JP5268719B2 - 海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去方法及びシステム - Google Patents

海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去方法及びシステム Download PDF

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Description

本発明は、海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去方法及びシステムに関する。
火力発電所やゴミ焼却所は、設置場所に制約が少ないために世界中で多くの場所に作られている。また、これらのプラントからは多量の二酸化炭素が排出されてしまうため、昨今の地球温暖化問題への関心および規制強化の背景を受けて、前記二酸化炭素の排出量の削減は急務となっている。
前記二酸化炭素の排出量を削減すべく、前記プラントの高効率化を図る一方で、排出される二酸化炭素を吸収するための方法及びシステムの開発がなされている。例えば、特許文献1には、水酸化カルシウム(Ca(OH))及びアンモニア(NH)を反応させて水酸化アンモニウム(NHOH)を生成し、海水とともに所定の処理装置内に導入し、水酸化アンモニウム及び海水を含む溶液に対して二酸化炭素を含む排ガスを接触させることによって、前記二酸化炭素を吸収することが開示されている。
しかしながら、上記方法では、水酸化カルシウムは酸化カルシウム(CaO)の加水分解で作られ、酸化カルシウムは炭酸カルシウム(CaCO)の熱分解で作られる。炭酸カルシウムの熱分解に際しては、酸化カルシウムに加えて二酸化炭素も同じ割合(等モル)で生成される。したがって、上記方法では、二酸化炭素を吸収するために使用する原料である水酸化アンモニウムを生成する際にも同じ量の二酸化炭素が生成されることになり、排ガス中の二酸化炭素は吸収できても、吸収した分に相当する二酸化炭素を生成してしまい、上述した二酸化炭素の排出量の低減という課題を達成することはできない。
また、二酸化炭素を吸収する際には複数の反応生成物が作られるが、上記文献には前記反応生成物の処理については何ら開示されていない。したがって、上記文献に記載の技術を、実際のプラントから排出される二酸化炭素の吸収に対して実用することはできない。
US2008/0173588 A1
本発明は、副次的な反応生成物の処理をも考慮した、火力発電所やゴミ焼却所等のプラントから排出される二酸化炭素の吸収に対して、実用可能な方法及びシステムを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、海水にアンモニアを吹き込んで飽和させ、アンモニア飽和海水を生成するステップと、前記アンモニア飽和海水に対して非加熱状態の排ガスを接触させ、前記排ガス中の二酸化炭素を吸収させるステップと、前記アンモニア飽和海水が、前記二酸化炭素を吸収することによって生成した炭酸水素ナトリウム及び塩化アンモニウムを含む溶液を、順次に、前記排ガスの圧力を利用して噴霧するとともに、前記溶液中の溶媒の気化熱を利用して冷却し、前記溶液中の前記炭酸水素ナトリウム及び前記塩化アンモニウムを沈殿させることにより回収するステップと、を具えることを特徴とする、海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去方法に関する。
また、本発明の一態様は、海水を100℃以上の温度の排ガスと接触させて水分を蒸発させ、塩分濃度を増大させた濃縮海水を生成するステップと、前記濃縮海水にアンモニアを吹き込んで飽和させ、アンモニア飽和濃縮海水を生成するステップと、前記アンモニア飽和濃縮海水に対して非加熱状態の排ガスを接触させ、前記排ガス中の二酸化炭素を吸収させるステップと、前記アンモニア飽和濃縮海水が前記二酸化炭素を吸収することによって生成した炭酸水素ナトリウムの沈殿物を回収するステップと、前記アンモニア飽和濃縮海水が前記二酸化炭素を吸収することによって生成した塩化アンモニウムを含む溶液を、前記非加熱状態の排ガスの圧力を利用して噴霧するとともに、前記溶液中の溶媒の気化熱を利用して冷却し、前記塩化アンモニウムを沈殿させて回収するステップと、を具えることを特徴とする、海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去方法に関する。
