JP5265843B2 - 相変化インク含有着色剤組成物 - Google Patents
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Description
ここでMは、(1)正の電荷+yを有する金属イオンであり(ここでyは整数であって、少なくとも2)、前記金属イオンは、少なくとも2つの次式のクロモゲン部分と化合物を形成することが可能である金属イオンであるか、
または、(2)少なくとも2つの次式のクロモゲン部分と化合物を形成することが可能である金属含有部分であるか、のいずれかであって、
そしてzは金属と会合している、次式のクロモゲン部分の数を表す整数であって、
少なくとも2である。zの値に上限を設ける必要はない。
金属イオン部分、例えばMe3+X−であって、ここでMeは3価の金属原子を表し、Xは1価のアニオン、例えば、Cl−、Br−、I−、HSO4 −、HSO3 −、CH3SO3 −、CH3C6H4SO3 −、NO3 −、HCOO−、CH3COO−、H2PO4 −、SCN−、BF4 −、ClO4 −、SSO3 −、PF6 −、SbCl6 −、などであるか、またはMe4+X−またはMe4+X−またはMe4+X2 −であって、ここでMeは4価の金属原子を表し、Xは1価のアニオンを表し、そしてX2は2つの1価のアニオンであるか、Me4+X2−であって、ここでMeは4価の金属原子を表し、X2−は2価のアニオンをあらわす、など;
金属配位化合物であって、ここで金属、例えばマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、タリウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、ランタニド系列の金属例えばユウロピウムなど、アクチニド系列の金属、などが、1種または複数のリガンドと会合していているが、そのようなリガンドとしては、例えばカルボニル(一酸化炭素)リガンド、フェロセンリガンド、ハライド(例えばフルオリド、クロリド、ブロミド、ヨーダイドなど)リガンド、次式のアミンリガンド、
ここでR51、R52、およびR53は互いに他とは独立して、(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、など、(iii)アルキル基(直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、環状、置換、および非置換のアルキル基を含み、そしてここでそのアルキル基には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも1個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iv)アリール基(非置換および置換されたアリール基を含み、そしてここでそのアリール基には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも6個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、26、22、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(v)アリールアルキル基(非置換および置換されたアリールアルキル基を含み、ここでそのアリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アリールアルキル基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばベンジルなどであってもよい、または(vi)アルキルアリール基(非置換および置換されたアルキルアリール基を含み、ここでそのアルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アルキルアリール基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばトリルなどであってもよいが、ここで、R51、R52、およびR53の1つまたは複数が互いに結合して環を形成していてもよく、そしてここで、置換されたアルキル、アリール、アリールアルキル、およびアルキルアリール基の置換基は、(これらに限定されるわけではないが)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミン基、イミン基、アンモニウム基、シアノ基、ピリジン基、ピリジニウム基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルフェート基、スルホネート基、スルホン酸基、スルフィド基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、ホスフェート基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、アシル基、酸無水物基、アジド基、アゾ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、カルボキシレート基、カルボン酸基、ウレタン基、ウレア基、それらの混合物、などであり、ここで、2つ以上の置換基が共に結合して環を形成していてもよく、好適なアミンリガンドの具体的な例を挙げれば、アンモニア、トリメチルアミン、エチレンジアミン、ビピリジンなどがあり、次式のホスフィンリガンド
ここでR61、R62、およびR63は互いに他とは独立して、(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、など、(iii)アルキル基(直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、環状、置換、および非置換のアルキル基を含み、そしてここでそのアルキル基には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも1個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iv)アリール基(非置換および置換されたアリール基を含み、そしてここでそのアリール基には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも6個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、26、22、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(v)アリールアルキル基(非置換および置換されたアリールアルキル基を含み、ここでそのアリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アリールアルキル基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばベンジルなどであってもよい、(vi)アルキルアリール基(非置換および置換されたアルキルアリール基を含み、ここでそのアルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アルキルアリール基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばトリルなどであってもよいが、(vii)アルコキシ基(直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、環状、置換、および非置換のアルコキシ基を含み、そしてここでそのアルコキシ基には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも1個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(viii)アリールオキシ基(非置換および置換されたアリールオキシ基を含み、そしてここでそのアリールオキシ基には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも6個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、26、22、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(ix)アリールアルキルオキシ基(非置換および置換されたアリールアルキルオキシ基を含み、ここでそのアリールアルキルオキシ基