JP5266031B2 - 工具マガジンに用いる工具出し入れ装置 - Google Patents

工具マガジンに用いる工具出し入れ装置 Download PDF

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Description

本発明は、工具マガジン(工具ラックとも呼ばれる)に用いる工具出し入れ装置に関する。
工具マガジンは、自動工具交換装置(ATC)により工作機械と工具を交換し、工具出し入れ装置により工具を追加又は工具を取り出す。自動工具交換装置は、工作機械との工具の交換がすべて自動化されている。これに対し、工具出し入れ装置は、工具マガジンから工具を取り出す作業は自動化されている場合もあるが、工具マガジンの外に移動させた工具の取り出しは作業員の手作業による。このため、工具出し入れ装置において工具を把持する交換アームは、工具マガジンから工具を取り出す際は水平姿勢となり、水平方向からグリッパを工具に抜き差しし、工具マガジンの外に移動させた工具を取り出す際は垂直姿勢となり、垂直方向にグリッパから工具を抜き差しできるようにしている。
特許文献1は、工具マガジンのフレームに形成されるハウジングと、ハウジングの回転軸に軸着される交換アームと、交換アームの先端に設けられるグリッパとから構成される工具出し入れ装置(工具着脱装置)を開示している。特許文献1が開示する工具出し入れ装置は、交換アームを水平姿勢(水平位置)にして、工具を把持して搬送するロボット装置との間で工具を交換し、交換アームを垂直姿勢(垂直位置)にして、手動により工具を着脱する(特許文献1[0005])。工具出し入れ装置は、交換アームに工具を受け渡したロボット装置がそのままの姿勢で上昇することにより、ロボット装置に設けられたフックが交換アームを押し上げて、水平姿勢から垂直姿勢に起立させる(特許文献1[0021]〜[0023])。
特開平11-058165号公報
工具出し入れ装置が扱う工具は、重いものでは50kg近くにも達する。特許文献1が開示する工具出し入れ装置は、工具マガジンから工具を取り出した水平姿勢から工具マガジンの外に移動させた工具を取り出す垂直姿勢まで交換アームを垂直旋回させることから、工具によっては、大きなモーメントに対抗して交換アームを起立させる必要がある。このため、特許文献1が開示する工具出し入れ装置は、交換アームの起立操作は作業員による手作業ではなく、ロボット装置に設けられたフックにより交換アームを押し上げている。これにより、作業員に対する負担はなくなるが、工具の出し入れの度にロボット装置に負荷をかけることになる。
また、重い工具を垂直面内の円弧軌道に沿って昇降させることは、交換アームそのものに負荷をかけるほか、交換アームから落下させる可能性が残るため、好ましくない。ここで、工具出し入れ装置の交換アームに求められる動きは、工具マガジンの内外に工具を移動させる水平移動と、水平姿勢で工具マガジン内の工具を水平方向に着脱させ、垂直姿勢で工具マガジン外の工具を垂直方向に解放させる姿勢変化のみであり、特許文献1が開示する工具出し入れ装置のように、工具を垂直移動させる必要はない。そこで、工具を垂直移動させることなく、工具を水平移動させ、かつ工具マガジン内で工具を水平方向から着脱し、工具マガジン外で工具を垂直方向に着脱させることのできる工具出し入れ装置について検討した。
検討の結果、工具マガジンから工具を取り出す際は水平姿勢となり、水平方向からグリッパを工具に抜き差しし、工具マガジンの外に移動させた工具を取り出す際は垂直姿勢となり、垂直方向にグリッパから工具を抜き差しできる交換アームを備えた工具出し入れ装置において、工具マガジンに取り付けられるベースと、前記ベースに対して旋回軸を介して軸支され、工具マガジンの内外方向に垂直旋回自在な旋回アームと、前記旋回アームに対して傾倒軸を介して軸着され、工具マガジンの内外方向に垂直傾倒自在な交換アームとから構成され、交換アームは、水平姿勢で工具マガジンに向き、垂直姿勢で上方に向くグリッパを設け、ベースに向けてカムフォロアを突出させ、ベースは、前記カムフォロアを案内するカム溝を設け、カム溝は、旋回アームの垂直旋回に応じて交換アームが持ち上げられることによるグリッパの中心の垂直移動分を、カムフォロアの変位に応じて交換アームが垂直傾倒することによるグリッパの中心の垂直補正分により相殺するように前記カムフォロアを案内する正面視C字状の軌道である工具出し入れ装置を開発した。
