JPH1177868A - 強化繊維材 - Google Patents

強化繊維材

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JPH1177868A
JPH1177868A JP24155397A JP24155397A JPH1177868A JP H1177868 A JPH1177868 A JP H1177868A JP 24155397 A JP24155397 A JP 24155397A JP 24155397 A JP24155397 A JP 24155397A JP H1177868 A JPH1177868 A JP H1177868A
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JP
Japan
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heat
fusible
reinforcing fiber
reinforcing
fiber
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JP24155397A
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English (en)
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Tomoo Sano
智雄 佐野
Shigeji Hayashi
繁次 林
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貼り付け用樹脂が限定されず、下地への追従
性が高く、施工後も強化繊維材の強度を十分に発揮する
ことができる強化繊維材を得る。 【解決手段】 1本あるいは複数の強化繊維トウ2と熱
融着性繊維束1とが交互に引き揃えられて配列され、そ
の少なくとも片面に熱融着性支持体3が配されて、これ
らが熱融着により一体化してなる強化繊維材10を提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋脚、橋梁、床
版、建築物の柱、梁、天井などの補修補強、特にコンク
リート製構造物の補修補強に使用される強化繊維材に関
する。
【0002】
【従来の技術】橋脚、橋梁などのコンクリートからなる
大型構造物や複雑な形状の構造物の成形を行う方法とし
て、炭素繊維、ガラス繊維、高強度有機繊維等の強化繊
維からなる強化繊維材に、樹脂を含浸させながらこれを
構造物に貼り付けて、そのまま室温で放置してあるいは
加熱して、前記樹脂を硬化させるハンドレイアップ法が
知られている。上記強化繊維材としては、上記強化繊維
に熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグと呼ばれるシー
トや、上記強化繊維を経糸として用いた一方向クロスと
呼ばれる織物等が用いられる。
【0003】また、コンクリート構造物の補修補強を行
う際にも、強化繊維材を用いたハンドレイアップ法が多
く実施されている。この場合には、強化繊維材として長
繊維強化繊維を用い、この長繊維強化繊維を一方向ある
いは多方向に配列させて固定したシート状形態の強化繊
維材が用いられる。この強化繊維材としては、特開平3-
2223734号公報にあるような強化繊維を少量の樹脂と裏
打ちの形状支持体によってシート形態としたトウシート
タイプのものや、特開平3-212568号公報にあるような強
化繊維を一方向に配列し樹脂を含浸させたプリプレグタ
イプのものや、特開平7-243149号公報にあるような強化
繊維と熱融着性繊維とを織製した後、熱融着を行ってシ
ート形態とした一方向クロスタイプのものなどがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ハ
ンドレイアップ法において、プリプレグを用いる場合、
コンクリートへの貼り付けを行う際に、貼り付け用樹脂
を選択することができないことや、プリプレグに含浸さ
せた熱硬化性樹脂を硬化させるために十分な熱処理を行
わなければならないことや、該熱硬化性樹脂の粘度が高
いために貼り付け時に気泡を含み易いことや、熱硬化性
樹脂を含浸しているために構造物の複雑な形状には追従
しにくく補強が十分に行えないことなどの問題があっ
た。また、一方向クロスの場合は、貼り付け用樹脂の選
択は自由に行えるものの、織物であるため生産効率が劣
るといった問題があった。
【0005】そして、長繊維強化繊維を用いて、コンク
リート構造物の補修補強を行う場合においても問題があ
った。例えば、トウシートタイプやプリプレグタイプに
おいては、予め強化繊維材中に樹脂を含浸しているた
め、コンクリートへの貼り付け用樹脂が限定されてしま
うことや、この予め含浸されている樹脂のために、貼り
付け用樹脂の強化繊維への含浸性が悪く、またシート形
態の保持が未硬化樹脂によってなされているため、施工
