JP5261310B2 - 太陽電池素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は太陽電池素子の製造方法に関する。
近年、太陽電池素子を複数備えてなる太陽電池モジュールは、
以下に、従来のシリコン太陽電池素子の代表的な製造工程について図7(a)〜(e)をもとにして説明する。
まず、図7(a)のように、一導電型(p型)を有するシリコン基板11を準備する。次いで、図7(b)に示すように、シリコン基板11の表面側近傍の全面に逆導電型(n型)の不純物を一定の深さまで拡散させて、n型を呈する拡散層12を形成し、シリコン基板11と拡散層12の界面にpn接合部12aを形成する。
次に、図7(c)に示すように、シリコン基板11の表面にプラズマCVD法などにより窒化シリコン膜からなる反射防止膜13を形成する。また、拡散層12をシリコン基板11に対して物理的に分離するpn分離工程として、シリコン基板11の非受光面11b側の周囲端部に溝12bを形成する。
次に、図7(d)に示すように、シリコン基板11の受光面11a側の表面に銀等からなる受光面電極14を、また非受光面側の表面にアルミ等からなる非受光面集電電極15、及び銀等からなる非受光面出力取出電極16を形成するために、それぞれのパターンに従って電極ペーストをスクリーン印刷する。図7(e)には、これら電極ペーストを焼成し各電極を形成した状態の太陽電池素子の断面図が示されており、受光面電極15は電極ペーストに含まれるガラス成分により反射防止膜3が侵食されシリコン基板11と電気的に導通する。また、アルミペーストを焼成することによって、非受光面集電電極15の形成と同時に非受光面側にはp領域17が形成される。
図8には上記pn分離工程を行わない場合の太陽電池素子の構造が示されているが、図中、p領域17と拡散層12の接している部分はp+/n接合界面となっており、非受光面集電電極15、p領域17、拡散層12、そして受光面電極4の経路で電気的にリークが発生し易いため、上述したpn分離工程が必要となる。
特許文献1、2には、上記pn分離工程に関して、従来の溝12b形成よりも簡便な方法として、上記pn接合上にシリコンを溶融せしめる性質を有したpn分離材を設けて焼成するというpn分離方法が開示されている。特許文献2には、このようなpn分離材としてPb系のガラスフリットを使用することが開示されている。
特開昭56−169378号公報 特開平10−233518号公報
しかしながら、上記した特許文献1、2に開示されたガラスペーストでは、pn分離箇所におけるpn分離抵抗がばらつくことからリーク電流が大きく、太陽電池特性(FF)が低下する場合があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、pn分離抵抗が大きい太陽電池素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の太陽電池素子の製造方法は、一導電型を有するシリコン基板と、該シリコン基板の表面に、前記一導電型と反対の導電型を有する逆導電型層と、を備えた太陽電池素子の前記シリコン基板と前記逆導電型層との界面に形成されたpn接合部を部分的に分離するpn分離工程を備えた太陽電池素子の製造方法であって、
前記pn分離工程は、pn分離を行う前記pn接合部上にビスマスまたはセリウムを主成分とするガラスからなるpn分離材を塗布した後、前記pn分離材を焼成して前記シリコン基板との酸化還元反応によって酸化ケイ素層が形成される工程を含む
本発明の太陽電池素子の製造方法によれば、pn分離材にシリコン基板と酸化還元反応を行う材料を用いることにより、拡散層を効率良く分離することができるため、従来に比べてpn分離抵抗が大きく、リーク電流を小さくすることができ、太陽電池特性(FF)が大きい太陽電池素子を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の製造方法の製造工程を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の製造方法で製造される太陽電池素子の非受光面側の平面図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の製造方法で製造された太陽電池素子の反応領域を示す部分拡大図である。 反応領域におけるXPS測定値の結果を示すグラフである。 pn分離抵抗の測定方法を示す概略図である。 本発明の実施例および比較例におけるpn分離抵抗値と焼成ピーク温度の関係を示すグラフである。 従来の太陽電池素子の製造工程を示す断面図である。 pn分離をしない場合のシリコン太陽電池素子の断面図である。
