以下、本発明の台紙を実施するための形態について、図1〜図6を参照して説明する。各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
〈1.第1の実施の形態〉
[台紙]
まず、本発明の台紙の第1の実施の形態について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本発明の台紙の第1の実施の形態の斜視図である。図2は、同じく分解斜視図である。
台紙1は、写真や絵などの取付対象物を取り付ける、いわゆる写真台紙である。この台紙1は、表紙2と、ベース部材3A,3Bと、フック部材4A,4Bと、載置部5A,5Bと、フレーム6A,6Bを備えている。表紙2は、長方形の板状に形成されており、二つ折りにして重なるおもて表紙11及びうら表紙12と、おもて表紙11とうら表紙12を連結する背表紙13からなっている。
おもて表紙11及びうら表紙12は、それぞれ長方形に形成されており、一方の長辺が背表紙13に折り曲げ可能に連続している。表紙2を二つ折りにした状態において、おもて表紙11の一方の平面11aは、うら表紙12の一方の平面12aと対向する。これらおもて表紙11及びうら表紙12の平面11a,12aには、ベース部材3A,3Bがそれぞれ固定される。また、おもて表紙11及びうら表紙12の他方の平面は、台紙1の体裁面を形成する。
ベース部材3A,3Bは、略同じ大きさの長方形に形成されている。ベース部材3Aは、カバー部21と、このカバー部21に重ねられるガイド部22から構成されている。カバー部21は、長方形の板状に形成されている。カバー部21の表面21aは、ガイド部22に対向する。一方、カバー部21の裏面21bは、接着剤や接着シート等の固着方法によっておもて表紙11の平面11aに接着される。
ガイド部22は、カバー部21と同じ大きさの長方形の板状に形成されており、一方の長辺がカバー部21の一方の長辺に折り曲げ可能に連続している。ガイド部22の表面22aは、載置部5Aに対向する。一方、ガイド部22の裏面22bは、接着剤や接着シート等の固着方法によってカバー部21の表面21aに接着される。このガイド部22には、フック部材4Aの移動を案内するガイド溝23が設けられている。
ベース部材3Bは、ベース部材3Aと同様に、カバー部25と、ガイド部26から構成されている。カバー部25の表面25aは、ガイド部26に対向する。一方、カバー部25の裏面25bは、接着剤や接着シート等の固着方法によってうら表紙12の平面12aに接着される。ガイド部26の表面26aは、載置部5Bに対向する。一方、ガイド部26の裏面26bは、接着剤や接着シート等の固着方法によってカバー部25の表面25aに接着される。このガイド部26には、フック部材4Bの移動を案内するガイド溝27が設けられている。
フック部材4Aは、ガイド部22に案内されて移動し、カバー部21内に収まる収納位置と、カバー部21の周縁から突出する第1及び第2の突出位置に配置される。また、フック部材4Bは、ガイド部26に案内されて移動し、カバー部25内に収まる収納位置と、カバー部25の周縁から突出する突出位置に配置される。これらフック部材4A,4Bについては、後で詳しく説明する。
載置部5A,5Bは、ベース部材3A,3Bと略同じ大きさの長方形の板状に形成されている。載置部5A,5Bは、それぞれガイド部22,26の表面22a,26aに重ねられ、接着剤や接着シートなどの固着方法によって接着される。これら載置部5A,5Bには、写真や絵などの取付対象物(不図示)が取付けられる。
載置部5A,5Bに取付対象物を取り付ける方法としては、例えば、接着剤や接着シートなどの固着方法を挙げることができる。また、載置部5A,5Bに切込みを設け、その切込みに取付対象物の端部(角部)を挿入するようにしてもよい。
載置部5Aには、フック部材4Aの一部を露出させる操作用窓31が設けられている。この操作用窓31は、フック部材4Aの移動方向R1,R2に沿って延びる円弧状に形成されている。また、載置部5Bには、フック部材4Bの一部を露出させる操作用窓32が設けられている。この操作用窓32は、フック部材4Bの移動方向R3,R4に沿って延びる円弧状に形成されている。
