JP3434964B2 - 複合粉体およびその製造方法 - Google Patents

複合粉体およびその製造方法

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JP3434964B2
JP3434964B2 JP07960196A JP7960196A JP3434964B2 JP 3434964 B2 JP3434964 B2 JP 3434964B2 JP 07960196 A JP07960196 A JP 07960196A JP 7960196 A JP7960196 A JP 7960196A JP 3434964 B2 JP3434964 B2 JP 3434964B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容易に製造でき、
しかも安定性の高い高親水性かつ感温性の複合粉末およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】パウ
ダータイプあるいはケーキ型のファンデーション、アイ
カラー、チークカラー等の粉体化粧料は、一般に体質顔
料、白色顔料、着色顔料といった粉体の表面を、油剤や
界面活性剤などの結合剤で処理して圧縮、固形化して調
製されるが、粉体の吸湿性、吸油性により汗や皮脂を吸
収し、化粧料を皮膚に塗布後時間が経過するにつれて色
のくすみや化粧くずれが生じてしまう。そこで親水性粉
体をシリコーン油や界面活性剤などの疎水化剤により処
理して撥水性を向上させたり、フッ素系樹脂で被覆して
撥水、撥油性を向上させたりして、化粧持ちを向上させ
る試みがなされていた。
【0003】一方、粉体化粧料においては水を配合しな
いか、配合しても極微量に制限されるため、エモリエン
ト剤を含有させたり、コラーゲンやヒアルロン酸、アミ
ノ酸誘導体などの保水性の高い物質を被覆した粉体を混
合したりして粉体化粧料に保湿性を持たせる試みがなさ
れていた。
【0004】ところが、従来の撥水性粉体を配合した化
粧料は、気温が高く高湿度となる夏季に使用するには粉
体自体の吸湿性も抑制され、汗に対する抵抗性も大き
く、さらに撥油性粉体を配合した場合には皮脂に対する
抵抗性も付与され、良好な使用感を呈するのであるが、
気温が低く空気の乾燥する冬季に使用すると、粉体の吸
湿性が低いため、乾燥感が強くなり妥当な使用感が得ら
れない。逆に、保水性粉体を配合した化粧料では、低温
低湿度下の条件ではしっとりとした使用感を示すが、高
温多湿となり汗をかきやすい夏季にはかえってべたつき
感を生じ、化粧くずれが顕著となる。
【0005】そこで、高温多湿となる夏季、及び低温低
湿となり皮膚も乾燥しやすい冬季と、両シーズンにわた
って満足な使用感の得られる化粧料として、温度により
水に対する親和性が変化し、高温多湿となる夏季には親
水性が低下して撥水性を示し、低温低湿となる冬季には
親水性が上昇して保水性を示す新規な温度感受性粉体と
して、粉体表面にアクリル酸重合体を被覆したものが開
発されている(特開平7−285828号公報)。しか
しながら、この複合粉体は、粉体の表面活性が残存し、
安定性の点で不十分なものであると共に、皮膜形成用の
ポリマーを製造、精製する必要があり、製造コストが高
くつくという欠点もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、鋭
意研究を行った結果、粉体表面に、シリコーンポリマー
皮膜と親水性高分子皮膜とを順次形成したならば、粉体
の表面活性が消失し、かつ感温性を有する複合粉体が得
られることを見い出し、本発明を完成するに至った。ま
た、本発明の方法によれば、このシリコーンポリマー皮
膜と親水性高分子皮膜とが粉体表面に強固に形成された
複合粉体を簡便な方法で得ることができる。
【0007】すなわち、本発明は、粉体表面にSi−H
