JP5259547B2 - 加熱発泡シートおよび発泡充填部材 - Google Patents

加熱発泡シートおよび発泡充填部材 Download PDF

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Description

本発明は、加熱発泡シートおよび発泡充填部材、詳しくは、中空部材の内部空間を充填するのに好適な加熱発泡シートおよび発泡充填部材に関する。
従来より、自動車のピラーなどの閉断面として形成される中空部材には、エンジンの振動や騒音、あるいは、風切り音などが車室内に伝達されることを防止するために、発泡体を充填することが知られている。
このような発泡体は、例えば、押出成形やカレンダー成形によって、シート状に成形した後、加工することにより得られる発泡シートを、加熱し、発泡することで得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
また、このような発泡シートとして、100〜130℃で加熱した場合に一方向に伸長し、その伸長方向における伸長率が、5〜50%である加熱発泡シートを、充填発泡部材に用い、突出空間を簡易に充填することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−151333号公報 特開2007−76169号公報
しかるに、特許文献2に記載されるように、一方向に発泡して、突出空間へ充填することが求められる一方、全方向に発泡して、空間へ均一に充填することが求められる場合がある。
しかし、特許文献1に記載されるような、通常の押出成形により成形された加熱発泡シートでは、ダイ内部での、ポリマーの流れ方の差により、加熱発泡時には、加熱発泡シートの各部分間(例えば、押出方向に直交する幅方向の中央部と両端部)において、発泡量が異なり、均一な発泡を確保することが困難である。
また、カレンダー成形では、カレンダーロールからシートを引き取るときに、引き取り方向に少なからず延伸される。このため、加熱発泡時には、加熱発泡シートは、延伸された方向に収縮、それに直交する方向に伸張する。その結果、やはり、均一な発泡を確保することが困難である。
そこで、本発明の目的は、全方向に均一に発泡する加熱発泡シート、さらには、その加熱発泡シートを備える発泡充填部材を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の加熱発泡シートは、ポリマーおよび発泡剤を含む加熱発泡材料を、押出成形することにより成形される加熱発泡シートであって、160℃で20分加熱した場合の縦横比が1.5以下であることを特徴としている。
また、本発明の加熱発泡シートは、等方性を有することを特徴としている。
また、本発明の発泡充填部材は、上記した加熱発泡シートと、前記加熱発泡シートに装着され、中空部材の内部空間に固定可能な固定部材とを備えていることを特徴としている。
本発明の加熱発泡シートは、160℃で20分加熱した場合の縦横比が1.5以下であるため、加熱発泡しても、縦横比の変化が低減されている。そのため、本発明の加熱発泡シートを備えた発泡充填部材では、固定部材を内部空間に取り付けて、加熱発泡シートを加熱発泡させれば、加熱発泡シートを全方向に均一に発泡させることができる。その結果、空間を均一に充填することができる。
本発明の加熱発泡シートを成形するための押出成形機の一実施形態の概略構成図を示す。 本発明の加熱発泡シートを成形するためのダイを、押出方向から見た平面図であって、(a)は、円環形状、(b)は、一部切欠円環形状(略C字形状)、(c)は、馬蹄形状(略U字形状)の吐出口を備えたダイである。 本発明の発泡充填部材を用いて内部空間を充填する方法の一実施形態の工程図であって、(a)は、加熱発泡シートにクリップを装着して発泡充填部材を作製し、これをピラーに設置する工程、(b)は、発泡充填部材を加熱発泡して、発泡体によって内部空間を充填する工程を示す。 比較例1の加熱発泡シートを成形するための押出成形機の概略構成図を示す。 比較例2の加熱発泡シートを成形するためのカレンダーロール装置の概略構成図を示す。
本発明の加熱発泡シートは、加熱により発泡する加熱発泡材料を押出成形にてシート状に成形することにより、形成されている。
加熱発泡材料には、少なくとも、主成分としてのポリマーと、そのポリマーを発泡させるための発泡剤とが含有されている。
ポリマーとしては、特に制限されないが、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリケトンなどの樹脂、例えば、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)などのゴムなどが挙げられる。
好ましくは、エチレン・酢酸ビニル共重合体が用いられる。エチレン・酢酸ビニル共重合体を用いることにより、発泡倍率を高くすることができる。