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アリールアルキルオキシ基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばベンジルオキシなどであってもよい、または(x)アルキルアリールオキシ基(非置換および置換されたアルキルアリールオキシ基を含み、ここでそのアルキルアリールオキシ基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アルキルアリールオキシ基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばトリルオキシなどであってもよいが、ここで、R61、R62、およびR63の1つまたは複数が互いに結合して環を形成していてもよく、そしてここで、置換されたアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルキルアリールおよびアルキルアリールオキシ基の置換基は、(これらに限定されるわけではないが)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミン基、イミン基、アンモニウム基、シアノ基、ピリジン基、ピリジニウム基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルフェート基、スルホネート基、スルホン酸基、スルフィド基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、ホスフェート基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、アシル基、酸無水物基、アジド基、アゾ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、カルボキシレート基、カルボン酸基、ウレタン基、ウレア基、それらの混合物、などであり、ここで、2つ以上の置換基が共に結合して環を形成していてもよく、好適なホスフィンリガンドの具体的な例を挙げれば、ホスフィン、トリフルオロホスフィン、トリクロロホスフィン、トリメチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリエトキシホスフィン、など、水リガンド、シアノリガンド、イソシアノリガンド、ヒドロキシドアニオン、ニトロリガンド、ニトリトリガンド、チオシアナトリガンド、酸化窒素リガンド、などがあり、それらには、単座リガンド、二座リガンド、三座リガンド、四座リガンド、五座リガンド、六座リガンド(例えばエチレンジアミン四酢酸)、錯体中で2つまたはそれ以上の金属原子を結合する橋かけリガンド、クラウンエーテルリガンド、などがあるが、広い範囲の各種リガンドおよび金属錯体は、F.A.コットン(Cotton)およびG.ウィルキンソン(Wilkinson)『アドバンスド・インオーガニック・ケミストリ(Advanced Inorganic Chemistry)第4版』(ジョン・ワイリー・アンド・ソンズ(John Wiley & Sons)、1980年)に開示されており、
ヘテロポリ酸(ポリオキソメタレートと呼ばれることがある)で、無機金属−酸素クラスタを含む酸であるが;これらの物質については、例えば、M.T.ポープ(Pope)ら、「ポリオキソメタレート・ケミストリ:アン・オールド・フィールド・ウィズ・ニュー・ディメンジョンズ・イン・セブラル・ディスシプリンズ(Polyoxometalate Chemistry:An Old Field with New Dimensions in Several Disciplines)」(アンゲバント・ヘミー・インターナショナル・エディション・イングリッシュ(Angew.Chem.Int.Ed.Engl.)第30巻、p.34、1991年)に説明があるが、ヘテロポリ酸の例を挙げれば、リンタングステン酸、例えば(これらに限定されるわけではない)一般式H3PO4・12WO3・XH2O(ここでXは、可変であって、一般的な値としては(これらに限定されるわけではない)12、24など)、ケイタングステン酸、例えば(これらに限定されるわけではない)一般式H4SiO2・12WO3・XH2O(ここでXは、可変であって、一般的な値としては(これらに限定されるわけではない)12、24、26など)、リンモリブデン酸、例えば(これらに限定されるわけではない)一般式12MoO3・H3PO4・XH2O(ここでXは、可変であって、一般的な値としては(これらに限定されるわけではない)12、24、26など)などがあるが、これらはすべて、単品または混合物として市販されており;さらには、少なくとも2つの次式のクロモゲン部分と化合物を形成することが可能である金属含有部分のどのようなものであってもよい。
「少なくとも2つの次式のクロモゲン部分と化合物を形成することが可能」という用語は、
その金属カチオンまたは金属含有部分が2つまたはそれ以上の
クロモゲン部分と化合物を形成するということを意味する。化合物を形成する、次式のクロモゲン部分と
金属カチオンまたは金属含有部分との間の各種の会合が適していて、そのようなものとしてはイオン性化合物、共有結合性化合物、配位化合物などが挙げられる。
は
または
であり、
R8、R9、およびR10はそれぞれ、他とは独立して、(i)水素原子、(ii)アルキル基(直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、環状、置換、および非置換のアルキル基を含み、そしてここでそのアルキル基には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも1、2、6、8、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iii)アリール基(非置換および置換されたアリール基を含み、そしてここでそのアリール基には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも6、10、または14個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、26、22、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iv)アリールアルキル基(非置換および置換されたアリールアルキル基を含み、ここでそのアリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アリールアルキル基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも7、12、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばベンジルなどであってもよい、または(v)アルキルアリール基(非置換および置換されたアルキルアリール基を含み、ここでそのアルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アルキルアリール基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも7、12、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばトリルなどであってもよいが、ただし、R1+R2+R3+R4+R5+R6+R7+R8+R9+R10の中の炭素原子の数は、各種の実施態様においては、少なくとも16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、または72であり、それぞれのQは、他とは独立して、COOH基またはSO3H基であり、それぞれのQ−は、他とは独立して、COO−基またはSO3 −基であり、dは、整数の1、2、3、4、または5であり、Aはアニオンであるが、好適なアニオンの例を挙げれば(これらに限定されるわけではない)、Cl−、Br−、I−、HSO4 −、HSO3 −、SO4 2−、SO3 2−、CH3SO3 −、CH3C6H4SO3 −、NO3 −、HCOO−、CH3COO−、H2PO4 −、HPO4 2−、SCN−、BF4 −、ClO4 −、SSO3 −、PF6 −、SbCl6 −など、さらにはそれらの混合物があり、そしてCAは水素原子であるかまたは、Q−基の内の1つを除く全部と会合するカチオンのいずれかであって、好適なカチオンの例を挙げれば(これらに限定されるわけではない)、アルカリ金属カチオン、例えばLi+、Na+、K+、Rb+およびCs+、非ポリマ性またはモノマー性アンモニウムおよび4級アミンカチオン、例えば次の一般式のもの、