フレーム6Aは、ベース部材3A及び載置部5Aと略同じ大きさの長方形に形成されており、載置部5Aに重ねられる。このフレーム6Aは、載置部5Aに載置された取付対象物を表示させる四角形の開口部35を有している。つまり、フレーム6Aは、長手方向に対向する上部片34a及び下部片34bと、短手方向に対向する側部片34c,34dから構成されている(図2参照)。このフレーム6Aは、上部片34aを接着剤や接着シートなどの固着方法によって載置部5Aに接着することにより、載置部5Aに開閉可能に取付けられている。
フレーム6Bは、ベース部材3B及び載置部5Bと略同じ大きさの長方形に形成されており、載置部5Bに重ねられる。このフレーム6Bは、載置部5Bに載置された取付対象物を表示させる四角形の開口部37A,37Bを有している。開口部37A,37Bは、略同じ大きさに形成されており、フレーム6Bの長手方向に適当な間隔をあけて配置されている。したがって、載置部5Bには、開口部37A,37Bに合わせて2つの取付対象物を載置できるようになっている。
フレーム6Bは、長手方向に対向する上部片36a及び下部片36bと、短手方向に対向する側部片36c,36dと、開口部37A,37Bを仕切る仕切り片36eから構成されている(図2参照)。このフレーム6Bは、上部片36aを接着剤や接着シートなどの固着方法によって載置部5Bに接着することにより、載置部5Bに開閉可能に取付けられている。
仕切り片36eは、載置部5Bに設けた操作用窓32の一端を覆うようになっている(図1参照)。そして、操作用窓32のその他の部分は、開口部37Aから露出されている。つまり、開口部37Aは、操作用窓32の少なくとも一部を露出させる位置に設けられている。これにより、フレーム6Bを開いたり取り外したりしなくても、操作用窓32から露出されるフック部材4Bを操作することができる。
本実施の形態では、表紙2、ベース部材3A,3B、載置部5A,5B及びフレーム6A,6Bの材料として、紙材を適用した。しかしながら、本発明に係る表紙、ベース部材等の材料としては、ポリプロピレン(PP)やポリカーボネート(PC)などの合成樹脂を用いてもよく、また、アルミニウム、チタン合金などの金属、木材などを用いてよい。
また、本実施の形態では、フック部材4A,4Bの材料として、ポリプロピレン(PP)を適用したが、ポリカーボネート(PC)などのその他の合成樹脂を用いることもできる。また、本発明に係るフック部材の材料としては、アルミニウム、チタン合金などの金属を用いてもよく、紙材や木材などを用いてもよい。
[ガイド溝]
次に、ベース部材3Bのガイド溝27について、図3を参照して説明する。
図3(a)は、ベース部材3Bを展開した状態の説明図である。図3(b)は、ベース部材3Bの平面図である。
ベース部材3A,3Bのガイド溝23,27は、ベース部材3A,3Bの長手方向に延びる線に対して対象に形成されている(図2参照)。そのため、ここでは、本実施の形態に係るガイド溝について、ベース部材3Bのガイド溝27を例に挙げて詳しく説明する。
ガイド溝27は、ガイド部26の一方の短辺である上辺26cからガイド部26のカバー部25に連続する長辺となる右側辺26dまで延びる円弧状に形成されている。このガイド溝27は、フック部材4Bの移動を制限する制限部41と、制限部41に連通する第1の挿通部42及び第2の挿通部43から構成されている。
制限部41は、対向する2つの円弧辺41a,41bと、円弧辺41a,41bの一端に連続する第1の係止辺41cと、円弧辺41a,41bの他端に連続する第2の係止辺41dを有している。円弧辺41a,41bは、中心点が同一で曲率半径が異なる2つの曲線として形成されている。これら円弧辺41a,41bには、フック部材4Bの後述する摺動辺51a,51bがそれぞれ摺動可能に係合する。これにより、フック部材4Bは、円弧辺41a,41bに沿って移動方向R3,R4(図3(b)参照)へ移動する。
