JP5269078B2 - ワイヤ放電加工機のシール装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ワイヤ放電加工機の加工槽とシール板との間をシールするシール装置に関するものである。
ワイヤ放電加工機においては、上ヘッドから下ヘッドに送られながら両者間に張設されたワイヤ電極により放電加工を行い、ワイヤ電極を回収するアームが、加工液で満たされた加工槽内へ側壁を貫通して挿入されている。この発明は、このようなワイヤ放電加工機における、側壁にアームを挿入するための大径の側壁開口部が形成された加工槽と、アームを貫通させて大径穴を閉塞した状態で加工槽側壁に沿って摺動可能に配置されたシール板との間をシールするシール装置である。
ワイヤ放電加工機では、細線ワイヤと被加工物との間に微小放電を連続的に発生させ、これによって加工を行う。加工を液中にて行う浸潤ワイヤ放電加工機では、ワイヤの回収を行うアームが、加工槽の壁面に設けられた開口部を貫通する構造となっている。加工槽とアームとの相対運動を可能にしつつ、加工槽中の加工液の漏出を防ぐ必要がある。このため加工槽壁とアームの間のシール装置として、様々なものが提案されている。
例えば、特許文献1の走行ワイヤEDM装置においては、シール装置としてゴムパッキンを用いる提案がされている。また、特許文献2及び3のワイヤ放電加工機においては、シール装置として流体圧力を用いることにより、非接触状態でシールを行う提案がされている。
特開昭60−52223号公報 特開昭62−271629号公報 特開平4−159023号公報
しかしながら、特許文献1のシール装置としてゴムパッキン等の接触式の手段を用いるものの場合、シール部に摩擦が発生し、加工槽とアームとが相対移動を行う際にアームの変形を招き、加工精度に悪影響を与えるという課題があった。
また、特許文献2及び3の流体圧力を用いることで非接触状態でのシールを行うものにおいては、摩擦の問題は解決できるものの、流体が加工槽内へと進入することで放電加工へ悪影響を与えるという課題があった。また、シールする部分が大きくなると、流体が流れるすきまがわずか数mm程度でも大量の流体を必要とするという課題を有する一方で、流量を少なく抑えるためにすきまを数μm〜数100μmと微小に作製しようとすると、精度を要求する部材の大きさが大きく加工や組立が非常に困難なものとなるという課題が有った。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、非常に小さい摩擦でシールが可能で加工に悪影響を与えることがなく、使用する加圧流体の量が少なくて済み、容易に構成することが可能なワイヤ放電加工機のシール装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のワイヤ放電加工機のシール装置は、上ヘッドから下ヘッドに送られながら両者間に張設されたワイヤ電極により放電加工を行い、ワイヤ電極を回収するアームが、加工液で満たされた加工槽内へ壁を貫通して挿入されたワイヤ放電加工機における、壁にアームを挿入するための大径の開口部が形成された加工槽と、板状を成しアームを貫通させるとともに主面で開口部を密閉し加工槽の壁に沿って摺動可能に配置されたシール板との間をシールするシール装置であり、加工槽の開口部の周囲に全周にわたって設けられた内壁と外壁で環状の溝を形成し、該溝の開口をシール板側に向けてシール板との間に微小すきまを形成するように支持された溝状部と、溝状部に加圧流体を供給し、微小すきまに加圧流体の圧力を作用させて微小すきまからの加工液の漏れを抑制する加圧流体供給部とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、溝状部内へ供給された加圧流体により溝状部内圧力が上昇し、溝状部がシール板から浮上して加圧流体が漏出するすきまが生まれ、溝状部とシール板との非接触のシール状態を作り出すことができる。そして、溝状部の内部圧力を加工槽内加工液の水圧以上に保つようにすれば、加工液が溝状部内へと進入することができなくなり、加工液のシールを行うことが可能になる。さらに、溝状部とシール板とのすきまが供給された加圧流体の圧力によって作り出されるため、微小なすきまを管理する為の精密加工や組立が必要無く、容易に装置を構成できるとともに、使用する加圧流体の量がわずかで済む、という効果を奏する。
