JP4102520B2 - 化粧料用粉体 - Google Patents
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Description
本発明は、ポリエーテルで表面を被覆した粉体及びこれを含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧料には、種々の粉体が配合されているが、肌への付着性や撥水性を向上させたり、また分散性を向上させるなどの目的に応じて、粉体表面を疎水化処理することが行われている。
【0003】
この疎水化処理の方法としては、多くの方法が知られており、例えば油剤を用いる方法、すなわち粉体の表面を油剤で加熱処理する方法や粉体の表面に油剤を焼き付け処理する方法などが知られている。また、粉体表面の疎水化に用いる表面処理剤としては、フッ素化合物、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アクリル・シリコーン系グラフト共重合体、アルミナ、シリカ等が知られており、目的に応じていずれかを単独で又は2種以上を組合わせて使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の疎水化処理方法で得られた処理粉体は、これを肌上に塗布する際、処理前の粉体よりも、きしみ感、かさかさ感が強く、粉っぽく感じられるなど、使用感が好ましくないという問題があった。また、疎水化処理することにより粉体と皮膚との親和性が低下し、肌への付着性に劣るものとなるなどの問題があった。
【0005】
従って十分な疎水性を有し、しかも化粧料に配合したときに付着性、使用感及び化粧持ちに優れた化粧料の得られる化粧料用粉体が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の一般式(1)で表されるポリエーテルで表面被覆された化粧料用粉体及びこれを含有する化粧料を提供するものである。
-[X]m-[Y]n- (1)
〔式中、m個のXは同一又は異なって、一般式(X1)又は(X2)で表される基を示し、
【0007】
【化3】
【0008】
(R1 、R2 、R3 、R9 、R10及びR11は同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を示す。
Gは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基又は炭素数6〜30のアリーレン基を示す。
R4 、R5 、R6 、R7 及びR8 の個々の基は同一でも異なってもよく、それぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基又はケイ素原子数1〜200のシロキシ基若しくはポリシロキシ基(以下「シロキシ基」という)を示す。
R12は炭素数1〜32の炭化水素基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基を示す。
a及びdはそれぞれ1又は2の数を示し、bは0又は1の数を示し、cは平均値として1〜500の数を示すか、又は単一の数として1〜20の整数を示す。)
【0009】
n個のYは同一又は異なって、一般式(Y1)、(Y2)又は(Y3)で表される基を示し、
【0010】
【化4】
【0011】
(R13、R14、R15、R17及びR18は同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を示す。
R16は水素原子又は炭素数1〜32の炭化水素基を示す。
R19及びR20は同一又は異なって、水素原子、カルボキシル基、カルボキシメチル基又はそれらの塩を示す。
eは1又は2の数を示す。
fは2〜6の数を示す。)
m及びnはm/(m+n)=0.2〜1及びm+n≧10を満足する数を示す。〕
【0012】
【発明の実施の形態】
一般式(1)中、繰り返し単位X及びYを表す一般式(X1)、(X2)、(Y1)、(Y2)及び(Y3)において、R1-3、R9-11、R13-15及びR17-18は、水素原子、メチル基及びエチル基から選択することができるが、なかでも水素原子が好ましい。
【0013】
