JP5264635B2 - 撹拌槽、及びそれを備える撹拌装置 - Google Patents

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本発明は、液体の混合、溶解、晶析、反応、濃縮及びスラリー懸濁等を行なう撹拌処理において、前記液体及びスラリーを貯めるための撹拌槽、及びそれを備える撹拌装置に関する。
化学工場等では、液体やスラリーを混合撹拌することがあり、その際に撹拌装置が用いられる。撹拌装置は、基本的に、液体やスラリーを貯留する撹拌槽と、これら液体やスラリーを混合撹拌する撹拌翼とを備えている。これら撹拌槽及び撹拌翼には、ステンレス鋼が用いられることが多い。
ステンレス鋼から成る撹拌装置としては、例えば特許文献1に記載されるようなものがある。撹拌装置1は、図6に示すように竪型円筒状の撹拌槽2を備えており、撹拌槽2の上方には、電動機3が設けられている。この電動機3には、そこから撹拌槽2内に向かって垂下する回動軸4が設けられ、回動軸4の下端には、アンカー翼5が配置されている。また、撹拌槽2は、その上面に立設された円筒状の供給管6及びマンホール7(ノズル)を有し、作業者が供給管6から液体やスラリーを投入し、またマンホール7から撹拌槽2内へと入れるようになっている。
特開平5−212261号公報
特許文献1に記載の撹拌装置1では、マンホール7に撹拌処理中にマンホール7を閉じるべく蓋体9が設けられており、作業者10は、この蓋体9を開けることで撹拌槽2内を確認することができる。しかし、マンホール7のノズルネック7aが迫り出しているため、マンホール7から覗いたときの作業者10の視界は、ノズルネック7aにより一部遮られてしまう。それ故、確認できる範囲が狭く、作業者10は、姿勢を変えずに撹拌槽2内の各所を視認することができない。そのため、各所に存在する汚れ等を色々と姿勢を変えなければ確認することができず、作業者10にとって不便である。
このようにしてマンホール7から撹拌層2内を覗いたときに、撹拌層2の内壁に汚れ等があると、その汚れを落とすべく撹拌槽2内を洗浄する。撹拌槽2内を洗浄する際には、洗浄装置8が使用される。洗浄装置8は、棒状の支持部材を備え、その先端に洗浄ノズル8aが取り付けられている。作業者は、この洗浄装置8をマンホール7に挿入して前記支持部材を動かし、洗浄ノズル8aから噴射される洗浄液により洗浄を行う。撹拌槽2の上側の内壁を洗浄するためにマンホール7に挿入した洗浄装置8を徐々に水平方向へと倒していくと、やがて洗浄装置8がマンホール7の根元、即ちノズルネック7aに当たり、洗浄装置8をそれ以上の角度に倒すことができなくなる。
ノズルネック7aは、マンホール7が竪型円筒状の槽本体2aの上面に溶接等によって接合されているため、槽本体2aの方に向かって迫り出すように角張っている。それ故、図6に示すように洗浄装置8を倒していくと、洗浄装置8が直ぐに当たってしまい、洗浄装置8をあまり傾けることができず、洗浄ノズル8aを撹拌槽2の上側の内壁に近づけることができない。そのため、上側の内壁に高圧の洗浄液を当てることができず、上側の内壁を上手く洗浄することができない。
このように、従来技術の撹拌槽1では、マンホール7等のノズルから中を覗いたときに一度に確認できる範囲が狭く、洗浄しにくい箇所が多い。
そこで本発明は、ノズルから中を覗いたときに一度に確認できる範囲が広く、且つ洗浄しにくい箇所が少ない撹拌槽を提供することを目的としている。
本発明の撹拌槽は、槽本体と、該槽本体に一体的に設けられるマンホールとを備え、低炭素ステンレス鋼から成る撹拌槽であって、前記マンホールは、引き抜き加工によって形成され、前記マンホールと前記槽本体とが繋がるノズルネックは、その裾が広がるように円弧状に湾曲するものである。
本発明に従えば、ノズルネックを円弧状に湾曲されているので、従来技術の撹拌槽のノズルネックよりもノズルネックが容器外側に向けて引き上げられている。そのため、マンホールから撹拌槽内を覗いたときの視界が従来技術の撹拌槽よりも広い。それ故、マンホールから姿勢を変えることなく一度に確認できる範囲が広くなる。また、ノズルネックが容器外側に向けて引き上げられているので、洗浄する際にマンホールから挿入した洗浄装置等の洗浄部材を従来技術の撹拌槽よりも倒すことができる。それ故、従来技術の撹拌槽よりも様々な箇所に洗浄部材の先端、即ち洗浄ノズルを近づけることができるようになり、洗浄しにくい箇所を減らすことができる。
