JP2008159273A - 除電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極針の摩耗や汚染を低減すると共に効率的に帯電体を除電する。
【解決手段】電極針4に対する高電圧印加の制御は、能動的にイオンを発生させて除電する除電モードと、基本的には電極針4への電圧の印加を停止し、帯電体の出現したときだけ高電圧を電極針4に印加して除電動作を行う休止モードとを有し、休止モード中、除電動作の開始及び停止は、帯電体が出現したときに発生する電極針4の自己放電に伴って内部回路に発生する自己放電検出電流の値としきい値と比較することによって実行される。この除電動作の開始及び停止の際に内部回路で生成される信号と同期して出力される信号Scによって除電装置100に供給される圧縮空気が制御され、休止モードにおける休止期間では除電装置100への圧縮空気の供給が停止される。
【選択図】図17
【解決手段】電極針4に対する高電圧印加の制御は、能動的にイオンを発生させて除電する除電モードと、基本的には電極針4への電圧の印加を停止し、帯電体の出現したときだけ高電圧を電極針4に印加して除電動作を行う休止モードとを有し、休止モード中、除電動作の開始及び停止は、帯電体が出現したときに発生する電極針4の自己放電に伴って内部回路に発生する自己放電検出電流の値としきい値と比較することによって実行される。この除電動作の開始及び停止の際に内部回路で生成される信号と同期して出力される信号Scによって除電装置100に供給される圧縮空気が制御され、休止モードにおける休止期間では除電装置100への圧縮空気の供給が停止される。
【選択図】図17
Description
この発明は、プラス又はマイナスに帯電している帯電体を除電するための除電装置に関する。
プラス、マイナスのイオンを発生することにより帯電体を除電する除電装置が知られている(引用文献1、2)。この種の除電装置は、電極針に高電圧を印加してコロナ放電を行うことによりイオンを生成し、生成したイオンをガス流を使って帯電体まで搬送することで除電効率が高められている。しかし、除電装置は能動的にコロナ放電を生じさせてイオンを発生させるものであることから、電極針が摩耗すると共に電極針が汚れることによりイオン発生能力が経時的に低下するという問題を有している。
この問題に対して、引用文献2は、共通の電極針に極性の異なる高電圧を交互に印加してプラスイオンとマイナスイオンとを交互に発生させる除電装置を前提として、例えばプラスの電圧を印加した後、次のマイナスの電圧を印加する前に電極針に電圧を印加しないインターバル期間を設けると共に、インターバル期間に入る直前にイオンバランスが中立状態となるように電極針に印加する電圧を調整する発明を開示している。この発明によれば、極性の異なる電圧を印加する間にインターバル期間を挿入することで電極針の実働時間を短縮でき、これにより電極針の摩耗や汚染を低減することができるだけでなく、イオンバランスも適正に維持できるという効果がある。
本発明の目的は、電極針の摩耗や汚染を低減すると共に効率的に帯電体を除電できる除電装置を提供することにある。
上記の技術的課題は、本発明によれば、
電極針に高電圧を印加してイオンを発生する除電装置であって、
前記電極針に高電圧を印加して帯電体を除電する除電モードと、前記電極針に基本的には高電圧イオンを印加しない休止モードとが選択的に設定可能であり、
前記電極針の自己放電により帯電体の出現を検出する自己放電検出回路と、
前記休止モードでは、前記自己放電検出回路で帯電体の出現を検出したときに、前記電極針に高電圧を印加する除電動作を開始すると共に、該自己放電検出回路で帯電体の出現を検出したときに生成される信号に基づいて、これに同期した第1の出力信号を生成して、該第1の出力信号を外部に出力することを特徴とする除電装置を提供することにより達成される。
電極針に高電圧を印加してイオンを発生する除電装置であって、
前記電極針に高電圧を印加して帯電体を除電する除電モードと、前記電極針に基本的には高電圧イオンを印加しない休止モードとが選択的に設定可能であり、
前記電極針の自己放電により帯電体の出現を検出する自己放電検出回路と、
前記休止モードでは、前記自己放電検出回路で帯電体の出現を検出したときに、前記電極針に高電圧を印加する除電動作を開始すると共に、該自己放電検出回路で帯電体の出現を検出したときに生成される信号に基づいて、これに同期した第1の出力信号を生成して、該第1の出力信号を外部に出力することを特徴とする除電装置を提供することにより達成される。
本発明によれば、休止モードを設定したときに、帯電体の出現したときだけに限定して除電動作が行われ、この除電動作は、帯電体の存在が無くなったときに停止される。そして、帯電体の有無は、内部回路に自己放電検出回路を設けて、休止中の電極針の自己放電によって除電装置内部に発生する信号によって知ることができる。したがって、帯電体の有無を検出するために外部にセンサを設ける必要がない。また、この休止中の電極針の自己放電によって除電装置内部に発生する信号をトリガとして、除電装置から出力信号を外部機器に出力することで、例えば、発生したイオンを前記帯電体まで搬送するガスを除電装置に供給するガスの流量を制御することで休止モードにおけるガスの消費を抑えることができる。
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
