JP2000061261A - 高温ガス中の塩化水素回収法 - Google Patents

高温ガス中の塩化水素回収法

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JP2000061261A
JP2000061261A JP10238476A JP23847698A JP2000061261A JP 2000061261 A JP2000061261 A JP 2000061261A JP 10238476 A JP10238476 A JP 10238476A JP 23847698 A JP23847698 A JP 23847698A JP 2000061261 A JP2000061261 A JP 2000061261A
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gas
hydrogen chloride
hydrochloric acid
absorption tower
liquid
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Kenichi Nakagawa
川 健 一 中
Masahiko Tsunoda
田 昌 彦 角
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CHIYODA ENGINEERING KK
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CHIYODA ENG KK
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  • Gas Separation By Absorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 数百〜数万ppmのような、低〜中濃度の塩
化水素でも、そのガスの持つ熱エネルギーを利用して濃
縮し、18〜25%程度の高濃度の塩酸として回収す
る。 【解決手段】 塩化水素を含む高温ガス(21)を、冷
却塔(31)で冷却し、それを後段の吸収塔(32、3
3)で吸収して濃塩酸を回収する方法において、ガス冷
却塔(31)とガス吸収塔(32、33)の液溜をそれ
ぞれ別に設け、ガス冷却のために蒸発する水分と、塩酸
として系外に出る水分の合計を吸収塔(32、33)の
最終段から供給し、それに塩化水素を吸収させて濃度の
薄い塩酸液を作り、逐次塩酸濃度を高め、それを冷却塔
(31)に入れてガスの冷却と液の濃縮気化を行い、そ
の濃度を比重計K等で確認して、所定の濃度の塩酸液を
回収する高温ガス中の塩化水素回収法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物の燃焼ガス
や乾留ガスのように、高温でしかもその中に、数百pp
mから数万ppmにわたる広範囲の濃度の塩化水素を含
むガスを湿式処理して、ガス中の塩化水素を塩素の形で
回収する塩化水素回収法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このようなガスを無害化するに
は、乾式または湿式で、塩化水素に対応したアルカリ
(消石灰、苛性ソーダ等)を投入して中和し、生成した
塩類を系外に取り出すことによって行われるのが普通で
ある。
【0003】この方法では、塩化水素の含有量が増大す
ると、それに必要なアルカリ剤の使用量が増大するとと
もに、それによって生成する廃棄すべき塩の量も増大
し、その処理に困っているのが現状である。
【0004】周知のように、塩化水素は水に吸収され易
く、このようなガスを水に接触させると、ガス中の塩化
水素は簡単に水に溶解して塩酸となるが、その塩酸を工
業的に有効に使用するには、ある程度の濃度が必要であ
る。
【0005】このため、従来より、向流方式の吸収装置
が使用されているが、何れも本発明で対象とするような
低〜中濃度のガスについては有効でない。
【0006】図10は、従来の方式の一例で、炉から出
た熱ガス21は、前段の冷却塔31で水を噴霧冷却さ
れ、その飽和ガスが後段の吸収塔32に流入し、冷却塔
