎の配分を考慮することにより、旋回燃焼ボイラ及び燃料等の諸条件に応じて、窒素酸化物の低減または燃焼性の向上のどちらを優先するかを選択することも可能である。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、たとえばバーナ段の数や旋回火炎形成数、さらには燃料が微粉炭に限定されないなど、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
11 火炉
12A バーナ部
13 バーナ
20,20A〜20F,30a〜30c 燃料投入ノズル
Claims (5)
- 燃料及び空気を投入するバーナが各段の各コーナ部もしくは各壁面部に配置される旋回燃焼方式のバーナ部とされ、各段にそれぞれ1または複数の旋回火炎が形成されるとともに、空気を多段投入して前記バーナ部から追加空気投入部までの領域を還元雰囲気とする旋回燃焼ボイラにおいて、
前記バーナ部の上段に位置する従来のバーナから投入される燃料を空気不足の状態で火炎に向けて投入するための燃料投入ノズルが前記還元雰囲気の下部領域となる各火炉壁面の各バーナ段に1または複数設けられ、さらに、前記燃料投入ノズルで不足した空気が前記バーナ部から前記追加空気投入部の間に投入され、
前記燃料投入ノズルは、下段側の投入量を上段側より増量して燃料を投入することを特徴とする旋回燃焼ボイラ。 - 前記燃料投入ノズルは、火炉壁面から火炎の外側に向けて燃料を投入することを特徴とする請求項1に記載の旋回燃焼ボイラ。
- 前記燃料投入ノズルは、火炎仮想円の内周方向に向けて燃料を投入することを特徴とする請求項1に記載の旋回燃焼ボイラ。
- 前記燃料投入ノズルは、火炎仮想円より上部の位置から下向きの角度で燃料を投入することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の旋回燃焼ボイラ。
- 前記燃料投入ノズルが燃料拡散手段を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の旋回燃焼ボイラ。
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