本発明は、カムフォロアを案内し、交換アームを垂直傾倒させる正面視C字状の軌道であるカム溝に特徴がある。ここで、「正面視C字状」とは、完全な円環状ではないが、全体として連続して湾曲した全体形状を有し、かつカム溝の起点及び終点が離れている軌道を意味する。具体的なカム溝は、まず旋回アームを垂直傾倒させる補正角度γにより特定される。すなわち、カム溝は、旋回アームの旋回軸から交換アームの傾倒軸までの長さをLt、交換アームの傾倒軸からグリッパの中心までの長さをLcとし、旋回アームの旋回軸を原点とするXY座標系で、交換アームが初期旋回角度β0から旋回角度βまで垂直旋回したときに交換アームを垂直傾倒させる補正角度γが、
[数1]
γ=β−β0−sin-1(Lt/Lc・(sinβ0−sinβ))
で与えられるようにカムフォロアを案内する正面視C字状の軌道である。
ここで、旋回アームの旋回軸から交換アームの傾倒軸までの長さLtや、交換アームの傾倒軸からグリッパの中心までの長さLcは自由であり、また交換アームの旋回角度βの範囲も自由に設定できるが、旋回アームの旋回軸から交換アームの傾倒軸までの長さLtと、交換アームの傾倒軸からグリッパの中心までの長さLcとが等しく、旋回角度βが90度(起立姿勢)〜180度(水平姿勢)であると、グリッパの中心の水平移動距離がLt及びLcの和で計算されるほか、交換アームの水平姿勢から垂直姿勢への姿勢変化における旋回アームの姿勢変化が、垂直姿勢から水平姿勢となり、工具の出し入れにおける旋回アームの姿勢保持が容易になる利点がある。
カム溝は、旋回アームの旋回軸近傍に設定されるが、旋回軸を原点とするXY座標系で、X軸正方向は工具マガジンがあり、またY軸正方向は交換アームが姿勢変化する範囲であるから、カムフォロアがあると邪魔になる。そこで、カム溝は、交換アームの傾倒軸からカムフォロアの中心までの長さをLmとし、旋回アームの旋回軸と交換アームの傾倒軸とを結ぶ軸線に対し、交換アームの傾倒軸とカムフォロアの中心とを結ぶ軸線が形成する初期補正角度γ0
[数2]
γ0=cos-1(Lt/Lm)
で与えられ、交換アームの旋回角度βに対応するカムフォロアの中心座標(xγ、yγ)が
[数3]
γ=Lt・cosβ−Lm・cos(β−γ0−γ)
γ=Lt・sinβ−Lm・sin(β−γ0−γ)
で与えられるようにカムフォロアを案内する正面視C字状の軌道にする。このカム溝は、X軸負方向かつY軸負方向の範囲に設定され、カムフォロアがあっても工具マガジンや交換アームの邪魔にならない。
初期補正角度γ0が0度であったり、前記γ0が5度以下で、LtとLcとが同一又は近い大きさであったりすると、カム溝の起点及び終点が一致又は重なり、旋回アームの旋回に際して、カムフォロアがどの方向に案内されるかが一義的に定まらない虞がある。逆に、初期補正角度γ0が30度以上であると、カム溝の軌道が大きく膨らんだ円弧状となり、カム溝の設置のために多くの場所を割くことになる。傾倒軸を中心とした交換アームのバランスを考慮した場合、カム溝に沿って移動するカムフォロアがベースに対する旋回アームの旋回軸(原点)から張り出す長さと、交換アームの傾倒軸からグリッパの中心までの長さをLcとが等しくなる範囲を一つの目安として、初期補正角度γ0は20度〜40度、好ましくは30度前後が望ましい。
