JP5263611B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの電動車両用DC‐DCコンバータなどに用いられるリアクトルに関する。特に、外装樹脂と内包される部品との間に剥離や隙間が発生することを防止することができるリアクトルに関する。
ハイブリッド自動車などの電動車両には、直流電圧の昇降圧を行うDC‐DCコンバータが搭載されており、このコンバータの部品の一つにリアクトルがある。従来、リアクトルとしては、環状のコアにコイルを配置した組合体をケース内に収納し、このケース内に樹脂を充填して封止した構造のものが代表的である(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に記載のリアクトルは、トラック形状のコアと、このコアに配置されるコイルと、コアとコイルとの組合体を収納する中ケースと、全体を収納するケースとを備えている。このリアクトルは、コイルが配置されるコアの直線部が内側ボビンによって覆われており、内側ボビンの外側にコイルが巻回された状態となっている。また、このリアクトルは、コイルの両端に外側ボビンが取り付けられており、コイルの両端が外側ボビンによって挟まれた状態となっている。さらに、このリアクトルは、コイルへの通電によってリアクトルで発生した熱を放熱するため、ケースをヒートシンクの上に設置して使用される。
特開2008‐28290号公報
しかし、上記した従来のリアクトルでは、部品点数が多く、組立作業性が悪いという問題がある。
通常、リアクトルの部品となるコイルは、スプリングバックが作用し、巻線ターン間に比較的大きな空間が形成されている。この状態ではコイルが伸縮するため、コイルが取り扱い難く、組立作業性の悪化を招く。また、リアクトルを小型化するには、コイルを圧縮して巻線ターン間の空間を小さくすることが望まれる。そこで、特許文献1では、コイルの両端を外側ボビンで挟み、かつ、中ケースに収納することで、コイルを圧縮した状態で保持する手法を提案している。しかし、この手法では、部品点数や組立工程が多く、組立作業性が悪い。
さらに、ケースに収納する従来のリアクトルでは、小型・軽量化が難しいという問題がある。
昨今、ハイブリッド自動車などの車載部品には、小型・軽量化が強く望まれている。そこで、ケースを省略することが考えられるが、単にケースを省略すると、コアやコイルがむき出しの状態となるため、水分及び粉塵などの外部環境や、衝撃などの機械的応力から保護することができない。そこで、このような要求に応えるべく、ケースを省略し、例えばコアとコイルとの組合体を外装樹脂で覆うことが考えられる。
ところが、本発明者が鋭意検討を行った結果、コアとコイルとの組合体の外周に樹脂を直接モールドして外装樹脂を成形したリアクトルでは、使用温度範囲(例えば-40〜150℃)の熱サイクルが繰り返し負荷されると、外装樹脂と内包される部品との間に剥離や隙間が発生する問題を見出した。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、外装樹脂と内包される部品との間に剥離や隙間が発生することを防止することができるリアクトルを提供することにある。
本発明のリアクトルは、巻線を螺旋状に巻回してなるコイルと、このコイルが配置される巻回部とコイルが配置されずに露出する露出部とを有するコアと、を備える。また、コイルの形状を保持する第一のモールド樹脂からなる樹脂モールド体と、樹脂モールド体とコアの露出部との外周を覆う第二のモールド樹脂からなる外装モールド体と、を備える。そして、樹脂モールド体及び外装モールド体はそれぞれ、リアクトルの使用温度よりも高い温度で成形されており、成形温度におけるコアと第一のモールド樹脂と第二のモールド樹脂との熱膨張率をそれぞれαc、αp1、αp2とするとき、αc<αp2及びαp1≦αp2の関係を満たすことを特徴とする。
本発明のリアクトルでは、樹脂モールド体がコイルの形状を保持するモールド成形体であるため、コイルの取り扱いを容易にして、リアクトルの組立作業性に優れる。また、本発明のリアクトルは、樹脂モールド体が従来のリアクトルのボビン(内側ボビン、外側ボビン及び中ケース)の機能を兼ねることができるので、部品点数及び組立工程を削減することができ、この点からも組立作業性に優れる。さらに、本発明のリアクトルは、外装モールド体を備える構成とすることで、ケースを省略してリアクトルの小型・軽量化を図りつつ、コアやコイル(樹脂モールド体)を外部環境や機械的応力から保護することができる。