時にこの未硬化樹脂の流れにより強化繊維の配列が乱れ
てしまうなど強化繊維の強度を十分に発揮することがで
きないといった問題があった。また、これらの強化繊維
材に含浸される樹脂や、支持体の存在によりシートとし
ての柔軟性が乏しく、角部に対しては大きく面取りする
必要があり、下地の凹凸によっては浮きを生じる恐れが
あるなどの問題があった。さらに、プリプレグタイプの
ものにおいては、この含浸する熱硬化性樹脂を硬化させ
るために十分な熱処理を行う必要があり、熱源の設定等
の煩雑な作業が必要であった。
【0006】また、一方向クロスタイプのものにおいて
は、コンクリートへの貼り付け時の貼り付け用樹脂が限
定されることなく自由に選択することができる点や、下
地への追従性に富む点においては問題はないが、織製し
ていることにより生産効率が悪いといった問題があっ
た。これらのタイプの強化繊維材のほかにも、特開平8-
142238号公報にあるように熱融着性繊維からなるネット
状支持体を用いてシート形態にするタイプのものもある
が、シートの厚み方向に強化繊維の拘束がないために、
その内部の強化繊維の配列が乱れ易く、この強化繊維材
がシートの厚み方向に裂けて袋状になってしまうという
問題があった。
【0007】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、強化繊維材をコンクリートに貼り付ける時に使用さ
れる貼り付け用樹脂を自由に選択することができ、下地
への追従性が高く、また、コンクリートに貼り付け後、
強化繊維の強度を十分に発揮することができる強化繊維
材を提供するを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、一本あるいは複数本の強化繊維トウと熱
融着性繊維束とが交互に一方向に引き揃えられて配列さ
れ、その少なくとも片面に熱融着性支持体が配されて、
これらが熱融着により一体化されてなる強化繊維材を提
供する。
【0009】本発明の強化繊維材においては、上記熱融
着性支持体を熱融着性繊維束から構成することができ、
この熱融着性繊維束が、低融点熱可塑性樹脂繊維とガラ
ス繊維との撚り糸からなる熱融着性繊維束、あるいは低
融点熱可塑性樹脂繊維とガラス繊維とをバインダーを介
して一体化させた熱融着性繊維束からなることが好まし
い。また、前記熱融着性繊維束が、上記強化繊維トウに
対して交差するように配置され、かつこの熱融着性繊維
束の配置間隔が2〜150mmであることが好ましい。
【0010】また、本発明の強化繊維材においては、上
記熱融着性支持体を熱融着性を有するネット状体から構
成することができる。また、本発明の強化繊維材におい
ては、上記熱融着性支持体を熱融着性を有する布帛から
構成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の強化繊維材の第
1の例を示すもので、符号10は強化繊維材である。こ
の強化繊維材10は、複数本の強化繊維トウ2と熱融着
性繊維束1とが交互に一方向に引き揃えられ配列し、そ
の両面に複数の熱融着性支持体3が配され、これらが一
体化されてなるものである。
【0012】上記強化繊維トウ2は、強化繊維を引き揃
えて束状としたものである。該強化繊維としては、例え
ば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などの高強度
有機繊維や金属繊維など一般に用いられるものであれば
よく、特に限定されるものではないが、このなかでも、
炭素繊維が高い引張強度を有し、安価で、取り扱い性に
優れることから好適に用いられる。
【0013】上記熱融着性繊維束1としては、熱融着性
樹脂を含んでおればよく、低融点熱可塑性樹脂が好適に
用いられ、この融点が、30〜200℃の範囲であるこ
とが望ましい。この範囲であると、強化繊維材10の室
温でのシート形状の保全性がよく、製造時の加熱が容易
であるなど利点がある。具体的には、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂などを挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。ま
た、上記熱融着性樹脂として、200℃以下で軟化し、
かつ30℃以下で半固化から固形である高分子量モノマ
ーや、オリゴマーを用いることもできる。
【0014】上記熱融着性繊維束1の形態としては、低
融点熱可塑性樹脂のモノフィラメントあるいはマルチフ
ィラメントをそのまま用いてもよいし、低融点熱可塑性
樹脂のモノフィラメントあるいはマルチフィラメント
と、ガラス繊維などの他種繊維との撚り糸などを用いる
ことができる。または、低融点熱可塑性樹脂のモノフィ
ラメントあるいはマルチフィラメントと、上記他種繊維
とをバインダーを介して一体化させたものや、ガラス繊
維を支持体として、その表面を上記熱融着性樹脂により
コーティングしたものや、ガラス繊維を支持体として、
