JPH0762041B2 - 微小架橋セルローズ粒子およびその製造法 - Google Patents

微小架橋セルローズ粒子およびその製造法

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JPH0762041B2
JPH0762041B2 JP63053661A JP5366188A JPH0762041B2 JP H0762041 B2 JPH0762041 B2 JP H0762041B2 JP 63053661 A JP63053661 A JP 63053661A JP 5366188 A JP5366188 A JP 5366188A JP H0762041 B2 JPH0762041 B2 JP H0762041B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は微小架橋セルローズ粒子及びその製造法に関す
る。さらに詳しくは、再生セルローズから実質的にな
り、かつ液体クロマトグラフイーにおける排除限界分子
量が10,000よりも大きく100万よりも小さい架橋された
微小セルローズ粒子及びその製造法に関する。
(従来の技術) セルローズあるいはその各種誘導体の粒状体は、近年ク
ロマトグラフイー材料、高分子担体、化粧品添加剤、滑
剤等として種々の分野で広く使用されるようになつてい
る。
特に液体クロマトグラフイー用のゲル濾過材として、球
状セルローズ粒子を製造することが試みられている。例
えば、特開昭57−38801号公報および対応する欧州特許
公開第47,064号公報並びに米国特許第4,390,691号およ
び446,189号明細書には、塩素化炭素水素を主とする溶
媒に溶解されたセルローズ有機酸エステル溶液を水性媒
体内に懸濁させて前記溶液の液滴を形成し、前記液滴中
の塩素化炭化水素溶媒を蒸発させてセルローズ有機酸エ
ステル球状粒子を形成し、ついでこれをけん化すること
により多孔性球状セルローズ粒子を製造する方法におい
て、前記セルローズ有機酸エステル溶液にそれを水性媒
体中に懸濁させる前に酸又はアルカリを添加し混合して
おくことを特徴とする多孔性球状セルローズ粒子の製造
法が記載されている。同公報の実施例には、粒径50〜10
0μmで、排除限界分子量が約2000の多孔性球状セルロ
ーズ粒子が記載されている。しかしながらこの方法で製
造したものは、ゲルの結晶化度が低く、ゲルの粒子径が
小さい場合、高速時の耐圧性に劣るという欠点があつ
た。
また本里等は、多孔性セルローズゲルを一部架橋するこ
とによつて水素結合が破壊され、かえつてゲル内部の網
目構造が大きくなり、排除限界分子量が増加すること、
さらに架橋を進行させると、しだいに網目構造が小さく
なり排除限界分子量が減少してくることを報告している
(本里義明、松本和秋、平山忠一、日本化学会誌、198
1、1883〜1889)。
例えば同論文の表9には、排除限界分子量4,600の多孔
性セルローズゲルをエピクロルヒドリンで架橋するに従
い排除限界分子量は増大し、ある架橋度で最大値11,000
となり、さらに架橋が進行するとしだいに減少して6,00
0となることが記載されている。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は、再生セルローズ又は結晶相がII型セル
ローズから実質的になり、かつポリエチレングリコール
による排除限界分子量が10,000よりも大きい架橋された
微小セルローズ粒子を提供することにある。
本発明の他の目的は、排除限界分子量が10,000よりも大
きく、従つて比較的高分子量の重合体を分離・分別する
ために使用される微小架橋セルローズ粒子を提供するこ
とにある。
本発明のさらに他の目的は、上記の如き本発明の微小架
橋セルローズ粒子を製造するための新規な方法を提供す
ることにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から
明らかとなろう。
[問題点を解決するための手段および作用] 本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、 (a) II型セルローズ結晶相とセルローズ非晶相から
実質的に成り、 (b) セルローズ非晶相にはセルローズ分子鎖間に架
橋が存在し、 (c) X線回折法により求めた結晶化度が5〜45%の
範囲にあり、 (d) 平均粒径が300μm以下の球状ないし長球状の
粒子から実質的になり、そして (e) 10,000よりも大きく100万よりも小さい排除限
界分子量を有する、 ことを特徴とする微小架橋セルローズ粒子によつて達成
される。
上記本発明の微小セルローズ粒子は、本発明によれば、 (1)(A) セルローズザンテートとそれ以外の第1
の水溶性高分子化合物のアルカリ性高分子水溶液を準備
し、 (B) 上記アルカリ性高分子水溶液とアイオン性又は
非イオン性の第2の水溶性アニオン性高分子化合物とを
混合して該アルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液を生
成せしめ、 (C) 上記分散液を加熱するかあるいは上記分散液を
セルローズザンテートの凝固剤と混合することにより、 (D) セルローズザンテートをセルローズ換算で5〜
60重量%含有する凝固ビスコースを準備し、 (2) 上記凝固ビスコース微粒子を酸で中和したのち
架橋反応に付し次いで (3)(i) 生成した架橋セルローズ微粒子を母液か
ら分離するか、 (ii) 工程(i)に引き続いて脱硫、酸洗い、水洗あ
るいはメタノール洗浄に付すか、又は (iii) 工程(i)又は工程(ii)に引き続いて熱処
