以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。なお、一般に、遊技機には、いわゆる可変表示ゲームを行う遊技機や、いわゆる役物遊技を行う遊技機などがあるが、この実施の形態では、いわゆる可変表示ゲームと役物遊技とを組み合わせて行うタイプの遊技の場合を説明する。ここで、いわゆる可変表示ゲームを行う遊技機とは、始動入賞口に遊技媒体となる遊技球が進入(始動入賞)したことに基づいて可変表示部において開始される特別図柄(識別情報)の可変表示の表示結果として、予め定められた特定の表示態様(特定表示結果)が導出表示された場合に、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行させる遊技機である。また、いわゆる役物遊技を行う遊技機とは、所定の条件が成立すると遊技球が入賞不可能な閉鎖状態から遊技球が入賞可能な開放状態となる動作(始動動作)を行う可変入賞球装置(役物)を備え、可変入賞球装置に設けられている特定領域(「V入賞領域」ともいう。)に遊技球が進入したこと(「V入賞」ともいう。)に基づいて遊技状態を特定遊技状態に移行させるように構成された遊技機である。以下では、例えば入賞口といった、予め入賞領域として定められている領域に遊技球が進入(あるいは通過)することを、「入賞」ということがある。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠(前面扉枠)2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。また、打球供給皿(上皿)3には、遊技者によって操作可能な操作ボタン120が設けられている。また、打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と、所定の打球発射装置により遊技球が発射される速さ(すなわち、遊技球を弾くばねの強さ)を調整する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。パチンコ遊技機1の側方には、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット、あるいは、現金が挿入されることによって金額に応じた球貸しを可能にする現金球貸機が、付設されてもよい。
遊技者は、操作ノブ5を回転させることにより、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができる。具体的には、操作ノブ5を右(時計回り)に回転させていくことにより、打球発射装置から発射される遊技球の速さが徐々に増していき、所定の速さを越えると、発射された遊技球は打球レールを通って上方より遊技領域7の左側領域に入る。さらに操作ノブ5を右に回転させていくと、発射された遊技球は上方より遊技領域7の右側領域に入る。よって、操作ノブ5を右に回転させた状態で回転量を変化させることで、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができ、遊技球を打ち込む領域を調整することができる。
ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。遊技盤6は、例えば略正方形状の合板により形成された板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。遊技盤6の前面には、例えばステンレス鋼板を円弧状に形成した誘導レールが取り付けられている。そして、打球発射装置から発射された遊技球は、誘導レールにより形成される略円形状の遊技領域7内に導かれるように打ち込まれる。
遊技領域7のほぼ中央には、可変入賞球装置20が配置されている。また、可変入賞球装置20の左方には、始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置61が設けられている。なお、始動入賞口は、普通可変入賞球装置61が開放状態(開状態ともいう)になることによって遊技球が入賞可能になる。また、始動入賞口は、普通可変入賞球装置61が閉鎖状態(閉状態ともいう)になることによって遊技球が入賞不可能になる。なお、普通可変入賞球装置61が開放状態となったときに、普通可変入賞球装置61が閉鎖状態であるときと比較して、始動入賞口に遊技球が入賞しやすい状態となるようにしてもよい。この場合、普通可変入賞球装置61が閉鎖状態となったときには、遊技球が完全に入賞不可能となるのではなく、普通可変入賞球装置61が閉鎖状態であるときと比較して、入賞しにくい状態となればよい。始動入賞口に進入した遊技球(入賞球)は始動口スイッチ60により検出され、遊技盤6の背面に導かれる。始動口スイッチ60が遊技球を検出したことに基づいて、所定の始動入賞時払出数(例えば「4」)に対応した個数の遊技球が賞球として払い出される。
