JP5259263B2 - 高温水蒸気電解装置 - Google Patents

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Description

本発明は、原子炉等の廃熱を利用して高温水蒸気を電気分解して水素を生成する高温水蒸気電解装置に関する。
この種の高温水蒸気電解法として、高温の水蒸気を電気分解し水素ガスと酸素ガスとを得る方法が知られている。その動作原理は固体電解質燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)の逆反応を利用するものである。以下、一例として、平板型高温水蒸気電解セルについて説明を行う。
この高温水蒸気電解法では、一般には、固体酸化物電解質を中間層として、水素極電極と酸素極電極とが設けられている電気化学セルが用いられる。この水素極側では水素が精製され、酸素極側では酸素が精製される。この水素極側雰囲気は、燃料となる水蒸気と水素が主成分となり、一方、酸素極側雰囲気は、供給ガスを空気としたときは、窒素と酸素が主な成分となり、供給ガスを酸素としたときは、酸素が主な成分となる。このために、水素極側雰囲気と酸素極側雰囲気を隔てたガスシール構造が必要不可欠となる。
このガスシール構造として、シール材によりガスシールした固体電解質型電解セルに係る技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。このガスシールした固体電解質型電解セルについて、図17を用いて説明する。
図17に示す固体電解質型電解セルは、大別して、燃料極1、固体電解質2及び空気極3から構成されている。燃料極1側から集電板6、集電体7、空気極3側からLa系酸化物セラミックス4を介してインタコネクタ5により挟み込まれる構成となっている。
固体電解質2は、電気化学セルの支持体となっており、端部ではシール材9を介してマニホールド8に設置されている。
また、電解質の上下のインタコネクタ端部に複数の凹部を設け、この凹部にシール材を充填するシール構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、マニホールドと電解質に凹部を設け、凹部に金属製インサートを挿入し熱膨張差を利用しガスシール性を向上させる構造も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平6−275302号公報 特開平10−168590号公報 特開平9−2880号公報
上述の従来の高温水蒸気電解装置では、長時間運転における電解セルの交換や補修等を含めた効率的運用についての配慮は十分になされてはいない。
例えば、図17に示す高温水蒸気電解装置では、固体電解質2の上下方向に設けられた集電板6、集電体7及びインタコネクタ5からの荷重や振動を、シール材9が直接受ける構造となっている。このために、このシール材9は、シール性及び強度の観点から長期的信頼性に欠ける可能性がある。また、シール材9で接着しているために、電解セルの交換や補修等が必要なときには、シール材9を取り除く必要があるので、保全に長時間を要することになる。
上述した従来の高温水蒸気電解装置において、固体酸化物電解質を中間層として、水素極電極と酸素極電極とが設けられている電気化学セルが用いられる。この水素極側では水素が生成され、酸素極側では酸素が生成される。このために、水素極側雰囲気と酸素極側雰囲気を隔てたガスシール構造が必要不可欠となる。このガスシールは、セル端部をガラスや金属等を用いて接着接続する構造となっている。
しかし、このガスシールは電気化学セル単体で使用するときであれば、セル端部のガスシールは比較的容易であるが、これらを積層する等して集合体として使用するときには、特にセル端部のガスシールの信頼性が低下するという課題があった。
また、高温領域においては、ガラス等の接着剤のシール及び強度の長期的信頼性が損なわれる点に課題があった。
また、ガスシール部は、電気化学セルとインタコネクタやセル支持構造物等との接合箇所になり、その支持強度及び耐久性も長期間にわたり維持しなければならない点に課題があった。
さらに、従来の構成では、複数の固体電解質型電解セルを集合体として積層させて大容量水素製造装置とした場合に、複数の固体電解質型電解セルの一部のみに不具合があったり一部のみが寿命に達した場合に、これらの固体電解質型電解セルを個別に交換したり取り外すことが困難であった。このため、固体電解質型電解セルを個別に交換や修理できるような保守性の向上に課題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、ガスシールの信頼性の向上を図り、装置の小型化を図り、さらに交換や修理の容易な高温水蒸気電解装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の高温水蒸気電解装置においては、固体酸化物電解質を中間層として両側にそれぞれ配置された水素極電極と酸素極電極とを含み水蒸気を電気分解して水素を生成する電解セル部と、この電解セル部の固体酸化物電解質の端部を固定する固定フランジと、この固定フランジを支持するユニット支持体と、前記固定フランジとユニット支持体のそれぞれの両面に設置された取付けフランジと、前記固定フランジ及びユニット支持体と前記取付けフランジとの間に介在する金属製又は鉱物系のガスケットと、前記取付けフランジ同士を分解可能に締め付ける締結部材と、を有することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するため、本発明の高温水蒸気電解装置においては、水平方向に延びる固体酸化物電解質を中間層として、その固体酸化物電解質の