以下、図面を参照して、本発明に係る運転制御装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態に係る運転制御装置の構成を説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る運転制御装置100の構成を示すブロック構成図である。図1に示すように、運転制御装置100は、ECU(Electronic Control Unit)2、ナビゲーションシステム(経路情報取得手段)3、車両状態検出部(車両状態検出手段)4、フューエルカット要求検出部6、永久磁石ソレノイド(吸排気弁停止手段)7、吸排気弁9を有する内燃機関8、記憶部(運転履歴情報記憶手段、走行履歴情報記憶手段)10を備えて構成されている。
ナビゲーションシステム3は、出発地から目的地までの経路を導出すると共に、当該経路における登り坂道、下り坂道、曲がり道やそれらの距離や勾配などの経路情報を取得する機能を有している。また、ナビゲーションシステム3は、導出した経路や経路情報を車内の液晶画面を介して運転者に通知する機能を有している。ナビゲーションシステム3は、導出した経路及び取得した経路情報をECU2に出力する機能を有している。
車両状態検出部4は、車両の状態を検出する機能を有している。具体的には、車両状態検出部4は、ECU温度を検出することのできる温度センサなどによって構成されている。車両状態検出部4は、検出したECU温度などの車両状態情報をECU2へ出力する機能を有している。
フューエルカット要求検出部6は、運転者の運転操作や車両の走行状態に基づいてフューエルカットを行うことのできる状態になっているかどうかを検出する機能を有しており、具体的には、アクセル開度を検出することのできるセンサやクランク角を検出することのできるセンサによって構成されている。フューエルカット要求検出部6は、フューエルカットを行うことのできる状態であることを検出した場合、検出結果をECU2へ出力する機能を有している。
永久磁石ソレノイド7は、内燃機関8の吸排気弁9の作動の停止を行う機能を有している。永久磁石ソレノイド7は、複数の吸排気弁9に対してそれぞれ配置されている。具体的には、永久磁石ソレノイド7は、吸排気弁9の作動を停止させる弁停止機構と永久磁石を備えており、図2に示すように、吸排気弁9を通常通り動作させる場合は、弁停止機構を解除した状態で非通電としておくことで、吸排気弁9が作動できるようにしておく。一方、吸排気弁9の作動を停止させる場合は、弁停止機構に通電することで吸排気弁9の作動を停止させ(吸排気弁9が閉じた状態で保持する)、この状態で弁停止機構を永久磁石で保持する。永久磁石で保持されているため、弁停止機構には通電を行わなくても、吸排気弁9が停止された状態を維持することができる。再び吸排気弁9を復帰させる場合は、弁停止機構に通電することで吸排気弁9の停止を解除する。永久磁石ソレノイド7は、ECU2からの制御信号に基づいて、吸排気弁9の停止と復帰を繰り返す。
記憶部10は、ROMやRAMなどによって構成されており、車両の運転者の運転状況に関する運転履歴情報、及び車両の走行状況に関する走行履歴情報を記憶する機能を有している。運転履歴情報とは、フューエルカットに関係するような運転者の運転の癖や傾向などの情報であり、例えば、前方の信号が赤の場合に早めにアクセルOFFにする傾向があるか、下り坂でもアクセルとブレーキを小刻みに踏み変える傾向があるかに関する情報である。走行履歴情報とは、過去に走行した経路において、フューエルカットが行われた場所や時間に関する履歴情報である。記憶部10は、運転履歴情報及び走行履歴情報を常時更新するとともに、必要なタイミングでECU2へ出力する機能を有している。
ECU2は、運転制御装置1全体の制御を行う電子制御ユニットであり、例えばCPUを主体として構成され、ROM、RAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などを備えている。ECU2は、吸排気弁停止・復帰指示部11、弁停止制御スケジュール作成部(弁停止制御スケジュール作成手段)12、フューエルカット要求処理部13を備えて構成されている。
吸排気弁停止・復帰指示部11は、永久磁石ソレノイド7に制御信号を出力することによって、吸排気弁9の作動の停止を指示すると共に、吸排気弁9の復帰を指示する機能を有している。吸排気弁停止・復帰指示部11は、フューエルカット要求処理部13からフューエルカット要求がある場合に、吸排気弁の停止指示を行う機能を有している。吸排気弁停止・復帰指示部11は、弁停止制御スケジュール作成部12から弁停止制御スケジュールを取得する機能を有している。弁停止制御スケジュールとは、ナビゲーションシステム3からの経路情報や記憶部10に記憶されている情報に基づいて、出発地と目的地の間の経路において、吸排気弁9の作動を停止してフューエルカットを行うことのできるタイミングを予め推定してスケジューリングしたものであり、複数の停止タイミングと、各停止タイミングにおける停止時間の二つのパラメータによって設定される。吸排気弁停止・復帰指示部11は、弁停止制御スケジュールに基づき、スケジュールどおりの停止タイミングにおいて、スケジュールどおりの停止時間、吸排気弁9の作動を停止させる機能を有している。