本発明の工具出し入れ装置は、工具マガジン内で工具を着脱する際には工具に対して交換アームのグリッパを水平方向に抜き差しさせ、工具マガジン外で工具を着脱する際には交換アームのグリッパを垂直方向に抜き差しさせるようにしながら、工具を垂直移動させることなく、工具を水平移動させて、工具マガジン内から工具マガジン外へと工具を取り出すことができる。もちろん、工具マガジン外から工具マガジン内へと工具を取り差し入れる場合も、工具を垂直移動させることなく、工具を水平移動させることができる。これにより、工具マガジン内外の工具の出し入れに際して、工具の昇降がなくなるため、例えば旋回アームを手動操作させても、作業者に負担を課すことがなくなる。すなわち、手動操作に適した工具出し入れ装置が提供できるようになる。もちろん、負荷の軽減は自動化された工具出し入れ装置にも利点となり、装置全体の耐久性を向上させることになる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。図1は本発明を適用した工具出し入れ装置1の一例を表す正面図、図2は本例の工具出し入れ装置1を表す左側面図(工具マガジン5外から見た側面図)、図3は本例の工具出し入れ装置1を表す平面図であり、図4は本例の工具出し入れ装置1における主要部の分解斜視図である。本例の工具出し入れ装置1は、チェーン52のリンク部分に、工具6を収納するポット53を有する工具マガジン5に対して装着する例である。
本例の工具出し入れ装置1は、図1〜図4に見られるように、工具マガジン5に取り付けられるベース2と、前記ベース2に対して旋回軸31を介して軸支され、工具マガジン5の内外方向に垂直旋回自在な旋回アーム3と、前記旋回アーム3に対して傾倒軸32に介して軸着され、工具マガジン5の内外方向に垂直傾倒自在な交換アーム4とから構成される。交換アーム4の先端に設けられるグリッパ423は、交換アーム4を構成する軸着アーム41に対するスライドアーム42の移動により水平方向(図1中紙面左右方向)に平行移動するほか、旋回アーム3の垂直旋回と交換アーム4の垂直傾倒との協働によって工具マガジン5内外の水平方向に移動し、基準ベース21に対する前後進ベース22の前後動によって前後方向(図1中紙面直交方向)に移動する。
ベース2は、工具マガジン5のマガジンケース51の側面に固定される基準ベース21と、前記基準ベース21に対して前後動する前後進ベース22とから構成される。前後進ベース22は、前面側(図2中紙面右側)に寄って旋回アーム支持フランジ221を立設し、前記旋回アーム支持フランジ221から背面方向(図2中紙面左方向)に突出させた旋回軸受けボス222に、旋回アーム3の旋回軸31を軸支している。これにより、基準ベース21に対する前後進ベース22の前後動に従って、旋回アーム3及び交換アーム4が一体となって前後動する。前後進ベース22は、背面をベース前進ストッパ223に当接させるまで前進し、前面をベース後進ストッパ224に当接させるまで後進する。本例は、旋回アーム支持フランジ221の前面側に、カム溝231を設けたガイド板23を設けている。また、後述する傾倒軸固定ロッド321の下端を差し込む固定穴225を、旋回軸受けボス222の上面側に設けている(図4参照)。
旋回アーム3は、下端側に旋回軸31を、上端側に傾倒軸32を軸着した部材で、前記旋回軸31を軸として、工具マガジン5内外にわたって垂直旋回自在になっている。旋回軸31は、上述の通り、前後進ベース22の旋回軸受けボス222に軸支さている。交換アーム4は、背面側にある軸着アーム41を、前記傾倒軸32を介して軸着している。このほか、本例は、不用意に旋回アーム3が垂直旋回しないように、傾倒軸32を貫通して旋回軸受けボス222に設けた固定穴225に上方から指し込める傾倒軸固定ロッド321を設けている。傾倒軸固定ロッド321は、後述する傾倒軸固定レバー支持フランジ413に軸支された傾倒軸固定レバー322により、昇降自在になっている。
