JP3553727B2 - シリコーンゴム粉末およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコーンゴム粉末およびその製造方法に関し、詳しくは、親水性が優れ、柔らかな感触を有する不定形状のシリコーンゴム粉末、およびこのようなシリコーンゴム粉末を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコーンゴム粉末は、例えば、化粧料、塗料、インキ、有機樹脂の添加剤として使用され、特に、滑らかな感触を付与するための化粧料用添加剤や、塗膜を艶消しするための塗料用添加剤として好適に使用される。このようなシリコーンゴム粉末としては、例えば、ジオルガノシロキサンブロックを10重量%以上含有するシリコーンゴム粉末(特開昭59−68333号公報参照)、一分子中に少なくとも1個の不飽和炭化水素結合を含有するエポキシ化合物を遊離状態で含有するか、またはシリコーンゴムに化学結合するシリコーンゴム粉末(特開昭64−56735号公報参照)、エポキシ基、アルケニル基、アミノ基およびメルカプト基からなる群から選択される基を含有する有機ケイ素化合物を遊離状態で含有するか、またはシリコーンゴムに化学結合するシリコーンゴム粉末(特開昭64−70558号公報参照)、0.5〜80重量%のシリコーン油を含有するシリコーンゴム粉末(特開昭64−81856号公報)、ケイ素原子にアルコール性水酸基を間接的に化学結合するシリコーンゴム粉末(特開平3−250050号公報参照)が挙げられる。しかし、このようなシリコーンゴム粉末は、流動性が乏しく、また、親水性が乏しいために、これを水性の化粧料や塗料に添加すると、均一に分散しなかったり、たとえ分散したとしても、保存中にシリコーンゴム粉末が分離してしまうという問題があった。
【0003】
これらのシリコーンゴム微粉末は、シリコーンゴム組成物を界面活性剤水溶液中に乳化した後、この組成物を硬化させて製造されたものであるが、この界面活性剤として、ケイ素原子にポリオキシアルキレン基を結合するポリオルガノシロキサンを用いて製造されたシリコーンゴム粉末(特開平4−183726号公報参照)といえども、親水性は乏しいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の目的は、親水性が優れ、柔らかな感触を有する不定形状のシリコーンゴム粉末、およびこのようなシリコーンゴム粉末を効率よく製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の不定形状のシリコーンゴム粉末は、ケイ素原子に、式:
−R1(OR2)mOR3
(式中、R1およびR2は同じか、または異なるアルキレン基であり、R3は水素原子またはアルキル基であり、mは2〜100の整数である。)
で表されるポリオキシアルキレン基が結合しているポリオルガノシロキサンを含有することを特徴とする。
また、本発明の製造方法は、ケイ素原子に、式:
−R1(OR2)mOR3
(式中、R1およびR2は同じか、または異なるアルキレン基であり、R3は水素原子またはアルキル基であり、mは2〜100の整数である。)
で表されるポリオキシアルキレン基が結合しているポリオルガノシロキサンを含有するシリコーンゴムを微粉砕することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
はじめに、本発明のシリコーンゴム粉末を詳細に説明する。
本発明のシリコーンゴム粉末は、ケイ素原子に、式:
−R1(OR2)mOR3
(式中、R1およびR2は同じか、または異なるアルキレン基であり、R3は水素原子またはアルキル基であり、mは2〜100の整数である。)
で表されるポリオキシアルキレン基が結合しているポリオルガノシロキサンを含有することを特徴とする。上式中のR1はアルキレン基であり、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、特に、エチレン基、プロピレン基であることが好ましい。また、上式中のR2はR1と同じか、または異なるアルキレン基であり、特に、エチレン基であることが好ましい。また、上式中のR3は水素原子またはアルキル基であり、R3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。また、上式中のmは2〜100の整数であり、特に、5〜20の整数であることが好ましい。このようなポリオルガノシロキサンの分子構造としては、例えば、直鎖状、一部分枝鎖を有する直鎖状、分枝鎖状、環状、樹脂状が挙げられ、特に、直鎖状や一部分枝鎖を有する直鎖状であることが好ましい。
【0007】
このようなポリオキシアルキレン基としては、例えば、次のような基が挙げられる。
−C2H4(OC2H4)mOH
−C2H4(OC2H4)mOCH3
−C2H4(OC2H4)n(OC3H6)pOH
−C2H4(OC2H4)n(OC3H6)pOCH3
−C3H6(OC2H4)mOH
−C3H6(OC2H4)mOCH3
−C3H6(OC2H4)n(OC3H6)pOH
−C3H6(OC2H4)n(OC3H6)pOCH3
(式中、mは2〜100の整数であり、nは0または正の整数であり、pは正の整数であり、かつn+pは2〜100の整数である。)