図1は、本発明に係るワイヤ放電加工機のシール装置の実施の形態1のシール装置のシール板及びアームを上方から見た様子を示す部分的な上面図である。 図2は、シール板及びアームを放電加工機後方から見た様子を示す図であり、図1の矢印Aの矢視側面図である。 図3は、シール構造の断面を拡大して示したものであり、図2のB−B線に沿う矢視断面図である。 図4は、本発明にかかるワイヤ放電加工機の全体の構成を示す側面図である。 図5は、溝状パッド各部の寸法を表した図である。 図6は、溝状パッドの溝状部において圧力差を生じさせるために設けたパッド仕切りを示した図である。 図7は、溝状パッドの溝内と水圧との最大圧力差を示すグラフである。 図8は、本発明に係るワイヤ放電加工機のシール装置の実施の形態2のシール装置の圧力源停止時のフェイルセーフ機構を組み込んだ構成を示した断面図である。 図9は、フェイルセーフ機構が作動している状態を示した断面図である。 図10は、本発明にかかるワイヤ放電加工機の全体の構成を示す側面図であり、加工槽開口部が加工槽底面に設けられ、ワイヤ電極の回収が加工槽底面からなされる構成のワイヤ放電加工機を示したものである。
符号の説明
1 アーム
2 加工槽
3 加工液
4 シール板
5 溝状パッド
6 パッド基部
7 パッド部
8 側壁開口部
9 与圧バネ(付勢手段)
10 支柱
11 シール材
12 エア供給路
13 エアチューブ
14 空気孔
15 空圧源(加圧流体供給部)
16 空気室
17 溝状部
18 パッドすきま
19 パッド浮上量
20 防水カバー
21 給気ポート
22 排気ポート
23 ピストン
24 パッキン
25 パッド仕切り
101 ベッド
102 サドル
103 テーブル
104 コラム
105 ワイヤ電極
106 下ヘッド
107 上ヘッド
108 ワイヤ供給リール
109 X軸ガイド
110 Y軸ガイド
111,112 シール構造
以下に、本発明にかかるワイヤ放電加工機のシール装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図4は本発明にかかるワイヤ放電加工機の全体の構成を示す側面図である。図4に示すワイヤ放電加工機においては、ベッド101に設けられたY軸ガイド110にサドル102が乗せられ、サドル102上にX軸ガイド109が乗せられている。X軸ガイド109上には、さらにテーブル103が乗せられており、テーブル103上に加工槽2が設けられている。また、ベッド101上にはコラム104が設けられており、このコラム104上に取り付けられたワイヤ供給リール108から供給されたワイヤ電極105は、上ヘッド107、下ヘッド106を経て、アーム1中を通り、加工機背面で回収される。X軸ガイド109とY軸ガイド110により、加工槽2は2軸方向に移動可能となる。コラム104から加工槽2内へと貫通して設けられているアーム1と加工槽2の側壁とが干渉しないように、加工槽2の側壁に大径長孔状の側壁開口部8が設けられている。
ワイヤ放電加工では、給電されたワイヤ電極105と加工対象物との間に放電現象を発生させ、テーブル103を移動させてワイヤ電極105と加工対象ワークとの相対位置を変化させることで、糸鋸状の加工を行う。この際、ワイヤ電極105が高温となるのでワイヤ電極105を冷却するために加工槽2は加工液3で満たされる。そして、テーブル103とアーム1との相対変位を許しつつ加工槽側壁開口部8から加工液3が流出する事を防ぐために、シール板4とシール構造111が設けられている。アーム1はシール板4を貫通して設置してあり、テーブルのX軸(紙面垂直)方向の移動に関してはアーム1とシール板4は一体となっている。
側壁開口部8の穴縁に沿って環状にシール構造111が設けられており、加工槽2の側壁とシール板4との間の隙間をシール構造111がシールすることで、テーブル103とアーム1がX軸方向に相対変位を生じても水漏れを防ぐことができる。本発明にかかるワイヤ放電加工機のシール装置は、このシール構造111とシール板4とで構成される。なお、図示してないが、テーブル103のY軸(紙面垂直)方向の変位を許しつつ水漏れを防ぐために、アーム1とシール板4との間にもシール構造が設けられている。以下、シール構造111部分について詳細に説明を行う。
図1はシール板4及びアーム1を上方から見た様子を示す部分的な上面図である。図2はシール板4及びアーム1を放電加工機後方から見た様子を示す図、すなわち、図1の矢印Aの矢視側面図である。加工槽2の側壁に大径長孔状の側壁開口部8が設けられている。アーム1はシール板4を貫き、側壁開口部8を通って加工液3で満たされた加工槽2中へと伸びている。加工槽2とシール板4との間には溝状パッド5とパッド基部6及び防水カバー20が配置されている。図2に示すように、溝状パッド5及びパッド基部6は、大径長孔状の側壁開口部8の穴縁に沿う形になっており、溝状パッド5によって形成される溝状部17は、側壁開口部8を囲む環を形成している。溝状パッド5とパッド基部6を合わせて、以下ではパッド部7と呼ぶ。