可変入賞球装置20の内部における右下方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する可変表示装置としての特別図柄表示器8が設けられている。特別図柄表示器8は、例えば方形状に形成された7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報となる特別図柄(「特図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。一例として、特別図柄表示器8は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、特別図柄表示器8にて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていてもよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。例えば、「0」〜「9」を示す数値のそれぞれに対して、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号に対して、「10」の図柄番号が付されていればよい。また、特別図柄表示器8は、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である特図始動条件が成立(例えば、打球が始動入賞口に入賞したこと)した後、可変表示を開始するための特図開始条件(例えば、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、表示結果を導出表示するとは、例えば特別図柄といった、予め用意された表示図柄(識別情報の例)を停止表示させることである。
特別図柄表示器8の下方には、始動入賞口に入賞した有効入賞球数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を表示する特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、例えば4つのLEDといった、4つの表示器を含んで構成され、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、特別図柄表示器8での可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
始動入賞口に入賞した遊技球が始動口スイッチ60によって検出され、特別図柄表示器8に所定の数字(又は、記号)が導出表示された場合には、可変入賞球装置20が所定の回数開閉制御される。開閉制御によって、可変入賞球装置20の上方に設けられた開放扉76A、76Bが連動して開放状態となることによって、可変入賞球装置20は開放状態になり、開放扉76A、76Bが連動して閉鎖状態に戻ることによって可変入賞球装置20は閉鎖状態になる。このように始動口スイッチの入賞検出に応じて可変入賞球装置20が開放動作を行う状態を始動動作状態あるいは小当り遊技状態という。また、可変入賞球装置20における開放動作は始動動作ともいう。可変入賞球装置20は、役物ともいうことがある。ここで、遊技盤6には種々の役物が設けられているが、以下において、単に「役物」という場合には、可変入賞球装置20を意味するものとする。
可変入賞球装置20の内部における背面側には、演出表示を行うLCDなどによる演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、特別図柄とは異なり各々が識別可能な複数種類の識別情報となる飾り図柄を可変表示(変動表示)する。この実施の形態では、演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
特別図柄表示器8の上方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。可変入賞球装置20の下方に設けられているゲート32を通過した遊技球がゲートスイッチ32aにより検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の可変表示(普図ゲームともいう)が開始される。この実施の形態では、普通図柄表示器10が緑色と赤色とに交互に点灯を繰り返す6つのLEDを含んで構成され、縦方向に並ぶ6つのLEDが緑色に点灯した状態と赤色に点灯した状態とに交互に変化することにより、普通図柄の可変表示が行われる。そして、例えば可変表示の終了時に6つのLEDが緑色に点灯した状態で停止すれば、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。これに対して、例えば可変表示の終了時に6つのLEDが赤色に点灯した状態で停止すれば、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となった場合には、普通可変入賞球装置61が所定時間だけ開放状態になる。普通図柄表示器10の左上方(演出表示装置9の右下方)には、ゲート32を通過した有効通過球数としての保留記憶数(普図保留記憶数)を表示する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。普通図柄始動記憶表示器41は、例えば4つのLEDなどの表示器を含んで構成され、ゲート32を遊技球が通過する毎に、点灯するLEDを1増やす。その一方で、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