部分を少なくとも1個有するシリコーンポリマーよりな
る皮膜が被覆形成され、さらにその外層に親水性高分子
皮膜が被覆形成されてなることを特徴とする複合粉体で
ある。
【0008】また、その製造方法は、粉体表面に、Si
−H部分を少なくとも1個有するシリコーンポリマーよ
りなる皮膜を被覆形成する第1の工程と、反応性基含有
不飽和化合物と前記シリコーンポリマーのSi−H部分
とを付加反応させて粉体表面に親水性高分子との反応点
を形成する第2の工程と、該反応性基を介して親水性高
分子が結合した親水性高分子皮膜を最外層に被覆形成す
る第3の工程とを備えてなることを特徴とする。
【0009】また、本発明によれば、粉体表面にSi−
H部分を少なくとも1個有するシリコーンポリマーより
なる皮膜が被覆形成され、さらにその外層に親水性高分
子皮膜が被覆形成された複合粉体を含む皮膚外用剤が提
供される。
【0010】以下、本発明の複合粉体及びその製造方法
について具体的に説明する。本発明で用いられる粉体の
種類については、例えば無機粉体の場合、セリサイト、
タルク、マイカ、シリカ、カオリン等の体質顔料系粉
体、酸化亜鉛、酸化チタン、群青等の金属酸化物、ある
いはナイロンパウダー等の有機粉体等が挙げられるが、
本発明の範囲をこれらの例に限定するものではないこと
は言うまでもない。
【0011】本発明で用いるシリコーンポリマー被覆粉
体に関する粉体のシリコーン処理方法は、それ自体公知
であり、例えばシリコーンポリマー被覆による方法では
本発明者らの先願に係わる特開昭63−113081号
公報に具体的に記載されるものを挙げることができる。
被覆するシリコーンポリマーとしては、例えばシリコー
ンポリマーの前駆体であるシリコーンモノマーあるいは
オリゴマーを粉体上に吸着させ、その表面上で重合させ
ることにより均一なシリコーンポリマー被覆を形成させ
たものが好ましい。この被覆に都合のよいシリコーンモ
ノマーまたはオリゴマーとしては、一般式(1)のシリ
コーン化合物を使用することができる。
【0012】
【化1】 (R1HSiO)a(R23SiO)b(R456SiO1/2c …(1)
【0013】(式中、R1,R2およびR3は相互に独立
に、水素原子であるかまたはハロゲン原子少なくとも1
個で置換されていることのある炭素数1〜10の炭化水
素基であるが、ただしR1,R2およびR3が同時に水素
原子であることはないものとし、そしてR4,R5および
6は相互に独立に、水素原子であるかまたはハロゲン
原子少なくとも1個で置換されていることのある炭素数
1〜10の炭化水素基であり、aは1以上の整数であ
り、bは0または10000未満の整数である。cは0
または2であるが、但し、cが0である場合にはa+b
が3以上の整数であるものとし、そしてa+b+cの最
大値は10000であるものとし、この化合物は−Si
H部分を少なくとも1個含むものとする。) 前記一般式(1)において、基R1〜R6はそれぞれ、各
繰り返し単位においてそれぞれ異なるものであることが
できる。具体的には次式(2)、(3)、(4)および
(5)で示される化合物を挙げることができる。
【0014】
【化2】
【0015】(式中、R1は低級アルキル基例えばメチ
ル基もしくはエチル基、またはアリール基例えばフェニ
ル基であり、a=3〜7である。)
【0016】
【化3】
【0017】(式中、R1およびR2は低級アルキル基ま
たはアリール基であり、R3はアルキル基またはアリー
ル基であり、a+bは3〜100である。)
【0018】
【化4】
【0019】(式中、aは好ましくは1〜500、特に
好ましくは2〜5である。)
【0020】
【化5】
【0021】(式中、a+bは1〜500であり、a≧
2である。) また、一般式(4)および(5)中の1個またはそれ以
上のメチル基が、エチル基、プロピル基またはフェニル
基の1個またはそれ以上で置き換えたものを使用するこ
