JP5265434B2 - シリカ含有有機組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコーンにシリカを分散したシリカ含有有機組成物及びその製造方法に関する。
LEDなどの封止材料として透明樹脂の1つであるシリコーンを採用することがある。シリコーンは化学的にも物理的にも安定な樹脂である。
特開2002−179920号公報
ところで、高い寸法安定性、熱安定性などの機械的特性を付与する目的で樹脂中にシリカを分散させた組成物が知られている。
近年、高機能化、高付加価値化が進み、物理的・化学的性能が高いシリコーンについても更なる物理的・化学的性能の向上が要求されるようになっている。そこで、本発明者らはシリコーン中にシリカ微粒子を含有させることで物理的・化学的性能を向上する試みを行った。
すると、シリコーンは疎水性が高く、そのままでは親水性の高いシリカを均一に分散させることは困難であることが判明した。また、シリカ微粒子の表面に疎水基を導入し、シリコーンとの親和性向上を試みたが、更なる改良の余地が認められた。特にLEDなどの封止材料として利用される透明性が高い樹脂組成物を得ることは困難であった。
本発明は上記実情に鑑み、シリコーン中にシリカを分散させたシリカ含有有機組成物及びその製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係るシリカ含有有機組成物の製造方法の特徴は、シリカ微粒子に複数のSiH基をもつ前処理用化合物の一部のSiH基を反応させて表面に残部のSiH基を導入してSiH基含有シリカ微粒子とする前処理工程と、
付加反応触媒の存在下、前記SiH基含有シリカ微粒子にアルケニル基含有シリコーンを含むシリコーンを混合し、前記アルケニル基と反応させてシリカ微粒子分散シリコーンとする分散工程と、
を有することにある。
上記課題を解決する請求項2に係るシリカ含有有機組成物の製造方法の特徴は、請求項1において、前記前処理用化合物は、一般式(1):−(SiHR−O)(SiR−O)−で表される化合物であることにある。
(式(1)中、R〜Rはアルキル基からそれぞれ独立して選択可能である。n,mはそれぞれ独立して選択可能な正の整数である。)
上記課題を解決する請求項3に係るシリカ含有有機組成物の製造方法の特徴は、請求項1又は2において、前記シリカ微粒子は粒径が5nm〜30μmであることにある。
上記課題を解決する請求項4に係るシリカ含有有機組成物の特徴は、請求項1〜3の何れか1項に記載に記載のシリカ含有有機組成物の製造方法にて製造しうることにある。
上記課題を解決する請求項5に係るシリカ含有有機組成物の特徴は、シリカ微粒子と、
前記シリカ微粒子の表面に−(SiO)−(:nは1以上)と炭素−炭素結合を介して結合され、前記シリカ微粒子を分散するシリコーンと、
を有することにある。
上記課題を解決する請求項6に係るシリカ含有有機組成物の特徴は、請求項4又は5において、電子基板用プリプレグ、絶縁フィルム、電子部品用封止材、及び光学材料のうちのいずれかに用いることにある。
請求項1に係るシリカ含有有機組成物の製造方法は、シリカ微粒子の表面にSiH基を導入し、アルケニル基を持つシリコーンに反応させることで、シリカ微粒子をシリコーン中に高度に分散させることに成功した。特に請求項2に係るシリカ含有有機組成物の製造方法のように、シリカ微粒子に反応させる化合物としてシリコーンに親和性が高いSiO結合を分子構造中に備える式(1)の化合物を採用することにより、より高度な分散が実現できる。また、請求項3に係る発明のように、分散させるシリカ微粒子の粒径を制御することにより、目的の波長をもつ光線に対する透明性を確保することが可能になった。
請求項4に係るシリカ含有有機組成物は、請求項1〜3のような製造方法により実現されたシリカ含有有機組成物であるため、高い分散性を示すものである。また、請求項5に係るシリカ含有有機組成物についてもシリカ微粒子とシリコーンとを適正な化学結合により結合したため、高い分散性が実現できた。このようなシリカ含有有機組成物は請求項6のような用途で高い性能を実現できる。