理に付す、方法によつて製造することができる。
本発明の微小架橋セルローズ粒子は上記(a)〜(b)
の要件を有する点に特徴がある。これらの各要件につい
て以下説明する。
本発明の微小架橋セルローズ粒子は第1にII型セルロー
ズ結晶相とセルローズ非晶相から実質的になる。それ
故、天然セルローズすなわちI型セルローズからなるセ
ルローズ微粒子は本発明の微粒子とは完全に相違する。
II型セルローズとI型セルローズとは周知のとおり、X
線回折により区別される。II型セルローズのX線回折図
には、I型セルローズに明瞭に存在する回折角(2θ)
15゜の回折ピークが実質的に存在しない。
即ちII型セルローズの(101)面及び(002)面に由来す
るX線回折角(2θ)20゜付近の回折ピークが明瞭に存
在するという特徴がある。
第2のセルローズ非晶相にはセルローズ分子鎖間に架橋
が存在する。
又セルローズ非晶相に存在するセルローズ分子間の架橋
は、セルローズ分子の水酸基同志を架橋剤分子を介して
橋かけする。
架橋度は、例えばエピクロルヒドリンを架橋剤として使
用した場合、KBr錠剤法による赤外線吸収スペクトルに
おいてアルキレンのCH伸縮振動に帰属する吸収ピークの
吸光度係数によつて特定することができ、0.065〜0.200
mg-1・cm2の吸光度係数を有することが好ましく0.094〜
0.190mg-1・cm2の吸光度係数を有していることがより好
ましい。
また、本発明の微小架橋セルローズ粒子は、第3に、X
−線回折法により求めた結晶化度に特徴があり、5−45
%の結晶化度を有している。本発明の微小架橋セルロー
ズ粒子は、好ましくは7〜45%、より好ましくは10〜45
%の結晶化度を有している。本発明の微小架橋セルロー
ズは、アモルフアスではなく、上記結晶化度で特定され
る結晶性である。
本発明の微小架橋セルローズ粒子は、第4に、平均粒径
が300μm以下の球状ないし長球状の粒子から実質的に
なる。本発明の微小架橋セルローズ粒子はこのように微
小な粒子で構成されている。本発明の微小架橋セルロー
ズ粒子は、好ましくは平均粒径が2〜150μmであり耐
圧性に優れ、特に20μm以下の粒子は高速液体クロマト
グラフイー用に好適である。さらに本発明の微小架橋セ
ルローズ粒子は、球状ないし長球状の粒子から実質的に
構成されている。本明細書においていう“長球状”と
は、粒子の投影図あるいは平面図が例えば楕円形、長く
伸びた円形、ビーナツツ形あるいは卵形の如き形状にあ
るものを包含する概念である。本発明の微小架橋セルロ
ーズ粒子は上記の如く球状ないし長球状であり、従つて
角ばつていたりあるいは不定形である粒子とは相違す
る。
本発明の微小架橋セルローズ粒子は、第5に、ポリエチ
レングリコールによる排除限界分子量が10,000よりも大
きく100万よりも小さい。排除限界分子量は、カラム中
に水で膨潤したセルローズ粒子を充填し、次いで分子量
既知の標準ポリエチレングリコールを用いて求めること
ができる。
蛋白質などの高分子化合物を、分子量の大小によつて分
離するためには、分離しようとする化合物の分子量より
大きな排除限界分子量を有した粒子が必要となる。
本発明によれば、排除限界分子量の下限値が100,000で
あるものも得ることができ、従つて分離しようとする高
分子量の化合物の分子量に応じて、適宜最適に設計され
た微小粒子を提供できる。
本発明の微小架橋セルローズ粒子を特徴づける物性値と
しては、二次的にさらに次のものを挙げることができ
る。
本発明の微小架橋セルローズ粒子を構成するセルローズ
は、通常100〜700の範囲の重合度を示すものが好まし
い。重合度が100未満のものは耐圧性が低下し、一方700
を越えると微小セルローズ粒子が変形する傾向がでて、
均一な粒子が得にくくなる。
本発明の微小架橋セルローズ粒子は、 下記式 ここで、 VDはブルーデキストラン(分子量200万)の溶出容量(m
l)であり、そして VEはエチレングリコールの溶出容量(ml)である、 で定義される分画指数(F)が少なくとも0.6であるも
のが好ましい。蛋白質などの高分子化合物を分子量の大
小によつて性能よく分離するためには、分画指数が出来
るだけ大きいものが好ましい。分画指数は、より好まし
くは少なくとも1.0であり、本発明によれば更に好まし
い分画指数が1.5以上のものを得ることができる。
さらに、本発明の微小架橋セルローズ粒子は、好ましく
は高々3.0、より好ましくは高々2.0の分画指数を有して
いる。
更に、本発明の微小セルローズ粒子は、カラムに充填し
たときの湿潤時耐圧性が少なくとも5kg/cm2であること
が好ましい。工業的規模で蛋白質などの分離及び分取を
多量にかつ短時間で行なうためには、湿潤時耐圧性が高
いもの程有用であり、好ましい。より好ましくは、少な
くとも10kg/cm2であり、本発明によれば更に好ましいも
のとして、湿潤時耐圧性が40kg/cm2以上、或いは80kg/c
m2以上のものを製造することができる。同一カラムに充
填した場合、セルローズ微粒子の粒径が小さくなれば、
カラム圧力が上昇する。本発明のセルローズ微粒子は、
粒径が10μmのものではカラム圧80kgにも耐え得るの
で、目的の分離精度、処理量に対応して各種の粒子径の
ものを選択できるメリツトは大きい。
本発明の微小架橋セルローズ粒子の製造法について以下
説明する。本発明の方法によれば、上記のとおり、第1
の工程によりセルローズザンテートをセルローズ換算で
50〜60重量%含有する凝固ビスコース微粒子を基準し、
第2工程により凝固ビスコース微粒子を架橋反応に付し
た後、酸で中和するか或は酸で中和したのち架橋反応に
