JP4789902B2 - 濃縮装置 - Google Patents

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本発明は、濃縮装置に関する。特に、酸を含む蒸気から酸を回収するための濃縮装置に関する。
酸を製造する設備等からは、有価物質である酸を含む蒸気が排出される場合がある。たとえば硝酸を製造する設備からは、硝酸を含む蒸気が排出される場合がある。硝酸の製造設備においては、製造される硝酸が吸収塔において回収される。このときに、硝酸を含む蒸気が廃ベーパとして排出される。このように、硝酸製造設備からの排気中には硝酸が含まれている。
従来の技術において、硝酸製造設備から排出される硝酸が含まれる蒸気は、バロメトリックリックコンデンサを用いて、海水または水に接触させて凝縮させている。次に、苛性ソーダ等のアルカリ溶液で中和する。この後に、希釈および放流を行なっていた。
特開平1−275414号公報においては、プラントのオフガス中の窒素酸化物を除去すると同時に、反応生成物を回収するNOx回収装置が開示されている。また、特開平2−26617号公報においては、原子力発電所使用済燃料を再処理する際に発生するオフガス中のヨウ素、NOxを処理するNOx吸収装置が開示されている。
特開平1−275414号公報 特開平2−26617号公報
工場等から排出される排気や排水には、公害の原因となる汚染物質が含まれている場合がある。東京湾、伊勢湾または瀬戸内海などの閉鎖性水域においては、公害防止にあたって水質の改善を図るために総量規制が行われている。
総量規制においては、排気や排水中の汚染物質の濃度を規制するのではなく、所定の地域に排出される特定の物質の総量が規制される。特定の物質としては、たとえば窒素またはリンが規制の対象となっている。規制の対象になる窒素に関しては、窒素を含む物質としての硝酸に加えて硝酸塩なども規制の対象になる。
硝酸製造設備においては、製造された硝酸の大部分が吸収塔で回収される一方で、たとえば、約1wt%の硝酸を含む水蒸気が排出される。硝酸製造設備から排出される蒸気は、凝縮後に中和される。中和により硝酸塩になるが、この塩には窒素が含まれるために総量規制の対象になる。
特に、閉鎖性水域においては、窒素の総量規制により窒素の放出量をより少なくすることが求められていた。総量規制がない地域においても、公害防止のために窒素の放出量を少なくすることが求められていた。
また、従来の技術において、排気中に含まれる硝酸は中和などの処理の後に廃棄される。このように、価値のある物質である有価物質を廃棄しているという問題があった。
本発明は、有価物質としての酸を含む蒸気から酸を回収する装置の構成を簡易にすることができる濃縮装置を提供することを課題とする。
本発明の濃縮装置は、酸を含む蒸気を濃縮して酸を回収する濃縮装置である。濃縮装置は、処理液を貯留する蒸発缶および処理液を加熱蒸発させる伝熱器を含む第1蒸発器を備える。第1蒸発器は、伝熱器に酸を含む蒸気を加熱媒体として導入し、処理液との熱交換により生成された蒸気の凝縮水を、処理液として蒸発缶に導入するように構成されている。
上記発明において好ましくは、伝熱器は、蒸発缶の内部に配置されている伝熱管を有する。第1蒸発器は、伝熱管の上方に配置され、伝熱管に向かって処理液を散布する散布器を含む。
上記発明において好ましくは、第1蒸発器で濃縮された処理液をさらに蒸発濃縮する第2蒸発器を備える。第2蒸発器にて生成された蒸気を凝縮して形成される凝縮水を、処理液として第1蒸発器の蒸発缶に戻すように形成されている。
本発明の酸の回収方法は、処理液を貯留する蒸発缶および処理液を加熱蒸発させる伝熱器を含む第1蒸発器を用いて、酸を含む蒸気から酸を回収する方法である。回収方法は、第1蒸発器の伝熱器に酸を含む蒸気を加熱媒体として導入する工程を含む。第1蒸発器の伝熱器において、酸を含む蒸気と処理液との熱交換を行って処理液を加熱蒸発する蒸発工程を含む。第1蒸発器の伝熱器において生成された凝縮水を処理液として蒸発缶に導入する工程を含む。
上記発明において好ましくは、蒸発缶の内部に伝熱管が配置されている伝熱器を備える第1蒸発器を用いる工程を含む。蒸発工程は、第1蒸発器の伝熱管の上方から伝熱管に向かって処理液を散布する工程を含む。
