本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の情報処理端末及び情報処理方法、情報処理システム、並びにプログラムを記録した記録媒体が適用される一実施の形態の全体構成を示す。
この図1において、第1の情報処理装置(主に利用者が使用する装置であり、以下、利用者端末200と呼ぶことにする。)は、実世界環境1の状況(コンテキスト情報、例えばオブジェクトの画像やそのオブジェクトのID、位置、音声等に関する情報)を特定するための特定情報を取り込む特定情報取込手段としての実世界環境情報認識部201と、上記実世界環境情報認識部201にて取り込まれた情報を解析する実世界環境情報解析部202と、実世界の状況(オブジェクトや位置等)に付与するための付与情報を取り込む付与情報取込部203と、例えば他の情報処理装置(主に、サービス提供側に設けられる装置であり、以下、サーバ210と呼ぶことにする)との間で情報通信を行うための通信部207と、上記実世界環境情報解析部202にて解析された情報に基づいてサーバ210から所望の情報を受け取り、また、当該所望の情報に基づく映像信号や音声信号等を生成する制御部204とを有するものであり、さらに、上記制御部204からの映像信号を画面上に表示する表示部206や上記制御部204からの音声信号を出力する音声出力部205をも備えている。なお、本実施の形態の利用者端末200における各機能は、ハードウェア或いはソフトウェアの何れを用いて実現してもよい。
また、本発明が適用される実施の形態において、利用者端末200から送信されてきた、実世界における状況を特定するための特定情報と上記特定情報により特定された実世界の状況に対して付与された付与情報を記憶する情報蓄積部213と、利用者端末200から送信されてきた特定情報と付与情報を受信し、また、情報蓄積部213から特定情報に対応して読み出された付与情報を利用者端末200に送信する通信部211と、情報蓄積部213の情報記憶及び読み出しや通信部211におけるデータ送受信を制御する制御部212とを備えている。なお、本実施の形態のサーバ200における各機能は、ハードウェア或いはソフトウェアの何れを用いて実現してもよい。
本発明実施の形態では、上記利用者端末200とサーバ210とが例えばネットワーク網等を介して接続されており、情報処理システム(ネットワークシステム)が構成されている。
以下に、図1に示した本実施の形態のネットワークシステムの具体的な第1の実施の形態について、図2から図12を用いて説明する。
すなわち、本発明の第1の実施の形態の情報処理装置(例えば利用者端末)は、他の情報処理装置(例えばサーバ)と通信する情報処理装置であり、実世界の映像を取り込む映像取込手段の一例としての図3のCCDビデオカメラ21と、実世界の位置を検出する位置検出手段の一例としての図3のIRセンサ22と、実世界のオブジェクトを識別するオブジェクト識別手段の一例としての図5の画像処理部61と、位置検出手段から出力される位置情報またはオブジェクト識別手段から出力されるオブジェクト情報に対応して、実世界に付与する付与情報を取り込む付与情報取込手段の一例としての図3のマイクロホン24と、付与情報取込手段により取り込まれた付与情報、位置情報およびオブジェクト情報を送信する送信手段の一例としての図9のステップS7と、送信手段から送信した位置情報およびオブジェクト情報に対応する付与情報を他の情報処理装置から受信する受信手段の一例としての図10のステップS29と、受信手段により受信された付与情報と映像取込手段により取り込まれた映像情報を合成した画像の表示を制御する表示制御手段の一例としての図10のステップS31とを主要構成要素として備えている。
また、本発明の情報処理装置(例えばサーバ)は、他の情報処理装置(例えば利用者端末)から送信された実世界に付与する付与情報、実世界の位置を表す位置情報、および実世界のオブジェクトを識別するオブジェクト情報を受信する受信手段の一例としての図9のステップS8と、受信手段により受信された付与情報を位置情報およびオブジェクト情報に対応させて記憶する記憶手段の一例としての図3のデータベース12aと、記憶手段から位置情報およびオブジェクト情報に対応する付与情報を読み出す読み出し手段の一例としての図10のステップS27と、読み出し手段により読み出された付与情報を送信する送信手段の一例としての図10のステップS28とを備えることを特徴とする。
図2は、本発明の第1の実施の形態における「拡張可能な現実」(Augment-able Reality)の概念を示す。すなわち、本発明の第1の実施の形態のARシステムは、従来のARシステムとは異なり、情報の流れが双方向的なARシステムであり、単に「augment」されているだけではない、という意味で、以下「拡張可能な現実」(Augment-able Reality)と称する。この第1の実施の形態では、利用者端末の一例として、利用者が装着可能なコンピュータであるウェアラブルコンピュータ2を挙げている。もちろん、ウェアラブルコンピュータではなく例えば携帯可能なコンピュータであってもよい。このウェアラブルコンピュータ2は、常に「ON」状態で実世界環境1の状況を観察し、必要に応じて適切な情報を利用者に提示するようになされている。
例えば、センサ3は、赤外線(infrared(IR))センサ、CCDビデオカメラ、マイクロホン等から構成されており、実世界環境1のコンテキスト情報(位置情報、ID情報、音声情報等)を取り込むようになされている。センサ3で取り込まれたコンテキスト情報は、ネットワークを介してサーバ5に供給されるようになされている。サーバ5は、内蔵するデータベース5a(予めコンテキスト情報に対応したデータが記憶されている)から、供給されたコンテキスト情報に対応するデータを読み出し、読み出したデータをネットワークを介してHUD4に供給し、表示させるようになされている。これにより、ウェアラブルコンピュータ2を装着した利用者は、実世界の状況に対応したデータを取得することができる。
また、ウェアラブルコンピュータ2を装着した利用者は、実世界環境1の状況に対して、添付(付与)するデータ(画像データ、テキストデータ、音声データ等)を、センサ3を利用して生成する。生成された付与データは、ネットワークを介してサーバ5に供給される。サーバ5は、供給された付与データを実世界環境1のコンテキスト情報に対応させてデータベース5aに格納する。サーバ5は、新たに格納した付与データに関しても、必要に応じてネットワークを介してHUD4に表示させる。
ウェアラブルコンピュータ8を装着した利用者が、ウェアラブルコンピュータ2を装着した利用者と同じ状況にいる場合には、ウェアラブルコンピュータ8を装着した利用者に対しても、サーバ5は、状況に対応したデータをネットワークを介して提示するようになされている。
上述した実世界の状況に対する情報の添付およびブラウズは、通常のコンピュータ環境からでも行うことができる。例えば、ウェアラブルコンピュータ2を装着した利用者が所定の部屋に情報を付与した場合、ノーマル(通常型)コンピュータ6の例えばWeb上のマップからその情報にアクセスすることができる。利用者がノーマルコンピュータ7から「会議室A」を宛先にして電子メールを送信した場合、サーバ5は、内蔵するデータベース5aに受信した電子メールを格納する。これにより、ウェアラブルコンピュータ2を装着した利用者が、「会議室A」を訪れた場合、電子メールの内容が伝達される。
次に、拡張可能な現実(Augment-able Reality)システムの第1の実施の形態の構成について、図3を参照しながら説明する。なお、図3に示した拡張可能な現実(Augment-able Reality)システムは、建物内に設置されているものとする。
ウェアラブルユニット11は、利用者が携帯しているCCDビデオカメラ21、IRセンサ22、マウス23、マイクロホン24、インタフェースボックス25、サブノートPC(Personal Computer)26、HUD27およびイヤホン28などを主要要素として構成されている。ウェアラブルユニット11(サブノートPC26)は、ワイヤレス(無線)LAN(Local Area Network)16を介してサーバ12に接続されている。サーバ12は、データベース12aを内蔵している。ノーマル(通常型)コンピュータ41は、WWW(World Wide Web)インタフェース13を介してサーバ12に接続されている。ノーマルコンピュータ42は、Eメールインタフェース14を介してサーバ12に接続されている。
図3の拡張可能な現実(Augment-able Reality)システムにおいては、実世界の状況(位置やオブジェクト等)を認識するために、例えば赤外線ビーコン17およびビジュアルIDが用いられる。赤外線ビーコン17は、建物内の各部屋に設置されており、所定の時間毎に赤外線の信号を発信する。これにより、部屋レベルでの位置認識が可能となる。また、図4の(B)に示すように、例えば2次元バーコード(いわゆるサイバーコード)が印刷されたビジュアルID52をオブジェクト(例えば、図4の(A)のビデオカセットレコーダ(VCR)51)に貼り付けることで、オブジェクトレベルでの認識が可能となる。