交換アーム4は、旋回アーム3の傾倒軸32に軸着した軸着アーム41と、軸着アーム41に対して移動自在に取り付けたスライドアーム42とから構成される。軸着アーム41は、前面側(図2中右側)にスライダ411を固定してあり、後端(図1中左端)に操作レバー412を張り出している。本例は、上述の通り、操作レバー412と一体に張り出した傾倒軸固定レバー支持フランジ413に傾倒軸固定レバー322を軸着している。また、下方に向けて張り出し板414を突出させ、前記張り出し板414の背面側に突出してカムフォロア415を設けている(図4参照)。カムフォロア415は、既述したカム溝231に沿って移動する。このほか、本例の軸着アーム41は、グリッパ423の角に当接してスライドアーム42の後退を制限するアーム後退ストッパ416を前面側に設けている(図4参照)。
スライドアーム42は、右端にグリッパ423を設けた部材で、背面側に軸着アーム41のスライダ411を摺動させるスライドレール421を設けている。また、左端に軸着アーム41の縁部に係合するアーム前進ストッパ424を設けている。これにより、スライドアーム42は、軸着アーム41のアーム後退ストッパ416にグリッパ423の角を当接させ、アーム前進ストッパ424を軸着アーム41の縁部に係合させるまでの範囲で、軸着アーム41に対して平行移動する。このため、スライドアーム42は、ガタツキ防止ブロック422を軸着アーム41の前面に摺接させ、軸着アーム41に対する平行移動をがたつかせないようにしている。また、スライドアーム42は、把手425を前面側に設け、軸着アーム41に対するスライドアーム42の平行移動を作業者が手動操作できるようにしている。
本発明は、旋回アーム3の垂直旋回に応じて交換アーム4が持ち上げられることによるグリッパ423の中心の垂直移動分を、カム溝231に従うカムフォロア415の変位に応じて交換アーム4が垂直傾倒させることによるグリッパ423の中心の垂直補正分により相殺する点に特徴がある。そして、前記特徴を実現する要素が、カムフォロア415を案内する正面視C字状の軌道であるカム溝231である。図5〜図12はカム溝231に従ってカムフォロア415が変位することにより交換アーム4を垂直傾倒させてグリッパ423の中心、すなわち工具6(図1参照)を垂直移動させることなく、水平移動させる状態を表した要部正面図(図5、図7、図9及び図11)と、各部の位置関係及び角度を表した各要部正面図に対応する模式図(図6、図8、図10及び図12)である。図5、図7、図9及び図11では、図示の便宜上、張り出し板414を仮想線表示としている。
交換アーム4は、水平姿勢にした状態でスライドアーム42を工具マガジン5内に向けて平行移動させ、グリッパ423を工具6に差し込むことにより、工具6を把持する(図1参照)。そして、基準ベース21に対して前後進ベース22を前進させると、前後進ベース22に対して軸支されている旋回アーム3及び交換アーム4が一体となって前進し、ポット53から工具6を引き出す。それから、スライドアーム42を後退させると、図5に見られるように、工具6を工具マガジン5外へ水平移動させることができ、旋回アーム3を垂直旋回(図5中直立姿勢の旋回アーム3を紙面左方向に倒す)準備が整う。ここで、スライドアーム42は軸着アーム41に対して平行移動自在に取り付けられているから、例えばスライドアーム42を前進させたまま旋回アーム3を垂直旋回させても、交換アーム4が持ち上げられる(グリッパ423を図5中紙面上方に持ち上げられる)と、スライドアーム42は勝手に軸着アーム41に対して後退することになる。
本例は、前記長さLtと長さLcとを等しくし、旋回角度βを90度〜180度の範囲で変化させるようにしている。これから、移動開始前の状態では、旋回アーム3の旋回軸31を原点とするXY座標系で、図6に見られるように、旋回アーム3が垂直姿勢にあり、旋回軸31から傾倒軸32までの長さLtは上方を向き、初期旋回角度β0が90度になっている。また、交換アーム4(スライドアーム42で代表)は水平姿勢にあり、傾倒軸32からグリッパ423の中心までの長さLcは左方向(x軸正方向)を向き、傾倒角度αが0度になっている。傾倒角度αは、旋回角度βから初期旋回角度β0を差し引いた値である。