弁停止制御スケジュール作成部12は、ナビゲーションシステム3によって取得された経路情報及び車両状態検出部4に基づいて検出された車両状態情報に基づき、吸排気弁9の弁停止制御スケジュールを作成する機能を有している。弁停止制御スケジュール作成部12が弁停止制御スケジュールを作成する処理内容についての詳細は後述する。弁停止制御スケジュール作成部12は、作成した弁停止制御スケジュールを吸排気弁停止・復帰指示部11へ出力する機能を有している。
フューエルカット要求処理部13は、フューエルカット要求検出部6からの検出結果に基づいて、フューエルカットを行うことのできる状態になっていることを吸排気弁停止・復帰指示部11へ出力する機能を有している。
次に、図3及び図4を参照して、第一実施形態に係る運転制御装置100の動作について説明する。図3は、第一実施形態に係る運転制御装置100における運転制御処理を示すフローチャートである。図4は、弁停止制御スケジュールを作成する手順を示す図である。本実施形態において、この処理は、ECU2において、ナビゲーションシステム3で出発地と目的地を設定し、車両が運転を開始するときに所定のタイミングで実行される。
図3に示すように、ECU2の弁停止制御スケジュール作成部12は、車両状態検出部4からの入力情報から、例えばECU温度などの車両状態を取得する(ステップS10)。次に、弁停止制御スケジュール作成部12は、ナビゲーションシステム3からの入力情報から、出発地から目的地までの経路、及び当該経路における経路情報を取得する(ステップS12)。この経路情報には、経路中における坂道や曲がり道など、フューエルカットを行うタイミングに関する情報が含まれている。
次に、弁停止制御スケジュール作成部12は、S12で取得した経路情報に基づいて、経路内において吸排気弁9の作動を停止させる停止タイミング、及び各停止タイミングにおける停止時間を推定する(ステップS14)。すなわち、経路内において坂道にさしかかることで吸排気弁9の作動を停止してフューエルカットを行うことができる停止タイミングを推定すると共に、坂道の長さなどに基づいて当該停止タイミングにおいてどの程度の長さの停止時間で吸排気弁9の作動の停止を行うことができるかを推定する。例えば、出発地から目的地の間にフューエルカットをできる環境が複数存在しており、特に中間位置において長い下り坂が存在することによって長いフューエルカットを行うことができる場合について説明する。このような場合は、図4の「推定結果」に示すように、出発地から一定距離までの間に停止時間の短い停止タイミングT1〜T6が存在すると推定することができ、経路の中間位置に停止時間の長い停止タイミングT7が存在すると推定することができ、目的地付近において停止時間の短い停止タイミングT8〜T11が存在すると推定することができる。
なお、S14の処理においては、経路情報のみに基づいて推定を行うだけでなく、記憶部10に記憶された運転履歴情報や走行履歴情報も考慮して推定を行うことができる。具体的には、弁停止制御スケジュール作成部12は、記憶部10に記憶された運転履歴情報を参照することにより、運転者は、前方の信号が赤の場合に早めにアクセルOFFを行う傾向にあるか、下り坂でもアクセルとブレーキを小刻みに踏み変える傾向にあるかなどを判断し、停止タイミングや停止時間の推定に反映させる。また、弁停止制御スケジュール作成部12は、記憶部10に記憶された走行履歴情報を参照することにより、走行中の経路を過去に走行したことがある場合は、そのときのフューエルカット履歴を取得し、停止タイミングや停止時間の推定に反映させる。
次に、弁停止制御スケジュール作成部12は、吸排気弁9の作動を停止することができる停止可能回数の演算を行う(ステップS16)。永久磁石ソレノイド7を用いて弁停止を行う場合、弁停止の回数に比例してECU消費電力及び発熱量が大きくなるため、消費電力を抑える目的や冷却機構を不要とする目的から、弁の停止回数に一定の制限を設ける必要がある。本実施形態では、車両状態検出部4から出力される情報を取得し、出発時におけるECU温度などの車両状態に基づいて、出発地から目的地へ到着するまでに何回、吸排気弁9の作動を停止することができるかを示す停止可能回数を演算する。
その後、弁停止制御スケジュール作成部12は、S14における推定結果及びS16で演算した停止可能回数に基づき、S14で推定した複数の停止タイミングの中から、設定された停止可能回数分の停止タイミングを選択し、弁停止制御スケジュールのパタンを複数作成する(ステップS18)。図4に示す例では、S16で演算した停止可能回数=6回であった場合、停止タイミングT1〜T11から6個の停止タイミングを選択することで弁停止制御スケジュールのパタンを作成する。例えば、前半の停止タイミングT1〜T6を選択することで弁停止制御スケジュールのパタン1を作成し、後半の停止タイミングT6〜T11を選択することで弁停止制御スケジュールのパタン2を作成することができる。