CCDビデオカメラ21は、実世界の映像を取り込む。また、CCDビデオカメラ21は、オブジェクト51に貼り付けられたビジュアルID52の2次元バーコードデータを取り込む。取り込まれた画像データおよび2次元バーコードデータ(ビジュアルID52)は、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)インタフェース31を介してサブノートPC26に供給される。
IRセンサ22は、赤外線ビーコン17から発信された赤外線信号を受信し、受信した信号をインタフェースボックス25を介してサブノートPC26に供給する。
利用者は、マウス23を操作してサブノートPC26に情報を入力する。利用者は、マイクロホン24から音声を入力する。入力された音声データは、サブノートPC26に供給される。
サブノートPC26について、図5を参照しながら、さらに詳しく説明する。
CCDビデオカメラ21から取り込まれた画像データおよび2次元バーコードデータは、PCMCIAインタフェース31を介して画像処理部61に供給される。画像処理部61は、供給された画像データに所定の処理を施し、処理したデータを制御部65に供給する。また、画像処理部61は、供給された2次元バーコードデータを識別し、オブジェクト51を特定し、オブジェクトデータを制御部65に供給する。
IRセンサ22により受信された信号は、インタフェースボックス25を介して位置情報検出部62に供給される。位置情報検出部62は、供給された信号から部屋の位置を検出し(部屋を識別し)、検出した位置データを制御部65に供給する。
マウス23を介して入力されたデータは、制御部65に供給される。マイクロホン24を介して入力された音声データは、音声処理部63に供給される。音声処理部63は、供給された音声データに所定の処理を施し、処理した音声データを制御部65に供給する。
制御部65は、供給された位置データ、オブジェクトデータ、画像データおよび音声データを、通信部32を介してサーバ12に送信する。送信されたデータは、無線LAN16を介してサーバ12に内蔵されている通信部(図示せず)により受信される。合成部66は、CCDビデオカメラ21の出力と制御部65の出力とを合成し、HUD27に供給し、表示させる。
サーバ12は、受信した画像データおよび音声データを、位置データおよびオブジェクトデータに対応させてデータベース12aに格納する。
次に、この第1の実施の形態において、実世界の状況に付与された情報を読み出す場合の処理について説明する。
制御部65は、位置情報検出部62および画像処理部61から、位置データおよびオブジェクトデータが供給されると、通信部32を介して位置データおよびオブジェクトデータをサーバ12に送信する。送信された位置データおよびオブジェクトデータは、無線LAN16を介してサーバ12に内蔵されている通信部により受信される。
サーバ12は、受信した位置データおよびオブジェクトデータに対応する画像データおよび音声データをデータベース12aから読み出す。読み出された画像データおよび音声データは、通信部からサブノートPC26に送信される。
送信された画像データおよび音声データは、無線LAN16を介してサブノートPC26の通信部32により受信される。通信部32は、受信した画像データおよび音声データを制御部65に供給する。制御部65は、供給された画像データおよび音声データに対応するアイコンを生成し、生成したアイコンを合成部66に供給する。また、制御部65は、供給された音声データをイヤホン28から出力する。合成部66は、供給される現在の視界の画像データに、対応するアイコンを合成して、HUD27に表示させる。これにより、ウェアラブルユニット11を装着した利用者は、実世界の状況に対応した情報を取得することができる。
次に、HUD27の画面の表示例について、図6を参照しながら説明する。ここでは、利用者が編集スタジオ(ロケーション)でVCR(オブジェクト)を操作してみて、気づいた点をボイスメモ(VCR(オブジェクト)に関する情報)として貼り付けた際の表示例を説明する。
図6に示すように、HUD27の表示画面は、個人情報領域(personal information tray)71と、状況依存領域(context-aware area)72に分割されている。個人情報領域71上には、利用者が持ち運んでいる情報(ボイスメモまたは画像スナップショットなど)がアイコン75(ボイスメモを示すアイコン)として表示される。
状況依存領域72は、実世界の状況に対応しており、利用者が移動して状況が変化する度に、表示画面が切り替えられる。状況依存領域72は、部屋レベルでの位置情報に対応したロケーション部73と、認識されたオブジェクトに対応したオブジェクト部74に分割されている。利用者が、編集スタジオにいて、VCRの前にいる場合、ロケーション部73の左側には、現在編集スタジオにいることを示すアイコン76が表示される。オブジェクト部74の左側には、VCRの前にいることを示すアイコン77が表示される。ロケーション部73には、編集スタジオに対して添付された情報(ボイスメモ)がアイコン78として表示されている。利用者は、アイコン78をマウス23でクリックすることにより、イヤホン28から対応する音声を聞くことができる。オブジェクト部74には、VCRに対して添付された情報がアイコン79(ボイスメモ)およびアイコン80(画像スナップショット)として表示されている。
次に、利用者が個人情報領域71で生成した情報を状況依存領域72に添付する際の表示例について、図7を参照しながら説明する。
利用者がRECORD(録音)ボタン84をマウス23でクリックすると、アイコン91(ボイスノート)が生成され(図7の(A))、アイコン91が個人情報領域71上に表示される(図7の(B))。利用者が、マウス23を操作して、このアイコン91をロケーション部73(編集スタジオ)にドラッグ&ドロップすることにより、アイコン91が部屋(編集スタジオ)に貼り付けられる(図7の(C))。以上の操作の結果は、無線LAN16を介してサーバ12に送信される。サーバ12は、受信したデータをデータベース12aに登録し、必要に応じて他の利用者にもデータを提供する。
次に、タイムマシンモードの表示例について、図8を参照しながら説明する。なお、ここでは、今日の日付が4月2日であるとした場合、例えば4月1日(昨日)の会議室(Meeting Room)のVCRの前に遡った場合を例に挙げて説明する。
ロケーション部73の左側には、4月1日の会議室にいることを示すアイコン101が表示されている。利用者は、その左側のコンテキストスイッチングボタン107をクリックすることにより、今まで訪れた部屋に遡っていくことができる。オブジェクト部74の左側には、VCRの前にいることを示すアイコン102が表示されている。利用者は、その左側のコンテキストスイッチングボタン108をクリックすることにより、今まで訪れたオブジェクト(事物)に遡っていくことができる。
タイムインジケータ109は、それぞれの領域内で表示されている状況の日付と時刻を示している。いまの場合、タイムインジケータ109により、ロケーション部73には、4月1日(昨日)の12時15分の会議室が表示されていることが分かる。オブジェクト部74には、4月1日の12時15分のVCRが表示されていることが分かる。個人情報領域71の時刻からは、現在の日時として4月2日(今日)の12時15分であることが分かる。また、各領域内の上下ボタン(U,D)をクリックすることにより、未来または過去の状態に移動することができる。例えば、利用者は、ロケーション部73に表示されているタイムインジケータ109内の上ボタンU73を操作することにより、例えば4月3日(明日)の会議室に移動し、情報を添付することも可能である。
アイコン103乃至106は、それぞれの領域に添付された情報を示すものである。
次に、図3の拡張可能な現実(Augment-able Reality)システムにおいて、実世界の状況に対して付与する情報を生成し、ネットワーク上のデータベース12aに登録する処理動作について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ウェアラブルユニット11を装着した利用者が、所定の部屋(例えば、編集スタジオ)に移動すると、ステップS1において、IRセンサ22は、赤外線ビーコン17から発信された赤外線信号を受信し、受信した信号をインタフェースボックス25を介して位置情報検出部62に供給する。
ステップS2において、位置情報検出部62は、供給された信号に基づいて、部屋レベルでの位置(その部屋が編集スタジオであること)を検出し、検出した位置データを制御部65に供給する。