上記発明において好ましくは、第1蒸発器で濃縮された処理液をさらに第2蒸発器にて蒸発濃縮する工程を含む。第2蒸発器にて生成された蒸気を凝縮することにより形成される凝縮水を、処理液として第1蒸発器の蒸発缶に戻す工程を含む。
本発明によれば、有価物質としての酸を含む蒸気から酸を回収する装置の構成を簡易にすることができる。
(実施の形態1)
図1を参照して、実施の形態1における濃縮装置および酸の回収方法について説明する。本実施の形態における濃縮装置は、硝酸製造設備から排出される廃ベーパから硝酸を回収する濃縮装置である。本実施の形態においては、廃ベーパの凝縮水を濃縮する方法により硝酸を回収する。本実施の形態における有価物質としての酸は、硝酸である。本実施の形態における濃縮装置は、多段の濃縮装置である。
図1は、本実施の形態における濃縮装置の概略系統図である。本実施の形態における濃縮装置は、複数の蒸発器を備える。本実施の形態における濃縮装置は、第1蒸発器としての水平管型蒸発器51を備える。水平管型蒸発器51は、蒸発缶11を含む。蒸発缶11は、内部に処理液60を貯留することができるように形成されている。蒸発缶11は、筒形に形成されている。
本実施の形態における水平管型蒸発器51は、処理液60を加熱蒸発する伝熱器14を含む。伝熱器14は、熱交換器である。伝熱器14は、蒸発缶11の内部に配置されている伝熱管14aを有する。伝熱管14aは、水平方向に延びる様に配置されている。伝熱器14は、ヘッダ部14b,14cを有する。ヘッダ部14bは、加熱媒体としての蒸気が流入する側のヘッダ部である。ヘッダ部14cは、伝熱管14aを通った蒸気が凝縮し、凝縮水として集まる排出側のヘッダ部である。本実施の形態においては、複数の伝熱管14aが、ヘッダ部14b,14cに接続されている。
本実施の形態における水平管型蒸発器51は、循環流路を含む。循環流路には、管70が配置されている。水平管型蒸発器51は、循環ポンプ12を含む。循環ポンプ12は、管70を通って散布器13に処理液60を送るように形成されている。
本実施の形態における水平管型蒸発器51は、散布器13を含む。散布器13は、管70に接続されている。散布器13は、蒸発缶11の内部に配置されている。散布器13は、伝熱器14の伝熱管14aの上方に配置されている。散布器13は、伝熱管14aに向かって処理液60を散布することができるように形成されている。
本実施の形態における濃縮装置は、原液タンク55を備える。原液タンク55は、伝熱器14のヘッダ部14cに接続されている。濃縮装置は、移送ポンプ35を備える。移送ポンプ35は、ヘッダ部14cに貯留する凝縮水を、原液タンク55に移送するように形成されている。濃縮装置は、移送ポンプ36を備える。移送ポンプ36は、原液タンク55に貯留する処理液60を蒸発缶11に移送するように形成されている。
蒸発缶11の上部には、蒸発缶11の内部で生成された蒸気を排出する排気管として、管71が接続されている。管71は、凝縮器41に接続されている。凝縮器41は、矢印101に示すように、冷却水が供給され、矢印102に示すように、冷却水が排出されるように形成されている。
凝縮器41には、蒸気が冷却されることにより生成される凝縮水を排出するための移送ポンプ37が接続されている。移送ポンプ37には、排水管としての管72が接続されている。
本実施の形態における濃縮装置は、凝縮器41の内部を減圧するための真空ポンプ64を備える。真空ポンプ64と凝縮器41との間には、抽気スクラバ63が配置されている。抽気スクラバは、抽気と水とを接触させる水接触装置である。抽気スクラバ63は、凝縮器41の内部の蒸気を吸引するように凝縮器41に接続されている。抽気スクラバ63には、凝縮器41にて生成される凝縮水を供給するための管67が接続されている。管67には、冷却器62が配置されている。冷却器62は、熱交換器である。冷却器62には、図示しない冷却水が供給されている。管67は、管72のうち移送ポンプ37の下流側に接続されている。抽気スクラバ63には、蒸気と接触した凝縮水を原液タンク55に戻すための管68が接続されている。