31の過剰水は、吸収塔32の循環水となって、ガス中
の塩化水素を吸収するようになっている。
【0007】その際、ガス中の塩化水素に比べて、冷却
の過剰水、つまり吸収塔32の循環水の補給量がはるか
に多く、また吸収の効率を上げるためにも、回収塩酸は
濃度の低い希塩酸となる。
【0008】このような装置の特性として、排出する塩
化水素濃度は、回収する塩酸の濃度と温度で定まるか
ら、例えば、液温度が70℃のとき、排ガス23の塩化
水素の濃度を35ppmにしようとすると、回収塩酸濃
度は約2%以下でなければならない。
【0009】反対に、回収する塩酸濃度を4%にしよう
とすれば、排出される塩化水素の濃度は130ppmと
なり、これ以上に回収濃度を上げることは、回収の効率
を低下させることになって、実用的でない。
【0010】図11は、従来の方式の他の例で、塩化化
合物を含む廃液を燃焼したガスに適用される。このよう
にして発生されたガス中の塩化水素濃度は5〜10%程
度の高濃度であり、それをボイラーで熱回収した後のガ
ス21を冷却塔31で冷却し、その飽和ガスを後段の吸
収塔32に入れるようになっている。この時の吸収塔3
2はガスと液の向流型で、吸収水はガス出口側から供給
され、ガスと向流接触して塩化水素を吸収しつつ流下
し、下端で最終濃度に達するが、回収塩素の濃度を上げ
ようとするには、入口の塩化水素濃度を上げ、さらに供
給水の量を減らすしかない。
【0011】このような装置では、塔の断面積当たりの
液量が少な過ぎるため、どのような気液接触装置を用い
ても、少なくともこの10倍以上の液量がないと、気液
の接触効果が悪くなって、高濃度の塩化水素が放出され
る結果となる。
【0012】従って、その吸収後の排ガス23には、未
吸収の多量の塩化水素を含み、最終段のアルカリによる
中和装置3Sが不可欠となる。
【0013】この装置は、発生原が塩酸の廃液の燃焼ガ
スのように、塩化水素濃度が高いものに限られ、本発明
で対象とする低〜高濃度にまたがるようなガスには適用
できない。
【0014】このように、従来の図10、図11の方法
は、何れも塩化水素の吸収効率が悪い。従って、入口濃
度が例えば2〜10%のような高濃度であれば、出口を
1,000ppmで放出して、後はアルカリで中和して
も、塩化水素の回収効率は95〜99%となり、一応の
目的は達成できるが、入口濃度が1,000〜10,0
00ppm程度の低〜中濃度の場合には、回収効率がき
わめて悪いことになる。
【0015】図12は、従来使用されている塩化鉄を含
む酸洗いの廃液を処理する方法で、形状は図11と類似
しているが、その機能は、塩化鉄を含んだ廃液01を、
熱分解炉02に入れて酸化鉄と塩化水素に分解し、酸化
鉄を除去した残りの塩化水素を含んだガス21を冷却塔
31の中で、廃液01と接触させてガスの冷却を行いつ
つ廃液中の水を蒸発させて液の濃度を高め、液は分解炉
02に入れ、ガスは吸収塔32に入れて塩酸を回収する
もので、本発明のような低〜中濃度の塩化水素を回収す
る方法とは、機能も目的も全く違ったものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な欠点がなく、数百〜数万ppmのような、低〜中濃度
の塩化水素でも、18〜25%程度の高濃度の塩酸とし
て回収し得る高温ガス中の塩化水素回収法を提供しよう
とするものである。
【0017】
【解決を解決するための手段】本発明によれば、塩化水
素を含む高温ガスを、冷却塔で冷却し、それを後段の吸
収塔で吸収して濃塩酸を回収する方法において、ガス冷
却塔とガス吸収塔の液溜をそれぞれ別に設け、ガス冷却
のために蒸発する水分と、塩酸として系外に出る水分の
合計を吸収塔の最終段から供給し、それに塩化水素を吸
収させて濃度の薄い塩酸液を作り、逐次塩酸濃度を高
め、それを冷却塔に入れてガスの冷却と液の濃縮気化を
行い、その濃度を比重計等で確認して、所定の濃度の塩
酸液を回収する。
【0018】前記の高温ガス中の塩化水素回収法におい
て、塩酸液の回収は、冷却塔の液循環経路から行うこと
も、吸収塔の液循環経路から行うこともできる。
【0019】また、最終段の吸収塔の循環液、或いは最
初段の吸収塔の循環液を冷却器で冷却することにより、