図1は実施例の除電装置の回路図である。図1において、1は直流電源であり、例えば二次電池等の外部直流電源で構成されている。2a、2bは直流電源1の出力側に設けられた第1、第2のスイッチである。第1、第2のスイッチ2a、2bは制御ユニット3からの制御信号Sa、Sbによって開閉制御される。勿論、第1、第2のスイッチ2a、2bはトランジスタ等の電子的スイッチを用いることができる。
直流電源1のプラス端子には、第1のスイッチ2aを介して、トランス5a、倍電圧整流回路5bよりなる正極性の第1の高電圧発生回路5が接続され、他方、直流電源1のマイナス端子には、第2のスイッチ2bを介して、トランス6a、倍電圧整流回路6bよりなる負極性の第2の高電圧発生回路6が接続されている。
各高電圧発生回路5、6は、電流制限用のインピーダンスとして作用する等価の抵抗R1、R1を介して電極針4に接続されている。そして、電極針4は第2の抵抗R2を介して接地されている。
制御ユニット3から出力される制御信号Sa、Sbによって、第1、第2のスイッチ2a、2bが交互に開閉されることにより、第1、第2の高電圧発生回路5、6から所定の周波数で交互にプラス又はマイナスのパルス状の高電圧が電極針4に供給され、これにより電極針4からプラス又はマイナスの極性のイオンが交互に生成される。
除電装置の制御は、電極針4に高電圧を印加してイオンを生成して能動的に帯電体を除電する除電する、つまり電極針4に電極針4の周辺の雰囲気ガスをイオン化可能な電圧を印加する除電モードと、電極針4への高電圧の印加を休止してイオンの能動的な生成を行わない、つまり電極針4に電圧を印加しないまたは単独では電極針4に電極針4の周辺の雰囲気ガスをイオン化不可能な電圧を印加して電極針4を実質的に休止状態にする休止モードとを有し、ユーザが操作可能なモード切換スイッチ11(図1)によって除電モードと休止モードとが選択的に設定される。
ところで、休止モードで動作しているときに、電極針4から自己放電が発生可能な電極針4との間の電位差を保有する帯電体が出現すると電極針4の先端部に帯電体と逆極性の電荷が誘起され、これにより自己放電現象が発生する。自己放電の発生に伴って除電装置の内部回路に発生する信号によって知ることができる。具体的には、自己放電の際に電極針4に流れる電流を直接又は間接的に検出するために、電極針4と接地との間に、又は、高電圧発生回路5、6と電極針4との間に抵抗を設け、この抵抗に流れる電流値を検出して、この電流値がしきい値以上であれば自己放電が発生したと判定する方法を挙げることができる。具体的には、(1)高圧電源と接地との間に流れる自己放電検出電流を検出するために抵抗を介在させ、この抵抗に流れる電流値を検出して自己放電を間接的に検知する方法、(2)対向電極と接地との間に流れる自己放電検出電流を検出するために抵抗を介在させ、この抵抗に流れる電流値を検出して自己放電を間接的に検知する方法、(3)上記(1)と(2)の組み合わせ、つまり高圧電源と接地との間に流れる自己放電検出電流を検出するために抵抗を介在させると共に、対向電極と接地との間に流れる自己放電検出電流を検出するために抵抗R2を介在させて自己放電を検知する方法(図1)、(4)電極針と高圧電源との間に抵抗R2を介在させて、この抵抗に流れる自己放電検出電流値を検出して自己放電を直接的に検知する方法(図2)を例示することができる。
なお、上述した(1)〜(3)のいずれの自己放電検知手段つまり接地との間に流れる電流値を検出する自己放電検出回路を採用したときには、この回路を、少なくとも上述した除電モードにおいて、除電中のイオンバランスを検出する検出する検出手段として兼用することができる。具体的には、各抵抗に流れる電流値を検出し、現在設定しているプラスとマイナスのデューティ比に基づく除電が適切であれば、この周期に抵抗に流れる電流のトータル値はゼロとなり、適切なデューティ比であることが認識され、後続の周期にも同様のデューティ比が採用されることになる。一方、現在設定しているプラスとマイナスのデューティ比においての除電が不適切であれば、この周期に抵抗に流れる電流のトータル値はプラスまたはマイナスのいずれかに偏った値となり、その値を基に、後続の周期の際、現在のデューティ比を補正したデューティ比を採用し、より適切な除電が行われるように制御が行われる。従って、図1に示す回路は、モード切換スイッチ3からの信号により、この抵抗R2から提供される電流値データを除電モードと休止モードとで使い分けるように除電装置の制御が行われる。勿論、休止モードにおいて除電のために電極針4に高電圧を印加したときに、抵抗R2に流れる電流値を使ってイオンバランス制御を行ってもよい。
自己放電に関連して回路内に流れる自己放電検出電流は、図1、図2に例示するように、増幅器8、ローパスフィルタ(LPF)9、アナログ/デジタル変換器(A/F)10を介して制御ユニット3に供給されるようになっている。
除電モードでは、図3に例示するように、交互に極性の異なるパルス状の高電圧が連続的に電極針4に印加される。図4、図5は除電モードにおける動作の変形例を示す。図4に図示するように、プラス側と次のマイナス側、マイナス側と次のプラス側の高電圧を印加するタイミングに高電圧を印加しないインターバル期間を挿入して電極針4の寿命を延長させるようにしてもよいし、その更なる変形例として、図5に示すように、プラス側に高電圧を印加してプラスイオンを発生した後にマイナス側の高電圧を電極針4に短時間印加し、その後インターバルをおいてマイナス側の高電圧を印加してマイナスイオンを発生させ、同様にマイナス側に高電圧を印加してマイナスイオンを発生した後に逆極性(プラス側)の高電圧を電極針4に短時間印加し、その後インターバルをおいてプラス側の高電圧を印加してプラスイオンを発生させるようにしてもよい。この図5に示す更なる変形例の高電圧印加方式によれば、プラスイオンを発生した後に逆極性の電圧を短時間電極針4に印加することで、電極針4に至る高電圧印加系路に残存するプラス電圧を中和することができる。そして、このように中和用の電圧を電極針4に印加することで、電極針4に経時的に付着するゴミの量を低減することができる。
