JP5261171B2 - 補強強化繊維シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は強化繊維を用いた補強強化繊維シート及びその製造方法に関し、さらに詳しくは土建用構造物の補強用途、或いは風車ブレード用途、自動車用途などの多様な産業分野における様々な用途に用いられるRTM成形(樹脂注入成形)に適した強度発現に優れた補強強化繊維シートとその製造方法に関する。
土建用構造物の補強材としては、炭素繊維などの強化繊維を一方向に並べた繊維シート状物に樹脂を含浸させた補強強化繊維シートが使われ、その補強強化繊維シートを前記構造物に接着する耐震補強方法が知られる。この方法は補強効果が高く、耐久性にも優れており、また補強作業が簡単なことから広く採用されている。例えば、特許第3102295号公報(特許文献1)、特許第3279049号公報(特許文献2)、特開2008−7871号公報(特許文献3)、特許第3099656号公報(特許文献4)などでは炭素繊維を一方向に配列した繊維シート状物の代表的な炭素繊維を用いた織物、編物、一方向繊維シートが開示されている。一方、風車ブレード、自動車用途などのような強度発現が要求される産業用途としては、例えば特開2007−182661号公報(特許文献5)、特開2007−321323号公報(特許文献6)などに、織物などであっても構造的に炭素繊維の屈曲が少ない多軸ファブリック、多軸織物、UDプリプレグなどが提案されている。
しかしながら、上記特許文献1に開示された織物は経糸と緯糸を交錯させて得られる。このとき、経糸に配列された炭素繊維は緯糸との交錯時にクリンプが発生する。そのため、該クリンプにより、その交錯部に応力が集中して強化繊維織物としての強度物性の低下が生じることはすでに知られている。一方、これらの問題点を解決するため、上記特許文献2〜特許文献4のように経糸にクリンプが発生せず応力が集中しないような構造の織編物が提案されている。しかし、これらの補強繊維シート状物を製造するためには専用の織機や編機が必要であり、また製法も経糸の表裏面及び両側面に経糸方向に延びる補助繊維を配列させるため工程的に極めて煩雑になるといった問題がある。
更に近年では、自動車、風車ブレードなどの産業用途に、上記特許文献5のように多数の繊維糸条を一方向に揃えた複数の繊維シートを、その繊維方向を交差させて多層に配するとともに、各繊維シートの間に熱可塑性の樹脂からなる不織布を介装し、該不織布の一部を前記繊維シートの繊維糸条に溶着させた多軸ファブリックを材料として、RTMやRFIなどで成形された多軸成形材が多く用いられているが、多軸ファブリックを製造する多軸織機は非常に高額な設備投資が必要なこと、また日本に数台しかないことからファブリックそのものの入手が難しく、そのための検討が容易ではない。一方、上記特許文献6では一方向に並べられた炭素繊維の両面にメッシュ状物を接着させた繊維シートが提案されているが、目が比較的細かいメッシュ状物が接着されているため、機械物性の強度が損なわれる問題、更には製造面で使用メッシュ状物の自由度がないということが挙げられる。
本発明は、上記課題に対し、従来の一方向性炭素繊維織物より経糸として配列した炭素繊維のクリンプを低減させた一方向性の補強強化繊維シートと、その補強強化繊維シートを専用の織機や編機、多軸織機などを用いることなく製造できる製造方法を提供することを目的としている。
特許第3102295号公報 特許第3279049号公報 特開2008−7871号公報 特許第3099656号公報 特開2007−182661号公報 特開2007−321323号公報
上記課題を解決するため、本発明の第1の基本的構成は、複数の強化繊維が一方向に真直性を保持して並行に配列された強化繊維シートにあって、該強化繊維シートの表裏面に該強化繊維より細い補助繊維を、シート化した前記強化繊維に対して直角方向に配列固定してなるとともに、前記強化繊維シートのシート幅方向の左右側端及び強化繊維間の任意の箇所に該補助繊維を配列固定させてなることを特徴とする補強強化繊維シートにある。
好ましい態様によれば、前記強化繊維間に30〜100mmピッチで補助繊維を更に配列させることもできる。前記補助繊維は強化繊維の表裏面に5〜50mmピッチで配列することが好ましい。前記強化繊維は、マルチフィラメント数が12,000〜100,000本の炭素繊維から構成されているとよい。また、前記補助繊維に熱可塑性ポリマーを連続的に付着させておき、熱可塑性ポリマーを介して補強繊維を炭素繊維に接着させてもよい。前記炭素繊維マルチフィラメントの繊維本数が12,000〜100,000本、トータル繊度が800〜6,600Texであり、補助繊維の糸繊度が100Tex以下、且つ目付けが150〜1,500g/m2 であることが好ましい。
