JP5265843B2 - 相変化インク含有着色剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、相変化インクに関する。さらに詳しくは本発明は、特定の着色剤化合物を含むホットメルトまたは相変化インクに関する。
一般的には、相変化インク(「ホットメルトインク」と呼ばれることもある)は、周囲温度においては固相として、インクジェット印刷デバイスの高い操作温度においては液相として存在する。吐出操作温度においては、液状インクの液滴が印刷デバイスから吐出され、そのインク液滴が、直接的にか、または中間の加熱した転写ベルトまたはドラムを介するかのいずれかにより、記録基材の表面に接触すると、急速に固化し、固化したインクの滴の予め定められたパターンが形成される。相変化インクは、その他の印刷技術、例えばグラビア印刷などにおいても使用されてきたが、それについては例えば、米国特許第5,496,879号明細書および独国特許出願第4205636AL号明細書および独国特許出願第4205713AL号明細書に開示されているが、これら特許のそれぞれにおける開示は、参考として引用し本明細書に組み入れたものとする。
カラー印刷のための相変化インクは典型的には、相変化インクキャリヤ組成物を含み、このキャリヤ組成物が、相変化インクと相溶性のある着色剤と組み合わされる。具体的な実施態様においては、インクキャリヤ組成物と相溶性のある減法混色の一次色の(primary)着色剤を組み合わせることによって、一連の着色相変化インクを形成することが可能となる。この減法混色の一次色の相変化インクには、4種の成分染料、すなわち、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックを含むことができるが、ただし、インクはこれら4種の色に限定されるわけではない。これら減法混色の一次色のインクは、単一の染料または染料の混合物を使用することによって、形成することが可能である。例えば、マゼンタは、ソルベントレッド染料の混合物を使用して得ることができるし、あるいは、コンポジットブラックは、いくつかの染料を混合することによって得ることができる。米国特許第4,889,560号明細書、米国特許第4,889,761号明細書、および米国特許第5,372,852号明細書では、使用する減法混色の一次色の着色剤には、カラーインデックス(C.I.)油溶性染料、分散染料、変性した酸性染料および直接染料、ならびに塩基性染料のようなタイプの染料を含むことができると、教示している(これら特許のそれぞれにおける開示はすべて、参考として引用し本明細書に組み入れたものとする)。例えば、米国特許第5,221,335号明細書に開示されているように、着色剤には顔料を含んでいてもよい(この特許の開示はすべて、参考として引用し本明細書に組み入れたものとする)。米国特許第5,621,022号明細書には、相変化インク組成物中に特定のタイプのポリマ性染料を使用することが開示されている(この特許の開示はすべて、参考として引用し本明細書に組み入れたものとする)。
相変化インクは、郵便の消印、産業用マーキング、およびラベル表示などのような用途にも使用されてきた。
相変化インクは、インクジェットプリンタ用としては望ましいものであるが、その理由は、出荷、長期間の保存などの間は室温で固相に保たれているからである。それに加えて、液体インクジェットのインクの場合に起きるインクの蒸発に伴うノズルの閉塞の問題が、大部分回避されるために、インクジェット印刷の信頼性が改良される。さらに、インク液滴が最終の記録基材(例えば、紙、透明材料など)の上に直接塗布されるような相変化インクジェットプリンタにおいては、液滴が基材と接触すると直ちに固化するために、印刷媒体へのインクのマイグレーションが防止でき、ドット品質が改良される。
米国特許第5,496,879号明細書 独国特許出願第4205636AL号明細書 独国特許出願第4205713AL号明細書 米国特許第4,889,560号明細書 米国特許第4,889,761号明細書 米国特許第5,372,852号明細書 米国特許第5,221,335号明細書 米国特許第5,621,022号明細書
公知の組成物およびプロセスがそれらの目的のために適するようにはなっているが、依然として新規なマゼンタ着色剤組成物が必要とされていて、そのようなものの例を挙げれば、相変化インク中で使用するのに特に好適なマゼンタ着色剤組成物;望ましい熱安定性を有するマゼンタ着色剤;高温に暴露した場合に望ましくない変色を最小限とするマゼンタ着色剤;望ましい輝度を示すマゼンタ着色剤;望ましい色相を示すマゼンタ着色剤;望ましい彩度であるマゼンタ着色剤;望ましい高い光堅牢特性を有するマゼンタ着色剤;望ましい心地よい色を有するマゼンタ着色剤、相変化インクキャリヤ組成物中に好適な溶解特性を示すマゼンタ着色剤;135℃を超える温度で吐出でき、しかも熱安定性を維持するような相変化インクを可能とするマゼンタ着色剤;パイル高さ(pile height)の低い画像を形成するような相変化インクを可能とするマゼンタ着色剤;リソグラフィの薄い画像(thin image)品質に近い画像を形成する相変化インクを可能とするマゼンタ着色剤;酸化安定性を示すマゼンタ着色剤;相変化インクキャリヤから沈降しないマゼンタ着色剤;相変化インクに加えた場合に、隣に印刷された異なった色のインクの中へ拡散しないマゼンタ着色剤;相変化インクキャリヤのような媒体から、テープ粘着剤、紙などに抽出されることがないマゼンタ着色剤;相変化インクに組み込んだ場合に、相変化インクジェット印字ヘッドの閉塞をもたらすことがないマゼンタ着色剤;シャープなエッジを有する画像を生成し、時間が経過してもそのシャープさを保持するような相変化インクを可能とするマゼンタ着色剤;暑い環境条件においてもその高い画像品質を維持する画像を生成させる相変化インクを可能とするマゼンタ着色剤;望む限りの高い光学密度の画像を生成させる相変化インクを可能とするマゼンタ着色剤;相変化インクキャリア中で良好な溶解性のために望ましい高い光学密度を損なうことなく低いパイル高さの画像を生成させることを可能とするマゼンタ着色剤;および経済性に優れたインクを可能とするマゼンタ着色剤;などがある。さらに、クロモゲンと会合した金属化合物を含む化合物であるマゼンタ着色剤であって、その金属化合物着色剤の熱安定性が、金属とは会合していないクロモゲンの熱安定性よりも優れているようなマゼンタ着色剤が、依然として必要とされている。
下記[化1]〜[化4]のような着色剤化合物を含む相変化インク組成物である。
本発明は次式のような着色剤化合物を含む相変化インクを目的とするが、

ここでMは、(1)正の電荷+yを有する金属イオンであり(ここでyは整数であって、少なくとも2)、前記金属イオンは、少なくとも2つの次式のクロモゲン部分と化合物を形成することが可能である金属イオンであるか、

または、(2)少なくとも2つの次式のクロモゲン部分と化合物を形成することが可能である金属含有部分であるか、のいずれかであって、

そしてzは金属と会合している、次式のクロモゲン部分の数を表す整数であって、

少なくとも2である。zの値に上限を設ける必要はない。
正の電荷+yを有する金属カチオンの例を挙げれば(ここでyは整数であって少なくとも2)、以下の元素の+2、+3、+4およびさらに価数の高いカチオンであるが、そのような元素としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、タリウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、ランタニド系列の金属例えばユウロピウムなど、アクチニド系列の金属、などを挙げることができる。
金属含有部分の例を挙げれば:
金属イオン部分、例えばMe3+であって、ここでMeは3価の金属原子を表し、Xは1価のアニオン、例えば、Cl、Br、I、HSO 、HSO 、CHSO 、CHSO 、NO 、HCOO、CHCOO、HPO 、SCN、BF 、ClO 、SSO 、PF 、SbCl 、などであるか、またはMe4+またはMe4+またはMe4+ であって、ここでMeは4価の金属原子を表し、Xは1価のアニオンを表し、そしてXは2つの1価のアニオンであるか、Me4+2−であって、ここでMeは4価の金属原子を表し、X2−は2価のアニオンをあらわす、など;
金属配位化合物であって、ここで金属、例えばマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、タリウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、ランタニド系列の金属例えばユウロピウムなど、アクチニド系列の金属、などが、1種または複数のリガンドと会合していているが、そのようなリガンドとしては、例えばカルボニル(一酸化炭素)リガンド、フェロセンリガンド、ハライド(例えばフルオリド、クロリド、ブロミド、ヨーダイドなど)リガンド、次式のアミンリガンド、

ここでR51、R52、およびR53は互いに他とは独立して、(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、など、(iii)アルキル基(直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、環状、置換、および非置換のアルキル基を含み、そしてここでそのアルキル基には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも1個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iv)アリール基(非置換および置換されたアリール基を含み、そしてここでそのアリール基には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも6個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、26、22、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(v)アリールアルキル基(非置換および置換されたアリールアルキル基を含み、ここでそのアリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アリールアルキル基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばベンジルなどであってもよい、または(vi)アルキルアリール基(非置換および置換されたアルキルアリール基を含み、ここでそのアルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アルキルアリール基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばトリルなどであってもよいが、ここで、R51、R52、およびR53の1つまたは複数が互いに結合して環を形成していてもよく、そしてここで、置換されたアルキル、アリール、アリールアルキル、およびアルキルアリール基の置換基は、(これらに限定されるわけではないが)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミン基、イミン基、アンモニウム基、シアノ基、ピリジン基、ピリジニウム基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルフェート基、スルホネート基、スルホン酸基、スルフィド基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、ホスフェート基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、アシル基、酸無水物基、アジド基、アゾ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、カルボキシレート基、カルボン酸基、ウレタン基、ウレア基、それらの混合物、などであり、ここで、2つ以上の置換基が共に結合して環を形成していてもよく、好適なアミンリガンドの具体的な例を挙げれば、アンモニア、トリメチルアミン、エチレンジアミン、ビピリジンなどがあり、次式のホスフィンリガンド

ここでR61、R62、およびR63は互いに他とは独立して、(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、など、(iii)アルキル基(直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、環状、置換、および非置換のアルキル基を含み、そしてここでそのアルキル基には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも1個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iv)アリール基(非置換および置換されたアリール基を含み、そしてここでそのアリール基には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも6個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、26、22、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(v)アリールアルキル基(非置換および置換されたアリールアルキル基を含み、ここでそのアリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アリールアルキル基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばベンジルなどであってもよい、(vi)アルキルアリール基(非置換および置換されたアルキルアリール基を含み、ここでそのアルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アルキルアリール基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばトリルなどであってもよいが、(vii)アルコキシ基(直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、環状、置換、および非置換のアルコキシ基を含み、そしてここでそのアルコキシ基には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも1個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(viii)アリールオキシ基(非置換および置換されたアリールオキシ基を含み、そしてここでそのアリールオキシ基には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも6個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、26、22、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(ix)アリールアルキルオキシ基(非置換および置換されたアリールアルキルオキシ基を含み、ここでそのアリールアルキルオキシ基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アリールアルキルオキシ基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばベンジルオキシなどであってもよい、または(x)アルキルアリールオキシ基(非置換および置換されたアルキルアリールオキシ基を含み、ここでそのアルキルアリールオキシ基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アルキルアリールオキシ基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばトリルオキシなどであってもよいが、ここで、R61、R62、およびR63の1つまたは複数が互いに結合して環を形成していてもよく、そしてここで、置換されたアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルキルアリールおよびアルキルアリールオキシ基の置換基は、(これらに限定されるわけではないが)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミン基、イミン基、アンモニウム基、シアノ基、ピリジン基、ピリジニウム基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルフェート基、スルホネート基、スルホン酸基、スルフィド基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、ホスフェート基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、アシル基、酸無水物基、アジド基、アゾ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、カルボキシレート基、カルボン酸基、ウレタン基、ウレア基、それらの混合物、などであり、ここで、2つ以上の置換基が共に結合して環を形成していてもよく、好適なホスフィンリガンドの具体的な例を挙げれば、ホスフィン、トリフルオロホスフィン、トリクロロホスフィン、トリメチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリエトキシホスフィン、など、水リガンド、シアノリガンド、イソシアノリガンド、ヒドロキシドアニオン、ニトロリガンド、ニトリトリガンド、チオシアナトリガンド、酸化窒素リガンド、などがあり、それらには、単座リガンド、二座リガンド、三座リガンド、四座リガンド、五座リガンド、六座リガンド(例えばエチレンジアミン四酢酸)、錯体中で2つまたはそれ以上の金属原子を結合する橋かけリガンド、クラウンエーテルリガンド、などがあるが、広い範囲の各種リガンドおよび金属錯体は、F.A.コットン(Cotton)およびG.ウィルキンソン(Wilkinson)『アドバンスド・インオーガニック・ケミストリ(Advanced Inorganic Chemistry)第4版』(ジョン・ワイリー・アンド・ソンズ(John Wiley & Sons)、1980年)に開示されており、
ヘテロポリ酸(ポリオキソメタレートと呼ばれることがある)で、無機金属−酸素クラスタを含む酸であるが;これらの物質については、例えば、M.T.ポープ(Pope)ら、「ポリオキソメタレート・ケミストリ:アン・オールド・フィールド・ウィズ・ニュー・ディメンジョンズ・イン・セブラル・ディスシプリンズ(Polyoxometalate Chemistry:An Old Field with New Dimensions in Several Disciplines)」(アンゲバント・ヘミー・インターナショナル・エディション・イングリッシュ(Angew.Chem.Int.Ed.Engl.)第30巻、p.34、1991年)に説明があるが、ヘテロポリ酸の例を挙げれば、リンタングステン酸、例えば(これらに限定されるわけではない)一般式HPO・12WO・XHO(ここでXは、可変であって、一般的な値としては(これらに限定されるわけではない)12、24など)、ケイタングステン酸、例えば(これらに限定されるわけではない)一般式HSiO・12WO・XHO(ここでXは、可変であって、一般的な値としては(これらに限定されるわけではない)12、24、26など)、リンモリブデン酸、例えば(これらに限定されるわけではない)一般式12MoO・HPO・XHO(ここでXは、可変であって、一般的な値としては(これらに限定されるわけではない)12、24、26など)などがあるが、これらはすべて、単品または混合物として市販されており;さらには、少なくとも2つの次式のクロモゲン部分と化合物を形成することが可能である金属含有部分のどのようなものであってもよい。