さらに、本発明の一態様は、逆浸透膜法を用いた淡水化プラントにおいて、塩分濃度を増大させた濃縮海水を生成するステップと、前記濃縮海水にアンモニアを吹き込んで飽和させ、アンモニア飽和濃縮海水を生成するステップと、前記アンモニア飽和濃縮海水に対して非加熱状態の排ガスを接触させ、前記排ガス中の二酸化炭素を吸収させるステップと、前記アンモニア飽和濃縮海水が前記二酸化炭素を吸収することによって生成した炭酸水素ナトリウムの沈殿物を回収するステップと、前記アンモニア飽和濃縮海水が前記二酸化炭素を吸収することによって生成した塩化アンモニウム溶液を、前記非加熱状態の排ガスの圧力を利用して噴霧するとともに、前記溶液中の溶媒の気化熱を利用して冷却し、前記塩化アンモニウムを沈殿させて回収するステップと、を具えることを特徴とする、海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去方法に関する。
また、本発明の一態様は、海水にアンモニアを吹き込んで飽和させることによって得たアンモニア飽和海水を貯留するとともに、前記アンモニア飽和海水に対して非加熱状態の排ガスを接触させ、前記排ガス中の二酸化炭素を吸収させるための二酸化炭素吸収槽と、前記アンモニア飽和海水に対して、前記排ガス中の二酸化炭素を吸収させることによって生成した炭酸水素ナトリウム及び塩化アンモニウムを含む溶液を貯留する貯留槽と、前記溶液を、前記排ガスの圧力を利用して噴霧するとともに、前記溶液中の溶媒の気化熱を利用して冷却し、前記溶液中の前記炭酸水素ナトリウムを沈殿させて回収する第1の沈殿槽と、前記溶液を、前記排ガスの圧力を利用して噴霧するとともに、前記溶液中の前記溶媒の気化熱を利用して冷却し、前記溶液中の前記塩化アンモニウムを沈殿させて回収する第2の沈殿槽と、を具えることを特徴とする、海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去システムに関する。
さらに、本発明の一態様は、海水を100℃以上の温度の排ガスと接触させて水分を蒸発させ、塩分濃度を増大させた濃縮海水を得るための海水濃縮槽と、前記濃縮海水を貯留する貯留槽と、前記濃縮海水にアンモニアを吹き込んで飽和させ、アンモニア飽和濃縮海水を生成するとともに、前記アンモニア飽和濃縮海水に対して非加熱状態の排ガスを接触させ、前記排ガス中の二酸化炭素を吸収させると同時に、前記アンモニア飽和濃縮海水が前記二酸化炭素を吸収することによって生成した炭酸水素ナトリウムの沈殿物を回収する二酸化炭素吸収槽と、前記アンモニア飽和濃縮海水が前記二酸化炭素を吸収することによって生成した塩化アンモニウムを含む溶液を、前記非加熱状態の排ガスの圧力を利用して噴霧するとともに、前記溶液中の溶媒の気化熱を利用して冷却し、前記塩化アンモニウムを沈殿させて回収する沈殿槽と、を具えることを特徴とする、海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去システムに関する。
また、本発明の一態様は、塩分濃度を増大させた濃縮海水を生成するための逆浸透膜法を用いた淡水化プラントと、前記濃縮海水を貯留する貯留槽と、前記濃縮海水にアンモニアを吹き込んで飽和させ、アンモニア飽和濃縮海水を生成するとともに、前記アンモニア飽和濃縮海水に対して非加熱状態の排ガスを接触させ、前記排ガス中の二酸化炭素を吸収させると同時に、前記アンモニア飽和濃縮海水が前記二酸化炭素を吸収することによって生成した炭酸水素ナトリウムの沈殿物を回収する二酸化炭素吸収槽と、前記アンモニア飽和濃縮海水が前記二酸化炭素を吸収することによって生成した塩化アンモニウムを含む溶液を、前記非加熱状態の排ガスの圧力を利用して噴霧するとともに、前記溶液中の溶媒の気化熱を利用して冷却し、前記塩化アンモニウムを沈殿させて回収する沈殿槽と、を具えることを特徴とする、海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去システムに関する。
本発明によれば、副次的な反応生成物の処理をも考慮した、火力発電所やゴミ焼却所等のプラントから排出される二酸化炭素の吸収に対して、実用可能な方法及びシステムを提供することができる。