本発明のリアクトルでは、次の効果も奏する。
熱膨張率の関係が上記関係を満たす第一のモールド樹脂及び第二のモールド樹脂を使用して、リアクトルの使用温度(最高使用温度、例えば150℃)よりも高い温度で樹脂モールド体及び外装モールド体を成形する。この場合、リアクトルの使用温度範囲(例えば150℃以下)において、外装モールド体がコア及び樹脂モールド体よりも収縮しようとする。そのため、外装モールド体がコア及び樹脂モールド体に密着する状態を維持することができ、外装モールド体とコア(露出部)との間、或いは外装モールド体と樹脂モールド体との間に、剥離や隙間が発生することを防止することができる。
一方、熱膨張率の関係が逆の場合では、リアクトルが使用温度範囲の低温側に移行するほど、外装モールド体に対してコア及び樹脂モールド体の方がより収縮しようとする。そのため、使用温度範囲の熱サイクルがリアクトルに繰り返し負荷されると、外装モールド体がコア及び樹脂モールド体の収縮変形に追従することができずに、外装モールド体とコア(露出部)との間、或いは外装モールド体と樹脂モールド体との間に、剥離や隙間が発生することがある。
樹脂モールド体は、コイルの形状を保持し、さらに、コイルとコアの巻回部とを一体化したモールド成形体としてもよい。また、樹脂モールド体とコア(巻回部)との間に剥離や隙間が発生することを防止する観点から、熱膨張率の関係はαc<αp1≦αp2を満たすことが好ましく、より好ましくは、αc<αp1<αp2である。
本発明のより好ましい形態は、第一のモールド樹脂がセラミックスのフィラーを含有する構成である。
樹脂モールド体は、内部にコイルが配置され、このコイルは、発熱し高温となるため、熱伝導性に優れることが好ましい。そこで、第一のモールド樹脂がセラミックスのフィラーを含有することで、樹脂モールド体の熱伝導性を向上させることができる。
本発明のより好ましい形態は、第二のモールド樹脂がガラス繊維のフィラーを含有する構成である。
外装モールド体は、コアやコイル(樹脂モールド体)を外部環境や機械的応力から保護することを目的としているため、機械的強度に優れることが好ましい。そこで、第二のモールド樹脂がガラス繊維のフィラーを含有することで、外装モールド体の機械的強度を向上させることができる。
本発明のリアクトルは、熱膨張率の関係がαc<αp2及びαp1≦αp2を満たすことで、外装樹脂(外装モールド体)と内包される部品(コア及び樹脂モールド体)との間に剥離や隙間が発生することを防止することができる。
実施の形態1に係るリアクトルを示す概略斜視図である。 実施の形態1に係るリアクトルに備える樹脂モールド体を示す概略斜視図である。 実施の形態1に係るリアクトルに備える樹脂モールド体を説明するための概略図であり、(A)は樹脂モールド前の状態を示す斜視図であり、(B)はコアの巻回部の分解斜視図である。 実施の形態1に係るリアクトルに備える樹脂モールド体の成形方法を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。また、図中において同一部材には同一符号を付している。
(実施の形態1)
図1〜3を参照して、実施の形態1に係るリアクトル1を説明する。なお、図1では、説明を分かり易くするため、外装モールド体20の一部を切り欠いて外装モールド体20の内部に存在するコア(露出部12e)及び樹脂モールド体10が見えるようにしている。
リアクトル1は、コイル11と、このコイル11が配置される巻回部12cとコイル11が配置されずに露出する露出部12eとを有するコア12とを備える(図1、2を参照)。また、コイル11とコアの巻回部12cとを一体に保持する樹脂モールド体10と、樹脂モールド体10とコアの露出部12eとの外周を覆う外装モールド体20とを備える。このリアクトル1は、外装モールド体20に形成された挿通孔20hに固定金具(例えばボルト)を挿通し、例えばヒートシンクといった放熱機構に設置して使用される。以下、各構成をより詳しく説明する。
コイル11は、平角巻線をエッジワイズ巻きすることで形成されている。コイル11は、図3(A)に示すように、軸方向が平行する一対のコイル素子11a、11bから構成され、両コイル素子11a、11bが1本の巻線で形成されている。具体的には、コイル11の軸方向一端側において、巻線の始端11sと終端11eを上方に引き出し、コイル11の軸方向他端側において、巻線をU状に屈曲させて屈曲部11uを設けることで、両コイル素子11a、11bを一本の巻線で形成している。