ともできる。
【0022】このような化合物としては、例えば、ジハ
イドロジェンヘキサメチルシクロテトラシロキサン、ト
リハイドロジェンペンタメチルシクロテトラシロキサ
ン、テトラハイドロジェンテトラメチルシクロテトラシ
ロキサン、ジハイドロジェンオクタメチルシクロペンタ
シロキサン、テトラハイドロジェンヘキサメチルシクロ
ペンタシロキサンおよびペンタハイドロジェンペンタメ
チルシクロペンタシロキサンなどの環状シリコーン化合
物ならびに1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメ
チルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,
9,9−ノナメチルペンタシロキサンおよび1,1,
1,3,5,7,9,11,11,11−デカメチルヘ
キサシロキサンなどの直鎖状シリコーン化合物を挙げる
ことができる。これらのシリコーン化合物は、例えば前
記公開公報に示される固体表面上での重合によって、固
体表面上に堆積したシリコーンポリマー被覆を形成する
ことができる。このポリマーはその対応するモノマーあ
るいはオリゴマーの一般式から理解できるように、反応
性ヒドロシリル(Si−H)基を有する。
【0023】粉体とシリコーン化合物との接触および重
合は気相処理によって行うことが最も好ましいが、前記
シリコーン化合物を溶媒に溶かし粉体を分散させた後に
乾燥させて粉体表面上にシリコーンポリマー被膜を形成
させることもできるし、溶媒に溶かしたシリコーン化合
物を直接噴霧し、加熱乾燥してシリコーンポリマー被膜
を形成させることもできる。処理後乾燥すれば、シリコ
ーンポリマー被膜が表面上に形成され、それだけでも安
定な粉体が得られる。気相処理の場合は乾燥工程さえ不
要である。例えば、適当な混合機(回転ボールミル、振
動式ボールミル、遊星型ボールミル、サンドミル、アト
ライター、パグミル、ポニミキサー、プラネタリーミキ
サー、擂潰機)等の中に粉体を装入し、メカノケミカル
に処理することによって実施する。
【0024】次に、シリコーンポリマー皮膜上に形成さ
れる親水性高分子皮膜について説明する。本発明で用い
られる親水性高分子としては、ポリアクリルアミド類お
よびポリアルキレングリコール類が好ましい。このう
ち、ポリアクリルアミド類としては、ポリアクリルアミ
ド、ポリN−メチルアクリルアミド、ポリN−エチルア
クリルアミド、ポリN−イソプロピルアクリルアミド、
ポリN−シクロプロピルアクリルアミド、ポリN−n−
プロピルアクリルアミド、ポリN−t−ブチルアクリル
アミド、ポリメタクリルアミド、ポリNN−ジメチルア
クリルアミド、ポリNN−ジエチルアクリルアミド、ポ
リNN−ジイソプロピルアクリルアミド、ポリNN−ジ
ーnープロピルアクリルアミド、ポリN−メチル−N−
エチルアクリルアミド、ポリN−エチル−N−イソプロ
ピルアクリルアミド、ポリN−エチル−N−n−プロピ
ルアクリルアミド、ポリN−イソプロピル−N−n−プ
ロピルアクリルアミド等が挙げられる。またポリアルキ
レングリコール類としては、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等
が挙げられる。その他、ポリN−アクリロイルピロリジ
ン、ポリN−アクリロイルピペリジン、ポリN−アクリ
ロイルメチルホモピペラジン、ポリN−アクリロイルメ
チルピペラジン等であってもよい。
【0025】次に親水性高分子皮膜の形成方法について
述べる。シリコーンポリマー皮膜上に形成される親水性
高分子皮膜は、両皮膜を結合させる接着剤として反応性
基含有不飽和化合物を用いることによって、シリコーン
ポリマー皮膜上への形成が可能となる。ここで「反応性
基」とは、親水性高分子あるいはその原料たるモノマー
に対して反応性を有する基を意味し、結果として親水性