本例におけるグリッパ423の中心(工具6の位置)の座標(x、y)は、上記XY座標系で、次のように表される。
[数4]
x=Lt・cosβ+Lc・cos(β−γ)
=Lt・cosβ+Lc・cos(β−β0−γ)
y=Lt・sinβ+Lc・sin(β−γ)
=Lt・sinβ+Lc・sin(β−β0−γ)
移動開始前の状態では、β=β0=90度であり、傾倒角度α=0度かつγ=0度であるから、現在のグリッパ423の中心の座標(x、y)は、
[数5]
x=Lt・cos90+Lc・cos0=Lc(=Lt、Lc=Ltなので)
y=Lt・sin90+Lc・sin0=Lt
となる。すなわち、グリッパ423の中心は、座標(Lc、Lt)から移動を開始し、座標yが常にLtであれば、一定の高さで安定して移動することになる。
カム溝231の起点は、上記XY座標系で、カム溝231がX軸負領域及びY軸負領域、すなわち旋回アーム3の垂直線回や交換アーム4の垂直傾倒、そしてグリッパ423の水平移動の邪魔にならない領域に収まり、かつ原点である旋回軸31からX軸負方向に位置するように、決定されている。
これから、傾倒軸32からカムフォロア415の中心までの長さLmを任意とした場合、カム溝231の起点を決定する初期補正角度γ0は、
[数6]
γ0=cos-1(Lt/Lm)
となり、このときのカム溝231の起点の座標(xγ、yγ)は
[数7]
γ=−Lm・cos(90−γ0
γ=Lt−Lm・sin(90−γ0
として求められる。本例は、γ0=13.5度(Lt/Lm=0.974)としている。
作業者が、操作アーム(図1〜図4参照)を手に持って引っ張ると、図7に見られるように、旋回アーム3は倒れるように垂直旋回を始める。そのとき、交換アーム4は、旋回アーム3と同じ割合で引き起こされるが、カムフォロア415がカム溝231に沿って変位することにより、旋回アーム3による垂直移動分を打ち消すように傾倒する。すなわち、図8に見られるように、旋回アーム3は初期旋回角度β0から旋回角度βまで垂直旋回し、カムフォロア415は初期補正角度γ0から補正角度γだけ長さLmを変位させる。そして、交換アーム4は、本来なら傾倒角度αだけ持ち上げられるところ、前記補正角度γだけ傾倒して、旋回アーム3による垂直移動分を打ち消す。
具体的に、旋回角度β=135度として、上記移動開始直後の状態におけるグリッパ423の中心の座標(x、y)を計算してみる(図8参照)。
[数8]
x=Lt・cosβ+Lc・cos(β−β0−γ)
=Lt・cos135+Lc・cos(45−γ)
y=Lt・sinβ+Lc・sin(β−β0−γ)
=Lt・sin135+Lc・sin(45−γ)
ここで、座標yがLtであればよいので、上記座標yの計算式からγを算出すると、
[数9]
γ=β−β0−sin-1(Lt/Lc・(sinβ0−sinβ))
となる。これに、Lt=Lc、旋回角度β=135度及び初期旋回角度β0=90度の条件を導入すると、
[数10]
γ=45−sin-1(sin90−sin135)=27.7度(小数点第2位を四捨五入)
となり、このγを上記座標(x、y)の各計算式に導入すると、
[数11]
x=0.28・Lt(小数点第3位を四捨五入)
y=Lt
となる。これから、グリッパ423の中心は、移動開始の位置から0.72・Ltの位置まで水平移動するものの、座標yは一定で、垂直移動していないことが分かる。
旋回アーム3の旋回が、図9に見られる程度に進んでも、上記関係は成り立ちうる。すなわち、旋回角度β=170度として、上記移動途中の状態におけるグリッパ423の中心の座標(x、y)を計算してみる(図10参照)。
[数12]
γ=β−β0−sin-1(Lt/Lc・(sinβ0−sinβ))
=80−sin-1(sin90−sin170)=24.3度(小数点第2位を四捨五入)
x=Lt・cosβ+Lc・cos(β−β0−γ)
=Lt・cos170+Lc・cos(80−γ)
=−0.422・Lt(小数点第3位を四捨五入)
y=Lt・sinβ+Lc・sin(β−β0−γ)