本発明のシリカ含有有機組成物及びその製造方法について以下実施形態に基づいて詳細に説明を行う。本実施形態のシリカ含有有機組成物、シリカ含有有機組成物の製造方法にて製造されたシリカ含有有機組成物の用途は特に限定しないが、電子基板用プリプレグ、絶縁フィルム、電子部品用封止材、ディスプレーの前面部の基材又は表面コート材料、半導体を接着する接着剤、フィルムの材料、異方導電フィルムの材料、ハードコート、及び光学材料などに用いることができる。
(シリカ含有有機組成物の製造方法)
本実施形態のシリカ含有有機組成物の製造方法は前処理工程と分散工程とを有する。
・前処理工程
前処理工程はシリカ微粒子に前処理用化合物を反応させることによりその表面にSIH基を導入してSiH基含有シリカ微粒子にする工程である。シリカ微粒子は特に限定しないが真球度が高いことが望ましい。例えば真球度が0.9以上であることが望ましい。シリカ微粒子の粒径は必要に応じて適正に設定することができ、例えば5nm〜30μmであることが好ましい。シリカ微粒子は粒径、真球度に応じて適正な方法にて製造できる。例えば、金属ケイ素を酸素雰囲気中で燃焼させる方法(VMS法)、シリカを破砕する方法、破砕したシリカなどのシリカ微粒子を更に溶融して真球度を向上する方法(火炎熔融法)、乾式法としてのPVS(Physical Vapor Synthesisi)法などによりシリカ微粒子を得ることができる。また、ゾルゲル法などの常法により合成されるコロイダルシリカを採用することができる。
VMS法は、酸素を含む雰囲気中でバーナーにより化学炎を形成し、この化学炎中に金属ケイ素粉末を粉塵雲が形成される程度の量投入し、爆燃を起こさせてシリカ粒子を得る方法である。
VMS法の作用について説明すれば以下のようになる。まず、容器中に反応ガスである酸素を含有するガスを充満させ、この反応ガス中で化学炎を形成する。次いで、この化学炎に金属ケイ素粉末を投入し高濃度(500g/m以上)の粉塵雲を形成する。すると、化学炎により金属ケイ素粉末表面に熱エネルギが与えられ、金属ケイ素粉末の表面温度が上昇し、金属ケイ素粉末表面から金属ケイ素の蒸気が周囲に広がる。この金属ケイ素蒸気が酸素ガスと反応して発火し火炎を生じる。この火炎により生じた熱は、さらに金属ケイ素粉末の気化を促進し、生じた金属ケイ素蒸気と反応ガスが混合され、連鎖的に発火伝播する。このとき金属ケイ素粉末自体も破壊して飛散し、火炎伝播を促す。燃焼後に生成ガスが自然冷却されることにより、シリカ微粒子(球状シリカ)の雲ができる。得られた球状シリカは、バグフィルターや電気集塵器等により捕集される。
VMS法は粉塵爆発の原理を利用するものである。VMS法によれば、瞬時に大量の球状シリカが得られる。得られる球状シリカは、略真球状の形状をなす。投入する金属ケイ素粉末の粒子径、投入量、火炎温度等を調整することにより、得られる球状シリカの粒子径分布を調整することが可能である。また、原料物質としては金属ケイ素粉末に加えて、シリカ粉末も添加することができる。シリカ粉末は本方法により得られる球状シリカ粉末を採用することで得られる球状シリカ粉末の純度を保つことができる。
火炎溶融法はシリカ粉末を火炎中に噴霧して高温に曝すことにより熔融させて球状化する方法である。シリカ粉末の融点以上の温度にすること以外は、火炎の種類としては特に限定されず、プロパンガスや天然ガスなどを燃料に採用した火炎を挙げることができる。火炎は耐火煉瓦などにて区画した炉内に形成し、その中にシリカ粉末を噴霧することができる。
シリカ粉末の噴霧は何らかのキャリヤガスにガラス粉末を混合して行うことができる。キャリヤガスとしては特に限定しないが、空気、前述の火炎に用いられる燃料、それらの混合物が例示できる。