次に、弁停止制御スケジュール作成部12は、S18で作成した弁停止制御スケジュールのパタンの中から、停止総時間が最長となるパタンを選択し、当該パタンを弁停止制御に用いる弁停止制御スケジュールとして設定する(ステップS20)。停止総時間とは、弁停止制御スケジュールのパタンのうち、選択された複数の停止タイミングに設定されているそれぞれの停止時間を全て合計することによって導き出される総時間である。全てのパタンについての停止総時間を演算した後、その停止総時間が最長のパタンを弁停止制御スケジュールとして設定する。
図4に示す例では、パタン1の停止総時間は、停止タイミングT1での停止時間、停止タイミングT2での停止時間、停止タイミングT3での停止時間、停止タイミングT4での停止時間、停止タイミングT5での停止時間、及びT6での停止時間を合計することによって導き出される。また、パタン2の停止総時間は、停止タイミングT6での停止時間、停止タイミングT7での停止時間、停止タイミングT8での停止時間、停止タイミングT9での停止時間、停止タイミングT10での停止時間、及びT11での停止時間を合計することによって導き出される。このうち、停止タイミングT7での停止時間が他の停止タイミングに比して大幅に長いため、停止総時間はパタン2が最も長くなる。従って、パタン2を弁停止制御に用いる弁停止制御スケジュールとして設定する。なお、図4に示す例では、パタン1,2のみを作成したが、停止制限回数を超えない範囲において、更に複数のパタンを作成することによって、弁停止制御スケジュールを設定してもよい。
S20で弁停止制御スケジュールを作成した後、弁停止制御スケジュール作成部12は、当該弁停止制御スケジュールを吸排気弁停止・復帰指示部11へ出力する。吸排気弁停止・復帰指示部11は、弁停止制御スケジュールに従って、永久磁石ソレノイド7へ所定のタイミングで電気信号を送信することで、吸排気弁9の弁停止制御を行う(ステップS22)。S22の処理が終了すると、図3に示す制御処理が終了し、車両はスケジュールに従ったタイミングで弁停止をしながら走行を続ける。なお、事前の弁停止制御スケジュール上は弁停止を行うように計画していたにも関わらず、実際には弁停止を行わなかった場合(例えば、何らかの条件でフューエルカットしなかった場合など)は、再度、新たな弁停止制御スケジュールを作成することができる。また、実際の走行経路がナビゲーションシステム3の推奨経路から外れた場合や目的地を途中で変更した場合も、再度、新たな弁停止制御スケジュールを作成することができる。
以上によって、本実施形態に係る運転制御装置100によれば、弁停止制御スケジュール作成部12は、ナビゲーションシステム3から取得した経路情報及び車両状態検出部4から取得した車両状態情報に基づいて、吸排気弁9の作動を停止させることのできる停止可能回数を演算すると共に、停止可能回数の範囲内で選択された停止タイミングについての各停止時間を合計した停止総時間が最長となるように、弁停止制御スケジュールの作成を行うことができる。このように、吸排気弁9の作動を停止させることのできる停止可能回数の範囲内で弁停止制御スケジュールの作成を行うことができるため、ECUの消費電流と発熱量を抑えながら制御を行うことができる。また、ECUの消費電流と発熱量を一定の範囲内に抑えながらも、各停止タイミングにおける各停止時間を合計した停止総時間が最長となるように、弁停止制御スケジュールを作成することによって、フューエルカットの時間を長くすることが可能となり、燃費が最良となるような弁停止制御を行うことが可能となる。以上によって、本実施形態に係る運転制御装置100によれば、制御上の一定の制限下において、燃費の向上を図ることができる。
また、本実施形態に係る運転制御装置100では、弁停止制御スケジュール作成部12が、運転者の運転状況に関する運転履歴情報に基づいて弁停止制御スケジュールの作成を行うことができる。このように、運転者の運転のクセや傾向を考慮して弁停止制御スケジュールの作成を行うことによって、弁停止制御スケジュールの精度を一層向上させることができる。
また、本実施形態に係る運転制御装置100では、弁停止制御スケジュール作成部12が、車両の走行状況に関する走行履歴情報に基づいて弁停止制御スケジュールの作成を行うことができる。このように、過去に同一の経路を走行したことがある場合は、走行履歴情報を考慮して弁停止制御スケジュールの作成を行うことによって、弁停止制御スケジュールの精度を一層向上させることができる。
[第二実施形態]