本発明の第2の基本構成は、上記複数の強化繊維が一方向に並行に配列された強化繊維シートの製造方法であって、該強化繊維を多段に並列しながら開繊した後、強化繊維をシート化するとともに、その強化繊維シートのシート幅方向の左右両側端及び強化繊維間の任意の箇所に補助繊維を強化繊維方向に平行に配列し、引き続き、該強化繊維シートの表裏面に該補助繊維を該強化繊維に対して直角方向に配列した強度発現に優れる補強強化繊維シートの製造方法にある。
本発明に係る補強強化繊維シートは、多数の補強繊維が平行に並ぶ強化繊維シートの表裏両面に、前記強化繊維シートに直交して補強繊維が所要の間隔をおいて固着一体化されるため、経糸と緯糸とが交錯し、或いは編糸が交絡するループを形成する織物や編物ではないため、経糸と緯糸との間で、或いは編糸同士が交絡み合うことがなく、交錯部や交絡部における応力の集中がなく、例えばコンクリート構造物などの補強強度が向上する。
た、前記強化繊維シートの両側端縁に補助繊維を強化繊維に平行して配列させると、強化繊維シートの取扱い時におけるシート幅方向の両側端の毛羽立ちの発生が防止できるようになる。
また、例えば一方向に平行に並べた複数の強化繊維シートを、その繊維方向を交差させて積層するとともに、各強化繊維シート層間にマトリックス樹脂から構成された不織布を介装し、加熱プレスして一体化する多軸成形品の場合は、加熱一体化するまでの積層工程が複雑であり且つ煩雑であって、経済的にも高価格とならざるを得ない。しかるに、本発明の補強強化繊維シートによれば、構成が簡単な上に、その製造にあたっても、特殊な専用の織機や編機が不要であり、自動化が可能となって、製造効率を一段と向上させることができる。
以下、本発明代表的な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
一般的な一方向性繊維織物は経糸に炭素繊維、緯糸は経糸より繊度の小さい補助繊維で構成され、いわゆる平織り組織で経糸と緯糸が1本毎に交錯を繰り返して組織される。そのため、経糸と緯糸とが交錯する箇所では屈曲により応力が集中し強度低下を招く一因となっている。
この傾向は当然にクリンプ(屈曲)角度が大きいほど強くなる。そこで、既述したとおり、これらの屈曲を極力抑える織物が提供されている。しかし、織物又は編物である以上、またこれをシート状物に仕上げる以上、糸間における交錯は必須となり、屈曲は避けられず、機械物性も自ずと強度低下を免れない。また、これらの繊維シート状物を得るには、織機、編機といった専用機が必要である。更に、一般的に最も高い機械物性が得られる複合材料は、炭素繊維を一方向に配列した一配向シート材料に樹脂を含浸させる、いわゆるUDプリプレグであることは周知である。該プリプレグは製造上、厚目付けは困難で500〜600g/m2 が限界である。そのため、該プリプレグの製造時の樹脂の含浸状態も完全ではなく半含浸に近い状態にあるが、成形方法によっては最終的に完全含浸したコンポジットが得られる。
しかしながら、該プリプレグは強化繊維シート材料に既に樹脂が含浸されているため、成形方法がAC成形やオーブン成形などに限定されてしまい、風車ブレード用途などの大型成形で用いられているRTM成形には不向きであり、材料として織物や編物、多軸ファブリックが用いられている。ファブリック構造としては、従来の織、編物は一般的に補助繊維に熱可塑性ポリマーを被覆したものを配列して、炭素繊維に熱接着させて一体化させる。一方、多軸ファブリックは層間をステッチ糸で一体化させる。
これに対して、本願の補強強化シート構造は、図1及び図2に示すように、従来の織、編物や多軸ファブリックと異なり、一方向に配列した強化繊維シートの表裏面に熱可塑性ポリマーを被覆した補助繊維10で接着固定するものである。この補助繊維10の接着は強化繊維シートに対して直角方向に接着する。なお、強化繊維シートに対して直角方向に接着させる補助繊維10のピッチは該強化繊維2の真直性を保持させて均一に配列させるためには極めて重要である。強化繊維の収束状態によっては補助繊維10のピッチの大小により該強化繊維2の真直性が異なってくる。即ち、収束性が良好、或いは硬い強化繊維はピッチがある程度大きくても真直性は保持され、強度も得られるが、収束性が悪い、或いは柔らかな強化繊維2はピッチを小さくするほど真直性は向上し、逆にピッチを大きくすると、該強化繊維2は補助繊維10との交差点前後が幅方向に太鼓状に広がり(蛇行) やすくなり、該強化繊維2の真直性が損なわれる。更に、成形工程での取扱いも悪くなる。よって、接着ピッチ間隔は5〜50mmが好ましいが、10〜30mmがより好ましい。
