以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて、イオン発生ユニットとして、イオン発生部にて発生したイオンを送風する送風用のファンを備える空気清浄ユニットを例に詳述する。図1は、本発明に係るイオン発生ユニット100の外観斜視図である。図2は、イオン発生ユニット100の分解斜視図である。
図中4は、一面が開口した筐状のケースである。ケース4の内部には、一面が開口した筐状の本体ベース3が収容してある。
本体ベース3の対向する1組の側壁は、開口の側が広がるように傾斜させてあり、これらの側壁の内面には、矩形板状を有し、イオンを発生するイオン発生部としてのイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32が固定板34,34により着脱可能に夫々取付けてある。
イオン発生素子A31は、放電電極としての針電極と、誘導電極としての板電極とを備えており、誘導電極に設けた貫通孔の内側に該貫通孔と略同心をなして放電電極を設け、放電電極と誘導電極との間に高電圧を印加することにより、放電を生ぜしめるように構成してある。イオン発生素子A31の一端側には、放電によりマイナスイオンを発生させるマイナスイオン発生電極部31a,31bが適長離隔して設けてあり、他端側には、放電によりプラスイオンを発生させるプラスイオン発生電極部31c,31dが適長離隔して設けてある。イオン発生素子B32は、イオン発生素子A31と同様の構成をなす。なお、イオン発生素子B32は、プラスイオン発生電極部がイオン発生素子A31のマイナスイオン発生電極部31a,31bに、マイナスイオン発生電極部がイオン発生素子A31のプラスイオン発生電極部31c,31dに夫々対向するように本体ベース3に取付けてある。
これらイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32は、空気中の水分を放電によりイオン化することにより、プラスイオンとしてのH+ (H2 O)n (nは任意の自然数)と、マイナスイオンとしてのO2 - (H2 O)m (mは任意の自然数)とを発生する。そして、これらが化学反応することにより、活性種である過酸化水素(H2 O2 )及び/又は水酸基ラジカル(OH)が生成され、空気中の浮遊細菌や浮遊ウイルス等が除去される。
また本体ベース3の底面の略中央には、その回転軸が前記底面と略直角をなすようにファン33が取付けてある。なお、ファン33が取付けられる底面の略中央には、後述する空気吸込口から吸い込まれた空気を気流の乱れを生じさせることなくスムーズに流動させて空気吹出口に導くべく、外側から内側に向かって円形状に絞り込んだ椀状の絞り部が形成してある。
また本体ベース3には、イオン発生ユニット100を制御するマイクロコンピュータ(以下マイコンと略す)、イオン発生素子A31、イオン発生素子B32、及びファン33に供給する所定の電圧を発生する電源回路と、イオン発生素子A31、イオン発生素子B32、及びファン33を駆動する駆動回路等が設けられた回路基板5が本体ベース3の1側壁に取付けてある。回路基板5には、後述するカバーの着脱を検出するためのマイクロスイッチ35が設けてある。
さらに本体ベース3には、LEDを備える表示部36が設けてある。表示部36は、イオン発生ユニット100の動作状態をLEDの点灯状態で示すように構成してある。
この本体ベース3は、開口の側がケース4と同方向になるようにケース4の内部に取付けてある。ケース4に取付けられた本体ベース3の開口の側には、吸い込みグリル2が設けてある。
吸い込みグリル2は、本体ベース3の開口部と略同一寸法の板部20と、該板部20の一面に設けられた吹出方向設定部材とを備えている。吸い込みグリル2の板部20の略中央には、吸込孔25が設けてある。吸い込みグリル2の板部20の四隅には、第1吹出孔21、第2吹出孔22、第3吹出孔23及び第4吹出孔24が設けてある。吸い込みグリル2は、板部20の側が本体ベース3の開口の側になるように本体ベース3に取付けてある。なお、吹出方向設定部材は、吸い込みグリル2を本体ベース3に取付けた状態で、ファン33により吸い込まれた空気を第1吹出孔21、第2吹出孔22、第3吹出孔23及び第4吹出孔24に夫々導く通気路を形成するように設けてある。
本体ベース3の開口の側には、吸い込みグリル2の板部20を覆うように、イオン発生ユニット100に流入出する空気の案内板であるカバー1が取付けてある。
カバー1の中央部には、吸込孔25に対応する位置に空気吸込口15が設けてある。カバー1の空気吸込口15の外周には、空気吸込口15を取り囲み、第1吹出孔21、第2吹出孔22、第3吹出孔23及び第4吹出孔24夫々に対応する位置に第1空気吹出口11、第2空気吹出口12、第3空気吹出口13及び第4空気吹出口14が設けてある。