勿論、電極針4に高電圧を印加することによって生成されるプラス、マイナスのイオンのバランスを制御するのであれば、例えばマイナス側にイオンバランスが偏倚しているときには、プラスの高電圧のパルス幅を相対的に拡大するDuty制御を加えることで電極針4の回りの雰囲気のイオンバランスを一定に維持することができる。イオンバランス制御に関しては、例えば特開2003−86393号公報に詳しい説明があることから、この公報に開示の内容をここに援用するが、この実施例では、除電モードでは、プラスの極性の高電圧とマイナスの極性の高電圧を電極針4に印加するDuty比は、その直前に実行された単数又は複数のDuty比に基づいて決定される。
休止モードでは、基本的に、電極針4に対して電圧が印加されない。そして、この電圧を印加しない休止期間中に自己放電が発生したのを除電装置の内部回路の第2抵抗R2を流れる電流値で検出すると除電動作が開始され、次いで所定時間が経過又は帯電体の除電が終わると休止期間に戻る。すなわち、休止モードでは、基本的には、電極針4に対する電圧の印加が中止された状態にあり、除電対象エリアに帯電体が出現したのを検知されたときに限定して除電動作が実行される。そして、除電対象エリアへの帯電体の侵入は除電装置の内部回路によって検出される。
以下に、除電モードを詳しく説明すると、図6及び図7は休止モードの制御例であり、図6(イ)は第1例の休止モード (1)を示し、図6(ロ)は第2例の休止モード(2)を示し、図7(ハ)は第3例の休止モード(3)を示し、図7(ニ)は第4例の休止モード(4)を示す。
図6(イ)及び(ロ)の休止モード(1)、(2)の制御態様では、予め定められた期間であるイオンを発生しない休止期間に加えて、この休止期間の前後に予め定めた期間、電極針4に高電圧を印加してイオンを生成するイオン発生期間を含んでいる。休止期間に対する予め定められた期間の設定方法としては、除電装置に固定の期間を設定してもよいし、或いはユーザがパルス数や時間に基づいて任意に設定するいずれの方法を採用してもよい。イオン発生期間に対する予め定められた期間の設定方法としては、除電装置に固定の期間を設定してよいし、或いはユーザがパルス数や時間に基づいて任意に設定するいずれの方法を採用してもよい。
図7(ハ)及び(ニ)の休止モード(3)、(4)の制御態様では、休止モードが休止期間だけで構成されている。したがって、この休止モード(3)、(4)の制御態様における休止期間には予め定められた期間はなく、所定値以上に帯電した帯電体を検出して除電を開始しない限り、この休止期間が継続される。また、図6、図7を参照して、休止期間は、所定値以上に帯電した帯電体が除電対象エリアに存在しない限り、イオンを発生しない程度の電圧を電極針4に印加してもよいし(図6(イ)の休止モード(1)、図7(ハ)の休止モード(3))、電極針4に全く電圧を印加しないようにしてもよい(電圧の印加を中止)(図6(ロ)の休止モード(2)、図7(ニ)の休止モード(4))。
図6(イ)、図7(ハ)に図示の休止モード(1)、(3)を採用したときには、休止期間において、放電が開始する電圧よりも低い高電圧を電極針4に印加することで、電極針4と帯電体と間の電位差を小さくして僅かに帯電した帯電体に対する感度を高めることができる。
図6(ロ)、図7(ニ)の休止モード(2)、(4)のように、休止期間中は電極針4に電圧を印加するのを中止する場合には、例えば電極針4に高電圧を印加して電極針4の周囲の雰囲気をイオン化することのできる電圧値が3kVであったとすると、休止期間中に電極針4と帯電体との電位差がしきい値(例えば3kV)を越えた場合に、電極針4から自己放電が発生し、この自己放電を上述した除電装置内の回路(第2抵抗を流れる電流の値)で検出すると除電動作が開始される。なお、この除電動作における電極針4に印加する電圧値は例えば5.3kVである。
図6(イ)、(ハ)の休止モード(1)、(3)のように、休止期間中は電極針4に比較的低レベルの高電圧(例えば2kV)を印加する場合には、休止期間中に電極針4と帯電体との電位差がしきい値(例えば1kV)を越えた場合に、電極針4から自己放電が発生し、この自己放電を第2抵抗R2を流れる電流値で検出すると、電極針4に対して、その回りの雰囲気をイオン化することのできる高電圧(例えば5.3KV)が印加される(除電動作の開始)。この除電動作は、前述した除電モードの動作と実質的に同様である。このように、休止期間中に比較的低レベルの高電圧を印加することで帯電体を検出する感度を高めることができる。そして、これにより、除電対象エリアに帯電体が侵入したこと(帯電体の有無)を検出するための外部センサを設けることなく、除電装置の内部回路を使って帯電体が存在するときに限定して除電動作を実行できる。換言すれば、帯電体が存在してないときには電極針4によるイオン発生を停止した状態を継続することができるため、電極針4の摩耗やゴミの付着を低減することができる。
