JP2006264415A - フォーム充填タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い生産効率で製造でき、より高い乗り心地性及び耐久性を有するフォーム充填タイヤを提供すること。
【解決手段】 中空ドーナッツ状タイヤの内側空洞部に独立気泡フォームが充填されたタイヤであって、前記独立気泡フォームは、加硫されたジエン系ゴム組成物を連続相として含み、前記連続相中に分散された独立気泡を有し、前記独立気泡は樹脂材料を外殻とするマイクロカプセル状の構造を有し、前記樹脂材料はジエン系ゴムと共架橋性でない樹脂成分を含んで成るものであってポリオレフィン系樹脂を主成分として含むものであることを特徴とするフォーム充填タイヤ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フォーム充填タイヤに関し、更に詳細には、従来のフォーム充填タイヤよりも高い生産効率で製造でき、より高い乗り心地性及び耐久性を有するフォーム充填タイヤに関する。
外傷などによりパンクしたとしても、高い耐久性及び乗り心地性を提供するように、ホイールに装着された際に気室となるドーナッツ状タイヤの内側空洞部に発泡剤を含有する発泡性材料を充填した後に加熱し、発泡性材料を発泡させることによりフォーム(又は発泡体)を形成したいわゆるフォーム充填タイヤは従来知られている。そのようなフォーム充填タイヤとしては、例えば、ガス透過性の低い高分子材料中にガス成分を液化封入したものをタイヤの内側空洞部に充填した後に加熱することにより高分子材料を発泡させて独立気泡フォームを形成したもの(特許文献1)、窒素系発泡剤を配合した未加硫ゴムシートに表面層用の未加硫ゴムを覆い被せ、これを金型に入れて加硫することにより発泡層を形成したもの(特許文献2)、チューブレスタイヤの内面に接着剤又は充填剤を塗布し、チューブレスタイヤの内部に発泡スチロールの原料であるビーズ又はそれを予備発泡させた予備発泡粒を入れた後、加熱して発泡スチロールを形成したもの(特許文献3)がある。
しかしながら、そのようなフォーム充填タイヤの製造の際、良好なクッション性を得るために発泡性材料を均一に発泡させるにはタイヤを長時間加熱しなければならず、充填された発泡性材料を均一に発泡させるのに要する加熱時間を短くして生産効率を改善する必要があった。また、従来のフォーム充填タイヤでは、加硫済みドーナッツ状タイヤも発泡工程で長時間加熱されるため、発泡工程で当該ゴム部分の劣化が起こり、タイヤの耐久性が低下してしまうという問題があった。さらに、特許文献3に記載されているような、発泡スチロールの原料をチューブレスタイヤに充填する方法では、タイヤと発泡体との間に間隙が生じないようにチューブレスタイヤの内面に予め接着剤等を塗布する工程や、チューブレスタイヤのない部に接着剤又は充填剤を注入してチューブレスタイヤ内部の圧力を調整する工程を必要とするために製造工程が複雑であるという問題があった。
特開2002−120510 特開2001−328403 特開2003−112503
従って、本発明では、高い乗り心地性及び耐久性を有するフォーム充填タイヤを提供することを1つの目的とする。
本発明の更なる目的は、フォーム形成に要する加工工程がより単純であり、より短い加熱時間でフォームを形成できることによって生産効率を改善した、高い乗り心地性及び耐久性を有するフォーム充填タイヤの製造方法を提供する。
本発明によれば、中空ドーナッツ状タイヤの内側空洞部に独立気泡フォームが充填されたタイヤであって、独立気泡フォームは、加硫されたジエン系ゴム組成物を連続相として含み、連続相中に分散された独立気泡を有し、前記独立気泡は樹脂材料を外殻とするマイクロカプセル状の構造を有し、前記樹脂材料はジエン系ゴムと共架橋性でない樹脂成分を含んで成るものであってポリオレフィン系樹脂を主成分として含むものであることを特徴とするフォーム充填タイヤが提供される。
また、本発明によれば、中空ドーナッツ状タイヤの内側空洞部に独立気泡フォームが充填されたタイヤの製造方法であって、
(a)加硫済み中空ドーナッツ状タイヤを用意し、
(b)当該加硫済み中空ドーナッツ状タイヤの内側空洞部に、
(i)ジエン系ゴムを含んで成るジエン系ゴム組成物に、
(ii)当該ジエン系ゴム組成物100重量部当り0.1〜10重量部の、当該ジエン系ゴムと共架橋性でない樹脂成分を含んで成る樹脂材料であって、ポリオレフィン系樹脂を主成分とし、さらに化学発泡剤を含有する樹脂材料、
を分散させることにより形成されたフォーム前駆体を充填し、
