JP5266848B2 - 平面アンテナ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ICタグ用アンテナ、非接触ICカード用アンテナとして好適に用いることの出来る平面アンテナ及びその製造方法に関する。
アンテナ回路とIC回路から構成されるICタグは、電波を利用し、離れた場所から複数のタグを一括して読み取りが出来るなど、バーコードには無い特徴を有し、流通、物流分野への応用に多くの関心が寄せられ、開発、実用化が進んでいる。また、鉄道定期券、電子マネー、電子チケットなどに見られるように、磁気カードの代替として、記憶容量が多くかつ非接触のICカードの普及が著しく進んでいる。
このようなICタグ用アンテナ、非接触ICカード用アンテナの回路パターンを形成した平面アンテナについては、A)樹脂フィルム上に接着剤を介して金属箔を張り合わせ、エッチングにより回路パターンを形成したもの(例えば、特許文献1)、B)樹脂フィルム上に導電性塗料で所定の回路パターンに印刷したもの(例えば、特許文献2)、C)樹脂フィルム上に導電性塗料を所定の回路パターンに印刷した後、金属メッキしたもの(例えば、特許文献3)、D)樹脂フィルム上に金属箔を積層し、回路パターンを抜き歯にて抜き出し形成したもの(例えば、特許文献4)、E)支持フィルムに可溶性もしくは可洗インクからなる構造を印刷し、その後金属蒸着層を蒸着し、該インクを除去することで該インクが印刷されなかった領域を残すことにより回路パターンを形成したもの(例えば、特許文献5)、F)樹脂フィルム上に金属蒸着層を形成し、レジスト性のある熱融着性の導電性層と非導電層を所定の回路パターンに印刷した後、エッチングにより回路パターンを形成したもの(例えば、特許文献6)等がある。
しかしながら、上記A)の場合は、エッチングにて回路パターン形成した後、レジスト層の全部もしくは一部を除去し端子部の形成を行わなければならず、低コスト化が難しい。上記B)のように導電性塗料にて回路パターンを印刷したものは低抵抗化が難しく、低抵抗化するために塗布厚みを増大させると、屈曲時にクラックが生じ、アンテナの特性が不安定になり易い。上記C)の場合は、微細なパターンでは導電性塗料と金属メッキ層の密着性が弱く、またメッキ工程でのコスト高が避けられない。上記D)の場合は、微細な回路パターンへの適用が難しい。上記E)の場合は、回路パターンを形成した後、ICチップやICストラップを実装する際、金属表面の酸化による接触抵抗の増加や剥がれが発生する問題がある。また、端子部上にICチップやICストラップを実装するための接着層を後から形成する必要があるため、工程数が多くなる。そして上記A)、F)のようにエッチングにより回路パターンを形成するものは、オーバーエッチングにより配線が細り、微細な回路パターンではそれが問題につながることもある。また、エッチング液としてはアルカリ性もしくは酸性の溶液を使用するため、廃液処理のコストが高くなることもある。
特開2003-37348号公報(特許請求の範囲) 特開2004-180217号公報(特許請求の範囲) 特開2004-529499号公報(特許請求の範囲) 特開2003-37427号公報(特許請求の範囲) 特表2004-510610号公報(特許請求の範囲) 国際公開第2006-103981号パンフレット(請求の範囲)
本発明は、上記のような従来技術の背景に鑑み、安価で低抵抗な回路を有し、ICチップ等の電子部品との電気的接続の信頼性に優れた平面アンテ並びにその製造方法を提供する。
(1)樹脂フィルム上に、厚みが1〜20μmである熱融着性を有する層からなる端子部と、表面抵抗値が100mΩ/sq以下で、厚みが0.2〜10μmの金属蒸着層からなる回路パターンとで構成されるアンテナ回路を有し、該端子部が樹脂フィルム上に直接形成され、かつ該端子部の表面の一部に該金属蒸着の一部が積層してなる樹脂フィルム上に直接形成された熱融着性端子部を有する平面アンテナ。
(2)前記熱融着性を有する層がさらに導電性を有する、上記(1)に記載の平面アンテナ。
(3)前記熱融着性を有する層が水に不溶である、上記(1)又は(2)に記載の平面アンテナ。