上下両側にそれぞれ配置された、酸素極電極と、上方に向かって水平断面積が拡大するコーン状の多孔質材から形成される水素極電極と、を含み、水蒸気を電気分解して水素を生成する電解セル部と、前記コーン状の水素極電極が挿入される、内面が上方に向かって水平断面積が拡大するコーン状の金属製の固定リングと、この固定リングを支持するユニット支持体と、前記固定リング及びユニット支持体のそれぞれの両面に設置された取付けフランジと、前記固定リングと前記ユニット支持体との間に介在する金属製又は鉱物系のガスケットと、前記取付けフランジ同士を分解可能に締め付ける締結部材と、を有することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するため、本発明の高温水蒸気電解装置においては、水平方向に延びる固体酸化物電解質を中間層として、その固体酸化物電解質の上下両側にそれぞれ配置された、水素極電極と、上方に向かって水平断面積が拡大するコーン状の多孔質材から形成される酸素極電極とを含み水蒸気を電気分解して水素を生成する電解セル部と、前記コーン状の酸素極電極が挿入される内面が上方に向かって水平断面積が拡大するコーン状の金属製の固定リングと、この固定リングを支持するユニット支持体と、前記固定リング及びユニット支持体のそれぞれの両面に設置された取付けフランジと、前記固定リングと前記ユニット支持体との間に介在する金属製又は鉱物系のガスケットと、前記取付けフランジ同士を分解可能に締め付ける締結部材と、を有することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するため、本発明の高温水蒸気電解装置においては、固体酸化物電解質を中間層として両側にそれぞれ配置された水素極電極と酸素極電極とを含み水蒸気を電気分解して水素を生成する電解セル部と、この電解セル部の水素極電極の下面を支持する多孔質金属製支持体と、この多孔質金属製支持体の外側に設けられこの多孔質金属製支持体の端面と溶接部を介して接続された金属製固定リングと、前記金属製固定リングの端部を支持するユニット支持体と、前記金属製固定リングとユニット支持体のそれぞれの両面に設置された取付けフランジと、前記金属製固定リング及びユニット支持体と前記取付けフランジとの間に介在する金属製又は鉱物系のガスケットと、前記取付けフランジ同士を分解可能に締め付ける締結部材と、を有することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するため、本発明の他の高温水蒸気電解装置においては、固体酸化物電解質を中間層として両側にそれぞれ配置された水素極電極と酸素極電極とを含み水蒸気を電気分解して水素を生成する電解セル部と、この電解セル部の水素極電極の下面を支持する多孔質金属製支持体と、この多孔質金属製支持体の外側に設けられこの多孔質金属製支持体の端面と溶接部を介して接続された金属製固定リングと、前記金属製固定リングの端部を支持するユニット支持体と、を有する高温水蒸気電解装置であって、前記ユニット支持体は、前記電解セル部の水素極電極に給電する水素極給電層と、前記酸素極電極から集電する酸素極集電層と、この水素極給電層及び酸素極集電層を絶縁する絶縁層と、を具備し、前記金属製固定リングと前記ユニット支持体の水素極給電層とが溶接部を介して接続されてなること、を特徴とするものである。
本発明の高温水蒸気電解装置によれば、電解セル部にガスケット及び締結部材を用いて支持体へ集積することにより、装置の小型化を図り、不具合セルの交換や修理の容易化を図り、さらに、金属製又は鉱物系のガスケットを用いることによりシールの信頼性及び安全性の向上を図ることができる。
以下、本発明に係る高温水蒸気電解セルの実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部120の取付けフランジ104及びガスケット107の構成を示す縦断面図であり、図2は、図1の取付けフランジ104及びガスケット107のII部を拡大して示す縦断面図である。
まず、高温水蒸気電解装置の構成について、図1を用いて説明する。
図1に示すように、高温水蒸気電解装置は、主に、2枚の仕切り板112の間に、電気的に接続するインタコネクタ109を介して設けられた電解セル部120、この電解セル部120をシールするセルシール部121及びこのセルシール部121を支持するユニット支持体110より構成されている。この電解セル部120は、固体酸化物電解質101を中間層として両側にそれぞれ配置された水素極電極102と酸素極電極103とを有する。
図2に示すように、セルシール部121は、固定フランジ130、金属製の取付けフランジ104、金属製のボルト105、金属製のナット106及びガスケット107を有する。ガスケット107の材料の好ましい例としては、例えばフェライト系ステンレス鋼などの金属、または、例えばバーミキュライトなどを主成分とする鉱物系がある。また、電解セル部120の固体酸化物電解質101は、両側からガスケット107を介して固定フランジ130で挟み込まれている。この2枚の固定フランジ130は、ガスケット107を介して締結部材であるボルト105及びナット106を用いて締結されている。また、この固定フランジ130及びユニット支持体110の両側が、ガスケット107を介して取付けフランジ104で挟み込まれている。この2枚の取付けフランジ104は、ガスケット107を介して締結部材であるボルト105及びナット106を用いて締結されている。かくして、電解セル部120の固体酸化物電解質101は、取付けフランジ104及びガスケット107を介してボルト105及びナット106で締結されて高温水蒸気電解装置が構成されている。