付し、第3の工程により(i)生成した架橋セルローズ
微粒子を母液から分離するか、(ii)工程(i)に引き
つづいて脱硫、酸洗い、水洗あるいはメタノール洗浄す
るか、あるいは(iii)工程(i)又は工程(ii)に引
きつづいて熱処理に付す。
第1の工程で使用する凝固ビスコース微粒子は、第1
に、 (A) セルローズザンテートとそれ以外の第1の水溶
性高分子化合物のアルカリ性高分子水溶液を準備し、 (B) 上記アルカリ性高分子水溶液と第2の水溶性の
アニオン性高分子化合物とを混合して該アルカリ性高分
子水溶液の微粒子分散液を生成せしめ、 (C) 上記分散液を加熱するかあるいは上記分散液を
セルローズザンテートの凝固剤と混合することによつて
該分散液中のセルローズザンテートを上記第1の水溶性
高分子化合物を含有する形態の微粒子として凝固させる
ことによつて製造することができる。
また本発明の第1工程で使用する凝固ビスコース微粒子
は、第2に (A) セルローズザンテートとそれ以外の第1の水溶
性高分子化合物のアルカリ性高分子水溶液を準備し、 (B) 上記アルカリ性高分子水溶液と数平均分子量1,
500以上の水溶性のポリエチレングリコール又はポリエ
チレングリコール誘導体を混合して、55℃以上の温度で
該アルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液を生成せし
め、 (C) 上記分散液を上記分散液生成の際の温度と同等
ないしそれ以上の温度でさらに加熱するかあるいは上記
分散液をセルローズザンテートの凝固剤と混合すること
によつて該分散液中のセルローズザンテートを上記第1
の水溶性高分子化合物を含有する形態の微粒子として凝
固させることによつて製造することができる。
上記第1の方法と第2の方法とは、上記のとおり、セル
ローズザンテートと第1の水溶性高分子化合物のアルカ
リ性高分子水溶液を準備する工程(A)、アルカリ性高
分子水溶液の微粒子分散液を生成する工程(B)、セル
ローズを含有する微粒子を生成する工程(C)からな
り、基本的に同じ工程から構成されている。
第1の方法と第2の方法は、上記工程(B)において用
いる第2の高分子化合物が第1の方法ではアニオン性で
あるのに対し第2の方法では非イオン性である点で相違
する。以下先ず、本発明にて使用する凝固ビスコース微
粒子の第1の製造方法について説明する。
第1の方法によれば、上記のとおり、工程Aによりセル
ローズザンテートとそれ以外の第1の水溶性高分子化合
物のアルカリ性高分子水溶液を準備し、工程Bにより該
アルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液を生成し、工程
Cにより第1の水溶性高分子化合物を含有する形態の微
粒子を生成せしめる。セルローズザンテートとそれ以外
の第1の水溶性高分子化合物のアルカリ性高分子水溶液
を調整する工程Aは、セルローズザンテートとそれ以外
の第1の水溶性高分子化合物を同時に水またはアルカリ
水溶液で溶解するか、あるいはセルローズザンテートを
水またはアルカリ水溶液で先ず溶解し、得られたビスコ
ースに第1の水溶性高分子化合物を溶解するか、あるい
は、第1の水溶性高分子化合物を水またはアルカリ水溶
液で溶解した後、該溶解液でセルローズザンテートを溶
解することによつて実施することができる。
上記溶解は、例えばニーダ又は高粘度攪拌翼による混合
で実施することができる。
セルローズザンテートはレーヨン製造工程またはセロフ
アン製造工程の中間体として得られるものでよく、例え
ばセルローズ濃度33重量%、アルカリ濃度16重量%およ
びγ価40程度のセルローズザンテートが好適である。
第1の水溶性高分子化合物としては、例えば非イオン性
あるいはアニオン性の高分子化合物が好適に用いられ
る。非イオン性の第1の水溶性高分子化合物としては、
例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル誘導体又はポリビニルピロリドンがあげられる。これ
らの高分子化合物は、例えば400以上の数平均分子量を
有しており、好ましいものは600〜400,000の数平均分子
量を有している。
ポリエチレングリコール誘導体としては、例えばポリエ
チレングリコールの片末端の水酸基のみを炭素数1〜18
のアルキル基、炭素数1〜18のアルキルで置換されたフ
エニル基又は炭素数2〜18のアシル基で封鎖された水溶
性化合物あるいはA−B−A′型のブロツク共重合体
(A,A′は同一もしくは異なりポリエチレンオキシドブ
ロツクを表わし、Bはポリプロピレンオキシドブロツク
を表わす)が好適に用いられる。より具体的に、例えば
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチ
レングリコールモノラウリルエーテル、ポリエチレング
リコールモノセチルエチル;ポリエチレングリコールモ
ノメチルフエニルエーテル、ポリエチレングリコールモ
ノノニルフエニルエーテル;ポリエチレングリコールモ
ノアーセテート、ポリエチレングリコールモノラウレー
ト;およびポリオキシエチレンブロツク−ポリオキシプ
ロピレンブロツク−ポリオキシエチレンブロツク等を挙
げることができる。
また、アニオン性の第1の水溶性高分子化合物は、例え
ばアニオン性基として例えばスルホン酸基、ホスホン酸
基又はカルボン酸基を有するものが好ましい。これらの
アニオン性基は遊離酸の形態であつても塩の形態であつ
てもよい。
アニオン性基としてスルホン酸基を持つ第1の水溶性高
分子化合物は、該スルホン酸基を例えばビニルスルホン
酸、スチレンスルホン酸、メチルスチレンスルホン酸、
アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アクリルアミ
ドメタルプロパンスルホン酸又はこれらの塩の如き単量
体に由来することができる。
同様に、アニオン性基としてホスホン酸基を持つ第1の
水溶性高分子化合物は例えばスチレンホスホン酸、ビニ
ルホスホン酸又はこれらの塩の如き単量体に由来するこ
とができる。
また、アニオン性基としてカルボン酸基を持つ水溶性高
分子化合物は例えばアクリル酸、メタリル酸、スチレン
カルボン酸、マレイン酸、イタマン酸又はこれらの塩の
如き単量体に由来することができた。
例えばカルボン酸基を持つ第1の水溶性高分子化合物
は、例えばアクリル酸ソーダを単独であるいは他の共重
合可能な単量体例えばアクリル酸メチルと混合して、そ
れ自体公知の方法に従つて重合して、アクリル酸ソーダ
の重合単位を含むホモポリマー又はコポリマーとして供
給される。また、例えばスチレンのホモポリマーをスル
ホン化してスルホン酸基を持つ水溶性高分子化合物を製
造することもできる。
スルホン酸基がスチレンスルホン酸以外の他の単量体に
由来する場合およびスルホン酸基、カルボン酸基がそれ
ぞれ上記の如き単量体に由来する場合についても同様で
ある。
水溶性の第1のアニオン性高分子化合物は、アニオン性
基を持つ上記の如き単量体の重合単位を好ましくは少く
とも20モル%含有する。かかる好ましい高分子化合物に
は、コポリマー及びホモポリマーが包含される。
水溶性のアニオン性高分子化合物は、好ましくは少くと
も5,000、より好ましくは1万〜300万の数平均分子量を
有している。
工程Aで使用される水溶性の第1のアニオン性高分子化
合物には、上記の如きビニルタイプの重合体に限らず、
その他例えばカルボキシメチルセルローズ、スルホエチ
ルセルローズあるいはそれらの塩例えばNa塩が包含され
る。
第1の方法によれば、上記のとおり、先ず工程Aでアル
カリ性高分子水溶液が準備される。該高分子水溶液はセ
ルローズザンテート有来のセルローズ濃度として、好ま
しくは3〜15重量%、より好ましくは5〜12重量%に調
整され、またアルカリ濃度として好ましくは2〜15重量
%、より好ましくは5〜10重量%に調整される。さらに
第1の水溶性高分子化合物は、好ましくはセルローズ1
重量部当り0.03〜5重量部となるように調整される。
第1の方法によれば、上記工程Aで調整され準備したア
ルカリ性高分子水溶液は、次いで工程Bによつて第2の
水溶性のアニオン性高分子化合物に混合せしめられる。
混合はアルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液を生成す
ることのできる如何なる手段を用いることもできる。例
えば、攪拌翼や邪魔板等による機械的攪拌、超音波攪拌
あるいはスタテツクミキサーによる混合を単独であるい
は組合せて実施することができる。
第2の水溶性のアニオン性高分子化合物は、好ましくは
水溶液として、より好ましくは該第2の高分子化合物の
濃度が0.5〜25重量%、特に好ましくは2〜22重量%の
水溶液として、用いられる。かかる水溶液は、さらに、
20℃における粘度が3センチポイズ〜5万センチポイ
ズ、特に5センチポイズ〜3万センチポイズであるもの
が好ましい。
アルカリ性高分子水溶液と第2の水溶性のアニオン性高
分子化合物とは、アルカリ性高分子水溶液中のセルロー
ズ1重量部当りの該第2の高分子化合物0.3〜100重量
部、より好ましくは1〜45重量部、特に好ましくは4〜
20重量部で用いられ、混合せしめられる。混合は、アル
カリ性高分子水溶液中に含まれる二硫化炭素の沸点より
も低い温度で実施するのが有利であり、より好ましくは
0〜40℃の範囲で実施される。
本発明者の研究によれば、工程Aの上記アルカリ性高分
子水溶液中に、例えば炭酸カルシウムの如き酸分解性の
無機塩を分散剤として、例えば0.5〜5重量%存在せし
める場合には、第2工程で生成される微粒子分散液にお
ける微粒子の形態が安定に且つ良好に保持されることが
明らかとなつた。
第2の水溶性のアニオン性高分子化合物としては、アニ
オン性の上記第1の水溶性高分子化合物の前記例示した
化合物と同一のものが例示できる。第2の水溶性のアニ
オン性高分子化合物は第1の水溶性高分子化合物と同一
であつても異なつていてもよい。
本凝固微粒子の製造方法によれば、上記工程Bで生成し
たアルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液は、次いで工
程Cによつて凝固せしめられる。
上記凝固の反応は、生成した分散液に混合操作を加えな
がら実施するが望ましい。
加熱による凝固はアルカリ性高分子水溶液中に含まれる
二硫化炭素の沸点以上の温度例えば50゜〜90℃の温度で
有利に実施できる。凝固剤による凝固の場合にはこのよ
うな温度に高める必要はなく、通常0〜40℃の温度で凝
固を実施することができる。凝固剤としては、例えば低
級脂肪族アルコール、無機酸のアルカリ金属又はアルカ
リ土類金属塩およびそれらと第3の水溶性高分子化合物
との組合せが好ましく用いられる。低級脂肪族アルコー
ルは直鎖状又は分岐鎖状のいずれであつてもよく、例え
ばメタノール、エタノール、iso−プロパノール、n−
プロパノール、n−ブタノールの如き炭素数1〜4の脂
肪族アルコールが好ましく用いられる。無機酸のアルカ
り金属塩としては例えばNaCl、Na2SO4の如きNa塩、K2SO
4の如きK塩が好ましく、またアルカリ土類金属塩とし
ては例えばMgSO4の如きMg塩、CaCl2の如きCa塩が好まし
い。
第3の水溶性高分子化合物としては、例えば非イオン性
