JP5268866B2 - フラックスを内包する溶接用ワイヤを製造する工程における異常状態の検出方法 - Google Patents

フラックスを内包する溶接用ワイヤを製造する工程における異常状態の検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、ロボットを用いた溶接などに用いられる「フラックスを内包する溶接用ワイヤ」の製造方法に関するものであって、特にその製造工程における異常状態の検出方法に関する。
従来から、ロボット溶接等においては、内部に溶接フラックスが内蔵された溶接用ワイヤ(溶接棒)が用いられている。この溶接用ワイヤは、帯状のフープ材(帯材)を圧延しつつ、フープ材の幅方向両端を上方に反らせることで当該フープ材の幅方向中央部に溝条部を有するU字フープ材を形成し、このU字フープ材の溝条部に溶接フラックスを挿入し、その後、ライン成形を続けて、U字フープ材の幅方向両端を更に反らせることで両端を接合し断面円形状にすることで製造されている。
ところが、ライン成形時において、U字フープ材の溝条部にフラックスが挿入された後、U字フープ材に振動や捻れが発生すると、溝条部内に存在するフラックスが外部に溢れてしまうことがある。かかる状況下で製造された溶接用ワイヤは、フラックス充填率(フラックス率)が低いものとなり、アーク切れを起こすなど想定された溶接能力を発揮できず、溶接不良の原因と成りうる可能性が大きい。
そのため、溶接用ワイヤの製造工程において、フラックス充填率は厳格に管理されている。フラックス充填率の管理方法としては、製品コイルから一定長さの試料サンプルを切り出して、試料重量およびフラックスを取り除いた重量を測定して、得られた重量よりフラックス充填率を計算し、フラックス充填率が規格に入らなければフラックス投入量やフォーミングラインの調整を行うものがある。
しかし、この方法では、サンプリングを行った近傍のフラックス充填率は正確に求められるかもしれないが、サンプリングしていない部分のフラックス充填率の異常を知ることは不可能である。つまり、溶接用ワイヤ全体について、フラックス充填率を知ることが重要である。
溶接用ワイヤ全体に関しフラックス充填率を連続的に測定する技術は、特許文献1や特許文献2に開示されている。
特許文献1は、フラックス入りワイヤの製造工程において、フラックス充填の前工程における塑性変形度が小さいワイヤ外皮素材の供給速度とフラックス充填以降の製線加工度を増した段階における線速度とを比較してフラックスの充填率を検出するフラックス充填率の測定方法を開示する。
特許文献2は、粉粒体を金属管に充填し、縮径して粉粒体充填管を製造する工程において、粉粒体充填管の伸線機入口側の速度および出口側の速度をレーザー光照射によるドップラー効果を利用して測定し、該測定値を比較演算して粉粒体の充填率を算定する粉粒体充填率の測定方法を開示する。
特公昭58−56680号公報 特開平6−180289号公報
上述の如く、特許文献1や特許文献2に開示された技術は、フープ材の速度を利用してフラックス充填率を長手方向に継続的に評価するものである。
しかしながら、実際にはフープ材に板厚、板幅、強度の変動があり、フープ材の速度が一定であってもフラックス充填率が変動することがあり、特許文献1や特許文献2の技術では検知が困難である。また、フラックス充填率が一定であっても、何らかの原因で速度変動が発生すると、フラックス充填率を誤検出する可能性がある。
それにもまして、フープ材が幅方向に揺れたり、軸芯方向周りに回転したりすると、瞬間的にフラックスが溢れフラックス充填率の局部的な異常になるが、特許文献1や特許文献2に開示された技術は、揺れやローリングによるフラックス充填率の局部異常の判別を行えるものとはなっていない。実際の現場では、フラックス充填率の局部的な異常が非常に問題となっている。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、フープ材の幅方向の揺れや軸芯方向周りに回転を検出することで、フラックス充填率の異常部を特定することのできる溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法を提供することを目的とする。