この固体酸化物電解質101は、円盤型であり、材料、大きさ、厚さ及び製造方法は任意である。水素極電極102と酸素極電極103の材料、形状、大きさ及び厚さも任意とし、また固体酸化物電解質101への塗布方法も任意とする。水素極電極102の材料の好ましい例としてはニッケルと安定化ジルコニアの混合物があり、酸素極電極103の材料の好ましい例としてはランタン−コバルト系酸化物がある。ボルト105及びナット106の材料、個数や大きさは特に問わない。また取付けフランジ104の材料は任意であり、形状は円形や長方形など、任意である。ガスケット107の大きさは任意に決定でき、材料は金属製又は鉱物系のものを使用する。
このように構成された本実施の形態において、電解セル部120の固体酸化物電解質101が両側からガスケット107を介して固定フランジ130で挟み込まれ、また、この固定フランジ130及びユニット支持体110の両側がガスケット107を介して取付けフランジ104で挟み込まれ、さらに、ガスケット107を介してボルト105及びナット106を用いて締結されている。このガスケット107により、電解セル部120、固定フランジ130及び取付けフランジ104との境界及び取付けフランジ104とボルト105やナット106との境界がガスシールできる密封構造を形成することができる。
また、ガスケット107の材料として、金属製又は鉱物系の材料を用いることにより、熱膨張差を利用してシール性の向上を図ることができる。このような高温水蒸気電解装置においては、ボルト105やナット106を取り外すだけで電解セル部120及びガスケット107の交換や修理が容易な構造とすることができる。さらに、電解セル部120は円板状、固定フランジ130は円環状であって、固定フランジ130の端部は、ネジ部204を介してユニット支持体110と接続することができる。
上記電解セル部120の給電又は集電は、電解セル部120の上下方向から、インタコネクタ109を接触させて行う構成としている。また上下の電解セル部120は、仕切り板112を介して隔離された構造となっている。このインタコネクタ109は、多孔体や波型等のガス拡散性のある形状とし、材料は任意とする。仕切り板112の材質は導電性材料とし、形状は任意とする。
本実施の形態によれば、金属製又は鉱物系のガスケット107をガスシール材として用いることにより、ガスシールの信頼性向上及び交換や修理を容易にできる高温水蒸気電解装置の電解セル部120を構築することができる。さらに、固定フランジ130、固体酸化物電解質101、ユニット支持体110の端面にネジ部204を形成することにより、電解セル部120の複数個をユニット支持体110へ集合させたユニットを構築し、ガスシール性の向上を図り、さらに、取り付け取り外しが容易な高温水蒸気電解装置を得ることができる。
[第2の実施の形態]
図3は、本発明の第2の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部120aの取付けフランジ104及びガスケット107の構成を示す縦断面図であり、図4は、図3の取付けフランジ104及びガスケット107のIV部を拡大して示す縦断面図である。また、図5は図3の高温水蒸気電解装置の電解セル部の取付けフランジ及びガスケットの構成を示す上面図である。なお、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本図に示すように、高温水蒸気電解装置は、主に、電解セル部120a、この電解セル部120aを支持するユニット支持体110より構成されている。この電解セル部120aは、固体酸化物電解質101を中間層として両側にそれぞれ配置された水素極電極102と酸素極電極103とを有する。
また、図3および図5からわかるように、一つのユニット支持体110に正方格子状に配列された複数の開口部のそれぞれに電解セル部120aが配置され、取付けフランジ104によって固定されている。
図4に示すように、電解セル部120aの両側には、ユニット支持体110が配置されている。このユニット支持体110は、電解セル部120aの水素極電極102に給電する水素極給電層201、酸素極電極103から集電する酸素極集電層203、この水素極給電層201と酸素極集電層203とを絶縁する絶縁層202を有する。
電解セル部120aとユニット支持体110とは、セルシール部121によりシールされている。このセルシール部121は、電解セル部120aの固体酸化物電解質101が両側からガスケット107を介して取付けフランジ104で挟み込まれ、さらに、ガスケット107を介して締結部材であるボルト105及びナット106を用いて締結されている。さらに、取付けフランジ104とユニット支持体110の水素極給電層201とは、溶接部205を介して接続されている。また、取付けフランジ104とユニット支持体110の酸素極集電層203とは、溶接部205を介して接続されている。
このように構成された本実施の形態において、電解セル部120aの水素極側雰囲気と酸素極側雰囲気とがガスケット107及び溶接部205を介して、ガスシール性が確保されている。また、ユニット支持体110は、水素極給電層201、酸素極集電層203及び絶縁層202の3層より形成されており、給電と集電とを兼ねた部材となっている。この電解セル部120aの水素極給電層201への給電や酸素極集電層203からの集電は、金属製の取付けフランジ104及び導電メッシュ111を介して行われる構造となっている。この水素極電極102と酸素極電極103との絶縁性を確保するために、ボルト105との接触部には鉱物系のガスケット107が用いられている。また、導電メッシュ111の形状や材料は任意に選択することができる。