ここでR21、R22、R23、およびR24は、他とは独立して、(i)水素原子、(ii)アルキル基(直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、環状、置換、および非置換のアルキル基を含み、そしてここでそのアルキル基には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも1、2、6、8、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iii)アリール基(非置換および置換されたアリール基を含み、そしてここでそのアリール基には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも6、10、または14個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、26、22、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iv)アリールアルキル基(非置換および置換されたアリールアルキル基を含み、ここでそのアリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アリールアルキル基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも7、12、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばベンジルなどであってもよい、または(v)アルキルアリール基(非置換および置換されたアルキルアリール基を含み、ここでそのアルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アルキルアリール基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも7、12、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばトリルなどであってもよいが、ここで、R21、R22、R23、およびR24の1つまたは複数が互いに結合して環を形成していてもよく、そしてここで、置換されたアルキル、アリール、アリールアルキル、およびアルキルアリール基の置換基は、(これらに限定されるわけではないが)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミン基、イミン基、アンモニウム基、シアノ基、ピリジン基、ピリジニウム基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルフェート基、スルホネート基、スルホン酸基、スルフィド基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、ホスフェート基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、アシル基、酸無水物基、アジド基、アゾ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、カルボキシレート基、カルボン酸基、ウレタン基、ウレア基、それらの混合物、などであり、ここで2つ以上の置換基が互いに結合して環を形成していてもよく、オリゴマ性またはポリマ性カチオン、例えばカチオン性ポリマまたはオリゴマ、など、それにそれらの混合物が挙げられる。
が
であるような場合には、
(i)R7基の1つがオルト位にあり、カルボン酸ベースのエステル、スルホン酸ベースのエステル、カルボン酸ベースのアミドまたは、スルホン酸ベースのアミドのいずれかであるか、または、(ii)Q−基の1つがスルホン酸塩であるか、のいずれかである場合には、クロモゲンは次式であり、
または
ここで、R12、R13、R14、R15、R16、およびR17はそれぞれ、他とは独立して、(i)アルキル基(直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、環状、置換、および非置換のアルキル基を含み、そしてここでそのアルキル基には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも1個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、50、30、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(ii)アリール基(非置換および置換されたアリール基を含み、そしてここでそのアリール基には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも6個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iii)アリールアルキル基(非置換および置換されたアリールアルキル基を含み、ここでそのアリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アリールアルキル基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばベンジルなどであってもよい、または(iv)アルキルアリール基(非置換および置換されたアルキルアリール基を含み、ここでそのアルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アルキルアリール基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、約55、30、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばトリルなどであってもよいが、ここで、置換されたアルキル、アリール、アリールアルキル、およびアルキルアリール基の置換基は、(これらに限定されるわけではないが)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミン基、イミン基、アンモニウム基、シアノ基、ピリジン基、ピリジニウム基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルフェート基、スルホネート基、スルホン酸基、スルフィド基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、ホスフェート基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、アシル基、酸無水物基、アジド基、アゾ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、カルボキシレート基、カルボン酸基、ウレタン基、ウレア基、それらの混合物、などであり、ここで、2つ以上の置換基が共に結合して環を形成していてもよく、1つの具体的な実施態様においては、(I)(a)cが整数の0、1、2、または3であるか;または(b)dが整数の1、2、3または4であるか;のいずれか、および、(II)(a)R1、R2、R3およびR4の内の3つが水素原子であるか;(b)R1、R2、R3およびR4の内の1つだけが水素原子であるか;(c)R1およびR2が2つとも水素原子であるか;(d)R3およびR4が2つとも水素原子であるか;(e)R1およびR3が2つとも水素原子で、かつR2およびR4がそれぞれ、他とは独立して、アルキル基またはアリールアルキル基のいずれかであるか;のいずれかである。
または
は
および
である。
R1〜4基が互いに結合して環を形成しているような場合の例を挙げれば、
または
は
および
である。
R1〜4基の1つが中央構造のフェニル環に結合しているような場合の例を挙げれば、
または
は
および
である。
は次式であることができ、
および
ジカルボン酸またはジカルボキシレートを含む場合には、
は次式であることができ、
および
トリカルボン酸およびトリカルボキシレート、テトラカルボン酸およびテトラカルボキシレート、ペンタカルボン酸およびペンタカルボキシレート、モノスルホン酸およびモノスルホネートを含む場合には、
は次式であることができ、
および
ジスルホン酸およびジスルホネートを含む場合には、
は次式であることができ、
および