破砕シリカは原料シリカを粉砕して得られる微粒子である。原料シリカとしては特に限定しない。例えば、天然ケイ石やその熔融物、合成シリカなどが挙げられる。粉砕方法としては特に限定しない。例えば、ハンマーミル、ボールミル、振動ミル、ジェットミルなどを単独乃至組み合わせることで必要な粒径分布を実現する。必要に応じて分級操作を組み合わせても良い。
前処理用化合物はその分子構造中に複数のSiH基をもつ化合物である。複数のSiH基のうちの一部がシリカ微粒子表面に存するOH残基と反応し、残部のSiH基が結合された状態で残ることになる。前処理用化合物としては複数のSiH基をもつこと以外は特に限定しない。例えば、主鎖としてシロキサン結合の繰り返し単位をもつ重合体の側鎖の一部を水素とした化合物が挙げられる。水素が結合している以外のケイ素原子にはアルキル基が結合するものが例示できる。具体的には上述した一般式(1)の化合物が挙げられる。ここで、R〜Rは全てメチル基であることが望ましい。一般式(1)の化合物を反応させると、シリカ微粒子の表面にはSiH基が導入されると共に、SiO構造も導入されて疎水性が向上するものと考えられる。
シリカ微粒子と前処理用化合物とはそれぞれを単純に混合させたり、前処理用化合物に対して不活性な溶媒にて希釈してシリカ微粒子に混合したりできる。混合後はそのまま放置したり、加熱したりすることができる。
前処理用化合物を反応させる量としては、SiH基のうちの一部のみがシリカ微粒子の表面と反応し、残部がSiH基として残るような量とする。例えば、シリカ微粒子の表面積1mあたり、SiH基が1×10−4mol〜5×10−2mol程度になるように前処理用化合物を反応させることが望ましく、1×10−2mol〜3×10−2mol程度になるように前処理用化合物を反応させることが更に望ましい。
・分散工程
分散工程はアルケニル基をもつシリコーン(アルケニル基含有シリコーン)中にSiH基含有シリカ微粒子を分散させて、アルケニル基とSiH基とを反応・結合させて、シリコーン中にシリカ微粒子を高度に分散させる工程である。
シリコーンはシロキサン結合からなる繰り返し単位をもつ重合体でケイ素にはアルキル基が結合している。アルキル基としてはメチル基が望ましい。アルケニル基はシリコーンのどの部位に結合していても良いが、いずれかのアルキル基の代わりに導入することができる。アルケニル基を導入する数は特に限定しない。アルケニル基としてはビニル基、プロピニル基が望ましい。アルケニル基含有シリコーンはアルケニル基を過剰に有するようにしたり、その他の反応基を有するようにしたりすることで、製造したシリカ含有有機組成物を適正に硬化させることができる。
アルケニル基含有シリコーンのアルケニル基とSiH基含有シリカ微粒子のSiH基とは付加反応触媒の存在下混合することにより反応する。付加反応触媒としては特に限定しないが、白金系触媒が例示できる。白金系触媒としては、白金黒、塩化白金酸、塩化白金酸−一価アルコール、塩化白金酸−オレフィン化合物、白金−ビニルシロキサン錯体が例示できる。付加反応触媒の添加量はいわゆる触媒量として添加すれば充分である。
アルケニル基含有シリコーンとSiH基含有シリカ微粒子と付加反応触媒とを混合後、必要に応じて加熱することにより反応させる。この混合状態に応じて最終生成物中におけるシリカ微粒子の分散状態が変化するため、できるだけ均一になるまで混合・分散を行う。
SiH基含有シリカ微粒子とアルケニル基含有シリコーンとの混合比は特に限定しないが、全体の質量を基準としてSiH基含有シリカ微粒子の質量が1%〜70%とすることが望ましく、10%〜60%とすることが更に望ましい。
(シリカ含有有機組成物:その1)
本実施形態のシリカ含有有機組成物は上述した製造方法にて製造され得る形態をもつ。つまり、シリカ微粒子の表面にSIH基由来のSiO結合を介して結合したSIH基に対して、アルケニル基が付加反応することによりシリコーンが結合された分子構造をもつものである。シリカ微粒子とシリコーンとの混合比は上述した製造方法と同様の混合比を採用できる。