ステップS3において、CCDビデオカメラ21は、オブジェクト(VCR)51に貼り付けられたビジュアルID(2次元バーコード)52を取り込み、取り込んだビジュアルID52をPCMCIAインタフェース31を介して、画像処理部61に供給し、ステップS4に進む。
ステップS4において、画像処理部61は、供給されたビジュアルID52からオブジェクト(VCR)51を特定し、特定したオブジェクトデータを制御部65に供給する。
ステップS5において、ウェアラブルユニット11を装着した利用者は、マイクロホン24を介して、編集スタジオおよびVCRに付与する音声(ボイスメモ)を入力する。入力された音声データは、音声処理部63に供給される。
ステップS6において、音声処理部63は、供給された音声データに所定の処理を施し、処理した音声データを制御部65に供給し、ステップS7に進む。
ステップS7において、制御部65は、供給された位置データ、オブジェクトデータおよび音声データを通信部32を介してサーバ12に送信し、ステップS8に進む。
ステップS8において、サーバ12の通信部(図示せず)は、送信された位置データ、オブジェクトデータおよび音声データを無線LAN16を介して受信する。
ステップS9において、サーバ12は、受信した音声データを、位置データおよびオブジェクトデータに対応させてデータベース12aに登録し、処理は終了される。
次に、図3の拡張可能な現実(Augment-able Reality)システムにおいて、データベース12aから実世界の状況に対して付与された情報を読み出し、表示する処理動作について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ウェアラブルユニット11を装着した利用者が、所定の部屋(例えば、編集スタジオ)に移動すると、ステップS21において、IRセンサ22は、赤外線ビーコン17から発信された赤外線信号を受信し、受信した信号をインタフェースボックス25を介して位置情報検出部62に供給する。
ステップS22において、位置情報検出部62は、供給された信号に基づいて、部屋レベルでの位置(その部屋が編集スタジオであること)を検出し、検出した位置データを制御部65に供給する。
ステップS23において、CCDビデオカメラ21は、オブジェクト(VCR)51に貼り付けられたビジュアルID(2次元バーコード)52を取り込み、取り込んだビジュアルID52をPCMCIAインタフェース31を介して、画像処理部61に供給し、ステップS24に進む。
ステップS24において、画像処理部61は、供給されたビジュアルID52からオブジェクト(VCR)51を特定し、特定したオブジェクトデータを制御部65に供給する。
ステップS25において、制御部65は、供給された位置データおよびオブジェクトデータを通信部32を介してサーバ12に送信し、ステップS26に進む。
ステップS26において、サーバ12の通信部(図示せず)は、送信された位置データおよびオブジェクトデータを無線LAN16を介して受信する。
ステップS27において、サーバ12は、受信した位置データおよびオブジェクトデータに対応する音声データをデータベース12aから読み出し、ステップS28に進む。
ステップS28において、サーバ12は、読み出した音声データを通信部からサブノートPC26に送信し、ステップS29に進む。
ステップS29において、サブノートPC26の通信部32は、送信された音声データを無線LAN16を介して受信し、受信した音声データを制御部65に供給し、ステップS30に進む。
ステップS30において、制御部65は、供給された音声データに対応するアイコンを生成し、生成したアイコンを合成部66に供給する。
ステップS31において、合成部66は、CCDビデオカメラ21より供給された現在の視界映像データと制御部65より供給されたアイコンを合成し、HUD27に表示させ、処理は終了される。
次に、通常のコンピュータ環境からデータベース12aにアクセスする場合について説明する。図11は、コンピュータ41において、Web(例えばいわゆるJava(登録商標) Applet等)上のマップからデータベース12aの情報を取得している場合の画面表示例である。図11の画面において、利用者は、上記Web(例えばJava Applet)経由で実世界の状況(位置や物体)に対して情報を添付することもできる。
また、コンピュータ42を利用して電子メールを実世界の状況に対して発信することもできる。例えば、コンピュータ42において、図12に示すように、「ルーム3」を宛先にして電子メールが送信されると、サーバ12は、Eメールインタフェース14を介して電子メールを受信する。サーバ12は、受信した電子メールをデータベース12aに格納する。これにより、ウェラブルコンピュータ11を装着した利用者が、「ルーム3」を訪れた場合、電子メールのメッセージ内容(例えばToday's meeting is cancelied;今日のミーティングは中止)がHUD27に表示され、伝達される。
なお、上述した第1の実施の形態においては、位置を検出するのに赤外線ビーコンを利用したが、GPS(Global Positioning System)やPHS(Personal Handyphone System)による位置検出も可能である。
なお、第1の実施の形態において、上記処理を実行するコンピュータプログラムをユーザに提供する提供媒体には、磁気ディスク、いわゆるCD−ROMなどの情報記録媒体の他、インターネット、ディジタル衛星などのネットワークによる伝送媒体も含まれる。
また、第1の実施の形態において、システムの用語は、複数の装置、手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
次に、本発明が適用される第2の実施の形態について、図13から図20を用いて説明する。
本発明の第2の実施の形態では、実世界のオブジェクト(物品)に既に付加されているIDをID読み取り装置によって取り込み、そのIDに基づいて、例えばインターネット上の掲示板やパソコン通信サービスにおける掲示板を登録及び検索可能とし、また、この掲示板からIDに対応するオブジェクトに関する情報を閲覧可能とし、さらに、そのIDが付加されているオブジェクトに関する情報の書き込みや交換を可能とする情報処理システムについて説明する。
図13には、本発明の第2の実施の形態の一具体例システムを示す。なお、この図13では、情報処理装置(利用者端末)の一例としてパーソナルコンピュータ(本実施の形態では例えば携帯可能なサブノート型PCを例に挙げでおり、以下、クライアントPC304と呼ぶ)を使用し、実世界のオブジェクト(物品)の一例として本307を、当該本307に付加されたIDの一例としてバーコード306を、IDを読み取るID読み取り装置の一例として上記バーコード306を読み取るバーコードリーダ305を、ネットワーク303の一例としてインターネットを、他の情報処理装置の一例としてハードディスク302を備えたサーバ301を使用した場合の例を挙げている。この図13の構成は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
この図13において、サーバ301は、通常のWWW(world wide web)サーバと同様のものであり、コンピュータ本体(サーバ301)と、IDに対応するオブジェクトの掲示板等の情報を蓄積するハードディスク302と、ネットワーク303にサーバ301を接続するための図示しないネットワーク接続装置等から成る。
また、利用者端末側(クライアントPC304側)は、モデムやPCMCIAインタフェース等を備えたサブノート型PCであり、モデムを介してインターネット等に接続可能となされており、また、PCMCIAインタフェースを介してID読み取り装置としてのバーコードリーダ305(CCDカメラであってもよい)と接続可能となっている。なお、IDを読み取るための手段は、図13のID読み取り装置(バーコードリーダなど)のように、単体として存在するものだけでなく、例えばクライアントPC304に組み込まれている装置であってもよい。例えば、当該クライアントPC304にCCDカメラが組み込まれている場合にはそのCCDカメラをID読み取り装置として使用することができる。さらに例えば、実世界のオブジェクトに付加されているIDとして、人間が目視にて読み取り可能な数字等が使用されているような場合には、そのIDを入力するためのキーボード(クライアントPCのキーボード)等も、ID読み取り装置に含まれる。
図14には、実世界の物品(例えば本307)に既に添付されているID(バーコード306)をID読み取り装置(バーコードリーダ305)によって取り込み、その取り込んだIDに基づいて例えばインターネット上のサーバ301にある掲示板を検索しようとする場合において、上記クライアントPC304のディスプレイ装置(例えば液晶ディスプレイ等)上に表示される初期画面の一例を示している。なお、図14の初期画面は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