(c)当該フォーム前駆体が充填された加硫済み中空ドーナッツ状タイヤを加熱して当該フォーム前駆体を発泡させるとともに加硫すること、
を含み、化学発泡剤がフォーム前駆体の熱発泡前に樹脂材料の重量を基準として5〜65重量%の量で樹脂材料中に存在することを特徴とするフォーム充填タイヤの製造方法が提供される。
本発明では、上記の問題点に鑑み、鋭意研究した結果、フォーム充填タイヤに充填されるフォームとして、ジエン系ゴムを連続相とし、ジエン系ゴムと共架橋性でない樹脂成分を含んで成る樹脂材料であって、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含むものを外殻とするマイクロカプセル状の構造を有する独立気泡を不連続相とするものを採用することにより、フォーム充填タイヤにおいて、クッション性を改善できると共に、耐久性を向上できることを見出したものである。
本発明のフォーム充填タイヤにおいて、フォーム前駆体は、(i)ジエン系ゴムを含んで成るジエン系ゴム組成物に、(ii)ジエン系ゴム組成物100重量部当り0.1〜10重量部の、ジエン系ゴムと共架橋性でない樹脂成分を含んで成る樹脂材料であって、ポリオレフィン系樹脂を主成分とし、さらに化学発泡剤を含有する樹脂材料を分散させたものである。ジエン系ゴムを含んで成るジエン系ゴム組成物は、樹脂材料の熱発泡後に、フォームの連続相を形成するものであり、一方、ジエン系ゴムと共架橋性でない樹脂成分を含んで成る樹脂材料であってポリオレフィン系樹脂を主成分とし、さらに化学発泡剤を含む樹脂材料は、熱発泡後に、ポリオレフィン系樹脂を外殻とする独立気泡の分散相を形成する。
ジエン系ゴム組成物中に含まれるジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、各種ブタジエンゴム(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム等が挙げられる。当該ジエン系ゴムとしては、高い強度と高い接着性とを有することから、タイヤに一般的に使用される天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのいわゆる汎用ゴムが好ましい。
上記ジエン系ゴム組成物には、更に、ゴム補強剤として通常用いられるカーボンブラックが配合されるが、より高いクッション性や強度を得るには、ASTM D3037の方法に従って求められる窒素吸着比表面積(N2SA)が5〜30m2/gであるカーボンブラックを配合することが好ましい。上記のカーボンブラックの一部を、シリカで表面処理されたカーボンブラック及び/又はシリカに代えてもよく、例えば、上記のカーボンブラックに、当該カーボンブラックの10〜20重量%の量のシリカを配合したものを使用してもよい。
上記ジエン系ゴム組成物には、更に、ゴムの加硫と発泡を促進することを目的として、ジベンゾチアジルジスルフィド(DM)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CZ)などの加硫促進剤を、発泡剤に対して40〜150重量%の割合で配合することが好ましい。
上記ジエン系ゴム組成物には、上記のようなカーボンブラックや加硫促進剤に加えて、タイヤゴムに通常配合される加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、シリカなどの充填材、可塑剤、その他タイヤゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる配合物は、一般的な方法でジエン系ゴムと混練することができる。これら添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
ジエン系ゴム組成物に分散させる樹脂材料は、ジエン系ゴムと共架橋性でない樹脂成分を含んで成り、ポリオレフィン系樹脂を主成分としたものであり、さらに以下で詳しく説明する化学発泡剤を含有するものである。この樹脂材料を構成する樹脂成分は、ジエン系ゴムと共架橋性でないものであることが必要であり、ポリオレフィン系樹脂を主成分としたものが用いられる。なお、ここで主成分とは、ポリオレフィン系樹脂が全樹脂成分の75重量%以上、好ましくは85重量%以上のものをいう。ポリオレフィン系樹脂以外の他の構成成分としては、例えば、オレフィンモノマーの未反応残基、重合開始剤や触媒等の残渣、加工助剤、ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂成分等が挙げられる。