この異常状態の検出方法により、揺れやロールが発生しているフープ材に近い成形スタンドを明らかにすることで、再調整が必要な成形スタンドを速やかに明確にでき、溶接用ワイヤの安定生産を実現できる。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明に係る溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法は、ライン成形により、帯状のフープ材の幅方向両端を上方に反らせることで当該フープ材の幅方向中央部に溝条部を形成し、この溝条部にフラックスを挿入し、その後、フープ材の幅方向両端を更に反らせることで両端を接合し断面円形状に成形して、フラックスが内包された溶接用ワイヤを製造するに際し、前記ライン成形中のフープ材の揺れや軸芯方向周りの回転を検出することで、前記溝条部からフラックスが溢れている状況を検知することを特徴とする。
好ましくは、前記フープ材に対し当該フープ材の軸芯方向に垂直な方向に沿って光切断線を照射し、照射された光切断線を撮像部で撮像し、撮像された光切断線の状況より、前記フープ材の揺れ量や回転量を検出するとよい。
さらに好ましくは、前記撮像部で撮像した光切断線の画像から、所定の閾値以上の輝度を有する高輝度画素を抽出し、抽出された高輝度画素からなる高輝度領域を考え、前記高輝度領域の中心点、重心点又は縁端点の時系列的な位置変化を、前記フープ材の揺れ量とするとよい。
前記時系列的な位置変化の中、フープ材の軸芯方向に垂直な方向の変化量を当該フープ材の揺れ量とすることは非常に好ましい。
また、前記撮像部で撮像した光切断線の画像から、所定の閾値以上の輝度を有する高輝度画素を抽出し、抽出された高輝度画素からなる高輝度領域を考え、前記高輝度領域をフープ材の軸芯方向に垂直な方向に沿って複数の分割領域に分割し、各分割領域の中心点、重心点又は縁端点を算出し、得られた複数の中心点、重心点又は縁端点を直線で繋ぐことで得られる線分図形を考え、前記線分図形の時系列的な回転変化を、フープ材の回転量とするとよい。
前記光切断線として、赤色光を採用するとよい。
以上述べた技術的手段において、検査対象であるフープ材を、その幅方向両端が上方に反っていて幅方向中央部に溝条部を有するU字フープ材とすることは非常に好ましい。
本発明の溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法によれば、フープ材の幅方向の揺れや軸芯方向周りに回転を検出することで、フラックス充填率の異常部を特定することのできる。この異常状態の検出方法により、揺れやロールが発生しているフープ材に近い成形スタンドを明らかにすることで、再調整が必要な成形スタンドを速やかに明確にでき、溶接用ワイヤの安定生産を実現できる。
溶接用ワイヤの製造工程ならびに製造工程で起こりうる異常状態をワイヤ断面で示した模式図である。 本発明にかかる異常状態の検出方法の処理ブロック図である。 本発明にかかる異常状態の検出方法のフローチャートである。 画像処理の結果を示した図である。 画像処理の結果を示した図である(溶接用ワイヤの揺れ)。 画像処理の結果を示した図である(溶接用ワイヤの回転)。 溶接用ワイヤの回転状況を検出するための考え方を説明するための図である。 光切断線に赤色レーザ光を使用した場合の画像処理の結果を示した図である。
以下、本発明に係るフラックスを内包する溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法の実施の形態を、図をもとに説明する。
図1は、フラックス1をその軸芯方向に内包する溶接用ワイヤ2の製造工程(製造設備3)を示した図である。
まず、コイル状に巻回されたフープ材Wは、アンコイラ4により払い出され、5段〜20段の複数の成形スタンド5からなるロール成形機6によりライン状に搬送されつつ圧延・成形される。成形スタンド5はフープ材Wを左右から挟み込みつつ圧延・成形を行う成形ロール7,7を有する。成形されるフープ材Wは、板厚0.4〜2.0mm程度、幅5〜30mm程度にカットされた帯板である。