この構成により、空気吸込口15と第1空気吹出口11、第2空気吹出口12、第3空気吹出口13及び第4空気吹出口14とを連通する通気路が形成される。この組立状態において、第1吹出孔21及び第1空気吹出口11並びに第3吹出孔23及び第3空気吹出口13の近傍には、マイナスイオンを発生するイオン発生電極部が夫々配置され、第2吹出孔22及び第2空気吹出口12並びに第4吹出孔24及び第4空気吹出口14の近傍には、プラスイオンを発生するイオン発生電極部が夫々配置されることになる。なお、前述したファンは、その回転軸が空気吸込口15及び第1空気吹出口11、第2空気吹出口12、第3空気吹出口13及び第4空気吹出口14の面と直交するように取付けてある。
また、カバー1の内面には、本体ベース3に設けられたマイクロスイッチ35と整合する位置に突起棒(図示せず)が立設してある。カバー1が装着されているとき、突起棒がマイクロスイッチ35を押して、マイクロスイッチ35がオンとなる。一方、カバー1が取り外されているとき、突起棒がマイクロスイッチ35から離れ、マイクロスイッチ35がオフとなる。
このように構成されたイオン発生ユニット100において、ファン33を動作させたとき、空気吸込口15から空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は、ファン33を通過し、吸い込みグリル2の吹出方向設定部材により形成される通気路を通り、第1空気吹出口11、第2空気吹出口12、第3空気吹出口13及び第4空気吹出口14から吹き出される。第1空気吹出口11及び第3空気吹出口13から吹き出される際に、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32のマイナスイオン発生電極部で発生したマイナスイオンが空気に含まれることになり、マイナスイオンを含む空気が外部に送り出される。また、第2空気吹出口12及び第4空気吹出口14から吹き出される際に、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32のプラスイオン発生電極部で発生したプラスイオンが空気に含まれることになり、プラスイオンを含む空気が外部に送り出される。
図3は、イオン発生ユニット100の制御系の構成を示すブロック図である。イオン発生ユニット100の回路基板5には、電源回路51が設けてある。電源回路51は、適宜部位に設けられた端子台を介して商用交流電源に接続される。電源回路51は、商用交流電源から供給された電流を整流する整流回路、整流された電圧を所定の電圧(33V)に変換するトランス、一定電流を供給する定電流供給回路等を備えている。電源回路51には、同じく回路基板5に設けられた制御部52が接続してあり、電源回路51は、制御部52に一定電流の33Vの電源を供給する。
制御部52は、33Vの電源を5Vに降圧して供給する制御電源供給回路52aと、イオン発生ユニット100を制御する制御用のマイコン52bと、設定内容を記憶するメモリ52cと、リモートコントローラ6からの赤外線を受光する受光部52dとを備えている。マイコン52bには、制御電源供給回路52a、メモリ52c及び受光部52dが夫々接続してある。制御電源供給回路52aは、5Vの電源をマイコン52に供給する。リモートコントローラ6は、イオン発生ユニット100をオン/オフする操作を受け付ける電源スイッチと、イオン発生ユニット100の運転モード(高/中/低)を選択する操作を受け付けるスイッチと、これらのスイッチの操作に応じた赤外線信号の送信を行う送信部61とを備えている。なお、運転モードは発生するイオン量に応じて定められている。
マイコン52bには、同じく回路基板5に設けられたイオン発生素子駆動回路53、ファン駆動回路54、カバー開閉検知回路55及び表示用LED駆動回路56が接続してある。カバー開閉検知回路55は、前述したマイクロスイッチ35の出力信号に応じた信号をマイコン52bに与える。マイコン52bは、メモリ52cに記憶されたプログラムに従って、受光部52dが受信したリモートコントローラ6からの赤外線信号及びカバー開閉検知回路55からの信号に基づき、イオン発生素子駆動回路53、ファン駆動回路54及び表示用LED駆動回路56夫々に制御信号を与える。イオン発生素子駆動回路53、ファン駆動回路54及び表示用LED駆動回路56夫々には、電源回路51から電源が供給される。
イオン発生素子駆動回路53には、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32が夫々接続してあり、イオン発生素子駆動回路53は、マイコン52bにより与えられた制御信号に応じて、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32に交流の高電圧を与える。イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32は、与えられた高電圧に応じて前述したようにイオンを発生する。
ファン駆動回路54には、ファン33のモータが接続してあり、ファン駆動回路54は、マイコン52bにより与えられた制御信号に応じて、所定の回転数にてファン33のモータが回転するようにPWM制御を行う。該モータによりファン33が回転する。
表示用LED駆動回路56には、表示部36に設けられた表示用LED36aが接続してあり、表示用LED駆動回路56は、マイコン52bにより与えられた制御信号に応じて、イオン発生ユニット100の動作状態(例えば、運転又は停止の別、運転モード、フィルタの交換サインなど)を表示すべく、表示用LED36aを駆動する。