可変入賞球装置20の下方には、ソレノイド21によって開閉駆動される開閉板16が設けられている。開閉板16は、大入賞口となる開口部を開放状態と閉鎖状態とに変化させる。一例として、ソレノイド21がオフ状態であるときには開閉板16が大入賞口を閉鎖状態にする一方、ソレノイド21がオン状態であるときには開閉板16が大入賞口を開放状態にする。開放状態となった大入賞口に進入した遊技球(入賞球)は、カウントスイッチ23により検出される。カウントスイッチ23が遊技球を検出したことに基づいて、所定の大入賞時払出数(例えば「15」)に対応した個数の遊技球が賞球として払い出される。
また、ゲート32の下方には入賞口(通常入賞口)33が設けられ、大入賞口の左上方には入賞口(通常入賞口)38が設けられ、さらに入賞口38の左上方には入賞口(通常入賞口)39が設けられている。入賞口33、38、39に入賞した遊技球はそれぞれ、入賞口スイッチ33a、38a、39aにより検出される。入賞口スイッチ33a、38a、39aのいずれかが遊技球を検出したことに基づいて、所定の通常入賞時払出数(例えば「10」)に対応した個数の遊技球が賞球として払い出される。このように、入賞口33、38、39は、遊技媒体となる遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成し、大入賞口の内部や可変入賞球装置20の内部にも入賞領域が設けられている。
遊技領域7上において、ゲート32、開閉板16によって開閉される大入賞口及び入賞口33は、一体化された部材34として形成されててもよい。入賞口33はゲート32の真下に位置しており、ゲート32を通過した遊技球のみが入賞口33に入賞可能である。具体的には、遊技領域7上において、ゲート32の左右両側に円弧状に前面側に突出した円弧状部材30が設けられており、入賞口33の上方はゲート32の箇所を除いて円弧状部材30によって覆われた状態となっている。そのため、この実施の形態では、遊技球がゲート32を通過したときにのみ入賞口33に入賞することが可能であり、円弧状部材30に阻まれることによって他方向から遊技球が入賞口33に入賞することはない。なお、ゲート32を通過した遊技球のみが入賞口33に入賞可能な構成とするために、例えば、円弧状部材30に代えて、入賞口33の上方を覆うように(遊技球が通過可能な隙間がないように)釘を複数配置するようにしてもよい。
入賞口33の下部には前面側に突出した突出部33b(この実施の形態では、パチンコ遊技機1を上面側から見たときに、突出部33bは前面側に三角形状に突出している)が設けられている。ゲート32を通過した遊技球は、まず突出部33bに当り、うまく後方側に跳ねると入賞口33に入賞する。また、ゲート32を通過したものの、突出部33bに当たった際に左方向や右方向に跳ねた場合には、うまく入賞口33に入賞しない場合もある。また、ゲート32と入賞口33との間には、釘を配置することが可能な釘用穴32bが設けられており、釘用穴32bに釘を配置したり、配置した釘の角度を調整したりすることによって、ゲート32を通過したい遊技球が入賞口33に入賞する確率を変えることができる。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b及び右枠ランプ28cが設けられている。遊技領域7における各構造物(可変入賞球装置20等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28aや左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、及び、装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
次に、可変入賞球装置20について、図2〜図12を参照して説明する。図2は、可変入賞球装置20を右斜め上方から見た斜視図である。図2に示すように、可変入賞球装置(役物)20の内部における上方には、第1開放扉76A及び第2開放扉76Bからなる、2つの開放扉が設けられている。また、可変入賞球装置20の内部における上方には、遊技球が進入する第1進入口71及び第2進入口72(図2において図示せず)からなる、2つの進入口が設けられている。第1開放扉76Aが閉鎖状態である場合には、第1開放扉76Aによって第1進入口71が覆われた状態となり、第1進入口71に遊技球は進入不可能である。第2開放扉76Bが閉鎖状態である場合には、第2開放扉76Bによって第2進入口72が覆われた状態となり、第2進入口72に遊技球は進入不可能である。これに対して、第1開放扉76Aが開放状態となることによって第1進入口71が開放状態となり、遊技球が第1進入口71に進入可能な状態となる。第2開放扉76Bが開放状態となることによって第2進入口72が開放状態となり、遊技球が第2進入口72に進入可能な状態となる。
なお、第1開放扉76A及び第2開放扉76Bは、閉鎖状態において第1進入口71及び第2進入口72をそれぞれ完全に覆った状態となるのではなく、一部を覆った状態となるようにしてもよい。この場合には、第1開放扉76A及び第2開放扉76Bが閉鎖状態であるときに、第1開放扉76A及び第2開放扉76Bが開放状態であるときと比較して、遊技球が第1進入口71及び第2進入口72にそれぞれ進入しにくくするようにしてもよい。また、第1開放扉76A及び第2開放扉76Bが開放状態であるときには、第1開放扉76A及び第2開放扉76Bが閉鎖状態であるときと比較して、遊技球が第1進入口71及び第2進入口72にそれぞれ進入しやすくするようにしてもよい。この実施の形態では、第1開放扉76A及び第2開放扉76Bが、1つの部品として一体形成されている。したがって、第1開放扉76A及び第2開放扉76Bは、互いに連動して同一のタイミングで開放状態に制御され、同一のタイミングで閉鎖状態に制御される。