第1の係止辺41cは、ガイド部26の上辺26cと略平行な直線状に形成されている。第1の係止辺41cには、移動方向R3へ移動したフック部材4Bの後述する第1の係合辺51cが当接される。これにより、フック部材4Bは、移動方向R3への移動が係止され、第1の突出位置に配置される。
第2の係止辺41dは、ガイド部26の右側辺26dと略平行な直線状に形成されている。第2の係止辺41dには、移動方向R4へ移動したフック部材4Bの後述する第2の係合辺51dが当接される。これにより、フック部材4Bは、移動方向R4への移動が係止され、第2の突出位置に配置される。つまり、フック部材4Bは、第1の突出位置と第2の突出位置との間で移動可能になっている。
第1の挿通部42及び第2の挿通部43は、制限部41よりも小さい幅に設定されている。第1の挿通部42は、第1の係止辺41cに連続して設けられており、ガイド部26の上辺26cに開口している。この第1の挿通部42には、フック部材4Bの後述する第1のフック片52が挿通される。
第2の挿通部43は、第2の係止辺41dに連続して設けられており、ガイド部26の右側辺26dに開口している。この第2の挿通部43は、右側辺26dの中間部(うら表紙12の長辺の中間部)に位置している。第2の挿通部43には、フック部材4Bの後述する第2のフック片53が挿通される。
ここで、ベース部材3Aのガイド溝23について、簡単に説明する。
ベース部材3Aのガイド溝23は、ベース部材3Bのガイド溝27と同様に、制限部46と、第1の挿通部47と、第2の挿通部48から構成されている(図5参照)。このガイド溝23は、フック部材4Aの移動を移動方向R1,R2へ案内する。フック部材4Aは、移動方向R1への移動が係止される第1の突出位置と、移動方向R2への移動が係止される第2の突出位置との間で移動可能となっている。
[フック部材]
次に、フック部材4Bについて、図4を参照して説明する。
図4は、フック部材4Bの平面図である。
フック部材4A,4Bは、ベース部材3A,3Bの長手方向に延びる線に対して対象に形成されている(図2参照)。そのため、ここでは、本実施の形態に係るフック部材について、フック部材4Bを例に挙げて詳しく説明する。
フック部材4Bは、略円弧状に形成された板体からなり、ガイド部26と同じ厚みに設定されている。フック部材4Bをガイド溝27内に配置した状態において、フック部材4Bの表面50は、ガイド部26の表面26aと略同一平面上に位置する。また、フック部材4Bの裏面は、カバー部25の表面25a(図3(b)参照)に摺動可能に当接される。
フック部材4Bは、ガイド溝27の制限部41内に配置されるスライダ51と、スライダ51に連続する第1のフック片52及び第2のフック片53から構成されている。スライダ51は、対向する2つの摺動辺51a,51bと、摺動辺51a,51bの一端に連続する第1の係合辺51cと、摺動辺51a,51bの他端に連続する第2の係合辺51dを有している。
摺動辺51aは、ガイド溝27の円弧辺41aに摺動可能に係合する。この摺動辺51aは、ガイド溝27の円弧辺41aと略同一の曲率半径に設定された曲線として形成されている。摺動辺51bは、ガイド溝27の円弧辺41bに摺動可能に係合する。この摺動辺51bは、ガイド溝27の円弧辺41bと略同一の曲率半径に設定された曲線として形成されている。
第1の係合辺51cは、直線状に形成されている。この第1の係合辺51cは、フック部材4Bを移動方向R3に移動させると、ガイド溝27の第1の係止辺41c(図3参照)に係合する。第2の係合辺51dは、第1の係合辺51cと同様に直線状に形成されている。この第2の係合辺51dは、フック部材4Bを移動方向R4に移動させると、ガイド溝27の第2の係止辺41dに係合する。
スライダ51には、載置部5Bの操作用窓32(図2参照)から露出する3つの操作部54が設けられている。この操作部54は、スライダ51に円形の貫通孔を設けることにより形成されている。例えば、ペン先などを操作部54に引っ掛けることにより、フック部材4Bを簡単に移動させることができる。