図4は、イオン発生部であるイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。マイコン52bは、イオン発生ユニット100の電源投入後、タイマをスタートさせる(ステップS1)とともに、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を駆動する(ステップS2)。図5は、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動状態(オン/オフ)を示すタイミングチャートである。図5(a)は、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を同時に連続的に駆動する連続駆動を示すタイミングチャートであり、図5(b)及び(c)は、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を断続的に駆動し、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動が交互に(交番的に)なるように順次駆動する交互駆動(交番駆動)を示すタイミングチャートである。ステップS2において、マイコン52bは、図5(a)に示すように、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を同時に駆動し、連続駆動する。
次に、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を駆動してからの経過時間Tが所定時間T1以上であるか否かを判定する(ステップS3)。経過時間Tは、ステップS1においてスタートしたタイマにより計時される。なお、所定時間T1は、例えば、1時間であり、使用される部屋の容積、イオン発生素子のイオン発生能力、部屋に設置されるイオン発生ユニットの数量等に応じて適切に設定される。
ステップS3において、経過時間Tが所定時間T1以上であると判定された場合(ステップS3:YES)、マイコン52bは、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を交互駆動(順次駆動)する(ステップS4)一方、経過時間Tが所定時間T1未満であると判定された場合(ステップS3:NO)、ステップS3に戻って動作を繰り返す。なお、交互駆動は、例えば、図5(b)に示すように行われる。このとき、イオン発生ユニット100から吹き出されるイオン量は、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の一方のみを連続して駆動したときと同量となる。
次に、カバー1の開閉状態を確認するカバー開閉状態確認動作を行う(ステップS5)。図6は、カバー開閉状態確認動作の手順を示すフローチャートである。マイコン52bは、マイクロスイッチ35による出力信号を取り込む(ステップS11)。
ステップS11において取り込まれた出力信号を用いて、カバー1が開状態にあるか否かを判定する(ステップS12)。なお、カバー1の開/閉は、前述した如く、カバー1の取外し/装着に応じてオフ/オンとなるマイクロスイッチ35の出力信号に応じて、カバー開閉検知回路55により検知される。
ステップS12において、カバー1が開状態であると判定された場合(ステップS12:YES)、マイコン52bは、イオン発生素子A31、イオン発生素子B32及びファン33の駆動を停止してイオン発生ユニット100の運転を停止し(ステップS13)、ステップS14に進む。これにより、カバー1が取り外された場合、イオン発生ユニット100の運転が停止されることになる。
一方、カバー1が開状態でない(閉状態)と判定された場合(ステップS12:NO)、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の交互駆動を継続し、ステップS11に戻って一連の動作を繰り返す。
ステップS14において、マイクロスイッチ35による出力信号を取り込む。ステップS14において取り込まれた出力信号を用いて、カバー1が閉状態にあるか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15において、カバー1が閉状態であると判定された場合(ステップS15:YES)、リターンして、ステップS1に戻って一連の動作を繰り返す。一方、ステップS15において、カバー1が閉状態でない(開状態)と判定された場合(ステップS15:NO)、運転停止状態を継続し、ステップS14に戻って一連の動作を繰り返す。マイコン52bは、イオン発生ユニット100の電源が遮断されたときに、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動制御の動作を終了する。
なお、表示部36に設けられた表示用LED36aは、マイコン52bにより与えられた制御信号に応じて動作する表示用LED駆動回路56により、イオン発生ユニット100の動作状態(例えば、運転又は停止の別、フィルタの交換サインなど)を表示するように構成してある。