図3はシール構造111の断面を拡大して示したものであり、図2のB−B線に沿う矢視断面図である。加工槽2とシール板4の間に、側壁開口部8の周上に沿って環状のパッド基部6が取り付けられている。パッド基部6のシール板4側の面には溝状パッド5が取り付けられている。空圧源(加圧流体供給部)15からの圧縮空気(加圧流体)は、エアチューブ13でパッド基部6へと供給され、パッド基部6内部のエア供給路12を通って溝状パッド5の空気室16へと導かれる。空気室16内の圧縮空気は空気孔14を通って、内壁と外壁を構成する空気室16で挟まれることによって形成された溝状部17へ供給される。
加工槽2の側壁に支柱10が立設されている。この支柱10は、パッド基部6の背面に設けられた凹部に抜き差し可能に遊嵌されている。また、加工槽2の側壁とパッド基部6の間の支柱10に与圧バネ(付勢手段)9が縮設されており、パッド部7をシール板4に向かって押しつける付勢力を発生させている。また、パッド基部6と加工槽2の側壁面との間には隙間が有り、加工液3がパッド基部6の背面へ回り込む構造となっている。このパッド基部6背面の隙間から水が漏れ出さないよう、防水カバー20がパッド部7と加工槽2とのすきまを覆うように取り付けられている。この防水カバー20はビニールシート等の薄く柔軟な材質で構成されており、さらに、ある程度たるみを持たせて取り付けられている。つまり、パッド部7がシール板4の主面と垂直方向に移動するのを妨げること無く水漏れを防ぐように構成されている。同様の機能を持つ、たとえばジャバラのような構造で水漏れを防いでも良い。なお、本発明にかかるテーブルのX軸方向移動に対するシール機能とは関係はないが、テーブルのY軸方向移動に対するシール機能として、アーム1の周囲に密着するようにシール材11が取り付けられている。
溝状パッド5の空気室16を構成する部分は、厚さ0.2〜0.4mm程度の薄く柔らかい、たとえば塩素化ポリエチレンやフッ素ゴム等の材質で袋状に形成されており、周方向にチューブ状に延び環を成している。このため、空圧源15からの圧縮空気供給が無い場合は、与圧バネ9による付勢力に対して空気室16の形状を保つことはできずに潰れている。圧縮空気の供給によって空気室16内の圧力が高まり、断面円弧状に膨れることで、内側と外側の空気室16の間に溝状部17を形成する。この溝状パッド5とシール板4で囲まれた溝状部17には、空気孔14から空気が供給されると圧力が上昇し、与圧バネ9の付勢力に打ち勝ってパッド部7をシール板4から離そうとする力が生じる。溝状部17の圧力が高まり、溝状パッド5がシール板4から浮上してパッド浮上量19が大きくなると、空気室16とシール板4との間にはパッドすきま18が生じて空気が漏れ出す。パッドすきま18が大きくなればそれだけ漏出する空気の量も増加するため圧力の上昇する度合いは減少し、供給される圧縮空気の圧力、流量に応じてパッドすきま18、パッド浮上量19は空気の供給と漏出が釣り合う所で落ち着くことになる。
このとき、溝状部17の圧力が加工液3の水圧力以上であれば、加工液3が内側のパッドすきま18から溝状部17へと進入することはできないため、加工液3の漏出を防いでシールすることが可能である。またこのとき、溝状パッド5とシール板4との間には、漏出する空気の通り道であるパッドすきま18が存在するために非接触状態となり、加工槽2のX軸方向の移動に対して生じる摩擦をなくすことが可能となる。
たとえば、ワイヤ放電加工機のX軸方向のストロークが240mmで、アームの直径がφ100mm程度とすると、側壁開口部8の形状は、φ120の円を二つに割って間に260×120mmの長方形を挟むような形状になる。この形状の周囲を溝状部17が囲むのであるから、溝状部17の全長は約1000mm程度になる。溝状部17の幅を10mm程度に取ったとすれば、溝状部17の面積Apは約10000mm2=0.01m2となる。この面積に溝状部17内の圧力Ppを乗じた値が、パッド部7をシール板4から浮上させる力になる。図3では、与圧バネ9による力Fと、水圧Pwを受けるパッド部7背面の面積Aw(ただし反対側で同様の水圧を受ける面積を除いた値)に水圧Pwを乗じた値が、パッド部7をシール板4へ押しつける力Wになる。ここで、
Figure 0005269078
であれば、パッド部7は加工液3を止水しつつ浮上することになる。もしも圧力Ppが十分高いのに浮上しないのであれば、与圧バネ9による力F又はパッド部7背面の面積Awを小さくするか或いは溝状部17の幅を広げて面積Apを大きくすれば良く、逆に圧力Ppが十分に高くないのに浮上してしまい圧力を上げることが出来ない場合は、与圧バネ9による力Fや面積Awを増やすか或いは面積Apを減せばよい。
なお、水温25℃の水の比重は997.1kg・m-3であるので、深さDmにおける加工液3の水圧Pw(ゲージ圧)は、