樹脂成分は、ジエン系ゴムと共架橋しないように、主鎖に二重結合を有していないものが好ましい。ポリオレフィン系樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリブチレン−1等の中から選ばれる少なくとも一種を用いることができ、これらの混合物や共重合体も使用することができる。これらのポリオレフィン系樹脂は剛直性であるために、本発明において化学発泡剤と配合されることにより、熱発泡後に独立気泡の外殻となって独立気泡に弾性回復性を付与することができ、その結果、適度なクッション性(弾性)と剛性のバランスを確保し、乗り心地性を改善することができる。
上記樹脂材料中に配合される化学発泡剤は、タイヤ加工性の観点から、タイヤ充填後に加熱することにより所定の温度範囲で分解するものであることが好ましく、好ましくは120〜180℃、さらに好ましくは140〜160℃の分解温度を有する。本発明において、化学発泡剤とは、熱の作用により分解又は反応してガスを生成し、樹脂材料中に気泡構造を形成するものをいう。化学発泡剤の分解温度が低すぎると、加熱後に充分な大きさのマイクロカプセル状の独立気泡を形成することができない。化学発泡剤の分解温度が高過ぎる場合には、尿素等の発泡助剤との併用によって分解温度を120〜180℃に調整することもできる。
化学発泡剤の具体例としては、例えばアゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、アゾ化合物及び重炭酸塩を挙げることができ、それらの中から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。化学発泡剤の具体例としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)、バリウムアゾジカルボキシレート(Ba/AC)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)等が挙げられ、これらは、例えば、永和化成工業社から「ビニホール」(ADCA)、「セルラー」(DPT)、「ネオセルボン」(OBSH)、「エクセラー」(DPT/ADCA系複合発泡剤)、「スパンセル」(ADCA/OBSH系複合発泡剤)、「セルボン」(NaHCO3)等の商標で市販されている。
本発明において、ジエン系ゴム組成物に発泡助剤を加えても良い。発泡助剤は、例えば、永和化成工業社から「セルペースト(商標)」として入手可能である。発泡助剤は、化学発泡剤のタイプ及び量に応じて適宜樹脂材料に配合することができる。発泡助剤を添加すると、上記のように化学発泡剤の分解温度を調整できることにより加熱時間を短縮することができ、その結果、フォーム充填タイヤの生産効率をさらに向上させることができる。発泡助剤の添加により化学発泡剤の分解温度を下げる場合には、得られるフォーム充填タイヤの製造工程での劣化も抑えられる。
化学発泡剤を含有する樹脂粒子は、例えば、永和化成工業(株)より、商品名「セルパウダーF10」、「セルパウダーF50」、「セルパウダーF35」、「セルパウダーF35L」等として市販され、入手可能である。
本発明における化学発泡剤含有樹脂中の化学発泡剤の含有率は5〜65重量%、好ましくは15〜50重量%である。この配合量が少なすぎると、発泡後に形成される外殻の厚みが厚くなりクッション性を提供するのに十分な気泡を形成できなくなるおそれがあり、逆に多すぎると、形成される外殻の厚みが薄くなり、マイクロカプセルとしての強度が不十分になるおそれがある。
化学発泡剤を含有する樹脂材料は、化学発泡剤との混合前に、予め、各樹脂成分を適宜配合し、加熱して溶融混合することによりポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂材料をいったん調製し、その後、得られた樹脂材料の溶融物に化学発泡剤を分散させることにより調製できる。また、化学発泡剤を含有する樹脂材料は、粉末状又は顆粒状の各樹脂成分と粉末状又は顆粒状の化学発泡剤を混合し、加熱して溶融混合することによっても調製できる。ただし、いずれの手法においても、溶融混合時に化学発泡剤が熱分解しないように、混合物の温度を追跡して当該混合物の温度を化学発泡剤の熱分解温度未満に保つ必要がある。そのような樹脂材料への化学発泡剤の混合又は分散は、樹脂材料中に化学発泡剤を均一に分散させることができ、かつ、樹脂材料と化学発泡剤の混合物の温度を制御できる限り、樹脂の配合に通常用いられている樹脂混合機、押出機等の装置を使用して行なうことができる。