なお、本実施の形態では、操作用窓32から露出する3つの操作部54のうち少なくとも1つがフレーム6Bの開口部37Aに臨むようになっている。したがって、操作用窓32の一端がフレーム6Bの仕切り片36eによって覆われていても、開口部37Aに臨む操作部54にペン先などを引っ掛けることができ、フック部材4Bを簡単に移動させることができる。
第1のフック片52は、スライダ51の第1の係合辺51cに連続して突出している。この第1のフック片52の幅は、ガイド溝27の第1の挿通部42に応じた長さに設定されており、スライダ51の幅よりも小さくなっている。フック部材4Bが第1の突出位置に配置されると、第1のフック片52は、ガイド溝27の第1の挿通部42を貫通してガイド部26の上辺26c(カバー部25の上辺)から突出する。この第1のフック片52には、台紙1を壁に掛けるための貫通孔52aが設けられている。
第2のフック片53は、スライダ51の第2の係合辺51dに連続して突出している。この第2のフック片53の幅は、ガイド溝27の第2の挿通部43に応じた長さに設定されており、スライダ51の幅よりも小さくなっている。フック部材4Bが第2の突出位置に配置されると、第2のフック片53は、ガイド溝27の第2の挿通部43を貫通してガイド部26の右側辺26d(カバー部25の右側辺)から突出する。この第2のフック片53には、台紙1を壁に掛けるための貫通孔53aが設けられている。
第1の突出位置と第2の突出位置との中間は、収納位置となっている。フック部材4Bが収納位置に配置されると、第1のフック片52は、ガイド溝27の第1の挿通部42内に位置し、第2のフック片53は、ガイド溝27の第2の挿通部43内に位置する。つまり、収納位置では、フック部材4B全体がガイド部26(カバー部25)内に収まるようになっている。
ここで、フック部材4Aについて簡単に説明する。
フック部材4Aは、フック部材4Bと同様に、スライダ56と、第1のフック片57と、第2のフック片58から構成されている(図5参照)。また、フック部材4Aのスライダ56には、載置部5Aの操作用窓31から露出する3つの操作部59が設けられている。
フック部材4Aが第1の突出位置に配置されると、第1のフック片57は、ガイド溝23の第1の挿通部47を貫通してガイド部22の上辺(カバー部21の上辺)から突出する。フック部材4Aが第2の突出位置に配置されると、第2のフック片58は、ガイド溝23の第2の挿通部48を貫通してガイド部22の左側辺(カバー部21の左側辺)から突出する。また、フック部材4Aが収納位置に配置されると、フック部材4A全体がガイド部22(カバー部21)内に収まる。
[台紙の使用方法]
次に、台紙1の使用方法について、図5を参照して説明する。
図5(a)は、台紙1を横長状態で壁に掛ける場合の説明図である。図5(b)は、台紙1を縦長状態で壁に掛ける場合の説明図である。
まず、台紙1を壁に掛けずに保管する場合について説明する。
壁に掛けない場合の台紙1は、例えば、表紙2を二つ折りにして保管される。そのため、おもて表紙11、うら表紙12及び背表紙13の外面(他方の平面)が体裁面になる。台紙1を壁に取付けない場合は、フック部材4A,4Bをそれぞれ収納位置に配置する。これにより、フック部材4A,4Bは、カバー部21,25(ガイド部22,26)内に収まる。したがって、台紙1の体裁面からフック部材4A,4Bが突出することが無く、体裁面の意匠性を損なわないようにすることができる(図1参照)。
また、載置部5A,5Bに写真や絵などの取付対象物を載置すると、その取付対象物が操作用窓31,32を覆う。したがって、操作用窓31,32及び操作用窓31,32から露出するフック部材4A,4Bを取付対象物によって隠すことができ、体裁面の意匠性を損なわないようにすることができる。
次に、台紙1を壁に掛ける場合について説明する。
