JP2008159912A - 光電変換素子用導電性ペーストの作製方法、光電変換素子、および光電変換素子の作製方法 - Google Patents

光電変換素子用導電性ペーストの作製方法、光電変換素子、および光電変換素子の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池の裏面電極形成に伴う半導体基板の反りを抑制し、かつ面抵抗が小さく、密着強度が高い裏面電極を形成できる導電性ペーストを提供する。
【解決手段】裏面電極5の軟化点が400℃以下のガラス粉末があらかじめ固着させてなるAl粉末を用いる。これにより、ガラス粉末が裏面電極5の内部において微細均一に分散してなる状態が実現される。ガラス粉末が係る態様で存在することで、従来よりも低い300℃〜500℃という焼成温度でAlを液相焼結させることができる。これにより、焼成時に電極層と半導体基板との間に生じる応力の発生が抑制され、結果として、両者の熱膨張差に伴う半導体基板の反りは抑制されることになる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子用導電性ペーストおよびこれを用いて作製する光電変換素子に関し、特に、太陽電池の裏面電極層の形成に好適な導電性ペースト、およびこれを用いて作製する太陽電池に関する。
近年、環境保護の観点から家庭用の太陽電池の需要が著しく増加する傾向にある。太陽電池の構成としては、p型のSi基板の表面側にn+層を設け、裏面側にp+層を設けることでn+/p/p+接合を形成し、さらに受光面側となるn+層側に受光面電極を備え、反対側のp+層側には裏面電極を備える態様が、従来より広く採用されている。また、受光面側に反射防止膜を設けることも一般的である。
電極形成には、印刷法(塗布法)が広く用いられる。印刷法は、自動化が容易で生産性が高いという利点を有していることから、種々の電子デバイスの電極形成の手法として一般的な手法である。印刷法は、導電を担う金属粉末を有機バインダーや有機溶剤と混練した導電性ペースト(導体ペースト)をスクリーン印刷などの手法で被形成体に塗布した後、これを熱処理炉内で焼成することで有機成分を蒸発させ、金属粉末の焼結体としての電極を形成する手法である。
太陽電池の場合は、金属Al粉末を含む導電性ペースト(Alペースト)をSi基板の裏面側に塗布し、これを焼成することで、裏面電極の形成のみならずp+層の形成も併せて行える。具体的には、焼成によって裏面電極となるAlを主成分とするAl電極層が形成される際に、AlがSi基板に拡散することで、Alを不純物として含むp+層が形成される。裏面電極は、太陽電池において発生した電気を取り出す集電電極の役割を果たすものであり、p+層は、いわゆるBSF(Back Surface Field)効果を生じさせることで、裏面電極における集電効率を高める役割を果たしている。
一方、太陽電池のコストダウンを図るべく、Si基板の厚みを200μm以下とする薄層化が検討されている。係る薄層化を実現する上での問題点として、Si基板を薄くするほど、Al電極層との熱膨張差に起因した反りがSi基板に生じやすくなるということがある。Siの熱膨張率は2.5×10-6/degであるのに対し、Alは23.25×10-6/degと、両者は約10倍程度異なっている。この問題の解決を意図とする技術もすでに公知である(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−223813号公報
上述したSi基板の反りは、AlペーストをSi基板上に印刷し、焼成した後の降温時に、Al電極層とSi基板の熱膨張の違いに起因して生じるものである。具体的にいえば、焼成時に500〜600℃の温度に達すると、不動態としての役割を果たしていたAl粒子表面の非晶質酸化膜が結晶質に変わってAlの酸化が急激に進む一方で、酸化膜の間からAl粒子が露出し瞬間的にネック成長することで焼結は進行するが、その過程でAl電極層とSi基板との間に生じる応力を、両者の熱膨張差が大きいために降温時には吸収できなくなることが、反りの生じる原因である。
このような反りが生じると、その後の工程において自動機へのハンドリングミスが生じやすく、太陽電池素子の割れや欠けを発生させ、製造歩留まりを低下させるという問題がある。
係る問題の解決策として、Alペーストの塗布量を減らしてAl電極層を薄くすることにより、反る力を物理的に軽減する手法が想定される。しかしながらこの手法ではSi基板へのAlの拡散量が少なくなり、p+層が形成されにくく、発電効率が低下するという問題がある。