第1の実施形態における海水を利用した排ガス中の二酸化炭素除去システムの概略構成を示す図である。 第2の実施形態における海水を利用した排ガス中の二酸化炭素除去システムの概略構成を示す図である。 第3の実施形態における海水を利用した排ガス中の二酸化炭素除去システムの概略構成を示す図である。 第4の実施形態における海水を利用した排ガス中の二酸化炭素除去システムの概略構成を示す図である。
以下、本発明の詳細、並びにその他の特徴及び利点について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における海水を利用した排ガス中の二酸化炭素除去システムの概略構成を示す図である。
図1から明らかなように、本実施形態における二酸化炭素除去システム10は、上流側から順次に、二酸化炭素吸収槽11、第1の貯留槽12、第1の沈殿槽13及び第2の沈殿槽14が設けられている。二酸化炭素吸収槽11は、以下に説明するように、排ガス中の二酸化炭素の吸収を行うための槽であり、第1の貯留槽12は、二酸化炭素吸収槽11で二酸化炭素を吸収した結果生成した炭酸水素ナトリウム及び塩化アンモニウム溶液を貯留するための槽である。また、第1の沈殿槽13及び第2の沈殿槽14は、それぞれ前記溶液から、炭酸水素ナトリウム及び塩化アンモニウムを沈澱させて回収するための槽である。
また、第2の沈殿槽14の下流側には、前記塩化アンモニウム溶液から前記塩化アンモニウムを除去した後の、希薄塩化アンモニウム水溶液を貯留するための第2の貯留槽15が設けられており、第2の貯留槽15と並列に生成した水蒸気を冷却して回収するための冷却槽16及び前記水蒸気を冷却することによって得た真水を貯留するための第3の貯留槽17が設けられている。
図1に示す二酸化炭素除去システム10を用いた二酸化炭素の除去については、以下のようにして行う。
最初に、二酸化炭素吸収槽11内に、パイプ21から海水を供給して充填するとともに、アンモニア供給タンク18よりパイプ23を介してアンモニアを供給し、海水に対して飽和させてアンモニア飽和海水を生成する。そして、パイプ22を介して非加熱状態の排ガスを二酸化炭素吸収槽11内に導入し、前記アンモニア飽和海水と接触させる。
すると、以下に示すような反応式(1)に従って、上記排ガス中の二酸化炭素が前記アンモニア飽和海水と化学的に反応し、このような化学的な反応を通じて吸収されることになる。なお、(1)式はアンモニアソーダ法の炭酸ナトリウムを製造する際に出現する反応式の一つと同じである。また、上記非加熱状態の排ガスにおける“非加熱状態”とは、特定の目的で積極的に加熱を実施していない状態の排ガスを意味し、例えば室温(20℃程度)の排ガスを意味するものである。
NaCl+HO+NH+CO→ NaHCO + NHCl …(1)
(1)式から明らかなように、二酸化炭素吸収槽11内で二酸化炭素の吸収が行われると、それに伴って反応生成物である炭酸水素ナトリウム(重曹)及び塩化アンモニウムが生成される。したがって、続く工程では、前記炭酸水素ナトリウム(重曹)及び前記塩化アンモニウムを回収する工程が必要になる。
本実施形態では、二酸化炭素吸収槽11からパイプ26内を通って第1の沈殿槽13に導入される前記排ガスの圧力を利用し、前記炭酸水素ナトリウム(重曹)及び前記塩化アンモニウムを含む溶液を、パイプ24を介して一旦第1の貯留槽12内に貯留させた後、パイプ25を介して第1の沈殿槽13に移送する。
なお、前記排ガスは、二酸化炭素吸収槽11内を通過した後に利用されるため、二酸化炭素吸収槽11内に導入される以前には、前記排ガスがたとえ高温の状態であっても、二酸化炭素吸収槽11内のアンモニア飽和海水によって冷却され、第1の沈殿槽13内に導入する際には冷却された状態で導入されるようになる。
塩化アンモニウムの溶解度は、炭酸水素ナトリウムの溶解度に比較して高く、例えば室温(20℃程度)では、7倍の大きさとなる。したがって、本実施形態においては、最初に第1の沈殿槽13において上記炭酸水素ナトリウムを沈殿させた後、回収する。具体的には、第1の沈殿槽13において、前記炭酸水素ナトリウム及び前記塩化アンモニウムを含む溶液を噴霧させる。すると、前記溶液中の溶媒が蒸発するとともに、前記溶媒が気化するようになるので、この際の気化熱によって前記溶液が冷却され、その温度が低下するようになる。なお、前記溶媒は、主として水であるが、未反応のアンモニア等も含むことができる。
