JP5261262B2 - 細孔を有する微生物セルロース粒子の製造方法 - Google Patents
細孔を有する微生物セルロース粒子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5261262B2 JP5261262B2 JP2009084083A JP2009084083A JP5261262B2 JP 5261262 B2 JP5261262 B2 JP 5261262B2 JP 2009084083 A JP2009084083 A JP 2009084083A JP 2009084083 A JP2009084083 A JP 2009084083A JP 5261262 B2 JP5261262 B2 JP 5261262B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- microbial cellulose
- solvent
- particles
- frozen
- cellulose
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
Description
(1)微生物セルロースをアルカリ水溶液に溶解させる工程、
(2)(1)の溶解液に分散溶媒を添加後、微生物セルロースを粒子化する工程、
(3)粒子化した微生物セルロースを冷却した凍結溶媒に添加し、微生物セルロース粒子を凍結させる工程、
(4)凍結した微生物セルロース粒子を洗浄溶媒で洗浄する工程、
からなる微生物セルロース粒子の製造方法である。
(1)微生物セルロースをアルカリ水溶液に溶解させる工程、
(2)(1)の溶解液に分散溶媒を添加後、微生物セルロースを粒子化する工程、
(3)粒子化した微生物セルロースを冷却した凍結溶媒に添加し、微生物セルロース粒子を凍結させる工程、
(4)凍結した微生物セルロース粒子を洗浄溶媒で洗浄する工程、
より得られる微生物セルロース粒子である。
工程1は、所望の重合度を有する微生物セルロースをアルカリ水溶液に溶解させる工程である。
工程2は、微生物セルロースを溶解したアルカリ水溶液に分散溶媒を添加後、粒子化させる工程である。
工程3は、工程2で得られた、アルカリ水溶液を含む微生物セルロース粒子が分散溶媒中に分散した状態の懸濁液を、あらかじめ冷却した凍結溶媒中に撹拌しながら加えることにより、前記懸濁液中の微生物セルロース粒子を短時間に凍結させて、凍結粒子を生成させる工程である。
工程4は、工程3で調製した微生物セルロース凍結粒子を洗浄することで、内部に細孔を有した微生物セルロース粒子を製造する工程である。具体的には、低温下で、工程3の凍結粒子を含んだ溶液からデカンテーション等の操作により、溶媒を除去して凍結粒子を得た後、あらかじめ低温に冷却した洗浄溶媒を用いて凍結粒子を洗浄することで、内部に細孔を有した微生物セルロース粒子を得ることができる。工程4を実施する温度は、粒子の再結合を抑制できる点で、−20℃以下の低温下で実施するのが好ましい。
下記に示す方法により、微生物セルロースを調製した。
(1)三角フラスコに表1に示す培地を入れ、Gluconacetobacter xylinus(NBRC 13693)を植菌し、30℃で静置培養を行なった。
(3)(2)の粉砕物をリゾチーム溶液(2mg/mL)に懸濁して30℃で24時間振盪した後、再度ミキサーで粉砕した。
(4)(3)の粉砕したセルロースを1M水酸化ナトリウム水溶液に懸濁して80℃で1時間加熱した。処理後のセルロースは濾別し、精製水で洗浄後、凍結乾燥した。
(5)(4)の凍結乾燥セルロースを10%塩酸に懸濁して105℃で30分間加熱した。処理後のセルロースは濾別し、精製水で洗浄後、凍結乾燥した。
実施例2 微生物セルロース粒子の調製(その1)
実施例1で得られた微生物セルロースより粒子体を調製した。
(1)実施例1で得られた微生物セルロースを5重量%になるように8重量%水酸化ナトリウム水溶液に懸濁し、前記懸濁液を−20℃に凍結した後、室温に戻すことで均一のセルロース溶液を得た。
(2)(1)のセルロース溶液(1mL)に酢酸ベンジル(20mL)を加えた後、回転振盪機と垂直振盪機でそれぞれ30秒間撹拌することで、水酸化ナトリウム水溶液を含むセルロース粒子の懸濁液を調製した。
(3)(2)の懸濁液を−50℃に冷却したn−ヘキサン(100mL)に添加し、粒子を凍結させた。凍結粒子を沈降させた後、溶媒をデカンテーションで除去した。
(4)溶媒を除去した凍結粒子に−50℃に冷却したメタノール(100mL)を加え、凍結粒子を沈降させた後、メタノールをデカンテーション操作により除去し、凍結粒子を洗浄した。この洗浄操作は合わせて3回繰り返した。
(5)得られた粒子を常温に戻し、更にメタノール(100mL)で3回洗浄することにより、微生物セルロース粒子を得た。
実施例2で得られたセルロース粒子の分離性能評価を液体クロマトグラフィーを用いて行なった。
(1)実施例1で調製した微生物セルロースを5重量%になるように8重量%水酸化ナトリウム水溶液に懸濁し、前記懸濁液を−20℃で凍結した後、室温に戻すことによって均一のセルロース溶液を得た。
(2)(1)のセルロース溶液(1mL)を酢酸ベンジル(20mL)に加えた後、回転振盪機と垂直振盪機でそれぞれ30秒間撹拌することで、水酸化ナトリウム水溶液を含むセルロース粒子の懸濁液を調製した。
(3)(2)の懸濁液を−50℃に冷却したメタノール(100mL)に添加し、粒子を凍結させた。凍結粒子は−20℃にて、遠心で沈降させた後、溶媒をデカンテーションで除去した。
(4)溶媒を除去した凍結粒子に−50℃に冷却したメタノール(100mL)を加え、凍結粒子を沈降させた後、メタノールをデカンテーション操作により除去し、凍結粒子を洗浄した。前記洗浄操作は合わせて3回繰り返した。