特許文献1には、Al粉末と、有機ビヒクルと、Alよりも熱膨張率が小さくかつAlの融点よりも溶融温度、軟化温度、分解温度のいずれかが高い無機化合物、具体的にはSiO2やAl23などを添加したペーストを用いて、裏面電極を形成する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示の方法では、Si基板の反りを低減することはできるものの、ペーストに添加した無機化合物が焼成後もそのままの形で存在するため、裏面電極内のAl粒子同士の結合が弱く、密着強度が低いという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、太陽電池その他の光電変換素子の作製に用いる導電性ペーストであって、半導体基板の裏面電極形成に伴う反りを抑制すると共に、面抵抗が小さく、密着強度が高い裏面電極を形成することができる導電性ペースト、およびこれを用いて作製する光電変換素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、光電変換素子用の半導体基板に電極を形成するための導電性ペーストの作製方法であって、導電性材料としてAl粉末の表面に軟化点が400℃以下であるガラス粉末を固着させてなる複合Al粉末を用いる、ことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の光電変換素子用導電性ペーストの作製方法であって、前記所定のAl粉末の平均粒径が1μm以下である、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の光電変換素子用導電性ペーストの作製方法であって、前記所定のガラス粉末の平均粒径が200nm以下である、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光電変換素子用導電性ペーストの作製方法であって、前記複合Al粉末の重量比率を70としたときの前記所定のガラス粉末の重量比率が0.1以上5以下である、ことを特徴とする。
請求項5の発明は、光電変換素子であって、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光電変換素子用導電性ペーストの作製方法にて作成された光電変換素子用導電性ペーストを用いて前記半導体基板の一方主面上にAlを主成分とする電極層を形成してなる、ことを特徴とする。
請求項6の発明は、Al粉末の表面に所定のガラス粉末を固着させて複合Al粉末を作製する工程と、前記複合Al粉末を導電性材料とする導電性ペーストを作製する工程と、前記導電性ペーストを用いて塗布法により光電変換素子用の半導体基板の一方主面上に電極層を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
請求項1ないし請求項6の発明によれば、ガラス粉末が均一に分散してなる電極層が形成されるので、熱膨張率の差に起因して電極層と半導体基板との収縮差が生じることが抑制され、結果として半導体基板の反りが抑制された光電変換素子を実現できる。
<導電性ペースト>
本実施の形態に係る導電性ペーストは、主として、太陽電池などの光電変換素子の形成に用いる半導体基板に、塗布法によって電極を形成する際に用いるものである。例えば太陽電池を作製する場合であれば、Si基板などのp型の半導体基板の裏面側に、塗布法によって裏面電極を形成する際に用いるのが、その使用態様の好適な一例である。なお、塗布法としては、スクリーン印刷、ロールコーター方式及びディスペンサー方式などの種々の公知手法を用いることができる。
係る導電性ペーストは、複合Al粉末と、有機バインダーと、有機溶剤とを含む。ここで、複合Al粉末とは、該導電性ペーストにおいて導電を担う金属Al粉末粒子に、軟化点が400℃以下のガラス粉末をあらかじめ固着させてなるものをいう。ガラス粉末には、例えばB23−SiO2−PbO系のガラスを用いることができる。
本実施の形態に係るこのような導電性ペーストを、複合Alペーストと称することとする。塗布法によって係る導電性ペーストの塗布と焼成とを行うことで、Alを主成分とする裏面電極およびp+層を、光電変換素子の裏面側に形成することができる。なお、導電性ペーストに上述の複合Al粉末以外のAl粉末を含むことは、本願発明の効果が妨げられない程度の割合であれば許容される。