また、本発明では、ノズルネックを円弧状に湾曲させて槽本体に一体的に設けている。このように円弧状に湾曲させたノズルネックを槽本体に一体的に設けるためには、例えば引き抜き加工等、加熱処理して塑性変形させる必要がある。この際、加熱処理時の温度及び加熱時間によりノズルネック近傍に鋭敏化が生じる。本発明の撹拌槽では、鋭敏化を生じにくい低炭素ステンレス鋼を用いることで、鋭敏化が生じることを抑制し、鋭敏化に伴う耐食性の低下を防いでいる。これにより、耐食性が要求される撹拌槽において、耐食性を維持しつつ洗浄性及び視認性を向上することが実現できる。
上記発明において、前記マンホールの内径は、300mm以上であり、前記ノズルネックの円弧の半径は、30mm以上100mm以下であることが好ましい。
上記構成に従えば、このマンホールを利用して作業員が出入りすることができる。この際、ノズルネックに鋭角な箇所がないため衣服の引っかかり等を無くすと共に、出入りの際に作業員がノズルネック部にぶつかった際に負傷することを抑制しうる。
上記発明において、前記槽本体の中には、回動軸と、該回動軸に着脱可能な羽根部材とを有する撹拌翼が配置され、前記槽本体には、前記回動軸が挿通する撹拌翼用ノズルが一体的に設けられ、前記撹拌翼用ノズルの内径は、前記回動軸の外径と略一致することが好ましい。
上記構成に従えば、羽根部材を着脱可能にすることで、撹拌翼用ノズルに回動軸を挿通した後に槽本体内で回動軸に羽根部材を取り付けることができ、内径が回動軸の外径と略一致する撹拌翼用ノズルであっても、撹拌翼を槽本体内に配置することができる。また、撹拌翼用ノズルの内径と回動軸の外径とが略一致するので、撹拌翼用ノズルと回動軸との間に形成される隙間をなくすことができ、撹拌翼用ノズルと回動軸との間にコンタミが入ることを防ぐことができる。また、撹拌翼用ノズルと回動軸との間に形成される隙間には洗浄液等が届きにくく、洗浄しにくい箇所が増えてしまう。撹拌翼用ノズルと回動軸との間に形成される隙間をなくすことにより、このような洗浄しにくい箇所を少なくすることができる。
上記発明において、槽上部に設けられる全てのノズルのノズルネックがその裾が広がるように円弧状に湾曲するものである。
上記構成に従えば、ノズルと槽本体との接続部分は円弧状に湾曲しているため、角張った箇所が無くなる。本発明にかかる撹拌槽では、ノズル部を通じて様々な機器を撹拌槽内に挿入したり内容物のサンプリングを行ったりするが、ノズル接続部分をなめらかな湾曲形状とすることで、挿入する機器が当該ノズル接続部分で引っかかったり又は破損することを抑制しうる。
本発明の撹拌装置は、上述の撹拌槽と、前記撹拌翼と、前記撹拌翼の撹拌軸を回動駆動する回動駆動手段とを備えるものである。
上記構成に従えば、上述のような撹拌槽を備え、その中に貯留される液体やスラリーを撹拌することができる撹拌槽値を実現することができる。
本発明によれば、ノズルから中を覗いたときに一度に確認できる範囲を広くし、且つ洗浄しにくい箇所を少なくすることができる。
本発明の第1実施形態の撹拌装置を示す断面図である。 図1に示す撹拌装置の上側部分を拡大して示す拡大断面図である。 図1に示す撹拌装置における視界と従来技術の撹拌装置における視界とを示す断面図である。 図1に示す撹拌装置において、マンホール近傍を拡大して示す拡大断面図である。 本発明の第2実施形態の撹拌装置を示す断面図である。 従来の技術の撹拌装置を示す断面図である。
以下では、上述する図面を参照しつつ、本発明の実施形態である撹拌槽、及びそれを備える撹拌装置について説明する。
<第1実施形態>
図1及び図2に示す第1実施形態の撹拌装置20は、化学工場等において、液体の混合、溶解、晶析、反応、濃縮及びスラリー懸濁等の撹拌処理を行なうために用いられる。撹拌装置20は、基本的に、撹拌槽21と、撹拌翼22と、回動駆動手段23と、バッフル24とを備える。
撹拌槽21は、槽本体31を備える。槽本体31は、低炭素ステンレス鋼、例えばSUS304L、又はSUS316Lから成る竪型円筒形状の容器であり、液体やスラリーを貯留するようになっている。槽本体31の下面31a及び上面31bは、上下方向に夫々突出して湾曲する円弧状の皿形を有している。下面31aには、排出ノズル32が一体的に設けられ、排出ノズル32は、槽本体31内の液体やスラリーを排出するようになっている。また、排出ノズル32には、図示しないフラッシュ弁等を設け、液だまりのない構造とすることも可能であり、また、排出ノズル形状を座形式にすることで、タンクボール弁を選択しても良い。