「少なくとも2つの次式のクロモゲン部分と化合物を形成することが可能」という用語は、

その金属カチオンまたは金属含有部分が2つまたはそれ以上の

クロモゲン部分と化合物を形成するということを意味する。化合物を形成する、次式のクロモゲン部分と

金属カチオンまたは金属含有部分との間の各種の会合が適していて、そのようなものとしてはイオン性化合物、共有結合性化合物、配位化合物などが挙げられる。
ここでR、R、RおよびRはそれぞれ、他とは独立して、(i)水素原子、(ii)アルキル基(直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、環状、置換、および非置換のアルキル基を含み、そしてここでそのアルキル基には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも1、2、6、8、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iii)アリール基(非置換および置換されたアリール基を含み、そしてここでそのアリール基には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも6、10、または14個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、26、22、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iv)アリールアルキル基(非置換および置換されたアリールアルキル基を含み、ここでそのアリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アリールアルキル基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも7、12、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばベンジルなどであってもよい、または(v)アルキルアリール基(非置換および置換されたアルキルアリール基を含み、ここでそのアルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アルキルアリール基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも7、12、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばトリルなどであってもよい、ここでRとRとが結合して環を形成していてもよく、ここでRとRとが結合して環を形成していてもよく、そしてここでR、R、R、およびRがそれぞれ、中央構造のフェニル環に結合していてもよく、aおよびbはそれぞれ、他とは独立して、整数の0、1、2、または3であり、cは整数の0、1、2、3、または4であり、それぞれR、R、およびRは、他とは独立して、(i)アルキル基(直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、環状、置換、および非置換のアルキル基を含み、そしてここでそのアルキル基には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも1個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、50、30、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(ii)アリール基(非置換および置換されたアリール基を含み、そしてここでそのアリール基には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも6個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iii)アリールアルキル基(非置換および置換されたアリールアルキル基を含み、ここでそのアリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アリールアルキル基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばベンジルなどであってもよい、(iv)アルキルアリール基(非置換および置換されたアルキルアリール基を含み、ここでそのアルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アルキルアリール基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばトリルなどであってもよい、(v)ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、など、(vi)エステル基、(vii)アミド基、(viii)スルホン基、(ix)アミン基またはアンモニウム基、(x)ニトリル基、(xi)ニトロ基、(xii)ヒドロキシ基、(xiii)シアノ基、(xiv)ピリジンまたはピリジニウム基、(xv)エーテル基、(xvi)アルデヒド基、(xvii)ケトン基、(xviii)カルボニル基、(xix)チオカルボニル基、(xx)スルフェート基、(xxi)スルフィド基、(xxii)スルホキシド基、(xxiii)ホスフィンまたはホスホニウム基、(xxiv)ホスフェート基、(xxv)メルカプト基、(xxvi)ニトロソ基、(xxvii)アシル基、(xxviii)酸無水物基、(xxix)アジド基、(xxx)アゾ基、(xxxi)シアナト基、(xxxii)イソシアナト基、(xxxiii)チオシアナト基、(xxxiv)イソチオシアナト基、(xxxv)ウレタン基、または(xxxvi)ウレア基であり、ここでR、R、およびRがそれぞれ、中央構造のフェニル環に結合していてもよく、





または

であり、
、R、およびR10はそれぞれ、他とは独立して、(i)水素原子、(ii)アルキル基(直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、環状、置換、および非置換のアルキル基を含み、そしてここでそのアルキル基には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも1、2、6、8、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iii)アリール基(非置換および置換されたアリール基を含み、そしてここでそのアリール基には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも6、10、または14個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、26、22、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iv)アリールアルキル基(非置換および置換されたアリールアルキル基を含み、ここでそのアリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アリールアルキル基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも7、12、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばベンジルなどであってもよい、または(v)アルキルアリール基(非置換および置換されたアルキルアリール基を含み、ここでそのアルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アルキルアリール基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも7、12、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばトリルなどであってもよいが、ただし、R+R+R+R+R+R+R+R+R+R10の中の炭素原子の数は、各種の実施態様においては、少なくとも16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、または72であり、それぞれのQは、他とは独立して、COOH基またはSOH基であり、それぞれのQは、他とは独立して、COO基またはSO 基であり、dは、整数の1、2、3、4、または5であり、Aはアニオンであるが、好適なアニオンの例を挙げれば(これらに限定されるわけではない)、Cl、Br、I、HSO 、HSO 、SO 2−、SO 2−、CHSO 、CHSO 、NO 、HCOO、CHCOO、HPO 、HPO 2−、SCN、BF 、ClO 、SSO 、PF 、SbCl など、さらにはそれらの混合物があり、そしてCAは水素原子であるかまたは、Q基の内の1つを除く全部と会合するカチオンのいずれかであって、好適なカチオンの例を挙げれば(これらに限定されるわけではない)、アルカリ金属カチオン、例えばLi、Na、K、RbおよびCs、非ポリマ性またはモノマー性アンモニウムおよび4級アミンカチオン、例えば次の一般式のもの、

ここでR21、R22、R23、およびR24は、他とは独立して、(i)水素原子、(ii)アルキル基(直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、環状、置換、および非置換のアルキル基を含み、そしてここでそのアルキル基には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも1、2、6、8、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iii)アリール基(非置換および置換されたアリール基を含み、そしてここでそのアリール基には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも6、10、または14個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、26、22、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iv)アリールアルキル基(非置換および置換されたアリールアルキル基を含み、ここでそのアリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アリールアルキル基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも7、12、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばベンジルなどであってもよい、または(v)アルキルアリール基(非置換および置換されたアルキルアリール基を含み、ここでそのアルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アルキルアリール基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも7、12、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばトリルなどであってもよいが、ここで、R21、R22、R23、およびR24の1つまたは複数が互いに結合して環を形成していてもよく、そしてここで、置換されたアルキル、アリール、アリールアルキル、およびアルキルアリール基の置換基は、(これらに限定されるわけではないが)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミン基、イミン基、アンモニウム基、シアノ基、ピリジン基、ピリジニウム基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルフェート基、スルホネート基、スルホン酸基、スルフィド基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、ホスフェート基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、アシル基、酸無水物基、アジド基、アゾ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、カルボキシレート基、カルボン酸基、ウレタン基、ウレア基、それらの混合物、などであり、ここで2つ以上の置換基が互いに結合して環を形成していてもよく、オリゴマ性またはポリマ性カチオン、例えばカチオン性ポリマまたはオリゴマ、など、それにそれらの混合物が挙げられる。



であるような場合には、
(i)R基の1つがオルト位にあり、カルボン酸ベースのエステル、スルホン酸ベースのエステル、カルボン酸ベースのアミドまたは、スルホン酸ベースのアミドのいずれかであるか、または、(ii)Q基の1つがスルホン酸塩であるか、のいずれかである場合には、クロモゲンは次式であり、




または

ここで、R12、R13、R14、R15、R16、およびR17はそれぞれ、他とは独立して、(i)アルキル基(直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、環状、置換、および非置換のアルキル基を含み、そしてここでそのアルキル基には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも1個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、50、30、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(ii)アリール基(非置換および置換されたアリール基を含み、そしてここでそのアリール基には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも6個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iii)アリールアルキル基(非置換および置換されたアリールアルキル基を含み、ここでそのアリールアルキル基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アリールアルキル基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばベンジルなどであってもよい、または(iv)アルキルアリール基(非置換および置換されたアルキルアリール基を含み、ここでそのアルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アルキルアリール基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、1つの実施態様においては、少なくとも7個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、約55、30、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばトリルなどであってもよいが、ここで、置換されたアルキル、アリール、アリールアルキル、およびアルキルアリール基の置換基は、(これらに限定されるわけではないが)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミン基、イミン基、アンモニウム基、シアノ基、ピリジン基、ピリジニウム基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルフェート基、スルホネート基、スルホン酸基、スルフィド基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、ホスフェート基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、アシル基、酸無水物基、アジド基、アゾ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、カルボキシレート基、カルボン酸基、ウレタン基、ウレア基、それらの混合物、などであり、ここで、2つ以上の置換基が共に結合して環を形成していてもよく、1つの具体的な実施態様においては、(I)(a)cが整数の0、1、2、または3であるか;または(b)dが整数の1、2、3または4であるか;のいずれか、および、(II)(a)R、R、RおよびRの内の3つが水素原子であるか;(b)R、R、RおよびRの内の1つだけが水素原子であるか;(c)RおよびRが2つとも水素原子であるか;(d)RおよびRが2つとも水素原子であるか;(e)RおよびRが2つとも水素原子で、かつRおよびRがそれぞれ、他とは独立して、アルキル基またはアリールアルキル基のいずれかであるか;のいずれかである。
各種の実施態様において、R+R+R+Rの中の炭素原子の数は、少なくとも16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、または72である。
アルキル、アリール、アリールアルキル、およびアルキルアリール基の中にヘテロ原子が含まれていてもよく、またそれらの基は置換されていてもよいことから、理解すべきことは、R、R、R、R、R、R、R、R、R、およびR10は、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、アリールオキシ、ポリアリーレンオキシ、アリールアルキルオキシ、ポリアリールアルキレンオキシ、アルキルアリールオキシ、またはポリアルキルアリーレンオキシ基などのような基であってもよいが、ただし、そのような基の中の酸素原子は下記の中央構造の中の窒素、酸素、または硫黄原子とは直接結合してはならない、ということである。
1〜4の基の1つがシクロアルキルであるような場合の例を挙げれば、

または



および

である。
1〜4基が互いに結合して環を形成しているような場合の例を挙げれば、

または



および

である。
1〜4基の1つが中央構造のフェニル環に結合しているような場合の例を挙げれば、

または





および

である。
本発明の化合物に含まれるクロモゲンがモノカルボン酸またはモノカルボキシレートを含む場合には、

は次式であることができ、


および

ジカルボン酸またはジカルボキシレートを含む場合には、

は次式であることができ、





および

トリカルボン酸およびトリカルボキシレート、テトラカルボン酸およびテトラカルボキシレート、ペンタカルボン酸およびペンタカルボキシレート、モノスルホン酸およびモノスルホネートを含む場合には、

は次式であることができ、


および

ジスルホン酸およびジスルホネートを含む場合には、

は次式であることができ、





および

トリスルホン酸およびトリスルホネート、テトラスルホン酸およびテトラスルホネート、ペンタスルホン酸およびペンタスルホネート、モノカルボン酸モノスルホン酸、およびモノカルボキシレートモノスルホネートを含む場合には、

は次式であることができ、









および

モノカルボン酸ジスルホン酸およびモノカルボキシレートジスルホネート、モノカルボン酸トリスルホン酸およびモノカルボキシレートトリスルホネート、モノカルボン酸テトラスルホン酸およびモノカルボキシレートテトラスルホネート、ジカルボン酸モノスルホン酸およびジカルボキシレートモノスルホネート、ジカルボン酸ジスルホン酸およびジカルボキシレートジスルホネート、ジカルボン酸トリスルホン酸およびジカルボキシレートトリスルホネート、トリカルボン酸モノスルホン酸およびトリカルボキシレートモノスルホネート、トリカルボン酸ジスルホン酸およびトリカルボキシレートジスルホネート、テトラカルボン酸モノスルホン酸およびテトラカルボキシレートモノスルホネート、などが含まれる。さらに、本発明による化合物では、1つまたは複数の酸基(すなわち、COOHまたはSOH)と1つ又は複数のアニオン性塩の基(すなわち、COOまたはSO )の両方を分子の中に有することも可能である。
本発明による着色剤化合物がローダミンを含む場合には、