また、これらポリマーのなかでも、その融点が、60〜120℃、さらには、80〜100℃のものが好ましく選択される。融点が、60℃未満であると、ポリマー自身に粘着性が発現し、常温でも取扱いがしにくくなる場合があり、120℃を超えると、加工温度を高くする必要があり、加工中に発泡剤が分解してしまうおそれがある。なお、融点は、DSC(示差走査型熱量計)により求められる。
これらポリマーは、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
また、発泡剤としては、例えば、無機系発泡剤や有機系発泡剤などが挙げられる。無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類などが挙げられる。
また、有機系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレート、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸アミドなどのアゾ系化合物、例えば、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、トリニトロトリメチルトリアミンなどのニトロソ系化合物、例えば、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、アリルビス(スルホニルヒドラジド)などのヒドラジド系化合物、例えば、p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)などのセミカルバジド系化合物、例えば、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンなどのフッ化アルカン、例えば、5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなどのトリアゾール系化合物などが挙げられる。
また、これら発泡剤のなかでも、ポリマーの融点以上で分解してガスを発生し、かつ、後述する加熱発泡材料の成形時において、ほとんど発泡しないものが、組成に応じて適宜選択される。好ましくは、140〜180℃で発泡(分解)するものが用いられる。より具体的には、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)が用いられる。
これら発泡剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また、発泡剤の配合割合は、特に制限されないが、例えば、ポリマー100重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは、10〜30重量部である。
なお、発泡剤の配合量は、加熱発泡シートの発泡時において、その発泡倍率が5〜25倍程度、好ましくは、10〜20倍程度で、実質的に独立気泡を生じさせる範囲であることが好適である。発泡剤の配合量が少なすぎると、加熱発泡シートが十分に発泡せず、一方、発泡剤の配合量が多すぎると、発泡により得られる発泡体の樹脂だれによる空隙を生じ、いずれも充填性が抵下する。
また、加熱発泡材料には、ポリマーを効率的に発泡させ、さらには架橋および硬化させるために、さらに、例えば、架橋剤、発泡助剤などが適宜配合される。
架橋剤としては、特に制限されないが、例えば、加熱により分解され、遊離ラジカルを発生して分子間または分子内に架橋結合を形成させるラジカル発生剤が挙げられる。より具体的には、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−ジターシャリブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリブチルパーオキシヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパ−オキシイソプロピル)ベンゼン、ターシャリブチルパーオキシケトン、ターシャリブチルパーオキシベンゾエートなどの有機過酸化物などが挙げられる。
また、ポリマーが加硫可能である場合には、架橋剤として加硫剤を用いることができる。そのような加硫剤としては、特に制限されないが、例えば、硫黄、硫黄化合物類、セレン、酸化マグネシウム、一酸化鉛、酸化亜鉛、ポリアミン類、オキシム類、ニトロソ化合物類、樹脂類、アンモニウム塩類などが挙げられる。
これら架橋剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また、架橋剤の配合割合は、特に制限されないが、例えば、ポリマー100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは、0.5〜7重量部である。