Figure 0005269078
である。ここで、ワイヤ放電加工機の加工槽2の深さは、概ね数十cm程度であるので、水圧も数kPa程度である。これに対して、一般的に工場等に供給されている空気圧は0.5MPa程度であり、レギュレータ等を用いて適度に圧力を減じることにより、止水を行うのに適度な圧力を得ることができる。
上記式(1)、式(2)が成り立っているときに、パット部7がどの程度浮上するかはパッド部7に対して供給される圧縮空気の量によって決まる。溝状パッド5の寸法を図5に示すように表すと、その使用空気量Mと、空気量に対するパッドすきま18の値hは、溝状部17内の圧力Ppと水圧Pwが均一であると仮定した場合、以下の式(4)、式(5)の様に表すことができる。
Figure 0005269078
空気量Mは、パッドすきま18のすきまhの3乗、溝状部17内圧力Ppの2乗に比例して決まることがわかる。たとえば、圧力Ppが一定であれば、空気量Mを増減させることで、すきまhを変化させることができる。また、所定のすきまhに対して十分な空気量Mが無ければ、圧力Ppの値が減少する。本実施の形態の構成では、式(1)の等号が成り立つか支柱10によって浮上量の制限を受けるまで、パッド部7は浮上を続けるため、供給する圧縮空気量に応じてパッド浮上量19を調整する事ができる。
前述したような大きさの側壁開口部8の場合、すきまが存在する部分の長さは約1000mmにも渡るため、わずかなパッドすきま18であっても大量の空気量Mが必要となる。たとえば、水深50cm相当の水圧に対してシールを行うためには、ほぼ同等の圧力を溝状部17内に働かせた場合、数十μmのパッドすきま18に対して必要な流量は標準状態で数千l/min以上となり、わずかなすきまに対しても大量の流量が必要となることがわかる。
上記特許文献2に示されたものの構成にて空気圧を用いてシールを行う場合、そのすきまの管理は加工精度と組立精度によって行うことになる。この場合、圧縮空気量を少なくしようとすれば非常に小さなすきまの管理を大きなサイズの部品に対して行うことになり、装置製作が非常に困難なものとなる。逆に、加工や組立の精度を落としてすきまを有る程度大きなものとすると、今度は必要な空気量が膨大なものとなってしまうので動作させることが困難となる。
また、特許文献3に示されたものに於いても、シールを行う部位や使用する流体の相違はあるものの、すきまが加工や組立によって管理されるという点は変わらず、上記のような問題が存在する。
しかしながら、本実施の形態のシール装置に於いては、パッド部7の浮上によって圧縮空気流量に応じたパッドすきま18が決定されるため、上記のような問題は存在せず、容易にシール装置を構成することが可能である。
また、本実施の形態のシール装置では、溝状部17の圧力を加工液3の水圧とほぼ同等に保つことで、溝状部17の空気が加工液3中へと進入する事を防ぐことが可能である。仮に加工液3中に大量の気泡が混入すると、加工液3の特性が変化して放電加工に悪影響を及ぼしてしまう。しかし、加工液3と溝状部17の圧力がほぼ同等であれば、パッドすきま18を通って流体が移動することが無くなるため、この影響をなくすことが可能となる。このとき、加工液3の水圧に比べると外気の圧力は低いため、溝状部17の空気は外側のパッドすきま18を通って外へ漏れ出すことになる。
なお、内側のパッドすきま18については、この部分からの空気の漏出はないために、パッドすきま18の部分に空気もしくは水があるか、溝状パッド5とシール板4が直接触れている状態となり、必ずしも非接触状態が保たれるとは限らない。しかし、溝状部17の圧力によってパッド部7をシール板4へと押しつけようとする力はほぼ打ち消されているため、接触による摩擦力はほとんど生じない状態となっている。
上記のように、加工への影響を防ぎつつ摩擦を減少させるには、加工液3の圧力と溝状部17の圧力をほぼ同等に保ちつつパッド部7を浮上させる必要がある。この状態では、パッド部7への押しつけ力をW、溝状部17の力をPp、加工液3圧力をPwとすると、
Figure 0005269078
が成り立つ必要がある。しかし、放電加工機では、加工対象ワークの大きさや加工条件に応じて加工槽2の水位が変化するため、加工液3の水圧Pwも水位の変化に伴い変化する。しかし、式(6)のApは一定であるため、式の釣り合いを満たすためには変化するPwに応じてWを変える必要がある。これに対し、本実施の形態では、パッド部7の背面に水を導く構造になっているため、変化する水圧をパッド部7への押しつけ力として利用できるようになっている。つまり、パッド部7の押しつけ力Wが、与圧バネ9による力Wkと、面積Awのパッド部7背面にかかる水圧による力Ww=Awwからなるため、もし水位が変化して水圧にΔPwの変動が生じたとしても、