(5)得られた粒子を常温に戻し、さらにメタノール(100mL)で3回洗浄することにより、微生物セルロース粒子を得た。
ゲルろ過クロマトグラフィー用分離剤として市販されている、セルファインGLC−2000m(商品名、チッソ社製、直径45から105μmの架橋セルロース粒子)を実施例3に記載のカラムに充填し、実施例3と同様にチトクロムC、アミラーゼ及びチログロブリンの保持容量と理論段数を測定した。その結果を表3に示す。
Claims (9)
- 以下の工程からなる微生物セルロース粒子の製造方法:
(1)微生物セルロースをアルカリ水溶液に溶解させる工程、
(2)(1)の溶解液に分散溶媒を添加後、微生物セルロースを粒子化する工程、
(3)粒子化した微生物セルロースを冷却した凍結溶媒に添加し、微生物セルロース粒子を凍結させる工程、
(4)凍結した微生物セルロース粒子を洗浄溶媒で洗浄する工程。 - 冷却した凍結溶媒の液温、及び(4)の工程を−20℃以下で行なう、請求項1に記載の製造方法。
- 微生物セルロースの重合度が200から1000である、請求項1または2に記載の製造方法。
- アルカリ水溶液が濃度3から20重量%のアルカリ金属水酸化物水溶液である、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記(1)の溶解液中に含まれる微生物セルロース濃度が、1から10重量%である、請求項1から4のいずれかに記載の製造方法。
- 分散溶媒が、凝固点−20℃(1気圧)以下であり、−20℃以下における1.1g/cm3以下の有機溶媒であり、かつ水に対する溶解度が0.1から10g/L(25℃)の有機溶媒である、請求項2から5のいずれかに記載の製造方法。
- 凍結溶媒が、凝固点−20℃(1気圧)以下であり、かつ−20℃以下における1.1g/cm3以下の有機溶媒である、請求項2から5のいずれかに記載の製造方法。
- 洗浄溶媒が、凝固点−20℃(1気圧)以下であり、かつ−20℃以下における1.1g/cm3以下の有機溶媒である、請求項2から5のいずれかに記載の製造方法。
- 以下の工程により得られる微生物セルロース粒子:
(1)微生物セルロースをアルカリ水溶液に溶解させる工程、
(2)(1)の溶解液に分散溶媒を添加後、微生物セルロースを粒子化する工程、
(3)粒子化した微生物セルロースを冷却した凍結溶媒に添加し、微生物セルロース粒子を凍結させる工程、
(4)凍結した微生物セルロース粒子を洗浄溶媒で洗浄する工程。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009084083A JP5261262B2 (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | 細孔を有する微生物セルロース粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009084083A JP5261262B2 (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | 細孔を有する微生物セルロース粒子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010236975A JP2010236975A (ja) | 2010-10-21 |
JP5261262B2 true JP5261262B2 (ja) | 2013-08-14 |
Family
ID=43091434
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009084083A Active JP5261262B2 (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | 細孔を有する微生物セルロース粒子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5261262B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2828369A1 (en) | 2011-03-08 | 2012-09-13 | Kaneka Corporation | Method for producing porous cellulose beads |
FI126122B (en) | 2011-12-22 | 2016-06-30 | Upm Kymmene Corp | Use of stationary phase that recognizes fibril cellulose in separation methods |
US10189007B2 (en) | 2013-10-15 | 2019-01-29 | Kaneka Corporation | Method for producing porous cellulose beads and adsorbent employing same |
US20160236171A1 (en) | 2013-10-15 | 2016-08-18 | Kaneka Corporation | Method for producing porous cellulose beads |
JPWO2016167268A1 (ja) * | 2015-04-15 | 2018-02-08 | 株式会社カネカ | 多孔質セルロースビーズの製造方法およびそれを用いた吸着体 |