また、加硫剤を用いる場合には、加硫促進剤を併用することができる。加硫促進剤としては、例えば、ジチオカルバミン酸類、チアゾール類、グアニジン類、スルフェンアミド類、チウラム類、キサントゲン酸類、アルデヒドアンモニア類、アルデヒドアミン類、チオウレア類などの加硫促進剤が挙げられる。このような加硫促進剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、その配合割合は、ポリマー100重量部に対して、0.1〜5重量部である。
また、加硫促進剤とは反対に、成形性の調節などを目的として、例えば、有機酸やアミン類などの公知の加硫遅延剤などを適宜配合することもできる。
発泡助剤としては、特に制限されないが、例えば、発泡剤の種類に応じて適宜公知の発泡助剤を選択することができ、より具体的には、例えば、尿素を主成分とする尿素系化合物、例えば、酸化亜鉛、酸化鉛などの金属酸化物、例えば、サリチル酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸またはその金属塩などが挙げられる。好ましくは、高級脂肪酸金属塩が用いられる。
これら発泡助剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また、発泡助剤の配合割合は、特に制限されないが、例えば、ポリマー100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは、5〜10重量部である。
さらに、加熱発泡材料には、その目的および用途によって、得られる発泡体の物性に影響を与えない範囲において、例えば、安定剤、補強材、充填剤、軟化剤、滑剤や、さらには必要に応じて、例えば、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、着色剤、防カビ剤、難燃剤などの公知の添加剤を適宜配合することができる。
そして、加熱発泡材料は、例えば、上記した各成分を上記した配合割合において配合した後、例えば、ミキシングロール、加圧式ニーダーなどを用いて混練して、調製する。加熱発泡材料を混練する方法は特に限定されず、既存の混練機などを適宜用いることができる。
加熱発泡材料は、その粘度が、好ましくは、100〜10000Pa・s(100℃)として調製される。
そして、加熱発泡シートは、上記により調製した加熱発泡材料を、押出成形によってシート状に成形することにより得ることができる。
図1は、本発明の加熱発泡シートを成形するための押出成形機の一実施形態の概略構成図を示す。
次に、図1を参照して、押出成形機1を用いて、加熱発泡シート14を押出成形により成形する方法について説明する。
図1において、押出成形機1は、動力部2と、動力部2の上方に配置されるホッパー3と、動力部2の側方に配置されるシリンダー4と、シリンダー4の先端部に配置されるダイ5とを備えている。
動力部2は、図示しないが、通常、減速機、モーターなどを備えている。動力部2では、モーターの回転数を減速機で制御し、後述のスクリューに駆動力を与える。
ホッパー3は、漏斗状の形状からなり、加熱発泡材料が投入される。
シリンダー4は、水平方向に延びる円筒形状をなし、図示しないが、その内部にスクリューを備えている。なお、スクリューは、一本(単軸)でもよく、二本(二軸)備えることもできる。
ダイ5は、シリンダー4の押出方向下流側端部に装備されている。ダイ5には、図2(a)に示すように、加熱発泡材料を所定形状に形成するための吐出口6が形成されている。吐出口6は、円環形状(リング形状)に形成されており、具体的には、その内径IDが、例えば、30〜150mmであり、その外径ODが、例えば、31〜155mmであり、その隙間(内径と外径との間の間隔)Sが、例えば、1〜5mmの円環形状に形成されている。
また、押出成形機1の押出方向下流側(以下、単に下流側という。)、具体的には、ダイ5の下流側には、カッタ7およびコンベヤー8が設けられている。
カッタ7の刃先は、吐出口6の下流側において、押出方向に投影したときに、吐出口6の一部を直径方向に横切るように、吐出口6と重なって配置されている。具体的には、カッタ7の刃先は、押出方向に投影したときに、吐出口6の上端部、下端部および側端部のいずれか(図1では上端部)と重なるように、配置されている。
コンベヤー8は、駆動ローラ9、従動ローラ10およびエンドレスベルト11を備えている。駆動ローラ9は、押出方向において、ダイ5とカッタ7との間であってダイ5の下方に配置されている。従動ローラ10は、駆動ローラ9の水平方向下流側に配置されている。エンドレスベルト11は、駆動ローラ9および従動ローラ10の間に巻回されている。コンベヤー8では、駆動ローラ9の駆動により従動ローラ10が従動して、エンドレスベルト11が駆動ローラ9と従動ローラ10との間を周回移動する。具体的には、エンドレスベルト11の上面が押出方向上流側から下流側に向かって移動する。