また、Gで表されるメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、フェニレン基等が挙げられる。これらのうち、Gとしては合成の容易さの点からメチレン基及びトリメチレン基が好ましい。
【0014】
R4-8で表される炭化水素基としては、炭素数1〜10のものが、シロキシ基としては直鎖又は分岐鎖のケイ素原子数1〜100のものが好ましいが、特にメチル基が好ましい。
【0015】
R12で表されるフッ素置換炭化水素基としては、炭素数1〜20、特に1〜12のものが好ましい。またフッ素原子の置換度は炭化水素基中の置換し得る全ての水素原子の20〜100%であることが好ましく、更にフッ素原子の置換位置の分布は、より分子表面に近い鎖の末端側に位置していることが好ましいが、最末端の炭素原子に結合する水素原子の1つが未置換であるものも好ましい。
【0016】
a及びdとしては1が、bとしては1がより好ましく、またcは1〜12の数が好ましい。
【0017】
R16としては炭素数1〜20のアルキル基、特にメチル基、エチル基、オクチル基、セチル基、ステアリル基が好ましい。
【0018】
Y2 としては、R17及びR18が水素原子で、R19及びR20がカルボキシル基又はその塩であるものがより好ましい。
【0019】
またeとしては1が、fとしては2〜4がより好ましい。
【0020】
更に、一般式(1)中のm及びnは、m+n≧20となる数が好ましく、またm/(m+n)が0.6〜1となる数が好ましい。
【0021】
かかるポリエーテル(1)は、例えば次の反応式A又はBに従って製造することができる。
【0022】
【化5】
【0023】
〔式中、R1〜R12、G、a、b、c及びdは、前記と同じ意味を示す。
Zは、置換エポキシドと共重合して一般式(Y1)、(Y2)又は(Y3)で表される基を与えるモノマーを示す。〕
【0024】
すなわち、基(X1)に対応するエポキシド(x1)又は基(X2)に対応するエポキシド(x2)を重合触媒を用いて重合させることにより一般式(1)においてn=0であるポリエーテル(1)が得られ、エポキシド(x1)又はエポキシド(x2)とモノマーZとを、重合触媒を用いて共重合させることにより一般式(1)においてn≠0であるポリエーテル(1)が得られる。
【0025】
ここで、Zとしては基(Y1)又は(Y2)に対応する(x1)、(x2)と同様のエポキシド、基(Y3)に対応するアルキレンオキシド、テトラヒドロフラン又はテトラヒドロピランが挙げられる。
【0026】
本発明において、前記ポリエーテルで表面被覆される粉体(以下、「原料粉体」という)としては、無機粉末、有機粉末、パール剤等が使用される。具体的には、タルク、マイカ、カオリン、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、群青、雲母チタン、セリサイト、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母等が挙げられる。有機粉末としては、ポリエチレン、ポリスチレン、セルロース、ナイロン、アクリル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、シルクパウダー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組合わせて使用することができる。粉体の平均粒径は、化粧料中に配合する目的によって、最適な粒径が異なり、特に限定されるものではない。例えば体質顔料であるマイカ、タルク、セリサイト等の板状粉体では、肌ざわりの点から1〜50μm、更に3〜30μm、特に5〜25μmが好ましい。また、ナイロン末、PMMA、シリカ等の球状粉体では、さらさら感の点から0.1〜40μm、更に0.2〜30μm、特に0.2〜25μmが好ましい。更に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の着色を目的にしたものでは、0.01〜10μm、更に0.02〜7μm、特に0.03〜5μmが好ましい。
【0027】
本発明において、原料粉体をポリエーテルで被覆する方法は特に限定されないが、例えばポリエーテルを溶解させた溶液と原料粉体を混合し、その後、溶媒を留去する方法が好ましい。溶媒としては、ポリエーテルを溶解させるものであれば特に限定されないが、例えば低級アルコール類、エーテル類、エステル類等が使用され、なかでもエタノール、2−プロパノール、酢酸エチル等が好ましい。