図5を参照して本発明の第二実施形態に係る運転制御装置200について説明する。本発明の第二実施形態に係る運転制御装置200の構成を示すブロック構成図である。第二実施形態に係る運転制御装置200は、ハイブリッド自動車において、弁停止制御スケジュール作成部12で作成した弁停止制御スケジュールに基づいて、バッテリの充電量を好適に制御することができる点で、第一実施形態に係る運転制御装置100と主に相違している。図5は、本発明の第二実施形態に係る運転制御装置200の構成を示すブロック構成図である。図5に示すように、第二実施形態に係る運転制御装置200は、第一実施形態に係る運転制御装置100に加えて、バッテリ21、PCU22、第一電動機23、第二電動機24、モータ制御ECU26を備えている。
バッテリ21は、ハイブリッド自動車用の充電池であり、第一電動機23及び第二電動機24によって回生充電可能に構成されている。PCU22は、インバータ制御部及びインバータとして機能し、バッテリ21から出力される電流を交流に変換して第一電動機23及び第二電動機24へ出力し、第一電動機23及び第二電動機24から出力される電流を直流に変換してバッテリ21へ出力する機能を有している。第一電動機23及び第二電動機24は、ハイブリッド自動者の駆動部として機能すると共に、バッテリ21を充電するための発電機として機能する。モータ制御ECU26は、第一電動機23及び第二電動機24の制御やバッテリ21の充電量(SOC)を制御する機能を有しており、停止タイミング推定部(停止タイミング推定手段)28、SOC・MG制御部(充電量制御手段)29を有している。
停止タイミング推定部28は、弁停止制御スケジュール作成部12で作成された弁停止制御スケジュールに基づいて、経路内において停止時間が最長となる停止タイミングを推定する機能を有している。吸排気弁9が停止しているときは、ポンピングロスの低減によって、発電機によるエンジン連れまわしトルクが低減されるため、バッテリ21の回生効率が向上する。経路中の複数の停止タイミングのうち、停止時間が長い停止タイミングでは、回生効率の高い状態が長時間続くため、停止タイミング推定部28で当該停止タイミングを推定する。停止タイミング推定部28は、推定結果をSOC・MG制御部29へ出力する機能を有している。
SOC・MG制御部29は、第一電動機23及び第二電動機24を制御する機能を有しており、これによってバッテリ21の充電量を制御する機能を有している。SOC・MG制御部29は、通常運転時においては、バッテリ21の充電量を50〜60%程度に制御する。特に、本実施形態においては、SOC・MG制御部29は、停止タイミング推定部28によって推定された所定の停止タイミングに到達する前に、通常運転時に比してバッテリ21の充電量を低くするように制御する機能を有している。当該制御処理の詳細については後述する。SOC・MG制御部29は、PCU22を介して第一電動機23及び第二電動機24へ制御信号を出力する機能を有している。
次に、図6を参照して、第二実施形態に係る運転制御装置200の動作について説明する。図6は、第二実施形態に係る運転制御装置200における運転制御処理を示すフローチャートである。本実施形態において、この処理は、ECU2及びモータ制御ECU26において、ナビゲーションシステム3で出発地と目的地を設定し、車両が運転を開始するときに所定のタイミングで実行される。
図6に示すように、ECU2は弁停止制御処理を行う(ステップS22)。このS22の処理は、図3で示した処理内容と同じ処理が行われる。次に、モータ制御ECU26の停止タイミング推定部28は、経路内において吸排気弁9が停止する停止タイミングのうち、最も停止時間が長いものを推定する(ステップS30)。図4に示す例では、停止時間の最も長い停止タイミングT7が、弁停止して回生効率の高い状態が最も長く続く区間であると推定される。
次に、SOC・MG制御部29は、S30で推定された停止タイミングに到達する前に、通常運転時(SOC=50〜60%)に比してバッテリ21の充電量が低くなるように、SOC制御計画を作成する(ステップS32)。その後、SOC・MG制御部29は、S32で作成したSOC制御計画に従って、最長の停止時間を有する停止タイミングに到達する前に、バッテリ21の充電量が低くなるように、第一電動機23及び第二電動機24を制御する(ステップS34)。S34が終了すると、図6に示す制御処理が終了する。
以上によって、第二実施形態に係る運転制御装置200によれば、バッテリ21の十分な充電が見込める区間である長時間の弁停止を行うことのできる区間にたどり着く前に、通常運転時よりもバッテリ21の充電量を低くなるように、第一電動機23及び第二電動機24を制御することによって、エネルギー効率の向上を図ることができる。
なお、永久磁石ソレノイド7の弁停止機構が故障していた場合、正常に動作していたときよりも回生効率が悪化するため、SOCの回復量が減少する。従って、このような場合に上述の制御を続行すると、SOCが所望の値まで回復しない可能性がある。従って、弁停止機構が故障している場合は、回生効率の悪化を見越してSOCが低くなるように制御することを中止することができる。あるいは、弁停止機構が故障していない場合に比して、SOCの下げ率を抑えて制御することができる。