以上のように、イオン発生ユニット100の起動時に複数のイオン発生部であるイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を駆動し、所定時間T1連続的に駆動するように構成してあるから、起動時に空間内のイオン濃度を所定濃度(例えば、設定面積10m2 に対して7,000個以上の濃度)まで速やかに上昇させることができる。そして所定時間T1経過した後に、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動時間を略均一になるように駆動しているから、一方のイオン発生素子のみが寿命に達することがないので、イオン発生ユニット100全体として所定のイオン濃度を維持することができる期間を長くすることができ、結果として、イオン発生ユニット100の全体としての長寿命化を図ることができる。また、所定時間T1経過した後に、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を断続的に駆動するとともに該イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を交互に駆動するように構成してあり、発生したイオンは消滅するまでに時間を要するから、所定のイオン濃度を維持しつつ、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動時間を短くすることにより該イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を構成する放電電極等の部品の消耗を抑え、長寿命化を図ることができる。
図7は、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動制御の処理手順の他の例を示すフローチャートである。マイコン52bは、イオン発生ユニット100の電源投入後、タイマをスタートさせる(ステップS21)とともに、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を駆動する(ステップS22)。ステップS22において、マイコン52bは、図5(a)に示すように、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を同時に駆動し、連続駆動する。
次に、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を駆動してからの経過時間Tが所定時間T1以上であるか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23において、経過時間Tが所定時間T1以上であると判定された場合(ステップS23:YES)、ステップS24に進む。一方、経過時間Tが所定時間T1未満であると判定された場合(ステップS23:NO)、ステップS23に戻って動作を繰り返す。
ステップS24において、発生するイオン量に対応して定められている運転モードが高であるか否かを判定する。運転モードは、前述したように、リモートコントローラ6を用いて選択され、選択された運転モードの情報は、リモートコントローラ6の送信部61及び制御部52の受光部52dを介してマイコン52bに与えられる。なお、運転モードの高/低は、発生するイオン量の大/小に対応しており、運転モードは、高/中/低の3モードある。
ステップS24において、運転モードが高であると判定された場合(ステップS24:YES)、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の連続駆動を継続し、ステップS25に進む。一方、運転モードが高でないと判定された場合(ステップS24:NO)、運転モードが中であるか否かを判定する(ステップS26)。
ステップS26において、運転モードが中であると判定された場合(ステップS26:YES)、マイコン52bは、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32をパターン1にて交互駆動(順次駆動)し(ステップS27)、ステップS25に進む。なお、交互駆動のパターン1は、例えば、図5(b)に示すように行われ、このとき、イオン発生ユニット100から吹き出されるイオン量は、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の一方のみを連続して駆動したときと同量となる。
一方、運転モードが中でないと判定された場合(ステップS26:NO)、即ち、運転モードが低である場合、マイコン52bは、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32をパターン2にて交互駆動(順次駆動)し(ステップS28)、ステップS25に進む。なお、交互駆動のパターン2は、例えば、図5(c)に示すように行われ、このとき、イオン発生ユニット100から吹き出されるイオン量は、交互駆動のパターン1よりも少量となる。