Figure 0005269078
となる。Wkを出来るだけ小さくしてAwとApとの値を同一にすることで、溝状部17内の圧力の変化ΔPpをΔPwに近づけることが可能となる。これにより、水位の変化に対して、自動的に溝状部17の圧力を加工液3の水圧となるように圧力を調整することができる。
また、水位の変化がなくても、パッド部7の各部で水深が異なるため、それぞれの場所で水位に応じた溝状部17の圧力とする必要がある。ここで、溝状部17が全周にわたってつながっていると、溝状部17の圧力がすべて同じ圧力になってしまう。これを避けるために図6に示すように、溝状部17内にパッド仕切り25を設ける。このパッド仕切り25を設けることで、水深に応じて各部分で異なる圧力状態がとれるようになる。パッド仕切り25は、パッド浮上量19の変化に追従できるように、薄い樹脂やスポンジなど柔軟性があり通気性のない部材によって形成する。なお、次に示すデータの様に、加工液3圧力と溝状部17の圧力が厳密に同じにならず、ある程度の差があったとしても空気漏れもしくは水漏れは生じないため、パッド仕切り25は数cm〜数十cm程度の水深毎に設ければよい。
図7は溝状部17と加工液3との圧力差がどの程度許容されるのかについての実験データを示している。これは、数十μm程度のパッドすきまをもつ実験装置に対して水圧を設定し、溝状部17内の圧力を徐々に増加させた際に、溝状部17から空気漏れが生じた際の水と溝状部17内との圧力差を縦軸に、設定水圧を横軸に記載したものである。データは示していないが、圧力差がほぼ0を下回ると、溝状部17内への水の漏出が始まる。この実験ではいずれの水圧に対しても約300Pa程度までは水内への空気漏れは生じていない。許容圧力差300Paはパッドすきま18の大きさや形状により変化するため絶対的な値ではないが、この結果から水漏れも空気漏れも起きない条件は、厳密にPw=Ppではなく、ある程度の余裕があることがわかる。
なお、本実施の形態では、溝状部17の圧力を水位に対して受動的に調整できるように工夫を加えているが、水位や水圧をセンサで検知し、これに対して溝状部17内の圧力をレギュレータなどで能動的に制御することで、同様の機能を得ることも可能である。このようにして能動的に溝状部17内の圧力を調整する場合は、パッド部7の背面に水を回り込ませる構造やパッド部7をシール板4の垂直方向に移動可能にするための支柱10や防水カバー20等が不要になるため、構造は簡素なものになる。
前述の説明の中で、供給する空気流量によってパッドすきま18の大きさが決定されることを述べた。しかし、金属や樹脂などの硬い部材で溝状パッド5を構成した場合、シール板4に反り、ゆがみや表面の凹凸等が存在するため一様なパッドすきま18が得られるわけではなく、流量が十分でなければある部分が接触している状態で、他のすきまの大きいところから空気が漏れるという状態となる。このような状態では完全に摩擦を低減させることはできない。そのため、特にパッド部7を硬い部材で構成した際には、精度の良いシール板4を使用したり、多量の空気を供給して十分にパッド部7を浮上させたりすることが必要となる。
これに対し、本実施の形態では、空気室16が薄く柔軟性に富むようにゴムもしくは樹脂製の溝状パッド5を用いることで、多少シール板4に歪みや凹凸が存在しても、均一かつ微小なパッドすきま18を保つことができるよう工夫されている。パッド基部6から溝状パッド5へ供給された空気により、空気室16は膨らんで形成される。このとき、パッド基部6の背面に挿入されている支柱10によって、空気室16をふくらませた際に少し潰れた形になるよう、パッド部7のパッド浮上量19を制限する。支柱10によってパッド浮上量19は制限を受けるが、空気室16の形状が変わることで、パッドすきま18の値は変化することが可能である。このように空気室16のふくらむ余地を残した状態で使用することで、もしシール板4の撓みや歪みでパッドすきま18が広がっても、空気室16がふくらんで自動的にすきまを小さくしようと働く。空気室16をシール板4に押しつけてつぶしている形になるためシール板4への押しつけ力が生じることになるが、溝状部17内部からの空気流れがある場合には非接触となるため摩擦はなく、接触が生じている場所でも空気室16内の圧力は高々数kPa程度であるため摩擦は大きくはならない。このため、非常に容易に小さく均一なパッドすきま18を得ることができて摩擦を小さくできる上に、使用する空気量を抑えることが可能になる。