[第三実施形態]
図7を参照して本発明の第三実施形態に係る運転制御装置300について説明する。図7は、本発明の第三実施形態に係る運転制御装置300の構成を示すブロック構成図である。第三実施形態に係る運転制御装置300は、ハイブリッド自動車において、永久磁石ソレノイド7における弁停止機構が故障して正常に吸排気弁9の弁停止を行うことができない場合の制御を行うことができる点で、第一実施形態に係る運転制御装置100と主に相違している。図7に示すように、第三実施形態に係る運転制御装置300は、第一実施形態に係る運転制御装置100に加えて、筒内圧センサ31、振動センサ32、吸気量センサ33、触媒温度センサ34、表示部35を備え、ECU2内に異常検出部(異常検出手段)36、開閉カウント部37、劣化推定部(劣化推定手段)38を備えている。
筒内圧センサ31は、筒内圧を検出し、検出結果をECU2の異常検出部36へ出力する機能を有している。振動センサ32は、ノックセンサなどから構成され、バルブの着座振動を検出し、検出結果をECU2における異常検出部36及び開閉カウント部37へ出力する機能を有している。吸気量センサ33は、エアフロメータなどによって構成されており、吸入空気量を検出してECU2の劣化推定部38へ出力する機能を有している。触媒温度センサ34は、内燃機関8において排気を浄化するための触媒の温度を検出し、ECU2の劣化推定部38へ出力する機能を有している。表示部35は、ナビゲーションシステム3で設定された経路を運転者に表示するための液晶表示ディスプレイなどから構成されており、劣化推定部38の推定結果に基づいて、触媒が完全劣化するまでにどのくらいの時間がかかるかや、どのくらいの距離を走行できるかの情報を表示し、あるいは、走行可能な範囲内でナビゲーションシステム3によって検索されたディーラーへの走行経路を表示する機能を有している。
異常検出部36は、筒内圧センサ31から取得される筒内圧値及び振動センサから取得されるバルブ着座振動の有無に基づいて、複数の永久磁石ソレノイド7の中で弁停止機構が故障したものの有無、及び故障したものの位置と個数を特定する機能を有している。異常検出部36は、検出結果を開閉カウント部37へ出力する機能を有している。
開閉カウント部37は、異常検出部36で弁停止機構が故障したと特定された永久磁石ソレノイド7に対応する吸排気弁9の開閉回数をカウントする機能を有している。フューエルカット中においては、弁停止機構が故障していない永久磁石ソレノイド7に対応する吸排気弁9は正常に弁停止が行われるが、弁停止機構が故障した永久磁石ソレノイド7に対応する吸排気弁9は引き続き開閉動作が行われてしまうからである。開閉カウント部37は、開閉回数を劣化推定部38へ出力する機能を有している。
劣化推定部38は、吸気量センサ33から取得された吸入空気量、触媒温度センサ34によって取得された触媒温度、及び開閉カウント部37から取得された開閉回数に基づいて、触媒劣化の進行度合いを推定する機能を有している。劣化推定部38は、推定結果に基づいて触媒が完全劣化するまでにどのくらいの時間がかかるかや、どのくらいの距離を走行できるかを推定して表示部35へ出力し、あるいは走行可能な範囲内で到達可能なディーラーをナビゲーションシステム3に検索させて検索結果を表示部35へ出力する機能を有している。また、劣化推定部38は、触媒劣化が一定以上進行していると推定した場合に、フューエルカットを中止するべく弁停止制御を中止するように、吸排気弁停止・復帰指示部11へ要求を出力する機能を有している。
次に、図8を参照して、第三実施形態に係る運転制御装置300の動作について説明する。図8は、第三実施形態に係る運転制御装置300における運転制御処理を示すフローチャートである。本実施形態において、この処理は、ECU2において、ナビゲーションシステム3で出発地と目的地を設定し、車両が運転を開始するとき、及びその後運転を行っている最中に所定のタイミングで実行される。
図8に示すように、ECU2は弁停止制御処理を行う(ステップS22)。このS22の処理は、図3で示した処理内容と同じ処理が行われる。次に、異常検出部36は、筒内圧センサ31から取得した筒内圧値及び振動センサ32から取得したバルブの着座振動に基づいて、永久磁石ソレノイド7の中で弁停止機構に異常があるものが存在するか否かを検出する(ステップS40)。S40の処理において、異常なしと判定されると、再びS40を繰り返し、引き続き異常の監視を行う。一方、S40の処理において、異常があると判定されると、異常検出部36は、筒内圧センサ31から取得した筒内圧値及び振動センサ32から取得したバルブの着座振動に基づいて、永久磁石ソレノイド7の弁停止機構のうち、故障しているものの位置と個数を推定する(ステップS42)。