本実施の形態における濃縮装置は、中和液タンク56を備える。中和液タンク56には、凝縮水を中和するための中和液61が貯留されている。本実施の形態における中和液61は、アルカリである苛性ソーダである。中和液タンク56は、中和液61が管72に供給されるように、管72に接続されている。中和液タンク56は、管72において、管67の接続点よりも下流側に接続されている。本実施の形態においては、中和液タンク56が排水系統に接続されている。
本実施の形態における濃縮装置は、水平管型蒸発器51で濃縮された処理液60をさらに蒸発濃縮するための第2蒸発器としての水平管型蒸発器52を備える。水平管型蒸発器51は、低濃縮側の蒸発器である。水平管型蒸発器52は、高濃縮側の濃縮器である。
水平管型蒸発器52の構成は、水平管型蒸発器51の構成と同様である。水平管型蒸発器52は、蒸発缶21を含む。蒸発缶21は、内部に処理液60を貯留することができるように形成されている。水平管型蒸発器52は、処理液を加熱蒸発する伝熱器24を含む。伝熱器24は、伝熱管24aおよびヘッダ部24b,24cを含む。
また、水平管型蒸発器52は、循環流路を構成する管77を有する。水平管型蒸発器52は、循環ポンプ22および散布器23を含む。水平管型蒸発器52は、循環ポンプ22により処理液60を循環して、散布器23から処理液60を散布することができるように形成されている。散布器23は、伝熱管24aに向かって処理液60を散布するように形成されている。循環ポンプ22の出口には、濃縮された濃縮液を排出するための管78が接続されている。管78には、開閉弁32が配置されている。
伝熱器24のヘッダ部24bには、管76が接続されている。管76には、生蒸気を生成するための蒸気生成機器としてのボイラが接続されている。伝熱器24のヘッダ部24cには、移送ポンプ38が接続されている。移送ポンプ38には、ドレン水を排出するための管79が接続されている。移送ポンプ38は、ヘッダ部24cに貯留するドレン水を排出することができるように形成されている。
水平管型蒸発器52には、水平管型蒸発器52にて生成される蒸気の排気管として管80が接続されている。管80は、蒸発缶21の上部に接続されている。管80は、水平管型蒸発器51の排気管である管71に接続されている。本実施の形態における濃縮装置は、水平管型蒸発器51にて生成された蒸気と水平管型蒸発器52にて生成された蒸気とが混合されている。混合された蒸気は、凝縮器41により凝縮される。
本実施の形態における濃縮器は、水平管型蒸発器51にて濃縮された処理液60を水平管型蒸発器52に移送するための移送管として管73が配置されている。管73は、循環ポンプ12の出口に接続されている。管73は、水平管型蒸発器52の蒸発缶21に接続されている。管73には、開閉弁31が配置されている。開閉弁31を閉じることにより、移送経路を遮断できるように形成されている。
本実施の形態における濃縮装置には、矢印81に示すように、硝酸が含まれる蒸気が伝熱器14に供給される。本実施の形態における蒸気には空気が含まれておらず、硝酸蒸気が含まれる。本実施の形態における蒸気は、約1wt%の硝酸が含まれる大気圧未満の水蒸気である。
本実施の形態においては、始めに開閉弁31を閉じた状態にする。装置の起動時には、蒸発缶11に純水または希硝酸溶液を入れる。矢印81に示すように、硝酸を含む蒸気が伝熱器14のヘッダ部14bに供給されることにより、伝熱管14aが加熱される。蒸気は凝縮して、ヘッダ部14cに凝縮水が貯留する。ヘッダ部14cに貯留する凝縮水は、矢印82に示すように、移送ポンプ35によって原液タンク55に移送される。この凝縮水は、処理液60になる。原液タンク55に貯留する処理液60は、移送ポンプ36が駆動することにより、矢印83に示すように蒸発缶11に移送される。
蒸発缶11に貯留する処理液60は、循環ポンプ12が駆動することにより、矢印84に示すように散布器13に移送される。散布器13に送られた処理液60は、伝熱管14aに向かって散布される。伝熱管14aにおいて、処理液60と硝酸が含まれる蒸気との熱交換が行われる。処理液60が伝熱管14aの表面にて蒸発して、蒸発缶11に貯留する処理液60が濃縮される。