ただし、空気室16を構成する部分は、潰れている部分が空気圧の供給により膨らむような構造が望ましい。なぜならば、たとえば非常に柔らかいゴム状の物体を凹凸のあるすきまに押し当ててすきまを埋めようとした場合は、大きなすきまの凹部のゴムの押しつけ圧は、小さなすきまの凸部の押しつけ圧よりも小さくなる。このため、漏れ出そうとする空気は抑える力が小さな凹部に集中することになり、均一なすきまは生まれにくい。対して、自ら膨らんで凹凸を埋める場合には、内部の圧力が凹凸部に均一に働くことになるため、空気の漏れだしも均等となり易く均一なすきまを得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態のワイヤ放電加工機のシール装置は、側壁にアーム1を挿入するための大径の側壁開口部8が形成された加工槽2と、板状を成しアーム1を貫通させるとともに主面で側壁開口部8を密閉し加工槽2の側壁に沿って摺動可能に配置されたシール板4との間をシールするシール装置であって、加工槽2の側壁開口部8の周囲に全周にわたって設けられた内壁と外壁で環状の溝を形成し、この溝の開口をシール板4側に向けて、シール板4方向に進退動可能に支持された溝状部17と、溝状部17をシール板4方向に所定の付勢力で付勢する与圧バネ(付勢手段)9と、溝状部17に加圧流体を供給し、この加圧流体の圧力により与圧バネ9の付勢力に打ち勝って溝状部17をシール板4から微少すきま浮上させるとともに、このすきまに加圧流体の圧力を作用させてすきまからの加工液3の漏れを抑制する空圧源(加圧流体供給部)15とを備えている。そのため、加工槽2とシール板4との間の加工液3をシールする部分で摩擦を生じることなく、また、製作が容易であるとともに、使用する加圧流体量の少ないシール装置を実現することができる。
また、空圧源15は、溝状部17内の加圧流体の圧力を、側壁開口部8の深さでの加工液3の水圧と同じとなるように調整するので、溝状部17から加工槽2内へ加圧流体が漏れ出すことを抑制すことができ、加工へ悪い影響を与えることが無くなる。
さらに、溝状部17は、側壁開口部8の穴縁からシール板4方向に進退動可能に支持されており、背面に加工液3が回り込む構造とされ、背面に作用する加工液3の水圧が、溝状部17のシール板4に対する押し付け力として働くようにされ、水圧を受ける背面の面積が、溝状部17の圧力を受ける面積に対応する面積とされている。そのため、水位の変化によって生じる水圧の変動に対して、自動的に溝状部17の押し付け力を調整することができる。
さらにまた、溝状部17を構成する内壁と外壁とが、柔軟性に富む材料にて周方向に中空の袋状に作製され、内部に加圧流体を充填されてシール板4側に伸びるように膨らむので、シール板4の凹凸に対して馴染むためにすきまが小さくなり、平面精度の悪いシール板4に対しても少ない加圧流体の消費量で済む。
また、内部に加圧流体を充填されてシール板4側に伸びるように膨らむ溝状部17を構成する内壁と外壁は、溝状部17とシール板4との間の隙間を埋める。つまり、膨らむ壁によって溝状部17とシール板4との間が埋められ、ふくらみが変形することで均一な微小すきまが生成される。これにより、溝状部17をシール板4の主面に垂直方向に移動可能に取り付ける必要が無くなり、加工槽2の側壁に固定して取り付けることが可能になり構造が簡単になる。
なお、本実施の形態では、パッド部7をシール板4に対して垂直方向に移動可能に取り付けているが、パッド部7をシール板4に対して溝状パッド5のふくらみで埋めることが可能な程度のすきまを空けて固定して取り付けることも可能である。この場合、パッドすきま18の大きさは溝状部17内の圧力の上昇で空気室16の形状が変形することによって変化することになる。溝状パッド5の膨らむ部分の剛性が高かったり、空気室16内部の圧力が溝状部17内部の圧力よりも高くなったりすると、溝状部17の圧力では空気室16の形状を変化させられなくなるため、溝状部17の構成やエア供給路12の設計に注意を払う必要があるが、シール板4に対して垂直方向に移動可能にするための支柱10や防水カバー20等は不要になるため、構造を簡素なものにすることができる。
本実施の形態では加工液3として水を使用しているが、加工液3として油を用いた場合でも同様の効果を得ることが可能である。また、溝状部17内へと供給する加圧流体を空気として説明を行ったが、これを他の流体にしても同様の効果を得ることができる。加圧流体を加工液3と同一にすれば、加工液3圧力よりも溝状部17内圧力が高いことによって加圧流体の加工液3への混入が発生しても問題はなくなるため、溝状部17内圧力の調整に気を遣う必要は無くなる。しかし、パッド部7外側のパッドすきま18から加圧流体が漏れ出るため、漏れ出た加圧流体回収のための設備を予め準備する必要がある。ただし、ゴム製パッキンなどの接触式シールを用いたワイヤ放電加工機でも、シール部分から加工液が少しずつしみ出してくるため、通常は回収用の樋などをシール部分直下に装備して、ある程度の加工液漏れが生じても問題がないような構造となっている。
実施の形態2.