【0028】
原料粉体のポリエーテルによる処理量は、その種類によっても異なるが、通常、粉体の0.1〜50重量%、特に1〜20重量%が好ましい。溶媒量は原料粉体に対して重量比で0.3〜30倍量、特に0.5〜10倍量が好ましい。また、混合温度は20〜90℃程度が好ましく、混合時間は、処理量の粉体の種類によって異なるが、通常1〜15時間が好ましい。
【0029】
このようにして調製された本発明の化粧料用粉体は、原料粉体の表面に存在するポリエーテルの一部は、原料粉体の構成成分と化学的に結合していてもよい。
【0030】
本発明の化粧料用粉体は、通常の方法に従って化粧料に配合することができる。かかる化粧料としては、例えばファンデーション、パウダー、化粧下地、白粉、ほお紅、アイシャドウ、アイブロウ、口紅等のメークアップ化粧品;化粧水、乳液、クリーム等のスキンケア化粧料;紫外線防御化粧料、ボディ用乳液、ボディパウダー、ベビィパウダー等のボディ化粧品等が挙げられる。
【0031】
【実施例】
触媒調製及び重合操作は、乾燥窒素雰囲気下で行った。各種の溶媒は乾燥後、蒸留、脱気したものを使用した。希土類金属化合物及びその他の無機化合物は、市販高純度品をそのまま使用した。メチルアルモキサン(以下、MAOと略記する。ここで用いたのはトルエン溶液で、アルミニウム濃度は10.2重量%。)は市販品をそのまま使用した。
【0032】
触媒調製例1
サマリウムトリイソプロポキシド0.9296gを秤量し、ベンゼン23.83mLを加え攪拌した。攪拌下に室温でMAO溶液5.06mL(6当量)を滴下し、触媒A〔Sm/Al(モル比)=1/6〕を調製した。
【0033】
合成例1
窒素雰囲気下、氷冷したテトラヒドロフラン(以下、THF)360mLにn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.556M)144.5mLを加え、乾燥後蒸留精製したテトラメチルシラノール25.0mLを滴下した。室温で20分攪拌後、ヘキサメチルシクロトリシロキサン100g(2当量)を予めTHF260mLに溶解した溶液を添加し、室温で12時間攪拌した。反応液を氷冷し、クロロジメチルシラン122.5mL(5当量)を滴下して、更に室温にて2時間攪拌した後、溶媒、過剰のクロロジメチルシラン及び生じた塩化リチウムを除去すると、無色液体として、シリコーンヒドリドが得られた。NMR分析によれば、1分子に含有される平均ケイ素原子数は、8.02であった。
上記で得たシリコーンヒドリドと過剰量のアリルグリシジルエーテルから、ヒドロシリル化反応により、ジメチルシリコーン鎖を有するシリコーンエポキシドを得た。
【0034】
合成例2
合成例1の過程で得られたシリコーンヒドリドから、低沸点のシリコーンヒドリドを、75℃、26.7Paで除去した。NMR分析によれば、1分子に含有される平均ケイ素原子数は8.72であった。
こうして得たシリコーンヒドリドと過剰量のアリルグリシジルエーテルから、ヒドロシリル化反応により、ジメチルシリコーン鎖を有するシリコーンエポキシドを得た。
【0035】
合成例3
ヘキサメチルシクロトリシロキサンの使用量を50g(1当量)とする以外は、合成例1と同様の方法により、シリコーンヒドリドを得た。これを50℃、40Paで減圧蒸留し、1H−ウンデカメチルペンタシロキサンを得た。
これと、過剰量のアリルグリシジルエーテルから、ヒドロシリル化反応により、ジメチルシリコーン鎖を有するシリコーンエポキシドを得た。
【0036】
合成例4 ポリエーテル1の合成(一般式(1)においてm≧28000,n=0,Xは一般式(X1)においてR1=R2=R3=H,R4〜R8=メチル,G=トリメチレン,a=1,b=1,c=7.02)
合成例1で得たシリコーンエポキシド7.089gを窒素置換した容器に取り、トルエン9.9mLを加え溶解させる。これに、触媒A3.00mLを添加した後、容器を封栓し、攪拌しながら130℃で重合した。
6時間後、容器を開封し、反応液を少量の希塩酸を加えたアセトン500mLに添加した。析出した白色ゲルを乾燥した後、クロロホルムに溶解し、少量の希塩酸を加えたアセトンに投じて生じるゲルを80℃で24時間減圧乾燥した。収率64%。わずかに白濁した柔軟固体。
【0037】