であって、そのクロモゲンは次の一般式となり、

アクリジンを含む場合には、



であって、そのクロモゲンは次の一般式となり、

スルホローダミンを含む場合には、



であって、そのクロモゲンは次の一般式となり、

アントラセンを含む場合には、



であって、そのクロモゲンは次の一般式となる、

などが挙げられる。
具体的な実施態様においては、アニオンAは、式A−R11−Aの有機ジアニオンであってもよく、ここでAおよびAはそれぞれ、他とは独立して、アニオン基、例えばカルボキシレート、スルホネートなどであり、また、ここでR11は、(i)アルキレン基(直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、環状、置換、および非置換のアルキレン基を含み、そしてここでそのアルキレン基には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも1、2、6、8、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(ii)アリーレン基(非置換および置換されたアリーレン基を含み、そしてここでそのアリーレン基には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも6、10、または14個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、26、22、または18個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい、(iii)アリールアルキレン基(非置換および置換されたアリールアルキレン基を含み、ここでそのアリールアルキレン基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アリールアルキレン基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも7、12、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばベンジルなどであってもよい、または(iv)アルキルアリーレン基(非置換および置換されたアルキルアリーレン基を含み、ここでそのアルキルアリーレン基のアルキル部分は、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および/または環状であってよく、そしてここで、アルキルアリーレン基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方には、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなどが存在していても、存在していなくてもよい)であって、各種の実施態様においては、少なくとも7、12、または18個の炭素原子を有し、そして各種の実施態様においては、55、30、または20個を超えない炭素原子を有するが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよく、例えばトリルなどであってもよく、そしてここで、置換されたアルキレン、アリーレン、アリールアルキレン、およびアルキルアリーレン基の置換基は、(これらに限定されるわけではないが)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミン基、イミン基、アンモニウム基、シアノ基、ピリジン基、ピリジニウム基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルフェート基、スルホネート基、スルホン酸基、スルフィド基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、ホスフェート基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、アシル基、酸無水物基、アジド基、アゾ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、カルボキシレート基、カルボン酸基、ウレタン基、ウレア基、それらの混合物、などであり、ここで、2つ以上の置換基が共に結合して環を形成していてもよい。好適な有機ジアニオンの例としては、非置換および置換ナフタレンジスルホネート、非置換および置換ベンゼンジスルホネートなど、およびそれらの混合物を挙げることができる。
また別の具体的な実施態様においては、アニオンAは、有機トリアニオン、テトラアニオンおよびより大きなオリゴマ性アニオンおよびポリマ性アニオン、例えばポリスルホネートまたはポリカルボキシレート、などであってもよい。
1つの具体的な実施態様においては、本発明による化合物のためのクロモゲンは次式のものである。
ここで理解されるべきは、次式のクロモゲンにおいては、

正の電荷が局在化されていること、およびその他の互変異性構造も例えば次式のように(これらに限定されるわけではないが)描くことができるということである。




など。これら着色剤のすべて可能な互変異性の形が、上記の式に中に包含されていることは、理解されたい。
1つの具体的な実施態様においては、本発明の化合物は、次の一般式のものであり、

ここでMは、金属カチオン、yは金属カチオンの電荷を表す整数であって、少なくとも2であり、Aはアニオンであり、そしてxはそのアニオンの上の電荷を表す整数である。
本発明の着色剤化合物は、各種の所望の、あるいは効果的な手段によって調製することができる。初めに、クロモゲンの調製について説明する。「クロモゲン」という用語は次式

の金属化合物の成分を意味し、これを後に金属カチオンまたは金属含有部分と反応させて、本発明の着色剤を形成させる。
例えば、ジハロフルオレセイン、例えばジクロロフルオレセインなどを、所望のR、R、RおよびR基を有する1種または複数のアミン、任意成分のハロゲン化亜鉛、例えば塩化亜鉛など、および任意成分の非求核性塩基、例えば酸化カルシウム、酸化亜鉛などと、混合することができ、その場合、ニートでもよいし、あるいは場合によっては、溶媒の存在下であってもよい。
このアミンとジハロフルオレセインとは、各種の所望の、あるいは効果的な相対量で存在させ、各種の実施態様においては、1モルのジハロフルオレセインあたり、少なくとも0.9、0.95、または1モルの塩基、そして各種の実施態様においては、1モルのジハロフルオレセインあたり、20、10、または2モルを超えない塩基とするが、ただし、相対量がこれらの範囲の外側であってもよい。
ジクロロフルオレセインは、例えば、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee、WI)のアルドリッチ・ケミカル・カンパニ(Aldrich Chemical Co.)などから、商品として入手可能である。ジハロフルオレセインはまた、フルオレセインとPXとを反応させることによっても調製することが可能であるが、ここでXはフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であり、あるいは、トルエンスルホニルハライド、例えばトルエンスルホニルクロリドなどと反応させてもよい。
任意成分としてハロゲン化亜鉛を使用する場合には、ジハロフルオレセインとハロゲン化亜鉛は、各種の所望の、あるいは効果的な相対量で存在させ、各種の実施態様においては、1モルのジハロフルオレセインあたり、少なくとも2、2.5、または3モルのハロゲン化亜鉛、そして各種の実施態様においては、1モルのジハロフルオレセインあたり、5、4.5、または4モルを超えないハロゲン化亜鉛とするが、ただし、相対量がこれらの範囲の外側であってもよい。
任意成分として塩基を使用する場合には、塩基は、各種の所望の、あるいは効果的な量で存在させ、各種の実施態様においては、1モルのジハロフルオレセインあたり、少なくとも2、2.5、または3当量の塩基、そして各種の実施態様においては、1モルのジハロフルオレセインあたり、10、5、または3.2当量を超えない塩基とするが、ただし、相対量がこれらの範囲の外側であってもよい。
所望により、この反応はニート、すなわち無溶媒で実施することができる。さらに、所望によっては、この反応を、任意成分の溶媒の存在下で実施することもできる。好適な溶媒の例を挙げれば、テトラメチレンスルホン(スルホラン)、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、オクタノールなど、さらにはそれらの混合物などがある。その任意成分の溶媒を使用する場合には、各種の所望の、あるいは効果的な量で存在させるが、各種の実施態様においては、ジハロフルオレセインの0.1、0.3、または0.35モルあたり少なくとも1リットル、そして各種の実施態様においては、ジハロフルオレセインの2、1.5、または1モルあたり1リットルを超えない量とするが、ただし、相対量がこれらの範囲の外側であってもよい。
次いでこの、ジハロフルオレセイン、アミン、任意成分のハロゲン化亜鉛、任意成分の塩基、および任意成分の溶媒の混合物を、各種効果的な温度にまで加熱するが、各種の実施態様においては、少なくとも62℃、150℃、または190℃、そして各種の実施態様においては、280℃、220℃、または200℃を超えない温度とするが、ただし、温度がこれらの範囲の外側であってもよい。
この、ジハロフルオレセイン、アミン、任意成分のハロゲン化亜鉛、任意成分の塩基、および任意成分の溶媒の混合物を、各種効果的な時間をかけて加熱するが、各種の実施態様においては少なくとも5分、2時間または3時間、そして各種の実施態様においては4日、60時間、または40時間を超えない時間とするが、ただし、時間がこれらの範囲の外側であってもよい。
所望により、得られた生成物を精製するために、その中に生成物は溶解または混和可能であるが、望ましくない副生物の塩は溶解させないような有機の非水溶性および非水混和性の溶媒、例えばメチルイソブチルケトン、トルエン、ヘキサン、ヘプタンなどの中に生成物を投入し、次いで、その生成物を含んだ溶媒を分液ロート中で水と混合し、水相と有機相に分離させることも可能である。
必要があれば、次いでその粗生成物を、水性EDTAを用いて洗浄して金属塩を除去し、次いで水で洗浄することによって、さらに精製することも可能である。所望により、滴定またはその他の機器分析方法、例えばAA(atomic absorption、原子吸光)やICP(inductively coupled plasma、誘導結合プラズマ)を用いて、金属塩が完全に除去されているかどうかを調べることもできる。こうして精製した生成物は、蒸留によって溶媒を除去することによって単離することも可能である。
本発明の着色剤の環の上に、各種の置換基を置換するには、各種所望の、あるいは効果的な方法を用いることができるが、そのような方法については、例えば、米国特許第5,847,162号明細書および米国特許第1,991,482号明細書などに開示されている。
反応剤として例えば長鎖アミンを選択することによって、中央の構造の上にさらに多くの炭素原子を置換することも可能である。そのような化合物の例をあげれば(これらに限定されるわけではない)、次式のようなものがあるが、




および

ここでY、R、R、R、およびRは、先に挙げた定義と同じであり、Gは次のいずれかであり、

または

そして(1)Rは、式−C2n+1(ここでnは少なくとも12)の直鎖状のアルキル基、(2)Rは、式−C2n+1(ここでnは少なくとも12)の分岐状のアルキル基、(3)Rは式−(CH−O−C2n+1(ここでnは少なくとも11)のエーテル基、などであるが、さらには、それらが開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形およびそれらの双生イオンの形である。
中央構造の上にさらに多くの数の炭素原子を置換する方法としては、例えば、最初に対応するアルコールを設けておいて、次いでそれらのアルコールを、例えば炭素原子数の多い酸と反応させてエステルにしたり、炭素原子数の多いイソシアネートと反応させてウレタンにしたりすることなども可能であるし、あるいは、最初に対応するアミンを設けておいて、次いでそれらのアミンを、例えば炭素原子数の多いイソシアネートと反応させて、ウレアとすることもできる。そのような化合物の例をあげれば(これらに限定されるわけではない)、次式のようなものがあるが、




および

ここでY、R、R、R、およびRは、先に挙げた定義と同じであり、Gは次のいずれかであり、

または

そして(1)Rが次式の基、

(nは少なくとも12)、
(2)Rが次式の基、

(nは少なくとも12)、
(3)Rが次式の基、

(nは少なくとも12)、
(4)Rが次式の基、

(nは少なくとも12)、
(5)Rが次式の基、

(nは少なくとも12)、
(6)Rが次式の基、

(nは少なくとも12)、
(7)同一の窒素原子の上に2つのR基が、その窒素原子と共になって作る次式の基、

(nは少なくとも12)、
(8)同一の窒素原子の上に2つのR基が、その窒素原子と共になって作る次式の基、

(nは少なくとも12)、
(9)同一の窒素原子の上に2つのR基が、その窒素原子と共になって作る次式の基、

(nは少なくとも12)、などであるが、さらには、それらが開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形およびそれらの双生イオンの形である。
そのような化合物のいくつかの具体的な例を挙げてみると、
(a)次式の化合物、


および

(Aはアニオン、nは少なくとも11)、
(b)次式の化合物、


および

(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(c)次式の化合物、


および

(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(d)次式の化合物、


および

(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(e)次式の化合物、


および

(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(f)次式の化合物、


および

(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(g)次式の化合物、


および

(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(h)次式の化合物、


および

(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(i)次式の化合物、


および

(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(j)次式の化合物、


および

(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(k)次式の化合物、


および

(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(l)次式の化合物、


および

(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(m)次式の化合物、


および

(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(n)次式の化合物、


および

(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(o)次式の化合物、


および

(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
(p)次式の化合物、


および

(Aはアニオン、nは少なくとも12)、
などがある。
次いでそのクロモゲンを、場合によっては、アセトン、トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶媒の存在下に、適切な金属塩とともに混合することによって、金属化合物着色剤の中に組み込むことができる。
好適な金属については、先に説明した。好適な塩は、所望の金属と、所望のまたは効果的なアニオン、例えば(これらに限定されるわけではない)F、Cl、Br、I、SCN、CFSO 、[C10(SO2−、CH−C−SO 、PF 、ClO 、NO−C−SO 、NH−C−SO 、SCN、ドデシルベンゼンスルホネート、などとから形成させることができる。
クロモゲンと金属塩とは、いかなる所望のまたは効果的な相対量で存在させてもよいが、一般には、金属塩1モルに対して少なくとも約2モルのクロモゲンとし、クロモゲンの金属または金属含有部分に対する比率を高くしたい場合には、それよりも多くしてもよいが、この相対量がこれらの範囲の外側であってもよい。
その任意成分の溶媒を使用する場合には、各種の所望のまたは効果的な量で存在させるが、各種の実施態様において、クロモゲン0.01、0.04または0.08モルあたり少なくとも1リットル、かつ各種の実施態様において、クロモゲン0.5モル、0.1または0.09モルあたり1リットルを超えないような量とするが、ただし、相対量がこれらの範囲の外側であってもよい。
クロモゲンと金属塩とは、所望のまたは効果的な反応時間で反応させるが、各種の実施態様において、少なくとも0.5、8、または12時間で、かつ各種の実施態様において、約96、48または24時間を超えない時間とするが、ただし、時間がこれらの範囲の外側であってもよい。
クロモゲンと金属塩とは、所望のまたは効果的な反応温度で反応させるが、各種の実施態様において、少なくとも約25℃、55℃、または100℃で、各種の実施態様において、190℃、150℃、または110℃を超えない温度とするが、ただし、温度がこれらの範囲の外側であってもよい。任意成分の溶媒を使用する場合、一般にはより低温で実施するが、それに対して、ニートで反応させる場合には、温度を充分に高くして、クロモゲンを溶融させる。
次いで得られた生成物を、各種の所望のまたは効果的な方法によって単離するが、そのような方法としては例えば、溶媒の留去、反応混合物の冷却(生成物が高温では溶媒に溶解するが、温度を下げると溶媒に不溶となるような場合)、などがある。
本発明のまた別な実施態様が目的としているのは、次の反応の生成物を含む化合物であって、(a)は次式のクロモゲン

であり、(b)は金属塩であって、その金属部分が、(1)正の電荷+yを有する金属イオンであって(ここでyは整数であって、少なくとも2)、前記金属イオンは、少なくとも2つの次式の部分と化合物を形成することが可能である金属イオンであるか、

または、(2)少なくとも2つの次式の部分と化合物を形成することが可能である金属含有部分であるか、のいずれかの金属塩である。
いかなる特定の理論にも捕らわれることなく言えば、本発明の少なくともいくつかの実施態様において、また、少なくともいくつかの金属カチオンまたは金属含有部分では、配位錯体が形成されると考えられる。例えば、Qがカルボキシレートアニオン、dが1で、その金属が4つのリガンドと配位することが可能ならば、本発明による金属着色剤化合物は、次式となり、

ここで、矢印で示した結合は、カルボニル基の上の電子の孤立電子対と金属との間の配位結合を表している。例えば、Mが平面正方形配位錯体を形成する金属である場合には、その金属着色剤化合物は、次式の構造をとることができる。