この発明にかかるシール装置は、溝状部17内の圧力によって加工液3の漏出を防止するものであるから、何らかの不具合により突然に加圧流体の供給が断たれれば、パッド部7とシール板4とのすきまから加工液3が漏れ出すことになる。このような異常事態に対処する方法としては、漏れ出た加工液3を樋で受けて加工液タンクへと戻す方法が考えられるが、このほかにも次のような構造を上記実施の形態1中に追加することで加工液3の漏れ出しを防止することができる。
図8は加圧流体供給異常時に加工液3の漏れを防止するフェイルセーフ機構を組み込んだシール装置の通常動作時を示した図である。また、図9はシール装置のフェイルセーフ機構動作時の図である。本実施の形態のシール構造112においては、パッド部7の背面には、給気ポート21から供給された加圧流体からの力を受けるピストン23と、ピストン23をパッド部7へ押しつけようとする与圧バネ9が取り付けられている。排気ポート22はピストン23の移動を妨げることがないように流体を吸入、排出するよう取り付けられている。
加圧流体供給時には、加圧流体は溝状部17へ供給されるとともに給気ポート21へも供給される。このため、ピストン23はパッド部7と反対方向へ押されて、与圧バネ9がパッド部7をシール板4へ押しつけようとする力を打ち消す。このため、パッド部7は溝状部17の圧力によって浮上し、加工液3のシールを非接触状態で行うことができる。
万が一加圧流体の供給が途絶えた際には、図9に示すようにピストン23に加圧流体からの力が加わらなくなるため、与圧バネ9による力がすべてパッド部7へと加えられることになる。
また、空気室16を膨らませるための加圧流体は供給されていないため、空気室16は与圧バネ9で押されるままに潰れ、パッキン24がシール板4へと押しつけられる。このパッキン24がすきまを塞ぐことにより、水漏れが防止される。この状態では摩擦が生じるため加工に影響を生じることが予想されるが、供給流体断の状態をセンサで検知し、加工機の制御装置で加工停止の判断などを行えば問題を回避することができる。
以上のように、本実施の形態のワイヤ放電加工機のシール装置は、溝状部17にシール板4に向けて突設されたパッキン24と、空圧源(加圧流体供給部)15から加圧流体を供給されて溝状部17をシール板4から離す方向に付勢するピストン23と、溝状部17をシール板4方向に付勢し、空圧源15からピストン23への加圧流体の供給が停止したときに、パッキン24をシール板4に密着させて溝状部17とシール板4との間を密閉する与圧バネ9とを備えているので、異常発生時に加圧流体の供給が断たれた際にも加工液3の漏出を抑制することができる。
なお、本実施の形態ではパッキン24を溝状部17の内側に設けるとして説明を行ったが、これを溝状部17の外側もしくは内部に設けることも可能である。また、一つだけでなく、たとえば溝状部17の内側と外側両方など複数箇所同時に設けてもかまわない。
また、溝状パッド5とパッキン24を同一の部品として構成する必要はなく、別々の部品として設けても良い。もしくは、特にパッキン24を設けず、潰れた溝状パッド5自身をパッキン24の代わりに用いて止水することも可能である。さらに、加圧流体断時にパッド部7をシール板4へと押しつける与圧バネ9やピストン23は、加圧流体供給時にパッド部7をシール板4へ押しつける与圧バネ9や、パッド部7を支えて浮上量を制限する支柱10と別に設けても問題はない。また、加圧流体供給が断たれた際にパッド部7をシール板4へと押しつける力を発生させる手段として、流体圧力を用いたピストン23と与圧バネ9を使用する方法を述べたが、流体圧力の代わりに電磁力を用いて与圧バネ9の力を打ち消したり、もしくは流体供給断を検知して電磁力で直接パッド部7に押しつけ力を発生させたりする構成でも同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
図10は、本発明にかかるワイヤ放電加工機の全体の構成を示す側面図であり、加工槽開口部が加工槽底面に設けられ、ワイヤ電極の回収が加工槽底面からなされる構成のワイヤ放電加工機を示したものである。実施の形態1では、加工槽側壁に開口部をもつワイヤ放電加工機を例に挙げて、本発明にかかるシール装置について説明を行ったが、本発明にかかるシール装置は加工槽側壁開口部のシールのみならず、図10に示す様な加工槽底面に開口部を持つ構成のワイヤ放電加工機や加工槽上部が密閉されて加工液で満たされているような加工槽の上部をシールする事も可能である。
加工槽側壁をシールする場合との相違は、加工槽とシール板の相対変位が側壁シールの場合はX軸方向1次元で有ったのに対し、底面もしくは上面シールではY軸方向の運動も加わる為に2次元となることである。このため、加工槽開口部の形状も側壁シールでは大径長孔状であったものが、底面もしくは上面シールではX軸とY軸のストロークに有る程度の余裕を加えて構成される長方形状の開口部となる。このため、開口部をシールする溝状パッドの形状も、長方形環を為すものとなる。