そして、加熱発泡材料を押出成形するには、まず、ホッパー3に加熱発泡材料を投入する。
ホッパー3に投入された加熱発泡材料は、シリンダー4で加熱され、スクリューによって溶融混練されながら、ダイ5の吐出口6から円筒状に押し出され、円筒状成形品12として成形される(押出工程)。
この押出工程では、シリンダー4から円環形状の吐出口6までの距離は、いずれも等距離となるため、押し出される加熱発泡材料において、流れの差はほとんどなく、そのため、加熱発泡材料は、円環形状の吐出口6の全ての部分が等方性部分となって、押出方向において、等方性を有するように押し出される。
押出工程において、シリンダー4の温度は、例えば、40〜110℃、好ましくは、60〜100℃である。また、ダイ5の温度は、例えば、60〜110℃、好ましくは、80〜100℃である。また、加熱発泡材料の押出速度は、例えば、0.5〜2.0m/分、好ましくは、0.7〜1.7m/分である。
次いで、押し出された円筒状成形品12は、コンベヤー8のエンドレスベルト11に受けられ、そのエンドレスベルト11によって搬送されながら、カッタ7によって上端部が押出方向に連続的に切断される。
これによって、円筒状成形品12は、断面円環状の上端部が切断されることにより、その上端部から周方向に伸長されることなく(幅方向に等方性を有するように)、対称に開かれて、シート状成形品13として形成される(シート形成工程)。
シート形成工程において、コンベヤー8の搬送速度は、例えば、0.5〜2.0m/分、好ましくは、0.7〜1.7m/分である。また、コンベヤー8の搬送速度は、押出速度と実質的に等速に設定される。
これによって、加熱発泡シート14は、シート状成形品13として得ることができる。つまり、加熱発泡シート14は、まず、等方性部分である円環形状の吐出口6から押し出されて、長手方向において等方性となる円筒状成形品12として成形される。次いで、加熱発泡シート14は、円筒状成形品12が、カッタ7によりシート形状に形成されて、周方向(シート形状では幅方向)に等方性となるシート状成形品13として形成される。
そのため、得られる加熱発泡シート14は、全方向において等方性を有し、加熱発泡しても縦横比の変化が低減されており(すなわち、加熱発泡シート14は、その水平面において、略相似形状で発泡することができ)、具体的には、160℃で20分加熱した場合の縦横比が、1.5以下、好ましくは、1.35以下、さらに好ましくは、1.15以下となる。
その結果、加熱発泡シート14を打ち抜いて、最終製品に加工するときには、特に方向性を考慮せずともよく、打ち抜き加工時の歩留まりを向上させることができる。また、最終形状のデザイン効率も向上させることができる。
そして、上記の方法によれば、等方性を有する加熱発泡シート14を、簡易かつ生産効率よく製造することができる。
なお、縦横比が1.5を超える場合には、最終形状に打ち抜く時に方向性を考慮する必要があり、生産効率が低下する。
なお、縦横比は、以下の手順に従って測定される。まず、加熱発泡シート14を略矩形状に切り出して試験片とし、試験片の一辺(a辺とする。以下同じ。)の長さ(La)およびその一辺と直交する他の一辺(b辺とする。以下同じ。)の長さ(Lb)をそれぞれ測定する。
次いで、試験片を160℃で20分加熱し、加熱後のa辺の長さ(La’)および加熱後のb辺の長さ(Lb’)をそれぞれ測定する。そして、次式により、a辺およびb辺の伸長率を算出する。
a辺の伸長率=La’/La
b辺の伸長率=Lb’/Lb
そして、a辺の伸長率とb辺の伸長率とを対比し、大きな値の伸長率を小さな値の伸長率で除することで、縦横比を算出する。すなわち、a辺の伸長率の方がb辺の伸長率よりも大きな値となる場合、次式により縦横比を算出する。
縦横比=(La’/La)/(Lb’/Lb)
なお、試験片を正方形状(例えば、50mm×50mm)に切り出すことにより、縦横比を簡便に算出することができる。
また、加熱発泡シート14の厚みは、例えば、1〜5mm、好ましくは、2〜4mmである。
さらに、上記の方法では、コンベヤー8の搬送速度を、押出成形機1の押出速度と、実質的に等速としている。そのため、円筒状成形品12からシート状成形品13へ形成されるときにも、それらに、押出方向における延伸力や圧縮力が負荷されず、その結果、等方性を向上させることができる。
また、上記の方法では、押出工程およびシート形成工程を順次実施したが、それら押出工程およびシート形成工程を同時に実施することもできる。
押出工程およびシート形成工程を同時に実施するには、例えば、押出成形機1において、図2(a)に示す円環形状の吐出口6が形成されるダイ5に代替して、図2(b)に示す一部切欠円環形状(略C字形状)の吐出口6が形成されるダイ5を装備する。すなわち、図2(b)に示す吐出口6は、円環形状における上端部にて、直径方向に横切る不連続部分15が設けられている。これによって、吐出口6は、不連続部分15で仕切られる有端の円弧部分16として形成される。