蒸発缶11の内部で生成された蒸気は、矢印85に示すように、管71を通って、凝縮器41に移送される。矢印101に示すように凝縮器41に冷却水が供給され、矢印102に示すように冷却水が排出されることにより、蒸気が冷却されて凝縮する。
凝縮器41から排出される凝縮水は、移送ポンプ37により移送される。この凝縮水は、矢印86に示すように、管72を通って排水される。このときに、矢印87に示すように、中和液タンク56から管72に対して中和液61が供給されることにより、排水が中和される。本実施の形態においては、アルカリが供給されることにより中和される。
真空ポンプ64を駆動することにより、矢印110に示すように凝縮器41の内部の蒸気が吸引される。このときに、蒸気は抽気スクラバ63を通る。移送ポンプ37が駆動することにより、矢印111に示すように、抽気スクラバ63に凝縮器41にて生成された凝縮水が供給される。凝縮水は、冷却器62を通ることにより冷却される。
抽気スクラバ63においては、抽気スクラバ63のタンクの上部から凝縮水が噴出されて、凝縮水と蒸気とが接触する。このときに蒸気に含まれる硝酸が除去される。このために、真空ポンプ64の排気に含まれる硝酸の濃度を低くすることができる。
抽気スクラバ63において蒸気と接触した凝縮水は、矢印112に示すように、管68を通って原液タンク55に戻される。蒸気と接触した凝縮水には硝酸が含まれている。抽気スクラバ63の排水を原液タンク55に戻すことにより、硝酸の回収率を高くすることができる。
次に、開閉弁31を開状態にすることにより、水平管型蒸発器51にて濃縮した処理液60を、矢印88に示すように、水平管型蒸発器52に移送する。蒸発缶11に貯留されている処理液60が蒸発缶21に移送される。本実施の形態における処理液60の移送は、水平管型蒸発器51にて蒸発濃縮を行なっているときに、開閉弁31を開状態にして連続的に行っている。処理液60の移送は、断続的に行っても構わない。または、処理液60の移送は、水平管型蒸発器51における処理液60の濃度や水位が所定の値に達したときに行なっても構わない。
水平管型蒸発器52においては、矢印93に示すように、ボイラなどの蒸気生成機器により生成された生蒸気が供給されることにより伝熱器24が加熱される。伝熱器24に、生蒸気が供給されることにより伝熱管24aが加熱される。
伝熱管24aを通って凝縮した生蒸気の凝縮水は、管79を通って排出される。伝熱器24の凝縮水は、移送ポンプ38が駆動することにより、矢印94に示すようにドレン水として排出される。
本実施の形態においては開閉弁32を閉状態にして蒸発を行う。循環ポンプ22を駆動することにより、処理液60が矢印92に示すように循環する。処理液60は、散布器23に供給される。散布器23から散布された処理液60は、伝熱管24aにおいて生蒸気との熱交換が行われる。処理液60は、伝熱管24aの外側の表面で蒸発する。処理液60が蒸発するとともに濃縮が行なわれる。
水平管型蒸発器52から排出される蒸気は、矢印89に示すように、排気管としての管80を通って管71に移送される。本実施の形態において、水平管型蒸発器52から排出される蒸気は、水平管型蒸発器51から排出される蒸気と混合されて排出される。
水平管型蒸発器52にて濃縮された処理液を回収するときには、開閉弁32を開いて矢印95に示すように濃縮液を回収する。本実施の形態における濃縮液の回収は、水平管型蒸発器52における処理液60の濃度が所定の値に達したときに、開閉弁32を開状態にして行なっている。濃縮液の回収は、処理液60の水位が所定の値に達したときに行っても構わない。または、濃縮液の回収は、水平管型蒸発器52にて蒸発を行ないながら、開閉弁32を開状態にして行っても構わない。
本実施の形態においては、第1蒸発器としての水平管型蒸発器51において、伝熱器14に硝酸を含む蒸気を加熱媒体として導入している。伝熱器14にて生じる蒸気の凝縮水が、原液タンク55を介して蒸発缶11に導入される。この構成または方法により、水平管型蒸発器51にて処理液60を加熱するための別の熱源が不要になる。たとえば、水平管型蒸発器51に供給する蒸気を生成するためのボイラ等が不要である。本実施の形態においては、酸を含む蒸気の熱を利用して、酸を含む処理液の濃縮を行うことができる。このため、簡易な構成の装置で蒸気を凝縮させ、さらに、この凝縮水を処理液として濃縮することができる。