本実施の形態では、台紙1を壁に掛ける状態を、横長状態、第1の縦長状態及び第2の縦長状態の3つの状態から選択することができる。
横長状態では、フレーム6A,6Bが横方向に並ぶ(図5(a)参照)。第1の縦長状態では、フレーム6A,6Bが上下方向に並び、フレーム6Bが上になる(図5(b)参照)。そして、第2の縦長状態では、フレーム6A,6Bが上下方向に並び、フレーム6Aが上になる。
図5(a)に示すように、台紙1を横長状態で壁に掛ける場合は、フック部材4A,4Bをそれぞれ第1の突出位置に配置する。つまり、載置部5Aの操作用窓31から露出する操作部59に爪やペン先などを引っ掛けて、フック部材4Aを移動方向R1へ移動させる。これにより、フック部材Aが第1の突出位置に配置される。これと同様に、載置部5Bの操作用窓32から露出する操作部54に爪やペン先などを引っ掛けて、フック部材4Bを移動方向R3へ移動させる。これにより、フック部材Bが第1の突出位置に配置される。
フック部材4Aを第1の突出位置に配置すると、第1のフック片57がガイド溝23の第1の挿通部47を貫通し、カバー部21(図2参照)の上辺及びおもて表紙11の上辺から突出する。一方、フック部材4Bを第1の突出位置に配置すると、第1のフック片52がガイド溝27の第1の挿通部42を貫通し、カバー部25の上辺及びうら表紙12の上辺から突出する。その結果、第1のフック片52,57を用いて台紙1を横長状態で壁に掛けることができる。
図5(b)に示すように、台紙1を第1の縦長状態で壁に掛ける場合は、フック部材4Aを収納位置に配置すると共に、フック部材4Bを移動方向R4へ移動させ、フック部材4Bを第2の突出位置に配置する。フック部材4Bを第2の突出位置に配置すると、第2のフック片53がガイド溝27の第2の挿通部43を貫通し、カバー部25の右側辺及びうら表紙12の右側辺から突出する。その結果、第2のフック片53を用いて台紙1を第1の縦長状態で壁に掛けることができる。
第2の突出位置に配置されたフック部材4Bの第2のフック片53は、カバー部25の右側辺及びうら表紙12の右側辺の中央部から突出する。そのため、第1の縦長状態で台紙1を壁に掛ける場合に、台紙1が上下方向に傾くことを防止或いは抑制することができる。
台紙1を第2の縦長状態で壁に掛ける場合は、フック部材4Bを収納位置に配置すると共に、フック部材4Aを移動方向R2へ移動させ、第2の突出位置に配置する。これにより、第2のフック片58がカバー部21の左側辺及びおもて表紙11の左側辺から突出し、その第2のフック片58を用いて台紙1を第2の縦長状態で壁に掛けることができる。
第2の突出位置に配置されたフック部材4Aの第2のフック片58は、カバー部21の左側辺及びおもて表紙11の左側辺中央部から突出する。そのため、第2の縦長状態で台紙1を壁に掛ける場合に、台紙1が上下方向に傾くことを防止或いは抑制することができる。
本実施の形態の台紙1よれば、1つのフック部材を移動させることで2つのフック片の一方をカバー部の周縁から突出させることができる。しかも、2つのフック片は、互いに交差する方向に突出するため、載置部に取付ける取付対象物の向きに応じて、壁に掛ける台紙1の向きを変えることができる。
本実施の形態の台紙1よれば、ガイド溝23,27がフック部材4A,4Bの移動を円周方向(移動方向R1〜R4)に案内する。そのため、フック部材4A,4Bを第1の突出位置から収納位置を経て第2の突出位置まで一方向の押圧操作で円滑に移動させることができる。また、フック部材4A,4Bを第1の突出位置から第2の突出位置まで一方向の押圧操作で移動させるようにすることで、載置部5A,5Bの操作用窓31,32の小型化を図ることができる。
本実施の形態の台紙1よれば、操作用窓31,32がフック部材4A,4Bの移動方向に沿って延びる円弧状に形成されている。そのため、フック部材4A,4Bの移動方向を使用者に認識させることができる。