各コイル素子11a、11bの内周にはそれぞれ、中間コア(巻回部12c)が配置されている。中間コア12cは、図3(B)に示すように、複数のコア片120と、コア片120間に介在するギャップ材gとが接着剤で一体化され、直方体状に形成されている。コア片120は、磁性材料からなり、ケイ素鋼板を積層した積層体や、鉄粉などの軟磁性粉末の表面に絶縁被覆を施し、この粉末を加圧成形した圧粉成形体で構成することができる。また、ギャップ材gは、非磁性材料からなり、ガラスエポキシ樹脂やアルミナなどのセラミックスの板材で構成することができる。
樹脂モールド体10は、各コイル素子11a、11bの内周に中間コア12cを配置した状態(図3(A)を参照)で、コイル11と中間コア12cとを樹脂(第一のモールド樹脂)で一体にモールドすることで形成されている(図2を参照)。ここでは、中間コア12cの両端面、巻線の始端11sと終端11e及び各コイル素子11a、11bの上面並びにコイル素子同士が対向しない側面の一部が露出するように形成している。また、樹脂モールド体10は、コイル11の巻線ターン間に樹脂が充填され、各コイル素子11a、11bの外周面の一部を樹脂が覆うように形成されていると共に、コイル11と中間コア12cとが直接接触することがないように、各コイル素子11a、11bの内周面と中間コア12cとの間には樹脂が充填されている。
この樹脂モールド体10は、コイル11と中間コア12cとを一体に保持する機能以外に、コイル11の形状を保持する機能も有している。具体的には、コイル11の巻線ターン間に樹脂が充填され、コイル11の一端側から他端側に亘って樹脂が連続するように形成されていることで、コイル11の形状を固定している。また、コイル11を圧縮した状態で樹脂モールド体10を形成した場合は、コイル11が圧縮状態で保持されるため、リアクトルの小型化を実現できる。このような樹脂モールド体10は、コイルの取り扱いを容易にし、また、リアクトルの部品点数及び組立工程の削減に寄与する。
樹脂モールド体10の製造方法の具体例を図4に基づいて説明する。コイル11と中間コア12cとを樹脂で一体にモールドする場合では、図3(A)に示すようにコア片120の間にギャップ材gを介在させた中間コア12cをコイル素子11a、11bの内周に挿入し、その状態で金型50内に配置する。
金型50は、開閉する一対の分割金型であり、第一金型51と第二金型52とで構成されている。下部に位置する第一金型51は、コイル11の他端側(屈曲部側)に位置する端板51Aと、コイル11の周囲を覆う側壁51Bとを備える。一方、上部に位置する第二金型52は、コイル11の一端側(始端・終端側)に位置する端板52Aを備える。この金型50内に、コイル11の屈曲部側を下にしてコイル11と中間コア12cとを配置することで、コイル11の軸方向が上下方向となり、コア片とギャップ材との積層方向も上下方向となるため、コア片とギャップ材とが接着剤で一体化されていない場合でも、コア片とギャップ材とを金型50内の所定の位置に配置し易い。特に、コイル11の軸方向が上下方向となるようにコイル11と中間コア12cとを金型50内に配置することで、コイル11の軸方向が水平方向となるようにコイル11と中間コア12cとを金型50内に配置するのに比べて、コイル11と中間コア12cとを同軸状に配置し易い。
このような金型50内で、コイル11と中間コア12cとをそれぞれ位置決めし、同軸状に配置する。図2に示す樹脂モールド体10において、コイル11が露出する箇所は、金型50がコイル11を支持するために、金型50とコイル11とを接触させた箇所である。金型50に接触してコイル素子11a、11bの間隔が狭小化する虞がある場合は、両コイル素子11a、11b間に適宜なピン(図示略)を配置するなどして、両コイル素子11a、11bの間隔を維持するようにしてもよい。コイル11の他の外周面領域は、金型50との間に所定の空間が形成されるようにする。一方、中間コア12cは、その下端を第一金型51に接触させて、金型50内に位置決めする。
また、第一、第二金型51、52は、図示しない駆動機構により金型50内に進退可能な複数の棒状体53を備え、これら棒状体53で各コイル素子11a、11bの端面を押圧してコイル11を圧縮することができるように構成されている。棒状体53は、コイル11が樹脂で被覆されない箇所を少なくするため極力細くするが、コイル11を圧縮するのに十分な強度と耐熱性を備えたものとする。コイル11を金型50内に配置した段階では、コイル11は未だ圧縮されておらず、巻線ターン間に隙間が形成された状態となっている。