トリスルホン酸およびトリスルホネート、テトラスルホン酸およびテトラスルホネート、ペンタスルホン酸およびペンタスルホネート、モノカルボン酸モノスルホン酸、およびモノカルボキシレートモノスルホネートを含む場合には、
は次式であることができ、
および
モノカルボン酸ジスルホン酸およびモノカルボキシレートジスルホネート、モノカルボン酸トリスルホン酸およびモノカルボキシレートトリスルホネート、モノカルボン酸テトラスルホン酸およびモノカルボキシレートテトラスルホネート、ジカルボン酸モノスルホン酸およびジカルボキシレートモノスルホネート、ジカルボン酸ジスルホン酸およびジカルボキシレートジスルホネート、ジカルボン酸トリスルホン酸およびジカルボキシレートトリスルホネート、トリカルボン酸モノスルホン酸およびトリカルボキシレートモノスルホネート、トリカルボン酸ジスルホン酸およびトリカルボキシレートジスルホネート、テトラカルボン酸モノスルホン酸およびテトラカルボキシレートモノスルホネート、などが含まれる。さらに、本発明による化合物では、1つまたは複数の酸基(すなわち、COOHまたはSO3H)と1つ又は複数のアニオン性塩の基(すなわち、COO−またはSO3 −)の両方を分子の中に有することも可能である。
は
であって、そのクロモゲンは次の一般式となり、
アクリジンを含む場合には、
は
であって、そのクロモゲンは次の一般式となり、
スルホローダミンを含む場合には、
は
であって、そのクロモゲンは次の一般式となり、
アントラセンを含む場合には、
は
であって、そのクロモゲンは次の一般式となる、
などが挙げられる。
正の電荷が局在化されていること、およびその他の互変異性構造も例えば次式のように(これらに限定されるわけではないが)描くことができるということである。
など。これら着色剤のすべて可能な互変異性の形が、上記の式に中に包含されていることは、理解されたい。
ここでMは、金属カチオン、yは金属カチオンの電荷を表す整数であって、少なくとも2であり、Aはアニオンであり、そしてxはそのアニオンの上の電荷を表す整数である。
の金属化合物の成分を意味し、これを後に金属カチオンまたは金属含有部分と反応させて、本発明の着色剤を形成させる。
および
ここでY、R1、R2、R3、およびR4は、先に挙げた定義と同じであり、Gは次のいずれかであり、
または
そして(1)Rは、式−CnH2n+1(ここでnは少なくとも12)の直鎖状のアルキル基、(2)Rは、式−CnH2n+1(ここでnは少なくとも12)の分岐状のアルキル基、(3)Rは式−(CH2)3−O−CnH2n+1(ここでnは少なくとも11)のエーテル基、などであるが、さらには、それらが開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形およびそれらの双生イオンの形である。
および
ここでY、R1、R2、R3、およびR4は、先に挙げた定義と同じであり、Gは次のいずれかであり、
または
そして(1)Rが次式の基、
(nは少なくとも12)、
(2)Rが次式の基、
(nは少なくとも12)、
(3)Rが次式の基、
(nは少なくとも12)、
(4)Rが次式の基、
(nは少なくとも12)、
(5)Rが次式の基、
(nは少なくとも12)、
(6)Rが次式の基、
(nは少なくとも12)、
(7)同一の窒素原子の上に2つのR基が、その窒素原子と共になって作る次式の基、
(nは少なくとも12)、
(8)同一の窒素原子の上に2つのR基が、その窒素原子と共になって作る次式の基、
(nは少なくとも12)、
(9)同一の窒素原子の上に2つのR基が、その窒素原子と共になって作る次式の基、
(nは少なくとも12)、などであるが、さらには、それらが開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形およびそれらの双生イオンの形である。
(a)次式の化合物、
および
(Aはアニオン、nは少なくとも11)、
(b)次式の化合物、
および
(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(c)次式の化合物、
および
(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(d)次式の化合物、
および
(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(e)次式の化合物、
および
(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(f)次式の化合物、
および
(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(g)次式の化合物、
および
(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(h)次式の化合物、
および
(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(i)次式の化合物、
および
(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(j)次式の化合物、
および
(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(k)次式の化合物、
および
(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(l)次式の化合物、
および
(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(m)次式の化合物、
および
(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(n)次式の化合物、
および
(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(o)次式の化合物、
および
(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(p)次式の化合物、
および
(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
などがある。
であり、(b)は金属塩であって、その金属部分が、(1)正の電荷+yを有する金属イオンであって(ここでyは整数であって、少なくとも2)、前記金属イオンは、少なくとも2つの次式の部分と化合物を形成することが可能である金属イオンであるか、
または、(2)少なくとも2つの次式の部分と化合物を形成することが可能である金属含有部分であるか、のいずれかの金属塩である。
ここで、矢印で示した結合は、カルボニル基の上の電子の孤立電子対と金属との間の配位結合を表している。例えば、Mが平面正方形配位錯体を形成する金属である場合には、その金属着色剤化合物は、次式の構造をとることができる。
Mが四面体配位錯体を形成する金属である場合には、その金属着色剤化合物は、次式の構造をとることができる。
Q−がカルボキシレートアニオン、dが1で、その金属が6つのリガンドと配意することが可能で、八面体配位錯体を作るのならば、その金属着色剤化合物は次式の構造をとることができる。
スルホネートアニオンも、カルボキシレートアニオンによって形成される錯体と類似の錯体を形成すると考えられる。
ここでRは、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および環状アルキル基を含む、アルキル基であって、前記アルキル基は、各種の実施態様においいて、少なくとも36個または40個の炭素原子を有しており、前記アルキル基は各種の実施態様において、200、150、または100個を超えない炭素原子を有しているが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい。この式で表されるカルボン酸は、市販もされているし、あるいは米国特許第6,174,937号明細書の実施例1の記載に従って調製することも可能である。脂肪酸アミドキャリヤ原料についてのさらなる情報は、その他にも例えば、米国特許第4,889,560号明細書、同第4,889,761号明細書、同第5,194,638号明細書、同第4,830,671号明細書、同第6,174,937号明細書、同第5,372,852号明細書、同第5,597,856号明細書、同第6,174,937号明細書および英国特許第2 238 792号明細書などに開示されている。
[ジクロロフルオレセインの合成]