まず、ロール成形機6の前半側に設けられた成形スタンド5により、フープ材Wの幅方向両端を徐々に上方に反らせることで、フープ材Wの幅方向中央部に溝条部を有するU字フープ材Wを形成する。その後、ロール成形機6の中途部に設けられたフィーダ10から溶接用フラックス1がU字フープ材Wの溝条部に連続的に投下され、フープ材Wに溶接用フラックス1が挿入されることとなる。
その後、ロール成形機6の後半側に設けられた成形スタンド5により、U字フープ材Wの幅方向両端を更に反らせることで、U字フープ材Wを円筒状にし溶接用フラックス1が内蔵された溶接用ワイヤ2とする。この溶接用ワイヤ2は、ロール成形機6の下流側に設けられた伸線機8を通され減径され製品となる。製品となった溶接用ワイヤ2はコイラ9によりコイル状に巻回される。
フィーダ10によりフラックス1が投入された後であって、フープ材Wが円筒状に閉じられるまでの間は、フープ材WはU字状又は円弧状となっており上方開口状である。この状態において、U字フープ材Wが、その軸芯方向(U字フープ材Wの搬送方向)に交わる方向に揺れを発生したり、軸芯回りに回転したりした場合、上方開口から溶接用フラックス1がこぼれ落ちてしまう可能性大である。溶接用フラックス1が溢れ落ちた場合、その部分のフラックス充填率が下がることとなり、アーク切れを起こすなど想定された溶接能力を発揮できず、溶接不良の原因と成りうる可能性大である。それゆえに、U字フープ材Wが揺れたり回転したりする状況は、製造工程における異常状態と考えられる。
本願発明は、このような溶接用ワイヤ2の製造工程における異常状態の検出方法に関するものである。すなわち、本発明の異常状態の検出方法は、ライン成形中のU字フープ材Wの揺れや軸芯方向周りの回転を画像処理の手法を用い遠隔で検出し、揺れ又は回転や捩れが発生していた場合、U字フープ材Wの溝条部からフラックス1が溢れている状況を推定するものである。
なお、以降の説明で、U字フープ材Wの軸芯方向(搬送方向)に交わる方向を「幅方向」と呼ぶこともある。U字フープ材Wの幅方向に沿った揺れのことを、単に「U字フープ材Wの揺れ」と呼び、U字フープ材Wの軸芯方向周りの回転や捩れのことを「ロール」又は「ローリング」と呼ぶこともある。
以下、図1〜図3を基に、異常状態の検出する方法及び画像処理装置20(溶接用ワイヤ2の揺れ及びローリングの検出装置)を説明する。
図1に示す如く、ロール成形機6に備えられた何れかの成形スタンド5の出側又は入側、好ましくは、フィーダ10によりフラックス1が投入された後であって、フープ材Wが円筒状に閉じられるまでの位置に、U字フープ材Wに上方からライン状のレーザ光を照射する投光部21が設けられている。投光部21から照射される光切断線Lは、U字フープ材Wの幅方向に沿って照射される。光切断線Lとしては、赤色レーザ光(波長640nm〜680nm)が好ましい。その理由は後述する。
投光部21から照射された光切断線Lは、U字フープ材Wの上方好ましくは斜め上方は配備された撮像部22により撮像される。撮像部22は2次元CCDカメラを使用しているが、ラインカメラを用いてもよい。
光切断線Lに赤色レーザ光を採用する場合には、撮像部22の撮像レンズ前に赤色レーザのみを通過可能な帯域光学フィルタを取り付ける。
撮像部22で撮像された光切断線Lを含むU字フープ材Wの画像は、フレームメモリ等を介して、パソコン等で構成された解析部23へと取り込まれる。
図2に示す如く、解析部23で行われる処理は、画像データの取得、光切断線Lの抽出、揺れ量・ローリング量の算出、成形不良(異常状態)の判定、アラーム警報信号の発信の順に行われる。言い換えるならば、解析部23は、画像データ取得部24、光切断線抽出部25、揺れ量・ローリング量を算出する特徴量算出部26、異常判定部27、アラーム発生部28を有する。
次に図3〜図6に基づき、解析部23で行われる処理の詳細について述べる。
まず、U字フープ材Wの「揺れ量」を画像解析で求めることに関して述べる。
撮像部22により撮像された画像は、例えば640画素×480画素の画像データとして、画像処理部のフレームメモリに取り込まれる(図3のS1)。
取り込まれた画像は、光切断線Lのみが抽出されるように、2値化処理を行い高輝度のみの画素を抽出するようにする。その後、高輝度画素からなる画素グループ(高輝度領域P)を考える(図3のS2)。