第1開放扉76Aにより開放状態とされた第1進入口71に進入した遊技球は、例えば図13に示す第1役物入賞スイッチ71aにより検出される。第2開放扉76Bにより開放状態とされた第2進入口72に進入した遊技球は、例えば図13に示す第2役物入賞スイッチ72aにより検出される。第1役物入賞スイッチ71a又は第2役物入賞スイッチ72aが遊技球を検出したことに基づいて、所定の役物入賞時払出数(例えば「7」)に対応した個数の遊技球が賞球として払い出される。
可変入賞球装置20の内部において、開放扉76A、76Bの下方には、所定の装飾が施されるとともに所定動作が可能な装飾部材78が設けられている。装飾部材78の背面側には、装飾部材78と連動して可動する可動部材77(図2において図示せず)が設けられている。装飾部材78は、例えば剣を模した形状に形成され、剣に応じた色彩などの装飾が施されている。装飾部材78は、可変入賞球装置20の内部にて遊技球が通過する領域よりも前面側に配置さており、可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球の挙動に影響を与えないように配置されている。可動部材77は、装飾部材78の背面側に配置されるとともに、透明又は略透明な合成樹脂を用いて形成され、パチンコ遊技機1の正面から見ると(すなわち、遊技者の側からみると)、装飾部材78に覆われて視認できない(又は、視認しにくい)。
可変入賞球装置20の内部における下方には、回転駆動可能な回転体86が設けられている。回転体86には、遊技球を特定入賞口66A(図11(B)等参照)に導く開口66が上面に設けられており、回転体86上に落下した遊技球が回転体86の上面に設けられた開口66に進入することによって特定入賞口66Aに入賞可能に構成されている。ここで、特定入賞口66Aは、V入賞口とも称される。また、回転体86には、側面にも遊技球を特定入賞口66Aに導く開口66bが設けられており、遊技球が開口66bに進入することによっても特定入賞口66Aに入賞可能に構成されている。以下では、特定入賞口66Aに導く開口66を特定開口ともいい、特定入賞口66Aに導く側面側の開口66bを特定側面側開口ともいう。
開放扉76A、76Bの開閉動作と、可動部材77及び装飾部材78の位置変更動作(移動)とについて説明する。図3は、可変入賞球装置20の開放扉76A、76Bの開閉機構部と、可動部材77及び装飾部材78の可動機構部とについて、それらの構造部分を正面方向から見た正面図である。また、図4は、可変入賞球装置20の開放扉76A、76Bの開閉機構部と、可動部材77及び装飾部材78の可動機構部とについて、それらの構造部分を右斜め上方から見た斜視図である。
図3及び図4に示すように、開放扉76A、76Bは、連結部76Cを介して一体形成されている。具体的には、開放扉76A、76Bは、予め合成樹脂材料などを用いて成形することによって一体形成されている。なお、各開放扉76A、76B及び連結部76Cを別々の部品として作製し組み立てることによって、開放扉76A、76Bを一体形成してもよい。また、開放扉76A、76Bの背面側には、開放扉76A、76Bを開閉するための開放ソレノイド75が配置されている。開放扉76A、76Bは、開放ソレノイド75が駆動された状態(オン状態)となることによって、連動して開放状態に制御される。また、開放扉76A、76Bは、開放ソレノイド75の駆動が停止された状態(オフ状態)となることによって、連動して閉鎖状態に制御される。図3及び図4に示す例では、開放扉76A、76Bが閉鎖状態に制御されている状態が示されている。図3及び図4に示すように、開放扉76A、76Bが閉鎖状態である場合には、開放扉76A、76Bにより第1進入口71及び第2進入口72が閉鎖された状態となり、第1進入口71及び第2進入口72への遊技球の進入が不可能な状態となっている。
また、図4に示すように、回転体86の下方には、回転体86の回転位置を検出するための回転体第1位置センサ87aと回転体第2位置センサ87bとが配置されている。回転体第1位置センサ87a及び回転体第2位置センサ87bは、回転体86の回転位置を検出するほかに、回転体86の異常検出を行うために用いられてもよい。
図5は、開放扉76A、76Bを開放状態とした場合の開閉機構部及び可動機構部を正面から見た正面図である。図5に示すように、開放ソレノイド75が駆動された状態とすることによって、開放扉76A、76Bは、開放扉76A、76Bの下方を軸として反時計方向に回転駆動し、連動して開放状態となる。また、開放扉76A、76Bが開放状態となることによって、第1進入口71及び第2進入口72への遊技球の経路が形成された状態となり、第1進入口71及び第2進入口72に遊技球が進入可能な状態となる。ここで、少なくとも一体形成された第1開放扉76A及び第2開放扉76Bは、所定の面部76a、76bを有し、面部76a、76bは開放状態で第1開放扉76A及び第2開放扉76Bの上部傾斜面を形成するとともに第1開放扉76A及び第2開放扉76Bの下方に位置して遊技球を第1進入口71及び第2進入口72に導くことが可能となる。