この結果、前記溶液を構成する海水における塩分の溶解度が、前記溶液中の前記炭酸水素ナトリウムの溶解度とほぼ同一あるいはそれを超えるようになるので、前記炭酸水素ナトリウム溶液中には最早炭酸水素ナトリウムが溶解することができず、沈殿するようになる。したがって、生成した沈殿物を回収することにより、上述のように二酸化炭素を吸収することによって生成した反応生成物である炭酸水素ナトリウムの回収を行うことができる。
例えば、海水の塩分濃度は3.5重量%(0.6mol/l)であるので、上述のような排ガスを利用した噴霧によって、水分の一部を蒸発させ、さらに気化熱によって0℃ちかくまで冷却できれば、炭酸水素ナトリウムの溶解度0.77mol/lとほぼ同等、あるいはこれを超えるようにすることができ、上記炭酸水素ナトリウムを沈殿することができるようになる。
次いで、第1の沈殿槽13から、残った塩化アンモニウムを含む溶液を、パイプ28を介して第2の沈殿槽14内に導入する。この際にも、前記排ガスの圧力を利用して前記溶液を第2の沈殿槽14において噴霧するようにする。これによって、上記炭酸水素ナトリウムの場合と同様に、前記溶液を構成する海水における塩分の溶解度が、前記溶液中の塩化アンモニウムの溶解度とほぼ同一あるいはそれを超えるようになるので、前記溶液中には最早塩化アンモニウムが溶解することができず、沈殿するようになる。したがって、生成した沈殿物を回収することによって、上述のように二酸化炭素を吸収することによって生成した反応生成物である塩化アンモニウムの回収を行うことができる。
なお、第2の沈殿槽14内で上記塩化アンモニウムを沈殿させた後に得られる希薄塩化アンモニウム水溶液は、パイプ31を通って第2の貯留槽15に貯留される。
また、第1の沈殿槽13及び第2の沈殿槽14で噴霧した際に生じた水蒸気は、冷却槽16を通って真水化され、第3の貯留槽17に貯留されるようになる。
なお、二酸化炭素が除去された後の上記排ガスは、冷却槽16からパイプ32を通じて外部に放出される。
このように、本実施形態においては、海水とアンモニアとを用いたアンモニア飽和海水を用いて二酸化炭素を吸収しており、多量の二酸化炭素を副次的に生成する原料を使用していないので、別途吸収した二酸化炭素と等モルの二酸化炭素を生成してしまうようなことがなく、二酸化炭素の吸収及び回収を実際に実現させることができる。また、副次的な反応生成物である炭酸水素ナトリウム及び塩化アンモニウムの回収も行うことができるので、火力発電所やゴミ焼却所等のプラントから排出される二酸化炭素の吸収に対して、実用可能な方法及びシステムを提供することができる。
実際、1g(0.023mol)の二酸化炭素を吸収するのに、当モルのアンモニアが必要なので、このときのアンモニアの量は0.39gである。アンモニア1g当たり製造するのに発生する二酸化炭素はeasy-LCA(東芝製)の原単位データ(2000年)によれば0.36gであるので0.39gでは0.14g発生することになる。これより他は省略すると、二酸化炭素最小発生量は1.14gと見積もれ、このうち1gが100%の収率で吸収固定化されるとすれば、固定化率は87.9%となる。これはスケールが大きくなっても同じ比になるので、本実施形態では約88%の二酸化炭素回収率(固定率)を達成することができる。
なお、上記炭酸水素ナトリウムは重曹として使用でき、上記塩化アンモニウムは肥料として使用することができるので、上述のようにして二酸化炭素を吸収した際に生成する反応生成物は、人体に有害な物質としてではなく、資源として再利用できるものである。さらに、本実施形態においては、上述のようにして二酸化炭素を吸収する際に、海水の一部を真水化することができる。
したがって、本実施形態における二酸化炭素の回収方法及びシステムは、環境破壊等を引き起こすことのない、優れた回収方法及びシステムであることが分かる。
なお、本実施形態において、冷却槽16から排出された排ガスは、その二酸化炭素濃度に応じて、図1に示すシステム内を循環するようにし、複数回の処理に供するようにすることもできる。また、第1の沈殿槽13及び第2の沈殿槽14で噴霧を行う際に、別ルートで高温の排ガスを導入し、溶媒、すなわち水分等の蒸発を促進させるようにすることもできる。