以下、本発明の太陽電池素子の製造方法の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、図1(a)のように、シリコン基板1を準備する。このようなシリコン基板1の材質としては、例えば、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンを用いることができる。また、シリコン基板1は、予め、シリコン基板中にリン、またはホウ素を添加してn型またはp型の導電型を呈したものが用いられる。なお、以下では、p型の導電型を有するシリコン基板1の例で説明するが、n型の導電型を有するシリコン基板を用いてもよい。
次に、図1(b)に示すように、シリコン基板1の表面側に、p型と逆の導電型を有するn型の不純物を所定の深さまで拡散させて、n型を呈する逆導電型層となる拡散層2を形成する。これにより、シリコン基板1と拡散層2との界面にpn接合部2aが形成される。この拡散層2は、0.2〜0.5μm程度の深さ、シート抵抗が30〜300Ω/□程度に形成される。n型の不純物の拡散の方法としては、例えば、リンを含有する物質、例えばPを主成分とするペーストを、シリコン基板1表面に塗布し熱処理する塗布拡散、もしくはPOClを含有するガスを供給して高温ガス処理炉中で処理するガス拡散などの方法をとることができる。また、シリコン基板1の表面に形成されたリンガラスはフッ酸又はフッ酸と硝酸の混合液を用いて除去される。なお、シリコン基板1の表面とは、図1(b)に示すように、シリコン基板1の受光面1a、非受光面1b、またはシリコン基板1の側面を指しており、いずれの面であってもよい。
次に、図1(c)に示すように、シリコン基板1の表面に反射防止膜3を形成する。反射防止膜3の材質としては、例えば、窒化シリコンや酸化チタンを用いることができる。窒化シリコンの反射防止膜は、例えば、熱CVD法もしくはプラズマCVD法により形成することができる。また、酸化チタンの反射防止膜は、例えば、チタンを含む有機液体材料を上記半導体基板上に塗布して焼成する方法もしくは熱CVD法により形成することができる。次いで、シリコン基板1の非受光面1b側の所望の位置(同図中、シリコン基板1の端部近傍)にpn分離材8を塗布する。次いで、pn分離材8を焼成してpn分離を行うが、このpn分離工程の詳細については後述する。
次に、図1(d)に示すように、シリコン基板1の受光面1aに受光面電極4を形成するために、例えば、銀ペーストを所定のパターンに塗布する。次いで、シリコン基板1の非受光面1bに非受光面出力取出電極6を形成するために、例えば、銀ペーストを所定のパターンに塗布する。さらに、シリコン基板1の非受光面1bに非受光面集電電極5を形成するために、例えば、アルミペーストを非受光面出力取出電極6の一部に接するようにして、所定のパターンで塗布する。
次に、上記した各電極となるペーストを焼成する。なお、図1(e)には、これらペーストを焼成した後の太陽電池素子の模式図を示す。ここで、受光面電極4の銀ペーストには、ガラスフリットが含有されており、700℃〜850℃の温度で焼成すると当該ガラス成分により反射防止膜3が侵食され、受光面電極4とシリコン基板1とが電気的に導通する。また、アルミペーストを焼成することにより、非受光面集電電極5とシリコン基板1との間にp領域7が形成される。これはアルミニウムが拡散して形成された高濃度p型の領域でBSF層と呼ばれるものである。
以上の工程を経て製造された太陽電池素子には、電気出力を外部に取り出すために、銅薄板などのリード線が受光面電極4及び非受光面出力取出電極6にハンダ等により接続される。
次に、本実施形態に用いられるpn分離材についてより詳細に説明する。