シールの動作原理自体は開口部が垂直であろうと水平であろうと変わらないため、実施の形態1で説明を行ったような原理でパッド部7が浮上し、低摩擦でのシールを行うことが出来る。ただし、側壁と異なり、水平面内の開口部をシールする場合にはパッド部7の各部分で高低差が無いために水圧の差が生じない。このため、溝状部17の圧力がすべて同一であっても良く、パッド仕切り25を設ける必要は無くなる。
以上のように、本発明は、上ヘッドから下ヘッドに送られながら両者間に張設されたワイヤ電極により放電加工を行い、ワイヤ電極を回収するアームが、加工液で満たされた加工槽内へ側壁を貫通して挿入されたワイヤ放電加工機のアーム貫通部分のシールを行うシール装置に適用されて有用なものであり、特に、側壁にアーム挿入のための側壁開口部が形成された加工槽と、この側壁開口部を閉塞した状態で加工槽側壁に沿って摺動可能に配置されたシール板との間をシールするシール装置に適用されて最適なものである。

Claims (7)

  1. 上ヘッドから下ヘッドに送られながら両者間に張設されたワイヤ電極により放電加工を行い、前記ワイヤ電極を回収するアームが、加工液で満たされた加工槽内へ壁を貫通して挿入されたワイヤ放電加工機における、
    壁に前記アームを挿入するための大径の開口部が形成された前記加工槽と、板状を成し前記アームを貫通させるとともに主面で前記開口部を密閉し前記加工槽に沿って移動可能に配置されたシール板との間をシールするシール装置であり、
    前記加工槽の前記開口部の周囲に全周にわたって設けられた内壁と外壁で環状の溝を形成し、該溝の開口を前記シール板側に向けて前記シール板との間に微小すきまを形成するように支持された溝状部と、
    前記溝状部に加圧流体を供給し、前記微小すきまに加圧流体の圧力を作用させて前記微小すきまからの加工液の漏れを抑制する加圧流体供給部とを備え、
    前記溝状部を構成する前記内壁と前記外壁とが、柔軟性に富む材料にて周方向に中空の袋状に作製され、内部に前記加圧流体を充填されて前記シール板側に膨らみ、前記内壁と前記外壁及び前記溝状部はエア供給路及び空気孔で接続されている
    ことを特徴とするワイヤ放電加工機のシール装置。
  2. 前記溝状部を前記シール板方向に所定の付勢力で付勢する付勢手段をさらに備え、
    前記溝状部は、シール板方向に進退動可能に支持されており、
    前記加圧流体供給部は、加圧流体の圧力により前記付勢手段の付勢力に打ち勝って前記溝状部を前記シール板から微少すきま浮上させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機のシール装置。
  3. 前記加圧流体は、空気であり、前記加圧流体供給部は、前記溝状部内の前記加圧流体の圧力が、前記開口部の深さでの加工液の水圧と同じとなるように調整する
    ことを特徴とする請求項に記載のワイヤ放電加工機のシール装置。
  4. 前記溝状部を前記シール板方向に所定の付勢力で付勢する付勢手段をさらに備え、前記溝状部は、シール板方向に進退動可能に支持されており、
    前記加圧流体供給部は、加圧流体の圧力により前記付勢手段の付勢力に打ち勝って前記溝状部を前記シール板から微少すきま浮上させる
    ことを特徴とする請求項に記載のワイヤ放電加工機のシール装置。
  5. 前記溝状部は、背面に加工液が回り込む構造とされ、背面に作用する加工液の水圧が、前記溝状部の前記シール板に対する押し付け力として働くようにされ、水圧を受ける前記背面の面積が、溝状部の圧力を受ける面積に対応する面積とされている
    ことを特徴とする請求項に記載のワイヤ放電加工機のシール装置。
  6. 前記溝状部に前記シール板に向けて突設されたパッキンと、
    前記加圧流体の供給が断たれたときに、前記パッキンを前記シール板に密着させて前記溝状部と前記シール板との間を密閉する力を発生させるフェイルセーフ機構と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項2、4、5のいずれかに記載のワイヤ放電加工機のシール装置。
  7. 前記フェイルセーフ機構が、
    前記溝状部を前記シール板方向に付勢する与圧バネと、
    前記加圧流体供給部から前記加圧流体を供給されて前記溝状部を前記シール板から離す方向に付勢するピストンとを有する
    ことを特徴とする請求項に記載のワイヤ放電加工機のシール装置。
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