本実施の形態によれば、電解セル部120aのシール部に金属製又は鉱物系のガスケット107を用いることによりシールの信頼性及び安全性の向上を図ることができる。さらに、ユニット支持体110が給電部材や集電部材を兼用することにより、高温水蒸気電解装置のさらなる簡略化及び小型化を図ることができる。
[第3の実施の形態]
図6は、本発明の第3の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部120bの取付けフランジ104及びガスケット107の構成を示す縦断面図であり、図7は、図6の取付けフランジ104及びガスケット107のVIIを拡大して示す縦断面図である。なお、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本図に示すように、高温水蒸気電解装置は、主に、電解セル部120b及びこの電解セル部120bを支持するユニット支持体110より構成されている。この電解セル部120bは、固体酸化物電解質101を中間層として両側にそれぞれ配置された水素極電極102と酸素極電極103とを有する。この電解セル部120bとユニット支持体110との間には、金属製の固定リング108が介在している。
図7に示すように、電解セル部120bの水素極電極102は、板状に水平方向に延び、その水平断面積は上方に向かって拡大するコーン状に加工された多孔質材料より作製されている。この水素極電極102は、電解セル部120bの電極支持体として内面が上方に向かって拡大するコーン状に加工された金属製の固定リング108に埋め込まれる。コーン状の多孔質水素極電極102の底面側から固定リング108まで固体酸化物電解質101を塗布することにより、ガスシールできる電解セル部120bを構成している。
電解セル部120bは円板状、固定リング108は円環状であって、電解セル部120bの複数個を集合させ電解ユニットを形成するときには、固定リング108の端面とユニット支持体110との間にネジ部204を形成し、固定リング108とユニット支持110体とは、このネジ部204を介して接続されている。このユニット支持体110へネジ部204を介して接続された電解セル部120bは、ガスケット107を介して取付けフランジ104で挟み込まれガスシールできる構造となっている。
また、上下の電解セル部120bは、給電部支持体123により隔離された構造となっている。この給電部支持体123は、水素極給電層201、酸素極集電層203及び水素極給電層201と酸素極集電層203とを電気的に絶縁する絶縁層202より構成されている。
電解セル部120bの水素極電極102への給電は、インタコネクタ109を介して給電部支持体123の水素極給電層201より行われる。電解セル部120bの酸素極電極103からの集電は、インタコネクタ109を介して給電部支持体123の酸素極集電層203より行われる。
多孔質の水素極電極102の材料、気孔率及び大きさは任意とし、製造方法も任意とする。固体酸化物電解質101及び酸素極電極103の材料、形状、大きさ及び厚さは任意とし、塗布方法も任意とする。金属性の固定リング108の大きさ、厚さ及び斜角は任意とする。ボルト105やナット106の材料、個数や大きさも特に問わない。また取付けフランジ104の材料は任意である。ガスケット107は、金属製又は鉱物系のものを用いる。インタコネクタ109は、多孔体や波型等のガス拡散性のある形状とし、材料は任意とする。
また、酸素極電極103を多孔質の電極支持体として使用する場合も同様とする。
本実施の形態によれば、電極支持体としてコーン状に加工された多孔質水素極電極102を内面がコーン形状に加工された固定リング108に埋め込むことにより、接着剤を用いることなく電解セル部120bを支持した高温水蒸気電解装置を構築することができる。また、固体酸化物電解質101を固定リング108にも塗布することにより、ガラス等の接着剤を用いることなく、ガスシールを行うことができる。さらに、複数の電解セル部120bを集合させるときには、固定リング108端面とユニット支持体110との間にネジ部204を形成する。このネジ部204を介して接続することにより、ガラス等の接着剤を不要とし、電解セル部120b等の交換や修理が容易な高温水蒸気電解装置を得ることができる。
[第4の実施の形態]
図8は、本発明の第4の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部120cの構成を示す縦断面図であり、図9は、図8の電解セル部120cのIX部を拡大して示す縦断面図である。なお、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図8に示すように、高温水蒸気電解装置は、主に、電解セル部120c及びこの電解セル部120cを支持するユニット支持体110より構成されている。この電解セル部120cは、固体酸化物電解質101を中間層として両側にそれぞれ配置された水素極電極102と酸素極電極103とを有する。
図9に示すように、電解セル部120cの両側には、ユニット支持体110が配置されている。このユニット支持体110は、電解セル部120cの水素極電極102に給電する水素極給電層201、酸素極電極103から集電する酸素極集電層203、この水素極給電層201と酸素極集電層203とを絶縁する絶縁層202を有する。
上記水素極電極102は、板状に水平方向に延び、その水平断面積は上方に向かって拡大するコーン状に加工された多孔質材から作製されている。また、この多孔質の水素極電極102は、水平断面積が上方に向かって拡大するコーン状に内面が加工された貫通孔を有する金属製の固定リング108の中に埋め込まれる。
このように構成された本実施の形態において、電解セル部120cは、多孔質の水素極電極102により支持され、金属製の固定リング108の貫通孔に埋め込まれ、また、固体酸化物電解質101が固定リング108まで塗布される構成となっている。