その表面にバインダーを介して上記熱融着性樹脂の粉体
を被覆したものなどを用いることができる。
【0015】上記バインダーとしては、200℃以下の
温度で溶解、あるいは軟化する高分子化合物であれば特
に制限はないが、水に溶解性のある、あるいは水性エマ
ルジョン化の可能な化合物であることが望ましい。この
化合物であれば、低融点熱可塑性樹脂と他種繊維とを一
体化させるプロセスが容易となる。具体的にこのような
高分子化合物としては、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、ポ
リアクリル酸エステル、ポリエステル、ポリエチレン、
ポリブタジエン共重合体などが挙げられる。
【0016】上記強化繊維トウ2と熱融着性繊維束1
は、交互に平行に引き揃えられる。このときの配置間隔
としては、熱融着性繊維束1の配置間隔が3〜100m
mであることが好ましく、この間に、1本あるいは複数
本の強化繊維トウ2が引き揃えられる。この配置間隔が
3mm未満であると、強化繊維材10の強化繊維トウ2
の含有率が低くなり、熱融着性繊維束1の厚みが増して
強化繊維材10の施工時に貼り付け用樹脂の含浸性が低
下したり、また強化繊維トウ2のドレープ性が低下して
強化繊維材10の下地への追従性が低下したりして不都
合となる。また、配置間隔が100mmを越えると、強
化繊維トウ2の熱融着性繊維束1における拘束力が少な
くなるため、強化繊維材10の内部で強化繊維トウ2の
配列に乱れが生じやすくなり、袋状となってしまう恐れ
があり不都合となる。
【0017】また、上記熱融着性繊維束1の外径が、強
化繊維材10の設計厚みの100〜300%であること
が好ましい。熱融着性繊維束1として複数の熱融着性繊
維の交絡糸を用いる場合は、その交絡糸の糸径が強化繊
維材10の設計厚みの100〜300%であればよい。
このとき、強化繊維材10の設計厚みとは、強化繊維材
10、1m2当たりに含有される強化繊維を、完全に充
填したと仮定したときの強化繊維材10の厚みを示し、
強化繊維材1m2当たりの強化繊維重量を、強化繊維の
密度で除すことによって算出することができる。強化繊
維材10の設計厚みが100%未満であると、熱融着性
繊維束1が十分に熱融着できずに強化繊維材10の厚み
方向の拘束力が十分でなくなり、強化繊維材10が型く
ずれをおこし易くなって不都合となり、300%を越え
ると、熱融着性繊維束1の高さによって、強化繊維トウ
2と熱融着性支持体3とが接着しにくくなり、両者の熱
融着が不十分となって不都合となる。
【0018】上記熱融着性支持体3は、強化繊維材10
に、強化繊維トウ2と熱融着性繊維束1の引き揃え方向
以外の方向からの力に対する強化繊維材10の強度を高
めるために用いられるものであり、強化繊維材10の片
面だけに配置されても、両面に配置されてもよい。しか
し、強化繊維材10の片面だけに配置された場合、強化
繊維トウ2の拘束が不十分となり、強化繊維トウ2の強
化繊維が解け出る恐れがあるため、両面に配置すること
が好ましい。
【0019】熱融着性支持体3としては、熱融着性樹脂
からなるものであればよく、低融点熱可塑性樹脂が好適
に用いられ、この融点が、30〜200℃の範囲である
ことが好ましい。この範囲であると、強化繊維材10の
室温でのシート形状の保全性がよく、製造時の加熱が容
易であるなど利点がある。具体的には、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂などを挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。
【0020】上記熱融着性支持体3の形態としては、前
述した熱融着性繊維束1と同様の構造の繊維束状のもの
や、熱融着性を有するネット状体や、あるいは熱融着性
を示す布帛等であってもよい。また、片面を繊維束状の
ものを用い、もう一方の面にネット状体を用いるという
ように、複数の形態を組み合わせて用いることもでき
る。
【0021】図1に示すものは、熱融着性支持体3とし
て繊維束状のものを用いたものである。この場合、熱融
着性支持体3は、強化繊維トウ2と熱融着性繊維束1の
引き揃え方向に対して交差するように、熱融着性支持体
3配同士が平行となるように配置される。このとき熱融
着性支持体3の間隔が2〜150mmの範囲であること
が好ましい。2mm未満では、強化繊維材10の施工時
の貼り付け用樹脂の含浸性が低下し、また強化繊維材1
0のドレープ性が著しく低下し、下地への追従性が低下
することとなって不都合となる。また150mmを越え
ると、強化繊維材10から強化繊維トウ2が解け易くな
り、その配列が乱れ、取り扱い性が困難となって不都合
となる。
【0022】強化繊維材10は、上述の強化繊維トウ2
と熱融着性繊維束1と熱融着性支持体3とを熱融着させ
て一体化させることにより製造する。まず、強化繊維ト
ウ2と熱融着性繊維束1を交互に平行に引き揃える。そ
して、その少なくとも片面に熱融着性支持体3を配した
ものを、プレス機によって加熱加圧する。この加熱加圧