およびアニオン性の高分子化合物が好ましく用いられ
る。第3の水溶性高分子化合物としては工程Bで使用さ
れた第2のアニオン性の高分子化合物と同じものを使用
するのが特に望ましい。第3の水溶性高分子化合物の例
示は、上記第1の水溶性高分子化合物の例示から理解さ
れるであろう。
上記の如き凝固剤は、ビスコース中のセルローズに対し
例えば20〜300重量%程度の割合で用いられる。
次に本発明で使用する凝固ビスコース微粒子の第2の製
造方法について説明する。
第2の方法によれば、上記のとおり、工程Aによりセル
ローズザンテートとそれ以外の第1の水溶性高分子化合
物のアルカリ性の高分子水溶液を準備し、工程Bにより
該アルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液を生成し、工
程Cによりセルローズを含有する微粒子を生成する。か
かる点において、上記第1の製造方法と基本的に同じで
あることは上記したとおりである。セルローズザンテー
トとそれ以外の第1の水溶性高分子化合物のアルカリ性
高分子水溶液を調整する工程Aは、上記第1の製造方法
の説明に記載したと方法と同様にして実施される。例え
ば、使用するザンテートおよびそれ以外の第1の水溶性
高分子化合物は、上記第1の製造方法に記載したものと
同じものが使用される。
アルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液を生成する工程
Bは、アルカリ性高分子水溶液と数平均分子量1500以上
の水溶性のポリエチレングリコール又はポリエチレング
リコール誘導体とを混合することによつて実施される。
使用する高分子量のポリエチレングリコール又はポリエ
チレングリコール誘導体は上記のとおり1,500以上の数
平均分子量を有しており、好ましいものは1,500〜400,0
00の数平均分子量を有している。
ポリエチレングリコール誘導体としては、例えばポリエ
チレングリコールの片末端の水酸基のみを炭素数1〜18
のアルキル基、炭素数1〜18のアルキルで置換されたフ
エニル基又は炭素数2〜18のアシル基で封鎖された水溶
性化合物あるいはA−B−A′型のブロツク共重合体
(A,A′は同一もしくは異なり、ポリエチレンオキシド
ブロツクを表わし、Bはポリプロピレンオキシドブロツ
クを表わす)が好適に用いられる。より具体的に、例え
ばポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエ
チレングリコールモノラウリルエーテル、ポリエチレン
グリコールモノセチルエチル、ポリエチレングリコール
モノメチルフエニルエーテル、ポリエチレングリコール
モノノニルフエニルエーテル、ポリエチレングリコール
モノアセテート、ポリエチレングリコールモノラウレー
ト、およびポリオキシエチレンブロツク−ポリオキシプ
ロピレンブロツク−ポリオキシエチレンブロツク等をあ
げることができる。
ポリエチレングリコールおよびその誘導体のうち、ポリ
エチレングリコールがより好ましく、数平均分子量6,00
0〜200,000のものがさらに好ましく、数平均分子量8,00
0〜100,000のものが特に好ましく、数平均分子量10,000
〜30,000のものが就中好ましい。ポリエチレングリコー
ル誘導体は好ましくは1,500〜16,000の数平均分子量を
有する。
上記第2の方法によれば、工程Bにおいて、アルカリ性
の高分子水溶液と水溶性の高分子量のポリエチレングリ
コール又はその誘導体は先ず混合せしめられる。混合は
アルカリ性の高分子水溶液の微粒子分散液を生成するこ
とができる如何なる手段を用いることもできる。具体的
手段は上記第1の製造方法の説明に記載したとおりであ
る。
水溶性の高分子量のポリエチレングリコール又はその誘
導体は、好ましくは水溶液として、より好ましくは該ポ
リエチレングリコール又はその誘導体の濃度が0.5〜60
重量%、特に好ましくは5〜55重量%、就中10〜40重量
%の水溶液として用いられる。
アルカリ性高分子水溶液とポリエチレングリコール又は
ポリエチレングリコール誘導体とは、セルローズ1重量
部当りポリエチレングリコール又はポリエチレングリコ
ール誘導体1〜30重量部、より好ましくは2〜28重量
部、特に好ましくは4〜24重量部、就中8〜16重量部で
用いられ、混合せしめられる。混合の際の温度に特に制
限はないが、混合はアルカリ性高分子水溶液の微粒子分
散液を生成せしめる温度よりも低い温度で実施するのが
望ましい。アルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液は55
℃以上の温度で生成せしめられる。55℃よりも低い温度
では、望ましい微小セルローズ粒子を与えることのでき
る基礎となるアルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液を
得ることができない。
上記第2の方法によれば、上記工程Bで生成したアルカ
リ性の高分子水溶液の微粒子分散液は、次いで工程Cに
よつて凝固せしめられる。
また、上記凝固の反応は上記分散液生成の際の温度と同
等ないしそれ以上の温度で実施される。加熱による凝固
も凝固剤を使用する凝固も好ましくは60℃〜90℃の温度
で実施されるが60℃以下で凝固剤にて凝固することもで
きる。
凝固剤およびその使用割合は上記第1の製造法の説明に
記載したと同じである。
上記凝固剤として、ポリエチレングリコール又はその誘
導体との組合せを使用する場合には、凝固剤の添加によ
つて系中のポリエチレングリコール又はその誘導体の濃