本実施の形態において、裏面電極の形成に上述の複合Al粉末を含む複合Alペーストを用いるのは、上述のようなガラス粉末がペースト中に存在することで、従来のAlペーストを用いた場合の電極焼成温度よりも十分に低い、300℃〜500℃という温度でのAl粉末の液相焼結が、実現されるからである。これは、複合Alペーストを用いて電極を形成した場合は、係る温度域での焼成(以下、低温焼成と称する)を行うことができることを意味している。この場合、600℃程度という高い温度までの加熱を行わないので、熱膨張率の差に起因する電極層と半導体基板との間における応力の発生が抑制され、結果として、焼成後の半導体基板の反りは抑制されることになる。
このような低温焼成での液相焼結を促進させるという観点からは、ガラス粉末の軟化点は、350℃以下であることが望ましく、300℃以下であることがより望ましい。
加えて、本実施の形態においては、複合Alペーストを、あらかじめ上述のガラス粉末を固着させた状態の複合Al粉末を混合して作製するようにしているので、同様のガラス粉末を個別に混合して作製した導電性ペーストを用いる場合に比して、該ガラス粉末が電極の内部においてより微細均一に分散してなる状態を実現することができる。これにより、焼成時の液相焼結をより効果的に進行させることができ、ひいては、半導体基板の反りの抑制が、より効果的に実現されることになる。
半導体基板の反りの抑制を効果的に実現するという観点からは、Al粉末が微細であるほど、またこれに応じてガラス粉末についてもより微細であるほど、電極内部におけるガラス粉末の分散性が高まるので望ましい。液相焼結をより効率的に進行させることができるからである。具体的には、Al粉末の平均粒径は、1μm以下であることが望ましい。さらには、500nm以下であることがより望ましく、100nm以下であることがさらに望ましい。ガラス粉末の平均粒径は、200nm以下であることが望ましい。さらには、100nm以下であることがより望ましく、50nm以下であることがさらに望ましい。係る場合、上述の効果が良好に実現されてなるとともに、電気特性の良好な電極の形成が実現される。
仮に、Al粉末の平均粒径が1μmより大きい場合には、Al粒子の焼結温度が高温側にシフトするので、低温焼成を行うことでもたらされる、電極層と半導体基板との間における応力の発生を抑制する効果が得られなくなり好ましくない。また、ガラス粉末の平均粒径が200nmよりも大きな場合には、ペースト中での分散性が低下し、効果的な液相焼結の実現が妨げられるので望ましくない。
さらに、ガラス粉末が上述の程度に微細なものであれば、複合Al粉末におけるガラス粉末の固着量は、複合Al粉末の重量比率を70とする場合の重量比率が0.1〜5.0となる量とするのが好ましい。係る場合には、上述の効果が良好に実現されてなる。固着量がこれよりも多い場合に、ガラス粉末の分散性が低下し、凝集が生じることで、反り抑制の効果が弱まるおそれがある点に留意が必要となる。
Al粉末粒子へのガラス粉末の固着は、メカノケミカルな手法を用いることで実現される。メカノケミカル的な手法とは、例えば、Al粉末とガラス粉末とを攪拌混合する、またはボールミル方式のメディアを用いる等して、Al粉末とガラス粉末とを混合衝突させることで固着をさせる手法である。
有機バインダー、有機溶剤については従来のAlペーストで使用されているものと同等のものを用いることができる。有機バインダーとしては、塗布性の観点からセルロース系化合物やポリメタクリレート系化合物などを用いるのが好適である。有機溶剤としては、例えば、多価アルコール系のものを用いるのが好適な一例である。
これらの複合Al粉末、有機バインダー、有機溶剤を、所定の重量ずつ秤量し、ボールミルや攪拌器で混合した後、三本ロールにて混練することにより、本実施の形態に係る複合Alペーストを得ることが出来る。複合Al粉末を70重量%、有機バインダーをおよそ4重量%、有機溶剤を26重量%含むように複合Alペーストを作製するのがその好適な一例である。
<太陽電池>
次に、上述の導電性ペーストを用いて作製されてなる、本実施の形態に係る光電変換素子の一態様としての太陽電池について説明する。図1は、本実施の形態に係る太陽電池10の構成を概略的に示す断面模式図である。
太陽電池10は、半導体基板1と、半導体基板1の表面側(受光面側)に形成されてなり、n型不純物を有するn+層2と、半導体基板1の裏面側に形成されてなり、p型不純物を有するp+層3と、n+層2の表面に(図1においてはn+層2の上に)形成されてなる、Ag等からなる受光面電極4と、半導体基板1の裏面側にp+層3を介在させて(図1においてはp+層3の下に)形成されてなる、Alなどからなる裏面電極5とから、主として構成される。係る太陽電池10は、受光面への所定の波長範囲の光の入射に応答して、電流を取り出すことができるように構成されている。すなわち、太陽電池10は、n+層2と、半導体基板1と、p+層3とによって形成されてなるn+/p/p+接合を有し、その表面に受光面電極4が、裏面に裏面電極5が、それぞれ形成されてなる構造を有するともいえる。ただし、p+層3を備えるのは必須の態様ではない。