還流コンデンサを備えた1リットルの丸底フラスコの中で、650ミリリットルのクロロベンゼン中のフルオレセイン(100グラム、0.331モル)とPCl5(128.5グラム、0.62モル)との混合物を攪拌しながら加熱して、140℃とした。6時間加熱してから、還流コンデンサを蒸留装置に取り替えて、反応により生成したPOCl3と、クロロベンゼンを留去した。POCl3とクロロベンゼンが全部留去できたら、300グラムのN−メチルピロリジノンを添加し、次いで得られた混合物を加熱して100℃とし、攪拌しながら粗製ジクロロフルオレセインを完全に溶解させた。次いでこの溶液を、1リットルの脱イオン水を入れた4リットルのビーカ中に注いだ。淡褐色の固形物が沈降するので、フィルタの上にそれを集め、真空加熱器の中で乾燥させた。最終的に得られた淡褐色の固形物は、IR、NMRおよびTLCにおいて、市販のジクロロフルオレセインと一致した。
[テトラステアリル着色剤の合成]
1リットルの丸底フラスコ中で、650ミリリットルのテトラメチレンスルホンに加えたジクロロフルオレセイン(105グラム、0.284モル、上で調製したもの)、酸化カルシウム(24グラム、0.62モル)、ZnCl2(116グラム、0.85モル)、およびジステアリルアミン(288グラム、0.585モル;アルメーン(ARMEEN)2HT)の混合物を、攪拌しながら加熱して190℃とした。加熱を10時間続けた後、濃いマゼンタ色の混合物を120℃まで冷却し、それを2.5リットルのメチルイソブチルケトン(MIBK)の中に投入し、攪拌して全部を溶解させた。
[テトラステアリル着色剤の精製]
次いで、粗製テトラステアリル着色剤のMIBK溶液を、4リットルの分液ロートへ移した。次いで、EDTA水溶液による洗浄を3回実施して(それぞれの洗浄で、EDTA四ナトリウム塩50グラムを1、000ミリリットルの水に溶解させたものを使用)、粗製反応生成物中の亜鉛およビーカルシウム塩をすべて除去した。生成物はMIBKに溶解して上側の相に残り、それに対して水とEDTAでキレート化された金属廃棄物が下側相にあるので、それを廃棄した。次いで、脱イオン水による洗浄を2回行った(各回、1リットル)。この時点では、そのMIBK溶液はマゼンタ色が消えて、わずかにオレンジ色〜赤色になっていた。この時点で鮮やかなマゼンタ色をしていないということは、着色剤が閉環したかまたは遊離塩基の形となっていることを示しており、それは下記の化学式になっているものと考えられる。
[テトラステアリル着色剤の単離]
次いで、その閉環した、精製テトラステアリル着色剤のMIBK溶液を、蒸留装置を備えた2リットルの丸底フラスコに移した。MIBKと残存していた水を留去し、生成物である加熱時にはわずかに粘稠性のワックスを、容器に移して放置固化させた。室温にまで冷却すると、このワックスは濃い赤色で、いくぶん硬めのワックスとなった。
[テトラステアリル着色剤のプロトン化]
次いで、実施例IDで調製した、固形物の、閉環した、精製テトラステアリル着色剤250グラムを、1リットルのビーカに移し、500ミリリットルのMIBKを加えて、かき混ぜながら固形物を溶解させた。化学量論量のドデシルベンゼンスルホン酸をこの溶液に添加して、1時間攪拌した。酸の添加により、濃いマゼンタ色相が観察された。次いでこの溶液を蒸留装置に移して、MIBKを留去した。次いで、この溶融した、開環したワックス状の着色剤を、アルミニウム製の缶(aluminum tin)に移し、室温になるまで放冷した。この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、
ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
[亜鉛テトラステアリル着色剤の合成]
テフロン(TEFLON、登録商標)コーティングしたマグネットを入れ、シリコーン油浴に浸けた1リットルの3つ口丸底フラスコの中に、229グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲンと200グラムのMIBKを加えた。その混合物を加熱して、還流させた。次いで、12.2グラムのZnCl2(ウィスコンシン州ミルウォーキ(Milwaukee、WI)のアルドリッチ・ケミカル・カンパニ(Aldrich Chemical Co.)から入手)を、テトラステアリルクロモゲン1モル当たり、化学量論量である2モルの塩化亜鉛の量で添加した。その溶液を約18時間攪拌した。次いで、MIBKを留去した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであるが、これは次式の配位化合物と考えられる。
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、ウィスコンシン州ミルウォーキ(Milwaukee、WI)のアルドリッチ・ケミカル・カンパニ(Aldrich Chemical Co.)から入手した、ジオクチルアミン(NH((CH2)7CH3)2を、ジステアリルアミンに代えて使用した。ジオクチルアミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、ジオクチルアミンが1.95モルになるような量で存在させた。
実施例IIBで得られた生成物を使用して、実施例ICの方法を繰り返した。精製により得られた生成物は次式のものであると考えられる。
この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、
ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
実施例IICで得られた生成物を使用して、実施例IDの方法を繰り返した。
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、2.05モルのステアリルアミンを使用して反応させた。
実施例IIIBで得られた生成物を使用して、実施例ICの方法を繰り返した。精製により得られた生成物は次式のものであると考えられる。
この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、
ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
実施例IIICで得られた生成物を使用して、実施例IDの方法を繰り返した。
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、次式のプリメーン(PRIMENE)JM−T、
を、ジステアリルアミンに代えて使用した。プリメーン(PRIMENE)JM−Tは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、プリメーン(PRIMENE)JM−Tが2モルになるような量で存在させた。
実施例IVBで得られた生成物を使用して、実施例ICの方法を繰り返した。精製により得られた生成物は次式のものであると考えられる。
この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、
ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
実施例IVCで得られた生成物を使用して、実施例IDの方法を繰り返した。
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、ジステアリルアミンに代えて、ユニリン(UNILIN)425−PA(化学式、CH3(CH2)31−O−CH2CH2CH2NH2)を使用した。ユニリン(UNILIN)425−PAは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、ユニリン(UNILIN)425−PAが2モルになるような量で存在させた。生成物は次式のものであると考えられる。
この着色の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、
ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、ジステアリルアミンに代えて、ジエタノールアミン(化学式、HN(CH2CH2OH)2)を使用した。ジエタノールアミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、ジエタノールアミンが2.5モルになるような量で存在させた。さらに、ジクロロフルオレセイン1モルあたり2モルの塩化亜鉛を使用し、ジクロロフルオレセイン1モルあたり1モルの酸化カルシウムを使用し、溶媒にはテトラメチレンスルホンに代えてN−メチルピロリドンを使用し、反応混合物を125℃で100時間加熱した。