pn分離材8は、シリコンと酸化還元反応する材料が用いられる。このような材料としては、例えば、Bi(ビスマス)やCe(セリウム)を主成分とするガラスが用いられる。なお、主成分とはガラスの組成において、その中で一番多く含有する成分とする。具体的に、Biを主成分とするガラスとしては、例えば、酸化ビスマスを重量比率で70質量%以上90質量%以下、その他の成分として酸化ホウ素、酸化ケイ素などを含有するガラスフリットを用いることができる。このように、pn分離材8として、ビスマスを主成分として含有するガラスを用いれば、従来のPb系ガラスと比較して、高いpn分離抵抗値が得られる。さらに、pn分離材8が、ガラスに酸化ビスマスを70質量%以上90質量%以下含有するものを用いれば、pn分離材8の焼成温度を600℃程度の低温に設定することが可能となり、このような低い焼成温度にて充分なpn分離抵抗値が得られ、高い焼成温度によるシリコン基板1へのダメージを低減することができ、良好な太陽電池特性を得ることができる。また、ガラスフリットは、酸化ホウ素と酸化ケイ素の合計を6質量%以上とすれば、焼成後のガラス化を促進するという観点から好適である。このようなガラスフリットには、上述の酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化ケイ素の他に、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化セレン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化リチウム及び酸化銅等を適宜含有させてもよい。なお、pn分離材8は、上記組成を有するガラスフリットを単独で用いるのみならず、異なる組成を有する他のガラスフリットを混合して用いてもよい。また、ガラスフリットの成分として、酸化鉛を含まないことが環境面からも好ましい。
上述したガラスフリットは、例えば、原料となる酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化ケイ素等を組成比に合わせて混合し、1500℃〜2500℃以上の高温にてそれらを溶融した後、水中などに投下して急冷してガラス化し、ボールミルなどで微粉化することにより得られる。上記方法にて作成したガラスの熱膨張係数は、シリコンの熱膨張係数2.5×10−6/degになるべく近い値にすることができるため、未反応のガラス部とシリコン基板との熱収縮量の差により、焼成後の冷却時に発生するクラックを低減することができる。
ガラスの粒径は、ペースト中の分散性を考慮して、粒径D50が1〜5μmのものを用いることが好ましく、加えて、粒径D25が粒径D50の0.4〜0.6倍、粒径D75が粒径D50の1.5〜1.8倍であることがさらに好ましい。なお、粒径D25、D50、D75の測定方法としては、評価対象の試料を水に浸漬し、約10分間超音波処理したのちレーザー回折散乱法を用いることができ、D25、D50およびD75はそれぞれ、レーザー回折散乱法による体積基準に基づく粒度分布で頻度25、50、75%の粒径であり、一般的なマイクロトラック法により測定から計算が可能である。なお、pn分離材8はガラスフリットのみならず、ガラスの形態をとらない酸化ビスマスを使用することもできる。
次に、本実施形態のpn分離工程についてより詳細に説明する。
まず、pn分離材8をシリコン基板1の拡散層2の所望の上面に塗布する。本実施形態において、pn分離材8は、図2に示すように、シリコン基板1の非受光面1b側で、例えば、シリコン基板1の端部付近の外周に沿って塗布される。なお、pn分離材8は、シリコン基板1の外周端部に配置してもよいし、基板端部から数mm内側に配置してもよい。
pn分離材8の塗布方法としては、例えば、上述した酸化ビスマス等のpn分離材8と有機ビヒクルからなるペーストをスクリーン印刷、ロールコーター印刷、あるいはディスペンサー塗布法等を用いることができる。また、上記ペーストには、所定の有機ビヒクルを、pn分離材100重量部に対して10〜30重量部を添加すれば、塗布作業性を良好にするという観点から好適である。
シリコン基板1に塗布されたpn分離材8の塗布厚みとしては、例えば、5〜30μm程度とすることができる。また、線幅は0.3〜2mm程度とすることができる。
次に、pn分離材8を塗布したシリコン基板1を加熱炉で焼成する。加熱炉としては、例えば、搬送ベルト上にシリコン基板1を載置して炉体内部を通過する過程でランプヒーターなどの加熱手段により加熱するようなものを利用することができる。なお、pn分離材8を塗布したシリコン基板1は40〜100℃の空気雰囲気を有する乾燥部にて充分に乾燥させた後、焼成しても構わない。なお、焼成条件についてはダミーサンプルの温度を測定することによって焼成プロファイルを確認し、運転条件を適宜設定する。具体的方法としては、作製する太陽電池素子と同じ厚みのシリコン基板をダミーサンプルとし、シリコン基板に熱電対を設置した状態で炉内に投入し、炉内を通過した際の基板表面の温度を熱電対により測定することで焼成プロファイルを確認することができる。この焼成プロファイルの最大の温度を焼成ピーク温度として管理する。