高分子皮膜との反応点が形成される部分である。反応性
基含有不飽和化合物としては、グリセロール−α−モノ
アリルエーテルを挙げることができる。
【0026】次にシリコーン被覆粉体表面と反応性基含
有不飽和化合物との反応方法について説明する。まず、
有機溶媒中に前記化合物を溶解させ、さらにシリコーン
被覆粉体を加え、攪拌してよく分散させた後、ヒドロシ
リル化反応(塩化白金酸等の触媒を利用してもよい。)
により前記化合物を付加させる。なお、処理温度は、有
機溶媒の沸点以下であれば特に限定されない。シリコー
ン被覆粉体表面と反応性基含有不飽和化合物との反応に
用いる有機溶媒は、アセトン、エタノール、トルエン
等、不飽和化合物を溶解せしめるものであればどんなも
のでもよい。必要ならば、2種以上の有機溶媒を組み合
わせて使用してもよい。
【0027】以上のようにして得られた反応性基を表面
に有する粉体上への親水性高分子皮膜の形成は、まず、
粉体と親水性モノマー(例えばアクリルアミド)とを有
機溶媒中に入れ、さらに重合開始剤(例えばCeのよう
な重金属イオン)の存在下、グラフト重合させることに
より最終的に目的の粉体を得ることができる。この時用
いられる有機溶媒は、アセトン,エタノール,トルエン
等、親水性モノマーを溶解せしめるものであればどんな
ものでもよい。必要ならば、2種以上の有機溶媒を組み
合わせて使用しても良い。こうして本発明の複合粉体が
得られる。なお、本発明による粉体は、皮膚外用剤、塗
料、容器、プラスチック、紙、繊維、シート、ガラス、
プリズム、レンズ等に利用することができる。
【0028】本発明の複合粉体を皮膚外用剤、特に化粧
料用の粉体として使用した場合には、高温高湿となる夏
季および低温低湿となり皮膚も乾燥しやすい冬季と、両
シーズンにわたって満足な使用感を有し、かつ安定性の
高い化粧料が得られる。本発明の複合粉体を配合した皮
膚外用剤には、他の粉体、油分、防腐剤、酸化防止剤、
薬剤、香料、紫外線吸収剤、界面活性剤、半固型油分、
固型油分、保湿剤等の通常皮膚外用剤中に配合される成
分を加えることができる。
【0029】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定する
ものではないことは言うまでもない。 実施例1 (1−1)微粒子シリカゲルのシリコーンポリマー被覆 容積100リットルの回転式ダブルコーン型反応槽(ス
テンレススチール製、保温ジャケット付き)中に粒径5
0nmのシリカゲル4kgを入れた。その反応槽および
それに直結させた容積10リットルの処理液供給タンク
(ステンレススチール製、保温ジャケット付き)の温度
は、80℃に加熱した熱媒体を循環ポンプで熱媒体加熱
槽から各保温ジャケットに供給することにより、80℃
に保持した。処理液供給タンクに窒素ガスを1.5リッ
トル/minで供給して、処理液(1,3,5,7−テ
トラメチルシクロテトラシロキサン)をバブリングさせ
た。なお、反応槽には凝縮器を取り付け、窒素ガスがそ
こから放出され、未反応の処理剤が回収できるようにし
た。また、反応槽は10分間隔で1分間回転させ、反応
槽内で微粒子シリカゲルを混合する操作を8時間繰り返
し、処理粉体を取り出した。得られた粉体は著しい疎水
性を示した。
【0030】(1−2)シリコーンポリマー被覆微粒子
シリカゲルの表面修飾 (1−1)のシリコーンポリマー被覆微粒子シリカゲル
100gを3リットルのナス型フラスコに取り、これに
触媒として塩化白金酸10mg、グリセロール−α−モ
ノアリルエーテル4gおよびエタノール0.5リットル
を加えてマントルヒーター中で6時間還流加熱させた
後、濾過し、エタノール2リットルで洗浄し、脱気乾燥
を行い、グリセロール−α−モノアリルエーテルで表面
修飾された粉体を得た。
【0031】(1−3)グリセロール−α−モノアリル
エーテル修飾粉体へのポリアクリルアミドの被覆 スターラーバーを入れた100mLナス型フラスコに、