(シリカ含有有機組成物:その2)
本実施形態のシリカ含有有機組成物はシリカ微粒子とそのシリカ微粒子の表面に−(SiO)−(:nは1以上)と炭素−炭素結合を介して結合され、そのシリカ微粒子を分散するシリコーンとを有する。シリカ微粒子とシリコーンとの混合比は上述した製造方法と同様の混合比を採用できる。
・試験例1
100質量部のシリカ微粒子(体積平均粒径0.5μm:SO−25R:アドマテックス製)と、1質量部のジメチルシリコーン誘導体(KF−9901:信越化学工業製:メチル基の一部が水素に置換されている)とを混合した。ジメチルシリコーン誘導体のSIH基がシリカ微粒子の表面に反応してSiH基含有シリカ微粒子Aを得た。
SiH基含有シリカ微粒子Aを60質量部、末端にビニル基をもつシリコーン(アルケニル基含有シリコーン:KE−1051J:信越化学工業製)を40質量部、付加反応触媒としての塩化白金酸を2質量%含む2−エチルヘキサノール溶液を0.001質量部とをプラネタリーミキサー、更には3本ロールで混合した。その後、120℃で1時間加熱して本試験例のシリカ含有有機組成物とした。
本試験例のシリカ含有有機組成物を2枚のスライドガラスの間に挟持して光学顕微鏡にて分散状態を観察したところ、凝集体はなく均一に分散されていた。
・試験例2
100質量部のシリカ微粒子(体積平均粒径30μm:FEE00B:アドマテックス製)と、1質量部のジメチルシリコーン誘導体(KF−9901:信越化学工業製:メチル基の一部が水素に置換されている)とを混合した。ジメチルシリコーン誘導体のSIH基がシリカ微粒子の表面に反応してSiH基含有シリカ微粒子Bを得た。
SiH基含有シリカ微粒子Bを40質量部、末端にビニル基をもつシリコーン(アルケニル基含有シリコーン:KE−1051J:信越化学工業製)を60質量部、付加反応触媒としての塩化白金酸を2質量%含む2−エチルヘキサノール溶液を0.001質量部とをプラネタリーミキサー、更には3本ロールで混合した。その後、120℃で1時間加熱して本試験例のシリカ含有有機組成物とした。
本試験例のシリカ含有有機組成物を2枚のスライドガラスの間に挟持して光学顕微鏡にて分散状態を観察したところ、凝集体はなく均一に分散されていた。
・試験例3
100質量部のシリカ微粒子(体積平均粒径50nm:PVS法にて製造:株式会社シーアイ化成製)と、1質量部のジメチルシリコーン誘導体(KF−9901:信越化学工業製:メチル基の一部が水素に置換されている)とを混合した。ジメチルシリコーン誘導体のSIH基がシリカ微粒子の表面に反応してSiH基含有シリカ微粒子Cを得た。
SiH基含有シリカ微粒子Cを40質量部、末端にビニル基をもつシリコーン(アルケニル基含有シリコーン:KE−1051J:信越化学工業製)を60質量部、付加反応触媒としての塩化白金酸を2質量%含む2−エチルヘキサノール溶液を0.001質量部とをプラネタリーミキサー、更には3本ロールで混合した。その後、120℃で1時間加熱して本試験例のシリカ含有有機組成物とした。
本試験例のシリカ含有有機組成物を2枚のスライドガラスの間に挟持して光学顕微鏡にて分散状態を観察したところ、凝集体はなく均一に分散されていた。
・試験例4
60質量部のシリカ微粒子(SO−25R:アドマテックス製)と、末端にビニル基をもつシリコーン(アルケニル基含有シリコーン:KE−1051J:信越化学工業製)を40質量部、付加反応触媒としての塩化白金酸を2質量%含む2−エチルヘキサノール溶液を0.001質量部とをプラネタリーミキサー、更には3本ロールで混合した。その後、120℃で1時間加熱して本試験例のシリカ含有有機組成物とした。
本試験例のシリカ含有有機組成物を2枚のスライドガラスの間に挟持して光学顕微鏡にて分散状態を観察したところ、凝集体が認められて充分な分散は実現されていなかった。
・試験例5