次に、金型50を閉じ、棒状体53を金型50内に進出させてコイル11を所定の形状に保持する。このとき、コイル11の軸方向に隣接する巻線同士が接触するまでコイル11を圧縮して、可能な限り巻線ターン間の隙間をなくすようにしてもよい。
その後、図示しない樹脂注入口から金型50内に第一のモールド樹脂を注入する。樹脂注入口は、第二金型の端板52Aのほぼ中央、即ちコイル素子11a、11bの間に対向して位置されている。また、樹脂がある程度硬化して、コイル11が所定の形状に維持されるようになれば、棒状体53を金型50内から後退させてもよい。
そして、樹脂が硬化して、樹脂モールド体を成形した後、金型50を開いて同部品を金型50から取り出す。なお、棒状体53で押圧されていた箇所に形成された複数の小穴は、適宜な絶縁材などを充填してもよいし、そのまま放置しておいてもよい。
上記した製造方法例では、コイル11と中間コア12cとを樹脂で一体にモールドする場合について説明したが、例えばコイル11を樹脂でモールドした後、中間コア12cをコイル素子11a、11bの内周に挿入することでも製造することができる。
この場合でも、上記した金型50を用いることができる。具体的には、コイル素子11a、11bの中間コア12cが挿入される位置に中子を金型50内に配置しておき、コイル11を樹脂でモールドし、モールド成形体を作製する。その後、別の工程で、このモールド成形体の中子により形成されたコア挿入孔に中間コア12cを挿入する。なお、この場合、コア挿入孔の内周面と挿入した中間コアとの間に隙間が形成されていても、後述する外装モールド体の成形工程において、第二のモールド樹脂がこの隙間に進入することがある。
樹脂モールド体10の両端にはそれぞれ、端部コア(露出部12e)が配置され、中間コア12cの端部同士が端部コア12eを介して接続されることで、コア12が環状に構成されている。ここでは、接着剤を用いて中間コア12cと端部コア12eとを接続している。端部コア12eは、磁性材料からなり、上記したコア片と同じ材料で構成することができる。このようなコア12とコイル11との組合体(端部コア12eと樹脂モールド体10との組合体)において、コイル11に電流を流す(通電する)ことで、コア12に閉磁路が形成されることになる。
外装モールド体20は、端部コア12eと樹脂モールド体10とを組み合わせた状態で、端部コア12eと樹脂モールド体10の外周を覆うように樹脂(第二のモールド樹脂)でモールドすることで形成されている。ここでは、リアクトル1が設置される設置箇所側に位置する端部コア12eの下面及び樹脂モールド体10の下面が露出するように形成している。このような外装モールド体20を備えることで、ケースを省略してリアクトルの小型・軽量化を図りつつ、端部コア12eや樹脂モールド体10を外部環境や機械的応力から保護することができる。
樹脂モールド体10及び外装モールド体20はそれぞれ、リアクトルの使用温度よりも高い温度で成形されている。そのため、第一要件として、第一のモールド樹脂及び第二のモールド樹脂には、リアクトルの使用温度よりも高い温度で硬化或いは固化する樹脂を選択する必要がある。また、リアクトルの使用温度範囲において、外装モールド体20がコア12(端部コア12e)及び樹脂モールド体10に密着する状態を維持することができるように、第二要件として、少なくとも熱膨張率の関係がαc<αp2及びαp1≦αp2を満たす必要がある。なお、αc、αp1及びαp2とは、コア、第一のモールド樹脂及び第二のモールド樹脂の成形温度におけるそれぞれの熱膨張率のことである。
第一のモールド樹脂及び第二のモールド樹脂としては、上記した要件を満たすものであれば特に制限はなく、このような要件を満たす例えば熱硬化性樹脂を使用することができる。例えばフェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。ここに挙げた樹脂の一般的な成形(硬化)温度とその温度における熱膨張率は、フェノール樹脂の場合150〜200℃と15×10-6〜35×10-6/K、不飽和ポリエステル樹脂の場合150〜200℃と5×10-6〜30×10-6/K、エポキシ樹脂の場合140〜190℃と5×10-6〜100×10-6/K、である。また、コアの150〜200℃における熱膨張率は、ケイ素鋼板の積層体の場合12×10-6〜15×10-6/K、軟磁性粉末の圧粉成形体の場合10×10-6〜12×10-6/K、である。