このようなポリオキシアルキレン基の中でも、シリコーンゴム粉末に優れた親水性、および柔らかな感触を付与することができることから、主鎖が(OC2H4)の繰り返し単位のみからなるポリオキシエチレン基であることが好ましい。このようなケイ素原子にポリオキシアルキレン基を結合するポリオルガノシロキサンは、シリコーンゴム粉末に単に含有されているものであり、このシリコーンゴムを形成する硬化反応に関与しないポリオルガノシロキサンである。このシリコーンゴムを形成する硬化反応としては、例えば、アルケニル基とケイ素原子結合水素原子による付加反応、ケイ素原子結合水酸基とケイ素原子結合水素原子による縮合反応、有機過酸化物によるラジカル反応、紫外線照射によるラジカル反応が挙げられる。
【0008】
このようなシリコーンゴム粉末を構成するシリコーンゴムのJIS K 6301に規定されるJIS A硬さとしては、例えば、10〜50であることが好ましく、特に、20〜45であることが好ましい。また、このようなシリコーンゴム粉末の形状は、シリコーンゴム粉末を微粉砕して形成されるので不定形状である。さらに、このようなシリコーンゴム粉末の平均粒子径としては、例えば、500μm以下であることが好ましく、特に、250μm以下であることが好ましい。
【0009】
次に、本発明のシリコーンゴム粉末の製造方法を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、ケイ素原子に、式:
−R1(OR2)mOR3
(式中、R1およびR2は同じか、または異なるアルキレン基であり、R3は水素原子またはアルキル基であり、mは2〜100の整数である。)
で表されるポリオキシアルキレン基が結合しているポリオルガノシロキサンを含有するシリコーンゴムを微粉砕することを特徴とする。このシリコーンゴムを微粉砕する方法としては、例えば、シリコーンゴムをスタンプミル、ベルクラッシャー、ロールミル、ハンマーミル、ドラムミル、ジェットミル等の粉砕機により微粉砕する方法が挙げられる。シリコーンゴムを微粉砕する際には、このシリコーンゴムが発熱するので、水、液体窒素等により冷却しながら行うことが好ましい。
【0010】
このようなシリコーンゴムを形成するシリコーンゴム組成物の硬化反応としては、例えば、アルケニル基とケイ素原子結合水素原子による付加反応、ケイ素原子結合水酸基とケイ素原子結合水素原子による縮合反応、有機過酸化物によるラジカル反応、紫外線照射によるラジカル反応が挙げられ、特に、付加反応であることが好ましい。付加反応により硬化するシリコーンゴム組成物としては、
(A)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するポリオルガノシロキサン100重量部、
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するポリオルガノシロキサン{(A)成分中のアルケニル基1モルに対して、(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が0.1〜10モルとなる量}、
(C)ケイ素原子に、式:
−R1(OR2)mOR3
(式中、R1およびR2は同じか、または異なるアルキレン基であり、R3は水素原子またはアルキル基であり、mは2〜100の整数である。)
で表されるポリオキシアルキレン基が結合しており、アルケニル基および水素原子が結合していないポリオルガノシロキサン 0.001〜20重量部、
および
(D)白金系触媒(本組成物を硬化させるに十分な量)
からなるシリコーンゴム組成物であることが好ましい。
【0011】
(A)成分は、このシリコーンゴム組成物の主成分であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するポリオルガノシロキサンである。(A)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、一部分枝鎖を有する直鎖状、分枝鎖状、環状、樹脂状が挙げられ、特に、直鎖状や一部分枝鎖を有する直鎖状であることが好ましい。(A)成分中のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基が挙げられ、特に、ビニル基であることが好ましい。また、(A)成分中のアルケニル基以外のケイ素原子に結合する基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;水酸基が挙げられ、特に、メチル基、フェニル基、3,3,3−トリフロロプロピル基であることが好ましい。
【0012】
(B)成分は、このシリコーンゴム組成物の架橋剤であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するポリオルガノシロキサンである。(B)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、一部分枝鎖を有する直鎖状、分枝鎖状、環状、樹脂状が挙げられ、特に、直鎖状や一部分枝鎖を有する直鎖状であることが好ましい。(B)成分中の水素原子以外のケイ素原子に結合する基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;水酸基が挙げられ、特に、メチル基、フェニル基、3,3,3−トリフロロプロピル基であることが好ましい。
【0013】