次に、pn分離工程において、上記ペーストを焼成してpn分離が行われる現象について説明する。焼成前の状態では、上記ペーストは拡散層2と未反応の状態である。そして、焼成が進行するにつれてpn分離材8によって反応領域9がシリコン基板1の表面の拡散層2を破壊するように拡大し、図3に示すように、反応領域9のシリコン基板1の表面からの深さが、拡散層2の深さ以上となりpn分離が行われる。pn分離材8は、シリコン基板1のシリコンと酸化還元反応を行う材料を用いているため、図3に示すように、pn分離材8を配した直下にある反応領域9にはシリコンが酸化されて生成した酸化ケイ素層が形成され、その上のpn分離材8内のシリコン基板1に近接した領域には、pn分離材8が還元されて析出した還元物10が生成している。このように、拡散層2を分断するように酸化ケイ素層による絶縁領域が形成されるため、高いpn分離抵抗が得られリーク電流を小さくすることができる。pn分離材8として酸化ビスマスを主成分とするガラスを使用した場合には、還元物10としてはビスマス金属が生成される。なお、上記したpn分離材8とシリコン基板1との酸化還元反応において生成された物質については、例えば、XPS法(X線光電子分光法)を用いて測定することにより確認することが可能である。測定方法としては、例えば、酸化ビスマスを含むpn分離材8を焼成後、フッ酸等で処理することによって、シリコン基板1の表面近傍までpn分離材8をエッチングしたのち、pn分離材8をXPS法によりBi元素の分子結合状態(価数)を測定する。
測定条件としては、例えば、Arスパッターで表面から20nm程度エッチングし、モノクロAl(kα)で40.8Wのエックス線をスリット200μm、照射角45°以上の条件でBi(4f)ナロースペクトルを測定すればよい。なお、シリコン基板1と反応するpn分離材8とも比較するため、焼成後のpn分離材8をエッチングする前のpn分離材8の表面についても同条件で測定して比較した。
図4はXPS法の測定結果を示し、図4(a)はエッチング前、図4(b)はエッチング後の値である。グラフは横軸に原子結合エネルギー(Binding Energy eV)をとり、縦軸に検出強度(Count/sec)をとって示されている。両グラフにおいて、実線で示された測定値プロファイル曲線Aは、四つのサブピークに分解することができ、これら四つのサブピーク曲線は点線で示されている。これらサブピークはその頂点における原子結合エネルギーからピークの原子種を同定することができ、同グラフ中、左側から順にBi(Bi 4f5)からのXPS検出ピークa、Bi(Bi 4f5)からのXPS検出ピークb、Bi(Bi 4f7)からのXPS検出ピークc、Bi(Bi 4f7)からのXPS検出ピークdとなっている。なお、4f7はf軌道電子をエックス線で叩き出した際に生成するホールの軌道角運動量とスピン角運動量が平行な場合、4f5はこれが反平行な場合を示す記号である。
反応領域9から離れた部分、すなわち、pn分離材8の表面においては、図4(a)よりBiのピーク強度が高いことがわかる。ここで、若干、ビスマス金属のサブピークも認められるが、これはXPS測定において、測定対象をArスパッターによりエッチングする時に酸化物が一部還元されるという、測定上の要因によるものである。これに対して、反応領域9に近い部分においては、図4(b)よりビスマス金属のピーク強度が高いことがわかる。以上により、Bi系ガラスフリットによるpn分離材8の焼成過程において、ガラスフリット中のBiがシリコン基板1と反応し、還元されビスマスBiが生成したことが認められる。
このpn分離の性能はpn分離材8を設けた部分の電気抵抗を測ることで評価できる。例えば、図5に示すようにpn分離材8を挟んでその両側におけるシリコン基板1の表面に、任意ポイントにて一対の測定プローブ20’を押し当て、アナログ電流計を備えた測定装置20で1〜5V程度の電圧を印加して両測定プローブ20’間の電気抵抗を測定する。
また、pn分離材8を絶縁性の材料で構成すれば、pn分離材8の焼成後、pn分離材8をシリコン基板1上から除去しなくても、リーク等を低減することができる。また、反応領域9は、pn分離材8の焼成後、酸化シリコン層で構成された絶縁領域となるため、特段、除去する等の作業が不要となる。なお、pn分離材8としてCeを主成分とするガラスフリットを用いれば、還元物10が電気伝導度の低いCeとなるため、pn分離抵抗を一層向上させることができる。