上記のように調製した化学発泡剤含有樹脂材料又は市販の発泡剤含有樹脂材料は、引き続き、粉末状又は顆粒状に加工した後、上記のように調製したジエン系ゴム組成物に、一般的に用いられているゴム用混合機、ロール等の装置を用いて分散又は混合することができる。化学発泡剤含有樹脂材料をジエン系ゴム組成物中に分散させる際にも、化学発泡剤が熱分解しないように、化学発泡剤含有樹脂材料のジエン系ゴム組成物の混合物の温度を追跡して当該混合物の温度を化学発泡剤の熱分解温度未満に保つ必要がある。
このような化学発泡剤含有樹脂は、例えば、永和化成工業社から「セルパウダー」の商標で市販されている。また、加硫後にジエン系ゴム組成物中に形成されるマイクロカプセル状の気泡はほぼ球形となるが、ジエン系ゴム組成物に配合する前の原料段階で発泡剤含有樹脂の形状が球形である必要はない。加熱後にマイクロカプセル状の気泡がほぼ球形になる理由は、熱発泡時の上記樹脂材料とその中に含まれる発生した気体間の界面張力によるものである。熱発泡後に形成されるマイクロカプセル状の独立気泡の平均粒子径は10〜200μmである。平均粒子径がこの範囲を外れると、クッション性を十分に高めることができないという問題がある。
ジエン系ゴムと共架橋性でないポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂材料に予め添加された化学発泡剤を使用するため、化学発泡剤の分解温度以下であれば、外殻を形成する樹脂材料の軟化点に関係なく加工温度を選ぶことができ、気泡周囲の樹脂材料の外殻は効率よく確実に形成される。また、ポリオレフィン系樹脂がジエン系ゴムと共架橋性でないために、樹脂材料が高温の加工時又は加硫時にジエン系ゴム相に著しく拡散することがなく、ジエン系ゴム相と樹脂材料の相が明確に分離したマイクロカプセル状の独立気泡が得られる。更に、外殻として気密性の高い樹脂材料を有する気泡では、加硫時のガス抜けが起こりにくいため、加硫後に得られるフォームは、表層部から中心部までマイクロカプセル状気泡がより均一に分散した性状のものとなる。この様に気泡形成が効率よく行われるので、加硫済みドーナッツ状タイヤが高温の発泡工程に長時間さらされることがなく、タイヤの耐久性低下を抑制できる。
熱発泡の際、化学発泡剤から発生したガスは、ジエン系ゴム組成物中に分散された各樹脂材料粒子内に充満し、樹脂成分を外殻とするマイクロカプセル状の独立気泡を形成する。上記化学発泡剤として、熱分解反応が発熱反応である化学発泡剤を使用すると、発熱により化学発泡剤の熱分解が連鎖的に進行するため、本発明におけるようにフォーム前駆体中に分散された状態で使用した場合に、均一に発泡させるのに要する時間が短くなり、また、外部から供給する熱量が少なくて済むという利点がある。
ジエン系ゴム組成物中に化学発泡剤含有樹脂材料を分散させることにより得られたフォーム前駆体は、発泡倍率に応じて適宜求められる量で中空ドーナッツ状タイヤの内側空洞部に充填される。フォーム前駆体を中空ドーナッツ状タイヤの内側空洞部に加圧注入した後、空隙をとってホイール組みし、フォーム前駆体の発泡により排斥されたこの空隙部分の空気を逃がすことによって、中空ドーナッツ状タイヤの内側に空隙が生じないようにする。フォーム前駆体中のジエン系ゴムの加硫は、当該フォーム前駆体の発泡と同一工程で行なわれ、この発泡/加硫工程は、ドーナッツ状タイヤをリム組みした状態で、140℃〜200℃の温度で8時間〜14時間加熱することにより行なうことができる。
本発明のフォーム充填タイヤにおいて、フォームが充填される中空ドーナッツ状タイヤとしては、例えば天然ゴム(NR)、各種ブタジエンゴム(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)等のゴムと、タイヤに通常配合される加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、充填材、可塑剤等の各種添加剤から、従来の一般的な配合量にて製造されたものが使用される。
以下、実施例及び比較例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されないことは言うまでもない。
フォーム前駆体の調製
下記表1に示す配合に従って、1.8リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いてゴム、カーボンブラック及び酸化亜鉛を5分間混合し、得られた混合物をバンバリーミキサーの外に放出して室温まで冷却した後、同バンバリーミキサーにて、所定の加硫促進剤、硫黄、化学発泡剤含有樹脂材料を配合し、混合した。