Mが四面体配位錯体を形成する金属である場合には、その金属着色剤化合物は、次式の構造をとることができる。

がカルボキシレートアニオン、dが1で、その金属が6つのリガンドと配意することが可能で、八面体配位錯体を作るのならば、その金属着色剤化合物は次式の構造をとることができる。

スルホネートアニオンも、カルボキシレートアニオンによって形成される錯体と類似の錯体を形成すると考えられる。
本発明の相変化インクには、相変化キャリヤシステムまたは組成物を含む。この相変化キャリヤ組成物は典型的には、直接的な印刷方式、または間接的もしくはオフセット印刷転写システムのいずれにおいても使用できるよう、設計される。
所望のまたは効果的なキャリヤ組成物であれば、どのようなものでも使用することができる。好適なインクキャリヤ原料の例を挙げれば、脂肪酸アミド、例えば、モノアミド、テトラアミド、およびそれらの混合物などがある。好適な脂肪酸アミドインクキャリヤ原料の具体的な例としては、ステアリルステアラミド、ダイマ酸(dimer acid)とエチレンジアミンとステアリン酸との反応生成物であるダイマ酸ベースのテトラアミド、ダイマ酸とエチレンジアミンと少なくとも36個の炭素原子を有するカルボン酸との反応生成物であるダイマ酸ベースのテトラアミドなど、およびそれらの混合物を挙げることができる。脂肪酸アミドインクキャリヤが、ダイマ酸とエチレンジアミンと少なくとも36個の炭素原子を有するカルボン酸との反応生成物であるダイマ酸ベースのテトラアミドである場合には、そのカルボン酸は次の一般式のものであるが、

ここでRは、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、および環状アルキル基を含む、アルキル基であって、前記アルキル基は、各種の実施態様においいて、少なくとも36個または40個の炭素原子を有しており、前記アルキル基は各種の実施態様において、200、150、または100個を超えない炭素原子を有しているが、ただし、炭素原子の数はこれらの範囲の外側であってもよい。この式で表されるカルボン酸は、市販もされているし、あるいは米国特許第6,174,937号明細書の実施例1の記載に従って調製することも可能である。脂肪酸アミドキャリヤ原料についてのさらなる情報は、その他にも例えば、米国特許第4,889,560号明細書、同第4,889,761号明細書、同第5,194,638号明細書、同第4,830,671号明細書、同第6,174,937号明細書、同第5,372,852号明細書、同第5,597,856号明細書、同第6,174,937号明細書および英国特許第2 238 792号明細書などに開示されている。
相変化インクキャリヤ原料として好ましいものとしてはさらにイソシアネートから誘導された樹脂およびワックスがあるが、例えばウレタンの形にイソシアネートから誘導された原料、ウレアの形にイソシアネートから誘導された原料、ウレタン/ウレアの形にイソシアネートから誘導された原料、それらの混合物などが挙げられる。イソシアネートから誘導されたキャリヤ原料についてのさらなる情報は、例えば、米国特許第5,750,604号明細書、同第5,780,528号明細書、同第5,782,966号明細書、同第5,783,658号明細書、同第5,827,918号明細書、同第5,830,942号明細書、同第5,919,839号明細書、同第6,255,432号明細書、および同第6,309,453号明細書、英国特許第2 294 939号明細書、同第2 305 928号明細書、同第2 305 670号明細書、および同第2 290 793号明細書、国際公開第94/14902号パンフレット、同第97/12003号パンフレット、同第97/13816号パンフレット、同第96/14364号パンフレット、同第97/33943号パンフレット、および同第95/04760号パンフレットなどに開示されている。
脂肪酸アミド原料とイソシアネートから誘導された原料とを混合したものもまた、本発明のインクのためのキャリヤ組成物として使用することができる。
本発明のための好適な相変化インクキャリヤ原料をさらに挙げれば、パラフィン、ミクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エステルワックス、アミドワックス、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アミドその他のワックス状原料、スルホンアミド原料、樹脂状原料で例えば各種天然由来のもの(例えば、トール油ロジンおよびロジンエステル)および各種の合成樹脂、オリゴマ、ポリマおよびコポリマ、例えばエチレン/酢酸ビニルコポリマ、エチレン/アクリル酸コポリマ、エチレン/酢酸ビニル/アクリル酸コポリマ、アクリル酸とポリアミドとのコポリマなど、アイオノマなど、さらにはそれらの混合物などがある。これらの原料の1種または複数を、脂肪酸アミド原料および/またはイソシアネートから誘導された原料と混合して使用することも可能である。
1つの具体的な実施態様においては、相変化インクキャリヤに含まれるのは、以下の(a)ポリエチレンワックスであって、インク中での含量は、各種の実施態様においては、インクの少なくとも25、30、または37重量パーセント、そして各種の実施態様においては、インクの60、53、または48重量パーセントを超えない量であるが、ただし、含量がこれらの範囲の外側であってもよく;(b)ステアリルステアラミドワックスであって、インク中での含量は、各種の実施態様においては、インクの少なくとも8、10、または12重量パーセント、そして各種の実施態様においては、インクの32、28、または25重量パーセントを超えない量であるが、ただし、含量がこれらの範囲の外側であってもよく;(c)ダイマ酸、エチレンジアミン、および36個よりも多くの炭素原子を有する長鎖炭化水素の反応生成物で、末端がカルボン酸基である、ダイマ酸ベースのテトラアミドであって、インク中での含量は、各種の実施態様においては、インクの少なくとも10、13、または16重量パーセント、そして各種の実施態様においては、インクの32、27、または22重量パーセントを超えない量であるが、ただし、含量がこれらの範囲の外側であってもよく;(d)2当量のヒドロアビエチルアルコールと1当量のイソホロンジイソシアネートとの反応によって誘導されるウレタン樹脂であって、インク中での含量は、各種の実施態様においては、インクの少なくとも6、8、または10重量パーセント、そして各種の実施態様においては、インクの16、14、または12重量パーセントを超えない量であるが、ただし、含量がこれらの範囲の外側であってもよく;(e)3当量のステアリルイソシアネートとグリセロールベースのプロポキシレートアルコールのアダクトであるウレタン樹脂であって、インク中での含量は、各種の実施態様においては、インクの少なくとも2、3、または4.5重量パーセント、そして各種の実施態様においては、インクの13、10、または7.5重量パーセントを超えない量であるが、ただし、含量がこれらの範囲の外側であってもよく;そして(f)抗酸化剤であって、インク中での含量は、各種の実施態様においては、インクの少なくとも0.01、0.05、または0.1重量パーセント、そして各種の実施態様においては、インクの1、0.5、または0.3重量パーセントを超えない量であるが、ただし、含量がこれらの範囲の外側であってもよい;ものである。
本発明の相変化インク中に存在させるインクキャリヤは、どのような所望のまたは効果的な量であってもよく、各種の実施態様においては、インクの少なくとも0.1、50、または90重量パーセント、そして各種の実施態様においては、インクの99、98、または95重量パーセントを超えない量であるが、ただし、含量がこれらの範囲の外側であってもよい。
本発明の相変化インクには次式の着色剤化合物を含む。
この着色剤のインク中での含量は、所望の着色または色相が得られるならば、どのような所望のまたは効果的な量であってもよく、各種の実施態様においては、インクの少なくとも0.1、0.5、1、2、または3重量パーセント、そして各種の実施態様においては、インクの20、13、または6重量パーセントを超えない量であるが、ただし、含量がこれらの範囲の外側であってもよい。本発明による着色剤は、インク中に単一の着色剤で存在させてもよいし、あるいは、他の着色剤、例えば染料、顔料、それらの混合物などと組み合わせて存在させてもよい。
1つの具体的な実施態様においては、本発明のインクには、本発明による着色剤に加えてアントラキノン着色剤を含む。好適なアントラキノン着色剤の例としては、ソルベントレッド172が挙げられるが、このものは例えば、米国特許第6,395,078号明細書および同第6,422,695号明細書などに開示されている着色剤である。1つの具体的な実施態様においては、このアントラキノン着色剤は、実施例XVIIの第1部〜第5部に記載のようにして調製されるものである。このアントラキノン着色剤の本発明のインク中での含量は、所望の着色、色相やその他の特性が得られるならば、どのような所望のまたは効果的な量であってもよく、各種の実施態様においては、インクの少なくとも1、2、または3重量パーセント、そして各種の実施態様においては、インクの20、13、または6重量パーセントを超えない量であるが、ただし、含量がこれらの範囲の外側であってもよい。
具体的な実施態様において、本発明のインクにはさらに、着色剤上のカルボン酸および/またはスルホン酸および/またはカルボキシレートおよび/またはスルホネート基のKの値よりも大きなK値を有する酸を含む。好適な酸の具体的な例を挙げれば、有機スルホン酸、例えばパラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などのアルキルベンゼンスルホン酸、およびp−トルエンスルホン酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、メチルスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、臭化水素酸など、ならびにそれらの混合物などがある。この酸は、所望のまたは効果的な量で存在させればよく、各種の実施態様においては、本発明による着色剤の少なくとも2または5重量パーセント、そして各種の実施態様においては、本発明による着色剤の100または30重量パーセントを超えない量であるが、ただし、酸の含量がこれらの範囲の外側であってもよい。
さらに本発明のインクには、場合によっては、抗酸化剤を含んでいてもよい。このインク組成物の任意成分である抗酸化剤は、画像が酸化されるのを防ぐと共に、インクの調製時に加熱を受ける工程においてインク成分が酸化されることも防ぐ。好適な抗酸化剤の例としては、ナウガード(NAUGUARD、登録商標)524、ナウガード(NAUGUARD、登録商標)76、およびナウガード(NAUGUARD、登録商標)512、イルガノックス(IRGANOX、登録商標)1010などを挙げることができる。任意成分である抗酸化剤を使用する場合には、それをインクの中にどのような所望のまたは効果的な量で存在させてもよい。各種の実施態様においては、インクの少なくとも0.01、0.1、または1重量パーセント、そして各種の実施態様においては、インクの20、5、または3重量パーセントを超えない量であるが、ただし、含量がこれらの範囲の外側であってもよい。
さらに本発明のインクには、場合によっては、粘度調節剤を含んでいてもよい。好適な粘度調節剤の例としては、脂肪族ケトン、例えばステアロンなどを挙げることができる。任意成分である粘度調節剤を使用する場合には、それをインクの中にどのような所望のまたは効果的な量で存在させてもよい。各種の実施態様においては、インクの少なくとも0.1、1、または10重量パーセント、そして各種の実施態様においては、インクの99、30、または15重量パーセントを超えない量であるが、ただし、含量がこれらの範囲の外側であってもよい。
インクへのその他の任意成分の添加剤として含まれるものとしては、透明化剤、例えばユニオン・カンプ(UNION CAMP、登録商標)X37−523−235などで、各種の実施態様においては、インクの少なくとも0.01、0.1、または5重量パーセント、そして各種の実施態様においては、インクの98、50、または10重量パーセントを超えない量であるが、ただし、含量がこれらの範囲の外側であってもよく;粘着付与剤、例えばフォラール(FORAL、登録商標)85、水素化アビエチン(ロジン)酸のグリセロールエステル、フォラール(FORAL、登録商標)105、ヒドロアビエチン(ロジン)酸のペンタエリスリトールエステル、セロリン(CELLOLYN、登録商標)21、フタル酸のヒドロアビエチン(ロジン)アルコールエステル、アラカワ(ARAKAWA)KE−311樹脂、水素化アビエチン(ロジン)酸のトリグリセリド、合成ポリテルペン樹脂例えばネブタック(NEVTAC、登録商標)2300、ネブタック(NEVTAC、登録商標)100、およびネブタック(NEVTAC、登録商標)80、ウィングタック(WINGTACK、登録商標)86、変性合成ポリテルペン樹脂、などで、各種の実施態様においては、インクの少なくとも0.1、5、または10重量パーセント、そして各種の実施態様においては、インクの98、75、または50重量パーセントを超えない量であるが、ただし、含量がこれらの範囲の外側であってもよく;粘着剤、例えばバーサミド(VERSAMID、登録商標)757、759、または744で、各種の実施態様においては、インクの少なくとも0.1、1、または5重量パーセント、そして各種の実施態様においては、インクの98、50、または10重量パーセントを超えない量であるが、ただし、含量がこれらの範囲の外側であってもよく;可塑剤、例えばユニプレックス(UNIPLEX、登録商標)250、サンティサイザ(SANTICIZER、登録商標)の商品名のフタレートエステル可塑剤、例えばフタル酸ジオクチル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸アルキルベンジル(サンティサイザ(SANTICIZER、登録商標)278)、リン酸トリフェニル、KP−140(登録商標)、リン酸トリブトキシエチル、モルフレックス(MORFLEX、登録商標)150、フタル酸ジシクロヘキシル、トリメリット酸トリオクチル、などで、各種の実施態様においては、インクの少なくとも0.1、1、または2量パーセント、そして各種の実施態様においては、インクの50、30、または10重量パーセントを超えない量であるが、ただし、含量がこれらの範囲の外側であってもよい;などがある。
本発明のインク組成物は、各種の実施態様においては、50℃、70℃、または80℃より低くない融点を有し、そして各種の実施態様においては、160℃、140℃、または100℃より高くない融点を有しているが、ただし、融点がこれらの範囲の外側であってもよい。
本発明のインク組成物は一般に、各種の実施態様においては、75℃、100℃、または120℃より低くはなく、そして各種の実施態様においては、180℃または150℃より高くはない吐出温度(ただし、温度がこれらの範囲の外側であってもよい)における溶融粘度が、各種の実施態様においては、30、20、または15センチポアズより高くはなく、そして各種の実施態様においては、2、5、または7センチポアズよりは低くはないが、ただし、溶融粘度がこれらの範囲の外側であってもよい。
本発明のインク組成物は、各種所望のまたは好適な方法によって調製することができる。例えば、インク成分を互いに混合してから、1つの実施態様においては少なくとも100℃、そして1つの実施態様においては140℃を超えることのない温度(温度がこれらの範囲の外側であってもよい)に加熱し、均一なインク組成物が得られるまで攪拌し、次いで冷却してインクを周囲温度(典型的には20〜25℃)とすることができる。本発明のインクは、周囲温度では固体である。具体的な実施態様においては、この製造過程において、溶融状態にあるインクを型の中に注入してから冷却することによって、固化させてインクスティックを形成させる。
本発明のインクは、直接印刷するインクジェット法のための装置で使用することもできるし、また間接的な(オフセット)印刷用のインクジェット用途に使用することもできる。本発明のまた別の実施態様では、本発明のインクをインクジェット印刷装置の中に組み入れる工程と、インクを溶融させる工程と、そして、その溶融させたインクの液滴を吐出させて、記録基材の上に像様パターンを形成させる工程と、を含むプロセスを目的とする。直接印刷する方法は、例えば、米国特許第5,195,430号明細書にも開示されている。本発明のまた別な実施態様では、本発明のインクをインクジェット印刷装置の中に組み込む工程と、インクを溶融させる工程と、その溶融させたインクの液滴を吐出させて、中間転写部材の上に像様パターンを形成させる工程と、そして、その中間転写部材から最終の記録基材の上に、前記像様パターンでインクを転写する工程と、を含むプロセスを目的としている。具体的な実施態様においては、前記の中間転写部材を最終の記録シートの温度よりは高く、そして、その印刷装置内の溶融したインクの温度よりは低い温度に加熱する。オフセットまたは間接的な印刷方法については、例えば、米国特許第5,389,958号明細書などにも開示されている。1つの具体的な実施態様においては、その印刷装置に圧電印刷法を採用し、その場合には、圧電振動素子の振動によって、インクの液滴を吐出させて像様パターンを形成させる。本発明のインクは、その他のホットメルト印刷方法に使用することも可能で、そのような方法としては例えば、ホットメルト音響インクジェット印刷、ホットメルトサーマルインクジェット印刷、ホットメルト連続流または偏向インクジェット印刷などが挙げられる。本発明の相変化インクを、ホットメルトインクジェット印刷方法以外の印刷方法において使用することも可能である。
どのような適当な基材または記録シートを使用することもできるが、例えば、ゼロックス(XEROX、登録商標)4024用紙のような普通紙、ゼロックス(XEROX、登録商標)イメージシリーズ(Image Series)用紙、コートランド(Coatland)4024DP用紙、罫線入りノート用紙、ボンド紙、シリカコート紙例えばシャープ(株)のシリカコート紙、十条用紙、ハンマミル・レーザプリント(HAMMERMILL LASERPRINT、登録商標)用紙など、透明材料、繊維、織物製品、プラスチック、ポリマフィルム、無機基材例えば金属や木材などが挙げられる。
(実施例IA)
[ジクロロフルオレセインの合成]
還流コンデンサを備えた1リットルの丸底フラスコの中で、650ミリリットルのクロロベンゼン中のフルオレセイン(100グラム、0.331モル)とPCl(128.5グラム、0.62モル)との混合物を攪拌しながら加熱して、140℃とした。6時間加熱してから、還流コンデンサを蒸留装置に取り替えて、反応により生成したPOClと、クロロベンゼンを留去した。POClとクロロベンゼンが全部留去できたら、300グラムのN−メチルピロリジノンを添加し、次いで得られた混合物を加熱して100℃とし、攪拌しながら粗製ジクロロフルオレセインを完全に溶解させた。次いでこの溶液を、1リットルの脱イオン水を入れた4リットルのビーカ中に注いだ。淡褐色の固形物が沈降するので、フィルタの上にそれを集め、真空加熱器の中で乾燥させた。最終的に得られた淡褐色の固形物は、IR、NMRおよびTLCにおいて、市販のジクロロフルオレセインと一致した。
また別の合成方法を使用することも可能である。例えば、DMF溶媒を使用したワンポット法を使用することもできるが、その場合には、中間生成物のPOClを留去することはせず、メタノールと反応させて除去するが、メタノールによってもジクロロフルオレセインが白色固形物として沈殿する。PClに代えて、反応性と腐食性がより低い塩素処理剤にトルエンスルホニルクロリドを使用する方法も用いることができる。
(実施例IB)
[テトラステアリル着色剤の合成]
1リットルの丸底フラスコ中で、650ミリリットルのテトラメチレンスルホンに加えたジクロロフルオレセイン(105グラム、0.284モル、上で調製したもの)、酸化カルシウム(24グラム、0.62モル)、ZnCl(116グラム、0.85モル)、およびジステアリルアミン(288グラム、0.585モル;アルメーン(ARMEEN)2HT)の混合物を、攪拌しながら加熱して190℃とした。加熱を10時間続けた後、濃いマゼンタ色の混合物を120℃まで冷却し、それを2.5リットルのメチルイソブチルケトン(MIBK)の中に投入し、攪拌して全部を溶解させた。
(実施例IC)
[テトラステアリル着色剤の精製]
次いで、粗製テトラステアリル着色剤のMIBK溶液を、4リットルの分液ロートへ移した。次いで、EDTA水溶液による洗浄を3回実施して(それぞれの洗浄で、EDTA四ナトリウム塩50グラムを1、000ミリリットルの水に溶解させたものを使用)、粗製反応生成物中の亜鉛およビーカルシウム塩をすべて除去した。生成物はMIBKに溶解して上側の相に残り、それに対して水とEDTAでキレート化された金属廃棄物が下側相にあるので、それを廃棄した。次いで、脱イオン水による洗浄を2回行った(各回、1リットル)。この時点では、そのMIBK溶液はマゼンタ色が消えて、わずかにオレンジ色〜赤色になっていた。この時点で鮮やかなマゼンタ色をしていないということは、着色剤が閉環したかまたは遊離塩基の形となっていることを示しており、それは下記の化学式になっているものと考えられる。
(実施例ID)
[テトラステアリル着色剤の単離]
次いで、その閉環した、精製テトラステアリル着色剤のMIBK溶液を、蒸留装置を備えた2リットルの丸底フラスコに移した。MIBKと残存していた水を留去し、生成物である加熱時にはわずかに粘稠性のワックスを、容器に移して放置固化させた。室温にまで冷却すると、このワックスは濃い赤色で、いくぶん硬めのワックスとなった。
(実施例IE)
[テトラステアリル着色剤のプロトン化]
次いで、実施例IDで調製した、固形物の、閉環した、精製テトラステアリル着色剤250グラムを、1リットルのビーカに移し、500ミリリットルのMIBKを加えて、かき混ぜながら固形物を溶解させた。化学量論量のドデシルベンゼンスルホン酸をこの溶液に添加して、1時間攪拌した。酸の添加により、濃いマゼンタ色相が観察された。次いでこの溶液を蒸留装置に移して、MIBKを留去した。次いで、この溶融した、開環したワックス状の着色剤を、アルミニウム製の缶(aluminum tin)に移し、室温になるまで放冷した。この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、

ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
ドデシルベンゼンスルホン酸に代えて、以下の酸を用いてこの方法を何回か繰り返した:p−トルエンスルホン酸;塩酸;トリフルオロ酢酸;メチルスルホン酸;トリフルオロメチルスルホン酸;および臭化水素酸。いずれの場合においても、同様の結果が観察された。
(実施例IF)
[亜鉛テトラステアリル着色剤の合成]
テフロン(TEFLON、登録商標)コーティングしたマグネットを入れ、シリコーン油浴に浸けた1リットルの3つ口丸底フラスコの中に、229グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲンと200グラムのMIBKを加えた。その混合物を加熱して、還流させた。次いで、12.2グラムのZnCl(ウィスコンシン州ミルウォーキ(Milwaukee、WI)のアルドリッチ・ケミカル・カンパニ(Aldrich Chemical Co.)から入手)を、テトラステアリルクロモゲン1モル当たり、化学量論量である2モルの塩化亜鉛の量で添加した。その溶液を約18時間攪拌した。次いで、MIBKを留去した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであるが、これは次式の配位化合物と考えられる。
(実施例IIB)
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、ウィスコンシン州ミルウォーキ(Milwaukee、WI)のアルドリッチ・ケミカル・カンパニ(Aldrich Chemical Co.)から入手した、ジオクチルアミン(NH((CHCHを、ジステアリルアミンに代えて使用した。ジオクチルアミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、ジオクチルアミンが1.95モルになるような量で存在させた。
(実施例IIC)
実施例IIBで得られた生成物を使用して、実施例ICの方法を繰り返した。精製により得られた生成物は次式のものであると考えられる。

この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、

ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
(実施例IID)
実施例IICで得られた生成物を使用して、実施例IDの方法を繰り返した。
(実施例IIIB)
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、2.05モルのステアリルアミンを使用して反応させた。
(実施例IIIC)
実施例IIIBで得られた生成物を使用して、実施例ICの方法を繰り返した。精製により得られた生成物は次式のものであると考えられる。

この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、

ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
(実施例IIID)
実施例IIICで得られた生成物を使用して、実施例IDの方法を繰り返した。
(実施例IVB)
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、次式のプリメーン(PRIMENE)JM−T、

を、ジステアリルアミンに代えて使用した。プリメーン(PRIMENE)JM−Tは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、プリメーン(PRIMENE)JM−Tが2モルになるような量で存在させた。
(実施例IVC)
実施例IVBで得られた生成物を使用して、実施例ICの方法を繰り返した。精製により得られた生成物は次式のものであると考えられる。

この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、

ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
(実施例IVD)
実施例IVCで得られた生成物を使用して、実施例IDの方法を繰り返した。
(実施例VB)
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、ジステアリルアミンに代えて、ユニリン(UNILIN)425−PA(化学式、CH(CH31−O−CHCHCHNH)を使用した。ユニリン(UNILIN)425−PAは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、ユニリン(UNILIN)425−PAが2モルになるような量で存在させた。生成物は次式のものであると考えられる。

この着色の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、

ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
(実施例VIB)
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、ジステアリルアミンに代えて、ジエタノールアミン(化学式、HN(CHCHOH))を使用した。ジエタノールアミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、ジエタノールアミンが2.5モルになるような量で存在させた。さらに、ジクロロフルオレセイン1モルあたり2モルの塩化亜鉛を使用し、ジクロロフルオレセイン1モルあたり1モルの酸化カルシウムを使用し、溶媒にはテトラメチレンスルホンに代えてN−メチルピロリドンを使用し、反応混合物を125℃で100時間加熱した。
(実施例VIC)
実施例VIBで得られた生成物を使用して実施例ICの方法を繰り返したが、ただし、その生成物をメタノール中に投入し、充分なEDTAを加えて、Zn2+およびCa2+イオンを完全に除去した。精製により得られた生成物は次式のものであると考えられる。
(実施例VIC−1)
実施例VICで得られた生成物10グラムを、120℃で23.4グラムのオクタデシルイソシアネートに加え、その後2滴のジブチルスズジラウレート触媒を添加し、その反応液を攪拌して、IRにおけるイソシアネートのピークの消失が確認できるまで加熱を続ける。このテトラウレタンローダミンをアルミニウム製の缶の中に注ぐが、これは次式のものと考えられる。

この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、

ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
(実施例VIIB)
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし次式のN−メチル−D−グルカミン

を、ジステアリルアミンに代えて使用した。N−メチル−D−グルカミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、N−メチル−D−グルカミンが2.5モルになるような量で存在させた。さらに、ジクロロフルオレセイン1モルあたり2モルの塩化亜鉛を使用し、ジクロロフルオレセイン1モルあたり1.5モルの酸化カルシウムを使用し、溶媒にはテトラメチレンスルホンに代えてN−メチルピロリドンを使用し、反応混合物を130℃で7日加熱した。
(実施例VIIC)
実施例VIIBで得られた生成物を使用して実施例ICの方法を繰り返したが、ただし、その生成物をメタノール中に投入し、充分なEDTAを加えて、Zn2+およびCa2+イオンを完全に除去した。精製により得られた生成物は次式のものであると考えられる。
(実施例VIIC−1)
実施例VIICで得られた生成物10グラムを、120℃で45グラムのオクタデシルイソシアネートに加え、その後で4滴のジブチルスズジラウレート触媒を添加し、その反応液を攪拌して、IRにおけるイソシアネートのピークの消失が確認できるまで加熱を続ける。このデカウレタンローダミンをアルミニウム製の缶の中に注ぐが、これは次式のものと考えられる。

この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、

ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
(実施例VIIIB)
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、次式の2−ピペリジンエタノール、

を、ジステアリルアミンに代えて使用した。2−ピペリジンエタノールは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、2−ピペリジンエタノールが2.5モルになるような量で存在させた。さらに、ジクロロフルオレセイン1モルあたり2モルの塩化亜鉛を使用し、ジクロロフルオレセイン1モルあたり1モルの酸化カルシウムを使用し、溶媒にはテトラメチレンスルホンに代えてN−メチルピロリドンを使用し、反応混合物を160℃で24時間加熱した。次いでその反応生成物を水中に投入し、濾過し、水で洗浄した。生成物は次式のものであると考えられる。
(実施例VIIIC−1)
実施例VIIIBで得られた生成物10グラムを、120℃で10.7グラムのオクタデシルイソシアネートに加え、その後で1滴のジブチルスズジラウレート触媒を添加し、その反応液を攪拌して、IRにおけるイソシアネートのピークの消失が確認できるまで加熱を続ける。このジウレタンローダミンをアルミニウム製の缶の中に注ぐが、これは次式のものと考えられる。