ステップS25において、カバー1の開閉状態を確認するカバー開閉状態確認動作を行う。カバー開閉状態確認動作は、図6に示すカバー開閉状態確認動作と同様であり、説明は省略する。マイコン52bは、イオン発生ユニット100の電源が遮断されたときに、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動制御の動作を終了する。なお、所定時間T1経過後、運転モードに応じた駆動がなされている場合に、異なる運転モードが選択されたときは、選択された運転モードに応じた駆動に切り替わるように構成してある。
なお、表示部36に設けられた表示用LED36aは、マイコン52bにより与えられた制御信号に応じて動作する表示用LED駆動回路56により、イオン発生ユニット100の動作状態(例えば、運転又は停止の別、運転モード、フィルタの交換サインなど)を表示するように構成してある。例えば、運転モードが高のときは、青色LED2つが点灯、中のときは、青色LED1つ及び緑色LED1つが点灯、低のときは、青色LED1つが点灯するようにしてある。
以上のように、イオン発生ユニット100の起動時に複数のイオン発生部であるイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を駆動し、所定時間T1連続的に駆動するように構成してあるから、起動時に空間内のイオン濃度を所定濃度(例えば、設定面積10m2 に対して7,000個以上の濃度)まで速やかに上昇させることができる。そして所定時間T1経過した後に、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動時間を略均一になるように駆動しているから、一方のイオン発生素子のみが寿命に達することがないので、イオン発生ユニット100全体として所定のイオン濃度を維持することができる期間を長くすることができ、結果として、イオン発生ユニット100の全体としての長寿命化を図ることができる。また、所定時間T1経過した後に、選択された運転モードに応じたパターンにてイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を連続駆動または交互駆動するように構成してあり、運転モードを選択することにより発生するイオン量を増減することが可能となるから、室内の使用状態等に応じて、空間内のイオン濃度を適切な濃度に維持しつつ、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を無駄なく駆動するができ、長寿命化を図ることができる。
なお、交互駆動のパターン1及びパターン2として図5(b)及び(c)を例示したが、これに限定されず、パターン1の方がパターン2よりも発生するイオン量が大となるように設定してあればよい。
また、以上の実施の形態においては、イオン発生ユニット100の起動時に、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を所定時間T1連続駆動するように構成してあるが、これに限定されず、交互駆動するように構成してもよい。例えば、部屋の使用開始時間が予め分かっている場合に、使用開始時間の所定時間前に駆動するときに用いることができる。
以上のように構成されたイオン発生ユニット100は、照明装置に組み込まれて用いることができる。図8は、イオン発生ユニット100を備えた照明装置200の外観斜視図である。照明装置200は、照明光の出射側の面が略正方形をなすスクエアタイプの照明装置である。
図中201は、樹脂製または金属製の矩形状のカバーであり、このカバー201には、一面開口の筐体である金属製のフレーム202が内嵌してあり、カバー201及びフレーム202により照明装置200の筐体を構成している。照明装置200の中央部には、イオン発生ユニット100が取付けてある。
照明装置200の内部のイオン発生ユニット100を挟んだ両側には、照明用LEDモジュール203,203…がフレーム202の対向する2辺に沿って、2行2列の4つ配設してある。照明用LEDモジュール203,203…を覆うように、矩形状を有する拡散板204,204がカバー201の内面に夫々取付けてある。なお、照明用LEDモジュール203,203…は、矩形状の平板であるLED基板203aと、このLED基板203aに実装された複数のLED203b,203b…とを備えてなる。
図9は、イオン発生ユニット100を備える照明装置200の制御系の構成を示すブロック図である。マイコン52bには、照明用LED駆動回路205が接続してある。照明用LED駆動回路205には、電源回路51から電源が供給される。
照明用LED駆動回路205には、照明用LEDモジュール203,203…が接続してある。照明用LED駆動回路205は、スイッチング素子を夫々備えており、マイコン52bにより与えられた制御信号に応じてスイッチング素子を開閉するように構成してある。このスイッチング素子の開閉動作に応じて、一定電流が照明用LEDモジュール203,203…に供給され、照明用LEDモジュール203,203…は所定の明るさにて点灯する。その他の構成は、図3に示すイオン発生ユニット100と同様であるため、対応する構成部材に図3と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。
