JP5268866B2 - フラックスを内包する溶接用ワイヤを製造する工程における異常状態の検出方法 - Google Patents
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Description
溶接用ワイヤ全体に関しフラックス充填率を連続的に測定する技術は、特許文献1や特許文献2に開示されている。
特許文献2は、粉粒体を金属管に充填し、縮径して粉粒体充填管を製造する工程において、粉粒体充填管の伸線機入口側の速度および出口側の速度をレーザー光照射によるドップラー効果を利用して測定し、該測定値を比較演算して粉粒体の充填率を算定する粉粒体充填率の測定方法を開示する。
しかしながら、実際にはフープ材に板厚、板幅、強度の変動があり、フープ材の速度が一定であってもフラックス充填率が変動することがあり、特許文献1や特許文献2の技術では検知が困難である。また、フラックス充填率が一定であっても、何らかの原因で速度変動が発生すると、フラックス充填率を誤検出する可能性がある。
本発明に係る溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法は、ライン成形により、帯状のフープ材の幅方向両端を上方に反らせることで当該フープ材の幅方向中央部に溝条部を形成し、この溝条部にフラックスを挿入し、その後、フープ材の幅方向両端を更に反らせることで両端を接合し断面円形状に成形して、フラックスが内包された溶接用ワイヤを製造するに際し、前記ライン成形中のフープ材の揺れや軸芯方向周りの回転を検出することで、前記溝条部からフラックスが溢れている状況を検知することを特徴とする。
さらに好ましくは、前記撮像部で撮像した光切断線の画像から、所定の閾値以上の輝度を有する高輝度画素を抽出し、抽出された高輝度画素からなる高輝度領域を考え、前記高輝度領域の中心点、重心点又は縁端点の時系列的な位置変化を、前記フープ材の揺れ量とするとよい。
また、前記撮像部で撮像した光切断線の画像から、所定の閾値以上の輝度を有する高輝度画素を抽出し、抽出された高輝度画素からなる高輝度領域を考え、前記高輝度領域をフープ材の軸芯方向に垂直な方向に沿って複数の分割領域に分割し、各分割領域の中心点、重心点又は縁端点を算出し、得られた複数の中心点、重心点又は縁端点を直線で繋ぐことで得られる線分図形を考え、前記線分図形の時系列的な回転変化を、フープ材の回転量とするとよい。
以上述べた技術的手段において、検査対象であるフープ材を、その幅方向両端が上方に反っていて幅方向中央部に溝条部を有するU字フープ材とすることは非常に好ましい。
図1は、フラックス1をその軸芯方向に内包する溶接用ワイヤ2の製造工程(製造設備3)を示した図である。
まず、コイル状に巻回されたフープ材Wは、アンコイラ4により払い出され、5段〜20段の複数の成形スタンド5からなるロール成形機6によりライン状に搬送されつつ圧延・成形される。成形スタンド5はフープ材Wを左右から挟み込みつつ圧延・成形を行う成形ロール7,7を有する。成形されるフープ材Wは、板厚0.4〜2.0mm程度、幅5〜30mm程度にカットされた帯板である。
以下、図1〜図3を基に、異常状態の検出する方法及び画像処理装置20(溶接用ワイヤ2の揺れ及びローリングの検出装置)を説明する。
光切断線Lに赤色レーザ光を採用する場合には、撮像部22の撮像レンズ前に赤色レーザのみを通過可能な帯域光学フィルタを取り付ける。
図2に示す如く、解析部23で行われる処理は、画像データの取得、光切断線Lの抽出、揺れ量・ローリング量の算出、成形不良(異常状態)の判定、アラーム警報信号の発信の順に行われる。言い換えるならば、解析部23は、画像データ取得部24、光切断線抽出部25、揺れ量・ローリング量を算出する特徴量算出部26、異常判定部27、アラーム発生部28を有する。
まず、U字フープ材Wの「揺れ量」を画像解析で求めることに関して述べる。
撮像部22により撮像された画像は、例えば640画素×480画素の画像データとして、画像処理部のフレームメモリに取り込まれる(図3のS1)。
取り込まれた画像は、光切断線Lのみが抽出されるように、2値化処理を行い高輝度のみの画素を抽出するようにする。その後、高輝度画素からなる画素グループ(高輝度領域P)を考える(図3のS2)。
その後、図3のS3処理において、高輝度領域Pの重心位置Xg,Ygを求める。なお、重心位置に変えて、高輝度領域Pの中央位置、右縁端位置や左縁端位置を求めてもよい。
図5(a)(b)は、撮像部22の撮像タイミングごとに得られた高輝度領域Pを、縦軸を時間経過としたグラフ上にプロットしている。図5(a)(b)の上方側が過去の時間に撮像された高輝度領域Pであり、下方側が直近の時間に撮像された高輝度領域Pである。また、図5(a)(b)の横軸は、U字フープ材Wの幅方向に沿った位置を示すものである。このように上側から下側に向けて高輝度領域Pの時系列変化を示すことで、仮想的に、U字フープ材Wが下方から上方へ向けて幅方向に揺れながら移送された状態が示されることとなる。
以上の処理により得られた「揺れ量」が所定値以上となった場合には、U字フープ材Wの上方開口から溶接用フラックス1がこぼれ落ちてしまう可能性大であるため、製造工程における異常状態と考え、処理部は外部に対してアラーム警告を行うようにする(図3のS9)。
したがって、例えば、揺れ量が標準偏差で1.4、変動幅で4を超える場合に、アラームを鳴らすことで、速やかに成形スタンド5の減速や再調整を行うことができ、伸線機8での断線を避けることが可能となる。
まず、図3のS1,S2処理により高輝度領域Pを得るようにする。その後、S5の処理において、高輝度領域Pを幅方向に複数の領域に分割する処理を行う。