合成例5 ポリエーテル2の合成(一般式(1)においてm≧2600,m/(m+n)=0.7,Xは一般式(X1)においてR1=R2=R3=H,R4〜R8=メチル,G=トリメチレン,a=1,b=1,c=7.72,Yは一般式(Y1)においてR13=R14=R15=H,R16=メチル,e=1)
合成例2で得たシリコーンエポキシド4.948g及びメチルグリシジルエーテル0.264gを用い合成例4と同様の方法により重合、精製した。収率86%。ポリエーテルは非常に柔軟な流動体透明固体であった。
【0038】
合成例6 ポリエーテル3の合成(一般式(1)においてm≧1100,n=0,Xは一般式(X1)おいてR1=R2=R3=H,R4〜R8=メチル,G=トリメチレン,a=1,b=1,c=4)
合成例3で得たシリコーンエポキシド4.850gを用い合成例4と同様の方法により24時間重合した。容器を開封し、反応液少量の希塩酸を加えたアセトン500mLに添加、これをポアサイズ0.1μmのテフロン製メンブランフィルターで濾過した。濾液を濃縮、乾固、更に80℃で24時間乾燥すると、白色の脆い皮膜状重合体が得られた。収率34%。
【0039】
合成例7 ポリエーテル4の合成(一般式(1)においてm=1430,n=0,Xは一般式(X2)においてR9=R10=R11=H,R12=−CH2(CF2)4H,d=0)
サマトリウムトリス(テトラメチルヘプタンジオネート)7.00gを秤量し、トルエン450mLを加えて加熱溶解した。室温まで放冷後、MAO溶液17.83mLを滴下した。20分後、3−(1H,1H,5H−オクタフルオロペンチロキシ)−1,2−エポキシプロパン192.2gを加え、容器を封栓し、攪拌しながら130℃で3時間重合を行った後、開封し、希塩酸で重合を停止させた。室温まで冷却後、析出した固体を濾取し、トルエンでよく洗浄した後、減圧乾燥した。これをエタノール4Lに加熱溶解させた後、グラスフィルターで濾過し、濾液をイオン交換水に投じた。析出した固体を80℃で24時間減圧乾燥し、無色ゴム状固体ポリエーテルを得た。収率94%。
GPC分析(25℃、50mmol/L酢酸/THF、ポリスチレン換算)によればMn=41万、Mw=142万であった。
【0040】
合成例8
窒素気流下、2−(パーフルオロオクチル)エタノール50.0gとエピクロロヒドリン20.0gにテトラアンモニウムトリプロミド1.74gを加え、ヘキサン65mL中、40℃で10分間反応させた。液温を45℃以下に保ったまま、48%NaOH水溶液13gを滴下し、更に5時間加熱攪拌した。放冷後、反応液をイオン交換水で洗浄し、乾燥、これを減圧下に蒸留して、3−(1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシロキシ)−1,2−エポキシプロパンを得た。
【0041】
合成例9 ポリエーテル5(一般式(1)において、m≧3400,m/(m+n)=0.3,Xは一般式(X2)においてR9=R10 =R11=H,R12=(CH2)(CF2),CF3,d=1,Yは一般式(Y1)においてR13=R14=R15=H,R16=セチル,e=1)
合成例8で得た3−(1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシロキシ)−1,2−エポキシプロパン1.561gとセチルグリシジルエーテル2.095gを窒素置換した容器に取り、トルエン5.7mLを加え溶解させた。これに、触媒A1.00mLを添加した後、容器を封栓し、攪拌しながら130℃で3時間重合した。容器を開封し、希塩酸で重合を停止させ、室温まで冷却後、析出した固体を濾取し、トルエンで洗浄した。これを80℃で24時間減圧乾燥し、微黄色固体のポリエーテルを得た。収率100%。GPC分析によればMn=68万、Mw=205万であった。
【0042】
実施例1〜5
ポリエーテル1〜5を10g入れ、更にヘキサン600gを加え、混合、溶解させた。その後、これに平均粒径7μm のセリサイト150gを加え、更に60℃で4時間混合攪拌した。その後、50〜60℃にてヘキサンを減圧留去し、乾燥し、粉砕して目的の被覆粉体(平均粒径7μm )を得た。
【0043】
実施例6〜8
ポリエーテル1〜3を3g用いる以外は実施例1〜5と同様にして被覆粉体(平均粒径7μm)を得た。
【0044】
実施例9及び10