他方、槽本体31の上面31bには、図2に示すように3つのノズル33,34,35が一体的に設けられている。3つのノズル33,34,35は、撹拌翼用ノズル33、バッフル用ノズル34と、マンホール35であり、以下では、これら3つのノズル33,34,35について説明する。なお、本実施形態では、上面31bに図示しているノズルは上記の3つであるが、通常、これに原料投入ノズルが形成されている。形成されるノズルの数は特に限定されず、撹拌装置20の使用用途に合わせて5つ以上であってもよく、また3つであってもよい。
撹拌翼用ノズル33は、円筒形状を有し、その軸線が槽本体31の軸線L1と一致するように配置されている。この撹拌翼用ノズル33には、撹拌翼22が挿通されている。撹拌翼22は、回動軸41と、羽根部材42とを有する。回動軸41は、円筒棒状の部材であり、その外径は、撹拌用ノズル33の内径と略一致している。ここで、本明細書において回動軸41の外径と撹拌用ノズル33の内径が略一致するとは、完全に一致することではなく、両者の隙間が数cm以下であることを意味する。回動軸41は、撹拌翼用ノズル33を挿通し、回動軸41と撹拌翼用ノズル33との間が封止部材(図示せず)により封止されている。なお、封止部材としてはメカニカルシール等を利用することができる。
回動軸41の上端部41aは、撹拌翼用ノズル33から撹拌槽21の外方に突出しており、そこには、回動駆動手段23が連結されている。回動駆動手段23は、所謂電動機付減速機であり、撹拌槽21の上面31bに固定されており、回動軸41を回動するようになっている。
回動軸41の下端部41bは、撹拌槽21内に配置されており、そこには、羽根部材42が取り付けられている。羽根部材42は、取付部42aと2つの羽根構成部42bとを有する。取付部42aは、大略円筒状になっており、回動軸41の下端部41bにセットボルトより固定できるようになっている。なお、羽根はこのようなボス取り付けでも良いし、軸に直接溶接にて取り付けても構わない。
このように構成される撹拌翼22は、撹拌翼用ノズル33に回動軸41を挿通した後、撹拌槽21内で回動軸41に羽根部材42を取り付けることで、撹拌槽21内に配置される。このように配置された撹拌翼22には回動駆動手段23が取り付けられる。このようにして撹拌翼22に取り付けられた回動駆動手段23を駆動させて回動軸41を回転させることで羽根部材42が軸線L1を中心に回転し、2つの羽根構成部42bによって撹拌槽21に貯留される液体又はスラリーが回されて混合撹拌される。
バッフル用ノズル34は、その軸線L2が槽本体31に平行な円筒形状を有しており、撹拌槽21の軸線L1から所定距離d1離れた位置に配置されている。このバッフル用ノズル34には、バッフル24が挿通している。バッフル24は、長尺のビーバーテイル状の棒部材であり、その上端部24a側にフランジ24cを有し、このフランジ24cがバッフル用ノズル34に固定されている。また、バッフル24の下端部24bには、温度計45が設けられている。この温度計45は、撹拌槽21の底面付近に配置されており、バッフル用ノズル34は、この温度計45が撹拌翼22の羽根部材42に当たらないように配置される。
このように配置されるバッフル24は、撹拌翼22により回される液体やスラリーの流動を阻害して乱す。これにより、撹拌槽21内に貯留される液体やスラリー全体をまんべんなく撹拌することができ、偏って撹拌されることを防いでいる。
マンホール35は、円筒形状を有しており、撹拌槽21の軸線L1から所定距離d2離れた位置に配置され、その軸線L3が槽本体31の上面31bのある点における接線と直交するようになっている。マンホール35は、洗浄又は点検において作業者等が撹拌槽21内に入ったり、液体等を投入したりするためのノズルであり、その内径φが例えば300mm以上であり、その高さhが例えば100mm以上になっている。また、マンホール35には、上側開口35bを塞ぐべく蓋体46が設けられている。