この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、

ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
(実施例IXB)
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、次式のN,N−ジメチル−1、4−フェニレンジアミン

を、ジステアリルアミンに代えて使用した。N,N−ジメチル−1、4−フェニレンジアミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、N,N−ジメチル−1、4−フェニレンジアミンが2.5モルになるような量で存在させた。さらに、ジクロロフルオレセイン1モルあたり2モルの塩化亜鉛を使用し、ジクロロフルオレセイン1モルあたり1モルの酸化カルシウムを使用し、溶媒にはテトラメチレンスルホンに代えてN−メチルピロリドンを使用し、反応混合物を140℃で48時間加熱した。次いでその反応生成物を水中に投入し、濾過し、水で洗浄した。生成物は次式のものであると考えられる。

この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、

ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
(実施例XB)
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、次式のN,N−ジエチル−1、4−フェニレンジアミン

を、ジステアリルアミンに代えて使用した。N,N−ジエチル−1、4−フェニレンジアミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、N,N−ジエチル−1、4−フェニレンジアミンが2.5モルになるような量で存在させた。さらに、ジクロロフルオレセイン1モルあたり2モルの塩化亜鉛を使用し、ジクロロフルオレセイン1モルあたり1モルの酸化カルシウムを使用し、溶媒にはテトラメチレンスルホンに代えてN−メチルピロリドンを使用し、反応混合物を150℃で96時間加熱した。次いでその反応生成物を水中に投入し、濾過し、水で洗浄した。生成物は次式のものであると考えられる。

この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、

ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
(実施例XIB)
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし次式のN−ベンジルエタノールアミン

を、ジステアリルアミンに代えて使用した。N−ベンジルエタノールアミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、N−ベンジルエタノールアミンが2.5モルになるような量で存在させた。さらに、ジクロロフルオレセイン1モルあたり2モルの塩化亜鉛を使用し、ジクロロフルオレセイン1モルあたり1モルの酸化カルシウムを使用し、溶媒にはテトラメチレンスルホンに代えてジメチルホルムアミドを使用し、反応混合物を150℃で48時間加熱した。
(実施例XIC)
実施例XIBで得られた生成物を使用して実施例ICの方法を繰り返したが、ただし、その生成物をメタノール中に投入し、充分なEDTAを加えて、Zn2+およびCa2+イオンを完全に除去した。精製により得られた生成物は次式のものであると考えられる。
(実施例XIC−1)
実施例XICで得られた生成物10グラムを、120℃で9.9グラムのオクタデシルイソシアネートに加え、その後1滴のジブチルスズジラウレート触媒を添加し、その反応液を攪拌して、IRにおけるイソシアネートのピークの消失が確認できるまで加熱を続ける。このジウレタンローダミンをアルミニウム製の缶の中に注ぐが、これは次式のものと考えられる。

この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、

ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
(実施例XIIB)
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし次式のN−ベンジルエタノールアミン

を、ジステアリルアミンに代えて使用した。N−ベンジルエタノールアミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、N−ベンジルエタノールアミンが10モルになるような量で存在させた。さらに、ジクロロフルオレセイン1モルあたり2モルの塩化亜鉛を使用し、ジクロロフルオレセイン1モルあたり1モルの酸化カルシウムを使用し、溶媒にはテトラメチレンスルホンに代えて過剰のN−ベンジルエタノールアミンを使用し、油浴を用いて反応混合物を48時間還流させ、その後過剰のアミンを蒸留により除去した。
(実施例XIIC)
実施例XIIBで得られた生成物を使用して実施例ICの方法を繰り返したが、ただし、その生成物をメタノール中に投入し、充分なEDTAを加えて、Zn2+およびCa2+イオンを完全に除去した。精製により得られた生成物は次式のものであると考えられる。
(実施例XIIC−1)
ガラス製の反応フラスコの中に、実施例XIICで得られた生成物10グラム、29.8グラムのユニシッド(UNICID、登録商標)700(化学式RCOOHのカルボン酸(ここでRは直鎖状のアルキル基で、平均して50個の炭素原子を有する)と、その他に官能化されていないワックス原料を25重量パーセントまでの量で含む)、152グラムのキシレン、および0.6グラムのp−トルエンスルホン酸を混合する。これらの原料を混合しながら加熱して、温度143℃で還流させる。72時間後には、この反応は完結する。この反応混合物を40℃まで冷却して、濾過する。この濾過ケーキをメタノール中で再スラリ化と濾過をさらに2回繰り返して、残存しているキシレンを除去する。次いでその濾過ケーキを、周囲温度で風乾させる。この濾過ケーキには次式の着色剤が含まれると考えられる。

ここでnは、平均値50である。この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、

ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
(実施例XIIIB)
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、次式の2−(エチルアミノ)エタノール、

を、ジステアリルアミンに代えて使用した。2−(エチルアミノ)エタノールは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、2−(エチルアミノ)エタノールが20モルになるような量で存在させた。さらに、ジクロロフルオレセイン1モルあたり2モルの塩化亜鉛を使用し、ジクロロフルオレセイン1モルあたり1モルの酸化カルシウムを使用し、溶媒にはテトラメチレンスルホンに代えて過剰の2−(エチルアミノ)エタノールを使用し、油浴を用いて反応混合物を24時間還流させ、その後過剰のアミンを蒸留により除去した。
(実施例XIIIC)
実施例XIIIBで得られた生成物を使用して実施例ICの方法を繰り返したが、ただし、その生成物をメタノール中に投入し、充分なEDTAを加えて、Zn2+およびCa2+イオンを完全に除去した。精製により得られた生成物は次式のものであると考えられる。
(実施例XIIIC−1)
実施例XIIICで得られた生成物10グラムを、120℃で12.5グラムのオクタデシルイソシアネートに加え、その後1滴のジブチルスズジラウレート触媒を添加し、その反応液を攪拌して、IRにおけるイソシアネートのピークの消失が確認できるまで加熱を続ける。このジウレタンローダミンをアルミニウム製の缶の中に注ぐが、これは次式のものと考えられる。

この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、

ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
(実施例XIVB)
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、ウィスコンシン州ミルウォーキ(Milwaukee、WI)のアルドリッチ・ケミカル・カンパニ(Aldrich Chemical Co.)から入手の、次式の2−アミノアントラセン、

を、ジステアリルアミンに代えて使用した。2−アミノアントラセンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、2−アミノアントラセンが2.05モルになるような量で存在させた。生成物は次式のものであると考えられる。

この着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形は、次式であると考えられるが、

ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。この着色剤の双生イオンの形は、次式と考えられる。
(実施例XVB)
実施例IBの方法を繰り返したが、ただし、純粋なジステアリルアミンに代えて、ステアリルアミンとジステアリルアミンの混合物を使用した。ステアリルアミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、ステアリルアミンが1.02モルになるような量で存在させ、ジステアリルアミンは、ジクロロフルオレセイン1モルあたり、ジステアリルアミンが1.02モルになるような量で存在させた。
(実施例XVC)
実施例XVBで得られた生成物を使用して、実施例ICの方法を繰り返した。精製により得られた生成物は、次式の化合物の混合物であると考えられる。


および

これらの着色剤の、開環した、またはプロトン化した、または遊離塩基の形はそれぞれ、次式であると考えられるが、


および

ここでAはプロトン化に使用した酸に相当するアニオンである。これらの着色剤の双生イオンの形はそれぞれ、次式と考えられる。


および
(実施例XVD)
実施例XVCで得られた生成物を使用して、実施例IDの方法を繰り返した。
(実施例XVI)
実施例IAからICの方法を繰り返した。その後で、閉環した精製テトラステアリル着色剤のMIBK溶液に、次式のナフタレンジスルホネートアダクト

(ジノニルナフタレンジスルホン酸、イソブタノール中50重量%、ナキュア(NACURE、登録商標)155)をテトラステアリル着色剤1モルあたりナフタレンスルホネートアダクトが2モルの化学量論量で添加した。この溶液が完全にマゼンタ色になるまで攪拌した。次いで、その溶液を蒸留装置を備えた2リットルの丸底フラスコに移し、MIBKを留去した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであるが、これは次式のものと考えられる。
<インクの調製と試験>
(実施例XVII)
[カルシウムテトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、80.3グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、400グラムのトルエン、および3.5グラムのCaClを使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
(実施例XVIII)
[ビスマステトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、100.2グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、600グラムのトルエン、および8.2グラムのBiClを使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
(実施例XIX)
[スズテトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、反応容器としては2リットルの3つ口丸底フラスコの中で、100グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、1、000グラムのMIBK、および8.8グラムのSnClを使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
(実施例XX)
[鉄テトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、32.4グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、400グラムのMIBK、および1.6グラムのFeClを使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
(実施例XXI)
[銅テトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、35グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、400グラムのMIBK、および1.83グラムのCuClを使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
(実施例XXII)
[アルミニウムテトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、32.7グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、400グラムのMIBK、および1.13グラムのAlClを使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
(実施例XXIII)
[ニッケルテトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、5.5グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、100グラムのMIBK、および0.53グラムの酢酸ニッケル(II)(Ni(CHCOO))を使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
(実施例XXIV)
[リンタングステンモリブデンで「レーキ化した」テトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、34.1グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、400グラムのMIBK、および13.1グラムのリンタングステン酸および5.6グラムのリンモリブデン酸を使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
(実施例XXV)
[チタンテトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、24.3グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、250グラムのトルエン、および0.9グラムの塩化チタン(IV)を使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
(実施例XXVI)
[クロムテトラステアリル着色剤の合成]
実施例Iの方法を繰り返したが、ただし、25.2グラムの閉環した精製テトラステアリルクロモゲン、250グラムのMIBK、および1.04グラムの塩化クロム(III)を使用した。熱い間はやや粘稠なワックスである生成物を、容器に移して固化させた。室温では、この生成物は濃いマゼンタ/赤色で、幾分硬いワックスであった。
実施例XVII〜XXVIの方法を繰り返すが、ただし、実施例Iで調製したクロモゲンに代えて、実施例II〜XVIで調製したクロモゲンを使用する。同様な結果が得られるものと考えられる。
<インクの調製と試験>
(実施例XXVII)
[二次着色剤(Secondary Colorant)の調製 第1部]
二次のマゼンタ着色剤を以下のようにして調製した。
ガラス性の反応フラスコの中に、73グラムの昇華キニザリン、49グラムのロイコキニザリン、66グラムの4−アミノベンゼンエタノール、31グラムのホウ酸、および780グラムのメタノールを加えた。これらの原料を混合して、加熱し、66℃で溶媒を還流させた。
還流を16時間させると反応が完結して、次式のアルコール置換された着色剤が生成した。

この反応混合物を冷却してから濾過した。その生成物の濾過ケーキを、周囲温度で風乾させた。
このアルコール置換された着色剤のスペクトル強度を、分光光度測定法を使用して測定したが、それは、着色剤をトルエンに溶解させ、パーキン・エルマ・ラムダ2S(Perkin Elmer Lambda 2S)紫外/可視分光光度計を使用して吸光度を測定することによって、溶液中の着色剤を測定する原理に基づいたものである。このアルコール置換された着色剤のスペクトル強度の測定値は、吸収極大λmaxにおいて、グラムあたり21,000mL吸光単位(absorbance units)であったが、このことは純度が80%であることを示している。
[第2部]
ガラス製の反応フラスコの中に、8グラムのこの実施例の第1部で調製したアルコール置換された着色剤、68グラムの氷酢酸、13グラムのプロピオン酸、および2.3グラムの無水酢酸を加えた。これらの原料を混合しながら加熱して、温度121℃で還流させた。還流を4時間させると、反応は完結していて、その反応混合物には、次式の酢酸エチル置換された着色剤が含まれていた。
[第3部]
この実施例の第2部で得られた酢酸エチル置換された着色剤を含む反応混合物の91グラムを、ガラス製の反応フラスコの中に仕込んだ。その混合物を最低30℃までに冷却した。混合しながら、その反応混合物に、温度が40℃未満に保てるような速度で、9グラムの臭素を添加していった。次いで、その混合物を加温して40℃とした。混合を24時間続けると、反応は完結した。
次いでその反応混合物を234グラムの脱イオン水の中に投入して、室温になるまで放冷した。次いでその反応混合物を濾過した。この濾過ケーキを脱イオン水の中で再スラリ化と濾過をさらに2回繰り返して、残存している酢酸の大部分を除去した。次いでその濾過ケーキを60℃の乾燥器の中で乾燥させた。この濾過ケーキには、次式の臭素化された酢酸エチル置換の着色剤の混合物が含まれていた。
この臭素化された酢酸エチル置換の着色剤のスペクトル強度を、分光光度測定法を使用して測定したが、それは、着色剤をトルエンに溶解させ、パーキン・エルマ・ラムダ2S(Perkin Elmer Lambda 2S)紫外/可視分光光度計を使用して吸光度を測定することによって、溶液中の着色剤を測定する原理に基づいたものである。この臭素化された酢酸エチル置換の着色剤のスペクトル強度の測定値は、吸収極大λmaxにおいて、グラムあたり15,000mL吸光単位であった。このスペクトル強度は、純度が60パーセントであることを示していた。
[第4部]
ガラス製の反応フラスコの中に、18グラムのこの実施例の第3部で調製された臭素化された酢酸エチル置換の着色剤とその塩の混合物、72グラムのN−メチル−2−ピロリドン、4グラムの水酸化ナトリウム、および4グラムの脱イオン水を加えた。これらの原料を混合しながら、加温して60℃とした。3時間後には、反応は完結していた。
次いでその反応混合物を234グラムの脱イオン水の中に投入して、室温になるまで放冷した。氷酢酸を添加して、その溶液のpHを6から7の間とした。次いでその反応混合物を濾過した。この濾過ケーキを脱イオン水の中で再スラリ化と濾過をさらに2回繰り返して、残存しているN−メチル−2−ピロリドンの大部分を除去した。次いでその濾過ケーキを60℃の乾燥器の中で乾燥させた。この濾過ケーキには、次式の臭素化されたアルコール置換の着色剤が含まれていた。