この図14において、当該初期画面には、ID入力用フィールド311が表示されている。ここで、図13のように、実世界の本307に関する例えば論評や本の内容等の様々な情報が掲載されている掲示板を閲覧しようとする場合には、当該本307に添付されているバーコード306をバーコードリーダ305にて読み取る(或いはキーボードからバーコードの数字を入力)。これにより、初期画面の上記ID入力用フィールド311には、そのバーコード306に対応する数字が入力される。
クライアントPC304は、上記ID入力フィールド311にID(数字)が入力されると、そのIDをWWWのURL(Uniform Resource Locator)にエンコードした形でサーバ301にアクセスする。なお、IDが例えば「9780123456789」であると認識した場合のURLとしては、以下のようなものを一例に挙げることができる。
http://www.aaa.com/cgi-bin/bbs.cgi?id=9780123456789
ここで、上述のようにサーバ301にアクセスした結果、当該サーバ301に既に上記IDに対応した掲示板が登録されている場合、サーバ301は、例えば図15に示すような当該IDに対応した掲示板画面を、クライアントPC304のディスプレイ画面上に表示させる。なお、図15のディスプレイ画面は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、図15に示す掲示板画面には、例えばID番号(上記9780123456789)を表示するためのID番号フィールド312や、掲示板の名称(この例では「本AABBCCの掲示板」)を表示するための掲示板名称フィールド313、他の検索サービスへのリンク(例えばオンラインショッピングのためのリンク等)のためのリンク先フィールド314、当該掲示板への新規投稿用のフィールドやボタン等が表示される投稿フィールド315、既に掲示板に登録されている情報を表示する登録情報フィールド316などが配置されている。この図15に示すような形式の掲示板によれば、IDに対応した物品(本)に関する情報が閲覧及び交換可能となされているので、例えば通常の掲示板と同じようにして意見を参照したり、検索したり、新たに情報を書き込んだりすることができる。
一方で、IDに対応するURLによりサーバ301にアクセスした結果、当該サーバ301にはそのIDが未だ登録されていない(IDに対応する掲示板が存在していない)場合もあり得る。
このような場合、サーバ301は、例えば図16に示すように、利用者に対して当該IDに対応した掲示板を新規に登録することを要求するための新規登録画面を、クライアントPC304のディスプレイ画面上に表示させる。なお、図16のディスプレイ画面は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、図16に示す新規登録画面には、そのID(この図16の例では9881234)に対応する基本的な情報、例えば物品の名称の入力を要求する名称入力フィールド317が用意されている。ここで、利用者が、この名称入力フィールド317に、そのIDに対応する物品名(この図16の例では「健康飲料XYZ」)を入力することにより、サーバ301にはそのID(9881234)と当該IDに対応する物品名である「健康飲料XYZ」により示される新たな掲示板が登録されることになる。
上述したように、本発明の第2の実施の形態によれば、実世界の物品(オブジェクト)に既に添付されているIDに基づいて、例えばインターネット上の掲示板等を登録及び検索でき、またこの掲示板からIDに対応する物品に関する情報を閲覧でき、さらに、そのIDに対応する物品に関する情報の書き込みや交換が可能である。
もちろん、この第2の実施の形態は、上述した本や健康飲料だけでなく、他の様々な製品に適用可能であり、例えば、ある音楽CDに添付されているバーコードをスキャンすれば、そのCDに関する掲示板にアクセス或いはジャンプすることができるので、当該CDの音楽に関する情報を簡易に取得することができる。なお、このCDに関する掲示板は、同じCDに興味を持つ人がアクセスする掲示板であるため、自然に情報流通やコミュニティ形成が促進されることになる。同様に、例えば、電気製品に添付されているバーコードをスキャンすれば、その電気製品のユーザコミュニティによる最新の情報を得ることができる。
一方、この第2の実施の形態のようなシステムにおいて、掲示板上に載せられる情報は、上述したようなクライアントPC側から提供された情報だけでなく、例えば、製品販売側が自ら販売等する各製品の情報であってもよい。このように製品販売側が製品情報を掲示板経由で提供するようにした場合、例えば当該製品販売側が販売している全ての製品に対して統一的なインタフェースで情報交換の場を提供することが可能となる。
また、第2の実施の形態では、上記IDとして、上述したような典型的なバーコードを想定している(既に型番がバーコードとして印刷、添付されている製品が多いのでそれをそのまま利用している)が、利用可能なID体系の例としては、JANコード(ヨーロッパではEANコード)、ISBNコード、CDDB IDなどを挙げることができる。JANコードは、バーコード体系の一種であり、商品を一意に識別するために商品パッケージにバーコードとして印刷されている。ISBNコードは、書籍を一意に識別するためのコード体系であり、本の裏表紙等にコード番号が印刷されている。また、多くの場合、当該ISBNコードに対応するバーコードも併記して印刷されている。CDDB IDは、音楽CDを識別するためにインターネット上で使用されているID体系(URLとして/http:/www.cddb.comのものが既に存在している)であり、音楽CDのトラック数、演奏時間などの情報を演算して32ビットの数字に変換したものである。このCDDB IDの番号をCDのIDとして用いることができる。また、物体を一意に識別できる名称は、バーコードに限らず、IDとして用いることができる。例えば、電子メール(E-mail)アドレス(すなわち人を識別)、WWWのURL(ホームページ)、電話番号、住所、固有名(例えば会社名や商号、屋号、商標など)をIDとして用いることが可能である。
なお、IDとしては、例えばいわゆるサイバーコードのような2次元IDや、無線タグのような非接触型IDを利用することも想定できる。また、IDの種類によっては、例えばオンラインショッピングなどの別種の情報サービスとの連携が可能である。上記図15の例は、書籍の統一番号(ISBNコード)をバーコードリーダでスキャンしたときの掲示板画面例であるが、その本に関する掲示板情報と共に、リンク先フィールド314にオンライン書籍販売のページへのリンク先が示されている。
図17には、上記第2の実施の形態のシステムのクライアントPC側において、実世界の物品に添付されているIDをID読み取り装置によって読み取り、そのIDに対応した掲示板の検索、閲覧、書き込み、或いは掲示板の新規登録を行う際の流れを示す。なお、図17の処理は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
この図17において、クライアントPCでは、先ずステップS41として、上述した第2の実施の形態のIDによる掲示板検索を実行するためのアプリケーションソフトウェアを立ち上げる。なお、当該第2の実施の形態では、利用者端末としてパーソナルコンピュータ(クライアントPC)を例に挙げているため、上記IDによる掲示板検索を実行するためにアプリケーションソフトウェアを備えていることにしているが、利用者端末が上記IDによる掲示板検索及び表示等を専用に行う専用機器である場合は、ステップS41において当該専用機器の電源を投入する。
上記ステップS41のように上記アプリケーションソフトウェアが立ち上がると、クライアントPCは、ステップS42として、ID読み取り装置からの物品のID入力待ち状態となる。クライアントPCは、ID読み取り装置から物品のIDが入力されると、ステップS43としてサーバに接続し、さらにステップS44として上記入力されたIDをURLにエンコードした形でサーバに送信する。
次に、クライアントPCは、ステップS45においてサーバから返信を受信する。ここで、そのサーバからの返信は、前述の図15に示したようなIDに対応する掲示板の情報である場合と、前述の図16に示したような新規掲示板の登録(新規IDの登録)のための要求である場合がある。したがって、クライアントPCでの処理は、上記サーバからの返信が掲示板の情報である場合にはステップS47以降の処理へ進み、一方、サーバからの返信が新規掲示板の登録要求である場合にはステップS52以降の処理へ進む。
ステップS46にてサーバからの返信が掲示板の情報であると判断した場合、クライアントPCでは、ステップS47として、例えば上記図15に示したようなIDに対応した掲示板画面をディスプレイ画面上に表示する。