また、補助繊維10としては、アラミド繊維、ガラス繊維、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン繊維など、いずれであっても何ら差し支えないが、補強強化繊維シートの目付け、使用繊度により適宜使い分けるのが好ましく、繊度として100Tex以下のガラス繊維が好ましい。また、補助繊維10に対する熱可塑性ポリマーの被覆方法は、合燃、カバリング、糊、樹脂、引き揃え、或いはポリエチレン繊維を熱圧着させて補助繊維として用いるなど、如何なる手法であっても何ら差し支えない。また、熱可塑性ポリマーの材質は、接着度合いにより適宜変更しても良い。
本発明の補強強化繊維シートは強化繊維2と補助繊維10との接着保持力を高めると、取扱い時によるシート幅方向の両側端の毛羽立ちが発生しやすくなる。これを防止するために、該前記強化繊維シートの両側端縁に補助繊維を強化繊維に平行して配列させることを特徴としている。なお、両側端縁に配列する補助繊維10は横方向に配列する補助繊維10と同等の太さかやや太い方が保持力や取扱い時の毛羽立ちを防止するのに望ましい。また、この両側端縁に配列する補助繊維の本数は1本或いは複数本でも何ら差し支えない。更に保持力を高めるために、強化繊維2間の任意の箇所に補助繊維10を強化繊維方向に平行に配列させることで炭素繊維はより強固に保持される構成となる。
以上のことから本発明は専用機を必要とせず屈曲のない新規な補強繊維シートが提供できるものであり、これを図面に従って具体的に説明する。補強強化繊維シートを製造するに際し、シートの目付け、使用繊維の繊度に応じ必要本数が適宜決定されるが、本発明で使用する補強繊維10としては、アラミド繊維、ナイロン、高強力ポリエステル、ビニロン、炭素繊維などいずれであっても差し支えないが、その使用目的、用途などに応じて使い分けするのが好ましい。以下の説明では、強化繊維として炭素繊維を例として説明する。
図3に示すように、クリール1へ掛けた強化繊維である炭素繊維2を転がしながら横から引き出し(横取りし)目皿ガイド3を経て上下2本のガイドバー4間に通す。次に、該炭素繊維2を隣接繊維が交差しないように、また、直進性を保持し、且つシートの目付及び幅を規制するために第1コーム5にて配列させる。引き続き2対のニップロール6で緊張配列させて張力の均一化を図る。
次に、前記第1コーム5と同規格の第2コーム7にて最終的な幅を規制しながらジグザグに配列されている複数本のテンションバー8を通す。ここで、本発明の重要な点は、テンションバー8に炭素繊維2を通すとき、多段に該炭素繊維2を振り分けることである。目的は該炭素繊維2をテンションバー8で開繊して蛇行しているフィラメントをなくし真直性を保持するためである。この真直性保持は使用する繊維の太さや製造シートの目付けが大きい程、強度発現に影響を受ける。また、前記テンションバー8の本数や配設角度は、該繊維シートに付与するサイズ剤の種類、その付着量、繊維断面等により開繊状態や加工性に影響されやすいため、特に限定するものではなく、該繊維シートの開繊、配列、外観状態などを確認しながら適宜調整すればよい。なお、炭素繊維2をテンションバー8へ配列する方法は第2コーム7で配列された該繊維を1 本交互に多段のテンションバー8へ順次振り分ければよい。また、補強繊維10を複数の炭素繊維間に配するときは、複数の炭素繊維2の振り分け端に補強繊維を配するようにすることが好ましい。
多段のテンションバー8で開繊された炭素繊維2は繊維シートの状態で上下一対の加熱ロール9へと供給される。図3に示すように、加熱ロール9の手前にて、補助繊維10を前記繊維シートの表裏面に配列する。この補助繊維10の配列方法は、加熱ロール9への挿入前において、走行するシート状に並列された前記炭素繊維2の両側縁部に沿って上下2段に配され、前記炭素繊維2の速度と同一速度で同一方向に走行する複数の補助繊維懸架用の上下フック15a,15bに、上下2本の補助繊維10を引っ掛けて繊維シートと一緒に移動させ、その移動の間に前記加熱ロール9の間を通過させて、シート状の前記炭素繊維2の表裏面に補助繊維10を直交させて溶着することによりなされる。