(第2の実施形態)
図2は、本実施形態における海水を利用した排ガス中の二酸化炭素除去システムの概略構成を示す図である。
図2から明らかなように、本実施形態における二酸化炭素除去システム40は、上流側から順次に、海水濃縮槽41、第1の貯留槽42、二酸化炭素吸収槽43及び沈殿槽44が設けられている。海水濃縮槽41は、以下に説明するように、二酸化炭素吸収槽43で、二酸化炭素の吸収と反応生成物である炭酸水素ナトリウムとの沈殿を同時に生ぜしめるような濃度にまで海水中の塩分濃度を増大させるための槽であり、第1の貯留槽42は、海水濃縮槽41で濃縮された海水を貯留するための槽である。
また、二酸化炭素吸収槽43は、上述のように、二酸化炭素の吸収と反応生成物である炭酸水素ナトリウムとの沈殿を同時に生ぜしめるための槽であり、沈殿槽44は、反応生成物である塩化アンモニウムを沈殿させて回収するための槽である。
また、沈殿槽44の下流側には、前記塩化アンモニウムを含む溶液から前記塩化アンモニウムを除去した後の、希薄塩化アンモニウム水溶液を貯留するための第2の貯留槽45が設けられている。さらに、海水濃縮槽41の下流側には、海水を濃縮することによって生じた水蒸気を冷却し、真水化するための冷却槽46と、得られた真水を貯留するための第3の貯留槽47が設けられている。
図2に示す二酸化炭素除去システム40を用いた二酸化炭素の除去については、以下のようにして行う。
最初に、海水濃縮槽41内に、パイプ51から海水を供給して充填するとともに、パイプ52を介して100℃以上の温度の排ガスを導入する。このような高温の排ガスは、例えば火力発電所やゴミ焼却所から排出された排ガスをそのまま使用することができる。この場合、海水濃縮槽41内では、前記排ガスによって前記海水の水分が蒸発し、前記海水中の塩分濃度を3.5重量%(0.6mol/l)から例えば25重量%(4.3mol/l)程度にまで増大させる。なお、食塩の飽和濃度は、30重量%以下であるので、上記海水中の塩分濃度を、30重量%を超えて増大させることは困難である。
なお、上記排ガスの温度の上限は、図2に示すシステム、特に海水濃縮槽41に対して影響を与えないものであれば特に限定されるものではないが、現状では、200℃程度である。
その後、得られた濃縮海水を、パイプ53を介して第1の貯留槽42内に貯留した後、パイプ54から二酸化炭素吸収槽43内に導入する。一方、アンモニア供給タンク48よりパイプ57を介してアンモニアを供給し、前記濃縮海水に対して飽和させてアンモニア飽和濃縮海水を生成する。そして、パイプ55及び56を介して、海水濃縮槽41で冷却された前記排ガスを二酸化炭素吸収槽43内に導入し、前記アンモニア飽和濃縮海水と接触させる。
この場合も、上述した反応式(1)に従って、上記排ガス中の二酸化炭素が前記アンモニア飽和濃縮海水と化学的に反応し、このような化学的な反応を通じて吸収されることになる。同時に、反応生成物である炭酸水素ナトリウム(重曹)は、上記アンモニア飽和濃縮海水の塩分濃度が最早25重量%(4.3mol/l)程度にまで増大しているので、前記炭酸水素ナトリウムは、最早前記アンモニア飽和濃縮海水中に溶解することができず、上記第1の実施形態で説明したような噴霧を行うことなく沈殿するようになる。
一方、同じく反応生成物である塩化アンモニウムは、上述したように、上記炭酸水素ナトリウムの7倍の溶解度を有するので、二酸化炭素吸収槽43内では直接沈殿することはない。
したがって、前記塩化アンモニウムを含む溶液は、パイプ58を介して沈殿槽44内に導入する。この際、前記排ガスの圧力を利用して前記溶液を沈殿槽44において噴霧するようにする。これによって、前記溶液の溶媒、主として水分が蒸発するとともに、前記溶媒が気化熱によって冷却されるようになるので、前記溶液を構成する海水における塩分の溶解度が、前記溶液中の塩化アンモニウムの溶解度とほぼ同一あるいはそれを超えるようになる。結果として、上記塩化アンモニウム塩は沈殿し、生成した沈殿物を回収することによって、前記塩化アンモニウムの回収を行うことができる。
なお、沈殿槽44内で上記塩化アンモニウムを沈殿させた後に得られる希薄塩化アンモニウム水溶液は、パイプ59を通って第2の貯留槽45に貯留される。
また、海水濃縮槽41に上記高温の排ガスを導入することによって生じた水蒸気は、冷却槽46を通って真水化され、第3の貯留槽47に貯留されるようになる。