実施例VIBで得られた生成物を使用して実施例ICの方法を繰り返したが、ただし、その生成物をメタノール中に投入し、充分なEDTAを加えて、Zn2+およびCa2+イオンを完全に除去した。精製により得られた生成物は次式のものであると考えられる。
実施例VICで得られた生成物10グラムを、120℃で23.4グラムのオクタデシルイソシアネートに加え、その後2滴のジブチルスズジラウレート触媒を添加し、その反応液を攪拌して、IRにおけるイソシアネートのピークの消失が確認できるまで加熱を続ける。このテトラウレタンローダミンをアルミニウム製の缶の中に注ぐが、これは次式のものと考えられる。
この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、
ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし次式のN−メチル−D−グルカミン
を、ジステアリルアミンに代えて使用した。N−メチル−D−グルカミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、N−メチル−D−グルカミンが2.5モルになるような量で存在させた。さらに、ジクロロフルオレセイン1モルあたり2モルの塩化亜鉛を使用し、ジクロロフルオレセイン1モルあたり1.5モルの酸化カルシウムを使用し、溶媒にはテトラメチレンスルホンに代えてN−メチルピロリドンを使用し、反応混合物を130℃で7日加熱した。
実施例VIIBで得られた生成物を使用して実施例ICの方法を繰り返したが、ただし、その生成物をメタノール中に投入し、充分なEDTAを加えて、Zn2+およびCa2+イオンを完全に除去した。精製により得られた生成物は次式のものであると考えられる。
実施例VIICで得られた生成物10グラムを、120℃で45グラムのオクタデシルイソシアネートに加え、その後で4滴のジブチルスズジラウレート触媒を添加し、その反応液を攪拌して、IRにおけるイソシアネートのピークの消失が確認できるまで加熱を続ける。このデカウレタンローダミンをアルミニウム製の缶の中に注ぐが、これは次式のものと考えられる。
この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、
ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、次式の2−ピペリジンエタノール、
を、ジステアリルアミンに代えて使用した。2−ピペリジンエタノールは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、2−ピペリジンエタノールが2.5モルになるような量で存在させた。さらに、ジクロロフルオレセイン1モルあたり2モルの塩化亜鉛を使用し、ジクロロフルオレセイン1モルあたり1モルの酸化カルシウムを使用し、溶媒にはテトラメチレンスルホンに代えてN−メチルピロリドンを使用し、反応混合物を160℃で24時間加熱した。次いでその反応生成物を水中に投入し、濾過し、水で洗浄した。生成物は次式のものであると考えられる。
実施例VIIIBで得られた生成物10グラムを、120℃で10.7グラムのオクタデシルイソシアネートに加え、その後で1滴のジブチルスズジラウレート触媒を添加し、その反応液を攪拌して、IRにおけるイソシアネートのピークの消失が確認できるまで加熱を続ける。このジウレタンローダミンをアルミニウム製の缶の中に注ぐが、これは次式のものと考えられる。
この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、
ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、次式のN,N−ジメチル−1、4−フェニレンジアミン
を、ジステアリルアミンに代えて使用した。N,N−ジメチル−1、4−フェニレンジアミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、N,N−ジメチル−1、4−フェニレンジアミンが2.5モルになるような量で存在させた。さらに、ジクロロフルオレセイン1モルあたり2モルの塩化亜鉛を使用し、ジクロロフルオレセイン1モルあたり1モルの酸化カルシウムを使用し、溶媒にはテトラメチレンスルホンに代えてN−メチルピロリドンを使用し、反応混合物を140℃で48時間加熱した。次いでその反応生成物を水中に投入し、濾過し、水で洗浄した。生成物は次式のものであると考えられる。
この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、
ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、次式のN,N−ジエチル−1、4−フェニレンジアミン
を、ジステアリルアミンに代えて使用した。N,N−ジエチル−1、4−フェニレンジアミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、N,N−ジエチル−1、4−フェニレンジアミンが2.5モルになるような量で存在させた。さらに、ジクロロフルオレセイン1モルあたり2モルの塩化亜鉛を使用し、ジクロロフルオレセイン1モルあたり1モルの酸化カルシウムを使用し、溶媒にはテトラメチレンスルホンに代えてN−メチルピロリドンを使用し、反応混合物を150℃で96時間加熱した。次いでその反応生成物を水中に投入し、濾過し、水で洗浄した。生成物は次式のものであると考えられる。
この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、
ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし次式のN−ベンジルエタノールアミン
を、ジステアリルアミンに代えて使用した。N−ベンジルエタノールアミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、N−ベンジルエタノールアミンが2.5モルになるような量で存在させた。さらに、ジクロロフルオレセイン1モルあたり2モルの塩化亜鉛を使用し、ジクロロフルオレセイン1モルあたり1モルの酸化カルシウムを使用し、溶媒にはテトラメチレンスルホンに代えてジメチルホルムアミドを使用し、反応混合物を150℃で48時間加熱した。
実施例XIBで得られた生成物を使用して実施例ICの方法を繰り返したが、ただし、その生成物をメタノール中に投入し、充分なEDTAを加えて、Zn2+およびCa2+イオンを完全に除去した。精製により得られた生成物は次式のものであると考えられる。
実施例XICで得られた生成物10グラムを、120℃で9.9グラムのオクタデシルイソシアネートに加え、その後1滴のジブチルスズジラウレート触媒を添加し、その反応液を攪拌して、IRにおけるイソシアネートのピークの消失が確認できるまで加熱を続ける。このジウレタンローダミンをアルミニウム製の缶の中に注ぐが、これは次式のものと考えられる。
この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、
ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし次式のN−ベンジルエタノールアミン
を、ジステアリルアミンに代えて使用した。N−ベンジルエタノールアミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、N−ベンジルエタノールアミンが10モルになるような量で存在させた。さらに、ジクロロフルオレセイン1モルあたり2モルの塩化亜鉛を使用し、ジクロロフルオレセイン1モルあたり1モルの酸化カルシウムを使用し、溶媒にはテトラメチレンスルホンに代えて過剰のN−ベンジルエタノールアミンを使用し、油浴を用いて反応混合物を48時間還流させ、その後過剰のアミンを蒸留により除去した。
実施例XIIBで得られた生成物を使用して実施例ICの方法を繰り返したが、ただし、その生成物をメタノール中に投入し、充分なEDTAを加えて、Zn2+およびCa2+イオンを完全に除去した。精製により得られた生成物は次式のものであると考えられる。