(B)成分の配合量は、(A)成分中のアルケニル基1モルに対して、(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が0.1〜10モルとなる量であり、特に、これが0.5〜2.0モルとなる量であることが好ましい。これは、(A)成分中のアルケニル基1モルに対して、(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が0.1モル未満となる量である場合には、硬化が十分に進行しないためであり、また、これが10モルをこえても、硬化が十分に進行しないためである。
【0014】
(C)成分は、このシリコーンゴム組成物を硬化して得られるシリコーンゴム粉末に優れた親水性、および柔らかな感触を付与するための成分であり、ケイ素原子に、式:
−R1(OR2)mOR3
(式中、R1およびR2は同じか、または異なるアルキレン基であり、R3は水素原子またはアルキル基であり、mは2〜100の整数である。)
で表されるポリオキシアルキレン基が結合しており、アルケニル基および水素原子が結合していないポリオルガノシロキサンである。(C)成分中のケイ素原子に結合するその他の基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;水酸基が挙げられ、特に、メチル基、フェニル基、3,3,3−トリフロロプロピル基であることが好ましい。(C)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、一部分枝鎖を有する直鎖状、分枝鎖状、環状、樹脂状が挙げられ、特に、直鎖状や一部分枝鎖を有する直鎖状であることが好ましい。このような(C)成分としては、例えば、次の一般式で表されるポリオルガノシロキサンが挙げられる。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
(式中、mは2〜100の整数であり、xは正の整数であり、yは0または正の整数である。)
【0015】
(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.001〜20重量部であり、特に、0.01〜20重量部であることが好ましい。これは、(A)成分100重量部に対して、(C)成分が0.001重量部未満であると、得られるシリコーンゴム粉末に十分な親水性を付与することができないためであり、また、これが20重量部をこえると、得られるシリコーンゴム粉末がべたついたりするようになるためである。
【0016】
(D)成分の白金系触媒は、このシリコーンゴム組成物を硬化させるための触媒であり、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金担持シリカ微粉末、白金担持活性炭微粉末、白金黒が挙げられる。
【0017】
(D)成分の配合量は、このシリコーンゴム組成物を硬化させるに十分な量であり、例えば、(A)成分と(B)成分の合計重量に対して、(D)成分中の白金金属が重量単位で0.1〜1,000ppmとなる量であることが好ましく、特に、これが1〜500ppmとなる量であることが好ましい。
【0018】
このシリコーンゴム組成物には、その他任意の成分として、例えば、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、石英粉末、溶融シリカ、二酸化チタン、タルク、マイカ、カーボンブラック等の無機質充填剤、およびこれらの無機質充填剤をオルガノアルコキシシラン、オルガノクロロシラン、オルガノシラザン等の有機ケイ素化合物により表面処理してなる無機質充填剤;3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、ベンゾトリアゾール等の付加反応抑制剤;防腐剤、抗菌剤、酸化防止剤、香料、顔料、染料を配合することができる。シリコーンゴム粉末の比重を調節するために、タルク、マイカ、および溶融シリカからなる群から選択される少なくとも一種の無機質充填剤を配合することが好ましく、このシリコーンゴム粉末の比重は0.97〜1.20であることが好ましく、特に、0.97〜1.10であることが好ましい。このため、これらの無機質充填剤の配合量としては、(A)成分100重量部に対して100重量部未満であることが好ましく、特に、0.01〜20重量部であることが好ましい。また、このシリコーンゴム組成物の取扱作業性を向上するために上記の付加反応抑制剤を配合することが好ましく、この配合量としては、シリコーンゴム組成物中に重量単位で10〜50,000ppmとなる量であることが好ましい。
【0019】
本発明のシリコーンゴム粉末は、親水性が優れ、柔らかな感触を有するので、洗顔化粧料等のスクラブ剤として使用することができる他、例えば、水性塗料、水性化粧料、水性洗浄剤、水性艶出し剤に使用することができる。
【0020】
【実施例】
本発明のシリコーンゴム粉末およびその製造方法を実施例により詳細に説明する。なお、実施例中の粘度は、25℃において測定した値である。また、シリコーンゴム粉末、その親水性、およびその感触は次のようにして評価した。
[シリコーンゴム粉末の平均粒子径]
ふるい目の開きが異なる数種のメッシュを通過したシリコーンゴム粉末の重量から平均粒子径を求めた。
[シリコーンゴム粉末の最大粒子径]
電子顕微鏡により観察して求めた。
[シリコーンゴム粉末の粒度]
粒子径が50〜250μmであるシリコーンゴム粉末の含有量(重量%)を求めた。
[シリコーンゴム粉末の親水性]
シリコーンゴム粉末を100重量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=13.1)4重量部、およびイオン交換水1000重量部からなる水分散液を調製した。この水分散液を1週間室温で静置した後、この水分散液の外観を観察した。シリコーンゴム粉末が、この水分散液中で凝集しておらず、容易に再分散可能である場合を○、このシリコーンゴム粉末が、この水分散液中で凝集してしまい、再分散しない場合を×として評価した。
[シリコーンゴム粉末の感触]
上記の水分散液を手肌に塗った際に、このシリコーンゴム粉末が柔らかな感触を有する場合を○、時折、ごわつくような異物感を有する場合を△、ごわつくような異物感を有し、強い刺激を感じる場合を×として評価した。
【0021】
[実施例1]
粘度が100センチストークスである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン100重量部、このビニル基1モルに対してケイ素原子結合水素原子が0.85モルとなる量の分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルハイドロジェンシロキサン、これらのシロキサンの合計量に対して白金金属が重量単位で5ppmとなる量の塩化白金酸のイソプロパノール溶液、式:
【化5】
で表されるポリオキシエチレン基含有ポリメチルシロキサン1重量部、および平均粒子径が約4μmであり、ポリメチルハイドロジェンシロキサンにより処理されたマイカ10重量部を均一に混合して付加反応硬化型のシリコーンゴム組成物を調製した。
このシリコーンゴム組成物を150℃で30分間加熱してシリコーンゴムを成形した。このシリコーンゴムのJIS A硬さおよび比重を測定した。次に、このシリコーンゴムを回転半径20cmのハンマーミルで微粉砕してシリコーンゴム粉末を調製した。このシリコーンゴム粉末の特性を表1に示した。
【0022】
[実施例2]
粘度が500センチストークスである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン100重量部、このビニル基1モルに対してケイ素原子結合水素原子が0.95モルとなる量の平均単位式:
【化6】
で表されるポリメチルシロキサン、これらのシロキサンの合計量に対して白金金属が重量単位で10ppmになる量の塩化白金酸のイソプロパノール溶液、式:
【化7】
で表されるポリオキシエチレン基含有ポリメチルシロキサン0.5重量部、および平均粒子径が約0.5μmであり、ポリメチルハイドロジェンシロキサンにより処理されたタルク14重量部を均一に混合して付加反応硬化型のシリコーンゴム組成物を調製した。
このシリコーンゴム組成物を150℃で30分間加熱して、シリコーンゴムを成形した。このシリコーンゴムのJIS A硬さおよび比重を測定した。次に、このシリコーンゴムを回転半径20cmのハンマーミルで微粉砕してシリコーンゴム粉末を調製した。このシリコーンゴム粉末の特性を表1に示した。
【0023】
[実施例3]
粘度が500センチストークスである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン100重量部、このビニル基1モルに対してケイ素原子結合水素原子が1.2モルとなる量の分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルハイドロジェンシロキサン、これらのシロキサンの合計量に対して白金金属が重量単位で5ppmとなる量の塩化白金酸のイソプロパノール溶液、式:
【化8】
で表されるポリオキシエチレン基含有ポリメチルシロキサン1重量部、および平均粒子径が約4μmであり、ポリメチルハイドロジェンシロキサンにより処理されたマイカ10重量部を均一に混合して付加反応硬化型のシリコーンゴム組成物を調製した。
このシリコーンゴム組成物を150℃で30分間加熱してシリコーンゴムを成形した。このシリコーンゴムのJIS A硬さおよび比重を測定した。次に、このシリコーンゴムを回転半径20cmのハンマーミルで微粉砕してシリコーンゴム粉末を調製した。このシリコーンゴム粉末の特性を表1に示した。
【0024】
[実施例4]
粘度が100センチストークスである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン100重量部、このビニル基1モルに対してケイ素原子結合水素原子が0.85モルとなる量の分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルハイドロジェンシロキサン、これらのシロキサンの合計量に対して白金金属が重量単位で10ppmになる量の塩化白金酸のイソプロパノール溶液、式:
【化9】
で表されるポリオキシエチレン基含有ポリメチルシロキサン1重量部、および平均粒子径が約5μmであり、ポリメチルハイドロジェンシロキサンにより処理された溶融シリカ10重量部を均一に混合して付加反応硬化型のシリコーンゴム組成物を調製した。
このシリコーンゴム組成物を150℃で30分間加熱して、シリコーンゴムを成形した。このシリコーンゴムのJIS A硬さおよび比重を測定した。次に、このシリコーンゴムを回転半径20cmのハンマーミルで微粉砕してシリコーンゴム粉末を調製した。このシリコーンゴム粉末の特性を表1に示した。