度が低下するのを防止することができるため、分散液の
凝固を安定に実施しうる利点がある。
上記の如く第1の方法および第2の方法によつて得られ
た凝固ビスコース微粒子は、平均粒径400μmの球状な
いし長球状粒子から実質的になり、セルローズ成分5〜
60重量%(セルローズ換算)を有する。ここでいう凝固
ビスコース微粒子のセルローズ成分は該微粒子の表面に
付着した水及び水溶性高分子化合物を過剰のn−ヘキサ
ンで洗浄・置換し、50℃、60分間乾燥して付着したn−
ヘキサンを除去した後、該微粒子を105℃、3時間乾燥
してセルローズ成分を求める。又水溶性高分子化合物が
含有している場合は、セルローズ成分を求める際にあら
かじめ水洗して含有高分子化合物を除去しておく。上記
凝固ビスコース微粒子中の高分子化合物の除去は0.5〜
2重量%の苛性ソーダで、温度20〜30℃で実施される。
上記第1工程で高分子化合物が除去された凝固ビスコー
ス微粒子は、本発明によれば、次いで第2工程において
凝固ビスコース微粒子を架橋反応せしめた後、酸で中和
して、ビスコースをセルローズに変換せしめるか、ある
いは酸で中和した後、架橋反応せしめる。架橋剤として
は、エピクロルヒドリン、ジクロルヒドリン等が用いら
れる。架橋反応は、凝固ビスコース微粒子あるいは再生
セルローズ微粒子を水酸化アルカリを含む液体媒体中で
実施する。水酸化アルカリが苛性ソーダの場合、1〜25
重量%、好ましくは5〜15重量%の濃度で実施される。
架橋剤は上記水酸化アルカリを含む液体媒体中に3〜25
重量%の濃度に調整される。液体媒体としては、水又は
水と相溶性があり且つ架橋剤に良溶媒であるメタノー
ル、ジメチスルホキシド、エタノール又はアセトン等が
単独であるいは水との混合物として使用される。
液体媒体は、セルローズ1重量部に対して10〜30重量部
使用される。液体媒体によつて異なるが通常50〜80℃の
温度にて架橋反応せしめられる。
水酸化アルカリの濃度が高く、架橋剤濃度が高いほど粒
子内部のポアーボリユームが増大し、架橋条件を適宜選
択することによつて熱処理に供される架橋セルローズ粒
子内部のポアー径とポアー量を調節することができる。
本発明方法によれば、架橋反応及び熱処理の前後で結晶
化度がほとんど変化しないことが特徴である。
セルローズ分子鎖間の架橋がセルローズ分子の水酸基同
志を水酸基で置換された形又は水酸基で置換され且つ酸
素原子で中断された形で一部グラフト技として存在して
いると推定される。
第2工程でセルローズに変換するに用いられる酸として
は、例えば硫酸、塩酸の如き無機強酸が好ましく用いら
れる。
次いで第3工程においては、母液から架橋セルローズ微
粒子を分離する。分離した後、必要により脱硫、酸洗
い、水洗あるいはメタノール洗浄することができ、また
その後あるいは上記分離の後熱処理することもできる。
脱硫は例えば苛性ソーダ、硫化ソーダの如きアルカリの
水溶液で行うことができる。必要により、残余のアルカ
リを除去するため次いで希塩酸等で酸洗いし、水洗ある
いはメタノール洗浄を実施する。熱処理は60〜120℃の
温度で行ない、乾熱あるいは湿熱状態で処理せしめられ
る。熱処理機として真空乾燥機、オートクレーブあるい
は一般的に使用される熱風乾燥機でよく、エバポレータ
ーによつてもよい。
熱処理時間としては通常20分〜6時間で十分である。熱
処理に供される架橋セルローズ粒子の架橋条件によつて
熱処理特性が異なり、架橋剤濃度が20〜25重量%と高く
且つ、液体媒体中の水酸化アルカリ濃度が8〜12重量%
と高い時に前述のF値を高く維持したまま、排除限界分
子量を低下させることができる。架橋条件を適宜選択し
て熱処理することによつて種々のF値及び排除限界分子
量を有した架橋セルローズ粒子を得ることができる。
(実施例) 以下実施例により本発明を詳述する。
なお、その前に本明細書における種々の特性値の測定法
を先ず記述する。
<CH伸縮吸収帯の吸光度> 微小セルローズ粒子1〜3mgを精秤し、赤外吸収スペク
トル測定用臭化カリウム粉末(KBrと略)約200mgを精秤
し、両者をめのう乳鉢中でよく混練粉砕する。次いでこ
のセルローズ粒子と混練粉砕したKBr粉末をかき集め、
錠剤成型機にて、赤外吸収スペクトル測定用のKBr錠剤
とし、透過法赤外吸収スペクトルを測定する。得られた
赤外スペクトルに於いて2800〜3000cm-1を持つCH伸縮吸
収帯の吸光度を求め、下記の式により吸光度係数に換算
する。即ち w;微小セルローズ粒子採取量(mg)、 M;KBr粉末採取量(mg)、 m;KBr錠剤重量(mg)、 S;KBr錠剤の底面積(cm2)、 A;CH伸縮吸収帯の吸光度、 T(P);CH伸縮吸収帯ピークトツプに於ける透過率
(%)、 T(b);CH伸縮吸収帯ピーク波数に於けるベースライ
ンの透過率(%)。但しベースラインは2000〜4000cm-1
の範囲に於いてOH伸縮吸収帯とCH伸縮吸収帯の両方のピ
ークすそ野を接線ですくい取るように引く、 Ao;微小セルローズ粒子1mg当りのCH伸縮吸収帯の吸光度
係数、 とするとき、A=log10T(b)/T(P) で表わされる。
<結晶化度の測定法> 繊維学会誌第19巻、No.2(1963)第113頁〜第119頁に記
載のX線回折法によるセルローズの結晶化度の測定法に
より求める。すなわち、2θが5゜から45゜までのX線
回折カーブをとり次式により計算する。
ここで、T′={(a+C)−b}×K K=0.896(セルローズの非干渉性散乱補正係数) C=c−a a:非晶性デンプンの回折カーブ(2θ=5〜45゜)の面
積、 b:空気散乱カーブ(2θ=5〜45゜)の面積、 c:サンプルの回折カーブ(2θ=5〜45゜)の面積、 <平均重合度> JIS L−1015記載の方法に従つて求めた。