また、ステップS46において、サーバからの返信が新規掲示板の登録要求であると判断した場合、クライアントPCは、ステップS52において、上記図16に示したように、利用者に対して当該IDに対応した掲示板を新規に登録することを要求するための新規登録画面をディスプレイ画面上に表示し、その新規登録画面内にそのIDに対応する物品の名称の入力を要求する名称入力フィールドを表示する。
その後、クライアントPCは、ステップS53において、名称入力フィールドに入力された物品の名称をサーバに送信する。このステップS53の処理後は、ステップS45に戻る。これにより、サーバからは新規登録された掲示板がクライアントPCに対して送られてくることになる。
次に、クライアントPCは、ステップS48として当該掲示板への書き込みが有るか否かを判断し、書き込みが有った場合にはステップS49においてその書き込み情報をサーバに送信する。このステップS49の処理後は、ステップS50の処理に進む。
また、クライアントPCは、ステップS48において掲示板への書き込みが無いと判断した場合、ステップS50の処理に進む。
このステップS50の処理に進むと、クライアントPCはID読み取り装置からの新たなIDの入力が有るか否かを判断し、このステップS50において例えば別の物品の新たなIDが入力されると、当該クライアントPCの処理はステップS44に戻り、そのIDをサーバに送信する。一方、ステップS50において新たなIDの入力が無い場合は、ステップS51の処理に移る。
クライアントPCは、ステップS50にて新たなIDの入力が無く、さらに、利用者により通信回線の切断指示が成された場合に、ステップS51においてサーバとの間の通信回線を切断する。このステップS51にて通信回線の切断が行われた後、ステップS54にてアプリケーションの終了又は電源OFFとなされたと判断したときに、ステップ17のフローチャートの処理を終了し、アプリケーション終了又は電源OFFとなされないと判断したときにはステップS42の処理に戻り、ID入力待ち状態となる。なお、この図17のフローチャートでは、サーバに対してIDの送信を開始するときに、サーバとクライアントPCとの間の通信回線を接続し、利用者の通信回線の切断指示に応じて通信回線の切断を行う方式としたが、常時サーバと接続しているような方式であってもよい。
次に、図18には、第2の実施の形態のサーバ側において、クライアントPCからIDが送られてきた場合に、そのIDに応じた掲示板、或いは新規登録要求をクライアントPCに対して送信する際の流れを示す。なお、図18の処理は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
この図18において、サーバでは、ステップS61のように常時クライアントPCからID受信待ち状態となっており、このステップS61においてクライアントPCからIDを受信すると、ステップS62の処理に進む。
ステップS61にてクライアントPCからIDを受信すると、サーバは、ステップS62において、その受信IDが登録されているか否か、すなわち受信IDに対応する掲示板が登録されているか否かを判断する。このステップS62の判断において、受信IDに応じた掲示板が登録されていないと判断した場合、サーバでの処理はステップS66以降の処理に進み、一方、受信IDに対応する掲示板が登録されていると判断した場合、サーバでの処理はステップS63以降の処理に進む。
ステップS62において受信IDに対応する掲示板が登録されていると判断したとき、サーバは、ステップS63において、そのIDに対応した掲示板の情報をクライアントPCに送信する。このステップS63の処理後は、ステップS64の処理に進む。
一方、ステップS62において受信IDに対応する掲示板が未登録であると判断したとき、サーバは、ステップS66において、上記図16に示したような利用者に対して当該IDに対応した掲示板を新規に登録することを要求するための新規登録画面の情報をクライアントPCに送信する。
ステップS67においてクライアントPCからIDに対応する物品の名称を受信すると、サーバは、ステップS68においてその名称の物品についての掲示板を受信IDに対応する掲示板として作成及び登録し、さらにステップS69において当該新規登録した掲示板の情報をクライアントPCに送信する。このステップS69の処理後は、ステップS64の処理に進む。
次に、サーバは、ステップS64において、クライアントPCから掲示板に新たな情報の書き込みがなされたか否か(新たな書き込み情報が送信されてきたか否か)の判断を行う。このステップS64において、掲示板に書き込みがなされていないと判断した場合は、ステップS61の処理に戻り、クライアントPCからIDの受信待ち状態になる。
一方、ステップS64において、掲示板に書き込みがなされたと判断した場合は、ステップS65にて当該掲示板にその書き込み情報を追加、或いはその書き込み情報に応じて更新を行う。このステップS64の処理後は、ステップS61の処理に戻り、クライアントPCからのIDの受信待ち状態になる。
ところで、上述した第2の実施の形態の説明では、一つのIDに対して一つの掲示板が対応している例を挙げたが、例えば前述したようなJANコード(ヨーロッパではEANコード)、ISBNコード、CDDB ID、無線タグ等の各種複数のID体系を併用可能とした場合、例えば複数の異なるID体系間で同じIDが使用されていることも考えられる。すなわち、この場合、複数の異なる物品に添付されているIDが重複してしまうことになる。このように複数の異なる物品のIDが重複していると、当該IDに対応する掲示板を検索しようとしたときに、複数の物品についての複数の掲示板が検索されてくることになる。
したがって、本実施の形態のシステムは、サーバにおいて、同じIDに対応する複数の掲示板が検索されたような場合、それら複数の掲示板のそれぞれの名称や要約等をクライアントPCに提示し、それら複数の掲示板の中から利用者に選択させるようにする。
図19には、上述のように同じIDに対応する複数の掲示板が検索されたような場合のサーバ側における処理の流れを示す。なお、この図19の処理は、具体的には図18のフローチャート中の例えばステップS63内で行うことができるこの図19の処理は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
この図19において、サーバでは、先ず、ステップS71において、クライアントPCからIDが送信されてきたとき、当該IDに対して複数の掲示板が登録されているか否かの判断を行う。
サーバは、このステップS71にてIDに対して複数の掲示板が登録されていないと判断した場合、ステップS74にてそのIDに対応する掲示板の情報をクライアントPCに送信する。
一方、ステップS71にてIDに対して複数の掲示板が登録されていると判断した場合、サーバは、ステップS72にてそれら複数の掲示板の例えば名称や要約等の一覧をクライアントPCに送信する。
上記複数の掲示板の名称や要約などの一覧をクライアントPCに送信後、ステップS73において、クライアントPCがそれら複数の掲示板の名称等の一覧の中から選択した名称等の選択信号(すなわち掲示板の選択信号)を受信したならば、サーバは、ステップS74において、その選択に応じた掲示板の情報をクライアントPCに送信する。
図20には、サーバ側から複数の掲示板の名称や要約等の一覧が送信されてきた場合のクライアントPC側での処理の流れを示す。なお、この図20の処理は、具体的には図17のフローチャート中の例えばステップS47内で行うことができる。この図20の処理は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
この図20において、クライアントPCでは、先ず、ステップS81において、サーバからの送信信号が複数の掲示板の名称等の一覧であるか否かの判断を行う。
クライアントPCは、このステップS81にて複数の掲示板の名称等の一覧でないと判断した場合、すなわち、サーバから送られてきたのはIDに対応する一つの掲示板の情報であると判断した場合は、ステップS84にてそのサーバから送信されてきた掲示板をディスプレイ画面上に表示する。
一方、ステップS81にてサーバからの送信信号が複数の掲示板の名称等の一覧であると判断した場合、クライアントPCは、ステップS82にてその名称等の一覧をディスプレイ画面上に表示し、これら名称等の一覧の中から所望の名称(すなわち掲示板)を選択することを利用者に要求する。
次に、クライアントPCは、ステップS83において、上記名称等の一覧から利用者が選択した掲示板の名称をサーバに送信する。その後、クライアントPCは、上記選択した名称等に対応する掲示板の情報がサーバから送られてきたならば、ステップS84において当該サーバから送信されてきた掲示板をディスプレイ画面上に表示する。