図10は、イオン発生ユニット100を備える照明装置200におけるイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。マイコン52bは、イオン発生ユニット100の電源投入後、照明がオン(照明装置200が点灯状態)か否かを判定する(ステップS31)。なお、この判定は、マイコン52bに与えられるリモートコントローラ6等に設けられた電源スイッチの操作に応じた出力信号に基づいて行われる。
ステップS31において、照明がオンであると判定された場合(ステップS31:YES)、タイマをスタートさせる(ステップS32)とともに、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を駆動し(ステップS33)、ステップS34に進む。ステップS33において、マイコン52bは、図5(a)に示すように、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を同時に駆動し、連続駆動する。一方、照明がオンでないと判定された場合(ステップS31:NO)、ステップS31に戻って動作を繰り返す。
ステップS34において、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を駆動してからの経過時間Tが所定時間T1以上であるか否かを判定する。ステップS34において、経過時間Tが所定時間T1以上であると判定された場合(ステップS34:YES)、マイコン52bは、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を交互駆動(順次駆動)する(ステップS35)一方、経過時間Tが所定時間T1未満であると判定された場合(ステップS34:NO)、ステップS34に戻って動作を繰り返す。なお、交互駆動は、例えば、図5(b)に示すように行われる。
次に、カバー1の開閉状態を確認するカバー開閉状態確認動作を行う(ステップS36)。カバー開閉状態確認動作は、図6に示すカバー開閉状態確認動作と同様であり、説明は省略する。カバー開閉状態確認動作の終了後、ステップS32に戻って、一連の動作を繰り返す。なお、マイコン52bは、照明がオフ(照明装置200が消灯状態)になったときに、これらの一連の動作を中断し、イオン発生ユニット100の運転を停止して、ステップS31に進む処理を行うように構成してある。マイコン52bは、イオン発生ユニット100の電源が遮断されたときに、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動制御の動作を終了する。
以上のように、照明装置200の照明用LEDモジュール203,203…の点灯に応じてイオン発生ユニット100の複数のイオン発生部であるイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を駆動するように構成してあり、特にオフィス、工場においては、部屋を使用するときに照明装置を点灯するのが一般的であるから、人が部屋を使用するときに室内のイオン濃度を所定濃度まで速やかに上昇させ、清潔で快適な作業空間又は居住空間を実現することができるとともに、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を無駄なく駆動することができ、長寿命化を図ることができる。
また、光源にLEDを用いており、LEDは長寿命であり、また前述の如くイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を駆動することにより、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を長寿命化することができる。照明装置は天井等の高所に取付けられているのが一般的であり、交換作業の手間がかかるところ、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32又は光源の交換作業の回数を低減することができるから、使用者の手間を軽減することができる。イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動のパターンを適切に設定することにより、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32と照明用LEDモジュール203,203…との寿命を略同一にして、交換作業を同時に行うことが可能となり、より使用者の手間を軽減することができる。
図11は、イオン発生ユニット100を備える照明装置200におけるイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動制御の処理手順の他の例を示すフローチャートである。マイコン52bは、イオン発生ユニット100の電源投入後、照明がオン(照明装置200が点灯状態)か否かを判定する(ステップS41)。