さらに、この固定リング108とユニット支持体110の水素極給電層201とが溶接部205を介して接続されている。ユニット支持体110の絶縁層202を挟んで酸素極集電層203が導電メッシュ111を介して酸素極電極103と接触する構造になっている。また、上下の電解セル部120cは、仕切り板112を介して隔離されている。この仕切り板112の材質は導電性材料とし、形状は任意とする。
なお、多孔質の酸素極電極103が電極支持体として機能する場合も上記と同様の構成を採用することができる。
本実施の形態によれば、電極支持体としてコーン状に加工された多孔質水素極電極102を内面がコーン形状に加工された固定リング108に埋め込むことにより、接着剤を用いることなく電解セル部120cを支持した高温水蒸気電解装置を構築することができる。さらに、ユニット支持体110が給電部材及び集電部材を兼ねているので、高温水蒸気電解装置のさらなる簡略化及び小型化が可能である。
[第5の実施の形態]
図10は、本発明の第5の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部120dの取付けフランジ104及びガスケット107の構成を示す縦断面図であり、図11は、図10の取付けフランジ104及びガスケット107のX部を拡大して示す縦断面図である。なお、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本図に示すように、高温水蒸気電解装置は、主に、電解セル部120d及びこの電解セル部120dを支持するユニット支持体110を備えている。この電解セル部120dは、固体酸化物電解質101を中間層として両側にそれぞれ配置された多孔質材の水素極電極102と酸素極電極103とを有する。また、水素極電極102の下面には多孔質金属製支持体113が配置されている。また、上下の電解セル部120dは、仕切り板112で仕切られている。
上記電解セル部120dの多孔質金属製支持体113とユニット支持体110との間には、金属製の固定リング108が介在している。この金属製の固定リング108と多孔質金属製支持体113とは溶接部205を介して接続されている。
電解セル部120dは円板状、固定リング108は円環状であって、金属製の固定リング108とユニット支持体110とは、ネジ部204を形成することにより、このネジ部204を介して接続されている。
この接続された固定リング108とユニット支持体110のそれぞれの両側には、金属製又は鉱物系のガスケット107を介して金属製の取付けフランジ104が設けられている。この金属製の取付けフランジ104は、金属製又は鉱物系のガスケット107を介して締付部材の1種であるボルト105やナット106で締め付けられる。
このように構成された本実施の形態において、電解セル部120dは、多孔質金属製支持体113により支持されている。この多孔質金属製支持体113の上面には、水素極電極102、固体酸化物電解質101、酸素極電極103が順次配置されている。また、この電解セル部120dにおいて、多孔質金属製支持体113と金属製の固定リング108とは溶接部205を介して接続され、また、金属製の固定リング108の端面とユニット支持体110とはネジ部204を介して接続されている。また、発生するガスは、ガスケット107を介して取付けフランジ104で挟み込むことにより密封できる構造となっている。さらに、水素極電極102への給電や酸素極電極103からの集電は、水素極電極102や酸素極電極103の上下に配置されたインタコネクタ109を接触させて行っている。また、上下の電解セル部120dは、仕切り板112により隔離された構造となっている。
このインタコネクタ109は、多孔体や波型などのガス拡散性のある形状とし、材料は任意とする。取付けフランジ104の形状、材料は任意とする。仕切り板112の材質は、導電性の材料とし、形状は任意とする。また、ガスケット107は、金属製又は鉱物系のものを使用する。
本実施の形態によれば、電解セル部120dの電極支持体として多孔質金属製支持体113を用いることにより、電極支持体の耐久性の向上を図ることができる。また、金属製又は鉱物系のガスケット107をガスシール材として用いることにより、ガスシールの信頼性向上及び電気化学セルの交換や修理を容易に行うことができる。さらに、取付けフランジ104は、ボルト105やナット106で締め付けられているので、電解セル部120d複数個をユニット支持体110へ集合させるユニットのガスシールが実現でき、また、取り付けや取り外しが容易な電気化学セルのユニット構造の実現が可能となる。
[第6の実施の形態]
図12は、本発明の第6の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部120eの構成を示す縦断面図であり、図13は、図12の電解セル部120eのXIII部を拡大して示す縦断面図である。なお、第5の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図12に示すように、高温水蒸気電解装置は、主に、電解セル部120e及びこの電解セル部120eを支持するユニット支持体110を備えている。この電解セル部120eは、固体酸化物電解質101を中間層として両側にそれぞれ配置された多孔質の水素極電極102と酸素極電極103とを有する。また、水素極電極102の下面には多孔質金属製支持体113が配置されている。