その他、各種複数のID体系を併用可能とした場合に、例えば、各IDにそれぞれのID体系の名称(例えばISBNなど)を付加したもので掲示板を管理するようにすれば、IDの重複を避けることも可能である。すなわち、例えばクライアントPCにてIDを取り込んだ時に、そのIDが何れの体系に属するものであるのかを示す情報(ID体系の名称)を当該IDに付加してサーバに送信するようにし、サーバ側ではそのIDと当該IDに付加された情報(ID体系の名称)とに基づいて掲示板を管理するようにすれば、異なる体系間で同じIDが存在した場合でも、一つのIDに対して一つの掲示板を検索することが可能となる。
なお、上述した第2の実施の形態において、上記処理を実行するコンピュータプログラムをユーザに提供する提供媒体には、磁気ディスク、いわゆるCD−ROMなどの情報記録媒体の他、インターネット、ディジタル衛星などのネットワークによる伝送媒体も含まれる。
また、第2の実施の形態において、システムの用語は、複数の装置、手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
次に、本発明が適用される第3の実施の形態について、図21から図28を用いて説明する。
上述した第2の実施の形態では、実世界の物品(実際には物品に添付されているID)と掲示板を対応付けた例を挙げているが、本発明の第3の実施の形態では、実世界の位置と掲示板とを対応付けるようにしている。
すなわちこの第3の実施の形態では、実世界の現在位置を位置認識装置によって取り込み、当該取り込んだ現在位置に基づいて例えばインターネット上の掲示板やパソコン通信サービスにおける掲示板を登録可能とし、また、上記取り込んだ現在位置及びその近傍の位置に対応する掲示板を検索及び閲覧可能とし、さらに、上記取り込んだ現在位置及びその近傍に対応する掲示板への新たな書き込みや当該掲示板を用いた情報交換を可能とする情報処理システムについて説明する。
図21には、本発明の第3の実施の形態の一具体例システムを示す。この図21では、情報処理装置(利用者端末)の一例として携帯可能なパーソナルコンピュータ(本実施の形態ではサブノート型PCを例に挙げ、以下、クライアントPC404とする)を使用し、実世界の現在位置情報の検出手段の一例としてGPSやPHS等の位置認識装置405を、ネットワーク403の一例として無線ネットワーク及びインターネットを、他の情報処理装置の一例としてハードディスク402を備えたサーバ401を使用した場合の例を挙げている。また、クライアントPCは、現在位置に関連した情報(例えばテキスト、写真、ボイスメモなど)の情報入力装置406も備えている。さらに、利用者端末は、第1の実施の形態のようなウェアラブルコンピュータであってもよい。なお、図21の構成は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
この図21において、サーバ401は、図13にWWWサーバと同様のものであり、コンピュータ本体(サーバ401)と、実世界の各位置に対応する掲示板等の情報を蓄積するハードディスク402と、ネットワーク403にコンピュータ本体を接続するための図示しないネットワーク接続装置等から成る。
利用者端末(クライアントPC404)は、モデムやPCMCIAインタフェース等を備えたサブノート型PCであり、PCMCIAインタフェースを介して無線ネットワーク装置407(携帯電話,PHSを含む)や、現在位置情報の検出装置としての位置認識装置405(GPSやPHS等)と接続されている。また、当該クライアントPC404は、現在位置に関連する情報の入力装置406の一例として例えばCCDカメラやマイクロホンを備え、さらに、現在の時刻を認識するための内蔵時計等も備えている。なお、情報入力装置406としてのCCDカメラやマイクロホンは、クライアントPCと一体に構成されていてもよく、また、別個に構成されていてもよい。さらに、クライアントPC404は、上記位置認識装置405が検出した現在位置情報や、上記内蔵時計からの現在時刻情報、上記情報入力装置406から入力された写真やボイスメモ、或いはキーボード等から入力されたテキストデータ等の現在位置に関連する情報などを、無線ネットワーク装置407及びネットワーク403を介してサーバ401に送信可能となされている。
ここで、第3の実施の形態のシステムにおいて、例えばサーバ401に現在位置に対応する掲示板が登録されておらず、当該現在位置に対応する掲示板を新たに登録するような場合には、クライアントPCの上記情報入力装置406から現在位置に関連する情報(例えば写真やテキスト、ボイスメールなど)を入力し、当該現在位置に関連する情報に対して、位置認識装置405が検出した現在位置情報と内蔵時計からの現在時刻情報とを検索タグとして添付してサーバ401に送信する。これにより、サーバ401では、現在位置に対応する掲示板が新たに登録される。
また、第3の実施の形態のシステムにおいて、サーバ401に現在位置に対応する掲示板が既に登録されており、クライアントPC404から当該現在位置の対応する掲示板に更に新たな情報を書き込むような場合には、上記情報入力装置406やキーボードから新たな情報を取得し、この現在位置に関連する新たな情報に対して、位置認識装置405が検出した現在位置情報と内蔵時計からの現在時刻情報とを検索タグとして添付してサーバ401に送信する。これにより、サーバ401では、当該現在位置に対応する掲示板に上記現在位置に関連する新たな情報を追加、或いは更新する。
一方、第3の実施の形態のシステムにおいて、クライアントPC404からサーバ401に登録されている掲示板を検索,閲覧する場合は、位置認識装置405が検出した現在位置情報と、例えばキーボード等からのキーワード及び内蔵時計からの現在時刻情報からなる付加的検索条件とが、クライアントPC404からサーバ401に送信される。これにより、サーバ401では、現在位置情報と付加的検索条件に基づいて、ハードディスク402から必要な掲示板を検索し、当該検索により得られた掲示板の情報をクライアントPC404に送信する。
図22には、現在位置が例えば店舗名が「AAレストラン」となっているレストランの前であり、クライアントPC404から付加的検索条件としてその店舗名である「AAレストラン」と現在時刻から「7日」以内に作成された掲示板であることを指示する情報を入力した場合に、その付加的検索条件によりサーバ401から得られた掲示板の一例(クライアントPC404のディスプレイ画面上の表示例)を示している。なお、図22のディスプレイ画面は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
この図22では、位置に関する付加的検索条件を入力するための検索キー入力フィールド411及び現在時刻(日時)から所望の時間範囲内を付加的検索条件として入力するための時間キー入力フィールド412が設けられており、検索キー入力フィールド411に「AAレストラン」をキーワードとして入力し、また時間キー入力フィールド412に「7日」をキーワードとして入力した場合に、それらキーワードに応じてサーバ401から送られてきた掲示板の一例として、「AAレストラン」の写真413と、当該AAレストランの評価に関するテキスト414,415(例えば「ハンバーグステーキが美味しい」、「スパゲティは不味い」等)とが表示されている。
なお、図22の例は、現在位置において「AAレストラン」のような固有のキーワードを入力して検索を行った場合に、当該現在位置において既に過去に「AAレストラン」についての掲示板が登録されていたときのディスプレイ画面例であるが、現在位置と過去に掲示板が登録された位置とが完全に一致することは非常に稀である。このため、本発明の第3の実施の形態のシステムにおいて検索を行う場合には、現在位置近傍の各位置において既に登録されている掲示板の中から付加的検索条件に見合った掲示板を検索する。この場合、図22の例では、現在位置から「AAレストラン」までの距離及び方角を同時にディスプレイ画面上に表示することが望ましい。また、キーワードとして、例えば一般名称である「レストラン」を入力して検索を行ったような場合には、現在位置近傍の各位置において既に登録されている「レストラン」についての複数の掲示板が検索されることになる。
図23には、上述のように、現在位置近傍の各位置の掲示板から付加的検索条件に見合った掲示板をサーバ401が検索した場合において、それら近傍位置の掲示板をクライアントPC404のディスプレイ画面上に表示した場合の画面表示例を示している。なお、図23のディスプレイ画面は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