により熱融着性繊維束1と熱融着性支持体3の熱融着性
樹脂によって、これらを熱融着させ一体化させることに
よって、強化繊維材10を得ることができる。このとき
の熱融着の条件(温度、圧力等)は、熱融着性繊維束1
と熱融着性支持体3との材質、形態、目付等により適宜
選択される。
【0023】このように、本発明の強化繊維材10は、
容易に製造することができる。また、熱融着性繊維束1
と熱融着性支持体3との熱融着成分は、上記強化繊維1
0の製造時の溶融後に冷却固化し、強化繊維トウ2、熱
融着性繊維束1および熱融着性支持体3を熱融着して一
体化させるので、強化繊維材10中に未反応樹脂が残ら
ず、よって、施工時に貼り付け用樹脂を自由に選択する
ことができる。
【0024】図2は、本発明の強化繊維材の第2の例を
示したもので、熱融着性支持体5としてネット状体を用
いたもので、熱融着性支持体5としてネット状体を用い
た以外はその構成および製造方法を図1に示すものと同
様にする。上記ネット状体は、熱融着性樹脂からなるも
の、あるいは他種繊維が熱融着性樹脂により被覆されネ
ット状とされたものなどを用いることができる。
【0025】このネット状体としては、この目開き面積
が10〜500mm2の範囲であることが好ましい。1
0mm2未満であると、強化繊維材10の施工時の貼り
付け用樹脂の含浸性が低下し、また強化繊維材11のド
レープ性が著しく低下し、下地への追従性が低下するこ
ととなって不都合となる。また、500mm2を越える
と、強化繊維材11から強化繊維トウ2が解け易くな
り、その配列が乱れ、取り扱い性が困難となって不都合
となる。
【0026】図3は、本発明の強化繊維材の第3の例を
示したもので、熱融着性支持体7として布帛を用いたも
のの例であり、熱融着性支持体7として布帛を用いた以
外はその構成および製造方法を図1に示すものと同様に
する。上記布帛としては、熱融着性樹脂からなるもの、
あるいは他種繊維が熱融着性樹脂により被覆されたもの
が用いられ、その形態としては、平織り、綾織り、朱子
織りなどの織布や不織布等が用いられる。
【0027】この布帛としては、その目付が3〜50g
/m2の範囲であることが好ましい。3g/m2未満で
は、布帛自体の引張強度が低いために強化繊維材12と
しての形状が安定せず、50g/m2を越えると、強化
繊維材12の施工時の貼り付け用樹脂の含浸性が低下
し、また強化繊維材12のドレープ性が著しく低下し、
下地への追従性が低下することとなって不都合となる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明す
る。 (実施例1)強化繊維トウ2として、フィラメント数が
12000本であり、引張弾性率が236GPaである
炭素繊維(商品名「パイロフィル TR30S」 三菱
レイヨン(株)製)を用い、熱融着性繊維束1として、
ガラス繊維(ECG−75−1/2規格)と融点が12
5℃である低融点ナイロン繊維との交絡糸を用い、熱融
着性支持体3として、ガラス繊維(ECG−450−1
/0規格)と、融点が125℃である低融点ナイロン繊
維との交絡糸をバインダーを介して接着した複合糸を用
いて実施例1の強化繊維材を以下のように作製した。
【0029】まず、炭化繊維トウを2本と、上記ガラス
繊維とナイロンとの交絡糸を1本交互に平行に、かつ強
化繊維トウ2が10本/インチ、熱融着性繊維束1の間
隔が5mmとなるように引き揃え、この両面に、上記ガ
ラス繊維とナイロンとの複合糸を、上記炭化繊維トウの
引き揃え方向に対してほぼ直角となるように、5mmピ
ッチで配した。これを150℃の熱ロール間を通すこと
で熱融着させて一体化させて実施例1の強化繊維材を得
た。このときの実施例1の強化繊維材における目付けは
342g/m2であった。
【0030】(実施例2)強化繊維トウ2と、熱融着性
繊維束1として実施例1と同様のものを用い、熱融着性
支持体5としてネット状体を用い、このネット状支持体
として、ガラス繊維製2軸組布(目付22g/m2、目
合5mm×5mm)に、ナイロン12共重合体(融点1
25℃)を目付9g/m2付着させたものを用いて実施
例2の強化繊維材11を以下のように作製した。
【0031】まず、炭化繊維トウを2本と、上記ガラス
繊維とナイロンとの交絡糸を1本交互に平行に、かつ強
化繊維トウ2が10本/インチ、熱融着性繊維束1の間
隔が5mmとなるように引き揃え、この両面に、上記ガ
ラス繊維とナイロンとからなるネット状体を配した。そ
して、これを150℃の熱ロール間を通すことで熱融着
させて一体化させて実施例2の強化繊維材を得た。この
ときの実施例2の強化繊維材における目付は349g/
2であった。
【0032】(実施例3)強化繊維トウ2と、熱融着性
繊維束1として実施例1と同様のものを用い、熱融着性
支持体7として布帛を用い、この布帛としてナイロン1
2共重合体の不織布(目付5g/m2、融点125℃)
を用いて、実施例3の強化繊維材を以下のように作製し
た。