蓋体46は、大略的に円板形状になっている。蓋体46は、マンホール35に図示しない蝶番等を介して連結されており、上側開口35bを開閉することができるようになっている。蓋体46は、上側開口35bを閉じた状態でマンホール35のフランジ35cと共にクランプ部材47によりクランプされてマンホール35に固定されている。また、蓋体46は、覗き窓48が形成されており、この覗き窓48から撹拌槽21内を確認することができるようになっている。
このように槽本体31の上面31bに形成される撹拌翼用ノズル33、バッフル用ノズル34、及びマンホール35は、共に加熱処理(500℃〜1500℃で10分程度加熱)された槽本体31の上面31bを上方に向かって引き抜いて塑性加工する引き抜き加工によって形成される。撹拌翼用ノズル33は、槽本体31の軸線L1に沿って引き抜くことで形成され、その他のノズルは、軸線L1から所定距離d1離れた位置で引き抜くことで形成され、マンホール35は、軸線L1から所定距離d2離れた位置でその位置における法線方向に引き抜くことで形成される。
このようにして形成された撹拌翼用ノズル33、バッフル用ノズル34、及びマンホール35は、槽本体31の上面31bに繋がるノズルネック33a,34a,35aを有し、各ノズルネック33a,34a,35aが裾に向かって広がるように円弧状に湾曲する。即ち、各ノズルネック33a,34a,35aがR面取りされたような形状になっている。以下では、このように形成されるバッフル用ノズル34及びマンホール35のノズルネック34a,35aが奏する効果について、図3及び4を参照しつつ説明する。
図3には、作業員51が蓋体46を外したマンホール35から撹拌槽21内を覗いたときの視界S1(2つの長破線l1の間の領域)を示している。また、図3には、従来技術のマンホール7のノズルネック7aのようにノズルネック7aが角張っている場合(2点鎖線で示す)における視界S2(2つの1点鎖線l2の間の領域)も示している。図4には、作業員51がマンホール35から撹拌槽21内を覗いたときに所定位置から覗ける角度範囲θ1(即ち、2つの長破線l1がなす角度であり、以下では、視界角度θ1ともいう)を示している。また、図4には、従来技術のマンホール7のノズルネック7aのようにノズルネック7aが角張っている場合の角度範囲θ2(即ち、2つの1点鎖線l2がなす角度であり、以下では、視界角度θ2ともいう)も示している。
撹拌槽21では、作業員51が蓋体46を開けてマンホール35から覗いて撹拌槽21内を確認するが、確認する際、作業員51の視界がマンホール35の壁面により一部遮られる。それ故、作業員51は、姿勢を変えながら撹拌槽21内を確認しなければならない。このように姿勢を変えながら撹拌槽21内を確認しなければならないのは、従来技術の撹拌装置1も同様である。しかし、マンホール35のノズルネック35aが従来技術の撹拌装置1のノズルネック7aよりも槽本体31の外側へと引き上げられているため、図3及び4から分かるように、その視界角度θ1が従来技術の撹拌装置1の視界角度θ2よりも大きく、その視界S1が従来技術の視界S2に比べて広くなっている。即ち、撹拌装置20と従来技術の撹拌装置1とで同じ位置からそれらの中を覗いた場合、一度で確認できる領域が従来技術の撹拌装置1より撹拌装置20の方が広くなっており、視認性が向上している。それ故、撹拌槽21内を確認する際、従来の場合に比べて、作業者はあまり姿勢を動かさなくとも撹拌槽21内を様々な箇所を確認することができ、撹拌槽21内の様々な箇所の汚れ等を確認することができる。
このようにして汚れを確認した後、作業員51は、撹拌槽21内を図3及び4に示すような洗浄装置52により洗浄する。洗浄装置52は、例えばホース等に接続された長尺棒状の支持部材52aを有し、その先端部に洗浄ノズル52bが設けられている。この洗浄装置52をマンホール35から挿入し、洗浄ノズル52bから扇状に噴射される高圧の洗浄液を撹拌槽21の内壁に吹き付けることで撹拌槽21内を洗浄し、洗浄装置52の姿勢を変えて様々な箇所を洗浄することができるようになっている。
撹拌槽21の上側の内壁を洗浄するためには、洗浄装置52を水平方向に倒すように姿勢を変えるのだが、倒していくと、やがて洗浄装置52がノズルネック35aに当たる。撹拌槽21では、ノズルネック35aが裾に向かって広がるように円弧状に湾曲しているためノズルネック35aが引っ込んでおり、従来のようにノズルネック7aが迫り出している(図3の2点鎖線参照)場合に比べて、洗浄装置52を倒すことができる範囲が広くなる(図3の2点鎖線参照)。それ故、より撹拌槽21の上側の内壁に近づけることができ、より高圧の洗浄液を上面31bの内壁に吹き付けることができる。即ち、従来技術のように洗浄装置52では洗浄しにくかった撹拌槽2の上側の内壁であっても、撹拌槽21では、撹拌槽21の上側の内壁に近づけることができるようになり、従来の撹拌槽2より洗浄しやすくなっている。