この図23において、クライアントPC404のディスプレイ画面上には、中心Oを現在位置とし、当該中心O(現在位置)からの距離を示す距離目盛り425と、検索キー入力フィールド411及び時間キー入力フィールド412とが用意されている。この図23の例では、上記検索キー入力フィールド411に例えば一般名称である「レストラン」をキーワードとして入力し、また検索キー入力フィールド412に例えば「7日」をキーワードとして入力した場合に、中心O(現在位置)の近傍の位置で既に登録されている掲示板の中から、それら付加的検索条件に見合った掲示板421,422,423,424が検出され、それら掲示板421,422,423,424がクライアントPC404のディスプレイ画面上に表示された状態を示している。なお、この図23の例は、中心Oから半径200m以内を検索範囲としているが、その範囲は更に広くても、また逆に狭くてもよい。
上述のように、本発明の第3の実施の形態によれば、現在位置に対応した掲示板の検索時には、現在位置やその近傍位置に対応する掲示板が検索結果として得られるので、それら各位置において、過去に訪れた人がどんな意見をもっているか等を閲覧することができる。
なお、上述のような掲示板検索を行う際には、他の付随情報(例えば時間、作成者、明示的に添付されたキーワードなど)によってフィルタリングすることも可能である。すなわち例えば時間によってフィルタリングする例として、例えば富士登山中における写真やメッセージを掲示板としてサーバに登録しておくようにすれば、例えば夏に富士登山をしたときに「同じ場所から冬に見える景色」といった付加的検索条件で写真の掲示板を検索することが可能となり、これにより登山の体験をより豊かにすることができる。また例えば、街中においては、それぞれの店に対する掲示板に「このレストランの感想」といった情報を添付したり、またそれぞれの店の掲示板を閲覧することが可能となり、利用者が参加できるガイドブック情報を形成することが可能になる。
図24及び図25には、上記第3の実施の形態のシステムのクライアントPC側において、現在位置に関連する情報の掲示板の登録を行う場合、現在位置に対応して既に登録されている掲示板の検索、閲覧、書き込み等を行う場合の処理の流れを示す。なお、図24には主に掲示板の新規登録の流れを、図25には主に掲示板の検索、閲覧、書き込み等の処理の流れを示す。これら図24、図25の処理は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
先ず、図24において、クライアントPCでは、先ずステップS91として、上述した第3の実施の形態の現在位置に対応した掲示板の登録や検索等を実行するためのアプリケーションソフトウェアを立ち上げる。なお、当該第3の実施の形態では、利用者端末としてパーソナルコンピュータ(図21のクライアントPC401)を例に挙げているため、上記現在位置に対応した掲示板の登録や検索等を実行するためにアプリケーションソフトウェアを備えていることにしているが、利用者端末が上記現在位置に対応した掲示板登録や検索等を専用に行う専用機器である場合は、当該専用機器の電源を投入する。
上記ステップS91のように上記アプリケーションソフトウェアが立ち上がると、クライアントPCは、先ずステップS92として、利用者からの指示が掲示板の新たな登録か、或いは新たな掲示板の検索か否かの判断を行う。このステップS92において、検索であると判断された場合は、ステップS102に進み、図25の掲示板検索ルーチンへ移行する。一方、ステップS92において、掲示板の新規登録であると判断された場合は、ステップS93以降の処理に進む。
ステップS93の処理に進むと、クライアントPCでは、キーボードや情報入力装置から写真、音声、手書きメモ、テキストなどのデータを取得・作成する。なお、これらデータは、別のアプリケーションにて作成或いは取得等したものであってもよい。
また、クライアントPCでは、ステップS94において、位置認識装置から現在位置の情報を取得し、また、ステップS95において、内部時計から現在時刻(日時)情報を取得し、さらに、ステップS96において、ステップS93にて作成或いは取得したデータに対し、ステップS94及び95にて所得した現在位置情報と現在時刻情報を検索タグとして添付する。
次に、クライアントPCでは、ステップS97にてサーバに接続し、ステップS98にてそれら検索タグが添付されたデータをサーバに送信する。これにより、サーバには、現在位置における掲示板が新規に登録されることになる。
その後、クライアントPCでは、ステップS99において、利用者から例えば掲示板の検索の指示がなされたか否かの判断を行い、掲示板検索の指示がなされたときにはステップS102から図25の掲示板検索ルーチンへ移行する。また、ステップS99において、掲示板の検索指示がなされていない場合、クライアントPCの処理はステップS100に進む。
クライアントPCは、利用者により通信回線の切断指示が成された場合に、ステップS100においてサーバとの間の通信回線を切断する。このステップS100にて通信回線の切断が行われた後は、ステップS101にてアプリケーションの終了或いは電源がOFFされたか否か判断し、アプリケーションの終了或いは電源がOFFされたていないと判断したときにはステップS92の処理に戻り、終了或いはOFFされたと判断したときには、当該図24のフローチャートの処理が終了する。なお、この図24のフローチャートでは、サーバに対してデータと検索タグの送信を開始するときに、サーバとクライアントPCとの間の通信回線を接続し、利用者の通信回線の切断指示に応じて通信回線の切断を行う方式としたが、常時サーバと接続しているような方式であってもよい。
次に、図24のステップS92において掲示板の新規登録であると判断してステップS102に進んだ場合、クライアントPCでは、図25のステップS111において位置認識装置からの現在位置情報を取得し、さらにステップS112においてキーボード等からのキーワードと内部時計からの現在時刻(日時)情報を付加的検索条件として取得する。
次に、クライアントPCは、ステップS113にてサーバに接続し、ステップS114にて現在位置と付加的検索条件を送信し、その後、ステップS115にてサーバからの返信を受信する。
ここで、サーバからの返信は、クライアントPCが送信した現在位置及び付加的検索条件から検索された掲示板である場合と、検索不能であった場合のメッセージ等である場合が考えられる。
したがって、クライアントPCの処理は、ステップS116において、サーバからの返信が掲示板の情報であると判断した場合にはステップS117以降の処理に進み、サーバからの返信が検索不能であったことを示すメッセージ等であると判断した場合にはステップS122以降の処理に進む。
ステップS116においてサーバからの返信が検索不能であったと判断した場合、クライアントPCは、ステップS122において新たな付加的検索条件を取得できたか否かを判断し、取得できなかったと判断した場合はステップS121に、取得できたと判断した場合はステップS123にて当該新たな付加的検索条件をサーバに送信した後、ステップS115の処理に戻る。
一方、ステップS116においてサーバからの返信が掲示板の情報であると判断した場合、クライアントPCは、ステップS117において、サーバから送信されてきた掲示板(前述したように現在位置或いはその近傍の位置における掲示板)を、ディスプレイ画面上に表示する。
次に、クライアントPCは、ステップS118として当該掲示板への書き込みが有るか否かを判断し、書き込みが有った場合にはステップS119においてその書き込み情報をサーバに送信する。このステップS119の処理後は、ステップS120の処理に進む。
また、クライアントPCは、ステップS118において掲示板への書き込みが無いと判断した場合、ステップS120の処理に進む。
このステップS120の処理に進むと、クライアントPCは新たな現在位置及び付加的検索条件の入力が有るか否かを判断し、このステップS120において例えば新たな現在位置及び付加的検索条件が入力されると、当該クライアントPCの処理はステップS114に戻り、その現在位置及び付加的検索条件をサーバに送信する。一方、ステップS120において新たな現在位置及び付加的検索条件の入力が無い場合は、ステップS121の処理に移る。
クライアントPCは、ステップS120にて新たな現在位置及び付加的検索条件の入力が無く、さらに、利用者により通信回線の切断指示が成された場合に、ステップS121においてサーバとの間の通信回線を切断する。このステップS121にて通信回線の切断が行われた後は、図24のステップS101の処理の進み、このステップS121において、アプリケーションの終了又は電源OFFとなされた場合に処理を終了し、アプリケーション終了又は電源OFFとなされないときには図24のステップS92の処理に戻り、掲示板検索又は新規登録の指示待ち状態となる。なお、この図25のフローチャートでは、サーバに対して現在位置と付加的検索条件の送信を開始するときに、サーバとクライアントPCとの間の通信回線を接続し、利用者の通信回線の切断指示に応じて通信回線の切断を行う方式としたが、常時サーバと接続しているような方式であってもよい。