補給水の量を減らし、最終出口の塩化水素濃度を下げる
ことができる。
【0020】また、ガスの性状が可燃性等の理由で大気
が混入できないとき、冷却塔を高温度から守るために、
最終段の吸収塔のガスの一部を冷却塔入口に導入して、
流入温度を下げるようにする。その際、最終段の吸収塔
の洗浄液回路に、冷却器を入れると、更に効果的であ
る。
【0021】また、熱ガスの中に、塩化水素だけでな
く、亜硫酸ガスが存在する場合は、塩酸液の回収を第1
段吸収塔で行うと同時に、第2段吸収塔の液を直接冷却
塔に供給し、冷却塔の残液は随時系外に取り出し、アル
カリを加えて、中和して系外に出し、更に第1段吸収塔
の不足水は、最終段から供給している水の一部を充当す
るようにする。
【0022】数百〜数万ppmのような、低〜中濃度の
塩化水素でも、そのガスの持つ熱エネルギーを利用して
濃縮し、18〜25%程度の高濃度の塩酸として回収す
ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る塩化水素回
収法のフローチャートで、炉1から出たガス21は、冷
却塔31に流入する。冷却塔31はガスが高温のため、
通常はガスと液が並流のスクラバー方式が適当で、その
循環液41は、ポンプ51によって循環しつつガスと接
触し、水を蒸発させてガスを冷却する。
【0024】冷却塔31を出たガス22は、第1段吸収
塔32、第2段吸収塔33に順次流入する。これらの吸
収塔32、33は、吸収効果を高めるため、ガスと液が
向流の充填層方式が適当で、その循環液42、43は、
それぞれ専用のポンプ52、53で循環しつつ、ガス中
の塩化水素を吸収して塩酸となる。
【0025】このようにして各段ごとに塩化水素を吸収
し、逐次濃度を高めた液は、最終的には冷却塔31の補
給水となる。
【0026】塩酸回収効率を高めるには、更に第3、第
4段の吸収塔が設置可能であるが、実用的には第2〜3
段までで十分なことが多いので、便宜上第2段までのも
のについて、その機能を説明する。
【0027】回収塩酸の抜き出しには、2つの方法があ
る。一つは、図1のように、冷却塔31の液溜循環回路
41から抜き出す方法で、もう一つは、図2のように、
吸収塔32の液溜から抜き出す方法である。
【0028】何れも一長一短があり、図1の方法では、
回収された塩酸が汚れて粗塩酸となるが、その反面、吸
収塔は2段で実用になる。
【0029】一方、図2の方法は、回収された塩酸が比
較的清浄であるが、第1段吸収塔32の液の濃度が上が
るため、吸収塔が3段ないと回収効率が悪くなる。
【0030】図1における冷却塔31の液溜、もしくは
図2における吸収塔32の液溜からは、排出バルブ6に
よって、所定の塩酸濃度、例えば、20%になるように
排出量を調整された少量の排液71が流出する。
【0031】その抜き出しの液濃度の設定は、液の比重
を計測すれば容易で、図示のKで示すような比重計をセ
ットし、それとバルブ6を連動させて、連続的に排出す
る。図1、図2の何れの方法も基本原理は同じであり、
説明の便宜上、図1で説明を継続する。
【0032】冷却塔31には高温ガスが流入し水が大量
に蒸発する。しかし、補給水72には、当然、後段で回
収された塩酸が含まれ、それがここで濃縮されて所定の
濃度となる。
【0033】そして、第1段吸収塔32の不足水は第2
段吸収塔33から、と順次後段から補給され、最終段
(図では第2段)では、外部から水74が供給される。
【0034】冷却塔31においては、液の温度が60〜
80℃程度の高温で、しかも液の塩酸濃度が高いので、
それと平衡して塩化水素の分圧が高く、これから出るガ
ス22の塩化水素濃度は、通常数万ppmある。
【0035】即ち、冷却塔31においては、激しく気液
接触が行われることによって、ダストの洗浄や水の蒸発
は行われるものの、ガス21の中にある塩化水素が数千
ppm以下であれば、それは液に吸収されることなく、
むしろ液中から気化した塩化水素と一緒になって、ガス
22の中の数万ppmの濃度を構成する。
【0036】第1段吸収塔32では、ガス22の中の数
万ppmの塩化水素が循環液42に吸収されるが、その
循環液42は、前段の冷却塔31に補給水72を供給し