ガラス製の反応フラスコの中に、実施例XIICで得られた生成物10グラム、29.8グラムのユニシッド(UNICID、登録商標)700(化学式RCOOHのカルボン酸(ここでRは直鎖状のアルキル基で、平均して50個の炭素原子を有する)と、その他に官能化されていないワックス原料を25重量パーセントまでの量で含む)、152グラムのキシレン、および0.6グラムのp−トルエンスルホン酸を混合する。これらの原料を混合しながら加熱して、温度143℃で還流させる。72時間後には、この反応は完結する。この反応混合物を40℃まで冷却して、濾過する。この濾過ケーキをメタノール中で再スラリ化と濾過をさらに2回繰り返して、残存しているキシレンを除去する。次いでその濾過ケーキを、周囲温度で風乾させる。この濾過ケーキには次式の着色剤が含まれると考えられる。
ここでnは、平均値50である。この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、
ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、次式の2−(エチルアミノ)エタノール、
を、ジステアリルアミンに代えて使用した。2−(エチルアミノ)エタノールは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、2−(エチルアミノ)エタノールが20モルになるような量で存在させた。さらに、ジクロロフルオレセイン1モルあたり2モルの塩化亜鉛を使用し、ジクロロフルオレセイン1モルあたり1モルの酸化カルシウムを使用し、溶媒にはテトラメチレンスルホンに代えて過剰の2−(エチルアミノ)エタノールを使用し、油浴を用いて反応混合物を24時間還流させ、その後過剰のアミンを蒸留により除去した。
実施例XIIIBで得られた生成物を使用して実施例ICの方法を繰り返したが、ただし、その生成物をメタノール中に投入し、充分なEDTAを加えて、Zn2+およびCa2+イオンを完全に除去した。精製により得られた生成物は次式のものであると考えられる。
実施例XIIICで得られた生成物10グラムを、120℃で12.5グラムのオクタデシルイソシアネートに加え、その後1滴のジブチルスズジラウレート触媒を添加し、その反応液を攪拌して、IRにおけるイソシアネートのピークの消失が確認できるまで加熱を続ける。このジウレタンローダミンをアルミニウム製の缶の中に注ぐが、これは次式のものと考えられる。
この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、
ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、ウィスコンシン州ミルウォーキ(Milwaukee、WI)のアルドリッチ・ケミカル・カンパニ(Aldrich Chemical Co.)から入手の、次式の2−アミノアントラセン、
を、ジステアリルアミンに代えて使用した。2−アミノアントラセンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、2−アミノアントラセンが2.05モルになるような量で存在させた。生成物は次式のものであると考えられる。
この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、
ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、純粋なジステアリルアミンに代えて、ステアリルアミンとジステアリルアミンの混合物を使用した。ステアリルアミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、ステアリルアミンが1.02モルになるような量で存在させ、ジステアリルアミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、ジステアリルアミンが1.02モルになるような量で存在させた。
実施例XVBで得られた生成物を使用して、実施例ICの方法を繰り返した。精製により得られた生成物は、次式の化合物の混合物であると考えられる。
および
これらの着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形はそれぞれ、次式であると考えられるが、
および
ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。これらの着色剤の双生イオンの形はそれぞれ、次式と考えられる。
および
実施例XVCで得られた生成物を使用して、実施例IDの方法を繰り返した。
実施例IAからICの方法を繰り返した。その後で、閉環した精製テトラステアリル着色剤のMIBK溶液に、次式のナフタレンジスルホネートアダクト
(ジノニルナフタレンジスルホン酸、イソブタノール中50重量%、ナキュア(NACURE、登録商標)155)をテトラステアリル着色剤1モルあたりナフタレンスルホネートアダクトが2モルの化学量論量で添加した。この溶液が完全にマゼンタ色になるまで攪拌した。次いで、その溶液を蒸留装置を備えた2リットルの丸底フラスコに移し、MIBKを留去した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであるが、これは次式のものと考えられる。
(実施例XVII)
[カルシウムテトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、80.3グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、400グラムのトルエン、および3.5グラムのCaCl2を使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
[ビスマステトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、100.2グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、600グラムのトルエン、および8.2グラムのBiCl3を使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
[スズテトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、反応容器としては2リットルの3つ口丸底フラスコの中で、100グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、1、000グラムのMIBK、および8.8グラムのSnCl2を使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
[鉄テトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、32.4グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、400グラムのMIBK、および1.6グラムのFeCl2を使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
[銅テトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、35グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、400グラムのMIBK、および1.83グラムのCuCl2を使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
[アルミニウムテトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、32.7グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、400グラムのMIBK、および1.13グラムのAlCl3を使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
[ニッケルテトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、5.5グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、100グラムのMIBK、および0.53グラムの酢酸ニッケル(II)(Ni(CH3COO)2)を使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