上述した図6、図7に基づく制御における「しきい値」は、言うまでもなく、一般的に予めメモリなどに記憶させておく「しきい値」ではなく、図6、図7に示す各休止モード態様での休止期間中における電極針4に印加される電圧又は印加されない状態における接地と電極針4との間の電位差と、電極針4がその回りの雰囲気をイオン化することのできる電圧との差によって決められるものであることは勿論である。ただし、休止モードにおける休止期間中、電極針4に電圧を印加しない態様では、そのしきい値は3KV以上の値であればよく、3KVに固執する必要はない。同様に休止モードの休止期間中、比較的低いレベルの高電圧を印加する場合に、例えばその電圧値が2KVを電極針4に印加するのであれば、しきい値は1KV以上の値であればよく、1KVに固執する必要はない。このことから、この「しきい値」は、上記の考え方に従って、除電装置として休止モードに対する固定値を「しきい値」として設定してもよく、或いは上述した「しきい値」としての下限値と、つまり除電モードで印加する電圧値を上限値として自動的に制限すれば、ユーザの設定行為に委ねて、その間の任意の値を「しきい値」としてユーザが設定できるようにしてもよい。
如上のように、「しきい値」によって、休止モードの休止期間を中止して除電動作を開始する及びこの除電動作を停止して休止期間へ戻すスイッチングを第2抵抗R2(図1、図2)を流れる電流iの値(増幅器7で増幅した絶対値)に基づいて行うことができる。図8は休止モードにおいて休止期間中に帯電体を検出して除電動作を実行し、また、この除電動作を終了させて休止期間に戻す制御例を示す。この図8を参照して、自己放電検出電流の絶対値|i|が第1のしきい値(例えば3KVに対応する電流値)を越えたときに休止期間が中止されて除電動作に入る。そして、帯電体に対する除電が進行して、自己放電検出電流の絶対値|i|が第2のしきい値(例えば1KV未満に対応する電流値)を下回ったときに除電動作が終了して休止期間に戻る。すなわち、図8の制御例は、休止モードでの除電動作の開始及び除電動作の停止を共にしきい値を用いて行う例である。
なお、休止モード中に実行される除電動作の具体的な除電制御は、前記した図3〜図5を参照して例示した除電モードで行われる電圧印加方式の種々の具体例のなかから除電モードとして採用した電圧印加方式と同じ電圧印加方式を採用してもよい。勿論、除電モードで採用した電圧印加方式とは異なる方式を休止モード中の除電動作で採用してもよいことは勿論である。
休止モードにおいて、「しきい値」を用いて休止期間を中止して除電動作を開始した後、この除電動作を停止するのにタイマを使用してもよい。その具体例を図9〜図11に示す。図9は、タイマの設定時間tは一定であり、この設定時間tは工場出荷時に設定した固定値であってもよいし、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。
図10は、タイマ時間tを自己放電検出電流の絶対値のピーク値の大小によって調整する例を示し、図11は、自己放電検出電流値が減少する傾きの大小によってタイマ時間tを調整する例を示す。
図10に例示の「ピーク値」によるタイマ時間tの調整は、「ピーク値」が大きいとき、つまり帯電体の帯電量が大きいときには、タイマ時間tが長時間となるように調整し、「ピーク値」が小さいとき、つまり帯電体の帯電量が小さいときには、タイマ時間tが短時間となるように調整するのがよい。
図11に図示の「傾き」によるタイマ時間tの調整は、「傾き」が小さいとき、つまり帯電体の帯電量が僅かずつ減少しているときには、タイマ時間tが長時間となるように調整し、「傾き」が大きいとき、つまり帯電体の帯電量が大きく減少しているときには、タイマ時間tが短時間となるように調整するのがよい。
なお、図8〜図11では休止モードとして、電極針4に全く電圧を印加しない例(図7の休止モード(4))を図示してあるが、休止モード(1)、休止モード(3)の制御態様や後に説明する他の制御態様(図13、図14)を採用してもよいことは言うまでもない。図12は、休止期間中に比較的低い電圧を電極針4に印加する図6(イ)の休止モード(1)又は図7(ハ)の休止モード(3)中に帯電体を検出して除電動作を開始し、また、この除電動作を終了するのに、共に「しきい値」を使って制御する例を示すものであるが、図9〜図11と同様に除電動作の終了をタイマ制御するようにしもて良いことは言うまでもない。
如上のように、除電装置の内部回路で休止期間中に帯電体を検出したときには、電極針4に高電圧を印加してイオンを能動的に発生させる除電動作が実行される。また、図6(イ)、図7(ハ)に例示したように、休止モード中に間欠的に且つ定期的に電極針4に高電圧を印加してイオンを生成するイオン発生期間を含めることにより、弱く帯電した帯電体の除電を徹底することができる。ここに、図6(イ)、図7(ハ)に例示した休止モードの制御態様(1)、(3)において、イオン発生期間の長さ及び休止期間の長さは任意に設定すればよい。また、イオン発生期間と、それに続く休止期間との組み合わせからなる単一サイクルの時間及びこの単一サイクル内でのイオン発生期間と休止期間との割合は任意に設定することができる。例えば、単一サイクルの時間は、例えば、ワーク(被除電体)が流れる搬送コンベアに除電装置を配設する場合には、ワークの搬送タクトに一致させた時間を設定すればよい。
休止モードにイオン発生期間を設ける場合や休止期間中に除電動作を実行する際に、電極針4に高電圧を印加するイオン発生期間又は除電動作の停止と休止期間との間に移行期間を付加するのがよい。すなわち、イオン発生期間(又は除電動作)から直ちに休止期間に切り替えた場合、休止期間に切り替える直前つまりイオン発生期間の最後に電極針4に印加した高電圧の極性が休止期間の初期の除電対象エリアのイオンバランスに影響を及ぼしてイオンバランスに偏倚が現れる虞がある。また、イオン発生期間(又は除電動作)で回路内部で貯まった残存する電荷が休止期間において電極針4に印加され、これにより休止期間にあってもイオンを発生し続けてしまう虞がある。これに対処するのに、図13に例示するように、イオン発生期間(又は除電動作)から休止期間に切り替える前に前段移行期間を挿入して、この前段移行期間では、徐々に電圧の絶対値を小さくなる電圧を電極針4に印加するのが好ましい。図13(イ)は、休止期間において電極針4に全く電圧を印加しない休止モードの制御例を示し、図13(ロ)は、休止期間において電極針4に低レベルの電圧を印加する休止モードの制御例を示してある。