この臭素化されたアルコール置換の着色剤のスペクトル強度を、分光光度測定法を使用して測定したが、それは、着色剤をトルエンとテトラヒドロフランの等量混合物に溶解させ、パーキン・エルマ・ラムダ2S(Perkin Elmer Lambda 2S)紫外/可視分光光度計を使用して吸光度を測定することによって、溶液中の着色剤を測定する原理に基づいたものである。この臭素化されたアルコール置換の着色剤のスペクトル強度の測定値は、吸収極大λmaxにおいて、グラムあたり16,000mL吸光単位であった。このスペクトル強度は、純度が60パーセントであることを示していた。
[第5部]
ガラス製の反応フラスコの中に、16グラムのこの実施例の第4部で調製された臭素化されたアルコール置換の着色剤、31グラムのユニシッド(UNICID、登録商標)700(化学式RCOOHのカルボン酸(ここでRは直鎖状のアルキル基で、平均して50個の炭素原子を有する)と、その他に官能化されていないワックス原料を25重量パーセントまでの量で含む)、152グラムのキシレン、および0.6グラムのp−トルエンスルホン酸を加えた。これらの原料を混合しながら加熱して、温度143℃で還流させた。7時間後には、反応は完結していた。
この反応混合物を40℃まで冷却して、濾過した。この濾過ケーキをメタノール中で再スラリ化と濾過をさらに2回繰り返して、残存しているキシレンを除去した。次いでその濾過ケーキを、周囲温度で風乾させた。この濾過ケーキには、次式の着色剤が含まれていた。

ここでRは、直鎖状のアルキル基で、平均して50個の炭素原子を有する。
この着色剤のスペクトル強度を、分光光度測定法を使用して測定したが、それは、着色剤をトルエンとテトラヒドロフランの等量混合物に溶解させ、パーキン・エルマ・ラムダ2S(Perkin Elmer Lambda 2S)紫外/可視分光光度計を使用して吸光度を測定することによって、溶液中の着色剤を測定する原理に基づいたものである。この着色剤のスペクトル強度の測定値は、吸収極大λmaxにおいて、グラムあたり5,000mL吸光単位であった。このスペクトル強度は、純度が40パーセントであることを示していた。
実施例IFおよびXVII〜XXVIの着色剤、および、比較のために、市販されているn−ブチルソルベントレッド172(n−BuSR172;ユニグラフ・レッド(UNIGRAPH RED)1900)、市販されているソルベントレッド49(SR49;ローダミン着色剤)、および実施例IDのクロモゲン(前記クロモゲンは、本発明による金属化合物の一部ではない)を含む着色剤を含む、インク組成物を以下のようにして、調製した。
インクA−1:ステンレススチール製のビーカの中に、153.22グラムのポリエチレンワックス(PE655、化学式、CH(CH50CH)、39.72グラムのステリルステアラミドワックス(ケマミド(KEMAMIDE、登録商標)S−180)、62.99グラムのテトラアミド樹脂(1当量のダイマ二酸(dimer diacid)と、2当量のエチレンジアミンおよびユニシッド(UNICID、登録商標)700(長鎖アルコールのカルボン酸誘導体)の反応により得られるもので、米国特許第6,174,937号明細書の実施例1の記載に従って調製)、39.76グラムのウレタン樹脂(2当量のアビトール(ABITOL、登録商標)Eヒドロアビエチルアルコールと1当量のイソホロンジイソシアネートとの反応により得られるもので、米国特許第5,782,966号明細書の実施例1の記載に従って調製)、27.02グラムのウレタン樹脂(3当量のステアリルイソシアネートとグリセロールベースのアルコールとのアダクトで、米国特許第6,309,453号明細書の実施例4の記載に従って調製)、および0.65グラムのナウガード(NAUGUARD、登録商標)445抗酸化剤を加えた。これらの原料を、炉の中で温度135℃で共に溶融させ、次いで135℃に温度を調節したマントルの中で0.2時間攪拌してブレンドした。この混合物に、12.31グラムの実施例IFの記載に従って調製した着色剤と、6.70グラムの二次のマゼンタ着色剤(本実施例の第1部〜第5部の記載に従って調製)とを添加した。さらに2時間攪拌してから、このようにして形成させたマゼンタインクを、加熱モット(MOTT、登録商標)装置で、ホワットマン(Whatman)#3濾紙を使用し、15ポンド/平方インチの加圧下に濾過した。この濾過した相変化インクを型に注入し、固化させてインクスティックを作製した。このようにして調製したマゼンタ相変化インクは、粘度が10.80センチポアズ(140℃、レオメトリックス(Rheometrics)コーンプレート粘度計により測定)、そしてスペクトル強度が、550ナノメートルにおいてグラムあたり1,279ミリリットルの吸光度(固形インクをn−ブタノールに溶解させ、パーキン・エルマ・ラムダ2S(Perkin Elmer Lambda 2S)紫外/可視分光光度計を使用して吸光度を測定することによって、溶液中の着色剤を測定する原理に基づいた分光光度測定法によって求めた)であった。
インクA−2:インクA−2は、インクA−1を調製したのと同様の方法により調製したが、ただし、下記の表に示すように、インク組成物に異なった配合を使用した。インクA−2の特性は、インクA−1の場合に使用したのと同じ方法によって測定した。デュポン(DuPont)2100熱量計を使用した示差走査熱量測定により測定した融点は84℃および105℃であった。インクA−2のガラス転移温度(T)は19℃であった。表からもわかるように、インクA−1とインクA−2の間で大きな違いがあるのは、インク中での着色剤の相対濃度である。
インクA−3:インクA−3は、インクA−1を調製したのと同様の方法により調製したが、ただし、下記の表に示すように、インク組成物に異なった配合を使用した。インクA−3の特性は、インクA−1およびインクA−2の場合に使用したのと同じ方法によって測定した。表からもわかるように、インクA−3とインクA−1およびインクA−2との間で大きな違いがあるのは、インク中での着色剤の濃度が相対的に高いことである。その結果、このインクA−3のスペクトル強度もやはり、インクA−1およびA−2のそれよりも高く、キャリヤ中の実施例IFに記載した着色剤が非常に良好な溶解性を有していることを示唆している。
インクB−1およびB−2:インクB−1およびB−2をインクA−1を調製したのと同様の方法で調製したが、ただし、実施例IFの着色剤に代えて、実施例XVIIの着色剤を使用した。それらの配合については、下記の表に示す。インクB−1およびインクB−の特性は、インクA−1およびA−2の場合に使用したのと同じ方法によって測定した。表からもわかるように、インクB−1とインクB−2の間で大きな違いがあるのは、インク中での着色剤の相対濃度である。
インクC:インクCをインクA−1を調製したのと同様の方法で調製したが、ただし、実施例IFからの着色剤に代えて、実施例XVIIIからの着色剤を使用した。インクCの特性は、インクA−1の場合に使用したのと同じ方法によって測定した。
インクD−1およびD−2:インクD−1およびD−2を、インクA−1を調製したのと同様の方法で調製したが、ただし、実施例IFからの着色剤に代えて、実施例XIXからの着色剤を使用した。インクD−1およびインクD−2の特性は、インクA−1の場合に使用したのと同じ方法によって測定した。
インクE:インクEをインクA−1を調製したのと同様の方法で調製したが、ただし、実施例IFからの染料に代えて、実施例XXからの着色剤を使用した。インクEの特性は、インクA−1の場合に使用したのと同じ方法によって測定した。
インクF:インクFをインクA−1を調製したのと同様の方法で調製したが、ただし、実施例IFからの染料に代えて、実施例XXIからの着色剤を使用した。インクFの特性は、インクA−1の場合に使用したのと同じ方法によって測定した。
インクG:インクGをインクA−1を調製したのと同様の方法で調製したが、ただし、実施例IFからの染料に代えて、実施例XXIIからの着色剤を使用した。インクGの特性は、インクA−1の場合に使用したのと同じ方法によって測定した。
インクH:インクHをインクA−1を調製したのと同様の方法で調製したが、ただし、実施例IFからの染料に代えて、実施例XXIIIからの着色剤を使用した。インクHの特性は、インクA−1の場合に使用したのと同じ方法によって測定した。
インクI:インクIをインクA−1を調製したのと同様の方法で調製したが、ただし、実施例IFからの染料に代えて、実施例XXIVからの着色剤を使用した。インクIの特性は、インクA−1の場合に使用したのと同じ方法によって測定した。
インクJ:インクJをインクA−1を調製したのと同様の方法で調製したが、ただし、実施例IFからの染料に代えて、実施例XXVからの着色剤を使用した。インクJの特性は、インクA−1の場合に使用したのと同じ方法によって測定した。
インクK:インクKをインクA−1を調製したのと同様の方法で調製したが、ただし、実施例IFからの染料に代えて、実施例XXVIからの着色剤を使用した。インクKの特性は、インクA−1の場合に使用したのと同じ方法によって測定した。
比較例インク1:インクをインクA−1を調製したのと同様の方法で調製したが、ただし、実施例IFからの着色剤に代えて、市販のSR49およびドデシルベンゼン硫酸(DDBSA、バイオ・ソフト(Bio−soft)S−100)を使用した。比較例インク1の特性は、インクA−1の場合に使用したのと同じ方法によって測定した。
比較例インク2:インクをインクA−1を調製したのと同様の方法で調製したが、ただし、実施例IFからの着色剤に代えて、実施例IDのクロモゲン(前記クロモゲンは、本発明による金属化合物の一部ではない)を含む着色剤およびドデシルベンゼン硫酸(DDBSA、バイオ・ソフト(Bio−soft)S−100)を使用した。比較例インク2の特性は、インクA−1の場合に使用したのと同じ方法によって測定した。
比較例インク3:インクを実施例IFで合成した着色剤を含むインクA−1について記載した方法により調製したが、ただし、実施例IDからのクロモゲンの使用に代えて、市販のソルベントレッド49をクロモゲンとして使用して亜鉛着色剤を調製した。比較例インク3の特性は、インクA−1の場合に使用したのと同じ方法によって測定した。未濾過のインクのスペクトル強度の方が、濾過後のインクのそれよりも高いことが見出されたことから、着色剤中の実際の着色剤の相対量は、下記の配合表よりも本当は少なくなっている。したがって、比較例3に記載した着色剤の溶解度は、実施例Aに記載した着色剤の溶解度よりは、かなり低い;このことから、インクA−1からA−3の着色剤で溶解度が高いのは、市販のソルベントレッド49に比較して、クロモゲンの上のアルキル基が長いためであると考えられる。
以下の各表は、各種のインクの組成と、その中の成分量(表中の数字は重量パーセントを示す)についてまとめたものである。
このようにして調製したマゼンタインクは、ゼロックス(XEROX、登録商標)フェーザ(PHASER)860プリンタを使用すると、ハンマミル・レーザプリント(HAMMERMILL LASERPRINT、登録商標)用紙の上に正常に印刷することができたが、この場合に使用した印刷方法は、まずインクを中間転写部材の上に像様パターンに吐出させ、次いでその像様パターンをその中間転写部材から最終の記録基材へ転写するものである。そのプリンタを使用して解像度が450dpi×600dpiのベタ画像(solid field images)を作像させて、それらの色空間データをACS(登録商標)スペクトロ・センサ(Spectro Sensor、登録商標)II測色計により得たが、それにはASTM 1E805(スタンダード・プラクティス・オブ・インストラメンタル・メソッズ・オブ・カラー・オア・カラー・ディファレンス・メジャメンツ・オブ・マテリアルズ(Standard Practice of Instrumental Methods of Color or Color Difference Measurements of Materials))に規定された測定法に従い、機器メーカから提供された適当な較正標準を使用した。インクの色彩測定における総合的な性能を検証および定量化する目的で、ASTM E308(スタンダード・メソッド・フォア・コンピューティング・ザ・カラーズ・オブ・オブジェクツ・ユージング・ザ・CIE・システム(Standard Method for Computing the Colors of Objects using the CIE System))に従って、測定データを三色刺激積分法によって変換し、それぞれの相変化インクサンプルにおける、1976 CIE L(明度)、a(赤色度−緑色度)およびb(黄色度−青色度)CIELAB値を計算した。
別なタイプの印刷サンプルを、K・プリンティング・プルーファ(K Printing Proofer)を使用して、ハンマミル・レーザプリント(HAMMERMILL LASERPRINT、登録商標)用紙の上に作像した。この方法では、試験するインクを温度150℃で印刷版セットの上に溶融させた。その溶融させたインクを表面に保持した印刷版の上で、紙を巻き付けたローラバーを回転させた。紙の上のインクを冷却させると、3つの独立した画像の長方形のブロックが得られた。最も色の濃いブロックが、紙の上に堆積されたインクを最も多く含んでいるので、それを用いて色値の測定を行った。
ゼロックス・フェーザ(XEROX PHASER、登録商標)プリンタとK・プルーファ(K−Proofer)との両方からのマゼンタインク印刷サンプルについて、色特性の評価を行い、以下の各表に示した。表からも明らかなように、本発明による着色剤を用いて作成したインクにおけるCIE L値は、良好なマゼンタ色調の印刷インクを表している。以下の各表には、140℃におけるインクの粘度(η、センチポアズ)、インクのn−ブタノール中でのスペクトル強度(SS、mL−1cm−1)および吸収極大(ラムダmax、λmax、nm)、ガラス転移温度(T、℃)、融点(mp、℃、DSCによる測定値)、およびゼロックス・フェーザ(XEROX PHASER、登録商標)860プリンタまたはK・プルーファ(K−Proofer)のいずれかを使用して作成した印刷物のCIE L色座標が列記してある。
上表における色値から、インクA〜Kの着色剤は、印刷物のaおよびb値が高いことからも明らかなように、ホットメルトインクに使用すると良好なマゼンタ色を呈することができるということが判る。表からも明らかなように、インクAは、鮮やかなマゼンタ色を呈し、従来鮮やかなマゼンタ色の染料と考えられていた市販品のSR49から作った比較例インク1の彩度よりも、高い彩度を有するマゼンタ色を示すことができる。市販のSR49染料でインクベースの中でその色を発色させるためには、DDBSAのような比較的強い酸を通常必要とするのに対して、本発明のインクA〜K中の着色剤は、酸現像剤が無くても、かなり強いマゼンタ色を示す。いかなる特定の理論に捕らわれることなく言えば、本発明のインクの色を発色させる役割を果たしているのは、着色剤の中の金属イオンであると考えられる。試験をしたインクベース中の本発明のインクA〜GおよびJ〜Kの中にある着色剤の染料溶解性が優れていることは、非常に高い染料負荷(dye loads)を有し、それによってインクのスペクトル強度が非常に高いことからも、わかる。
(実施例XXVIII)
[安定性試験]
着色剤が分解すると、インク中における着色剤の分解反応の結果として、望ましくない色ずれまたは褪色が起きる可能性もある。これらの現象はいずれも、着色剤が熱的に安定でない場合には、そのインクからの印刷物の色品質や稠度に悪影響を及ぼす可能性がある。本発明によるインクA〜Kの着色剤の熱安定性を、比較例インク1の中のSR49染料と比較したが、それには、それらを加熱したインクからの印刷物の変色を測定する方法を用いた。
1つの方法として、インクをガラス容器に入れて、140℃の炉の中で連続的に加熱し、次いで、サンプリングをして、そのインクをK・プルーファ(K−Proofer)を使用して、ハンマミル・レーザプリント(HAMMERMILL LASERPRINT、登録商標)用紙の上に印刷し、そして最後に、サンプリングしたインクの印刷物の変色を測定して、時間の関数として評価した。得られた印刷物の変色は、CIELAB値として検出し、初期のCIELAB値に対する相対的なデルタE(ΔE)として表した。CIELAB値を得るための、先に記載した方法に従って、それぞれのサンプルの変色を求めた。変色を求めるには、ASTM D2244−89(スタンダード・テスト・メソッド・フォア・カーキュレーション・オブ・カラー・ディファレンシス・フロム・インストラメンタリ・メジャード・カラー・コオーディネーツ(Standard Test Method for Calculation of Color Differences From instrumentally Measured Color Coordinates))に従った(デルタE=[(L −L +(a −a +(b −b 1/2)。これらのインクについての結果は、以下の表に示す。表中のデータから判るように、本発明による着色剤を含むインクA−1〜C−1およびインクKは、市販のSR49を含む比較例インク1よりも良好な色安定性を示した。
また別な方法として、熱安定性試験を、試験用のインクをプリンタの中で136℃で連続的に加熱し、印刷物の変色を時間の関数として測定することにより実施した(「非スタンバイ(no−standby)」試験と呼ばれている)。得られた印刷物の変色は、CIELAB値として検出し、初期のCIELAB値に対する相対的なデルタEとして表した。CIELAB値を得るための、先に記載した方法に従って、それぞれのサンプルの変色を求めた。変色を求めるには、ASTM D2244−89(スタンダード・テスト・メソッド・フォア・カーキュレーション・オブ・カラー・ディファレンシス・フロム・インストラメンタリ・メジャード・カラー・コオーディネーツ(Standard Test Method for Calculation of Color Differences From instrumentally Measured Color Coordinates))に従った(デルタE=[(L −L +(a −a +(b −b 1/2)。試験したインクについての結果は次の通りである。
(実施例XXIX)
[マゼンタインク印刷物の指紋性能の定性的評価]
試験をしたインクすべてについて、室温における指紋抵抗性のための定性試験を実施した。この試験は次の3つの工程で進める:インクを印刷する工程、その印刷物をフィンガオイル(finger oils)およびハンドローション成分の混合物に接触させる工程、および最後に5日後にそれぞれのインクを参照に対して比較する工程である。
この試験ではまず、A版のハンマミル(HAMMERMILL)用紙の上にインクを印刷するが、紙に対するインク被覆率を、20、30、40、50、60、70、80、および90%とする。1枚のシートには1種類のインクだけを使用する。この目的のために、インクを、縦方向に約8”×1.25”の大きさの8つの長方形領域に印刷したが、それぞれの縞地が、1つの被覆を表すようにした。それぞれのインク用いて特定の解像度で3枚の同一の印刷物を作製し、2種の解像度すなわち、355×464dpiおよび600×600dpiで、それぞれのインクを比較した。印刷物のセットの中には、参照用のインクが含まれていて、それに対して2種の解像度で実験用のインクを比較した。
印刷が完了した後で、そのインクをフィンガオイルとハンドローションの混合物に接触させた。この目的のために、試験者は、次の2つの工程、すなわちハンドローションの自分の手に塗る工程と、余分なローションをタオルでぬぐい取る工程により塗布した。次いで、試験者は特定の印刷物の右側で、印刷されたインクに軽く触れるが、最初に被覆率90%の縞地から初めて、薄い方向に向けて、被覆率20%まで進めた。次いで、試験者はもう一方の手を用いて同じことを、同じ印刷物の上で繰り返すが、左側の被覆率20%から初めて、濃い方向に向けて、被覆率の高い方向に動かした。ハンドローションを付け直すことはせずに、次の印刷物で同じことを繰り返した。第2の印刷物にもフィンガオイルを接触させた後で、試験者は先に述べた方法で手にローションを付け直すように指示され、次の2枚の印刷物に進んだ。すべての印刷物にフィンガオイルを接触させたら、それらの印刷物をマニラフォルダ(manila folders)の中に収め、白紙を間に挟んで、それぞれの印刷物を隣のものから分離した。次いでこのフォルダを、周囲温度で5日間保存した。
この保存期間が終わったら、それらの印刷物をマニラフォルダから取り出し、充分に明るく均等な光があたる室内の充分に大きな机の上に、規則正しく並べる。次いで一人の試験者(場合よっては複数の試験者)が、それぞれの印刷物の上の指紋と、参照用のインクの印刷物上の指紋とを肉眼で比較した。観察者には、指紋性能を定性的に−3から+3までの尺度に評価付けするように指示したが、この場合−3は最も悪い結果であることを示し、+3は指紋が認められないことを示す。したがってこの評価付けシステムでは、±0という値は、参照用のインクで印刷したものに比較して、性能に差がないことを表している。
印刷物は、室温による老化に加えて、45℃および60℃の高温で老化させることも行った。本発明によるインクで試験したものはインクA−1であり、参照用のインクは比較例インク1であった。評価得点は次のようになった。
上記の結果は、インクA−1による印刷物の画像は、比較例インク1によるものよりは、ハンドオイルによる影響を受けにくく、画像安定性に優れることを示している。
(実施例XXX)
[拡散試験]
インクA−2および比較例インク1について、それらの着色剤の拡散する傾向を試験した。さらに、着色剤を使用しないクリアなインクも、インクA−2の場合と同様にして、調製した。この拡散の評価方法では、印刷した画像を用いて、マゼンタインクのピクセルから着色剤が、マゼンタインクピクセルを取り囲む、隣接の無色のインクピクセルの中へ拡散する可能性を試験した。この試験用の印刷は、20パーセントの個々のマゼンタピクセルと、それを取り囲む80パーセントのクリアなインクピクセルとを含むようにした。これらの印刷物を、室温で数日間にわたって、カラー画像解析計を使用して検出できる総合的な変色を解析し、その応答を、時間の経過に伴うデルタE(ΔE)の変化として測定し、その結果を以下の表に示した。CIELAB値を得るための、先に記載した方法に従って、それぞれのサンプルの色差を求めた。色差を求めるには、ASTM D2244−89(スタンダード・テスト・メソッド・フォア・カーキュレーション・オブ・カラー・ディファレンシス・フロム・インストラメンタリ・メジャード・カラー・コオーディネーツ(Standard Test Method for Calculation of Color Differences From instrumentally Measured Color Coordinates))に従った(デルタE=[(L −L +(a −a +(b −b 1/2)。ハンマミル・レーザプリント(HAMMERMILL LASERPRINT、登録商標)用紙およびゼロックス(XEROX、登録商標)4024用紙の両方を使用したが、時間の経過に伴うΔEとして得られた変色の結果は以下のようになった。
このデータから判るように、試験をした着色剤はすべて、変色すなわちデルタE(ΔE)の変化の測定値から明らかなように、周囲のクリアベースのピクセルの中に拡散していた。しかしながらインクA−2の中の着色剤は、比較例インク1の中の比較用の着色剤SR49よりは、明らかに拡散の度合いが小さかった。これらの結果から判るのは、インクA−2の中の着色剤は、染料の拡散を最小限に抑えうるという面から、比較例の市販品の着色剤SR49よりは優れているということである。いかなる特定の理論に捕らわれることなく言えば、本発明の実施例IFで合成した着色剤の持つ長いアルキル基が着色剤分子の移動性を抑制していると、考えられる。