第1開放扉76Aと第2開放扉76Bはそれぞれ、開放状態において遊技球を第1進入口71と第2進入口72とに導くための受け皿の役目を果たす。ここで、第2開放扉76Bは第1開放扉76Aと比較して小さくなるように形成されている。したがって、第2進入口72は、第1進入口71と比較して遊技球の受け皿が小さく、第1進入口71よりも遊技球が進入しにくい。
図5に示すように、第1開放扉76A及び第2開放扉76Bはそれぞれ、開放状態において、斜め上方に突き出た状態に制御される。こうした制御により、開放状態において第1開放扉76A及び第2開放扉76Bの受皿となる面部76a、76bに落下した遊技球は、第1開閉扉76A及び第2開放扉76Bのそれぞれにて上部傾斜面となる面部76a、76bを通して、第1進入口71及び第2進入口72のそれぞれに導かれやすくする。
図3及び図4に示すように、可変入賞球装置20の内部における左方には、表面が螺旋状に溝が形成された2つのボルト状部材77A、78Aが配置されている。このうちボルト状部材77Aには、内面が螺旋状に溝が形成されたナット状部材77Cが嵌め込まれている。ナット状部材77Cは、可動部材77に連結されている。ボルト状部材78Aには、内面が螺旋状に溝が形成されたナット状部材78Cが嵌め込まれている。ナット状部材78Cは、装飾部材78に連結されている。なお、ナット状部材77C、78Cは、それぞれボルト状部材77A、78Aに形成された溝とかみ合うように、内面に螺旋状に溝が形成されている。また、図3に示す例では、ナット状部材77Cは、ナット状部材78Cの背面側に位置している。
ボルト状部材77A、78Aの下方には、可動部材77を可動するための可動部材駆動モータ77Bと、装飾部材78を可動するための装飾部材駆動モータ78Bとが配置されている。ボルト状部材77Aは、可動部材駆動モータ77Bにより回転駆動される。ナット状部材77Cは、ボルト状部材77Aの回転駆動にしたがって、ボルト状部材77Aの表面に形成された溝とナット状部材77Cの内面に形成された溝とが摺動することにより、ボルト状部材77Aに沿って上方又は下方に移動(上下動)する。これにより、ナット状部材77Cに連結された可動部材77は、ナット状部材77Cの上下動にしたがって配置が変更される。ボルト状部材78Aは、装飾部材駆動モータ78Bにより回転駆動される。ナット状部材78Cは、ボルト状部材77Aの回転駆動にしたがって、ボルト状部材78Aの表面に形成された溝とナット状部材78Cの内面に形成された溝とが摺動することにより、ボルト状部材78Aに沿って上方又は下方に移動(上下動)する。これにより、ナット状部材78Cに連結された装飾部材78は、ナット状部材78Cの上下動にしたがって配置が変更される。図3及び図4に示す例では、ナット状部材77C、78Cが最も上方に位置している状態が示されている。この状態において、図3及び図4に示すように、可動部材77及び装飾部材78は可変入賞球装置20の内部において水平な状態に配置されている。
図6は、ナット状部材77C、78Cが最も下方に移動した場合の開閉機構部及び可動機構部を正面から見た正面図である。ナット状部材77Cは、可動部材77の左端部分に連結されている。ナット状部材78Cは、装飾部材78の左端部分(剣の先端部分)に連結されている。そのため、図6に示すように、ナット状部材77C、78Cが最も下方に移動すると、可動部材77及び装飾部材78の左端部分がナット状部材77Cの移動にしたがって下方に下がり、可動部材77及び装飾部材78は、右端部分から左端部分に向かって斜め下方向に傾いた状態に配置される。この場合、図6に示すように、可動部材77及び装飾部材78は、右端部分から左端部分に向かって斜め下方向に傾いた状態に配置されたときに、演出表示装置9の正面前方(遊技者と演出表示装置9との間)にて、演出表示装置9の表示領域と重なった状態となる。
可動部材77及び装飾部材78の右端部分にはレール部材が設けられており、可動部材77及び装飾部材78の右端部分は左右方向に若干移動することが可能であればよい。ここで、可動部材77及び装飾部材78の左端部分が下方に下がるにしたがって、可動部材77及び装飾部材78の右端部分が左方に引っ張られる。このとき、レール部材によって可動部材77及び装飾部材78の右端部分が左方向に移動することで、傾斜状態の適切な配置を可能にしている。
装飾部材78には、装飾部材78自体を開閉動作させるための剣駆動モータ79(図14参照)が搭載されている。装飾部材78が図6に示すように右端部分から左端部分に向かって斜め下方向に傾いた状態となるときには、剣駆動モータ79を駆動することにより、装飾部材78が開いた状態(本例では、剣が長手方向に2つに開いた状態)となる。ここで、装飾部材78が閉じた状態であるときには、正面から見ると可動部材77は装飾部材78によって覆われ視認することができない。これに対して、装飾部材78が図6に示すように開いた状態となることにより、装飾部材78の背面側に位置する可動部材77を正面から視認することができるようになる。また、可動部材77は透明又は略透明の合成樹脂材料を用いて形成され、遊技球を誘導する通過経路の一部を形成している。したがって、装飾部材78が開いた状態のときには、可動部材77の内部を通過する遊技球を、遊技者から視認することができるようになる。