(1−2)の修飾粉体0.5gとアクリルアミド1.0
gを加え、重合溶媒(脱気した純水とアセトンの混合溶
媒(容積比10:3))9mLを加えた。これに硝酸第
二アンモニウムセリウムの硝酸水溶液(硝酸第二アンモ
ニウムセリウム1.09gに1mol/L硝酸水溶液1
0mLを加えた溶液)1.0mLを素早く加えて密栓
し、窒素雰囲気下でマグネチックスターラーにより攪拌
しながら30℃で重合を行った。反応後、生成物を多量
のアセトン中に注いで重合を停止させるとともに、修飾
粉体を含むポリマーを沈殿させた。沈殿物を吸引ろ過し
た後、アセトンでよく洗浄した。生成物は赤外乾燥させ
てから減圧乾燥することにより目的の複合粉体を得た。
【0032】実施例2 実施例1の微粒子シリカゲルを微粒子二酸化チタンに代
えた他は実施例1と同様の処理を行い、複合粉体を得
た。粒子表面のポリアクリルアミドグラフト量は、二酸
化チタンの表面積1m2当たり、0.28mg/m2であ
り、重合率は70重量%であった。得られた複合粉体の
IRスペクトルを図1の(A)に、表面修飾したシリコ
ーンポリマー被覆微粒子二酸化チタンのIRスペクトル
を図1の(B)に示す。図1の(A)では、シリコーン
ポリマー由来のSi−CH3およびポリアクリルアミド
のC=Oに由来する明瞭なピークが認められることか
ら、複合粉体が形成されていることが分かる。
【0033】実施例3 実施例1の微粒子シリカゲルをセリサイト10kgに代
えた他は実施例1と同様の処理を行い、複合粉体を得
た。
【0034】実施例4 実施例1の微粒子シリカゲルをタルク10kgに代えた
他は実施例1と同様の処理を行い、複合粉体を得た。
【0035】実施例5 実施例1の微粒子シリカゲルを亜鉛華10kgに代えた
他は実施例1と同様の処理を行い、複合粉体を得た。
【0036】実施例6 実施例1の微粒子シリカゲルを雲母チタン10kgに代
えた他は実施例1と同様の処理を行い、複合粉体を得
た。
【0037】実施例7 実施例1の(1−3)におけるアクリルアミドをN,N
−ジエチルアクリルアミドに代えた他は実施例1と同様
の処理を行い、複合粉体を得た。
【0038】実施例8 実施例1の微粒子シリカゲルを微粒子二酸化チタンに代
え、アクリルアミドをN,N−ジイソプロピルアクリル
アミドに代えた他は実施例1と同様の処理を行い、複合
粉体を得た。
【0039】実施例9 実施例1の微粒子シリカゲルをセリサイト10Kgに代
え、アクリルアミドをN−エチル−N−イソプロピルア
クリルアミドに代えた他は実施例1と同様の処理を行
い、複合粉体を得た。
【0040】実施例10 実施例1の微粒子シリカゲルを微粒子二酸化チタンに代
え、アクリルアミドをN,N−ジエチルアクリルアミド
に代えた他は実施例1と同様の処理を行い、複合粉体を
得た。得られた複合粉体のIRスペクトルを図2の
(A)に、表面修飾したシリコーンポリマー被覆微粒子
二酸化チタンのIRスペクトルを図2の(B)に示す。
図2の(A)では、シリコーンポリマー由来のSi−C
3およびポリアクリルアミドのC=Oに由来する明瞭
なピークが認められることから、複合粉体が形成されて
いることが分かる。
【0041】実施例11 実施例1の微粒子シリカゲルを微粒子二酸化チタンに代
え、アクリルアミドをN−イソプロピルアクリルアミド
に代えた他は実施例1と同様の処理を行い、複合粉体を
得た。得られた複合粉体のIRスペクトルを図3の
(A)に、表面修飾したシリコーンポリマー被覆微粒子
二酸化チタンのIRスペクトルを図3の(B)に示す。
図3の(A)では、シリコーンポリマー由来のSi−C
3およびポリアクリルアミドのC=Oに由来する明瞭
なピークが認められることから、複合粉体が形成されて
いることが分かる。
【0042】試験例1:湿潤性試験 実施例2で得られたアクリルアミド/グリセロ−ル−α
−モノアリルエーテル修飾二酸化チタン(A)、グリセ