図13に示すように、電解セル部120eの構成要素である固定リング108には、図10で示すようなネジ部204を設けていない。この電解セル部120eは、多孔質金属製支持体113と金属製の固定リング108とは溶接部205を介して接続され、また、金属製の固定リング108の端面とユニット支持体110とは溶接部205を介して接続される構成となっている。
このユニット支持体110は、電解セル部120eの水素極電極102に給電する水素極給電層201、酸素極電極103から導電メッシュ111を介して集電する酸素極集電層203、この水素極給電層201と酸素極集電層203とを絶縁する絶縁層202を有する。
このように構成された本実施形態において、多孔質金属製支持体113に支持された電解セル部120eは、金属製の固定リング108内に溶接部205を介して接続され、固体酸化物電解質101が固定リング108まで塗布される構造となっている。固定リング108とユニット支持体110を構成する水素極給電層201とは溶接部205を介して接続されている。また、絶縁層202を挟んで酸素極集電層203が導電メッシュ111を介して酸素極電極103に接触する構造になっている。
また、多孔質の酸素極電極103が支持体として機能する場合も上記と同様である。
本実施の形態によれば、電極支持体として加工された多孔質金属製支持体113を内面が加工された金属製の固定リング108の貫通孔に埋め込み溶接部205を介して接続することにより、接着剤を用いることなく電解セル部120eを構築することができる。また、ユニット支持体110が給電部材及び集電部材を兼ねているので、高温水蒸気電解装置のさらなる簡略化及び小型化が可能である。
さらに、電解セル部120eの水素極電極102の電極支持体として多孔質金属製支持体113を用いることにより、電極支持体の耐久性の向上を図ることができる。また、金属製又は鉱物系のガスケット107をガスシール材として用いることにより、ガスシールの信頼性の向上及び電気化学セルの交換や修理を容易に行うことができる。さらに、ユニット支持体110が給電部材及び集電部材を兼ねているので、高温水蒸気電解装置のさらなる簡略化及び小型化が可能である。
[第7の実施の形態]
図14は本発明の第7の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部の要部を拡大して示す縦断面図であって、第1の実施の形態の図2(図1のII部)に相当する部分を表わしている。この実施の形態は第1の実施の形態の変形であり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
この実施の形態では、ユニット支持体110の開口部と固定フランジ130の外側端部の間に環状の間隙114が設けられ、これらの間にネジは形成されていない。第1の実施の形態と同様に、固体酸化物電解質101の端部近くの両面を挟み込むように2枚の固定フランジ130が取り付けられ、これらの固定フランジ130とユニット支持体110を、2枚の取付けフランジ104で、ガスケット107を介して挟み込み、ボルト105およびナット106を用いて締め付けている。
この実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、ガスシール構造に金属または鉱物系のガスケット107を用いることにより、ガスシールの信頼性が向上し、さらに、交換・修理が容易になる。
さらにこの実施の形態では、ユニット支持体110の開口部と固定フランジ130の外側端部の間に間隙114が設けられていることから、ユニット支持体110の開口部と固定フランジ130や取付けフランジ104の間の熱膨張差を吸収できる。すなわち、電解セルの運転条件により、電解セルが発熱運転や吸熱運転となり、これによって電解セル周辺で温度差が生じ、熱膨張によるひずみが生ずるが、この実施の形態によれば、このような熱膨張差によるひずみによる装置の破壊を避け、装置の健全性を保つことができる。
[第8の実施の形態]
図15は本発明の第8の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部の要部を拡大して示す縦断面図であって、第3の実施の形態の図7(図6のVII部)に相当する部分を表わしている。この実施の形態は第3の実施の形態の変形であり、第3の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
この実施の形態では、ユニット支持体110の開口部と固定リング108の外側端部の間に環状の間隙115が設けられ、これらの間にネジは形成されていない。第3の実施の形態と同様に、固定リング108とユニット支持体110を、2枚の取付けフランジ104で、ガスケット107を介して挟み込み、ボルト105およびナット106を用いて締め付けている。
この実施の形態では、第3の実施の形態と同様に、ガスシール構造に金属または鉱物系のガスケット107を用いることにより、ガスシールの信頼性が向上し、さらに、交換・修理が容易になる。
さらにこの実施の形態では、ユニット支持体110の開口部と固定リング108の外側端部の間に間隙115が設けられていることから、ユニット支持体110の開口部と固定リング108や取付けフランジ104の間の熱膨張差を吸収できる。これにより、第7の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第9の実施の形態]
図16は本発明の第8の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部の要部を拡大して示す縦断面図であって、第5の実施の形態の図11(図10のXI部)に相当する部分を表わしている。この実施の形態は第5の実施の形態の変形であり、第5の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