ポリエーテル3又は4を17g用いる以外は実施例1〜5と同様にして被覆粉体(平均粒径7μm)を得た。
【0045】
比較例1
実施例1〜10で用いたものと同じ未処理セリサイト150gとメチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体10gを、エアーブレンダー(エアー温度50℃)を用いて混合した。次に、80℃で1時間一時加熱処理をし、引き続き105℃に昇温した後、更に1時間加熱処理をして、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体被覆セリサイトを得た。
【0046】
比較試験1(感触評価及び疎水性評価)
専門パネラー10名によって、実施例1〜10及び比較例1の被覆粉体並びに未処理のセリサイト単独での感触を、以下に示す1〜5の5段階で評価し、その平均値(小数第1位を四捨五入)を示した。また、疎水性は粉体を打錠し、これに水滴を垂らしたときの水の接触角で評価し、以下に示す5段階で評価した。
【0047】
感触評価(のび、きしみ、ざらつき、粉っぽさ)
1:感触が悪い
2:感触がやや悪い
3:ふつう
4:感触がやや良い
5:感触が良い
【0048】
疎水性
1:粉体中に水が吸収された。
2:0〜30度未満
3:30〜90度未満
4:90〜120度未満
5:120〜180度
【0049】
【表1】
【0050】
表1より明らかなように、実施例1〜10の被覆セリサイトは使用感触及び疎水性に優れたものであった。
【0051】
【0052】
成分(1)を混合し、粉砕機を通して粉砕した。これを高速ブレンダーに移し、成分(2)〜(5)を加熱混合して均一にしたものを加えて更に混合し、均一にした。その後、これを粉砕機で処理し、ふるいを通し、金皿中に圧縮成型して、目的のパウダーファンデーションを得た。
【0053】
実施例12〜15(パウダーファンデーション)
ポリエーテル1に代えてポリエーテル2〜5を用いた以外は実施例11と同様の方法でパウダーファンデーションを製造した。
【0054】
比較例2
未処理セリサイトの代わりに実施例11の成分(1)と同じ未処理粉体を用いた以外は比較例1と同様にして被覆粉体を得、これを実施例11の成分(1)の代わりに用いた以外は実施例11と同様の方法でパウダーファンデーションを製造した。
【0055】
比較試験2(感触評価・化粧持続性評価)
専門パネラー10名によって、実施例11〜15及び比較例2のパウダーファンデーションの感触を以下に示す1〜5の5段階で、塗布後6時間経過後における化粧持続性を以下に示す1〜4の4段階でそれぞれ評価し、その平均値(小数第1位を四捨五入)を示した。
【0056】
感触評価(のび、つき、なじみ、粉っぽさのなさ、かさかさ感のなさ)
1:感触が悪い。
2:感触がやや悪い。
3:ふつう。
4:感触がやや良い。
5:感触が良い。
【0057】
化粧持続性
1:化粧くずれしている。
2:少し化粧くずれしている。
3:ほとんど化粧くずれしない。
4:化粧くずれしない。
【0058】
【表2】
【0059】
表2から明らかなように、実施例11〜15のパウダーファンデーションは、のび、つき、なじみ等の感触及び化粧持続性に優れたものであった。
【0060】
【0061】
成分(2)〜(4)、(8)及び(9)を室温で溶解した後、成分(1)をディスパーで分散した。次に成分(5)〜(7)を攪拌しながら添加し、乳化して目的の二層型液状ファンデーションを得た。
この二層型液状ファンデーションは、のび、なじみ等の感触に優れ、肌への付着性に富み、化粧持続性に優れたものであった。
【0062】
【0063】
成分(1)に成分(2)及び(3)を添加し、アンカーミキサーにより撹拌したのち、成分(4)を添加し、更にディスパーにより混合して化粧水を得た。
この化粧水は、なめらかな使用感を有し、化粧持ちも良かった。
【0064】
【0065】
成分(1)〜(4)を室温で溶解したのち、成分(8)をディスパーで分散させた。これに成分(5)〜(7)の混合物を撹拌しながら添加し、乳化して、二層型スキンケア乳液を得た。
この二層型スキンケア乳液は、さっぱりとした使用感を有し、肌なじみも良く化粧持ちも良かった。
【0066】
【0067】
成分(1)〜(4)及び(8)を室温で溶解したのち、成分(9)をディスパーで分散させた。これに成分(5)〜(7)の混合物を撹拌しながら添加し、乳化して、二層型サンスクリーン乳液を得た。