=Lt・sin170+Lc・sin(80−γ)
=Lt
となる。これから、グリッパ423の中心は、移動開始の位置から-0.422・Ltの位置まで水平移動するものの、座標yは一定で、垂直移動していないことが分かる。
そして、図11に見られるように、交換アーム4は起立姿勢に達するまで、グリッパ423の中心を垂直移動することがない。すなわち、旋回角度β=180度として、上記移動開始直後の状態におけるグリッパ423の中心の座標(x、y)を計算してみる(図10参照)。
[数13]
γ=β−β0−sin-1(Lt/Lc・(sinβ0−sinβ))
=90−sin-1(sin90−sin180)=0度
x=Lt・cosβ+Lc・cos(β−β0−γ)
=Lt・cos180+Lc・cos90
=−Lt
y=Lt・sinβ+Lc・sin(β−β0−γ)
=Lt・sin180+Lc・sin90
=Lt
となる。これから、グリッパ423の中心は、移動開始の位置から-Ltの位置まで水平移動するものの、座標yは一定で、垂直移動していないことが分かる。
このように、本発明の工具出し入れ装置1によれば、工具6を把持するグリッパ423の中心が垂直移動することなく、水平移動するのみなので、操作レバー412を引く作業者に工具6を持ち上げる負荷を与えることなく、軽い操作感で操作レバー412を操作して、工具6を工具マガジン5から取り出すことができる。これは、図示を省略するが、工具6を工具マガジンに入れる場合も同様である。また、本例で言えば、グリッパ423の中心の水平移動距離がLt及びLcの和、すなわちLtの2倍で計算されることから、Lt=Lcの関係を保ったまま両者を大きくすることで、水平移動距離を稼ぐことができる。このとき、グリッパ423の中心は垂直移動しないので、Ltを大きくすることにより他の部位への機械的干渉を気にする必要がない利点がある。
カム溝231は、一連の図6、図8,図10及び図12から明らかなように、カムフォロア415の中心の軌跡から、正面視C字状になることが理解される。本例の場合、カムフォロア415の中心座標を決定する計算式における長さLt及び長さLcを同一にしているため、カム溝231は旋回アーム3の旋回角度βの関数になる。また、既述したように、旋回軸31を原点とするX軸負領域及びY軸負領域にカム溝231を収まるようにし、更にカム溝231の起点を原点の負方向に配置したため、起点はX軸上、終点はY軸上に位置し、原点からX軸負領域及びY軸負領域に向けて45度の直線を挟んだ線対称に正面視C字状のカム溝231が形成されている(図5及び図12参照)。
また、本発明におけるカム溝231は、上記関係式に適合すればよく、必ずしも綺麗な正面視C字状になるとは限らないが、本例のように綺麗な正面視C字状となるカム溝231は、カムフォロア415を円滑に変位させ、ひいては操作レバー412による交換アーム4の操作を容易にする。更に、起点と終点とが、正面視C字状となる両端に分けて配置され、起点から終点又は終点から起点へカムフォロア415が変位するには、大きく湾曲した軌道を通過しなければならず、例えば操作レバー412以外から交換アーム4等に外力が加わってもカムフォロア415が勝手に変位する虞を大きく低減させている。このように、本発明の工具出し入れ装置1は、作業者による手動操作を実現しながら、交換アーム4が勝手に姿勢変化しない安全性も確保している。
本発明を適用した工具出し入れ装置の一例を表す正面図である。 本例の工具出し入れ装置を表す左側面図である。 本例の工具出し入れ装置を表す平面図である。 本例の工具出し入れ装置における主要部の分解斜視図である。 交換アームを垂直傾倒させてグリッパの中心を垂直移動させることなく、水平移動させる移動開始前の状態を表した要部正面図である。 各部の位置関係及び角度を表した図5に対応する模式図である。 交換アームを垂直傾倒させてグリッパの中心を垂直移動させることなく、水平移動させる移動開始直後の状態を表した要部正面図である。 各部の位置関係及び角度を表した図7に対応する模式図である。 交換アームを垂直傾倒させてグリッパの中心を垂直移動させることなく、水平移動させる移動途中の状態を表した要部正面図である。 各部の位置関係及び角度を表した図9に対応する模式図である。 交換アームを垂直傾倒させてグリッパの中心を垂直移動させることなく、水平移動させる移動終了後の状態を表した要部正面図である。 各部の位置関係及び角度を表した図11に対応する模式図である。