つつ、不足した水は後段の第2段吸収塔33からの補給
水73で補給する。
【0037】このときの循環水42の塩酸濃度は、補給
水72が排液71よりも多いことによって、冷却塔31
の液より薄くなる。それによって排ガス23の塩化水素
分圧は低くなり、反対に水蒸気の分圧は高くなってされ
に水の蒸発が起こり、液の温度も低下して更に塩化水素
の分圧が低くなる。
【0038】その結果、第1段吸収塔32の排ガス23
中の塩化水素濃度は数千ppmに低下して、後段の第2
段吸収塔33に流入する。
【0039】第2段吸収塔33においても、ガス23の
中の数千ppmの塩化水素が循環液43に吸収される
が、その循環液43は、前段の第1段吸収塔32に補給
水73を供給しつつ、不足した水は補給水74で補給さ
れる。
【0040】その結果、循環水43の塩酸濃度は更に低
くなり、結果的にその排ガス24の塩化水素濃度は、数
十ppmに低下する。
【0041】勿論、この後更に第3段、第4段と吸収塔
を設置すれば、排ガスの塩化水素濃度を数ppm、或い
は1ppm以下に減少させることができるが、実際に
は、塩化水素の吸収塔は、図1の形式では第2段まで、
図2の形式では第3段までとし、その後に公知の中和洗
浄装置3Sを設置し、アルカリ供給機8によって、ガス
中のSOXとともに残留する塩化水素も中和除去するこ
とが装置としては実用的である。
【0042】なお、中和洗浄装置3Sにおける、5Sは
循環ポンプ、4Sは循環液、9は液冷却器で、このよう
に循環液4Sを冷却することによって、ガスの湿度を下
げ、中和洗浄の効果を高めることができる。
【0043】図1の方式で回収した排液71には、ガス
中のダスト等も混入しているので、これを個液分離器1
0で除去して清澄液11は、多少の不純分は含むもの
の、高濃度の粗塩酸液として利用でき、更にこのように
して得られた粗塩酸液を、公知の方法によって蒸留すれ
ば、純度の高い塩酸液を回収できるものである。
【0044】この第1段〜第3段の各段の平衡温度とガ
ス組成の推定には、温度と濃度とガス分圧が互いに相関
関係にあるため、試行錯誤による複雑な計算が必要で、
図3は、その一例として、温度800℃、乾きガス量
1,000Nm3、モル湿度0.08[molH2/mo
l乾きガス]、塩化水素濃度10,000ppmのガス
について、回収塩酸濃度20%として、各段の温度と組
成を計算したものである。
【0045】この計算結果からも分かるように、冷却塔
31の排ガス22の塩化水素濃度は、もとのガス21の
塩化水素濃度に影響されない。つまり、もとの濃度が1
0,000ppmでなく、例えば500ppmであって
も、それに比例して排液71の量が減少するだけで、そ
の他の一連の反応は類似の数値で成立する。
【0046】以上は、図1について説明したが、図2の
場合も、各部の機能と効果は図1と同様である。
【0047】図2において、熱ガス21の中に、塩化水
素だけでなく、多量の亜硫酸ガスSO2存在していると
きを考えると、その亜硫酸ガスは、塩酸濃度の薄い、第
3吸収塔34でその一部が水に吸収される可能性があ
る。
【0048】吸収されてH2SO3ままであれば、その液
が順次塩酸濃度を高めつつ移送される際に、再びSO2
してガス化するが、移送中に液中の酸素と結合して硫酸
2SO4なると、これは再蒸発されることなく、回収塩
酸液71に混入して、その純度を低下させる結果とな
る。
【0049】図4は、それに対応した方法で、第2吸収
塔33を出た硫酸を含んだ液73は、吸収塔32に流入
することなく、直接、冷却塔31に流入するようになっ
ている。
【0050】冷却塔31では、次第に硫酸が濃縮される
が、それを随時71Bのように取り出して、それに石灰
のようなアルカリを加え、中和して無害化して廃棄す
る。
【0051】第1吸収塔32には、硫酸の混入した液は
流入せず、ここで消費される水のみが75Bによって供
給される。従って、図4では、硫酸の混入しない純度の
高い塩酸液が回収できる。
【0052】図5は図1の応用変形で、第2吸収塔33
の循環液43の回路に冷却器14を設置したもので、こ
れによって補給水74の量を減らし、最終出口の塩化水
素濃度を10ppm以下に下げることができる。