<平均粒径測定法> 試料を約0.1g採取し、純水25ml中に投入して攪拌分散せ
しめ、光透過式粒度分布測定器にて測定する。
<分子量分画特性> 微小セルローズ粒子を各々9mmφ×15mmの樹脂カラムに
水を充填液として流速4.0ml/minで60分間かけて充填し
た。次いで各々の充填カラムを分離用カラムとして、下
記分析条件により分子量既知の標準ポリエチレングリコ
ールを用い、溶出時間と分子量との関係をプロツトし、
曲線の折れ曲がり点のポリエチレングリコールの分子量
として、排除限界分子量を求める。
又分画指数(F)は下記式より求める。
ここで VD:ブルーデキストラン(分子量200万)の溶出容量(m
l) VE:エチレングリコールの溶出容量(ml) 分析条件 1.ポンプ アトー株式会社ペリスタポンプ SJ−1211H
型、 2.溶離液 純水、 3.流量 1.0ml/min、 4.温度 室温、 5.検出器 RI検出器、 実施例1 針葉樹からなるパルプ500gを20℃、18重量%の苛性ソー
ダ溶液20に1時間浸漬し、2.8倍に圧搾した。25℃か
ら50℃まで昇温しながら1時間粉砕し、老成し、次いで
セルローズに対して33重量%の二硫化炭素(165g)を添
加して25℃で1時間硫化しセルローズザンテートとし
た。
該ザンテートを苛性ソーダ水溶液で溶解した後、ポリエ
チレングリコール(分子量6000)500gを添加、溶解し
て、セルローズザンテートとポリエチレングリコールの
アルカリ性高分子水溶液を準備した。該アルカリ性高分
子水溶液は、セルローズ濃度9.3重量%、苛性ソーダ濃
度6.1重量%、ポリエチレングリコール9.1重量%、粘度
7400センチポイズであつた。上記調整したアルカリ性高
分子水溶液60gと、アニオン性の高分子化合物としてポ
リアクリル酸ソーダの水溶液(高分子濃度12重量%、分
子量5万)240gを500mlフラスコに入れ、総量を300gと
した。液温30℃のもとで、ラボスターラー(ヤマト科学
社製:MODEL LR−51B、回転羽根7cm)600rpmの攪拌を10
分間行ない、ビスコースの微粒子を生成せしめた後、引
きつづき攪拌しながら、液温を30℃から70℃まで15分間
で昇温し、70℃で10分間維持してビスコース微粒子を凝
固せしめた。該凝固ビスコース粒子を1G4型ガラスフイ
ルターによつて母液から分離した。次いで上記凝固ビス
コース粒子を0.5重量%苛性ソーダ水溶液でポリエチレ
ングリコールを洗浄除去した。得られた凝固ビスコース
粒子は粒径85μmで、セルローズ成分31重量%であつ
た。得られた凝固ビスコース粒子60gをエピクロルヒド
リン25重量%を含有した5重量%苛性ソーダ水溶液500m
l中で攪拌しながら60℃、3時間架橋した。引きつづき
ガラスフイルターによつて母液から分離した後、5重量
%酸塩で中和し、架橋セルローズ微粒子とし、大過剰の
水で洗浄した。得られた架橋微小セルローズ粒子の特性
を第1表Run No.1に示した。
又その分子量分画特性を第1図に示した。
実施例2 実施例1で得られたザンテートを苛性ソーダ水溶液で溶
解し、ビスコースを準備した。該ビスコースはセルロー
ズ濃度10.0重量%、苛性ソーダ濃度6.2重量%であつ
た。
上記調整したビスコース60gにポリエチレングリコール
(分子量4000)を各々3g、6g、30g添加混合し、アルカ
リ性高分子水溶液を得た。該アルカリ性高分子水溶液の
各々とアニオン性の高分子化合物としてポリアクリル酸
ソーダの水溶液(高分子濃度12重量%、分子量5万)24
0gを500mlフラスコに入れ、実施例1と同様な方法でポ
リエチレングリコールを含有するビスコース微粒子を凝
固せしめた。以下実施例4と同様な操作を行ない架橋微
小セルローズ粒子を得た。
その特性を第2表Run No.2〜Run No.4に示した。又Run
No.5(比較例)にはポリエチレングリコールを無添加の
場合の特性を示した。第2図にRun No.2、No.4、No.5の
分子量分画特性を示した。
実施例3 実施例1で得られたビスコース60gとポリエチレングリ
コールの水溶液(高分子濃度40重量%、分子量2万)24
0gを500mlフラスコに入れ、総量を300gとした。
液温30℃のもとで、ラボスターラー1000rpmの攪拌を10
分間行ない、液温を30℃から70℃まで15分間で昇温し、
70℃で30分間維持して、ビスコース微粒子を凝固せしめ
た。得られた凝固ビスコース粒子は、粒径18μmでセル
ローズ成分48重量%(セルローズ換算)であつた。
次いで上記凝固ビスコース粒子を0.5重量%苛性ソーダ
水溶液で洗浄した後、1G4型ガラスフイルターで60g濾別
し、エピクロルヒドリン20重量%を含有した8重量%苛
性ソーダ水溶液1中で攪拌しながら60℃、3時間架橋
した。引きつづきガラスフイルターによつて母液から分
離した後、5重量%塩酸で中和し、架橋セルローズ微粒
子とし、大過剰の水で洗浄した。得られた架橋微小セル
ローズ粒子の特性を第3図Run No.6に示した。
以下に本発明の好ましい実施態様を記載する。
1.セルローズ分子鎖間の架橋がセルローズ分子の水酸基
同志を結合する、水酸基で置換されたアルキレン又は水
酸基で置換され且つ酸素原子で中断されたアルキレンで
ある特許請求の範囲第1項に記載の微小架橋セルローズ
粒子。
2.KBr錠剤法による赤外線吸収スペクトルにおいて、CH
伸縮振動に帰属する吸収ピークの吸光度係数が0.065〜
0.200mg-1・cm2の範囲にある特許請求の範囲第1項に記
載の微小架橋セルローズ粒子。
3.KBr錠剤法による赤外線吸収スペクトルにおいて、CH