(4)樹脂フィルム上に、厚みが1〜20μmである熱融着性を有する層からなる端子部と表面抵抗値が100mΩ/sq以下で、厚みが0.2〜10μmの金属蒸着層からなる回路パターンとで構成されるアンテナ回路を設ける平面アンテナの製造方法であって、樹脂フィルム上に熱融着性を有する層からなる端子部を印刷する工程Aと、樹脂フィルム、熱融着性を有する層および金属蒸着層を溶解しない溶剤に可溶な可溶性材料を厚み1〜50μmにて、かつ前記端子部の一部に重なる回路パターンをネガティブ印刷する工程Bと、前記樹脂フィルム上に金属蒸着層を設ける工程Cと、前記可溶性材料を前記溶剤にて洗浄することにより前記金属蒸着層の回路パターンを構成しない部分を除去する工程Dとをこの順序で含む樹脂フィルム上に直接形成された熱融着性端子部を有する平面アンテナの製造方法。
(5)前記熱融着性を有する層がさらに導電性を有する、上記(4)に記載の平面アンテナの製造方法。
本発明の平面アンテナは、熱融着性を有する層(以下、熱融着層)からなる端子部の表面の一部に金属蒸着層の一部が重なって回路パターンを構成するため、ICチップやICストラップ等との接続において金属表面の酸化による端子部の剥がれなどが発生しにくく、安定した通信特性を維持することが出来る。
さらに本発明の好ましい態様の平面アンテナは、熱融着層がさらに導電性も有しているので、端子部が熱融着性と導電性を有する。そのため、金属表面の酸化による接触抵抗の増加が発生してもアンテナ特性になんら影響を与えることなく、安定した通信特性を維持することが出来る。さらに、従来のワイヤーボンディングや異方性導電シート(ACF)などを用いなくても、加熱圧着や超音波接合により該端子部とICチップやICストラップ等との電気的な接続が容易に可能となる。
本発明の平面アンテナの製造方法によれば、回路パターン形成時、樹脂フィルム、熱融着層および金属蒸着層を溶解しない溶剤に可溶な可溶性材料を用いて回路パターンをネガティブ印刷し、その上から金属蒸着層を形成し、その後、該可溶性材料を、樹脂フィルム、熱融着層および金属蒸着層を溶解しない溶剤にて除去することで回路パターンを形成するため、微細な配線パターンにおいてもオーバーエッチングなどによって配線の細りが起こることがない。さらに、樹脂フィルム、熱融着層および金属蒸着層を溶解しない溶剤で前記可溶性材料を溶解するため、樹脂フィルム、または熱融着層及び金属蒸着層による回路部パターンはなんらダメージを受けることなく、上記構成の平面アンテナを安定して製造することが可能となる。また、塩化第2鉄や水酸化ナトリウム液等でのエッチングが不要になるため、該エッチング液に対し耐性の低い金属であってもパターン形成が可能となり、さらに廃液処理による環境汚染が少なくなる。そして、熱融着層からなる端子部を印刷する工程と可溶性材料にて回路パターンをネガティブ印刷する工程とを同じ印刷工程で行えるため、硬化処理のための工程数や装置を実質的に低減することも可能である。
本発明の平面アンテナは、例えば図1、図2に示すように、熱融着層3からなる端子部と、金属蒸着層2からなる回路パターン5とで構成されるアンテナ回路が樹脂フィルム1の上に形成されてなり、該端子部の表面の一部に該金属蒸着層2の一部が積層してなる。端子部の表面の一部に金属蒸着層2の一部が積層することで、ICチップやICストラップ等との電気接続において金属表面の酸化による端子部の剥がれなどが発生しにくく、安定した通信特性を維持することが出来る。
本発明の金属蒸着層の表面抵抗は100mΩ/sq以下が好ましく、さらに好ましくは60mΩ/sq以下が好ましい。金属蒸着層の表面抵抗が100mΩ/sq以上であると抵抗の熱によるロスが生じ、平面アンテナの通信特性が劣化する。前記金属蒸着層は金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、錫などの少なくとも1種の金属を、公知の真空蒸着機を用いて高真空下で少なくとも1回蒸着することにより得られる。また、異なる金属を別々に蒸着することで合金を蒸着することも可能である。表面抵抗とコストの点から金属蒸着層は、実質的にアルミニウムからなる蒸着層とすることが望ましい。
本発明の金属蒸着層の厚みは0.2〜10μmの範囲であることが好ましい。該金属蒸着層の厚みが0.2μm以上であると抵抗値が小さくなり平面アンテナとして実用的に好ましい。また、該金属蒸着層の厚みが10μm以下であると厚くなり過ぎず、回路パターン形成時に不要部分の除去が容易になる。
本発明において樹脂フィルムとは、ポリエステル、発泡性ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の溶融押し出し成型が可能な素材を加工して得られるフィルムで、未延伸フィルム、1軸延伸フィルム、2軸延伸フィルムの何れであっても良い。
この中でも、価格と機械的特性の点からポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムが好ましく、特に、2軸延伸ポリエステルフィルムが価格、耐熱性、機械的特性のバランスに優れており好ましい。
ポリエステルフィルムの素材となるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレン-α,β-ビス(2−クロロフェノキシ)エタン-4,4’-ジカルボキシレート等が挙げられる。また、これらポリエステルには、本発明の効果を妨げない範囲でさらに他のジカルボン酸成分やジオール成分が20モル%以下の範囲で共重合されていてもよい。
本発明で用いられる樹脂フィルムは、各種表面処理(例えば、コロナ放電処理、低温プラズマ処理、グロー放電処理、火炎処理、エッチング処理あるいは粗面化処理など)を施したものでもよい。
本発明で用いられる樹脂フィルムの厚さは、屈曲性と機械的強度の点から、好ましくは1〜250μm、より好ましくは10〜125μm、更に好ましくは、20〜75μmである。また、本発明では、2枚以上のフィルムを貼り合わせたものを樹脂フィルムとして使用することもできる。厚みの測定は、JIS-K-7130:1999に準拠して、測定することができる。
本発明における熱融着層は、熱融着性を有する樹脂組成物からなる層とすることが好ましく、ICチップやICストラップ等の電子部品との接合が60〜70℃と低い温度で行うことが可能となる。
熱融着層を構成する樹脂としては、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などを主成分とする熱硬化性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、シリコーンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂などを主成分とする、UV硬化性樹脂などの光硬化性樹脂を使用することができる。前記熱硬化性樹脂や、UV硬化性樹脂などの光硬化性樹脂は、2種以上を混合して使用してもよく、また、必要な場合に、難燃剤、光増感剤、光開始剤、硬化剤、硬化促進剤、粘結剤、印刷性を改善するフィラーなどの粘度調節剤などを混合してもよい。
さらに好ましくは熱融着層が熱融着性を有する樹脂に導電性粒子を含有させた樹脂組成物からなる層とすることが好ましい。熱融着層がさらに導電性も有していることで、金属表面の酸化による接触抵抗の増加が発生してもアンテナ特性になんら影響を与えることなく、安定した通信特性を維持することが出来る。また、熱融着層が導電性を有していると、ICチップを平面アンテナに実装するに際し、ICチップのIC電極を熱融着層の上に接合するだけでICチップと平面アンテナとの電気的導通を確保することができる(図5)。これに対し、熱融着層が導電性を有していないと、IC電極を金属蒸着層の上にもかかるように接合しなければ、ICチップと平面アンテナとの電気的導通を確保することができない(図4)。導電性粒子としては、金、銀、銅、アルミニウム、白金、鉄、ニッケル、錫、亜鉛、ハンダ、ステンレス、ITO、フェライトなどの金属、合金類、金属酸化物などの金属系粒子や、導電性カーボン(グラファイトを含む)粒子、あるいは前記粒子をメッキした樹脂粒子などの公知のものが使用できる。
導電性を有する熱融着層の表面抵抗としては、0.5〜200mΩ/sqの範囲であることが好ましい。該熱融着層の表面抵抗が200mΩ/sq以下であると、ICチップやICストラップ等の電子部品との電気的な接合が容易となり、ICタグもしくはICカードとして良好な通信特性が得られやすい。また、該熱融着層の表面抵抗が0.5mΩ/sq以上であると、導電性粒子として白金や金などの低抵抗であるが高価である貴金属を使用せずに、安価に良好な通信特性を持つ平面アンテナを形成できる。