Figure 2006264415
フォーム充填タイヤの作製
フォーム充填タイヤは、以下の工程で作製した。
中空ドーナッツ状タイヤとして1000−20のタイヤを用いた。フォーム前駆体注入用金型を取り付け、ドーナッツ状タイヤ内側空洞部にフォーム前駆体を均一に圧入した。その後、通常のホイールに組みかえ、リム組みした状態で160℃のオーブンに入れて最高12時間静置し、フォーム前駆体を発泡及び加硫させた。
試験方法
1)加熱時間
オーブンからタイヤを取り出し、加重時のタイヤたわみ量を求め、目標とする相当空気圧が得られる時間を推定した。比較例1の値に対する百分率で、比較例2〜3及び実施例1〜2の加熱時間を表した。ちなみに、比較例1の場合の加熱時間は12時間であった。
2)耐久性
実際のタイヤを車両に装着し、実車テストを行なった。故障が生じるまでの全走行時間を測定し、比較例1の値に対する百分率で、比較例2〜3及び実施例1〜2の耐久性を表した。
実施例1〜2及び比較例1〜3
上記試験方法により試験した結果は、下記表2に示されるとおりである。
Figure 2006264415
化学発泡剤1〜3は樹脂材料中に化学発泡剤を含有するものではなく、発泡剤そのものである。それらの発泡剤は購入したままの状態でジエン系ゴム組成物に配合した。本発明の実施例1及び2において使用した化学発泡剤含有樹脂材料は、化学発泡剤が樹脂材料に添加されたものであり、実施例2においては、発泡助剤として、さらに尿素を使用した。表1から、実施例1及び2では、比較例1〜3と比べて、発泡及び加硫にかかる加熱時間が著しく短縮されるとともに、得られたフォーム充填タイヤの耐久性が著しく向上することが判る。

Claims (6)

  1. 中空ドーナッツ状タイヤの内側空洞部に独立気泡フォームが充填されたタイヤであって、前記独立気泡フォームは、加硫されたジエン系ゴム組成物を連続相として含み、前記連続相中に分散された独立気泡を有し、前記独立気泡は樹脂材料を外殻とするマイクロカプセル状の構造を有し、前記樹脂材料はジエン系ゴムと共架橋性でない樹脂成分を含んで成るものであってポリオレフィン系樹脂を主成分として含むものであることを特徴とするフォーム充填タイヤ。
  2. 前記樹脂材料が、前記ジエン系ゴム組成物100重量部当り0.1〜10重量部の量で存在し、前記独立気泡フォームが、前記ジエン系ゴム組成物にその加硫前に配合された、化学発泡剤を含有する前記樹脂材料の熱発泡により形成されることを特徴とし、さらに、前記化学発泡剤が、前記熱発泡前の前記樹脂材料中に前記樹脂材料の重量を基準として5〜65重量%の量で存在することを特徴とする請求項1に記載のフォーム充填タイヤ。
  3. ASTM D3037の方法に従う窒素吸着比表面積が5〜30m2 /gであるカーボンブラックを前記ジエン系ゴム組成物中に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のフォーム充填タイヤ。
  4. 中空ドーナッツ状タイヤの内側空洞部に独立気泡フォームが充填されたタイヤの製造方法であって、
    (a)加硫済み中空ドーナッツ状タイヤを用意し、
    (b)前記加硫済み中空ドーナッツ状タイヤの内側空洞部に、
    (i)ジエン系ゴムを含んで成るジエン系ゴム組成物に、
    (ii)前記ジエン系ゴム組成物100重量部当り0.1〜10重量部の、前記ジエン系ゴムと共架橋性でない樹脂成分を含んで成る樹脂材料であって、ポリオレフィン系樹脂を主成分とし、さらに化学発泡剤を含有する樹脂材料、
    を分散させることにより形成されたフォーム前駆体を充填し、
    (c)前記フォーム前駆体が充填された前記加硫済み中空ドーナッツ状タイヤを加熱して前記フォーム前駆体を発泡させるとともに加硫すること、
    を含み、前記化学発泡剤が前記フォーム前駆体の熱発泡前に前記樹脂材料の重量を基準として5〜65重量%の量で前記樹脂材料中に存在することを特徴とするフォーム充填タイヤの製造方法。
  5. 熱発泡前の前記樹脂材料にさらに発泡助剤を含むことを特徴とする請求項4に記載のフォーム充填タイヤ。
  6. 熱発泡前の前記ジエン系ゴム組成物にさらに加硫促進剤を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載のフォーム充填タイヤ。
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