この二層型サンスクリーン乳液は、のび、なじみが良く、さっぱりとした使用感を有し、化粧持ちも良かった。
【0068】
【0069】
成分(1)を混合し、粉砕機を通して粉砕した。これを高速ブレンダーに移し、成分(2)〜(6)を加熱混合して均一にしたものを加えて更に混合し、均一にした。その後、これを粉砕機で処理し、ふるいを通して粒度を揃えたのち、金皿中で圧縮成型して、両用パウダーファンデーションを得た。
この両用パウダーファンデーションは、さっぱりとした使用感を有し、のび、なじみ等の感触に優れ、化粧持ちも良かった。
【0070】
【0071】
成分(1)〜(2)をブレンダーで撹拌混合し、これに成分(3)を吹きつけ更に均一に混合する。これを粉砕機に通して粉砕したのち、ふるいを通して粉おしろいを得た。
この粉おしろいは、のびが良く、肌なじみに優れ、化粧持ちも良かった。
【0072】
【0073】
成分(1)を混合し、粉砕機を通して粉砕した。これを高速ブレンダーに移し、成分(2)〜(5)を加熱混合して均一にしたものを加えて更に混合し、均一にした。その後、これを粉砕機で処理し、ふるいを通して粒度を揃えたのち、金皿中で圧縮成型して、ほお紅を得た。
このほお紅は、のび、肌なじみが良く、化粧持ちも良かった。
【0074】
【0075】
成分(1)〜(5)を加熱溶解後、成分(6)を加え、ホモジナイザーで均一に混合した。更に、予め40℃で加熱溶解した成分(7)〜(10)の混合物を加え、乳化した。その後、室温まで冷却して化粧下地クリームを得た。
この化粧下地クリームは、のび、なじみが良く、化粧持ちも良かった。
【0076】
【発明の効果】
本発明の化粧料用粉体は、液体や半固体の油性成分、高分子成分への分散性に優れ、また粉体が多い系においては粉体成分に油性成分を容易に均一混合できる。この化粧料用粉体を含有する本発明の化粧料は、皮膚に塗布する際の感触が良好であり、また皮膚との親和性に富むため、皮膚への付着性に優れる。
Claims (3)
- 次の一般式(1)で表されるポリエーテルで表面被覆された化粧料用粉体。
-[X]m-[Y]n- (1)
〔式中、m個のXは同一又は異なって、一般式(X1)又は(X2)で表される基を示し、
Gは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基又は炭素数6〜30のアリーレン基を示す。
R4 、R5 、R6 、R7 及びR8 の個々の基は同一でも異なってもよく、それぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基又はケイ素原子数1〜200のシロキシ基若しくはポリシロキシ基を示す。
R12は炭素数1〜32の炭化水素基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基を示す。
a及びdはそれぞれ1又は2の数を示し、bは0又は1の数を示し、cは平均値として1〜500の数を示すか、又は単一の数として1〜20の整数を示す。)
n個のYは同一又は異なって、一般式(Y1)、(Y2)又は(Y3)で表される基を示し、
R16は水素原子又は炭素数1〜32の炭化水素基を示す。
R19及びR20は同一又は異なって、水素原子、カルボキシル基、カルボキシメチル基又はそれらの塩を示す。
eは1又は2の数を示す。
fは2〜6の数を示す。)
m及びnはm/(m+n)=0.2〜1及びm+n≧10を満足する数を示す。〕 - 表面被覆される粉体が、タルク、マイカ、カオリン、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、群青、雲母チタン、セリサイト、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母、ポリエチレン、ポリスチレン、セルロース、ナイロン、アクリル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン及びシルクパウダーから選ばれるものである請求項1記載の化粧料用粉体。
- 請求項1又は2記載の化粧料用粉体を含有する化粧料。
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