第一のモールド樹脂及び第二のモールド樹脂には、同種或いは異種のものを使用してもよい。また、各樹脂には、セラミックス又はガラス繊維などのフィラーを混合してもよい。セラミックスのフィラーとしては、例えばアルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ジルコン、ムライトなどが挙げられる。セラミックスのフィラーを含有する樹脂は、熱伝導性に優れる。そこで、通電により発熱するコイル11が内部に配置される樹脂モールド体10を構成する第一のモールド樹脂は、セラミックスのフィラーを含有することが好ましい。また、ガラス繊維のフィラーを含有する樹脂は、機械的強度に優れる。そこで、端部コア12eや樹脂モールド体10を保護する外装モールド体20を構成する第二のモールド樹脂は、ガラス繊維のフィラーを含有することが好ましい。このように第一のモールド樹脂及び第二のモールド樹脂の熱膨張率は、樹脂の種類や、フィラーの材質又は含有量を変更することで調整することができる。
(実施例1)
次に示すコア12、樹脂モールド体10及び外装モールド体20を備えるリアクトル1を製造し、このリアクトルに対し熱サイクル試験を実施して、その評価を行った。
樹脂モールド体10は、アルミナのフィラーを含有する不飽和ポリエチレンを使用して成形した。成形条件は、成形温度170℃とし、この樹脂の成形温度における熱膨張率αp1は、13×10-6/Kであった。
外装モールド体20は、ガラス繊維のフィラーを含有する不飽和ポリエチレンを使用して成形した。成形条件は、成形温度170℃とし、この樹脂の成形温度における熱膨張率αp2は、19×10-6/Kであった。
コア12(コア片120、端部コア12e)は、軟磁性粉末の圧粉成形体を使用して構成した。このコアの上記した成形温度における熱膨張率αcは、12×10-6/Kであった。
熱サイクル試験は、実際の使用環境を想定して、-40〜150℃の温度範囲で100サイクルまで実施した。その結果、外装モールド体20とコア12の露出部及び樹脂モールド体10との間に剥離は認められなかった。また、樹脂モールド体10とコア12の巻回部との間にも剥離は認められなかった。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、第一のモールド樹脂及び第二のモールド樹脂の種類やフィラーの材質を適宜変更してもよい。
本発明のリアクトルは、例えばハイブリッド自動車などの電動車両用DC‐DCコンバータなどに好適に利用できる。
1 リアクトル
10 樹脂モールド体
11 コイル 11a,11b コイル素子
11s 始端 11e 終端 11u 屈曲部
12 コア 12c 巻回部(中間コア) 12e 露出部(端部コア)
120 コア片 g ギャップ材
20 外装モールド体 20h 挿通孔
50 金型
51 第一金型 51A 端板 51B 側壁
52 第二金型 52A 端板
53 棒状体

Claims (4)

  1. 巻線を螺旋状に巻回してなるコイルと、前記コイルが配置される巻回部と前記コイルが配置されずに露出する露出部とを有するコアと、を備えるリアクトルであって、
    前記コイルの形状を保持する第一のモールド樹脂からなる樹脂モールド体と、
    前記樹脂モールド体と前記コアの露出部との外周を覆う第二のモールド樹脂からなる外装モールド体と、を備え、
    前記樹脂モールド体及び前記外装モールド体はそれぞれ、リアクトルの使用温度よりも高い温度で成形されており、
    成形温度における前記コアと前記第一のモールド樹脂と前記第二のモールド樹脂との熱膨張率をそれぞれαc、αp1、αp2とするとき、以下の関係を満たすことを特徴とするリアクトル。
    α c <α p1 ≦α p2
  2. 前記樹脂モールド体は、前記コイルを圧縮した状態で保持することを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記第一のモールド樹脂は、セラミックスのフィラーを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル。
  4. 前記第二のモールド樹脂は、ガラス繊維のフィラーを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のリアクトル。
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