60質量部のシリカ微粒子(FEE00B:アドマテックス製)と、末端にビニル基をもつシリコーン(アルケニル基含有シリコーン:KE−1051J:信越化学工業製)を40質量部、付加反応触媒としての塩化白金酸を2質量%含む2−エチルヘキサノール溶液を0.001質量部とをプラネタリーミキサー、更には3本ロールで混合した。その後、120℃で1時間加熱して本試験例のシリカ含有有機組成物とした。
本試験例のシリカ含有有機組成物を2枚のスライドガラスの間に挟持して光学顕微鏡にて分散状態を観察したところ、凝集体が認められて充分な分散は実現されていなかった。
・試験例6
60質量部のシリカ微粒子(株式会社シーアイ化成製)と、末端にビニル基をもつシリコーン(アルケニル基含有シリコーン:KE−1051J:信越化学工業製)を40質量部、付加反応触媒としての塩化白金酸を2質量%含む2−エチルヘキサノール溶液を0.001質量部とをプラネタリーミキサー、更には3本ロールで混合した。その後、120℃で1時間加熱して本試験例のシリカ含有有機組成物とした。
本試験例のシリカ含有有機組成物を2枚のスライドガラスの間に挟持して光学顕微鏡にて分散状態を観察したところ、凝集体が認められて充分な分散は実現されていなかった。
・試験例7
100質量部のシリカ微粒子(SO−25R)と、1質量部のジメチルシリコーン誘導体(KF−9901:信越化学工業製:メチル基の一部が水素に置換されている)とを混合した。ジメチルシリコーン誘導体のSIH基がシリカ微粒子の表面に反応してSiH基含有シリカ微粒子Aを得た。
SiH基含有シリカ微粒子Aを60質量部、アルケニル基をもたないシリコーンを40質量部、付加反応触媒としての塩化白金酸を2質量%含む2−エチルヘキサノール溶液を0.001質量部とをプラネタリーミキサー、更には3本ロールで混合した。その後、120℃で1時間加熱して本試験例のシリカ含有有機組成物とした。
本試験例のシリカ含有有機組成物を2枚のスライドガラスの間に挟持して光学顕微鏡にて分散状態を観察したところ、凝集体が認められて充分な分散は実現されていなかった。
・その他評価
試験例1〜3、7におけるSiH基含有シリカ微粒子についてIR測定を行った結果、211〜2200cm−1程度にSiH基の吸収が認められた。
・結論
試験例1〜3にて得られたシリカ含有有機組成物はシリカ微粒子が高度に分散されており、非常に安定性が高いものであり、光学的にも高い均一性が認められた。それに対して試験例4〜7にて得られたシリカ含有有機組成物は分散直後においても凝集体を形成しており、充分な透明性も示さなかった。試験例4〜6においては親水性が高いシリカ微粒子が疎水性が高いシリコーンと分離したために分散性が充分でないものと考えられる。試験例7においては表面をある程度疎水化したとしてもシリカ微粒子は疎水性が高いシリコーン中ではそのまま安定して分散できず、分散性が充分でないものと考えられる。

Claims (3)

  1. シリカ微粒子に複数のSiH基をもつ前処理用化合物の一部のSiH基を反応させて表面に残部のSiH基を導入してSiH基含有シリカ微粒子とする前処理工程と、
    付加反応触媒の存在下、前記SiH基含有シリカ微粒子にアルケニル基含有シリコーンを含むシリコーンを混合し、前記アルケニル基と反応させてシリカ微粒子分散シリコーンとする分散工程と、
    を有することを特徴とするシリカ含有有機組成物の製造方法(ただし、分散工程において、ポリオキシアルキレン基が結合しているポリオルガノシロキサンを混合することを除く。)
  2. 前記前処理用化合物は、一般式(1):−(SiHR1−O)n(SiR2R3−O)m−で表される化合物である請求項1に記載のシリカ含有有機組成物の製造方法。
    (式(1)中、R1〜R3はアルキル基からそれぞれ独立して選択可能である。n,mはそれぞれ独立して選択可能な正の整数である。)
  3. 前記シリカ微粒子は粒径が5nm〜30μmである請求項1又は2に記載のシリカ含有有機組成物の製造方法。
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