次に、開閉カウント部37は、S42で特定された永久磁石ソレノイド7に対応する吸排気弁9について、振動センサ32から取得する着座振動の検出回数に基づいて、フューエルカット中に開閉した回数をカウントする(ステップS44)。S44の処理の後、劣化推定部38は、吸気量センサ33の出力結果、及びS44でカウントした開閉回数に基づいて、フューエルカット中に触媒へ流入する新気量を算出する(ステップS46)。次に、劣化推定部38は、S46で算出した新気量、及び触媒温度センサ34から取得した触媒温度に基づいて触媒劣化の進行度合いを推定する(ステップS48)。
S48で触媒劣化の進行度合いを推定した後、劣化推定部38は、推定した触媒劣化の進行度合いに応じて、触媒が完全劣化するまでに走行することのできる走行距離や走行時間を推定する(ステップS50)。また、劣化推定部38は、触媒が完全劣化するまでに到着することのできる範囲内にあるディーラー情報をナビゲーションシステム3に検索させて取得する(ステップS52)。更に、劣化推定部38は、ステップS50で取得した走行距離や走行時間を表示部35を介して運転者に通知すると共に、検索したディーラー情報及びそこまでに至る経路情報を表示部35を介して運転者に通知する(ステップS54)。
また、劣化推定部38は、S48で推定した触媒劣化の進行度合いが所定値以上である場合、触媒が完全劣化しないように、フューエルカットを中止させるべく、吸排気弁停止・復帰指示部11に対して弁停止制御の中止を要求する(ステップS56)。S56の処理が終了すると、図8に示す処理が終了する。
以上によって、第三実施形態に係る運転制御装置300によれば、劣化推定部38が、排気浄化の触媒が完全劣化するまでの走行距離や走行時間を推定することができるため、当該情報を運転者に通知することによって、フューエルカットを引き続き行いつつも、運転者にディーラーへ向かわせることができる。特に、それらの情報に基づいて到達可能なディーラーへの経路情報を提供することも可能となる。また、触媒劣化の進行度に基づいて、完全劣化する前にフューエルカットを中止させることも可能となる。
[第四実施形態]
本発明の第四実施形態に係る運転制御装置400について説明する。第四実施形態に係る運転制御装置400は、既に作成された弁停止制御スケジュールに基づいて触媒劣化の推定を行う点で、第三実施形態に係る運転制御装置300と主に相違している。第四実施形態に係る運転制御装置400の構成は、第三実施形態に係る運転制御装置300と同様の構成を備えている。
図9を参照して、第四実施形態に係る運転制御装置400の動作について説明する。図9は、第四実施形態に係る運転制御装置400における運転制御処理を示すフローチャートである。本実施形態において、この処理は、ECU2において、ナビゲーションシステム3で出発地と目的地を設定し、車両が運転を開始するとき、及びその後運転を行っている最中に所定のタイミングで実行される。
図9に示すように、ECU2は弁停止制御処理を行う(ステップS22)。このS22の処理は、図3で示した処理内容と同じ処理が行われる。次に、異常検出部36は、異常検出処理(ステップS50)を行うと共に、永久磁石ソレノイド7の弁停止機構の故障の位置及び個数を特定する(ステップS52)。S50及びS52の処理においては、第三実施形態の図8におけるS40及びS42と同様の処理が行われる。次に、劣化推定部38は、S22において作成された吸排気弁9の弁停止制御スケジュールに基づき、弁停止機構が故障した地点から目的地に到達するまでの間における弁停止の回数、及び停止時間を推定する(ステップS54)。例えば、図4に示す例では、停止タイミングT6と停止タイミングT7との間で弁停止機構の故障が検出された場合、当該地点から目的地までの間に停止タイミングT7〜T11において弁停止がなされるため、弁停止回数が5回で、停止時間は停止タイミングT7〜T11の停止時間の総和となる。
次に、劣化推定部38は、S54の推定結果に基づき、故障地点から目的地までの間における触媒劣化の進行度合いを推定する(ステップS56)。具体的には、劣化推定部38は、S54で推定された停止回数、停止時間、触媒温度センサ34によって取得される触媒温度、及びS52で特定した故障した弁停止機構の位置と個数に基づき、故障地点から目的地までに、触媒がどの程度劣化が進むかを推定する。このとき、触媒劣化の進行度合いを表示部35を介して運転者に通知してもよい。
次に、劣化推定部38は、S56で推定した触媒劣化の進行度合いに基づいて、触媒が完全劣化する前に到達することのディーラー情報を、ナビゲーションシステム3からの経路情報に基づいて取得する(ステップS58)。劣化推定部38は、到達できるディーラーがあるか否かを判定する(ステップS60)。S60において、到達できるディーラーが存在すると判定された場合は、劣化推定部38は、表示部35を介して、触媒が完全劣化する前にディーラーへ到達することができること、及び当該ディーラーの場所を通知する(ステップS62)。S62の処理が終了すると、図9に示す処理が終了する。