図4は、撮像部22による画像撮像→S1処理→S2処理を模式的に示したものである。図4(a)はU字フープ材Wに光切断線Lが照射されている様子を模式的に示した図であり、この図のような撮像画像が解析部23に取り込まれる。図4(b)にある各点は、光切断線Lに対応する高輝度画素であり、点の集まりが高輝度領域Pである。
その後、図3のS3処理において、高輝度領域Pの重心位置Xg,Ygを求める。なお、重心位置に変えて、高輝度領域Pの中央位置、右縁端位置や左縁端位置を求めてもよい。
S4処理において、求められた高輝度領域Pの重心位置の時系列的な位置変化を算出する。図5には、高輝度領域Pの中央位置の時系列的な位置変化を求めた結果が示してある。
図5(a)(b)は、撮像部22の撮像タイミングごとに得られた高輝度領域Pを、縦軸を時間経過としたグラフ上にプロットしている。図5(a)(b)の上方側が過去の時間に撮像された高輝度領域Pであり、下方側が直近の時間に撮像された高輝度領域Pである。また、図5(a)(b)の横軸は、U字フープ材Wの幅方向に沿った位置を示すものである。このように上側から下側に向けて高輝度領域Pの時系列変化を示すことで、仮想的に、U字フープ材Wが下方から上方へ向けて幅方向に揺れながら移送された状態が示されることとなる。
図5(a)は、高輝度領域Pの右縁端又は左縁端に着目すると分かるように、U字フープ材Wの揺れ量が小さなものとなっている。一方で、図5(b)は、U字フープ材Wの揺れ量が大きなものとなっている。図5(c)は、高輝度領域Pの中央位置の時系列変化を上から下に向けてプロットしたものであり、この図からフープ材Wの揺れが大きいか否かが容易に分かる。なお、図5(c)は、高輝度領域Pの重心位置の軌跡の時系列変化と考えても差し支えない。
その後、図3のS4の処理において、高輝度領域Pの重心位置Xgの撮像タイミングごとの変動ΔXgを算出し、この値を揺れ量ΔXgとする。なお、図5(c)において、「X値の最大値ーX値の最小値」をU字フープ材Wの揺れ量とすることも可能である。
以上の処理により得られた「揺れ量」が所定値以上となった場合には、U字フープ材Wの上方開口から溶接用フラックス1がこぼれ落ちてしまう可能性大であるため、製造工程における異常状態と考え、処理部は外部に対してアラーム警告を行うようにする(図3のS9)。
表1には、フープの揺れが小さい場合(図5(a))と大きい場合(図5(b))についての揺れ量が記載されている。
この実験データを採取した例では、揺れの小さい場合には伸線機8で断線は生じなかったが、揺れの大きい場合には伸線機8で断線が起こった。
したがって、例えば、揺れ量が標準偏差で1.4、変動幅で4を超える場合に、アラームを鳴らすことで、速やかに成形スタンド5の減速や再調整を行うことができ、伸線機8での断線を避けることが可能となる。
次に、U字フープ材Wの「ロール量」を画像解析で求めることに関して述べる。
まず、図3のS1,S2処理により高輝度領域Pを得るようにする。その後、S5の処理において、高輝度領域Pを幅方向に複数の領域に分割する処理を行う。
具体的には、図7(a)に示す如く、2値化後の画像から得られる高輝度領域Pを3分割する場合には、高輝度領域Pの最左縁のX座標値(Xmin)と高輝度領域Pの最右縁のX座標値(Xmax)を考え、ΔX=(Xmax−Xmin)/3とし、Xmin〜(Xmin+ΔX)を第1ゾーン、(Xmin+ΔX)〜(Xmin+2ΔX)を第2ゾーン、(Xmin+2ΔX)〜Xmaxを第3ゾーンとすればよい。
このように、高輝度領域Pの縁端部からの座標を基に、ゾーンを分割することでで、ゾーンの位置が相対的なものとなり、絶対位置の変化量で検出される「揺れ量」の影響を排除できる。
なお、高輝度領域Pを複数のゾーンに分割するに際しては、ゾーン数の数は3つに限定されるものではない。5つ以上に分割してもよい。分割の手法も、各ゾーンに含まれる高輝度画素数が同じとなるように、ゾーン分割を行ってもよい。
その後、図3のS6の処理において、各ゾーンに含まれる高輝度画素を基にして、各ゾーンの重心位置(Xgi,Ygi)を算出する。
S7の処理において、(Xgi,Ygi)を結ぶ図形を対象にして、U字フープ材Wのロール量に関係する量を算出する。具体的には、図7(b)に示すように、各ゾーンの重心位置を順に結ぶ直線図形を(Xg1,Yg1)→(Xg2,Yg2)→(Xg3,Yg3)考える。(Xg1,Yg1)→(Xg2,Yg2)を結ぶ直線を直線12、(Xg2,Yg2)→(Xg3,Yg3)を結ぶ直線を直線23とした場合、直線12と直線23との成す角を考え、この角を2分する直線(直線14)を考える。