この実施の形態では、ユニット支持体110の開口部と固定リング108の外側端部の間に環状の間隙115が設けられ、これらの間にネジは形成されていない。第5の実施の形態と同様に、固定リング108とユニット支持体110を、2枚の取付けフランジ104で、ガスケット107を介して挟み込み、ボルト105およびナット106を用いて締め付けている。
この実施の形態では、第5の実施の形態と同様に、ガスシール構造に金属または鉱物系のガスケット107を用いることにより、ガスシールの信頼性が向上し、さらに、交換・修理が容易になる。
さらにこの実施の形態では、ユニット支持体110の開口部と固定リング108の外側端部の間に間隙115が設けられていることから、ユニット支持体110の開口部と固定リング108や取付けフランジ104の間の熱膨張差を吸収できる。これにより、第7および第8の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[他の実施の形態]
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述したような各実施の形態に何ら限定されるものではなく、各実施の形態の構成を組み合わせて、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、第1、第3、第5の実施の形態では水平方向に1個の電解セル部が鉛直方向に複数積層された構造が示されているが、これらの実施形態でも、第2の実施の形態(図3、図5)などと同様に水平方向に複数個が配置された構造を取ることができる。
本発明の第1の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部の取付けフランジ及びガスケットの構成を示す縦断面図。 図1の取付けフランジ及びガスケットのII部を拡大して示す縦断面図。 本発明の第2の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部の取付けフランジ及びガスケットの構成を示す縦断面図。 図3の取付けフランジ及びガスケットのIV部を拡大して示す縦断面図。 図3の高温水蒸気電解装置の電解セル部の取付けフランジ及びガスケットの構成を示す上面図。 本発明の第3の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部の取付けフランジ及びガスケットの構成を示す縦断面図。 図6の取付けフランジ及びガスケットのVII部を拡大して示す縦断面図。 本発明の第4の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部の構成を示す縦断面図。 図8の電解セル部のIX部を拡大して示す縦断面図。 本発明の第5の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部の取付けフランジ及びガスケットの構成を示す縦断面図。 図10の取付けフランジ及びガスケットのXI部を拡大して示す縦断面図。 本発明の第6の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部の構成を示す縦断面図。 図12の電解セル部のXIII部を拡大して示す縦断面図。 本発明の第7の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部の要部を拡大して示す縦断面図。 本発明の第8の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部の要部を拡大して示す縦断面図。 本発明の第9の実施の形態の高温水蒸気電解装置の電解セル部の要部を拡大して示す縦断面図。 従来の固体電解質型電解セル部を示す縦断面図。
符号の説明
101…固体酸化物電解質、102…水素極電極、103…酸素極電極、104…取付けフランジ、105…ボルト、106…ナット、107…ガスケット、108…固定リング、109…インタコネクタ、110…ユニット支持体、111…導電メッシュ、112…仕切り板、113…多孔質金属製支持体、114…間隙、115…間隙、116…間隙、120,120a,120b,120c,120d,120e…電解セル部、121…セルシール部、123…給電部支持体、130…固定フランジ、201…水素極給電層、202…絶縁層、203…酸素極集電層、204…ネジ部、205…溶接部。

Claims (16)

  1. 固体酸化物電解質を中間層として両側にそれぞれ配置された水素極電極と酸素極電極とを含み水蒸気を電気分解して水素を生成する電解セル部と、
    この電解セル部の固体酸化物電解質の端部を固定する固定フランジと、
    この固定フランジを支持するユニット支持体と、
    前記固定フランジとユニット支持体のそれぞれの両面に設置された取付けフランジと、
    前記固定フランジ及びユニット支持体と前記取付けフランジとの間に介在する金属製又は鉱物系のガスケットと、
    前記取付けフランジ同士を分解可能に締め付ける締結部材と、
    を有することを特徴とする高温水蒸気電解装置。
  2. 前記固体酸化物電解質は円板状であって、この固体酸化物電解質の端部を固定する円環状の固定フランジと前記ユニット支持体とがネジ部を介して接続されてなること、を特徴とする請求項1記載の高温水蒸気電解装置。
  3. 前記ユニット支持体が前記電解セル部の水素極電極に給電する水素極給電層と、前記酸素極電極から集電する酸素極集電層と、この水素極給電層と酸素極集電層とを絶縁する絶縁層と、を具備し、
    前記固体酸化物電解質の端部を固定する取付けフランジと前記ユニット支持体とが溶接部を介して接続されてなること、