可動入賞球装置20には、可動部材77及び装飾部材78の位置を検出するための位置センサ91a、91bが配置されている。具体的には、ボルト状部材77A、78Aの上方に上側位置センサ91aが配置され、可動部材77及び装飾部材78の配置が上方に変更され、ナット状部材77C、78Cが最も上方に位置した状態となると、上側位置センサ91aによって可動部材77及び装飾部材78が検出されたことを示す検出信号が出力される。また、ボルト状部材77A、78Aの下方に下側位置センサ91bが配置され、可動部材77及び装飾部材78の配置が下方に変更され、ナット状部材77C、78Cが最も下方に位置した状態となると、下側位置センサ91bによって可動部材77及び装飾部材78が検出されたことを示す検出信号が出力される。
可変入賞球装置20の内部における遊技球の通過経路を説明する。可変入賞球装置20の内部には、大別して、遊技球が上方から下方へと向けて誘導される2つの通過経路が設けられている。具体的には、第1開放扉76Aが開放状態となることによって進入可能となる第1進入口71から進入した遊技球を誘導する第1経路(ノーマルルート)と、第2開放扉76Bが開放状態となることによって進入可能となる第2進入口72から進入した遊技球を誘導する第2経路(スペシャルルート)とが設けられている。ここで、第1進入口71は第2進入口72と比較して進入しやすい一方で、第1経路を通過したときには、第2経路を通過したときと比較して、特定入賞口66A又は排出口83まで短い時間で到達するとともに、特定入賞口66Aに入賞しにくい。これに対して、第2進入口72は第1進入口71と比較して進入しにくい一方で、第2経路を通過したときには、第1経路を通過したときと比較して、特定入賞口66A又は排出口83まで長い時間をかけて到達するとともに、特定入賞口66Aに入賞しやすい。
第1開放扉76Aが開放状態となることによって第1進入口71から進入した遊技球が誘導される第1経路について説明する。図7は、可変入賞球装置20の内部に設けられた第1経路(ノーマルルート)900Aを示す説明図である。第1進入口71から進入した遊技球は、第1進入口71の付近に設けられた第1役物入賞スイッチ71aによって検出されてから、可変入賞球装置20の内部における左方に導かれる。そして、可変入賞球装置20の内部における左方に設けられた経路部材92の内部を通って可変入賞球装置20の内部における左下方に導かれる。図7に示すように、可変入賞球装置20の左下方には、正面方向に対して前後に移動可能な第1貯留部材93aが設けられており、経路部材92を通って導かれた遊技球を一旦貯留する第1貯留部が形成されている。可変入賞球装置20の左下方における第1貯留部の付近には、第1進入口71に進入して第1経路900Aから導かれた2個目以降の遊技球を排出する排出口83が設けられている。
図8は、可変入賞球装置20の左下方に設けられた第1貯留部材の周辺を示す説明図である。図8に示すように、可変入賞球装置20の左下方には、第1貯留部材93aと重複して移動可能に配置された第1貯留部装飾部90eが設けられている。第1貯留部装飾部90eは、演出制御用マイクロコンピュータ100(図14参照)の制御に基づき、可変入賞球装置20に進入した遊技球の貯留状態が解除されるタイミングで、操作ボタン120による操作に応じて、第1貯留部材93aの可動態様と同様又は類似(すなわち、前進や後退まですることなく振動するなど)の可動態様(パチンコ遊技機1の前面側に向かって前進したり後退したりする態様)で可動される。第1貯留部装飾部90eは、第1貯留部材93aと同様の可動態様で可動するように設けられた装飾用の部材であり、遊技球に接触して遊技球の進路に作用することはない。
図8に示すように、第1貯留部材93aの下方には、第1貯留部材93aの位置を検出するための第1貯留部位置センサ90cが設けられている。例えば、第1貯留部位置センサ90cは、第1貯留部が開放状態に制御されているときにオフ状態となり、第1貯留部が閉鎖状態であるときにオン状態となる位置に設置されていればよい。図8に示す状態では、第1貯留部材93aがパチンコ遊技機1に対して前面側に移動(進出)した状態となることによって第1貯留部が閉鎖状態となっており、第1貯留部位置センサ90cがオン状態となっている。
図9は、第1進入口71に進入して第1経路900Aから導かれた遊技球を貯留する態様と、第1貯留部に貯留された遊技球の貯留状態を解除した態様とを示す説明図である。図9(A)に示すように、経路部材92を通って導かれた遊技球は、第1貯留部材93aによって進路を阻まれ貯留された状態となる。また、第1進入口71にさらに2つ目以上の遊技球が進入し、経路部材92を通って導かれると、図9(B)に示すように、既に第1貯留部に貯留されている遊技球によってはじかれ、排出口83から排出される。ここで、可変入賞球装置20の左下方の背面には、第1貯留部材93aを駆動するための第1貯留部ソレノイド90a(図13参照)が配置されている。そして、第1貯留部ソレノイド90aを駆動することによって、第1貯留部材93aが背面方向に移動(退避)する。