WO2018186222A1 (ja) * | 2017-04-03 | 2018-10-11 | 株式会社カネカ | 多孔質セルロースビーズおよび吸着体 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6443530A (en) * | 1987-08-10 | 1989-02-15 | Asahi Chemical Ind | Porous cellulose particle and its production |
JPH0762041B2 (ja) * | 1988-03-09 | 1995-07-05 | 鐘紡株式会社 | 微小架橋セルローズ粒子およびその製造法 |
JP2004270064A (ja) * | 2003-03-07 | 2004-09-30 | Asahi Kasei Corp | 構造体 |
JP2009014377A (ja) * | 2007-07-02 | 2009-01-22 | Tosoh Corp | セルロース粒子及びその製造方法 |
-
2009
- 2009-03-31 JP JP2009084083A patent/JP5261262B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010236975A (ja) | 2010-10-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5261262B2 (ja) | 細孔を有する微生物セルロース粒子の製造方法 | |
US20070027108A1 (en) | Method of producing effective bacterial cellulose-containing formulations | |
AU2006250004B2 (en) | Bacterial cellulose-containing formulations and method of producing effective bacterial cellulose-containing formulations | |
WO2015137170A1 (ja) | セルロース多孔質粒子の製造方法及びセルロース多孔質粒子 | |
KR101501217B1 (ko) | 필러용 폴리디옥사논 입자의 제조방법 | |
JP2011527900A (ja) | カルボキシメチルセルロース成分を欠くバクテリアセルロース含有製剤 | |
WO2012121258A1 (ja) | 多孔質セルロースビーズの製造方法 | |
CN110903582B (zh) | 一种具有紫外线阻隔功能的聚乙烯醇/淀粉纳米复合材料及其制备方法 | |
CN114502626A (zh) | 乙酸纤维素及乙酸纤维素组合物 | |
JPWO2003040189A1 (ja) | 新規なセルロース系物質 | |
WO2021111917A1 (ja) | β-1,3-グルカンエステル誘導体の精製方法 | |
CN103214604A (zh) | 一种用于悬浮聚合的无机-有机复合分散剂及其应用方法 | |
CN106318994B (zh) | 使用琼脂水解酶制备源自海藻的半乳糖的方法 | |
Akinjokun et al. | Biomass, Abundant Resources for Synthesis of Mesoporous Silica Material | |
JP5708300B2 (ja) | セルロースゲル | |
US4840975A (en) | Spherical grains of polyamino acid and production method thereof | |
Gao et al. | Poly (lactic acid) synthesized from non‐food biomass feedstocks with tin‐loaded ZA molecular sieve catalysts by direct melt polycondensation | |
CN117000193A (zh) | 一种zif-8/bc成型体及其制备方法 | |
KR100457546B1 (ko) | 폴리프럭토오스 또는 그 유도체를 이용한 미소구 및 그제조방법 | |
JPH082992B2 (ja) | 多孔球状粒子の製法 | |
CN110903581A (zh) | 一种具有紫外线屏蔽功能的聚乙烯醇/淀粉纳米复合材料及其制备方法 | |
KR102579011B1 (ko) | 소포로리피드 정제 방법 | |
JPS62277401A (ja) | セルロ−ス微小球体の製法 | |
JP6059991B2 (ja) | マスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物及び成形用樹脂組成物 | |
JPH0629336B2 (ja) | セルロ−ス有機酸エステルビ−ズの製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120208 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130128 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130416 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130426 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160502 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5261262 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |