JP5264680B2 - 室内機並びに空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、室内機並びにこの室内機を備えた空気調和機に関するものであり、特に室内機を据付ける時に使用される据付板を備えた室内機並びに空気調和機に関する。
従来の空気調和機では、据付板の上端部と下端部に、室内機本体の上端部と下端部を夫々係止することにより、室内機本体が固定される。しかし、その際、室内機の背面下部に過大な力が加わると掛かると、筐体下部が内側より外側へ押されて変形し、外観を損ねてしまうという課題があった(例えば、特許文献1参照)。
特開平4−143530号公報
特許文献1に記載されている従来例では、室内機本体を壁に据付ける場合(この場合には、背面から見て室内機からの冷媒配管(以下、冷媒配管をパイプと呼ぶことがある)を左で折り曲げるので、以下「左配管で据付け」と呼ぶ)、図6に示すように室内機の熱交換器に接続されるパイプ10と室外機の熱交換器に接続されるパイプ11が、室内機本体の背面中央下部で接続される。この場合の要部の様子を図10(a)に示す。
しかしながら、室内機の熱交換器に接続されるパイプ10のC部の曲げが不十分(鈍角)な場合、曲げ位置がずれた場合等が発生すると、室内機本体の下方にパイプ10の反力が作用する。従って、パイプ10の反力が据付板12下部のフランジを押し付けることになり、さらに図10(b)に示すようにフランジの下方に近接して位置する室内機の筐体2の下端がパイプ10の反力により本体下方に押されるため、筐体2の下端が下方に膨らみ、意匠性を損なってしまう。
なお、パイプ10のC部の曲げ不十分(鈍角)、曲げ位置のずれ等は、パイプ製造時のバラツキやパイプ据付け時の工事の状態に応じて発生しうるものである。また、据付板下端のフランジ形成時の曲げが不十分(鈍角)な場合、特に中央付近においては、その生産工程、搬送等の関係上、曲げ角度が開き易い傾向にある。この為、筐体内部から外側に向け、据付板自体の反発により筐体を変形させることがある。
本発明は、上記のような課題を解決するために為されたものであり、主な目的は室内機本体を据付板に据付ける時に室内機本体の意匠性が損われることのない室内機並びにこの室内機を備えた空気調和機を得ることにある。
本発明に係る室内機は、送風手段と、熱交換器と、この熱交換器と接続される冷媒配管と、前記送風手段と熱交換器を支える筐体部と、室内の壁面に固定され前記筐体部を支えるほぼ矩形状の据付板と、を備え、前記据付板は、周囲から板面に垂直に延設されるフランジを有し、壁面に据え付けられた際に下部に位置するフランジの前記冷媒配管と当接しうる領域に、前記冷媒配管により作用する押圧力を抑制する押圧力抑制構造を構成し、前記押圧力抑制構造は、前記フランジの両端よりも中央部の方が徐々に高くなるように形成された少なくとも1つの段差であり、この段差は所定の抵抗力を有する弾性体であるものである。
本発明によれば、据付板のフランジは、壁面に据え付けられた際に下部に位置するフランジの冷媒配管と当接しうる領域に冷媒配管により作用する押圧力を抑制する押圧力抑制構造を構成するので、室内機本体の背面に配設された冷媒配管によって本体下方向に作用する押圧力による据付板の変形が、押圧力抑制構造によって緩和される。また、据付板自体の変形があった場合においても、係合部以外での筐体との接触が制限される為、その影響が筐体に伝わり難くなる。従って、筐体の変形が抑えられ、室内機の意匠性を損なうことがなくなる。
本発明の実施の形態1における背面側からの斜視図である。 本発明の実施の形態1における側面断面図である。 本発明の実施の形態1における据付板の正面からの斜視図と背面図である。 本発明の実施の形態1における熱交換器のパイプ接続イメージ図である。 本発明の実施の形態1における室内機下部を背面から見た縦断面図と室内機の下部内側より外側方向に過大な力が加わった場合の筐体下部の様子を示す説明図である。 図1のA−A矢視断面図とB−B矢視断面図である。 本発明の実施の形態1における室内機下部を背面から見た別の縦断面図である。 本発明の実施の形態1における室内機下部を背面から見たさらに別の縦断面図である。 本発明の実施の形態1における室内機下部を背面から見たさらに別の縦断面図である。 室内機下部を背面から見た縦断面図の従来技術と室内機の下部内側より外側方向に過大な力が加わった場合の筐体下部の変形の様子を示す説明図である。 従来の据付板の正面からの斜視図と背面図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1における背面側からの斜視図、図2は本発明の実施の形態1における側面断面図、図3は本発明の実施の形態1における据付板の斜視図と正面図である。なお、比較参考用として、図11に従来の据付板の斜視図と正面図を示す。
また、図4は本発明の実施の形態1における熱交換器のパイプ接続イメージ図、図5は、本発明の実施の形態1における室内機下部を背面から見た縦断面図と室内機の下部内側より外側方向に過大な力が加わった場合の筐体下部の様子を示す説明図である。なお、図5(a)及び図5(b)の左側は室内機下部の左端を表しており、右側は室内機下部の中央部を表している。
また、図6(a)は図1のA−A矢視断面図であり、図2のC部に対応する要部断面図である。また、図6(b)は図1のB−B矢視断面図であり、図2のC部に対応する要部断面図である。
図1及び図2に示すように、室内機は据付板1、筐体2、前面パネル3、吸込口4、熱交換器5、送風機6、及び吹出口7から構成されている。
据付板1は、たとえば、ほぼ矩形状の金属板で構成されており、この金属板の上下には、板面にほぼ垂直にフランジが構成されている。据付板1の下部フランジには、係止部の周囲である範囲Dと、中央範囲Eとに区分される。範囲Dにおいては、室内機の筐体下部の内側の面に構成されている係止爪と嵌合する穴が形成されており、下部フランジの位置は、筐体の下部内側面に隣接するように構成されている。また、範囲Eにおいては、範囲Dよりも筐体の内側となるように段差をつけて構成されている。一方、従来の据付板においては、範囲Dの位置が左右両端に至って範囲Eを含め同一の位置で構成されている。範囲Dの高さが範囲Eの高さと同一に構成されている。
本発明の据付板はこのように構成されているため、室内機の背面下部に配置されるパイプの曲げが不十分であった場合、曲げ位置がずれていた場合等で下部フランジの曲げ位置を変化移動させることにより発生するパイプによる、筐体内部から外側への押し付け力を範囲Eの一段上がったフランジで受けることができるので、室内機の筐体下面との接触面を最小限に止めることができる。
また、据付板自体のフランジ曲げが不十分であった場合にも、また、据付板自体の変形があった場合においても、係合部以外での筐体との接触が制限される為、その影響が筐体下面に伝わり難くなる。
従って、筐体の変形が抑えられ、室内機の意匠性を損なうことがなくなる。
なお、上記の例では、下部のフランジに段差13を設けるようにしたが、これに限る必要はない。例えば、図7のように両端よりも中央部の方が徐々に高くなるように複数の段差を設けても良く、図8のように両端よりも中央部の方が連続的に曲線を描きながら徐々に高くなるように構成しても良い。
また、図9のように下部フランジに補強材14を追加しても良い。これにより、パイプの押圧力に対する反抗力が増大するため、据付板1の変形がより小さくなる。
また、下部のフランジのパイプが当接する部位に押圧力抑制部材としてフランジに弾性部材を貼り付けて構成しても良い。この場合も上記と同様の効果を奏する。
また、上記の例では、据付板1を金属板としたが、パイプの押圧力に耐えられる反抗力を有する弾性体であれば、どのような種類の材料を用いても良い。
次に、室内機の据付け手順について説明する。
空気調和機本体を壁に据付ける場合(左配管)は、まず、据付け者はほぼ長手方向が水平になるように据付板1を壁にネジ、釘、ボルトなどで固定する。次に、据付け者は筐体2に設けられた引掛部8を据付板1に設けられた凸部9に引っ掛け、さらに引掛部8が据付板1の凸部9に引っ掛けられた状態で、室内機の熱交換器5に接続されているパイプ10と、室外機の熱交換器に接続されているパイプ11を、本体裏面下部中央で接続する。次に接続されたパイプを筐体裏面下部中央の空間に収納し、据付板1下端のフランジ部と筐体2下部を固定させることで、室内機本体を壁面に固定する。
室内機の熱交換器のパイプ10と室外機の熱交換器のパイプ11を接続後、筐体2裏面下部中央の空間に収納する際に、室内機の熱交換器のパイプ10のC部の曲げが不十分 (鈍角)にならない様にする。
次に、据付け者は、本体の据付完了後、本体下部の膨らみがないことを確認する。
1 据付板(本発明構造含む)、2 筐体、3 前面パネル、4 吸込口、5 熱交換器、6 送風機、7 吹出口、8 本体の引掛部、9 据付板の凸部、10 室内機の熱交換器に接続されたパイプ、11 室外機の熱交換器に接続されたパイプ、12 据付板(従来構造)、13 段差、14 補強材、A 本体下端固定構造、B 本発明構造、C 室内機の熱交換器のパイプ(10)の曲げ部。

Claims (5)

  1. 送風手段と、熱交換器と、この熱交換器と接続される冷媒配管と、前記送風手段と熱交換器を支える筐体部と、室内の壁面に固定され前記筐体部を支えるほぼ矩形状の据付板と、を備え、
    前記据付板は、周囲から板面に垂直に延設されるフランジを有し、
    壁面に据え付けられた際に下部に位置するフランジの前記冷媒配管と当接しうる領域に、前記冷媒配管により作用する押圧力を抑制する押圧力抑制構造を構成し、
    前記押圧力抑制構造は、前記フランジの両端よりも中央部の方が徐々に高くなるように形成された少なくとも1つの段差であり、この段差は所定の抵抗力を有する弾性体であることを特徴とする室内機。
  2. 前記段差は、前記据付板が壁面に据え付けられた際に下部に位置するフランジの長手方向のほぼ中央部を両端よりも浮き上がらせて形成されたものであることを特徴とする請求項に記載の室内機。
  3. 送風手段と、熱交換器と、この熱交換器と接続される冷媒配管と、前記送風手段と熱交換器を支える筐体部と、室内の壁面に固定され前記筐体部を支えるほぼ矩形状の据付板と、を備え、
    前記据付板は、周囲から板面に垂直に延設されるフランジを有し、
    壁面に据え付けられた際に下部に位置するフランジの前記冷媒配管と当接しうる領域に、前記冷媒配管により作用する押圧力を抑制する押圧力抑制構造を構成し、
    前記押圧力抑制構造は、前記フランジの両端よりも中央部の方が徐々に高くなるように連続的に形成されたものであることを特徴とする室内機。
  4. 前記押圧力抑制構造は、さらに下部に補強材を備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の室内機。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の室内機を備えたことを特徴とする空気調和機。
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