    を特徴とする請求項1記載の高温水蒸気電解装置。
  4. 前記固体酸化物電解質の端部を固定する固定フランジと前記ユニット支持体とが環状の間隙を介して対向していること、を特徴とする請求項1記載の高温水蒸気電解装置。
  5. 水平方向に延びる固体酸化物電解質を中間層として、その固体酸化物電解質の上下両側にそれぞれ配置された、酸素極電極と、上方に向かって水平断面積が拡大するコーン状の多孔質材から形成される水素極電極と、を含み、水蒸気を電気分解して水素を生成する電解セル部と、
    前記コーン状の水素極電極が挿入される、内面が上方に向かって水平断面積が拡大するコーン状の金属製の固定リングと、
    この固定リングを支持するユニット支持体と、
    前記固定リング及びユニット支持体のそれぞれの両面に設置された取付けフランジと、
    前記固定リングと前記ユニット支持体との間に介在する金属製又は鉱物系のガスケットと、
    前記取付けフランジ同士を分解可能に締め付ける締結部材と、
    を有することを特徴とする高温水蒸気電解装置。
  6. 前記水素極電極は円板状であって、この固体酸化物電解質が挿入された前記固定リングと前記ユニット支持体とがネジ部を介して接続されてなること、を特徴とする請求項5記載の高温水蒸気電解装置。
  7. 前記ユニット支持体が前記電解セル部の水素極電極に給電する水素極給電層と、前記酸素極電極から集電する酸素極集電層と、この水素極給電層と酸素極集電層とを絶縁する絶縁層と、を具備し、
    前記水素極電極が挿入された前記固定リングと前記ユニット支持体の水素極給電層とが溶接部を介して接続されてなること、
    を特徴とする請求項5記載の高温水蒸気電解装置。
  8. 前記水素極電極が挿入された前記固定リングと前記ユニット支持体とが環状の間隙を介して対向していること、を特徴とする請求項5記載の高温水蒸気電解装置。
  9. 水平方向に延びる固体酸化物電解質を中間層として、その固体酸化物電解質の上下両側にそれぞれ配置された、水素極電極と、上方に向かって水平断面積が拡大するコーン状の多孔質材から形成される酸素極電極とを含み水蒸気を電気分解して水素を生成する電解セル部と、
    前記コーン状の酸素極電極が挿入される内面が上方に向かって水平断面積が拡大するコーン状の金属製の固定リングと、
    この固定リングを支持するユニット支持体と、
    前記固定リング及びユニット支持体のそれぞれの両面に設置された取付けフランジと、
    前記固定リングと前記ユニット支持体との間に介在する金属製又は鉱物系のガスケットと、
    前記取付けフランジ同士を分解可能に締め付ける締結部材と、
    を有することを特徴とする高温水蒸気電解装置。
  10. 前記酸素極電極は円板状であって、この固体酸化物電解質が挿入された円環状の固定リングと前記ユニット支持体とがネジ部を介して接続されてなること、を特徴とする請求項9記載の高温水蒸気電解装置。
  11. 前記ユニット支持体が前記電解セル部の水素極電極に給電する水素極給電層と、前記酸素極電極から集電する酸素極集電層と、この水素極給電層と酸素極集電層とを絶縁する絶縁層と、を具備し、
    前記酸素極電極が挿入された前記固定リングと前記ユニット支持体の酸素極給電層とが溶接部を介して接続されてなること、
    を特徴とする請求項9記載の高温水蒸気電解装置。
  12. 前記酸素極電極が挿入された固定リングと前記ユニット支持体とが環状の間隙を介して対向していること、を特徴とする請求項9記載の高温水蒸気電解装置。
  13. 固体酸化物電解質を中間層として両側にそれぞれ配置された水素極電極と酸素極電極とを含み水蒸気を電気分解して水素を生成する電解セル部と、
    この電解セル部の水素極電極の下面を支持する多孔質金属製支持体と、
    この多孔質金属製支持体の外側に設けられこの多孔質金属製支持体の端面と溶接部を介して接続された金属製固定リングと、
    前記金属製固定リングの端部を支持するユニット支持体と、
    前記金属製固定リングとユニット支持体のそれぞれの両面に設置された取付けフランジと、
    前記金属製固定リング及びユニット支持体と前記取付けフランジとの間に介在する金属製又は鉱物系のガスケットと、
    前記取付けフランジ同士を分解可能に締め付ける締結部材と、
    を有することを特徴とする高温水蒸気電解装置。
  14. 記金属製固定リングは円環状であって、この固リングと前記ユニット支持体とがネジ部を介して接続されてなること、
    を特徴とする請求項13記載の高温水蒸気電解装置。
  15. 固体酸化物電解質を中間層として両側にそれぞれ配置された水素極電極と酸素極電極とを含み水蒸気を電気分解して水素を生成する電解セル部と、
    この電解セル部の水素極電極の下面を支持する多孔質金属製支持体と、
    この多孔質金属製支持体の外側に設けられこの多孔質金属製支持体の端面と溶接部を介して接続された金属製固定リングと、
    前記金属製固定リングの端部を支持するユニット支持体と、
    を有する高温水蒸気電解装置であって、
    前記ユニット支持体は、前記電解セル部の水素極電極に給電する水素極給電層と、前記酸素極電極から集電する酸素極集電層と、この水素極給電層及び酸素極集電層を絶縁する絶縁層と、を具備し、
    前記金属製固定リングと前記ユニット支持体の水素極給電層とが溶接部を介して接続されてなること、を特徴とする高温水蒸気電解装置。
  16. 記金属製固定リングと前記ユニット支持体とが環状の間隙を介して対向していること、を特徴とする請求項13記載の高温水蒸気電解装置。
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