具体的には、図7(a)に示す如く、2値化後の画像から得られる高輝度領域Pを3分割する場合には、高輝度領域Pの最左縁のX座標値(Xmin)と高輝度領域Pの最右縁のX座標値(Xmax)を考え、ΔX=(Xmax−Xmin)/3とし、Xmin〜(Xmin+ΔX)を第1ゾーン、(Xmin+ΔX)〜(Xmin+2ΔX)を第2ゾーン、(Xmin+2ΔX)〜Xmaxを第3ゾーンとすればよい。
なお、高輝度領域Pを複数のゾーンに分割するに際しては、ゾーン数の数は3つに限定されるものではない。5つ以上に分割してもよい。分割の手法も、各ゾーンに含まれる高輝度画素数が同じとなるように、ゾーン分割を行ってもよい。
S7の処理において、(Xgi,Ygi)を結ぶ図形を対象にして、U字フープ材Wのロール量に関係する量を算出する。具体的には、図7(b)に示すように、各ゾーンの重心位置を順に結ぶ直線図形を(Xg1,Yg1)→(Xg2,Yg2)→(Xg3,Yg3)考える。(Xg1,Yg1)→(Xg2,Yg2)を結ぶ直線を直線12、(Xg2,Yg2)→(Xg3,Yg3)を結ぶ直線を直線23とした場合、直線12と直線23との成す角を考え、この角を2分する直線(直線14)を考える。
図6には、S5〜S8の処理を行った結果が示されている。図6(a)(b)は、撮像部22により得られた画像撮像に2値化処理を行った後、光切断線Lに対応する高輝度領域Pを抽出したものである。図6(a)は、U字フープ材Wにローリングが発生していない状況であり、図6(b)は、U字フープ材Wにローリングが発生している状況である。
赤色レーザ光を使用する理由としては、図8(a)に示すように、撮像部22で撮像する画像では、工場内の蛍光灯や水銀灯の光などが成形ロール7に反射して、局部的に輝度の高い部分が認められる。単純に輝度の高い部分を抽出すると、図8(b)のように、光切断線Lのみならず、成形ロール7に生じているハレーション光も抽出してしまい、光切断線Lだけを取り出すことが困難となる。
例えば、異常検出のための画像処理装置20(投光部21、撮像部22など)は、上方開口状態のU字フープ材Wに対して設けられたが、溶接用ワイヤ2の製造設備3のいずれの場所に設けてもよい。ロール成形機6に入る前のフープ材W、又はフィーダ10より上流側に位置する成形スタンド5の出側又は入側のフープ材Wに対して画像処理装置20を設けてもよい。U字形状となる前のフープ材Wの揺れやローリングを検出することでも、フラックス充填率が低い異常部を特定するのに有益な情報となりうる。
2 溶接用ワイヤ
3 製造設備
4 アンコイラ
5 成形スタンド
6 ロール成形機
7 成形ロール
8 伸線機
9 コイラ
10 フィーダ
20 画像処理装置
21 投光部
22 撮像部
23 解析部
24 画像データ取得部
25 光切断線抽出部
26 特徴量算出部
27 異常判定部
28 アラーム発生部
L 光切断線
P 高輝度領域
W フープ材
Claims (6)
- ライン成形により、帯状のフープ材の幅方向両端を上方に反らせることで当該フープ材の幅方向中央部に溝条部を形成し、この溝条部にフラックスを挿入し、その後、フープ材の幅方向両端を更に反らせることで両端を接合し断面円形状に成形して、フラックスが内包された溶接用ワイヤを製造するに際し、
前記ライン成形中のフープ材の揺れや軸芯方向周りの回転を検出することで、前記溝条部からフラックスが溢れている状況を検知することを特徴とする溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法。 - 前記フープ材に対し、当該フープ材の軸芯方向に垂直な方向に沿って光切断線を照射し、
照射された光切断線を撮像部で撮像し、
撮像された光切断線の状況より、前記フープ材の揺れ量や回転量を検出することを特徴とする請求項1に記載の溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法。 - 前記撮像部で撮像した光切断線の画像から、所定の閾値以上の輝度を有する高輝度画素を抽出し、
抽出された高輝度画素からなる高輝度領域を考え、
前記高輝度領域の中心点、重心点又は縁端点の時系列的な位置変化を、前記フープ材の揺れ量とすることを特徴とする請求項2に記載の溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法。 - 前記時系列的な位置変化の中、フープ材の軸芯方向に垂直な方向の変化量を当該フープ材の揺れ量とすることを特徴とする請求項3に記載の溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法。
- 前記撮像部で撮像した光切断線の画像から、所定の閾値以上の輝度を有する高輝度画素を抽出し、
抽出された高輝度画素からなる高輝度領域を考え、
前記高輝度領域をフープ材の軸芯方向に垂直な方向に沿って複数の分割領域に分割し、
各分割領域の中心点、重心点又は縁端点を算出し、
得られた複数の中心点、重心点又は縁端点を直線で繋ぐことで得られる線分図形を考え、
前記線分図形の時系列的な回転変化を、フープ材の回転量とすることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法。 - 前記光切断線として、赤色光を採用していることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の溶接用ワイヤの製造工程における異常状態の検出方法。
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