また、図3に示すように、洗浄装置52を挿入してバッフル用ノズル34の中を洗浄する際、従来のようにノズルネック7a(2点鎖線参照)が迫り出していると、洗浄ノズル52bから噴射された洗浄液がノズルネック7aにより遮られ、バッフル用ノズル34内に洗浄液を送ることができなくなる。しかしながら、撹拌槽21のようにノズルネック34aが円弧状に湾曲していると、ノズルネック7aでは遮られていた洗浄液がバッフル用ノズル34の中まで達し、バッフル24のフランジ24cの領域Cまで洗浄液が届く。つまり、従来のノズルでは、届かなかった領域まで洗浄液が届くようになる。これにより、洗浄しにくい箇所を減らすことができる。
このように3つのノズル33,34,35のノズルネック33a,34a,35aを円弧状に湾曲させることで、洗浄しにくい箇所を減らすことができ、また外方から覗いたときに確認できる範囲が広くすることができる。このような作用効果を奏するべくノズルネック33a,34a,35aを円弧状に湾曲して形成するためには、前述の通り引き抜き加工しなければならない。しかし、撹拌槽21に採用する鋼材によっては、引き抜き加工の加熱処理時の撹拌槽21の温度及び処理時間により鋭敏化が生じてしまう。鋭敏化は、撹拌槽21の耐食性を低下させてしまい、耐食性能を求められる撹拌槽21では、重要な問題である。
そこで、撹拌槽21では、低炭素ステンレス鋼を採用すると共に加熱処理時間を短くし、成型時に撹拌槽21の鋭敏化が生じないようにしている。これにより、前述のような効果を達する撹拌槽21において、耐食性を維持することができる。
このような構成を有する撹拌装置20では、撹拌翼用ノズル33の内径と回動軸41の外径とを一致させることで、それらの間に形成される隙間をなくしている。これにより、撹拌翼用ノズル33と回動軸41との間にコンタミが入ることを防ぐことができる。また、撹拌翼用ノズル33と回動軸41との間に形成される隙間には、洗浄液が届きにくく、またその隙間に入ったコンタミは、洗浄液でとりにくい。このように隙間が形成されることで洗浄しにくい箇所が増えてしまうが、この隙間を無くすことで洗浄しにくい箇所を減らして、洗浄性を向上させている。
また、ビーバーテイル状のバッフル24を採用することでも洗浄しにくい箇所を減らしている。というのも、バッフル24を撹拌槽21の内壁に接合する必要がなく、バッフル24と撹拌槽21の内壁との間に形成される小さな隙間や段差をなくすことができる。これら隙間や段差には洗浄装置52からの洗浄液が届きにくく、コンタミが隙間に入ったり、段差に付着したりすると、洗浄液でコンタミを取ることが難しくなる。このような洗浄しにくい隙間や段差をなくすことで、洗浄しにくい箇所を減らすことができる。
<第2実施形態>
図5に示す第2実施形態の撹拌装置20Aは、第1実施形態の撹拌装置20と構成が類似している。そのため、第2実施形態の撹拌装置20Aの構成については、第1実施形態の撹拌装置20と同一の構成について同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてだけ説明する。撹拌装置20Aは、バッフル板24Aを備えている。バッフル板24Aは、長尺矩形状の平板であり、撹拌槽21の内壁に軸線L1に向かって立設されている。バッフル板24Aは、上下方向に伸びており、その幅はバッフル24の内径より小さくなっているが、バッフル24と同様の撹拌性能を奏する。また、バッフル板24Aは、本実施形態では1つしか示していないが、複数のバッフル板24Aが撹拌槽21の内壁に周方向に間隔をあけて配置してもよい。
このようにバッフル板24Aを設けた場合、作業者がマンホール35から撹拌槽21内を覗いたときにバッフル板24Aが邪魔にならないので、バッフル板24Aを外すことなく撹拌槽21内を見渡すことができるようになる。また、洗浄装置52を挿入したときにもバッフル板24Aが邪魔にならないので、バッフル板24Aを外すことなく撹拌槽21内をくまなく洗浄することができる。