本実施の形態においては、第1蒸発器で処理液の濃縮を行ったのちに、さらに第2蒸発器にて濃縮を行うために、高い濃度まで処理液を濃縮することができる。この結果、高い濃度の酸を回収することができる。
また、酸の回収方法としては、塩の形態で回収する方法がある。たとえば、硝酸を硝酸塩の形態で回収する方法が考えられる。しかしながら、塩の形態で回収するよりも、酸の形態で回収する方が回収後の用途が広くて有用である。本実施の形態においては、高い価値を有する酸の形態で回収することができる。
本実施の形態においては、硝酸を含む蒸気から硝酸を回収する濃縮装置を例に取り上げて説明したが、この形態に限られず、酢酸または塩酸等の酸が含まれる蒸気から酸を回収するための濃縮装置にも本発明を適用することができる。
本実施の形態においては、蒸発器を2個接続した装置を採用しているが、この形態に限られず、任意の個数の蒸発器が接続されていても構わない。
また、本実施の形態においては、蒸発器として水平管型蒸発器が採用されているが、この形態に限られず、蒸気を熱源として用いる任意の蒸発器を採用することができる。たとえば、第1蒸発器としてフラッシュ型蒸発器が採用され、酸を含む蒸気により処理液が加熱されていても構わない。
(実施の形態2)
図2を参照して、実施の形態2における濃縮装置および酸の回収方法について説明する。
図2は、本実施の形態における濃縮装置の概略系統図である。本実施の形態における濃縮装置は、第2蒸発器としての水平管型蒸発器52から排出される蒸気を凝縮した後に、水平管型蒸発器51にて濃縮を行なう処理液60として、水平管型蒸発器51に戻すように形成されている。
本実施の形態における濃縮装置は、水平管型蒸発器52にて生成された蒸気を凝縮する凝縮器42を備える。水平管型蒸発器52の蒸発缶21の上部には、管74が接続されている。管74は、蒸発缶21の内部で生じた蒸気を排出できるように接続されている。管74は、凝縮器42に接続されている。
凝縮器42には、矢印103に示すように冷却水が供給されている。凝縮器42からは、矢印104に示すように冷却水が排出される。凝縮器42には、凝縮水を排出するための管75が接続されている。管75は、原液タンク55に接続されている。凝縮器42で凝縮した凝縮水は、原液タンク55を介して蒸発缶11の内部に戻され、処理液60として濃縮される。
真空ポンプ64と凝縮器41との間および真空ポンプと凝縮器42との間には、抽気スクラバ63が配置されている。本実施の形態における抽気スクラバ63は、凝縮器41および凝縮器42に接続されている。抽気スクラバ63には、管67が接続され、凝縮器41にて生成される凝縮水が供給されるように形成されている。本実施の形態における抽気スクラバ63には、蒸気と接触した凝縮水を排水するための管69が接続されている。管69は、凝縮器41の排水管に接続されている。管69は、凝縮器41と移送ポンプ37との間に接続されている。
水平管型蒸発器52の蒸発缶21の内部で生成された蒸気は、管74を通って凝縮器42に送られる。凝縮器42において、蒸気は凝縮水になる。凝縮器42から排出される凝縮水は、矢印96に示すように、管75を通って原液タンク55に移送されて処理液60になる。原液タンク55に貯留する処理液60は、水平管型蒸発器51の蒸発缶11に移送されて濃縮される。
蒸発缶21に貯留される処理液60が高い濃度の硝酸溶液になっているために、水平管型蒸発器52から排出される蒸気には、この濃度に対応した硝酸が含まれる。本実施の形態における濃縮装置は、第2蒸発器から排出される蒸気を第1蒸発器の蒸発缶に戻すように形成されているために、濃度の高い硝酸溶液が廃棄されることを抑制できる。
たとえば、本実施の形態において、矢印81に示すように硝酸製造設備から排出される蒸気には、約1.0wt%の硝酸が含まれている。水平管型蒸発器51にて、この蒸気の凝縮水を蒸発させることにより、矢印86に示すように排出される排水中の硝酸の濃度は、約0.15wt%になる。また、第1蒸発器および第2蒸発器で蒸発した後の濃縮液は、矢印95に示すように濃縮液として回収されるときに、濃度が約30wt%になる。