半導体基板1としては、例えばSi系のIV族半導体を用いるのが好適な一例である。例えば、外形が150mm□の、B(ボロン)などがp型のドーパントして添加されてなる多結晶Siのインゴットを150〜200μmの範囲内の任意の厚みにスライシング加工して得られるSi基板を、半導体基板1として用いることができる。係るSi基板の比抵抗は1〜5Ω・cm程度であるのがその好適な一例である。なお、加工により生じたダメージ層や汚染層を除去すべく、NaOHやKOH、あるいはフッ酸やフッ硝酸などで表面をわずかにエッチングすることが望ましい。また、受光した光の閉じ込め効率を高めるべく、ドライエッチング法やウェットエッチング法によって、半導体基板1の表面に微小な凹凸を形成するのが望ましい。
また、半導体基板1の材質は上述のものに限定されるものではなく、単結晶Siを用いてもよい。あるいは、上述の導電性ペーストを用いてAlからなる裏面電極を形成しうる半導体であれば、他の半導体を用いてもよい。
+層2は、いわゆる逆導電型拡散領域である。n+層2は、半導体基板1の一方の主面側に、公知のイオン打ち込み法によってP(リン)を打ち込むことによって形成される。n+層2が形成された側が、太陽電池の受光面側となる。n+層2は、例えば、1.5×10-3Ω・cm程度の比抵抗と、0.3〜0.5μm程度の厚みを有するように形成されるのが、その好適な一例である。あるいは、POCl3(オキシ塩化リン)などのガス中で熱処理する、いわゆる気相拡散法によってn+層2を形成するようにしても良い。
裏面電極5は、上述の複合Alペーストを用いて、塗布法により形成される。例えば、n+層2を形成した後の半導体基板1の略全面にスクリーン印刷法により導電性ペーストを塗布し、150℃、数分間の乾燥処理を施した後、空気中で300〜500℃の焼成温度で1分〜30分間程度焼成すると、Alを主成分とするとともにガラス粉末が微細均一に分散してなる裏面電極5が形成される。
この裏面電極5の形成に際しては、上述のように、微細均一に分散してなるガラス粉末の存在によって、従来のAlペーストにて電極層を形成する場合よりも低温でAl粒子の液相焼結が実現される。これにより、熱膨張率の差に起因する電極層と半導体基板との間における応力の発生が抑制され、結果として、半導体基板1に反りが生じることが効果的に抑制される。
また、裏面電極5の面抵抗およびピール強度は、従来ペーストを用いた場合と同程度である。すなわち、太陽電池10は、従来と同程度に良好な電極特性および密着強度を有しているといえる。
なお、裏面電極5の形成に先立ってp+層3を形成する場合は、例えば、BBr3(三臭化ボロン)を拡散源とした熱拡散法を用いて800〜1100℃程度の温度で形成することができる。
受光面電極4は、Agペーストを用いて、塗布法により形成される。例えば、p+層3および裏面電極5を形成した後、スクリーン印刷によりn+層2の上に櫛歯状にAgペーストを塗布し、150℃、数分間の乾燥処理を施した後、空気中で600℃程度の焼成温度で1分〜10分間程度焼成することで、Agからなる櫛歯状の受光面電極4が形成される。
本実施の形態においては、太陽電池10をこのように構成することで、従来よりも裏面電極と半導体基板との熱膨張率の差に起因する収縮差をよりも緩和することができるので、従来よりも薄層化された半導体基板を用いつつも、その反りを低減すると共に、面抵抗が小さく、かつ密着強度が大きな裏面電極を有する太陽電池を実現することができる。
なお、本発明の実施形態は上述の例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることはもちろんである。例えば、半導体基板の受光面側に窒化シリコン膜や酸化シリコン膜などからなる反射防止膜(不図示)を設けたほうが好ましい。
さらに、裏面電極としては、上述のように裏面のほぼ全面に形成したAlを主成分とする電極に加えて、出力を取り出すための、Agを主成分とする電極を、さらに形成したほうが好ましい。
(実施例)
Al粉末として平均粒径が500nm、1μm、および5μmの3種類のものを用意し、ガラス粉末として、平均粒径が50nm、100nm、および200nmの3種類のB23−SiO2−PbO系ガラス粉末を用意した。なお、それぞれのガラス粉末の軟化点は、順に300℃、350℃、および400℃であった。