熱融着層の厚みは、1〜20μmの範囲であることが好ましい。該熱融着層の厚みが1μm以上であると、ICチップやICストラップ等の電子部品との接着性が高くなるので好ましい。さらに、熱融着層が導電性を有する場合、熱融着層の電気抵抗が小さくなり好ましい。該熱融着層の厚みが20μm以下であると、金属蒸着層と厚みの差が小さくなり、該熱融着層の一部に金属蒸着層の一部を重ねて回路パターンを形成しても、層厚みの差による断線が起こらない。
以上のような本発明の平面アンテナは、樹脂フィルム上に熱融着層からなる端子部を印刷する工程Aと、樹脂フィルム、熱融着層および金属蒸着層を溶解しない溶剤に可溶な可溶性材料にて、該端子部の一部に重なるような回路パターンをネガティブ印刷する工程Bと、前記樹脂フィルム上に金属蒸着層を設ける工程Cと、前記可溶性材料を前記溶剤にて洗浄することにより前記金属蒸着層の回路パターンを構成しない部分を除去する工程Dとをこの順序で実施することで得られる。工程Bは、工程Aと同じ印刷工程で行えるため、本発明は従来技術に対して実質的に工程数を低減することができる。
具体的には、まず、図3に示すように、樹脂フィルム1の上に熱融着性を有する樹脂組成物を用いてスクリーン印刷法あるいはグラビア印刷法にて回路パターンの端子部(熱融着層3)を印刷形成する(工程A)。次に、樹脂フィルム1、熱融着層3、および追って設ける金属蒸着層2を溶解しない溶剤に可溶な可溶性材料を用いて、スクリーン印刷法あるいはグラビア印刷法にて回路パターン5をネガティブ印刷し、可溶層4を形成する(工程B)。このとき、可溶層4は、形成される回路パターンが端子部の一部に重なるように印刷を行う。その後、UVなどの活性線あるいは乾燥及び加熱にて熱融着層及び可溶層を硬化させる。
続いて、かかる処理が行われた樹脂フィルムに対して、アルミニウムなど少なくとも1種の金属を、公知の真空蒸着機を用いて高真空下で少なくとも1回蒸着し、可溶層4の表層や樹脂フィルム1、熱融着層3の表層の一部に金属蒸着層を形成する(工程C)。なお、必要により、金属蒸着層を形成する前の樹脂フィルムに対して前処理を行うことも好ましい。プレスパッタ、ボンバード、コロナ処理などの前処理により、金属蒸着層と樹脂フィルム、熱融着層との密着性を向上させることができる。また、必要により金属蒸着層表面に腐食防止等の目的で保護層を設けることも好ましい。これにより、大気暴露による金属蒸着層の表面の腐食を防ぎ、表面抵抗の増加を抑制することが出来る。
その後、可溶層4を溶解可能で、かつ樹脂フィルム、熱融着層、金属蒸着層が溶解しない溶剤にて、洗浄処理を行い、可溶層4及び可溶層上の金属蒸着層(すなわち、回路パターンを構成しない部分)を除去する(工程D)。
可溶層4は、樹脂フィルム1、熱融着層3、および金属蒸着層2によって決まる溶剤に合わせて選択され、該溶剤に可溶なインクにより構成される。樹脂フィルム1、熱融着層3、および金属蒸着層2を溶解しない溶剤としては、水、アルコールなど、樹脂フィルム、熱融着層、金属蒸着層にダメージを与えない範囲において、想定されるすべての溶剤が選択可能であるが、好ましくは、水である。水を溶剤に用いることで、洗浄、除去処理後の廃液の処理が容易になり、コストを低く抑えることができる。そして、該溶剤に合わせて選択される可溶性材料は、溶剤に水を選択する場合水溶性のインクが選択され、溶剤にアルコールを選択した場合アルコールに可溶なインクが選択される。好ましくは、溶剤を水とし、可溶性材料として水溶性のインクを用いることが好ましい。水溶性のインクであれば、樹脂フィルム、熱融着層、金属蒸着層に負荷を加えることなく、インクの溶解が可能であり、かつ廃液の処理も容易となる。また、洗浄処理は、溶剤中に超音波を発振し洗浄を行う超音波洗浄が好ましい。超音波洗浄を行うことにより、可溶性材料の溶剤への溶解が速やかに行われ、洗浄、除去時間を短縮することが出来る。
可溶性材料は、可溶性層4の厚みが1〜50μmの範囲になるように印刷することが好ましい。該可溶層4の厚みが1μm以上であると、可溶層を溶解、除去する際、金属蒸着層の厚みに寄らず、良好な回路パターンを維持し形成が可能となる。また、該可溶層の厚みが50μm以下であると、可溶層の溶剤による溶解を迅速に行うことが可能になる。