水平管型蒸発器52にて蒸発濃縮を行っているときに排出される水蒸気には、たとえば約5wt%の硝酸が含まれている。原液タンク55においては、硝酸製造設備から排出される蒸気に含まれる約1.0wt%の硝酸と、凝縮器42から排出される凝縮水の約5wt%の硝酸が混ざり合って約1.4wt%になる。
本実施の形態においては、水平管型蒸発器52にて排出される蒸気の凝縮水を原液タンク55に移送することにより、再び水平管型蒸発器51にて処理を行なうことができる。本実施の形態における濃縮装置から排出される硝酸は、矢印86に示すように排出される凝縮水に含まれる硝酸であり、この排出される硝酸の量を少なくすることができる。すなわち、濃縮装置から排出する窒素の総量を少なくすることができる。このため、特に窒素の総量規制のある地域においては有用である。
または、本実施における濃縮装置および酸の回収方法は、効率よく硝酸を回収することができる。たとえば、本実施の形態における硝酸の回収率は約85%となり、高い回収率で硝酸を回収することができる。さらに、本実施の形態において回収された硝酸の濃度は約30wt%であり、商業的に高い価値を有する硝酸を回収することができる。
抽気スクラバ63においては、凝縮水と蒸気とが接触することにより、真空ポンプ64の排気に含まれる硝酸の濃度を低くすることができる。本実施の形態の抽気スクラバ63において蒸気と接触した凝縮水は、矢印113に示すように、管69を通って凝縮器41にて生成される凝縮水と合流する。合流した凝縮水は、移送ポンプ37を通って、一部は排水され、一部は管67を通って抽気スクラバ63に供給される。
本実施の形態における濃縮装置は、第2蒸発器から排出される蒸気の凝縮水が原水タンクに移送されているが、この形態に限られず、第2蒸発器から排出される蒸気を第1蒸発器の蒸発缶に直接的に戻すように形成されていればよい。たとえば、第2蒸発器から排出される蒸気を第1蒸発器の蒸発缶に直接的に戻すように形成されていても構わない。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
上記に記載の実施の形態は、本発明を限定するものではなく例示である。また、それぞれの図において、同一の部分または対応する部分には同一の符号を付している。
実施の形態1における濃縮装置の概略系統図である。 実施の形態2における濃縮装置の概略系統図である。
符号の説明
11,21 蒸発缶
12,22 循環ポンプ
13,23 散布器
14,24 伝熱器
14a,24a 伝熱管
14b,14c,24b,24c ヘッダ部
31,32 開閉弁
35〜38 移送ポンプ
41,42 凝縮器
51,52 水平管型蒸発器
55 原液タンク
56 中和液タンク
60 処理液
61 中和液
62 冷却器
63 抽気スクラバ
64 真空ポンプ
67〜80 管
81〜89,92〜96,101〜104,110〜112 矢印

Claims (3)

  1. 酸を含む蒸気を濃縮して前記酸を回収する濃縮装置であって、
    処理液を貯留する蒸発缶および前記処理液を加熱蒸発させる伝熱器を含む第1蒸発器を備え、
    前記第1蒸発器は、前記伝熱器に前記酸を含む蒸気を加熱媒体として導入し、前記処理液との熱交換により生成された蒸気の凝縮水を、前記処理液として前記蒸発缶に導入するように構成されている、濃縮装置。
  2. 前記伝熱器は、前記蒸発缶の内部に配置されている伝熱管を有し、
    前記第1蒸発器は、前記伝熱管の上方に配置され、前記伝熱管に向かって前記処理液を散布する散布器を含む、請求項1に記載の濃縮装置。
  3. 前記第1蒸発器で濃縮された前記処理液をさらに蒸発濃縮する第2蒸発器を備え、
    前記第2蒸発器にて生成された蒸気を凝縮して形成される凝縮水を、前記処理液として前記第1蒸発器の前記蒸発缶に戻すように形成されている、請求項1または2に記載の濃縮装置。
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