Al粉末とガラス粉末とを攪拌混合することで、複合Al粉末を作製した。複合Al粉末の重量比率は一定とし、Al粉末とガラス粉末の組合せ、およびガラス粉末の添加量を違えた計7種類の複合Al粉末を得た。
更に、有機バインダーとして、エチルセルロースを70重量%の複合Al粉末に対して4重量%となるように、有機溶剤として、αテルピネオールを同様に26重量%となるように加え、攪拌器により混合した。これを3本ロール処理して、導電性ペーストを得た。
得られた計7種の導電性ペーストについて、SEM(走査電子顕微鏡)による観察によって、ガラス粉末の凝集の有無を確認した。
さらに、それぞれの導電性ペーストを用いて、7種の太陽電池を作製した。
それぞれの太陽電池の作製においては、半導体基板1として、外形150mm□の多結晶Siのインゴットを180μm厚みにスライシング加工したSi基板を用いた。このSi基板の表面に、イオン打ち込み法によりPを打ち込むことにより、深さ0.5μmで、比抵抗が約1.5×10-3Ω・cmのn+層2を形成した。
その後、Si基板の裏面にスクリーン印刷法により導電性ペーストを略全面に塗布し、150℃、10分間の乾燥処理を行った後に、空気中で加熱して、10分間焼成し、裏面電極5を形成した。その際の焼成温度(加熱中の最高到達温度)は、325℃〜500℃の間で、それぞれの試料に応じて設定した。
さらに、n+層2の表面にAgペーストをスクリーン印刷法により櫛歯状に塗布し、150℃、10分間の乾燥処理を行った後に、空気中で最高温度600℃に加熱して、5分間焼成し、受光面電極4を形成した。これにより、7種類の太陽電池が得られた。
このようにして作製したそれぞれの太陽電池について、半導体基板の反り量、裏面電極の面抵抗、および裏面電極のピール強度を測定した。図2は、本実施例にかかる半導体基板の反り量の評価方法について説明するための図である。本実施の形態においては、半導体基板1の厚さを含んだ値で反り量を評価した。具体的には、図2に示すように、水平面に載置した場合の最低部(水平面)と最高部との高さの差で反り量を評価した。その際、2mm以上を不可と判定することとした。また、Al電極部の面抵抗は4端子法で測定し、15mΩ/□以上を不可と判定することとした。Al電極部のピール強度は、セロハンテ−プによる引き剥がし試験で評価し、はがれのあるものを、密着強度が充分ではないとして不可と判定することとした。
(比較例1)
比較例1として、ガラス粉末をAl粉末に固着させる代わりに直接に混合した導電性ペーストを作成した。Al粉末およびガラス粉末の平均粒径をそれぞれ5μmとした。得られた導電性ペーストを用いて、焼成温度のみが異なる2種類の太陽電池を作製した。これらの導電性ペーストおよび太陽電池について、実施例と同様の評価を行った。
(比較例2)
比較例2として、ガラス粉末をAl粉末に固着させる代わりに直接に混合した導電性ペーストを作成した。Al粉末の平均粒径を500nmとし、ガラス粉末の平均粒径を50nmとした。得られた導電性ペーストを用いて太陽電池を作製した。これらの導電性ペーストおよび太陽電池について、実施例と同様の評価を行った。
(実施例と比較例の比較)
上述の実施例および各比較例において得られた、計10種類の太陽電池についての、評価結果を表1として示す。表1においては、No.1〜7までが実施例に相当する。No.8〜9が比較例1に相当する。No.10が比較例2に相当する。
Figure 2008159912
表1に示すように、実施例に係るNo.1〜7については、反り量、面抵抗、ピール強度のいずれについても不可と判断されるものはなく、また、ガラス粉末の凝集も確認されなかった。
なお、No.1〜3からは、200nm以下の範囲であれば、ガラス粉末の平均粒径が小さいほど、また軟化点が低いほど、反り量の抑制およびAl電極部の面抵抗の抑制に効果があることが確認される。
さらに、No.3〜5からは、1μm以下の範囲であれば、Al粉末の平均粒径が小さいほど、反り量の抑制に効果があることが確認される。
また、No.2、6、7からは、複合Al粉末の重量比率を70としたときの重量比率が5.0以下の範囲であれば、ガラス粉末の添加量が大きいほど、反り量の抑制に効果があることが確認される。
一方、比較例に係るNo.8、10については、反り量が不可と判断された。また、No.9については、反り量は低減されていたものの、Al電極部の面抵抗およびピール強度が不可と判断された。さらに、No.10については、ペースト中にガラス粉末の凝集が確認された。