伸縮振動に帰属する吸収ピークの吸光度が0.094〜0.190
mg-1・cm2の範囲にある特許請求の範囲第1項に記載の
微小架橋セルローズ粒子。
4.結晶化度が7〜45%の範囲にある特許請求の範囲第1
項に記載の微小架橋セルローズ粒子。
5.平均粒径が2〜150μmの球状ないし長球状の粒子か
ら実質的になる特許請求の範囲第1項に記載の微小架橋
セルローズ粒子。
6.平均粒径が20μm以下の球状ないし長球状の粒子から
実質的になる特許請求の範囲第1項に記載の微小架橋セ
ルローズ粒子。
7.長球状の粒子の投影図が楕円形、長く伸びた円形、ピ
ーナツツ形、卵形である特許請求の範囲第1項に記載の
微小架橋セルローズ粒子。
8.セルローズの重合度が100〜700の範囲にある特許請求
の範囲第1項に記載の微小架橋セルローズ粒子。
9.下記式 ここで、 VDはブルーデキストラン(分子量200万)の溶出容量(m
l)であり、そして VEはエチレングリコールの溶出容量(ml)である、 で定義される分画指数(F)が少なくとも0.6である特
許請求の範囲第1項に記載の微小架橋セルローズ粒子。
10.分画指数(F)が少なくとも1.0である特許請求の範
囲第1項に記載の微小架橋セルローズ粒子。
11.分画指数(F)が高々3である特許請求の範囲第1
項に記載の微小架橋セルローズ粒子。
12.湿潤時耐圧性が少なくとも5kg/cm2である特許請求の
範囲第1項に記載の微小架橋セルローズ粒子。
13.湿潤特耐圧性が少なくとも10kg/cm2である特許請求
の範囲第1項に記載の微小架橋セルローズ粒子。
14.上記工程(1)で用いられる凝固ビスコース微粒子
が400μm以下の平均粒径を有する特許請求の範囲第2
項に記載の方法。
15.上記工程(2)の架橋反応を、1〜25重量%の水酸
化アルカリを含む液体媒体中で実施する特許請求の範囲
第2項に記載の方法。
16.水酸化アルカリが苛性ソーダ又は苛性カリウムであ
る特許請求の範囲第2項に記載の方法。
17.上記液体媒体が水及び水と相溶性があり且つ架橋剤
に良溶媒である有機溶媒とからなる水系媒体である特許
請求の範囲第2項に記載の方法。
18.上記液体媒体が水である特許請求の範囲第2項に記
載の方法。
19.上記工程(3)の熱処理を60〜120℃の温度で実施す
る特許請求の範囲第2項に記載の方法。
(発明の効果) 上記したとおり、本発明の微小架橋セルローズ粒子は II型セルローズ結晶相とセルローズ非晶相から実質的に
成り、 セルローズ非晶相にはセルローズ分子鎖間に架橋が存在
し、 X線回折法により求めた結晶化度が5〜45%の範囲にあ
り、 平均粒径が300μm以下の球状ないし長球状の粒子から
実質的になり、そしてポリエチレングリコールによる排
除限界分子量が10,000よりも大きく100万よりも小さい
値であり、化学薬品に対して比較的安定であり、耐圧性
も良好であるため、蛋白質などの高分子化合物を分離す
る液体クロマトグラフイー充填剤として好適に使用しう
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の微小架橋セルローズ粒子(実施例1:
Run No.1)の液体クロマトグラフイー用充填剤としての
分離性能を示すポリエチレングリコールの分子量と溶出
時間との関係を示す図である。 第2図は、本発明の微小架橋セルローズ粒子(実施例2:
Run No.2、Run No.4、Run No.5)の液体クロマトグラフ
イー用充填剤としての分離性能を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉留 英雄 大阪府岸和田市天神山町3丁目6番15号 (56)参考文献 特開 昭62−265328(JP,A) 特開 昭50−151289(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) II型セルローズ結晶相とセルロー
    ズ非晶相から実質的に成り、 (b) セルローズ非晶相にはセルローズ分子鎖間に架
    橋が存在し、 (c) X線回折法により求めた結晶化度が5〜45%の
    範囲にあり、 (d) 平均粒径が300μm以下の球状ないし長球状の
    粒子から実質的になり、そして (e) 10,000よりも大きく100万よりも小さく排除限
    界分子量を有する、 ことを特徴とする微小架橋セルローズ粒子。
  2. 【請求項2】(1)(A)セルローズザンテートとそれ
    以外の第1の水溶性高分子化合物のアルカリ性高分子水
    溶液を準備し、 (B)上記アルカリ性高分子水溶液とアイオン性又は非
    イオン性の第2の水溶性高分子化合物とを混合して該ア
    ルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液を生成せしめ、 (C)上記分散液を加熱するかあるいは上記分散液をセ
    ルローズザンテートの凝固剤と混合することにより、 (D)セルローズザンテートをセルローズ換算で5〜60
    重量%含有する凝固ビスコースを準備し、 (2)上記凝固ビスコース微粒子を酸で中和したのち架
    橋反応に付し次いで (3)(i)生成した架橋セルローズ微粒子を母液から
    分離するか、 (ii)工程(i)に引き続いて脱硫、酸洗い、水洗ある
    いはメタノール洗浄に付すか、又は (iii)工程(i)又は工程(ii)に引き続いて熱処理
    に付す、 ことを特徴とする請求項1の微小架橋セルローズ粒子を
    製造する方法。
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