この直線14と垂線と成す角をローリング指標ωとする。このローリング指標ωは、U字フープ材Wのロール量と一対一に対応し、ロール量に関係する量である。すなわち、ロール量が大きければローリング指標ωは大きくなり、ロール量が小さければローリング指標ωも小さくなる。ロールがプラス値(右回転)であればローリング指標ωもプラス値となり、ロールがマイナス値(左回転)であればローリング指標ωもマイナス値となる。
S8の処理において、撮像部22における撮像タイミング毎に、ローリング指標ωを算出する。
図6には、S5〜S8の処理を行った結果が示されている。図6(a)(b)は、撮像部22により得られた画像撮像に2値化処理を行った後、光切断線Lに対応する高輝度領域Pを抽出したものである。図6(a)は、U字フープ材Wにローリングが発生していない状況であり、図6(b)は、U字フープ材Wにローリングが発生している状況である。
このような高輝度領域Pに対して、S5、S6の処理を行い、各ゾーン(3ゾーン)に含まれる高輝度画素を基にして、各ゾーンの重心位置(Xgi,Ygi)を算出する。図6(c)は、ゾーン毎の重心位置の時系列変化を示したものである。図6(c)の上方側が過去の時間に撮像された各ゾーンの重心位置であり、下方側が直近の時間に撮像された各ゾーンの重心位置である。この図6(c)を見るだけでは、U字フープ材Wがローリングしているか否かは明確には判らない。
そこで、各ゾーンの重心位置(Xgi,Ygi)を基に、S7,S8の処理を行う。その結果(ローリング指標ωの時間変化)が図6(d)に示されている。図6(d)の上方側が過去の時間に撮像されたU字フープ材Wのローリング指標ωであり、下方側が直近の時間に撮像されたU字フープ材Wのローリング指標ωである。また、図6(d)の横軸は、ローリング指標ωの値を示している。
図6(d)から明らかなように、本実施例のU字フープ材Wは、縦軸の値120〜110の間は、ローリング指標ωは0〜10の範囲(垂直線より直線14が0°〜10°程度傾いている)であるが、縦軸の値110〜50の間は、ローリング指標ωは10〜20の範囲となり、垂直線より直線14が10°〜20°程度傾いていて、U字フープ材Wにローリングが発生している。その後、縦軸の値50〜30の間は、ローリング指標ωは0〜−5の範囲となり、U字フープ材Wにローリングが未発生の状況となることがわかる。
そこで、S9の処理においては、ローリング指標ωは−10<ω<10(|Δω|<10)を満たさない場合には、U字フープ材Wにローリングが発生している可能性が大であり、U字フープ材Wの上方開口から溶接用フラックス1がこぼれ落ちてしまう危険性がある。そのため、かかる状況を製造工程における異常状態と考え、処理部は外部に対してアラーム警告を行うようにする。
ところで、本実施の形態では、照射部から照射される光切断線Lとしては、赤色レーザ光(波長640nm〜680nm)を採用している。撮像部22においては、赤色レーザ光のみを通過可能な帯域光学フィルタを撮像レンズの前に配備している。
赤色レーザ光を使用する理由としては、図8(a)に示すように、撮像部22で撮像する画像では、工場内の蛍光灯や水銀灯の光などが成形ロール7に反射して、局部的に輝度の高い部分が認められる。単純に輝度の高い部分を抽出すると、図8(b)のように、光切断線Lのみならず、成形ロール7に生じているハレーション光も抽出してしまい、光切断線Lだけを取り出すことが困難となる。
そこで、背景光とは異なる波長を有する赤色レーザ光からなる光切断線Lを照射し、帯域光フィルタを用いて赤色のみを抽出することで、図8(c)の如く、光切断線Lのみをピックアップすることができる。これは、背景光は、赤、青、緑とも同じように輝度を有するが、赤色レーザ光による光切断線Lでは、赤色の輝度が他の原色の輝度よりも高いためであり、単色のレーザ光を使用することで容易にフープ材の光切断線Lを抽出できるようになる。