前記複数の上下フック15a,15bは、上下2段に配された無端チェーン14にそれぞれ所定のピッチをもって装着されている。この無端チェーン14は、シート状の炭素繊維2の幅方向の左右両側縁に隣接して左右に2組設置されている。本実施形態にあっては、上下フック15a,15bにおいて、隣接するフック15a,15b間の装着間隔は前記ピッチの1/2とされており、上下フック15a,15bの間で半ピッチずれて配されている。シート状の炭素繊維2を挟んで上下に配される2本の補助繊維10のうち、上方に配される補助繊維10はシート状の炭素繊維2を挟んで対向する前記上フック15aにジグザグ状に引っ掛けられて、シート状の炭素繊維2の走行方向に直交する状態で並列して対向する上フック15a間に懸架されて、シート状の炭素繊維2と同期して同方向に移動する。シート状の炭素繊維2を挟んで下方に配された補助繊維10についても、下段に配された左右2組の無端チェーン14の駆動によって、上方の補助繊維10と同様に移動する。
補助繊維10が上下一対の加熱ロール9の間を炭素繊維2とともに通過するとき、補助繊維10は加熱ロール9によって加熱加圧され、補助繊維10に連続して付着された熱可塑性ポリマーが溶け、その交差部において炭素繊維2と補助繊維を接合固化して補強強化用繊維シートとなる。このときの加熱ロール9の温度は補助繊維に付着した熱可塑性ポリマーの融点以上とする。加熱ロール9を通過したのち、上下2組のフック15a,15bの間で引っ掛けられて、それぞれジグザグ状に懸架されている上下の補助繊維10の端部は、引き取りロール11の前後の補助繊維切断位置13で切断される。補強強化繊維シートは引き取りロール11を経て巻き取りロール12に巻き取られる。
以下に、上記製造装置を用いて製造した補強強化繊維シートに関する実施例に基づき、本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
炭素繊維(パイロフィル、三菱レイヨン株式会社製)からなる12K(フィラメント本数:12000本) のマルチフィラメントを用いシート状物に、22.5Texのガラス繊維(ユニチカグラスファイバー株式会社製)糸状に熱融着繊維(東レ株式会社製)を付着させた補助繊維を、シート状物に直交させて表裏両面に配列させて熱融着繊維にて接着した、目付け300g/m2の補強強化繊維シートを得た。得られた補強強化繊維シートは、一方向に配列された炭素繊維の直進性が得られており、補助繊維は該炭素繊維にしっかりと接着固化されており、しかも空隙のない繊維密度が均一な強化繊維シートであった。
また、製造速度を同じ炭素繊維12K(三菱レイヨン株式会社製パイロフィル)を用いて、目付け300g/m2の従来の織機で製織される簾織物と比較して2倍以上の速い速度で安定して製造でき、生産性の向上が著しいものであった。次に、得られた前記補強強化繊維シートを1層にてエポキシ樹脂を含浸させ、ハンドレイアップ成形法で硬化板を作成し、JIS K 7073の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の引張試験法に準拠して引張破断強度を評価した。その結果を下記表1に示す。
(比較例1)
比較のため実施例1で使用した炭素繊維を経糸に用い、緯糸は同じ補助繊維を用いて、目付け300g/m2の規格で従来の織機で簾織物を平織りで製織した。得られた織物は経糸に配列した炭素繊維が隣接する糸間で目開きが観察され、また経糸と緯糸の交錯によるクリンプの発生も観察された。この織物を、実施例1と同様に1層にてエポキシ樹脂を含浸させ、ハンドレイアップ成形法で硬化板を作成し、実施例1の試験方法により引張破断強度を評価した。その結果を下記表1に示した。
Figure 0005261171
(実施例2)
炭素繊維(パイロフィル、三菱レイヨン株式会社製)からなる50K( フィラメント本数:50,000本) のマルチフィラメントを用い、22.5Texのガラス繊維(ユニチカグラスファイバー株式会社製)糸状に熱融着繊維(東レ株式会社製)を付着させた補助繊維を、シート状物に直交させて表裏両面に配列させて熱融着繊維にて接着した、目付け600g/m2の補強強化繊維シートを得た。得られた強化繊維シートは一方向に配列された炭素繊維は直進性が得られており、補助繊維は該炭素繊維にしっかりと接着固化され、しかも空隙のない繊維密度が均一な強化繊維シートであった。