同様に、休止期間からイオン発生期間又は除電動作へ移行するときに移行期間を付加するのがよい。すなわち、休止期間から直ちにイオン発生期間(又は除電動作)に切り替えた場合、被除電体が突然イオンを浴びて被除電体を帯電させてしまうことになり、それにより例えば半導体が被除電体であれば、急激な電荷によってメモリが消えてしまうなど被除電体に思わぬダメージを与えてしまう可能性がある。これに対処するのに、図14に例示するように、休止期間からイオン発生期間(又は除電動作)に切り替える前に後段移行期間を挿入して、この後段移行期間では、徐々に絶対値が大きくなる電圧を電極針4に印加するのが好ましい。図14(イ)は、休止期間において電極針4に全く電圧を印加しない休止モードの制御例を示し、図14(ロ)は、休止期間において電極針4に低レベルの電圧を印加する休止モードの制御例を示してある。
図15は、休止モードにイオン発生期間を設ける場合の好ましい制御例として、イオン発生期間(又は除電動作)から休止期間への切り替えの直前に前段移行期間を挿入すると共に、休止期間からイオン発生期間(又は除電動作)への切り替えの直前に後段移行期間を挿入する例を示す。図15(イ)は、休止期間において電極針4に全く電圧を印加しない休止モードの制御例を示し、図15(ロ)は、休止期間において電極針4に低レベルの電圧を印加する休止モードの制御例を示してある。
除電装置には、電極針4に高電圧を印加することにより生成したイオンを被除電体(帯電体)に向けて効率的に搬送するために送風するのが通例である。図16には除電装置100が図示されている。除電装置100は、前述した電極針4を含む複数の電極ユニット12が互いに間隔を隔てて配置され、この除電装置100には外部配管13を通じて、濾過した圧縮空気や窒素などの不活性ガスが供給され、除電装置100に入り込んだ圧縮空気や不活性ガスは、各電極ユニット12を通じて吐出される。
外部配管12には、電磁式の開閉弁又は電動の開度調整弁14が介装され、この開閉弁又は開度調整弁14の開度は、除電装置100からの出力信号Scによって制御される。開閉弁又は開度調整弁14の制御の一例を図17を参照して説明する。図17に例示の制御では、同図から分かるように、休止期間では電極針4に電圧を印加することが停止された状態なる。自己放電検出電流iの絶対値が第1しきい値よりも大きくなると除電動作に切り替わって、電極針4に対する高電圧の印加が開始される。と同時に、自己放電検出電流iの絶対値が第1しきい値よりも大きくなったときには、出力信号Scが除電装置100から出力されて電磁式の開閉弁14が開かれる。これにより、除電モードに切り替わるのと同期して、除電装置100に対して圧縮空気又は不活性ガスの供給が開始されることになる。他方、自己放電検出電流iの絶対値が第2しきい値を下回ると除電動作が終了して休止期間に復帰するが、これに同期して開閉弁14が閉弁されて除電装置100に対する圧縮空気又は不活性ガスの供給が停止される。
このように、自己放電検出電流iの絶対値に基づいて休止モード中のイオン発生期間又は除電動作と休止期間との間の切り替え制御を行うトリガ信号又はこれに基づく制御信号を外部に出力して、例えば除電装置100に供給するガスの流量を出力信号Scに基づいて制御することで、圧縮空気又は不活性ガスの消費を合理的なものにすることができる。なお、休止期間において低レベルの電圧を電極針4に印加する場合には、休止期間への移行に同期して、出力信号Scによって開度調整弁14の開度を絞り込んで除電装置100に対する圧縮空気又は不活性ガスの供給量を少なくするのがよい。
また、図6などで説明した休止モードがイオン発生期間と休止期間とを含む場合には、イオン発生期間から休止期間、休止期間からイオン発生期間へ切り換えるために除電装置100の内部で生成される信号又はこれに基づく制御信号を除電装置100から出力信号Scとして開閉弁又は開度調整弁14に供給するようにしてもよい。この場合にあっても、図6(ロ)、図7(ニ)に例示したように休止期間において電極針4に全く電圧を印加しない場合には、開閉弁14を閉じて除電装置100に対する圧縮空気又は不活性ガスの供給を停止するのがよく、図6(イ)などに例示したように休止期間において電極針4に低レベルの電圧を印加する場合には、開度調整弁14の開度を絞り込む信号を除電装置100から供給するのがよい。除電装置100からの出力信号Scは、除電装置100の現在の動作状態を表示するのに用いてもよい。すなわち、除電装置100が、現在、イオン発生期間の動作を実行中であることや休止期間の動作を実行中であること、或いは除電モードで動作中であることを除電装置100又はその近傍に設けた表示灯(図示せず)で表示する場合に、除電装置100の制御で用いた内部信号に基づく出力信号Scによって表示灯の点滅を制御するようにしてもよい。