ステップS41において、照明がオンであると判定された場合(ステップS41:YES)、タイマをスタートさせる(ステップS42)とともに、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を駆動し(ステップS43)、ステップS44に進む。ステップS43において、マイコン52bは、図5(a)に示すように、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を同時に駆動し、連続駆動する。
一方、照明がオンでないと判定された場合(ステップS41:NO)、マイコン52bは、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32をパターンBにて交互駆動(順次駆動)する(ステップS45)。ステップS45において、マイコン52bは、例えば、図5(c)に示すように、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を駆動する。次に、カバー1の開閉状態を確認するカバー開閉状態確認動作を行う(ステップS46)。カバー開閉状態確認動作は、図6に示すカバー開閉状態確認動作と同様であり、説明は省略する。カバー開閉状態確認動作の終了後、ステップS45に戻って、一連の動作を繰り返す。なお、マイコン52bは、照明がオンになったときに、これらステップS45及びS46の一連の動作を中断し、ステップS47に進む処理を行うように構成してある。
ステップS44において、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を駆動してからの経過時間Tが所定時間T1以上であるか否かを判定する。ステップS44において、経過時間Tが所定時間T1以上であると判定された場合(ステップS44:YES)、マイコン52bは、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32をパターンAにて交互駆動(順次駆動)する(ステップS47)一方、経過時間Tが所定時間T1未満であると判定された場合(ステップS44:NO)、ステップS44に戻って動作を繰り返す。ステップS47において、マイコン52bは、例えば、図5(b)に示すように、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を駆動する。
次に、カバー1の開閉状態を確認するカバー開閉状態確認動作を行う(ステップS48)。カバー開閉状態確認動作は、図6に示すカバー開閉状態確認動作と同様であり、説明は省略する。カバー開閉状態確認動作の終了後、ステップS42に戻って、一連の動作を繰り返す。なお、マイコン52bは、照明がオフ(照明装置200が消灯状態)になったときに、これら一連の動作を中断し、ステップS45に進む処理を行うように構成してある。
マイコン52bは、イオン発生ユニット100の電源が遮断されたときに、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動制御の動作を終了する。
以上のように、照明装置200の照明用LEDモジュール203,203…の点灯/消灯に応じてイオン発生ユニット100のイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32が発生するイオン量が大/小となるように駆動するように構成してあり、一般に、照明装置の点灯/消灯は、特にオフィス、工場においては、部屋を使用するときに照明装置を点灯するのが一般的であるから、人が部屋を使用するときに室内のイオン濃度を所定濃度まで速やかに上昇させ、清潔で快適な作業空間又は居住空間を実現することができるとともに、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を無駄なく駆動することができ、長寿命化を図ることができる。照明装置200の照明用LEDモジュール203,203…の消灯時においても少量のイオンを発生するように構成してあるから、作業空間又は居住空間を常に清潔で快適な状態に維持することができる。
なお、本実施の形態においては、照明装置200の照明用LEDモジュール203,203…の点灯/消灯に応じて、イオン発生ユニット100のイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32が発生するイオン量が大/小となるように構成しているが、これに限定されない。照明装置200の照明光の照度の高/低に応じてイオン発生ユニット100が発生するイオン量が大/小となるように構成してもよいし、点灯/消灯と照度の高/低とを組み合わせて、例えば、高照度/低照度/消灯の3パターンに対応して発生するイオン量を変化させるように構成してもよい。これにより、一般に、照明装置の照度の高/低は、人の活動の活発さに対応していることが多いから、清潔で快適な作業空間又は居住空間を実現することができるとともに、イオン発生部を無駄なく駆動することができ、長寿命化を図ることができる。
図12は、イオン発生ユニット100を備えた他のタイプの照明装置300の外観斜視図である。照明装置300は、照明光の出射側の面が略長方形をなすストレートタイプの照明装置である。