ロ−ル−α−モノアリルエーテル修飾二酸化チタン
(B)、および未処理の二酸化チタン(C)をそれぞれ
内径5mmのカラムに充填して上から水を加え、1分間
に吸収された水分を充填層の浸透(湿潤)距離(mm)
で比較した。その結果、(C)では、水の浸透速度は1
mm/minであり、表面親水性は小さかった。また、
(B)では、水の浸透はほとんど認められず、粒子表面
は疎水性であった。これに対して、(A)では、水の浸
透速度が5mm/minとなり、グリセロ−ル−α−モ
ノアリルエーテル修飾二酸化チタン(B)、および未処
理の二酸化チタン(C)に比べて、本発明の複合粉体表
面の親水性が著しく向上していることが分かった。
【0043】試験例2:感温性試験 実施例8で得られた複合粉体をイオン交換水(20℃)
に分散させた後、温水中(40℃以上)に浸した。その
結果、それまで分散していた複合粉体が次第に凝集して
沈降した。次に冷水中に浸したところ、再び良く分散し
たことから、感温性を示すことを確認した。
【0044】次に、本発明に係る複合粉体を配合した各
種皮膚外用剤の実施例について説明する。なお、各実施
例の皮膚外用剤とも、皮膚刺激性、アレルギー性は認め
られず、皮膚に対する安全性は極めて高いものであっ
た。
【0045】 実施例12 ファンデーション (1) 実施例3の複合粉体 10.0 重量% (2) 二酸化チタン 13.0 (3) コロイダルカオリン 25.0 (4) タルク 34.7 (5) ベンガラ 1.0 (6) 黄酸化鉄 2.5 (7) 黒酸化鉄 0.1 (8) 流動パラフィン 8.0 (9) セスキオレイン酸ソルビタン 3.5 (10)グリセリン 2.0 (11)エチルパラベン 0.2 (製法)(1)〜(7)を混合し、粉砕機を通して平均粒径1
〜5μmに粉砕した。これを高速ブレンダーに移し、(1
0)を加えて混合した。別に(8),(9)および(11)を混合
し、均一にしたものを上記混合物に加えてさらに均一に
混合した。これを粉砕機で処理し、ふるいを通して粒度
を整えた後、圧縮成型し、ケーキ型ファンデーションを
得た。
【0046】 実施例13 乳化ファンデーション (A)イオン交換水 43.5 重量% コンドロイチン硫酸ナトリウム 1.0 乳酸ナトリウム 0.5 1,3−ブチレングリコール 3.0 メチルパラベン 適量 (B)ジメチルポリシロキサン(20cs) 16.0 デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0 シリコーン樹脂 1.0 セチルイソオクタネート 1.0 ポリオキシアルキレン変性 オルガノシロキサン(変性率20%) 4.0 酸化防止剤 適量 香料 適量 (C)黄色酸化鉄 1.0 赤色酸化鉄 0.45 黒色酸化鉄 0.2 実施例8の複合粉体 11.7 実施例9の複合粉体 11.65 (製法)成分(B)を加熱溶解後、成分(C)の粉体を添加分
散する。さらに予め溶解加熱しておいた成分(A)を添加
乳化し、室温まで冷却して乳化ファンデーションを得
た。得られた乳化ファンデーションは、化粧持ちが向上
していることがわかった。
【0047】 実施例14 プレストパウダー (1) 実施例6の複合粉体 30.0 重量% (2) 実施例4の複合粉体 65.8 (3) 酸化鉄顔料 0.1 (4) スクワラン 2.0 (5) 2−エチルヘキシルパルミテート 2.0 (6) 香料 0.1 (製法)(1),(2)および(3)をヘンシェルミキサーで混合
し、これに(4)および(5)を加熱混合したものを吹き付
け、混合後粉砕し、中皿に成型してプレストパウダーを
得た。
【0048】実施例15 口紅 (1)炭化水素ワックス 3.0 重量% (2)カルナウバロウ 1.0 (3)グリセリルイソステアレート 40.0 (4)流動パラフィン 45.8 (5)実施例1の複合粉体 4.0 (6)酸化鉄、セリサイトの混合粉体 6.0 (7)香料 0.2 (製法)(1)〜(4)を85℃で溶かし、その中に(5)およ