具体的な制御例を図18〜図21に例示のフローチャートに基づいて説明する。図18は、前述した図8の「しきい値」に基づく休止モード中の除電動作の制御に関するフローチャートである。図18のフローチャートを参照して、ステップS1で休止モードが設定されているか否かの判定が行われ、YES(休止モードが設定)であれば、ステップS2に進んで自己放電検出電流iを計測し、そして、計測した自己放電検出電流iの絶対値が第1しきい値よりも大きいか否かを判定し(ステップS3)、YESであれば次のステップS4に進んで除電動作が開始される。そして、ステップS5で自己放電検出電流iを計測して、この自己放電検出電流iの絶対値が第2しきい値よりも小さくまで除電動作が継続され、自己放電検出電流iの絶対値が第2しきい値よりも小さくなったらステップS6で除電動作が停止される。これにより除電装置は休止モードにおける休止期間に戻り、また、帯電体の出現つまり自己放電発生の監視が継続され、除電装置を休止状態で待機させることができる。
図19のフローチャートは、図9を参照して説明した除電動作をタイマによって終了させる制御に対応している。図19のフローチャートを参照して、ステップS10で休止モードが設定されているか否かの判定が行われ、YES(休止モードが設定)であれば、ステップS11で自己放電検出電流iを計測し、計測した自己放電検出電流iの絶対値が第1しきい値よりも大きいか否かを判定し(ステップS12)、YESであれば次のステップS13に進んで除電動作が開始され、そして、ステップS14でタイマを動作させて、このタイマ時間tが所定の時間t0になったらステップS15に進んで除電動作が停止される。これにより除電装置は休止モードにおける休止期間に戻る。これにより除電装置は休止モードにおける休止期間に戻り、また、帯電体の出現つまり自己放電発生の監視が継続される。
図20のフローチャートは、図10で説明したタイマ時間を可変にする制御に対応している。図20のフローチャートを参照して、ステップS20で休止モードが設定されているか否かの判定が行われ、YES(休止モードが設定)であれば、ステップS21で自己放電検出電流iを計測し、計測した自己放電検出電流iの絶対値が第1しきい値よりも大きいか否かを判定し(ステップS22)、YESであれば次のステップS23に進んで除電動作が開始される。そして、ステップS24で自己放電検出電流iを計測し、この自己放電検出電流値iからアース電流のピーク値を検出して(ステップS25)、このピーク値に対応するタイマ時間t0をデータテーブルから求める(ステップS26)。続いてデータテーブルから求めたタイマ時間t0にタイマをセットしてタイマtをスタートさせ(ステップS27)、タイマtが設定したタイマ時間t0になったら(ステップS28)、除電動作が停止される(ステップS29)。これにより除電装置は休止モードにおける休止期間に戻る。これにより除電装置は休止モードにおける休止期間に戻り、また、帯電体の出現つまり自己放電発生の監視が継続される。
図21のフローチャートは、図11の制御に対応している。図21のフローチャートを参照して、ステップS30で休止モードが設定されているか否かの判定が行われ、YES(休止モードが設定)であれば、ステップS31で自己放電検出電流iを計測し、計測した自己放電検出電流iの絶対値が第1しきい値よりも大きいか否かを判定し(ステップS32)、YESであれば次のステップS33に進んで除電動作が開始される。そして、ステップS34で自己放電検出電流iを計測し、この電流値iからアース電流のピーク値を検出する(ステップS35)。ピーク値を検出したらステップS36に進んで自己放電検出電流iを計測し、この電流値iの微分値から傾きを求める(ステップS37)。そして、求めた傾きに対応するタイマ時間t0をデータテーブルから求める(ステップS38)。続いて、データテーブルから求めたタイマ時間t0にタイマをセットしてタイマtをスタートさせ(ステップS39)、タイマtが設定したタイマ時間t0になったら(ステップS40)、除電動作が停止される(ステップS41)。これにより除電装置は休止モードにおける休止期間に戻る。これにより除電装置は休止モードにおける休止期間に戻り、また、帯電体の出現つまり自己放電発生の監視が継続される。
上述した除電装置100において、休止モードでの動作中に、除電対象エリアのイオンバランスが偏倚しているときには、例えば図22、図23に示すようにイオンバランスを適正に保つ制御を行うのがよい。図22に例示のイオンバランス制御は、電極針4に印加するパルス状の高電圧のパルス幅を変化させる制御(Duty比制御)であり、図22(イ)は電極針4の回りのイオンバランスがプラス側に偏倚している場合の制御を示し、この場合には、プラスの高電圧を印加するパルス幅が小さくなるように制御される。他方、図22(ロ)は電極針4の回りのイオンバランスがマイナス側に偏倚している場合の制御を示し、この場合には、プラスの高電圧を印加するパルス幅が拡大するように制御される。
図22の制御例は高電圧のパルス幅を変化させることでイオンバランスを適正に維持する制御例であるが、電極針4に印加するプラス/マイナスの高電圧の電圧値を変化させるようにしてもよい。また、図23に示すように、イオンバランスの偏倚の程度に相当するプラス/マイナスの高電圧の電圧値の平均値となるようにしてもよい。勿論、デジタルに平均化するようにしてもよい。このようなイオンバランス制御を休止モード中でも行う場合、電極針4に印加したプラス/マイナスの高電圧のサンプリングを適正に行う必要があり、また、好ましくは適切な平均化の手法を使ってイオンバランス制御を適切に行うのがよい。