[リンタングステンモリブデンで「レーキ化した」テトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、34.1グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、400グラムのMIBK、および13.1グラムのリンタングステン酸および5.6グラムのリンモリブデン酸を使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
[チタンテトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、24.3グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、250グラムのトルエン、および0.9グラムの塩化チタン(IV)を使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
[クロムテトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、25.2グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、250グラムのMIBK、および1.04グラムの塩化クロム(III)を使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
(実施例XXVII)
[二次着色剤(Secondary Colorant)の調製 第1部]
二次のマゼンタ着色剤を以下のようにして調製した。
この反応混合物を冷却してから濾過した。その生成物の濾過ケーキを、周囲温度で風乾させた。
ガラス製の反応フラスコの中に、8グラムのこの実施例の第1部で調製したアルコール置換された着色剤、68グラムの氷酢酸、13グラムのプロピオン酸、および2.3グラムの無水酢酸を加えた。これらの原料を混合しながら加熱して、温度121℃で還流させた。還流を4時間させると、反応は完結していて、その反応混合物には、次式の酢酸エチル置換された着色剤が含まれていた。
この実施例の第2部で得られた酢酸エチル置換された着色剤を含む反応混合物の91グラムを、ガラス製の反応フラスコの中に仕込んだ。その混合物を最低30℃までに冷却した。混合しながら、その反応混合物に、温度が40℃未満に保てるような速度で、9グラムの臭素を添加していった。次いで、その混合物を加温して40℃とした。混合を24時間続けると、反応は完結した。
ガラス製の反応フラスコの中に、18グラムのこの実施例の第3部で調製された臭素化された酢酸エチル置換の着色剤とその塩の混合物、72グラムのN−メチル−2−ピロリドン、4グラムの水酸化ナトリウム、および4グラムの脱イオン水を加えた。これらの原料を混合しながら、加温して60℃とした。3時間後には、反応は完結していた。
この臭素化されたアルコール置換の着色剤のスペクトル強度を、分光光度測定法を使用して測定したが、それは、着色剤をトルエンとテトラヒドロフランの等量混合物に溶解させ、パーキン・エルマ・ラムダ2S(Perkin Elmer Lambda 2S)紫外/可視分光光度計を使用して吸光度を測定することによって、溶液中の着色剤を測定する原理に基づいたものである。この臭素化されたアルコール置換の着色剤のスペクトル強度の測定値は、吸収極大λmaxにおいて、グラムあたり16,000mL吸光単位であった。このスペクトル強度は、純度が60パーセントであることを示していた。
ガラス製の反応フラスコの中に、16グラムのこの実施例の第4部で調製された臭素化されたアルコール置換の着色剤、31グラムのユニシッド(UNICID、登録商標)700(化学式R2COOHのカルボン酸(ここでR2は直鎖状のアルキル基で、平均して50個の炭素原子を有する)と、その他に官能化されていないワックス原料を25重量パーセントまでの量で含む)、152グラムのキシレン、および0.6グラムのp−トルエンスルホン酸を加えた。これらの原料を混合しながら加熱して、温度143℃で還流させた。7時間後には、反応は完結していた。
ここでR2は、直鎖状のアルキル基で、平均して50個の炭素原子を有する。
[安定性試験]
着色剤が分解すると、インク中における着色剤の分解反応の結果として、望ましくない色ずれまたは褪色が起きる可能性もある。これらの現象はいずれも、着色剤が熱的に安定でない場合には、そのインクからの印刷物の色品質や稠度に悪影響を及ぼす可能性がある。本発明によるインクA〜Kの着色剤の熱安定性を、比較例インク1の中のSR49染料と比較したが、それには、それらを加熱したインクからの印刷物の変色を測定する方法を用いた。
[マゼンタインク印刷物の指紋性能の定性的評価]
試験をしたインクすべてについて、室温における指紋抵抗性のための定性試験を実施した。この試験は次の3つの工程で進める:インクを印刷する工程、その印刷物をフィンガオイル(finger oils)およびハンドローション成分の混合物に接触させる工程、および最後に5日後にそれぞれのインクを参照に対して比較する工程である。
[拡散試験]
インクA−2および比較例インク1について、それらの着色剤の拡散する傾向を試験した。さらに、着色剤を使用しないクリアなインクも、インクA−2の場合と同様にして、調製した。この拡散の評価方法では、印刷した画像を用いて、マゼンタインクのピクセルから着色剤が、マゼンタインクピクセルを取り囲む、隣接の無色のインクピクセルの中へ拡散する可能性を試験した。この試験用の印刷は、20パーセントの個々のマゼンタピクセルと、それを取り囲む80パーセントのクリアなインクピクセルとを含むようにした。これらの印刷物を、室温で数日間にわたって、カラー画像解析計を使用して検出できる総合的な変色を解析し、その応答を、時間の経過に伴うデルタE(ΔE)の変化として測定し、その結果を以下の表に示した。CIELAB値を得るための、先に記載した方法に従って、それぞれのサンプルの色差を求めた。色差を求めるには、ASTM D2244−89(スタンダード・テスト・メソッド・フォア・カーキュレーション・オブ・カラー・ディファレンシス・フロム・インストラメンタリ・メジャード・カラー・コオーディネーツ(Standard Test Method for Calculation of Color Differences From instrumentally Measured Color Coordinates))に従った(デルタE=[(L* 1−L* 2)2+(a* 1−a* 2)2+(b* 1−b* 2)2]1/2)。ハンマミル・レーザプリント(HAMMERMILL LASERPRINT、登録商標)用紙およびゼロックス(XEROX、登録商標)4024用紙の両方を使用したが、時間の経過に伴うΔEとして得られた変色の結果は以下のようになった。
Claims (3)
- 相変化インクキャリヤおよび次式の着色剤化合物を含む相変化インク組成物であって、
[クロモゲン] z M zA −
(ここでMは、(1)正の電荷+yを有する金属イオン(ここでyは整数であって、少なくとも2)であって、
前記金属イオンは、少なくとも2つの次式のクロモゲン部分と化合物を形成することが可能である金属イオンであるか、
または、(2)少なくとも2つの次式のクロモゲン部分と化合物を形成することが可能である金属含有部分であるか、のいずれかであり、
zは、金属と会合している次式のクロモゲン部分の数を表す整数であって、少なくとも2であり、
Aはアニオンである)
前記クロモゲンが次式である相変化インク組成物。
(nは少なくとも12)、
- 請求項1に記載の相変化インク組成物であって、
(a)Mが亜鉛カチオン、yが2、そして前記クロモゲンが次式、
(k)Mがリンモリブデン酸およびリンタングステン酸の混合物である金属含有部分であり、そして前記クロモゲンが次式、
- 方法であって、
(1)相変化インクキャリヤおよび次式の着色剤化合物を含む相変化インク組成物をインクジェット印刷装置の中に組み込む工程と、
[クロモゲン] z M zA −
(ここでMは、(1)正の電荷+yを有する金属イオン(ここでyは整数であって、少なくとも2)であって、
前記金属イオンは、少なくとも2つの次式のクロモゲン部分と化合物を形成することが可能である金属イオンであるか、
または、(2)少なくとも2つの次式のクロモゲン部分と化合物を形成することが可能である金属含有部分であるか、のいずれかであり、
zは、金属と会合している次式のクロモゲン部分の数を表す整数であって、少なくとも2であり、
Aはアニオンである)、
(2)前記インクを溶融させる工程と、および
(3)前記溶融させたインクの液滴を基材の上に像様パターンに吐出させる工程と、を含み、
前記クロモゲンが次式である方法。
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