【0033】まず、炭化繊維トウを2本と、上記ガラス
繊維とナイロンの交絡糸を1本交互に平行に、かつ強化
繊維トウ2が10本/インチ、熱融着性繊維束1の間隔
が5mmとなるように引き揃え、この両面に、上記ナイ
ロン不織布を配した。そして、これを150℃の熱ロー
ル間を通すことで熱融着させて一体化させて実施例3の
強化繊維材を得た。このときの実施例3の強化繊維材に
おける目付は338g/m2であった。
【0034】次に、実施例1〜3の強化繊維材おいて、
コンクリートへの貼り付けを実施した。貼り付け用樹脂
として常温硬化型のエポキシ樹脂を用い、上記実施例1
〜3の強化繊維材をそれぞれスレート板に貼り付け、天
井面、道路床版を想定した上向きの貼り付けを実施し、
その状態を観察した。その結果、実施例1〜3において
は、良好な樹脂含浸性を示し、下地への追従性も良好で
あり、形状安定性が良好で、貼り付け作業時における取
り扱いも容易であった。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明の強化繊維材
においては、一本あるいは複数本の強化繊維トウと熱融
着性繊維束とが交互に一方向に引き揃えられて配列さ
れ、その少なくとも片面に熱融着性支持体が配されて、
これらが熱融着により一体化されてなるものであるの
で、未反応樹脂を含有しない、いわゆるドライタイプシ
ートの強化繊維材を形成することができる。よって、コ
ンクリートに貼り付け時に、貼り付け用樹脂を自由に選
択することができる。また、下地への追従性が高く、熱
処理等の煩雑な作業を必要としない。コンクリートに貼
り付け後、強化繊維の強度を十分に発揮することができ
る。その上、簡単に製造できその製造効率を向上させる
ことができる。よって、橋脚、橋梁、床版、建築物の
柱、梁、天井などの補修補強、特にコンクリート製構造
物の補修補強に使用される強化繊維材として好適に用い
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の強化繊維材の一例を示した斜視図で
ある。
【図2】 本発明の強化繊維材の一例を示した斜視図で
ある。
【図3】 本発明の強化繊維材の一例を示した斜視図で
ある。
【符号の説明】
1…熱融着性繊維束、 2…強化繊維トウ、 3、5、7…熱融着性支持体 10、11、12…強化繊維材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一本あるいは複数本の強化繊維トウと熱
    融着性繊維束とが交互に一方向に引き揃えられて配列さ
    れ、その少なくとも片面に熱融着性支持体が配されて、
    これらが熱融着により一体化されてなる強化繊維材。
  2. 【請求項2】 上記熱融着性支持体が熱融着性繊維束か
    らなることを特徴とする請求項1記載の強化繊維材。
  3. 【請求項3】 上記熱融着性支持体が低融点熱可塑性樹
    脂繊維とガラス繊維との撚り糸からなる熱融着性繊維
    束、あるいは低融点熱可塑性樹脂繊維とガラス繊維とを
    バインダーを介して一体化させた熱融着性繊維束からな
    ることを特徴とする請求項1または2記載の強化繊維
    材。
  4. 【請求項4】 上記熱融着性支持体が一方向に引き揃え
    られた熱融着性繊維束であり、該熱融着性繊維束が、上
    記強化繊維トウに対して交差するように配置され、かつ
    この熱融着性繊維束の配置間隔が2〜150mmである
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の強
    化繊維材。
  5. 【請求項5】 上記熱融着性支持体が熱融着性を有する
    ネット状体であることを特徴とする請求項1記載の強化
    繊維材。
  6. 【請求項6】 上記熱融着性支持体が熱融着性を有する
    布帛であることを特徴とする請求項1記載の強化繊維
    材。
JP24155397A 1997-09-05 1997-09-05 強化繊維材 Withdrawn JPH1177868A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006198939A (ja) * 2005-01-21 2006-08-03 Nippon Electric Glass Co Ltd 繊維束多軸組布及びその製造方法
JP2010156081A (ja) * 2008-12-29 2010-07-15 Mitsubishi Rayon Co Ltd 補強強化繊維シート及びその製造方法

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JP2006198939A (ja) * 2005-01-21 2006-08-03 Nippon Electric Glass Co Ltd 繊維束多軸組布及びその製造方法
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