一方、S60の処理において、到達することのできるディーラーが存在しないと判定された場合、弁停止制御スケジュール作成部12は、故障地点を新たな出発地とし、最寄のディーラーを新たな目的地として、再度、弁停止スケジュールを作成する(ステップS64)。S64では、S22における処理と同様の処理が実行される。次に、吸排気弁停止・復帰指示部11は、S64で作成した新たな弁停止制御スケジュールに基づいて、弁停止制御を行う(ステップS66)。S6の処理が終了すると、図9に示す処理が終了する。
以上によって、第四実施形態に係る運転制御装置400によれば、劣化推定部38が、作成した弁停止制御スケジュールに基づくことによって、故障した時点で(故障後に走行する必要なしに)、故障地点から目的地までの排気浄化の触媒の触媒劣化の進行度合いを推定することができる。また、故障地点から到達可能なディーラーを通知することで、フューエルカットを中止して燃費の悪化を招く必要性なく、触媒の完全劣化を防止しながら、ディーラーへ案内することができる。更に、完全劣化までに到達できるディーラーがなかったとしても、故障地点を出発地、ディーラーを目的地として再度、弁停止制御スケジュールを作成することで、触媒の完全劣化を防止しながら、最大限の燃費効果を得ることができるように、ディーラーへ案内することができる。
[第五実施形態]
本発明の第五実施形態に係る運転制御装置500について説明する。第五実施形態に係る運転制御装置500は、永久磁石ソレノイド7の弁停止機構の故障状態を考慮して車両制御を行う点で、第二実施形態に係る運転制御装置200と主に相違している。第五実施形態に係る運転制御装置500の構成は、第二実施形態に係る運転制御装置200と同様の構成を備えており、更にECU2又はモータ制御ECU26は、永久磁石ソレノイド7の弁停止機構の故障を検出する機能、及び当該故障状態(すなわち、弁停止を行うことができないタイプの故障か、あるいは、吸排気弁9を閉じたまま動かないタイプの故障か)を検出する機能を有している。
図10を参照して、第五実施形態に係る運転制御装置500の動作について説明する。図10は、第五実施形態に係る運転制御装置500における運転制御処理を示すフローチャートである。本実施形態において、この処理は、ECU2及びモータ制御ECU26において、ナビゲーションシステム3で出発地と目的地を設定し、車両が運転を開始する際、及びその後運転を行っている最中に永久磁石ソレノイド7の弁停止機構が故障した場合について実行されるものとして説明する。
図10に示すように、ECU2は弁停止制御処理を行う(ステップS22)。このS22の処理は、図3で示した処理内容と同じ処理が行われる。次に、モータ制御ECU26は、SOC制御処理を行う(ステップS24)。S24の処理では、第二実施形態の図6におけるS30〜S34と同様の処理が実行される。
次に、ECU2(あるいはモータ制御ECU26でもよい)は、永久磁石ソレノイド7の弁停止機構の故障を検出すると共に、故障状態を検出する(ステップS70)。次に、ECU2あるいはモータ制御ECU26は、弁停止機構の故障状態が「弁停止が不可能な状態」であるか否かを判定する(ステップS72)。S76において、弁停止が不可能な状態であると判定された場合、長時間フューエルカットができることを見込んでバッテリ21の充電量が低くなるような制御計画を作成した場合であっても、故障による回生効率の悪化を見込んで、バッテリ21の充電量が高めになるように制御する(ステップS74)。また、触媒劣化を防止すべく、ECU2は、ナビゲーションシステム3に、フューエルカットが少ない経路(例えば、長い下り坂のない経路など)を検索させて、再設定する(ステップS76)。S76の処理が終了すると、図10に示す処理が終了する。
一方、S72において、弁停止が不可能な状態ではない、すなわち「吸排気弁9が閉じたまま開かない状態」であると判定された場合は、強制的な減筒運動で出力低下しているため、ECU2は、ナビゲーションシステム3に、走行負荷の小さい経路(上り坂のない経路など)を検索させて、再設定する(ステップS78)。S78の処理が終了すると、図10に示す処理が終了する。
ここで、ハイブリッド自動車において、フューエルカットを行っている際、正常に弁停止機構が弁停止を行っている場合は、バッテリ21の回生効率が向上する。しかしながら、弁停止機構が故障して弁停止を行うことができない場合は、回生効率の向上が見込めない。このような場合に、例えば第二実施形態における制御のように、弁停止によって高い回生効率が得られることを前提として制御を行っていると、予定よりも充電がなされないという事態が生じ、バッテリ21の寿命低下やエネルギー効率の低下を招く場合がある。また、故障によって弁停止が不可能な状態でフューエルカットを継続すると触媒が劣化してしまう。更に、吸排気弁9が閉じたまま開かないようなタイプの故障の場合は、強制的な減筒運動となるため、走行負荷の大きい経路を走行すると、パワー不足やアクセルの踏みすぎなどの状態を招く可能性がある。