符号の説明
1 工具出し入れ装置
2 ベース
21 基準ベース
22 前後進ベース
23 ガイド板
231 カム溝
3 旋回アーム
31 旋回軸
32 傾倒軸
4 交換アーム
41 軸着アーム
42 スライドアーム
5 工具マガジン
6 工具
α:旋回アームに固定された場合における交換アームの傾倒角度=β−β0
β:旋回アームの旋回角度
β0:初期旋回角度
γ:傾倒軸を中心として、αに対して別途交換アームを傾かせる補正角度
γ0:旋回アームに対する初期補正角度
Lt:旋回軸から傾倒軸までの旋回アームの長さ
Lc:傾倒軸からグリッパの中心までの長さ
Lm:傾倒軸からカムフォロアの中心までの長さ

Claims (4)

  1. 工具マガジンから工具を取り出す際は水平姿勢となり、水平方向からグリッパを工具に抜き差しし、工具マガジンの外に移動させた工具を取り出す際は垂直姿勢となり、垂直方向にグリッパから工具を抜き差しできる交換アームを備えた工具出し入れ装置において、
    工具マガジンに取り付けられるベースと、前記ベースに対して旋回軸を介して軸支され、工具マガジンの内外方向に垂直旋回自在な旋回アームと、
    前記旋回アームに対して傾倒軸を介して軸着され、工具マガジンの内外方向に垂直傾倒自在な交換アームとから構成され、
    交換アームは、水平姿勢で工具マガジンに向き、垂直姿勢で上方に向くグリッパを設け、ベースに向けてカムフォロアを突出させ、
    ベースは、前記カムフォロアを案内するカム溝を設けてなり、
    カム溝は、旋回アームの垂直旋回に応じて交換アームが持ち上げられることによるグリッパの中心の垂直移動分を、カムフォロアの変位に応じて交換アームが垂直傾倒することによるグリッパの中心の垂直補正分により相殺するように前記カムフォロアを案内する正面視C字状の軌道であることを特徴とする工具出し入れ装置。
  2. カム溝は、旋回アームの旋回軸から交換アームの傾倒軸までの長さをLt、交換アームの傾倒軸からグリッパの中心までの長さをLcとし、旋回アームの旋回軸を原点とするXY座標系で、交換アームが初期旋回角度β0から旋回角度βまで垂直旋回したときに交換アームを垂直傾倒させる補正角度γが、
    [数1]
    γ=β−β0−sin-1(Lt/Lc・(sinβ0−sinβ))
    で与えられるようにカムフォロアを案内する正面視C字状の軌道である請求項1記載の工具出し入れ装置。
  3. 旋回アームの旋回軸から交換アームの傾倒軸までの長さLtと、交換アームの傾倒軸からグリッパの中心までの長さLcとが等しく、旋回角度βが90度(起立姿勢)〜180度(水平姿勢)である請求項2記載の工具出し入れ装置。
  4. カム溝は、交換アームの傾倒軸からカムフォロアの中心までの長さをLmとし、旋回アームの旋回軸と交換アームの傾倒軸とを結ぶ軸線に対し、交換アームの傾倒軸とカムフォロアの中心とを結ぶ軸線が形成する初期補正角度γ0
    [数2]
    γ0=cos-1(Lt/Lm)
    で与えられ、交換アームの旋回角度βに対応するカムフォロアの中心座標(xγ、yγ)が
    [数3]
    γ=Lt・cosβ−Lm・cos(β−γ0−γ)
    γ=Lt・sinβ−Lm・sin(β−γ0−γ)
    で与えられるようにカムフォロアを案内する正面視C字状の軌道である請求項2又は3いずれか記載の工具出し入れ装置。
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