また、製造速度を同じ炭素繊維12K(パイロフィル、三菱レイヨン株式会社製)を用いて、目付け600g/m2の従来の織機で製織される簾織物と比較すると、2倍以上の速い速度で安定して製造でき、生産性の向上が著しいものであった。次に、得られた前記補強強化繊維シートを積層してエポキシ樹脂を含浸させ、ハンドレイアップ成形法で硬化板を作成し、JIS K 7073の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の引張試験法に準拠して引張破断強度を評価した。その結果を下記表2に示す。
(比較例2)
比較のため、実施例2で使用した炭素繊維を経糸に用い、緯糸に同じ補助繊維を用いて、目付け600g/m2の規格で従来の織機により平織りで簾織物を製織した。得られた織物は緯糸と経糸の交錯点で経糸の両端が太鼓状になり、やや真直性に欠ける織物であった。この織物を実施例1と同様に積層して、エポキシ樹脂に含浸させ、ハンドレイアップ成形法で硬化板を作成し、実施例2の試験方法により引張破断強度を評価した。その結果を下記表2に示した。
Figure 0005261171
表1及び2に示す結果から明らかなように、本発明の強化繊維シートから作成した硬化板は非常に高い引張強度を備え、引張弾性率においても、従来の簾織物基材より極めて高い値を示している。
以上の説明からも理解できるように、本発明にあっては一方向に炭素繊維を配列し、該繊維のシート状体の表裏両面に熱融着繊維を連続的に付着させた補助繊維で接着固化した真直性のある補強繊維シートとすることによって、機械物性、特に強度発現性に優れた複合材料を得ることができる。このようにして得られた複合材料は、土建、風車用途などをはじめ、幅広い分野に適する複合材料となる。
本発明の補強強化繊維シートの第1構成例を模式的に示す斜視図である。 本発明の補強強化繊維シートの第2構成例を模式的に示す斜視図である。 本発明の製造方法を説明するための概略工程図である。 本発明における補助繊維の挿入方法の模式図である。
符号の説明
1 クリール
2 強化繊維(炭素繊維)
3 目皿ガイド
4 ガイドバー
5 第1コーム
6 ニップロール
7 第2コーム
8 テンションバー
9 加熱ロール
10 補助繊維
11 引き取りロール
12 巻き取りロール
13 補助繊維切断位置
14 無端チェーン
15a,15b 補助繊維懸架用の上下フック

Claims (7)

  1. 複数の強化繊維が一方向に真直性を保持して並行に配列された強化繊維シートにあって、該強化繊維シートの表裏面に該強化繊維より細い補助繊維を、シート化した前記強化繊維に対して直角方向に配列固定してなるとともに、前記強化繊維シートのシート幅方向の左右側端及び強化繊維間の任意の箇所に該補助繊維を配列固定させてなることを特徴とする補強強化繊維シート。
  2. 前記補助繊維が前記強化繊維間に30〜100mmピッチで配列されてなることを特徴とする請求項1に記載の補強強化繊維シート。
  3. 前記補助繊維が強化繊維の表裏面に5〜50mmピッチで配列されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の補強強化繊維シート。
  4. 前記強化繊維が、マルチフィラメント数12,000〜100,000本の炭素繊維から構成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の補強強化繊維シート。
  5. 前記補助繊維に熱可塑性ポリマーが連続的に付着され、該熱可塑性ポリマーを介して強化繊維と補助繊維とを接着せしめてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の補強強化繊維シート。
  6. 炭素繊維マルチフィラメント数が12,000〜100,000本、トータル繊度が800〜6,600Texであり、補助繊維の糸繊度が100Tex以下、かつ目付けが150〜1500g/m2 であることを特徴とする請求項4又は5に記載の補強強化繊維シート。
  7. 請求項1に記載の補強強化繊維シートの製造方法であって、強化繊維を多段に配列しながら開繊した後、強化繊維をシート化するとともに、その強化繊維シートのシート幅方向の左右両側端及び強化繊維間の任意の箇所に補助繊維を強化繊維方向に平行に配列し、引き続き、前記強化繊維シートの表裏面に前記補助繊維を前記強化繊維に対して直角方向に
    配列することを含んでなることを特徴とする強度発現に優れた補強強化繊維シートの製造方法。
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