以上述べたように、溶接用ワイヤ2の製造工程における、画像処理装置20を用いた異常状態の検出方法を用いることで、フープ材Wの幅方向の揺れやローリングを確実に検知することができるようになる。フープ材Wの揺れやロールを検出することで、フラックス充填率が低い異常部を特定することが可能となり、異常部発生の原因となっている成形スタンド5を推定でき、速やかに再調整することも可能である。
以上、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、異常検出のための画像処理装置20(投光部21、撮像部22など)は、上方開口状態のU字フープ材Wに対して設けられたが、溶接用ワイヤ2の製造設備3のいずれの場所に設けてもよい。ロール成形機6に入る前のフープ材W、又はフィーダ10より上流側に位置する成形スタンド5の出側又は入側のフープ材Wに対して画像処理装置20を設けてもよい。U字形状となる前のフープ材Wの揺れやローリングを検出することでも、フラックス充填率が低い異常部を特定するのに有益な情報となりうる。
1 フラックス
2 溶接用ワイヤ
3 製造設備
4 アンコイラ
5 成形スタンド
6 ロール成形機
7 成形ロール
8 伸線機
9 コイラ
10 フィーダ
20 画像処理装置
21 投光部
22 撮像部
23 解析部
24 画像データ取得部
25 光切断線抽出部
26 特徴量算出部
27 異常判定部
28 アラーム発生部
L 光切断線
P 高輝度領域
W フープ材

Claims (6)

  1. ライン成形により、帯状のフープ材の幅方向両端を上方に反らせることで当該フープ材の幅方向中央部に溝条部を形成し、この溝条部にフラックスを挿入し、その後、フープ材の幅方向両端を更に反らせることで両端を接合し断面円形状に成形して、フラックスが内包された溶接用ワイヤを製造するに際し、
    前記ライン成形中のフープ材の揺れや軸芯方向周りの回転を検出することで、前記溝条部からフラックスが溢れている状況を検知することを特徴とする溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法。
  2. 前記フープ材に対し、当該フープ材の軸芯方向に垂直な方向に沿って光切断線を照射し、
    照射された光切断線を撮像部で撮像し、
    撮像された光切断線の状況より、前記フープ材の揺れ量や回転量を検出することを特徴とする請求項1に記載の溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法。
  3. 前記撮像部で撮像した光切断線の画像から、所定の閾値以上の輝度を有する高輝度画素を抽出し、
    抽出された高輝度画素からなる高輝度領域を考え、
    前記高輝度領域の中心点、重心点又は縁端点の時系列的な位置変化を、前記フープ材の揺れ量とすることを特徴とする請求項2に記載の溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法。
  4. 前記時系列的な位置変化の中、フープ材の軸芯方向に垂直な方向の変化量を当該フープ材の揺れ量とすることを特徴とする請求項3に記載の溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法。
  5. 前記撮像部で撮像した光切断線の画像から、所定の閾値以上の輝度を有する高輝度画素を抽出し、
    抽出された高輝度画素からなる高輝度領域を考え、
    前記高輝度領域をフープ材の軸芯方向に垂直な方向に沿って複数の分割領域に分割し、
    各分割領域の中心点、重心点又は縁端点を算出し、
    得られた複数の中心点、重心点又は縁端点を直線で繋ぐことで得られる線分図形を考え、
    前記線分図形の時系列的な回転変化を、フープ材の回転量とすることを特徴とする請求項〜4のいずれかに記載の溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法。
  6. 前記光切断線として、赤色光を採用していることを特徴とする請求項〜5のいずれかに記載の溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法。
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