び(6)を攪拌しながら加えた。最後に、攪拌下で(7)を加
えた。得られた混合物を容器に装入した。こうして、優
れた分散性を持つ所望の口紅が得られた。
【0049】 比較例1 口紅 (1) 炭化水素ワックス 3.0 重量% (2) カルナウバロウ 1.0 (3) グリセリルイソステアレート 40.0 (4) 流動パラフィン 45.8 (5) 複合粉体 4.0 (微粒子シリカゲルに直接ポリアクリルアミドを修飾したもの) (6) 酸化鉄、セリサイトの混合粉体 6.0 (7) 香料 0.2 (製法)(1)〜(4)を85℃で溶かし、その中に(5)およ
び(6)を攪拌しながら加えた。最後に、攪拌下で(7)を加
えた。得られた混合物を容器に装入した。こうして、所
望の口紅が得られた。なお、複合粉体は特開平7−28
5828号公報に記載の方法によって製造した。
【0050】試験例3:経時安定性試験 実施例15および比較例1で得られた口紅をそれぞれ5
0℃で−1カ月保存した。その結果、実施例15は変化
がなく安定であったのに対し、比較例1は香料の分解に
よると思われる異臭が生じていた。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合粉体
は、安定性の高い高親水性かつ感温性の複合粉末であ
り、また本発明の製造方法によれば、かかる複合粉体を
容易に大量生産でき、製造コストが安くつくという利点
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複合粉体の一例のIRスペクトル
図である。
【図2】本発明による複合粉体の一例のIRスペクトル
図である。
【図3】本発明による複合粉体の一例のIRスペクトル
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−285828(JP,A) 特開 昭63−113081(JP,A) 特開 昭63−168346(JP,A) 特開 昭64−30637(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体表面にSi−H部分を少なくとも1
    個有するシリコーンポリマーよりなる皮膜が被覆形成さ
    れ、さらにその外層にグリセロール−α−モノアリルエ
    ーテルを介して、ポリアクリルアミドまたはその誘導
    体、あるいはポリアルキレングリコールからなる親水性
    高分子皮膜が被覆形成されてなることを特徴とする複合
    粉体。
  2. 【請求項2】 粉体表面に、Si−H部分を少なくとも
    1個有するシリコーンポリマーよりなる皮膜を被覆形成
    する第1の工程と、反応性基含有不飽和化合物としての
    グリセロール−α−モノアリルエーテルと前記シリコー
    ンポリマーのSi−H部分とを付加反応させて粉体表面
    に親水性高分子との反応点を形成する第2の工程と、該
    反応性基を介して親水性高分子が結合した親水性高分子
    皮膜を最外層に被覆形成する第3の工程とを備え、上記親水性高分子は、ポリアクリルアミドまたはその誘
    導体、あるいはポリアルキレングリコールからなるもの
    である ことを特徴とする複合粉体の製造方法。
  3. 【請求項3】 親水性高分子皮膜を被覆形成する第3の
    工程が、反応点を有する粉体の存在下で親水性モノマー
    をグラフト重合させることからなるものである請求項
    記載の複合粉体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項に記載の複合粉体を含有するこ
    とを特徴とする皮膚外用剤。
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