pn分離工程は、電極の形成工程(焼成工程)と同時にすることによって、工程を簡略化することができ生産性を向上できる。特に、pn分離材8としてBi系ガラスフリットを用いれば、600℃〜700℃程度の低温で焼成しても良好なpn分離抵抗を有することから、電極形成の焼成プロファイルでも充分にリーク電流を小さく抑えることが可能であり、複数回、高温の熱が加わることによる拡散層2の半導体特性が劣化を低減することができる。また、ピーク温度が600℃程度で焼成される電極ペーストでも焼成工程を同時にすることが可能である。一方、電極形成とpn分離における焼成工程を個別に行ってもよく、独立して焼成することによりそれぞれの焼成条件の最適化が容易となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正および変更を加えることができる。例えば、熱膨張率がシリコンにより近い値になるように2種類以上のpn分離材を所定の割合で混合してもよく、焼成後の収縮応力を低減する事が可能となり、pn分離領域の水分侵入に対する長期信頼性を改善することができる。また、pn分離材を含有するペーストにアルミナ粉末などのフィラーを添加することにより、冷却過程における収縮量が低減することができる。
単結晶シリコン基板を準備し、シート抵抗が60Ω/□程度となるように基板表面に拡散層を形成し、上記単結晶シリコン基板をレーザーにより溝部を設け、溝部をスナッピングすることにより縦38mm、横14mmの試験片を作製した。そして、pn分離材を含有したペーストを試験片の中央部、縦方向に約1mmの幅でスクリーン印刷した。pn分離材としては、本発明の実施例としてPbを含有しないBi系ガラスフリットと、比較例としてPbを含有したZn系ガラスフリットの2種類を用いた。下記に2種類のガラスフリットの組成比を示す。
Figure 0005261310
試験片表面に塗布したペーストを十分に乾燥した後、焼成炉に投入し、各焼成ピーク温度にてpn分離材を焼成しpn分離を行った。
各条件の試験片においてpn分離材の左右の表面領域の任意ポイントに測定プローブ20’を押し当て、測定装置20で2.0Vの電圧を印加して両測定プローブ20’間の電気抵抗(pn分離抵抗)を評価した。
その結果を図6に示す。なお、横軸に焼成ピーク温度、縦軸がpn分離抵抗値を示している。図6のグラフより、実施例の方が比較例よりも約5倍程度pn分離抵抗が高いことが確認できた。また、pn分離抵抗が1×10Ω以上の値を得るのに、実施例は焼成ピーク温度が600℃以上であるのに対して、比較例は焼成ピーク温度が750℃以上であり、実施例においては焼成ピーク温度を低くしても高いpn分離抵抗を得ることが確認できた。
1:シリコン基板
1a:受光面
1b:非受光面
2:拡散層
2a:pn接合部
3:反射防止膜
4:受光面側電極
5:非受光面側集電電極
6:非受光面側出力取出電極
7:p+領域
8:pn分離材
9:反応領域
10:還元物
20:測定装置
20’:測定プローブ

Claims (5)

  1. 一導電型を有するシリコン基板と、該シリコン基板の表面に、前記一導電型と反対の導電型を有する逆導電型層と、を備えた太陽電池素子の前記シリコン基板と前記逆導電型層との界面に形成されたpn接合部を部分的に分離するpn分離工程を備えた太陽電池素子の製造方法であって、
    前記pn分離工程は、pn分離を行う前記pn接合部上にビスマスまたはセリウムを主成分とするガラスからなるpn分離材を塗布した後、前記pn分離材を焼成して前記シリコン基板との酸化還元反応によって酸化ケイ素層が形成される工程を含む太陽電池素子の製造方法。
  2. 前記pn分離材は、ビスマスを主成分とするガラスであり、前記ガラスは酸化ビスマスを70質量%以上90質量%以下含有する材料を用いた請求項1に記載の太陽電池素子の製造方法。
  3. 前記pn分離材を焼成する工程は600℃〜700℃の温度で行う請求項2に記載の太陽電池素子の製造方法。
  4. 前記シリコン基板の表面に電極を形成するために、該電極となるペーストを焼成する工程をさらに含み、前記ペーストの焼成を前記pn分離材の焼成と同時に行う請求項2または3に記載の太陽電池素子の製造方法。
  5. 前記ガラスは酸化ホウ素と酸化ケイ素とを合計で6質量%以上有している請求項2乃至4のいずれかに記載の太陽電池素子の製造方法。
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