本実施の形態の台紙1よれば、カバー部21とガイド部22(カバー部25とガイド部26も同様)を折り曲げ可能に連続させて一体に形成した。そのため、部品点数を削減してカバー部21に対するガイド部22の接着作業を容易にすることができ、生産効率を向上させることができる。例えば、カバー部21とガイド部22を別体に形成すると、ガイド部22が2つの部品に分ける必要があり、部品点数が増加することになる。
本実施の形態の台紙1では、カバー部21,25とガイド部22,26を同じ大きさにした。しかしながら、本発明に係るカバー部とガイド部は、同じ大きさにしなくてもよい。なお。カバー部が表紙を兼ねる場合は、カバー部の裏面が体裁面になるため、ガイド部をカバー部と同じ大きさ、或いはカバー部よりも小さくするとよい。
本実施の形態の台紙1では、ベース部材3A,3Bを表紙2に接着する構成としたが、ベース部材3A,3Bのカバー部21,25が表紙を兼ねる構成としてもよい。この場合は、カバー部21,25の裏面21b,25bが台紙1の体裁面となる。そして、カバー部21,25の裏面21b,25bからフック部材4A,4Bが露出することが無いため、この場合においても体裁面の意匠性を損なわないようにすることができる。
本実施の形態の台紙1では、表紙2を二つ折りにすることが可能な構成にしたが、本発明に台紙としては、表紙を1枚の板状に形成してもよく、また、三つ折り以上にすることが可能な構成にしてもよい。さらに、本発明の台紙としては、フック部材の数を1つにしてもよく、また、3つ以上にしてもよい。
本実施の形態の台紙1では、1つのフック部材に2つのフック片を設ける構成としたが、本発明の台紙としては、1つのフック部材に1つのフック片を設ける構成にすることもできる。その場合のフック部材は、フック片がカバー部(表紙)の周縁から突出する突出位置と、フック部材全体がカバー部内に収まる収納位置との間で移動する。
本実施の形態の台紙1では、カバー部21とガイド部22(カバー部25とガイド部26も同様)を一体に形成したが、カバー部21とガイド部22を別体にすることもできる。カバー部21とガイド部22を別体にする場合は、例えば、ガイド部22と載置部5Aを折り曲げ可能に連続させて一体に形成してもよい。また、本発明の台紙としては、カバー部21、ガイド部22及び載置部5Aを折り曲げ可能に連続させて一体に形成してもよい。
〈2.第2の実施の形態〉
[台紙]
次に、本発明の台紙の第2の実施の形態について、図6を参照して説明する。
図6(a)は、本発明の台紙の第2の実施の形態に係るベース部材、フック部材及び載置部を説明する説明図である。図6(b)は、本発明の台紙の第2の実施の形態に係るフック部材の突出位置を説明する説明図である。
本発明の台紙の第2の実施の形態は、第1の実施の形態の台紙1と同様な構成を有している。本発明の台紙の第2の実施の形態が台紙1と異なるところは、ベース部材63、フック部材64及び載置部である。そのため、ここでは、ベース部材63、フック部材64及び載置部について説明し、台紙1と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
ベース部材63は、カバー部21と、このカバー部21に重ねられるガイド部72から構成されている。ガイド部72は、カバー部21と同じ大きさの長方形の板状に形成されており、一方の長辺がカバー部21の一方の長辺に折り曲げ可能に連続している。ガイド部72の表面72aは、載置部(不図示)に対向する。一方、ガイド部72の裏面は、接着剤や接着シート等の固着方法によってカバー部21の表面21aに接着される。
ガイド部72には、フック部材64の移動を案内するガイド溝73が設けられている。このガイド溝73は、T字状に形成されており、ガイド部72の長辺と平行に延びる略長方形の第1の溝部75と、この第1の溝部75に連通してガイド部72の短辺と平行に延びる略四角形の第2の溝部76から構成されている。
第1の溝部75は、長手方向の一端がガイド部72の一方の短辺である上辺72bに開口している。つまり、第1の溝部75は、ガイド部72の長辺と平行に延びる左側辺75a及び右側辺75bと、ガイド部72の短辺と平行に下辺75cを有している。この第1の溝部75の左側辺75aには、フック部材64の上方向の移動を係止する段部78が設けられている。