この点について具体的に説明すると、イオンバランス制御は、電極針4回りのプラス/マイナスのイオンバランスが帯電体の電荷を中和するのに適当となるように電極針4に印加するプラス側の高電圧とマイナス側の高電圧を制御するものであるが、このイオンバランス制御では、例えばプラス/マイナスの高電圧のDuty比でイオンバランス制御を行う場合、例えばプラスに帯電した帯電物が除電対象エリアに侵入したときには、この帯電状態を検出してDuty比をマイナス側に増大するように調整した高電圧が電極針4に印加される。この制御を適正に実行するには、少なくとも現在実行したDuty比と、その結果としての除電対象エリアのイオンバランス状態とを次回の電極針4に印加すべき高電圧のDuty比の決定に反映させるのが好ましい。
上述したように休止モードは電極針4でイオンを発生させない休止期間を含んでおり、この休止期間からイオン発生期間へ移行した際又は休止期間から除電動作に移行した際は、現在実行したDuty比の存在は実質的に無く、したがって休止期間のDuty比をイオン発生期間又は除電動作に移行した直後のイオンバランス制御に反映させることは、イオン発生期間又は除電動作に移行した直後のイオンバランス制御を不適にする原因となり易い。
また、休止モードの休止期間において、イオン化のための高電圧を電極針4に印加しない方式を採用したときには、休止期間を含めたイオンバランス制御データを最適化するために、直前又はそれ以前の幾つかの保存してあるデータを平均化することも適当であるが、このデータに休止期間中のデータまで含めて平均化することはイオン発生期間又は除電動作に移行した直後のイオンバランス制御を不適にする原因となり易い。具体的には、通常、除電装置においては、プラスの極性の高電圧とマイナスの極性の高電圧とを電極針4に印加するDuty比は、その直前に行われていた単数又は複数のDuty比に基づいて決定されているが、これを休止期間を含む休止モードのときに採用したときは、適切なDuty比の設定ができなくなる虞がある。これを回避するために、図24にフローチャートで示すように、休止期間中のデータのサンプリングを中止して、過去のイオン発生期間又は除電動作における最新のデータに基づいて、これから始めようとする電極針4への高電圧印加の制御に反映させるのがよい。更に、この高電圧印加におけるイオンバランス制御を最適化するために過去のデータを平均化するのが好ましい。
図24は、図6(イ)及び図6(ロ)で説明した休止期間とイオン発生期間を含む休止モード(1)及び(2)に関連して実行されるフローチャートである。先ずステップS50で高電圧電源がオンされ、次のステップS51でイオン発生期間であるか否かの判定が行われる。YESつまり電極針4に高電圧が印加されてイオンを発生しているときにはステップS52に進んで、電極針4への印加を実行した高電圧のプラス側とマイナス側の例えばDuty比のサンプリングが行われ、図25に示すようにメモリに保存される。次いでステップS53において、所定数のサンプリングデータに基づいてその平均値が演算され、この平均値がメモリに保存されると共にこの平均値に基づいてイオンバランス制御が実行される。
イオン発生期間から休止期間に切り替わると、ステップS51からステップ54に進んで高電圧電源をオフし、そして、ステップS55において、メモリに保存されている平均値に基づいて次に実行する電極針4への印加すべき高電圧の電圧値又はDuty比が決定され、この値はメモリに保存される。そして、休止期間が終了すると、休止期間中に決定した電圧値又はDuty比に基づいて高電圧電源から電極針4に高電圧が供給される。すなわち、休止期間中は上記例えばDuty比のサンプリングが行われない。なお、図25はデジタル処理での例を示してあり、休止期間中は、メモリへのデータの転送を禁止するようにしてもよい。
休止期間からイオン発生期間へ移行した直後のイオンバランス制御を最適化するのに、休止期間中の除電対象エリアのイオンバランスを検出してメモリに保存し、休止期間中、常にこれを更新して、休止期間終期の除電対象エリアのイオンバランスデータを加味して、上述した休止期間中に決定した電圧値又はDuty比に補正を加えて、補正後の電圧値又はDuty比によって、その直後の高電圧印加の制御を実行するようにしてもよい。
このようにすることで、休止期間からイオン発生期間に移行した直後のイオンバランス制御に適したDuty比や高電圧値を決定することができる。イオン発生期間を含まない休止モード(図7(ハ)及び(ニ))では、除電動作中に実行されるイオンバランス制御の結果としてのDuty比又は高電圧値の最新データを逐次サンプリングしてこれを保存し除電動作を開始する直前に、それ以前の最新の除電動作中に保存したデータを平均化して、次に実行する電極針4への印加すべき高電圧の電圧値又はDuty比を決定するのがよい。これにより、休止期間中の印加電圧ゼロを含めた平均化を回避することができる。また、休止期間中の除電対象エリアのイオンバランスを検出してメモリに保存し、休止期間中、常にこれを更新して、除電動作に入る直前のデータに基づいて、上述した次に実行する電極針4への印加すべき高電圧の電圧値又はDuty比として決定した値を補正するようにしてもよい。
イオン発生期間のイオンバランス制御は、イオン発生期間に移行した初期、例えば第1回目にプラスとマイナスの電極針4に印加する電圧を休止期間中に決定した上記の電圧値又はDuty比に基づいて見込み制御的に印加し、次回のイオンバランス制御では、除電モードと同様のイオンバランス制御つまり内部回路に流れる電流値に基づいてプラスとマイナスの電極針4に印加する電圧の電圧値又はDuty比を決定してフィードバック制御に基づいてイオンバランス制御を行うようにしてもよい。つまり、イオン発生期間の初期は、休止期間中に決定したデータに基づいて見込み制御的にイオンバランス制御を行い、後続のイオンバランス制御ではフィードバック制御に切り換えてイオンバランス制御を行うのがよい。また、変形例として、イオン発生期間の初期は、休止期間中に決定したデータに基づいて見込み制御的にイオンバランス制御を行い、その後、内部回路に流れる電流値に基づいて休止期間中に決定したデータを補正しながらイオンバランス制御を行うようにしてもよい。