<その他の実施形態>
第1及び第2の実施形態の撹拌装置20,20Aにおいて、撹拌翼22は回動軸41と羽根部材42が分割できる構成となっているが、これに限定されず、回動軸41と羽根部材42が一体となったものでも良い。このとき、撹拌翼用ノズル33の内径と回動軸41の外径が略一致する場合、撹拌翼用ノズル33を通じて撹拌翼22を挿入することができないため、マンホール等を用いて撹拌翼22を撹拌槽21内に挿入し、その後、撹拌翼用ノズル33を通じて回動軸41を容器外に設置した回動駆動手段23と接続するようにすればよい。
また、第1及び第2実施形態の撹拌装置20,20Aにおいて、槽本体31は、上面と側面とが一体成型された竪型円筒状になっているが、側面及び下面が断面U字状の円筒状に形成された筒状体とその開口部を開閉可能な蓋とを備えるものであってもよい。この場合、蓋に3つのノズル33,34,35が一体的に形成される。槽本体31をこのように構成することで、撹拌翼22の回動軸41と羽根部材42とが一体成型されていても槽本体31内に配置することができる。
また、本実施形態において図示していないノズルについても、実施形態において説明したノズルと同様に全てのノズルネック部を湾曲した構造としても良い。全てのノズルのノズルネック部を円弧状に湾曲した構造とし、ノズルネック部分内面側の鋭角な角部を無くすことで、当該ノズルを利用して計測機器等を撹拌装置内に挿入し、又は設置又は取り出す際に当該計測機器等がノズルネック部分に接触して破損することを抑制しうる。
また、本実施形態においては、容器内の洗浄のための容器内を洗浄する洗浄装置8をマンホール35を利用して外部から挿入する構成としたが、これに限定されず、撹拌槽2内を洗浄する洗浄ノズル8aを撹拌槽2内に設置した構成としてもよい。洗浄ノズル8aを撹拌槽2内に設置した場合、洗浄ノズル8a自体を移動させる自由度は低下するものの、本発明の撹拌槽はノズルネック部分を円弧状に湾曲した構成としているため、従来技術に比べ洗浄の死角となる箇所を狭くすることができるので、十分に容器内を洗浄することが可能となる。
なお、本発明は、実施の形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
以上のように、本発明は、液体の混合、溶解、晶析、反応、及びスラリー懸濁等を行なう撹拌処理において前記液体及びスラリーを貯めるための撹拌槽、及びそれを備える撹拌装置に適用することができる。
20 撹拌装置
20A 撹拌装置
21 撹拌槽
22 撹拌翼
23 回動駆動手段
24 バッフル
31 槽本体
33 撹拌翼用ノズル
33a ノズルネック
34 バッフル用ノズル
34a ノズルネック
35 マンホール
35a ノズルネック
41 回動軸

Claims (5)

  1. 槽本体と、該槽本体に一体的に設けられるマンホールとを備え、低炭素ステンレス鋼から成る撹拌槽であって、
    前記マンホールは、引き抜き加工によって形成され、
    前記マンホールと前記槽本体とが繋がるノズルネックは、その裾が広がるように円弧状に湾曲することを特徴とする撹拌槽。
  2. 前記マンホールの内径は、300mm以上であり、
    前記ノズルネックの円弧の半径は、30mm以上100mm以下であることを特徴とする
    請求項1に記載の撹拌槽
  3. 前記槽本体の中には、回動軸と、該回動軸に着脱可能な羽根部材とを有する撹拌翼が配置され、
    前記槽本体には、前記回動軸が挿通する撹拌翼用ノズルが一体的に設けられ、
    前記撹拌翼用ノズルの内径は、前記回動軸の外径と略一致することを特徴とする請求項1又は2に記載の撹拌槽。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つに記載の撹拌槽と、
    前記撹拌翼と、
    前記撹拌翼の撹拌軸を回動駆動する回動駆動手段とを備えることを特徴とする撹拌装置。
  5. 前記槽本体上部には、複数のノズルが一体的に設けられ、全てのノズルのノズルネックが、その裾が広がるように円弧状に湾曲することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の撹拌槽。
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