第2の溝部76は、第1の溝部75の左側辺75aに直交しており、一端がガイド部72の左側辺72cに開口している。つまり、第2の溝部76は、ガイド部72の短辺と平行に延びる上辺76a及び下辺76bを有している。この第2の溝部76の上辺76aには、フック部材64の左方向の移動を係止する段部79が設けられている。
フック部材64は、ガイド部72と同じ厚みに設定された板体からなっている。このフック部材64は、ガイド溝73内に配置されるスライダ81と、スライダ81に連続する第1のフック片82及び第2のフック片83から構成されている。スライダ81は、T字状に形成されており、ガイド溝73の第1の溝部75に係合される長方形の縦長部85と、この縦長部85の一方の長辺(左側辺)に連続する長方形の横長部86からなっている。
第1のフック片82は、縦長部85の一方の短辺(上辺)に連続しており、その短辺に直交する方向に突出している。この第1のフック片82には、第2の実施の形態の台紙を壁に掛けるための貫通孔82aが設けられている。第2のフック片83は、横長部86の短辺(左側辺)に連続しており、その短辺に直交する方向に突出している。この第2のフック片83には、第2の実施の形態の台紙を壁に掛けるための貫通孔83aが設けられている。
載置部(不図示)は、ベース部材63と略同じ大きさの長方形の板状に形成されている。載置部は、ガイド部72の表面72aに重ねられ、接着剤や接着シートなどの固着方法によって接着される。この載置部には、フック部材64の一部を露出させる操作用窓89が設けられている。操作用窓89は、フック部材64の移動方向に沿って延びる略L字状に形成されている。
次に、フック部材64が配置される収納位置、第1の突出位置及び第2の突出位置について説明する。
フック部材64は、スライダ81の縦長部85が第1の溝部75の左側辺75a及び下辺75cに当接すると、収納位置に配置される(図6(a)参照)。フック部材64が収納位置に配置されると、フック部材64全体がガイド部72(カバー部21)内に収まる。
収納位置からフック部材64を上方に移動させると、スライダ81の横長部86が第2の溝部76の上辺76a及び段部79に当接する。これにより、フック部材64は、上方向と左右方向への移動が係止され、第1の突出位置に配置される(図6(b)参照)。フック部材64が第1の突出位置に配置されると、第1のフック片82がガイド部72の上辺72b(カバー部21の上辺)から突出する。
収納位置からフック部材64を左側に移動させると、スライダ81の縦長部85が第1の溝部75の左側辺75a及び段部78に当接する。これにより、フック部材64は、上方向と左右方向への移動が係止され、第2の突出位置に配置される(図6(b)の二点鎖線を参照)。フック部材64が第2の突出位置に配置されると、第2のフック片83がガイド部72の左側辺72c(カバー部21の左側辺)から突出する。このとき、第2のフック片83は、左側辺72cの中間部に位置している。
このような第2の実施の形態の台紙においても、第1の実施の形態の台紙1と同様な効果を得ることができる。すなわち、フック部材64を第1の突出位置又は第2の突出位置に配置することにより、壁に掛けて使用することができる。また、台紙を壁に掛けずに保管しておく場合は、フック部材64を収納位置に配置することにより、体裁面の意匠性を損なわないようにすることができる。
以上、本発明の台紙の実施の形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の台紙は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述の実施の形態では、台紙の一具体例として写真台紙を挙げて説明したが、本発明の台紙としては、電報の台紙、ジグソーパズルの台紙などその他の台紙に適用することがきる。