しかしながら、第五実施形態に係る運転制御装置500によれば、弁停止機構が弁停止を行うことができないことを検出した場合にバッテリ21の充電量が高くなるように制御することにより、予定よりも充電がなされないという事態を防止することができる。これによって、バッテリ寿命の低下やエネルギー効率の低下を防止することができる。また、このような場合に、フューエルカットの少ない経路を再設定することによって、触媒劣化を抑制することができる。更に、弁停止機構の故障により吸排気弁9が閉じたまま開けることができない場合に走行負荷の小さい経路を再設定することによって、パワー不足やアクセルの踏み過ぎを防止することができる。
[第六実施形態]
本発明の第六実施形態に係る運転制御装置600について説明する。第六実施形態に係る運転制御装置600は、ディーゼル車などのように、NOx浄化用の吸蔵型NOx触媒を用いることを前提とした車両についての車両制御を行う点で、第一実施形態に係る運転制御装置100と主に相違している。第六実施形態に係る運転制御装置600の構成は、第一実施形態に係る運転制御装置100と同様の構成を備えており、更にECU2は、NOx吸蔵量を推定する機能や、それによって、どのタイミングでフューエルカットあるいはNOxパージを行うかを判断する機能を有している。
図11を参照して、第六実施形態に係る運転制御装置600の動作について説明する。図11は、第六実施形態に係る運転制御装置600における運転制御処理を示すフローチャートである。本実施形態において、この処理は、ECU2において、ナビゲーションシステム3で出発地と目的地を設定し、車両が運転を開始する際、及び運転している最中、所定のタイミングで実行される。
図11に示すように、ECU2は弁停止制御処理を行う(ステップS22)。このS22の処理は、図3で示した処理内容と同じ処理が行われる。次に、ECU2は、フューエルカットが長い区間を特定する(ステップS80)。具体的には、S22の中で作成した弁停止制御スケジュール(例えば、坂道が続く距離、車速、運転者の過去の運転履歴などに基づいている)の中から、所定時間よりも長時間弁停止が行われると推定される区間を推定する。図4に示す例では、例えば停止タイミングT7の区間を長時間弁停止が行われる区間であると推定することができる。
次に、ECU2は、前回のNOxパージ実施からの経過時間を計測しておくことによって、NOx吸蔵量を推定する(ステップS82)。また、ECU2は、S82で推定したNOx吸蔵量に基づいて、次にNOxパージを行わなくてはならない限界時間を推定する(ステップS84)。次に、ECU2は、S84で推定した限界時間とS80で特定した区間における吸排気弁9の停止時間とを比較し、停止時間が限界時間を超過するか否かを判定する(ステップS86)。停止時間が限界時間を超過する場合は、NOxパージを行わなくてはならない時間になってもフューエルカットが終了しないと予測できるため、S80で特定した区間においても、弁停止によるフューエルカットを中止して、NOxパージを行う(ステップS88)。一方、S86において停止時間が限界時間を超過しないと判定した場合は、予定通りフューエルカットを行う(ステップS90)。S88あるいはS90が終了すると、図11に示す処理が終了する。なお、弁停止制御スケジュールによって、停止時間が所定時間よりも短く、短時間しかフューエルカットが行えないと予測される停止タイミングでは、フューエルカットを行わずNOxパージを優先して行う。
ディーゼル車などで用いられるNOx浄化用のNOx触媒においては、一定量のNOxを吸蔵したら混合気をリッチにしてNOxを還元し、触媒からNOxをパージさせる制御が行われる。車両加速時や高負荷時は、もともと混合気がリッチなので、このタイミングでNOxパージするとオーバーリッチとなってしまう。一方、フューエルカットを行うタイミングで当該フューエルカットを中止してNOxパージを行うと、燃費が悪化してしまう。しかしながら、第六実施形態に係る運転制御装置600によれば、作成した弁停止制御スケジュールに基づいて、吸排気弁9の停止時間が所定時間よりも短いと判定される停止タイミングにおいては、弁停止を行わずにNOxパージを行うことができる。これによって、所定時間より長く弁停止を行える停止タイミングではフューエルカットを行って燃費悪化を抑制しつつも、短い弁停止しか行えない停止タイミングでは、弁停止の代りにNOxパージを行うことができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の第一実施形態においては、弁停止制御スケジュールは、弁停止の回数(すなわち選択する停止タイミングの個数)を停止可能回数と同一としたが、停止可能回数の範囲内で選択すればよく、停止可能回数よりも少なくしてもよい。