比較例1に係るNo.8とNo.9とは、いずれもAl粉末とガラス粉末に同じ平均粒径(5μm)のものを用い、焼成温度のみを違えているが、実施例での最高温度である500℃(No.1の場合がこれに該当)に焼成温度を設定したNo.9ではピール強度が不可と判断されたということは、このような粒径の粉末を混合しただけのペーストでは、実施例のような低温焼成を行っても十分な強度を有する電極が得られないことを示している。
また、比較例2に係るNo.10では、実施例に係るNo.3で複合Al粉末を作成するのに用いたAl粉末とガラス粉末とを混合に用いている。No.10では、No.3では確認されなかったガラス粉末の凝集が確認されている。これは、単なる混合のみを行って導電性ペーストを作製する場合に比して、ガラス粉末をAl粉末に固着させた上で作成する場合の方が、ガラス粉末をペースト中に良好に分散させることができることを示している。係る分散性の違いが、No.3とNo.10との反り量の違いに反映されているものと考えられる。
これらの結果は、あらかじめAl粉末に軟化点が400℃以下のガラス粉末を固着させた複合Al粉末を用いて作製された導電性ペーストを塗布し、500℃以下という低温での焼成で裏面電極を形成することが、半導体基板の反りを抑制しつつ、良好な電極特性の確保するうえで有効であることを意味している。
以上より、薄層化された半導体基板を用いた太陽電池の裏面電極を、ガラス粉末を固着させてなるAl粉末を用いて作製された導電性ペーストにて作製することで、半導体基板の反りが低減できると共に、裏面電極の密着強度が高く、かつ面抵抗が小さい太陽電池が得られることが確認された。
本実施の形態に係る太陽電池10の構成を概略的に示す断面模式図である。 半導体基板の反り量の評価方法について説明するための図である。
符号の説明
1 半導体基板
2 n+
3 p+
4 受光面電極
5 裏面電極
10 太陽電池

Claims (6)

  1. 光電変換素子用の半導体基板に電極を形成するための導電性ペーストの作製方法であって、
    導電性材料としてAl粉末の表面に軟化点が400℃以下であるガラス粉末を固着させてなる複合Al粉末を用いる、
    ことを特徴とする光電変換素子用導電性ペーストの作製方法。
  2. 請求項1に記載の光電変換素子用導電性ペーストの作製方法であって、
    前記所定のAl粉末の平均粒径が1μm以下である、
    ことを特徴とする光電変換素子用導電性ペーストの作製方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光電変換素子用導電性ペーストの作製方法であって、
    前記所定のガラス粉末の平均粒径が200nm以下である、
    ことを特徴とする光電変換素子用導電性ペーストの作製方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光電変換素子用導電性ペーストの作製方法であって、
    前記複合Al粉末の重量比率を70としたときの前記所定のガラス粉末の重量比率が0.1以上5以下である、
    ことを特徴とする光電変換素子用導電性ペーストの作製方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光電変換素子用導電性ペーストの作製方法にて作成された光電変換素子用導電性ペーストを用いて前記半導体基板の一方主面上にAlを主成分とする電極層を形成してなる、
    ことを特徴とする光電変換素子。
  6. 光電変換素子の作製方法であって、
    Al粉末の表面に所定のガラス粉末を固着させて複合Al粉末を作製する工程と、
    前記複合Al粉末を導電性材料とする導電性ペーストを作製する工程と、
    前記導電性ペーストを用いて塗布法により光電変換素子用の半導体基板の一方主面上に電極層を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする光電変換素子の作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011013469A1 (ja) 2009-07-30 2011-02-03 東洋アルミニウム株式会社 ペースト組成物およびそれを用いた太陽電池素子
JP2011066044A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Mitsubishi Electric Corp 太陽電池素子の製造方法
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