イオン発生期間を含まない休止モード(図7の(ハ)、(ニ))では、休止期間に行われた除電動作中にイオンバランスに関連した内部回路に流れる電流値及びその方向に関するイオンバランスデータをメモリに保存し、例えば除電動作の一番最後に電極針4に高電圧を印加した結果のイオンバランスデータを使って、次回の除電動作での初期のイオンバランス制御を実行し、後続のイオンバランス制御では上述したフィードバック制御に切り換えるようにしてもよいし、前回の除電動作中に保存したイオンバランスデータを使って後続の除電動作の初期のイオンバランス制御を見込み制御的に行い、その後は、内部回路に流れる電流値に基づいて補正しながらイオンバランス制御(例えばDuty比制御)を行うようにしてもよい。
以上、共通の電極針4に極性の異なる高電圧を交互に印加してプラス/マイナスのイオンを交互に発生させる例で実施例を説明したが、特開2000−58290号公報の図16、図17で実施例として説明している正極と負極の対となる電極針に、夫々プラス、マイナスの高電圧を印加することでプラスイオンとマイナスイオンとを生成する方式の除電装置にも本発明を同様に適用可能であることは言うまでもない。具体的には、正極と負極の各々の電極針と接地との間に自己放電検出回路を設け、いずれか一方の電極針において自己放電を検出したときには、除電モードと同様の高電圧を電極針に印加して除電動作を実行させるようにしてもよい。勿論、休止モードでの休止期間中に、イオンを発生しない程度の電圧つまり帯電体を検出する感度を高めるための電圧(例えば2kV)を電極針に印加してもよいことは言うまでもない。
1 直流電源
2a スイッチ
2b スイッチ
3 制御ユニット
4 電極針
5 正極の高電圧発生回路
5a トランス
5b 倍電圧整流回路
6 負極の高電圧発生回路
6a トランス
6b 倍電圧整流回路
7 増幅器
8 アナログ/デジタル変換器
9 ローパスフィルタ
100 除電装置
12 電極ユニット
13 外部配管
14 弁
R2 第2抵抗
2a スイッチ
2b スイッチ
3 制御ユニット
4 電極針
5 正極の高電圧発生回路
5a トランス
5b 倍電圧整流回路
6 負極の高電圧発生回路
6a トランス
6b 倍電圧整流回路
7 増幅器
8 アナログ/デジタル変換器
9 ローパスフィルタ
100 除電装置
12 電極ユニット
13 外部配管
14 弁
R2 第2抵抗
Claims (8)
- 電極針に高電圧を印加してイオンを発生する除電装置であって、
前記電極針に高電圧を印加して帯電体を除電する除電モードと、前記電極針に基本的には高電圧イオンを印加しない休止モードとが選択的に設定可能であり、
前記電極針の自己放電により帯電体の出現を検出する自己放電検出回路と、
前記休止モードでは、前記自己放電検出回路で帯電体の出現を検出したときに、前記電極針に高電圧を印加する除電動作を開始すると共に、該自己放電検出回路で帯電体の出現を検出したときに生成される信号に基づいて、これに同期した第1の出力信号を生成して、該第1の出力信号を外部に出力することを特徴とする除電装置。 - 前記休止モードでは、前記自己放電検出回路で帯電体の存在を検出できなくなったときに、前記除電動作を停止させると共に、該自己放電検出回路で帯電体の存在を検出できなくなったときに生成される信号に基づいて、これに同期した第2の出力信号を生成して、該第2の出力信号を外部に出力する、請求項1に記載の除電装置。
- 前記自己放電検出回路が、前記電極針と高電圧発生源との間に抵抗を設けて該抵抗に流れる電流値を検出する回路を含む、請求項1〜2に記載の除電装置。
- 前記自己放電検出回路が、前記電極針と接地との間に抵抗を設けて該抵抗に流れる電流値を検出する回路を
含む、請求項1〜2に記載の除電装置。 - 前記電流値の絶対値と第1のしきい値とを比較して、前記電流値の絶対値が該第1のしきい値よりも大きいときに帯電体が出現したとして前記除電動作を開始する、請求項3又は4に記載の除電装置。
- 前記電流値の絶対値と第2のしきい値とを比較して、前記電流値の絶対値が該第2のしきい値よりも下回ったときに除電が完了したとして前記除電動作を停止する、請求項3〜5のいずれか一項に記載の除電装置。
- 前記除電動作が開始した後に所定のタイマ時間が経過したときに前記帯電体の存在を検出できなくなったとして前記除電動作を停止する、請求項3〜5のいずれか一項に記載の除電装置。
- 前記電極針の回りに発生したイオンを前記帯電体まで搬送するガスを前記除電装置に供給するガスの流量が前記第1及び第2の出力信号に基づいて制御される、請求項6又は7に記載の除電装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010218751A (ja) * | 2009-03-13 | 2010-09-30 | Omron Corp | 除電装置 |
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-
2006
- 2006-12-20 JP JP2006343068A patent/JP2008159273A/ja active Pending
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