そして、本発明においては、上記したとおり、熱融着層からなる端子部を形成したうえで該端子部の一部に重なる回路パターンをネガティブ印刷するが、このとき熱融着層の厚みを1〜20μmとし、可溶性層の厚みを1〜50μmとし、さらに、金属蒸着層の厚みを0.2〜10μmとすることで、工程数低減を可能としつつも、層厚みの差による端子部と回路パターン間の断線が生じ難くいアンテナ回路を形成できる。
以下、例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の平面アンテナは、例えば75μmの厚みを有するPETフィルムの片面に、熱融着性の導電性樹脂組成物を10μmの厚みでスクリーン印刷して熱融着層3からなる端子部を形成する。その後、かかるPETフィルムに水溶性のインクにて所望の回路パターンを厚さ10μmでネガティブにスクリーン印刷して可溶層4を形成し、加熱乾燥を行う。このとき、回路パターンの一部を前記端子部の一部に重ね、可溶層4の除去時に、熱融着層3の表層が表面に現れるようにする。続いて、前記真空蒸着装置を用いて、回路パターンをネガティブ印刷した樹脂フィルムの上全面にアルミニウムを蒸着させ、厚さ3μmの金属蒸着層2を形成する。そして、水にて可溶層4を溶解させることにより金属蒸着層の不要部分を除去する。最後に、加熱乾燥で水分を除去し、図1、図2に示すような平面アンテナを得る。
このとき、回路パターンは裏面側にも設けてもよい。すなわち、上記方法でPETフィルムの片面に回路パターンを印刷して加熱乾燥を行った後、さらに、前記PETフィルムの端子部とは逆の面に、水溶性のインクにて所望の回路パターンを厚さ10μmでネガティブにスクリーン印刷し、加熱乾燥を行う。その後、真空蒸着装置を用いて、前記回路パターンを形成したPETフィルムの両面全面に、アルミニウム厚さ3μmの金属蒸着層を形成する。そして、水にてPETフィルム両面の可溶層を溶解させることにより金属蒸着層の不要部分を除去する。最後に、加熱乾燥で水分を除去し、両面に回路を有する平面アンテナを得る。
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。各実施例、比較例で作成したサンプルの評価方法を以下に示す。
[評価方法]
1.各層の厚み
サンプルをミクロトームにて厚み方向に切断し、この断面を1万倍のSEMを用いて観察し、厚みを測定した。測定は、各項目に対し1サンプルで行い、1サンプルあたり1視野5点の測定を行い、平均値を本発明における厚みとした。
2.屈曲耐久性
Alien社製GEN2準拠IC“Higgs”を搭載したストラップ(インターポーザー)の電極部分を平面アンテナの接続端子部に対向するように圧力80kgf/mm2(80MPa)、温度120℃で圧着してICタグを作成した。
得られたICタグを屈曲角度90°で、観点速度100ppmで2000回繰り返し屈曲させて、接続端子部の剥がれの有無等を確認した。なお、測定は、10サンプルで実施し、接続端子部分の剥がれが0サンプルを屈曲耐久性が良好とした。
3.通信特性
Alien社製GEN2準拠IC“Higgs”を搭載したストラップ(インターポーザー)の電極部分を平面アンテナの接続端子部に対向するように圧力80kgf/mm2(80MPa)、温度120℃で圧着してICタグを作成した。
測定器としては、オムロン株式会社製リーダライタ(形式:V750-BA50CO4-JP)とオムロン社製アンテナ(型式:V750-HS01CA-JP)を用いた。アンテナを床より90cmの位置に固定、ICタグを同高さでアンテナに正対する様に3mの間隔を開けて配置し、通信特性を確認した。測定は10サンプルで実施し、通信しないものが0サンプルを通信特性良好とした。
(実施例1)
樹脂フィルムとして厚さ75μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(東レ株式会社製ルミラーS10)を用い、その片面に、熱融着性を有する導電性インク(東洋インキ製造株式会社製RA FS 005)を用い刷版T-250メッシュで熱融着層を印刷した。120℃で20分間加熱乾燥した後、前記熱融着層の一部に重なる回路パターンを、水溶性インク(十条ケミカル株式会社製JELCON-MS03)、刷版T-250メッシュでネガティブ印刷、80℃で5分乾燥し、接続端子部となる熱融着層及び可溶層を形成した。得られた熱融着層は10μm、可溶層は3μmであった。