【0053】図6は図2の応用変形で、最初の段の吸収
塔32の循環液42の回路に冷却器14を設置したもの
で、これによって排出ガス23の塩化水素濃度を低く
し、結果的に回収塩酸濃度を高くすることができる。
【0054】この場合には、吸収塔32から冷却塔31
に流入する液は、冷却塔31内で温度が上昇し、塩化水
素の蒸気圧も上昇して、補給液中の水の蒸発よりも塩化
水素の気化の方が多くなるため、冷却塔31の液は、吸
収塔32の液よりも濃度が低くなる。
【0055】このような方式によって回収濃度をどの程
度高くできるかは、入口濃度にもよるが、例えば液温度
83℃で回収塩酸濃度20%程度が限界であったもの
を、50〜60℃に冷却することによって、22〜25
%に上昇させることができる。当然ながら、この場合、
第1段吸収塔には冷却によるコンデンス水が入り、その
分最終吸収塔からの補給水が減少する。
【0056】本発明の装置が対象とするガスは、高温
で、冷却塔31の中で大量の水の蒸発があることが条件
である。従って、温度による冷却塔31の破損を防ぐ意
味で、前段に図7のようにスプレー装置15を設置する
際には注意を要する。
【0057】スプレーにより温度降下させても、そのガ
スを冷却塔31で洗浄した際の水の蒸発量は、少なくと
も排液71中の水の3倍以上であることが必要である。
【0058】もし、ガスの条件が許す場合には、スプレ
ー装置15よりも、大気の吸入16の方が安全で、この
場合には、ガスの熱エネルギーが失われることなく、冷
却塔31の中の蒸発量は変わらない。
【0059】図8は、ガスの性状が可燃性等の理由で大
気が混入できないとき、冷却塔31を高温度から守る意
味で、後段の低温度のガスの一部24Bを、送風機5B
を使って、冷却塔31に戻して、高温度のガス21と混
ぜるようにしたものである。これによれば、ガスの組成
を変えることなく、図7のスプレー15方式のような蒸
発量の低下は起こらず、安全な温度で図1や図2と同様
の効果が得られる。また、このとき、第2段吸収塔33
の洗浄液回路43に、図4と同じように、冷却器14を
入れると、更に効果的である。
【0060】説明の便宜上、図1〜図8では、冷却塔3
1、吸収塔32、33を横に並べて図示してあるが、図
9のように、吸収塔32、33を縦型に積み重ねた上、
冷却塔31と隣接接続しても、各部の構造と効果は変わ
らない。
【0061】この形は従来の図10、図11と類似して
いるように見えるが、重要な相違は、冷却塔31の液溜
と、吸収塔32の液溜が、仕切板12で仕切られてい
て、吸収塔32側から冷却塔31側に液が補給されてい
ることである。
【0062】このように配置した場合、図1以下に見ら
れる72、73、74等の液供給管は必要でなく、冷却
塔31の液溜のレベルを検出して最終段の供給水74を
制御し、各段の水はそれぞれ隔壁を溢流して、最終的に
冷却塔31に流れ込むようにすればよい。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、比較的簡単な装置で、
特別なエネルギーを必要とせず、ガス中の数百〜数千p
pm程度の中〜低濃度の塩化水素を数〜数十ppmにま
で減少させ、それを任意の濃度の塩酸として回収でき、
工業上有意義なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高温ガス中の塩酸水素回収法の第1実
施例のフローチャート図。
【図2】本発明の高温ガス中の塩酸水素回収法の第2実
施例のフローチャート図。
【図3】図1の高温ガス中の塩酸水素回収法における各
段の温度と組成を計算した図。
【図4】図2の高温ガス中の塩酸水素回収法の他の実施
例のフローチャート図。
【図5】図1の高温ガス中の塩酸水素回収法の応用変形
例のフローチャート図。
【図6】図2の高温ガス中の塩酸水素回収法の応用変形
例のフローチャート図。
【図7】図1の高温ガス中の塩酸水素回収法において前
段にスプレー装置を設置した図。
【図8】図1の高温ガス中の塩酸水素回収法において最
終段の吸収塔のガスの一部を冷却塔に導入した図。
【図9】図1の高温ガス中の塩酸水素回収法において吸
収塔を縦型に積み重ねた図。
【図10】従来の高温ガス中の塩酸水素回収法の第1の