【0025】
[比較例1]
粘度が100センチストークスである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン100重量部、このビニル基1モルに対してケイ素原子結合水素原子が1.20モルとなる量の分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルハイドロジェンシロキサン、これらのシロキサンの合計量に対して白金金属が重量単位で5ppmとなる量の塩化白金酸のイソプロパノール溶液、および平均粒子径が約4μmであり、ポリメチルハイドロジェンシロキサンにより処理されたマイカ10重量部を均一に混合して付加反応硬化型のシリコーンゴム組成物を調製した。
このシリコーンゴム組成物を150℃で30分間加熱してシリコーンゴムを成形した。このシリコーンゴムのJIS A硬さおよび比重を測定した。次に、このシリコーンゴムを回転半径20cmのハンマーミルで微粉砕してシリコーンゴム粉末を調製した。このシリコーンゴム粉末の特性を表1に示した。
【0026】
[比較例2]
粘度が100センチストークスである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン100重量部、このビニル基1モルに対してケイ素原子結合水素原子が1.20モルとなる量の分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルハイドロジェンシロキサン、これらのシロキサンの合計量に対して白金金属が重量単位で5ppmとなる量の塩化白金酸のイソプロパノール溶液、および平均粒子径が約4μmであり、ポリメチルハイドロジェンシロキサンにより処理されたマイカ10重量部を均一に混合して付加反応硬化型のシリコーンゴム組成物を調製した。
この組成物を25℃の純水(電気伝導度=0.2μS/cm)200重量部と式:
【化10】
で表されるポリオキシエチレン基含有ポリメチルシロキサン4重量部に速やかに混合して、ホモジナイザー(300kgf/cm2)により均一な付加反応硬化型のシリコーンゴム組成物の水系エマルジョンを調製した。この水系エマルジョンを30℃で6時間静置してシリコーンゴム粉末の水分散液を調製した。この水分散液を80℃で1時間加熱したが、ゲル状物が多量に生成しているために、これをメッシュ(150メッシュ)により濾過した後、スプレードライヤーにより乾燥して、シリコーンゴム粉末を調製した。このシリコーンゴム粉末の特性を表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】
本発明のシリコーンゴム粉末は、親水性が優れ、柔らかな感触を有するという特徴があり、また、本発明の製造方法は、このようなシリコーンゴム粉末を効率よく製造できるという特徴がある。
Claims (6)
- ケイ素原子に、式:
−R1(OR2)mOR3
(式中、R1およびR2は同じか、または異なるアルキレン基であり、R3は水素原子またはアルキル基であり、mは2〜100の整数である。)
で表されるポリオキシアルキレン基が結合しているポリオルガノシロキサンを含有することを特徴とする不定形状のシリコーンゴム粉末。 - 無機質充填剤を含有することを特徴とする、請求項1記載のシリコーンゴム粉末。
- 無機質充填剤が、タルク、マイカ、および溶融シリカからなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする、請求項2記載のシリコーンゴム粉末。
- ケイ素原子に、式:
−R1(OR2)mOR3
(式中、R1およびR2は同じか、または異なるアルキレン基であり、R3は水素原子またはアルキル基であり、mは2〜100の整数である。)
で表されるポリオキシアルキレン基が結合しているポリオルガノシロキサンを含有するシリコーンゴムを微粉砕することを特徴とする、請求項1記載のシリコーンゴム粉末の製造方法。 - シリコーンゴムが、付加反応硬化型のシリコーンゴム組成物を硬化させたものであることを特徴とする、請求項4記載の製造方法。
- シリコーンゴム組成物が、
(A)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するポリオルガノシロキサン 100重量部、
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するポリオルガノシロキサン{(A)成分中のアルケニル基1モルに対して、(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が0.1〜10モルとなる量}、
(C)ケイ素原子に、式:
−R1(OR2)mOR3
(式中、R1およびR2は同じか、または異なるアルキレン基であり、R3は水素原子またはアルキル基であり、mは2〜100の整数である。)
で表されるポリオキシアルキレン基が結合しており、アルケニル基および水素原子が結合していないポリオルガノシロキサン 0.001〜20重量部、
および
(D)白金系触媒(本組成物を硬化させるに十分な量)
からなることを特徴とする、請求項4記載の製造方法。
Priority Applications (4)
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