なお、二酸化炭素が除去された後の上記排ガスは、二酸化炭素吸収槽43からパイプ61を通じて外部に放出される。
このように、本実施形態においても、海水とアンモニアとを用いたアンモニア飽和濃縮海水を用いて二酸化炭素を吸収しており、多量の二酸化炭素を副次的に生成する原料を使用していないので、別途吸収した二酸化炭素と等モルの二酸化炭素を生成してしまうようなことがなく、二酸化炭素の吸収及び回収を実際に実現させることができる。また、副次的な反応生成物である炭酸水素ナトリウム及び塩化アンモニウムの回収も行うことができるので、火力発電所やゴミ焼却所等のプラントから排出される二酸化炭素の吸収に対して、実用可能な方法及びシステムを提供することができる。
その他の特徴及び利点については、上記第1の実施形態と同様である。
(第3の実施形態)
図3は、本実施形態における海水を利用した排ガス中の二酸化炭素除去システムの概略構成を示す図である。本実施形態は、図1に関連した第1の実施形態の変形例である。具体的には、図1に示す第2の沈殿槽14に代えて排ガス加熱槽71が設けられ、その上方に冷却槽16に連結するパイプ16に代えてアンモニア供給タンク18に連結されたパイプ72が設けられている点で相違する。したがって、以下においては、これらの相違点についてのみ説明する。
二酸化炭素吸収槽11における二酸化炭素の吸収、及び第1の沈殿槽13における反応生成物である炭酸水素ナトリウムの沈殿回収は、上記第1の実施形態と同様に行う。
次いで、第1の沈殿槽13から残った上記塩化アンモニウムを含む溶液を、パイプ28を介して排ガス加熱槽71内に導入する。この場合、排ガス加熱槽71には、図示しないパイプを介して100℃以上の温度の排ガスを接触させる。この排ガスの接触は、排ガス加熱槽71に対して直接吹き付けることもできるが、図示しない熱交換器を介して前記排ガスの温度のみを取り出し、排ガス加熱槽71を加熱することもできる。なお、前記排ガスの温度の上限は、上記第2の実施形態の場合と同様である。
この場合、排ガス加熱槽71中の塩化アンモニウムは、反応式(2)に従って熱分解し、アンモニアが生成されるようになる。したがって、排ガス加熱槽71で生成したアンモニアを、パイプ72を介してアンモニア供給タンク18に供給するようにすれば、本来、回収物として取り扱われるべき反応生成物の塩化アンモニウムを、図3に示す本実施形態のシステムに対して直接的に再利用することができる。すなわち、前記塩化アンモニウムの直接的な有効利用を実現することができる。
NHCl→NH+HCl …(2)
なお、生成した塩酸(HCl)は、パイプ31より外部に取り出される。
また、その他の特徴及び利点については、上記第1の実施形態と同様である。
(第4の実施形態)
図4は、本実施形態における海水を利用した排ガス中の二酸化炭素除去システムの概略構成を示す図である。本実施形態は、図2に関連した第2の実施形態の変形例である。
具体的には、図2に示す濃縮海水槽41に代えて逆浸透膜法を用いた淡水化プラント81を設けている点で相違する。また、これに伴って、二酸化炭素吸収以前に水蒸気が発生しないので、冷却槽46及び第3の貯留槽47の代わりに、上記第1の実施形態と同様に、反応生成物である塩化アンモニウム溶液から塩化アンモニウムを除去した後の、希薄塩化アンモニウム水溶液を貯留するための第2の貯留槽45と並列に冷却槽16及び第3の貯留槽17が設けられている。
逆浸透膜法を用いた淡水化プラント81は、浸透膜の海水側に圧力を加えて真水を反対側に染み出させる。この過程を続けると海水側は濃縮されて高濃度の塩水になる。したがって、本実施形態では、前記浸透膜の海水側の水を濃縮海水として取り出して、第2の実施形態における濃縮海水槽41で得られた濃縮海水の代わりに使用する。なお、後の二酸化炭素の吸収及び反応生成物である炭酸水素ナトリウム、塩化アンモニウムの回収は上記第2の実施形態と同様にして実施する。
また、噴霧の際に生じた水蒸気は、冷却槽16及び第3の貯留槽17を用い、上記第1の実施形態で説明したようにして真水化し、貯留する。
なお、その他の特徴及び利点については、上記第1の実施形態と同様である。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記態様に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変更や変形が可能である。