なお、図2(b)に示す吐出口6は、不連続部分15が設けられている以外は、図2(a)に示す吐出口6と同一サイズで形成されている。不連続部分15の周方向長さLは、例えば、0.5〜10mm、好ましくは、1〜3mmである。
そして、図2(b)に示すダイ5が装備される押出成形機1によって、加熱発泡材料を押出成形すれば、加熱発泡材料は、吐出口6の等方性部分である円弧部分16から連続的に押し出される一方、不連続部分15では、加熱発泡材料の押し出しが阻止される。そのため、加熱発泡材料は、不連続部分15から対称に開かれて、直接シート形状に成形される。
そのため、得られる加熱発泡シート14は、上記と同様に、全方向において等方性を有し、具体的には、160℃で20分加熱した場合の縦横比が、1.5以下、好ましくは、1.35以下、さらに好ましくは、1.15以下となる。
また、図2(a)に示すダイ5に代替して、図2(c)に示す馬蹄形状(略U字形状)の吐出口6が形成されるダイ5を、押出成形機1に装備することもできる。すなわち、図2(c)に示す吐出口6は、上方に向かって開放される半円弧部分17と、その両端部から連続して上方に向かって直線的に延び、上端を有する直線部分18とを備えている。
なお、図2(c)に示す吐出口6の半円弧部分17は、図2(a)に示す吐出口6の対応部分と同一サイズで形成されている。
そして、図2(c)に示すダイ5が装備される押出成形機1によって、加熱発泡材料を押出成形すれば、加熱発泡材料は、吐出口6の等方性部分である半円弧部分17、および、直線部分18から、連続的に押し出される。そのため、加熱発泡材料は、直線部分18から対称に開かれて、直接シート形状に成形される。
そのため、得られる加熱発泡シート14は、半円弧部分17から押し出された部分では、全方向において等方性を有し、具体的には、160℃で20分加熱した場合の縦横比が、1.5以下、好ましくは、1.35以下、さらに好ましくは、1.15以下となる。
なお、直線部分18から押し出された部分は、加熱発泡材料の流れが部分的に異なるため、半円弧部分17と比べて異方性となる。しかし、シリンダー4から直線部分18までの距離と、シリンダー4から半円弧部分17までの距離との差が小さいため、直線部分18から押し出された部分であっても、160℃で20分加熱した場合の縦横比は、1.5以下であり、本発明の加熱発泡シートとして用いることができる。
そして、上記の方法により得られた加熱発泡シート14は、上記したように、等方性を有するため、適宜の条件下加熱すれば、全方向に均一に発泡して、空間を均一に充填することができる。
なお、発泡により形成される発泡体は、その密度(発泡体の重量(g)/発泡体の体積(cm))が、例えば、0.03〜0.3g/cm、好ましくは、0.05〜0.1g/cmであり、発泡時の体積発泡倍率が、3倍以上、好ましくは、10〜20倍である。
そして、加熱発泡シート14は、全方向に発泡して、空間を均一に充填することができるので、特に制限されることなく、制振、防音、防塵、断熱、緩衝、水密などを目的として、各種の部材の間や中空部材の内部空間に充填する、例えば、防振材、防音材、防塵材、断熱材、緩衝材、止水材などとして、各種の産業製品の充填材として用いることができる。
具体的には、例えば、中空部材の内部空間を充填する場合には、まず、加熱発泡シート14に固定部材を装着して発泡充填部材を作製し、その発泡充填部材の固定部材を、中空部材の内部空間に取り付けた後、加熱により発泡させて、発泡体を形成すれば、その発泡体によって、中空部材の内部空間を、均一に充填することができる。
そのような中空部材として、自動車のピラーを例示することができ、加熱発泡シート14から、発泡充填部材を作製して、ピラーの内部空間に取り付けた後、発泡させれば、発泡体により、ピラーの補強を十分に図りつつ、エンジンの振動や騒音、あるいは、風きり音などが車室内に伝達されることを有効に防止することができる。
図3は、発泡充填部材を用いて、ピラーの内部空間を充填する方法の一実施形態の工程図を示す。
次に、加熱発泡シート14を備える発泡充填部材20を、加熱して発泡させることにより、ピラー23の内部空間を充填する方法を、図3を参照して、説明する。
この発泡充填部材20は、図3に示すように、加熱発泡シート14と、加熱発泡シート14に装着され、中空部材としてのピラー23の内部空間に固定可能な固定部材としてのクリップ19とを備えている。
クリップ19は、硬質樹脂からなり、射出成形などによって成形されている。
発泡充填部材20は、ピラー23の中空空間に対応して、打ち抜きなどの加工により、適宜の形状に切り出された加熱発泡シート14に、クリップ19を嵌め込むことにより作製する。
ピラー23は、断面略凹状のインナパネル22およびアウタパネル21から構成されている。