図中301は、樹脂製または金属製の矩形状のカバーであり、このカバー301には、一面開口の筐体である金属製のフレーム302が内嵌してあり、カバー301及びフレーム302により照明装置300の筐体を構成している。照明装置300の一端部には、イオン発生ユニット100が取付けてある。
照明装置300の他の部分の内部には、照明用LEDモジュールがフレーム302の長手方向に沿って、複数個配設してある。照明用LEDモジュールを覆うように、矩形状を有する拡散板304,304がカバー301の内面に夫々取付けてある。照明用LEDモジュールとして、照明装置200において用いられている照明用LEDモジュール203と同様のLEDモジュールを用いることができる。
この照明装置300においても、照明装置200と同様に、照明装置の照明用LEDモジュールの点灯/消灯、及び/又は照度の高/低に応じてイオン発生ユニット100のイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32が発生するイオン量が大/小となるように駆動するように構成することができる。この結果、清潔で快適な作業空間又は居住空間を実現することができるとともに、イオン発生部を無駄なく駆動することができ、長寿命化を図ることができる。
また、照明装置200と同様に、照明装置300の光源にLEDを用いているから、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動のパターンを適切に設定することにより、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32とLEDモジュールとの寿命を略同一にして、交換作業を同時に行うことが可能となり、より使用者の手間を軽減することができる。
なお、以上のイオン発生ユニット100を備えた照明装置においては、照明装置の点灯/消灯に応じてイオン発生ユニット100のイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動のパターンを決定するように構成してあるが、これに限定されず、照明装置の点灯/消灯、及び/又は照度の高/低に応じてイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動のパターンを決定するように構成してもよい。また、照明装置の点灯/消灯、及び/又は照度の高/低に加えて、リモートコントローラ6により選択される運転モード(高/中/低)に応じて、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動のパターンを決定するように構成してもよい。この場合、運転モードと照明装置の点灯/消灯、及び/又は照度の高/低の組み合わせに応じて、発生するイオン量が変化するように交互駆動のパターンを適切に設定すればよい。
また、以上のイオン発生ユニット100を備えた照明装置においては、照明装置に連動してイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32を駆動させるようにしているが、これに限定されず、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32のみを先に駆動させるようにしてもよい。例えば、部屋の使用開始時間が予め分かっている場合に、使用開始時間の所定時間前にイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32のみを駆動しておくようにしてもよい。
なお、以上、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動のパターンとして、図5を例に説明したが、これに限定されないのは言うまでもない。交互駆動のパターンとして、図5(c)に例示したパターンよりもイオン発生素子A31及びイオン発生素子B32両方が駆動していない時間が短い又は長い駆動パターンもあり得るし、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の駆動が部分的に重なって同時に駆動する時間のある交互駆動のパターンもあり得る。
また、以上の実施の形態において、イオン発生ユニット100は、イオン発生素子A31及びイオン発生素子B32の2つのイオン発生素子を備えているが、これに限定されず、3つ以上のイオン発生素子を備えてもよい。この場合、複数のイオン発生素子を交番的に、例えば、3つのイオン発生素子A,B,Cがある場合、A→B→C→A…と順次駆動するように構成すればよい。
また、以上の実施の形態においては、本発明に係るイオン発生ユニットとして空気清浄ユニットを例に説明したが、これに限定されず、例えば、空気調和機(エアコンディショナー)等の外部に空気を排出することができる機器に適用可能である。
また、以上の実施の形態においては、光源としてLEDを用いているが、これに限定されず、EL(Electro Luminescence)、蛍光灯、電球等を用いてもよい。光源としては、長寿命の光源であることが望ましい。
本発明は、その他、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において種々変更した形態にて実施することが可能であることは言うまでもない。