例えば、上記いずれの実施形態においても、二酸化炭素の吸収及び反応生成物の回収の過程で生じた水蒸気を冷却し、真水として回収しているが、かかる工程は本発明の必須の工程ではなく、必要に応じて省略することもできる。
10,40,70,80 海水を利用した排ガス中の二酸化炭素除去システム
11 二酸化炭素吸収槽
12 第1の貯留槽
13 第1の沈殿槽
14 第2の沈殿槽
15 第2の貯留槽
16 冷却槽
17 第3の貯留槽
18 アンモニア供給タンク
41 海水濃縮槽
42 第1の貯留槽
43 二酸化炭素吸収槽
44 沈殿槽
45 第2の貯留槽
46 冷却槽
47 第3の貯留槽
48 アンモニア供給タンク
71 排ガス加熱槽
81 逆浸透膜法を用いた淡水化プラント

Claims (10)

  1. 海水にアンモニアを吹き込んで飽和させ、アンモニア飽和海水を生成するステップと、
    前記アンモニア飽和海水に対して非加熱状態の排ガスを接触させ、前記排ガス中の二酸化炭素を吸収させるステップと、
    前記アンモニア飽和海水が、前記二酸化炭素を吸収することによって生成した炭酸水素ナトリウム及び塩化アンモニウムを含む溶液を、順次に、前記排ガスの圧力を利用して噴霧するとともに、前記溶液中の溶媒の気化熱を利用して冷却し、前記溶液中の前記炭酸水素ナトリウム及び前記塩化アンモニウムを沈殿させることにより回収するステップと、
    を具えることを特徴とする、海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去方法。
  2. 海水を100℃以上の温度の排ガスと接触させて水分を蒸発させ、塩分濃度を増大させた濃縮海水を生成するステップと、
    前記濃縮海水にアンモニアを吹き込んで飽和させ、アンモニア飽和濃縮海水を生成するステップと、
    前記アンモニア飽和濃縮海水に対して非加熱状態の排ガスを接触させ、前記排ガス中の二酸化炭素を吸収させるステップと、
    前記アンモニア飽和濃縮海水が前記二酸化炭素を吸収することによって生成した炭酸水素ナトリウムの沈殿物を回収するステップと、
    前記アンモニア飽和濃縮海水が前記二酸化炭素を吸収することによって生成した塩化アンモニウムを含む溶液を、前記非加熱状態の排ガスの圧力を利用して噴霧するとともに、前記溶液中の溶媒の気化熱を利用して冷却し、前記塩化アンモニウムを沈殿させて回収するステップと、
    を具えることを特徴とする、海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去方法。
  3. 逆浸透膜法を用いた淡水化プラントにおいて、塩分濃度を増大させた濃縮海水を生成するステップと、
    前記濃縮海水にアンモニアを吹き込んで飽和させ、アンモニア飽和濃縮海水を生成するステップと、
    前記アンモニア飽和濃縮海水に対して非加熱状態の排ガスを接触させ、前記排ガス中の二酸化炭素を吸収させるステップと、
    前記アンモニア飽和濃縮海水が前記二酸化炭素を吸収することによって生成した炭酸水素ナトリウムの沈殿物を回収するステップと、
    前記アンモニア飽和濃縮海水が前記二酸化炭素を吸収することによって生成した塩化アンモニウム溶液を、前記非加熱状態の排ガスの圧力を利用して噴霧するとともに、前記溶液中の溶媒の気化熱を利用して冷却し、前記塩化アンモニウムを沈殿させて回収するステップと、
    を具えることを特徴とする、海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去方法。
  4. 前記塩化アンモニア溶液を冷却し、前記塩化アンモニウムを沈殿させて回収することに代えて、
    前記塩化アンモニウム溶液を、100℃以上の温度の排ガスによって加熱し、化学的に分解してアンモニアを生成し、このアンモニアを再度前記海水又は前記濃縮海水に吹き込むステップを具えることを特徴とする、請求項1又は3に記載の海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去方法。
  5. 前記塩化アンモニア溶液を冷却し、前記塩化アンモニウムを沈殿させて回収することに代えて、