例のフローチャート図。
【図11】従来の高温ガス中の塩酸水素回収法の第2の
例のフローチャート図。
【図12】従来の高温ガス中の塩酸水素回収法の第3の
例のフローチャート図。
【符号の説明】
1・・・炉 6・・・排出バルブ 8・・・アルカリ供給器 9・・・冷却器 10・・・個液分離器 11・・・清澄液 21・・・排ガス 22・・・ガス 23・・・ガス 24・・・ガス 31・・・冷却塔 32・・・第1段吸収塔 33・・・第2段吸収塔 41・・・循環液 42・・・循環液 43・・・循環液 71・・・排液 72・・・排液 73・・・排液 74・・・補給水 3S・・・中和洗浄装置 4S・・・循環液 5S・・・循環ポンプ 7S・・・補給水
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年8月26日(1998.8.2
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】この第1段〜第3段の各段の平衡温度とガ
ス組成の推定には、温度と濃度とガス分圧が互いに相関
関係にあるため、試行錯誤による複雑な計算が必要で、
図3は、その一例として、温度800℃、乾きガス量
1,000Nm3、モル湿度0.08[molH2O/m
ol乾きガス]、塩化水素濃度10,000ppmのガ
スについて、回収塩酸濃度20%として、各段の温度
と組成を計算したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D002 AA02 AA19 AC04 AC10 BA02 BA13 BA14 CA01 CA07 CA13 DA05 DA16 DA35 EA02 FA01 GA02 GA03 GB02 GB03 GB04 GB05 GB08 GB11 HA08 4D020 AA10 BA02 BA09 BA23 BB03 BB05 CB08 CB25 CC01 CC09 CD02 DA02 DA03 DB02 DB03 DB04 DB06 DB07 DB11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化水素を含む高温ガスを、冷却塔で冷
    却し、それを後段の吸収塔で吸収して濃塩酸を回収する
    方法において、ガス冷却塔とガス吸収塔の液溜をそれぞ
    れ別に設け、ガス冷却のために蒸発する水分と、塩酸と
    して系外に出る水分の合計を吸収塔の最終段から供給
    し、それに塩化水素を吸収させて濃度の薄い塩酸液を作
    り、逐次塩酸濃度を高め、それを冷却塔に入れてガスの
    冷却と液の濃縮気化を行い、その濃度を比重計等で確認
    して、所定の濃度の塩酸液を回収することを特徴とする
    高温ガス中の塩化水素回収法。
  2. 【請求項2】 塩酸液の回収を冷却塔の液循環経路から
    行うことを特徴とする請求項1に記載の高温ガス中の塩
    化水素回収法。
  3. 【請求項3】 塩酸液の回収を吸収塔の液循環経路から
    行うことを特徴とする請求項1に記載の高温ガス中の塩
    化水素回収法。
  4. 【請求項4】 塩酸液の回収を第1段吸収塔で行うと同
    時に、第2段吸収塔の液を直接冷却塔に供給し、冷却塔
    の残液は随時系外に取り出し、アルカリを加え中和して
    系外に出し、更に第1段吸収塔の不足水は、最終段から
    供給している水の一部を充当することを特徴とする請求
    項1に記載の高温ガス中の塩化水素回収法。
  5. 【請求項5】 最終段の吸収塔のガスの一部を冷却塔入
    口に導入して、流入温度を下げることを特徴とする請求
    項1乃至4に記載の高温ガス中の塩化水素回収法。
  6. 【請求項6】 最終段の吸収塔の循環液を冷却すること
    を特徴とする請求項1乃至5に記載の高温ガス中の塩化
    水素回収法。
  7. 【請求項7】 最初段の吸収塔の循環液を冷却すること
    を特徴とする請求項1乃至5に記載の高温ガス中の塩化
    水素回収法。
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