Claims (3)

  1. 相変化インクキャリヤおよび次式の着色剤化合物を含む相変化インク組成物であって、
    [クロモゲン] M zA
    (ここでMは、(1)正の電荷+yを有する金属イオン(ここでyは整数であって、少なくとも2)であって、
    前記金属イオンは、少なくとも2つの次式のクロモゲン部分と化合物を形成することが可能である金属イオンであるか
    または、(2)少なくとも2つの次式のクロモゲン部分と化合物を形成することが可能である金属含有部分であるか、のいずれかであり
    zは、金属と会合している次式のクロモゲン部分の数を表す整数であって、少なくとも2であり
    Aはアニオンである
    前記クロモゲンが次式である相変化インク組成物。
    (nは少なくとも11)
    (nは少なくとも12)、
    (nは少なくとも12)、

    (nは少なくとも12)
    (nは少なくとも12)、
    (nは少なくとも12)、
    (nは少なくとも12)
    (nは少なくとも12)、
    (nは少なくとも12)、
    (nは少なくとも12)
    (nは少なくとも12)、
    (nは少なくとも12)、
    (nは少なくとも12)
    (nは少なくとも12)、
    (nは少なくとも12)、
    (nは少なくとも12)、
    (nの平均値は少なくとも12)
    または
  2. 請求項1に記載の相変化インク組成物であって、
    (a)Mが亜鉛カチオン、yが2、そして前記クロモゲンが次式、
    (b)Mがカルシウムカチオン、yが2、そして前記クロモゲンが次式、
    (c)Mがビスマスカチオン、yが3、そして前記クロモゲンが次式、
    (d)Mがスズカチオン、yが2、そして前記クロモゲンが次式、
    (e)Mが鉄カチオン、yが2、そして前記クロモゲンが次式、
    (f)Mが銅カチオン、yが2、そして前記クロモゲンが次式、
    (g)Mがアルミニウムカチオン、yが3、そして前記クロモゲンが次式、
    (h)Mがニッケルカチオン、yが2、そして前記クロモゲンが次式、
    (i)Mがチタンカチオン、yが4、そして前記クロモゲンが次式、
    (j)Mがクロムカチオン、yが3、そして前記クロモゲンが次式、
    または、
    (k)Mがリンモリブデン酸およびリンタングステン酸の混合物である金属含有部分であり、そして前記クロモゲンが次式、
    である、組成物。
  3. 方法であって、
    (1)相変化インクキャリヤおよび次式の着色剤化合物を含む相変化インク組成物をインクジェット印刷装置の中に組み込む工程と、
    [クロモゲン] M zA
    (ここでMは、(1)正の電荷+yを有する金属イオン(ここでyは整数であって、少なくとも2)であって、
    前記金属イオンは、少なくとも2つの次式のクロモゲン部分と化合物を形成することが可能である金属イオンであるか
    または、(2)少なくとも2つの次式のクロモゲン部分と化合物を形成することが可能である金属含有部分であるか、のいずれかであり
    zは、金属と会合している次式のクロモゲン部分の数を表す整数であって、少なくとも2であり
    Aはアニオンである)、
    (2)前記インクを溶融させる工程と、および
    (3)前記溶融させたインクの液滴を基材の上に像様パターンに吐出させる工程と、を含み、
    前記クロモゲンが次式である方法。
    (nは少なくとも11)
    (nは少なくとも12)、
    (nは少なくとも12)、
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