    前記塩化アンモニウム溶液を、100℃以上の温度の排ガスによって加熱し、化学的に分解してアンモニアを生成し、このアンモニアを再度前記海水又は前記濃縮海水に吹き込むステップを具えることを特徴とする、請求項2に記載の海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去方法。
  6. 前記炭酸水素ナトリウム及び前記塩化アンモニウムを含む溶液、並びに前記塩化アンモニウムを含む溶液の少なくとも一方を噴霧させた際に生じた水蒸気を冷却し、真水として回収するステップを具えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載の海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去方法。
  7. 前記海水を前記100℃以上の温度の排ガスと接触させた際に生じた水蒸気を冷却し、真水として回収するステップを具えることを特徴とする、請求項2又は5に記載の海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去方法。
  8. 海水にアンモニアを吹き込んで飽和させることによって得たアンモニア飽和海水を貯留するとともに、前記アンモニア飽和海水に対して非加熱状態の排ガスを接触させ、前記排ガス中の二酸化炭素を吸収させるための二酸化炭素吸収槽と、
    前記アンモニア飽和海水に対して、前記排ガス中の二酸化炭素を吸収させることによって生成した炭酸水素ナトリウム及び塩化アンモニウムを含む溶液を貯留する貯留槽と、
    前記溶液を、前記排ガスの圧力を利用して噴霧するとともに、前記溶液中の溶媒の気化熱を利用して冷却し、前記溶液中の前記炭酸水素ナトリウムを沈殿させて回収する第1の沈殿槽と、
    前記溶液を、前記排ガスの圧力を利用して噴霧するとともに、前記溶液中の前記溶媒の気化熱を利用して冷却し、前記溶液中の前記塩化アンモニウムを沈殿させて回収する第2の沈殿槽と、
    を具えることを特徴とする、海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去システム。
  9. 海水を100℃以上の温度の排ガスと接触させて水分を蒸発させ、塩分濃度を増大させた濃縮海水を得るための海水濃縮槽と、
    前記濃縮海水を貯留する貯留槽と、
    前記濃縮海水にアンモニアを吹き込んで飽和させ、アンモニア飽和濃縮海水を生成するとともに、前記アンモニア飽和濃縮海水に対して非加熱状態の排ガスを接触させ、前記排ガス中の二酸化炭素を吸収させると同時に、前記アンモニア飽和濃縮海水が前記二酸化炭素を吸収することによって生成した炭酸水素ナトリウムの沈殿物を回収する二酸化炭素吸収槽と、
    前記アンモニア飽和濃縮海水が前記二酸化炭素を吸収することによって生成した塩化アンモニウムを含む溶液を、前記非加熱状態の排ガスの圧力を利用して噴霧するとともに、前記溶液中の溶媒の気化熱を利用して冷却し、前記塩化アンモニウムを沈殿させて回収する沈殿槽と、
    を具えることを特徴とする、海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去システム。
  10. 塩分濃度を増大させた濃縮海水を生成するための逆浸透膜法を用いた淡水化プラントと、
    前記濃縮海水を貯留する貯留槽と、
    前記濃縮海水にアンモニアを吹き込んで飽和させ、アンモニア飽和濃縮海水を生成するとともに、前記アンモニア飽和濃縮海水に対して非加熱状態の排ガスを接触させ、前記排ガス中の二酸化炭素を吸収させると同時に、前記アンモニア飽和濃縮海水が前記二酸化炭素を吸収することによって生成した炭酸水素ナトリウムの沈殿物を回収する二酸化炭素吸収槽と、
    前記アンモニア飽和濃縮海水が前記二酸化炭素を吸収することによって生成した塩化アンモニウムを含む溶液を、前記非加熱状態の排ガスの圧力を利用して噴霧するとともに、前記溶液中の溶媒の気化熱を利用して冷却し、前記塩化アンモニウムを沈殿させて回収する沈殿槽と、
    を具えることを特徴とする、海水を利用した排ガス中の二酸化炭素の除去システム。
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