第1貯留部材93aの退避により、第1貯留部に貯留された遊技球の貯留状態が開放され、図9(C)に示すように、開放された遊技球が可変入賞球装置20の内部における下方に導かれる。可変入賞球装置20の内部における下方には、回転体86に向かって斜め下方向に傾斜する傾斜部73が設けられている。遊技球は、回転体86の前面側に導かれ、傾斜部73を転動した後、回転体86の開口66b、84(特定入賞口66Aへ導かれる開口、又は、はずれとなる開口)に進入する。なお、傾斜部73の前面側(ステージ端部)には、上向きに延びる合成樹脂性の透明板を設けることにより、前面側に導かれた遊技球がステージ前面側から落ちないように構成されていればよい。図9(C)にしめすように第1貯留部材93aが背面方向に退避して第1貯留部が開放状態に制御されたときには、第1貯留部位置センサ90cがオフ状態となる。
回転体86には、上面に設けられた特定開口66と隣接する側の側面部分に特定側面側開口66bが設けられている。回転体86の特定側面側開口66bが設けられている側面が正面側を向いているタイミングで、遊技球が回転体86の前面側に導かれた場合には、遊技球が特定側面側開口66bに進入し特定入賞口66Aに入賞する。具体的には、特定入賞口66Aは回転体86の下方に位置するように設けられており、特定側面側開口66bに進入した遊技球は、さらに回転体86の下方に設けられた特定入賞口66Aに進入する。また、特定入賞口66Aには特定領域スイッチ66aが設けられており、特定入賞口66Aに入賞した遊技球は特定領域スイッチ66aで検出される。なお、特定入賞口66Aに入賞し特定領域スイッチ66aで検出された遊技球は、さらに役物排出スイッチ85aで検出されればよい。
回転体86には、特定側面側開口66bとともに、複数の側面側開口84が設けられている。回転体86の特定側面側開口66bが設けられている側面が正面側を向いているタイミングで、遊技球が回転体86の前面側に導かれなかった場合には、遊技球は特定側面側開口66bに進入することはできず、特定側面側開口66b以外の側面側開口84に進入することになる。この場合、遊技球は回転体86の下方に設けられた特定入賞口66Aに入賞することはできず、回転体86の側方に設けられた排出口83から排出されることになる。なお、排出口83には役物排出スイッチ85aが設けられており、排出口83から排出された遊技球は役物排出スイッチ85aで検出される。また、第1進入口71に2個目以降に進入し排出口83から排出された遊技球も役物排出スイッチ85aで検出される。
一例として、特定側面側開口66bの開口部の大きさを「1」とすると、回転体86の側面に設けられた全ての側面側開口86の開口部の合計の大きさが「9」となるように、各開口部が形成されている。したがって、第1進入口71に進入して第1経路900Aに導かれた遊技球は、1/10の確率で特定側面側開口66bに進入して特定入賞口66Aに入賞し、特定領域スイッチ66aで検出される。すなわち、1/10の確率でV入賞が発生して大当り遊技状態に制御される。
第2開放扉76Bが開放状態となることによって第2進入口72から進入した遊技球が経由する第2経路について説明する。図10は、可変入賞球装置20の内部に設けられた第2経路(スペシャルルート)900Bを示す説明図である。第2進入口71から進入した遊技球は、第2進入口72の付近に設けられた第2役物入賞スイッチ72aによって検出され、可変入賞球装置20の内部における上方に設けられた経路部材94の内部を通って可変入賞球装置20の内部における右上方に導かれる。可変入賞球装置20の右上方には、左右に移動可能な第2貯留部材93bが設けられており、経路部材94を通って導かれた遊技球を一旦貯留する第2貯留部が形成されている。したがって、図10(A)に示すように、第2進入口72から進入し経路部材94を通って導かれた遊技球は第2貯留部で一旦貯留される。なお、第1役物入賞スイッチ71aと第2役物入賞スイッチ72aは、まとめて「役物入賞スイッチ」とも称される。
可変入賞球装置20の右上方の背面には、第2貯留部材93bを駆動するための第2貯留部ソレノイド90bが配置されている。遊技球が第2貯留部で一旦貯留された状態で所定時間が経過すると、第2貯留部ソレノイド90bを駆動することによって、図10(B)に示すように、第2貯留部材93bが左方向に移動(退避)し、第2貯留部が開放された状態となる。第2貯留部材93bの退避により、第2貯留部に一旦貯留された遊技球の貯留状態が開放され、開放された遊技球が可変入賞球装置20の内部における下方に導かれ、可動部材77内に導入される。また、可動部材駆動モータ77B及び装飾部材可動モータ78Bを駆動することによって、可変部材77及び装飾部材78が連携して移動し、可動部材77及び装飾部材78が右上方から左下方に斜めに傾いた状態となる。このときには、剣駆動モータ79を駆動することによって、装飾部材78が長手方向に2つに開いた状態となる。
可動部材77が斜めに傾いた状態となることによって、第2貯留部から導かれた遊技球は可動部材77の内部を通過し、可変入賞球装置20の内部における下方に設けられた経路部材95に導かれる。この場合、図10(B)に示すように、装飾部材78が長手方向に2つに開いた状態に制御されているので、可動部材77の内部を通る遊技球を正面から視認することが可能である。可変入賞球装置20の内部における下方に設けられた経路部材95は左方から右方に向かって斜め下方向にやや傾斜しており、経路部材95に導かれた遊技球は、経路部材95の内部を転がって右方に導かれ、回転体86の上面に落下する。