次に、図26及び図27には、第3の実施の形態のサーバ側において、クライアントPCから掲示板の検索要求或いは掲示板の新規登録データが送られてきた場合に、それら応じた掲示板検索或いは新規登録を行う際の流れを示す。なお、図26には主に掲示板の新規登録の流れを、図27には主に掲示板の検索等の処理の流れを示す。これら図26、図27の処理は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
先ず、図26において、サーバでは、ステップS131のように常時クライアントPCから掲示板検索要求或いは掲示板新規登録データの受信待ち状態となっており、このステップS131においてクライアントPCから掲示板検索要求が送信されてきたと判断した場合には、ステップS134に進み、図27の掲示板検索ルーチンへ移行する。一方、ステップS131において、クライアントPCから掲示板の新規登録データが送信されてきたと判断された場合は、ステップS132以降の処理に進む。
ステップS132の処理の進むと、サーバでは、クライアントPCから送信されてきた写真、音声、手書きメモ、テキストなどのデータと、それらデータに添付されている現在位置及び現在時刻(日時)の検索タグに応じた掲示板を作成する。
次いで、サーバは、ステップS133として、上記作成した掲示板をハードディスクに保存する。これにより新たな掲示板の登録が完了する。このステップS133の後はステップS131の受信待ち状態に戻る。
次に、図26のステップS131において掲示板の新規登録であると判断してステップS134に進んだ場合、サーバでは、図27のステップS141においてクライアントPCから送信されてきた現在位置及び付加的検索条件を受信する。
サーバは、クライアントPCからの現在位置及び付加的検索条件を受信すると、ステップS142において、ハードディスクに保存されている掲示板の中から現在位置及び付加的検索条件に適合する掲示板の検索を行う。このステップS142での検索において、現在位置及び付加的検索条件に適合した掲示板が検索された場合、サーバの処理はステップS143以降の処理に移り、また、検索できなかった場合、サーバの処理はステップS146以降の処理に移る。
ステップS142において検索できたと判断した場合、サーバは、ステップS143にてその掲示板をクライアントPCに送信する。
次に、サーバは、ステップS144としてクライアントPCにより当該掲示板への書き込みが成されたか否かを判断し、書き込みが成された場合にはステップS145においてその書き込み情報を掲示板に追加、或いは書き込み情報にて掲示板の更新を行った後、図26のステップS131の処理に戻る。
一方、ステップS142において検索不能であったと判断した場合、サーバは、クライアントPCに対して検索不能であった旨のメッセージ等を送信する。その後、サーバは、ステップS147において、クライアントPCから新たな付加的検索条件を受信したならば、再度ステップS142においてその付加的検索条件を用いて検索を行い、新たな付加的検索条件が送られてこない場合には図26のステップS131の処理に戻る。
なお、本発明の第3の実施の形態において、PHSを用いて位置認識を行う場合は、予め位置が既知である基地局からの電界強度を用い、3角測量の原理で緯度経度を算出する方法が考えられるが、別の方法として、最も電界強度の強い基地局のIDを便宜的な「位置」として用いる方法や、基地局IDと電界強度の組(複数個な場合がある)を便宜的な「位置」として用いる方法が考えられる。ここで「便宜的」と記したのは、基地局IDと緯度経度の間に直接的な関係がないからである。しかし、本発明の第3の実施の形態によれば、登録された掲示板に対応する各「位置」同士の近傍が判定できればよいので、必ずしも絶対的な位置情報を得る必要はない。
上記基地局IDと電界強度の組を便宜的な「位置」として用いる方法の場合は、後に観測した基地局IDと電界強度との間で類似度計算を行うことにより、便宜的な「距離」を計算することができる。なお、当該類似度計算における類似度判定アルゴリズムとしては、例えば図28に示すような算定方法が考えられる。この図28の算定方法は、基地局ID/電界強度の集合間での相関係数の計算に相当する。なお、図28中でIDiはi番目の基地局IDを、Fiはi番目の基地局の電界強度を表し、dは[IDi,Fi](i=1,2,...,n)とID'j,F'j](j=1,2,...,m)との間の便宜上の「距離」である。
この図28において、例えばクライアントPCは、先ずステップS151として、距離dの変数を0に初期化し、次にステップS152として、[IDi,Fi](i=1,2,...,n)とID'j,F'j](j=1,2,...,m)との間の便宜上の「距離」dの計算を開始する。
当該計算開始後、クライアントPCは、ステップS153において、i=1,2,...,n、j=1,2,...,mとなるi,jについての計算ループが終了したか否かを判断する。このステップS153において、処理が終了していないと判断した場合には、ステップS154としてIDi=ID’jか否か判断する。当該ステップS154にてIDi=ID’jでないと判断した場合は、ステップS153の処理に戻り、一方、IDi=ID’jであると判断した場合は、ステップS155にてd=d+Fi*F’jとした後、ステップS153の処理に戻る。
その後、クライアントPCは、ステップS153において、計算ループが終了したと判断した場合には、ステップS156としてd=d/(m*n)とし、距離dを得る。
なお、上述した第3の実施の形態においては、位置を検出するのにGPSやPHSを用いたが、例えば交通情報提供システムのために近年配備が進められている交通情報用ビーコンや、第1の実施の形態のような赤外線ビーコンを利用することも可能である。
また、第3の実施の形態において、上記処理を実行するコンピュータプログラムをユーザに提供する提供媒体には、磁気ディスク、いわゆるCD−ROMなどの情報記録媒体の他、インターネット、ディジタル衛星などのネットワークによる伝送媒体も含まれる。
さらに、第3の実施の形態において、システムの用語は、複数の装置、手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
図29には、上述した第2及び第3の実施の形態に適用可能なクライアントPC(304、404)の主要部の具体的な一構成例を示す。
この図29において、上記バーコードリーダ等のID読み取り装置305から取り込まれたIDは、PCMCIAインタフェース501を介してID解析部に供給される。ID解析部502は、供給されたIDを解析し、当該解析したIDデータを制御部503に供給する。
上記GPSやPHS等の位置認識装置405が検出した位置信号は、PCMCIAインタフェース504を介して位置情報算出部505に供給される。位置情報算出部505は、供給された信号から現在の緯度経度(GPSの場合)或いは基地局IDの基づく便宜的位置情報(PHSの場合)を算出し、その算出した現在位置データを制御部503に供給する。
上記情報入力装置406からは写真や音声、手書きメモ等のデータが入力され、この入力されたデータは入力情報処理部506に供給される。この入力情報処理部506では、入力されたデータの種類(写真、音声、手書きメモ等)に応じた処理を行い、その処理後の入力データを制御部503に供給する。
キーボード等508からはテキスト或いは検索条件としてのキーワード等のデータが入力され、内部時計510では現在時刻(日時)のデータを発生し、これらキーボード等508からのデータ及び内部時計510からのデータは制御部503に送られる。
制御部503は、供給されたIDデータを用いて上記第2の実施の形態で説明したようなサーバへアクセスするためのURLや、入力データ、キーワード、現在時刻データ等を用いて上記第3の実施の形態で説明したような位置の掲示板検索や登録等のための情報を生成する。また、制御部503は、ディスプレイ装置としてのLCD(液晶ディスプレイ)507へ表示するための表示信号を生成し、さらに、上記モデムや無線ネットワークへの接続を行う装置としての通信部509を介して、サーバ等との間でデータの送受を行う。
上述したように、本発明の第2,第3の実施の形態によれば、実世界の物品や位置に対応した掲示板による情報交換が簡易に行えるようになるので、ある物品や位置に関する最新の情報を得たり、新しい情報を容易に他人に通知することができる。また、本発明の第2,第3の実施の形態によれば、製品サポート情報や、特定の場所に関する宣伝情報などを通知するための情報システムとしても活用できる。さらに、ある掲示板が対応している物品や位置に関連するリンク(例えば関連する製品の広告や、店の広告等)を掲示板に添付させることも可能であり、ある物品や場所に興味を持つ利用者コミュニティに確実に情報を配信する広告媒体としての利用価値もある。