この方法では、まず、発泡充填部材20をインナパネル22に設置する。そして、インナパネル22およびアウタパネル21の両端部を対向当接させて、溶接により接合する。これによって、ピラー23が閉断面として形成される。なお、このようなピラー23は、より具体的には、車両ボディのフロントピラー、サイドピラーあるいはリヤピラーとして用いられる。
その後、この方法では、ピラー23の内周面に、防錆処理を施した後に、例えば、その後の焼付塗装時の乾燥ライン工程での加熱(例えば、150〜215℃)によって、加熱発泡シート14を発泡させる。これにより、加熱発泡シート14は、全方向に均一に発泡して発泡体24を形成し、この発泡体24によってピラー23の内部空間が隙間なく均一に充填される。
すなわち、このピラー23の中空空間の充填方法では、加熱によって加熱発泡シート14が全方向に伸長するので、簡易かつ低コストで隙間なく充填することができる。
また、上記の説明においては、発泡充填部材20は、加熱発泡シート14とクリップ19とを備えているが、本発明の発泡充填部材20は、これに制限されず、例えば、クリップ19を取り付けずに、加熱発泡シート14のみから形成してもよい。
実施例1
ポリマーとしてエチレン・酢酸ビニル共重合体(エバフレックスEV460、融点84℃、MFR2.5、酢酸ビニル含量19%、三井・デュポンポリケミカル製)100重量部を、加圧式ニーダーを用いて、90℃で5分間、回転数20rpmで混練した。次いで、架橋剤としてジクミルパーオキサイド(パークミルD−40MBK、ジクミルパーオキサイド含量40%、シリカおよびEPDM含量60%、日本油脂製)5重量部、発泡剤として4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(セルマイクSX、分解温度160℃、三協化成製)20重量部、滑剤としてステアリン酸1重量部を配合して、さらに、90℃で5分間混練して、加熱発泡材料を調製した。
次いで、図1に示す装置において、図2(a)に示す円環形状の吐出口6(内径ID48mm、外径OD50mm、隙間S2mm)が形成されたダイ5を装備した押出成形機1により、表1に示す成形条件で押出成形し、その後、カッタ7で連続的に切断することにより、厚さ2mmの加熱発泡シート14を作製した。
実施例2〜4、比較例1
成形条件を表1に示す成形条件にした以外は、実施例1と同様に加熱発泡シート14を作製した。
比較例2
図2(a)に示すダイ5に代替して、図4に示すように、矩形扁平状の吐出口が形成されたTダイ25を装備した押出成形機1により、表1に示す成形条件で成形した以外は、実施例1と同様に加熱発泡シート14を作製した。
比較例3
図1に示す押出成形機1に代替して、図5に示すカレンダーロール装置を用いて、表2に示す圧延条件(カレンダーロールの表面温度およびカレンダーロールの回転速度)で圧延し、成形した以外は、実施例1と同様に加熱発泡シート14を作製した。
すなわち、図5を参照して、まず、第1カレンダーロール26および第2カレンダーロール27のニップ部分の上方から、加熱発泡材料31を投入する。加熱発泡材料31は、第1カレンダーロール26と第2カレンダーロール27との間で圧延され、第2カレンダーロール27の表面に転写され、さらに、第2カレンダーロール27と第3カレンダーロール28との間で圧延され、第3カレンダーロール28の表面に転写され、その後、第3カレンダーロール28と第4カレンダーロール29との間で圧延され、第4カレンダーロール29の表面に転写された。
その後、加熱発泡材料31は、第4カレンダーロール29から、加熱発泡シート14として引取ロール30に引き取られた。
Figure 0005259547
Figure 0005259547
(加熱発泡シートの評価)
得られた加熱発泡シートの中央部および端部から、50mm×50mmの正方形状に、それぞれ切り出して、試験片を得た。これらの試験片を160℃で20分間加熱し、発泡させて、縦横比を算出した。中央部および端部の縦横比の結果を表3に示す。なお、発泡倍率についても表3に併記する。
Figure 0005259547
1 押出成形機
5 ダイ
6 吐出口
8 コンベヤー
12 円筒状成形品
13 シート状成形品
14 加熱発泡シート
19 クリップ
20 発泡充填部材

Claims (2)

  1. ポリマーおよび発泡剤を含む加熱発泡材料を、略円弧形状の等方性部分を含む等方性含有形状に押出成形することにより成形される加熱発泡シートであって、押出方向と、前記押出方向に直交する幅方向とにおいて等方性を有し、160℃で20分加熱した場合の縦横比が1.5以下であることを特徴とする、加熱発泡シート。
  2. 請求項1に記載の加熱発泡シートと、
    前記加熱発泡シートに装着され、中空部材の内部空間に固定可能な固定部材と
    を備えていることを特徴とする、発泡充填部材。
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