このようにして得られた可溶層の上に、99.99%のアルミニウムを含有する厚さ1μmの金属層を電子ビーム(EB)蒸着にて形成した。その後、この金属蒸着フィルムを95℃の温水に30分浸水することにより、可溶層及び金属層の不要部を除去し、平面アンテナを得た。
得られた平面アンテナの端子部にストラップを圧着しICタグを得た。ICタグの屈曲耐久性を評価したところ、剥がれの発生はなく外観は良好であった。また、通信特性も良好であった。
(実施例2)
アルミニウムの金属層の代わりに99.99%の銅を含有する厚さ1μmの金属層を形成した以外は、実施例1と同様の方法で平面アンテナを作成した。
得られた平面アンテナの端子部にストラップを圧着しICタグを得た。ICタグの屈曲耐久性を評価したところ、剥がれの発生はなく外観は良好であった。また、通信特性も良好であった。
(比較例1)
熱融着層を形成せず、同様の形状の端子部を蒸着した金属層で形成した以外は、実施例1と同様の方法にて平面アンテナを作成した。
実施例1と同様のストラップをストラップ側の熱融着部材により圧着、ICタグとし、前述の屈曲耐久性を用いて屈曲を繰り返したが、10サンプル中3サンプルにて剥がれが発生した。また、通信特性を確認した結果、実施例1に比較して、10サンプル中4サンプルが通信せず、通信特性が著しく低下していた。
本発明の平面アンテナ並びにその製造方法を使用すれば、微細なパターンを持つICタグ、非接触ICカードを安価に提供できる。また、ICチップやICストラップ等の電子部品との電気的な接続が容易になるためICタグや非接触ICカードの生産性を向上させることが出来る。
本発明の一実施形態を示す平面アンテナの概略平面図である。 図1に示す平面アンテナのI-I断面模式図である。 製造工程(金属蒸着後、可溶層除去前)における平面アンテナのI-I断面模式図である。 本発明の平面アンテナにおけるICストラップ実装時の断面模式図である。 本発明の平面アンテナにおいて、熱融着性を有する層が導電性も有する場合のICストラップ実装時の断面模式図である。
符号の説明
1 樹脂フィルム
2 金属蒸着層
3 熱融着性を有する層(端子部)
4 可溶層
5 回路パターン
6 ICチップ
7 ICチップ電極

Claims (5)

  1. 樹脂フィルム上に、厚みが1〜20μmである熱融着性を有する層からなる端子部と、表面抵抗値が100mΩ/sq以下で、厚みが0.2〜10μmの金属蒸着層からなる回路パターンとで構成されるアンテナ回路を有し、該端子部が樹脂フィルム上に直接形成され、かつ該端子部の表面の一部に該金属蒸着の一部が積層してなる樹脂フィルム上に直接形成された熱融着性端子部を有する平面アンテナ。
  2. 前記熱融着性を有する層がさらに導電性を有する、請求項1に記載の平面アンテナ。
  3. 前記熱融着性を有する層が水に不溶である、請求項1又は2に記載の平面アンテナ。
  4. 樹脂フィルム上に、厚みが1〜20μmである熱融着性を有する層からなる端子部と表面抵抗値が100mΩ/sq以下で、厚みが0.2〜10μmの金属蒸着層からなる回路パターンとで構成されるアンテナ回路を設ける平面アンテナの製造方法であって、樹脂フィルム上に熱融着性を有する層からなる端子部を印刷する工程Aと、樹脂フィルム、熱融着性を有する層および金属蒸着層を溶解しない溶剤に可溶な可溶性材料を厚み1〜50μmにて、かつ前記端子部の一部に重なる回路パターンをネガティブ印刷する工程Bと、前記樹脂フィルム上に金属蒸着層を設ける工程Cと、前記可溶性材料を前記溶剤にて洗浄することにより前記金属蒸着層の回路パターンを構成しない部分を除去する工程Dとをこの順序で含む樹脂フィルム上に直接形成された熱融着性端子部を有する平面アンテナの製造方法。
  5. 前記熱融着性を有する層がさらに導電性を有する、請求項4に記載の平面アンテナの製造方法。
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