図11は、回転体86の上面に落下した後の遊技球の動きを示す説明図である。回転体86は、図11(A)に示すように、時計方向に一定速度で回転している。なお、回転体86は、反時計方向に一定速度で回転駆動するようにしてもよく、所定のタイミングで回転方向を反転するようにしてもよい。回転体86の上面には、外周部の一領域に特定開口66が設けられており、回転体86の側面には、特定側面側開口66bと複数の側面側開口84が設けられている。また、回転体86の上面には、遊技球を誘導するための溝形状部96が複数形成されており、回転体86の上面に落下した遊技球はいずれかの溝形状部96を通って特定開口66又は側面側開口84に導かれる。
図11(B)は、特定開口66が遊技者に対して正面側に位置するタイミングで、遊技球が回転体86の上面に落下した場合の遊技球の動きを示している。回転体86は、遊技者に対して背面方向から正面方向に向かって下方にやや傾斜するように配置されており、回転体86の上面に落下した遊技球は、回転体86の上面における傾斜により溝形状部96を通って正面側方向に転がる。図11(B)に示す例では、正面側に特定開口66が位置するタイミングであるので、回転体86の上面に落下した遊技球は回転体86の上面を正面方向(手前側)に転がり特定開口66に進入する。そして、回転体86の下方に設けられた特定入賞口66Aに入賞し、図11(B)に示すように、特定入賞口66A内に設けられた特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出される。なお、回転体86の上面にて特定開口66が設けられている外周部分には壁部66cが設けられており、回転体86の上面を特定開口66に向かった遊技球が勢い余って特定開口66を飛び越えて回転体86より正面側に飛び出してしまうことはない。
図11(C)及び(D)は、特定開口66が遊技者に対して正面側と対向する側に位置するタイミングで、遊技球が回転体86の上面に落下した場合の遊技球の動きを示している。回転体86の上面において特定開口66が設けられている領域と対向する側の領域の外周部には壁部66dが設けられており、回転体86の上面に落下した遊技球は、回転体86の上面における傾斜により溝形状部96を通って壁部66dの方向に転がる。すると、図11(C)に示すように、遊技球は壁部66dによって進行を遮られ、回転体86の上面において一旦貯留された状態となる。次いで、回転体86が時計方向に回転し、特定開口66が遊技者に対して正面側に位置する状態となると、図11(D)に示すように、壁部66dの付近に一旦貯留された遊技球は、回転体86の上面における傾斜により溝形状部96を通って正面側方向に転がる。図11(D)に示す例では、正面側に特定開口66が位置している状態であるので、壁部66dの付近に一旦貯留された遊技球は回転体86の上面を正面方向に転がり特定開口66に進入する。そして、回転体86の下方に設けられた特定入賞口66Aに入賞し特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出される。したがって、第2進入口72に進入し第2経路900Bを経由した遊技球は、特定開口66が正面側に位置するタイミングで回転体86に落下したときと、特定開口66が正面側と対向する側に位置するタイミングで回転体86に落下したときとの2種類のタイミングで、特定入賞口66Aに入賞して特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出されることがある。
なお、特定開口66が正面側に位置するタイミング、及び特定開口66が正面側と対向する側に位置するタイミング以外のタイミングで、遊技球が回転体86の上面に落下したときには、回転体86の上面に落下した遊技球は、回転体86の上面における傾斜にしたがって溝形状部96を通って回転体86の側面側に落下する。
また、図11に示すように、この実施の形態では、回転体86の上面には溝形状部96が6方向に形成されており、図11(B)、(C)、(D)に示すように、それら6方向の溝形状部96のうちの2方向の溝形状部96に導かれた場合に、遊技球が特定入賞口66Aに入賞し特定領域スイッチ66aで検出される可能性がある。したがって、第2進入口72に進入して第2経路900Bに導かれた遊技球は、1/3の確率で特定開口66に進入して特定入賞口66Aに入賞し、特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出される。すなわち、1/3の確率でV入賞が発生して大当り遊技状態に制御される。
図12は、特定開口66が正面側に位置するタイミング、及び特定開口66が正面側と対向する側に位置するタイミング以外のタイミングで、遊技球が回転体86の上面に落下したときの遊技球の動きを示す説明図である。この場合、回転体86の上面に落下した遊技球は、図12(B)に示すように、回転体86の上面における傾斜により溝形状部96を通って回転体86の側面側に落下する。この場合、回転体86の側面側に落下した後、そのまま側面側開口84に遊技球が進入してしまった場合には、遊技球は特定入賞口66Aに入賞することはできず、回転体86の側方に設けられた排出口83から排出されることになる(すなわち、はずれとなる)。具体的には、回転体86の側面側に設けられた各側面側開口84は、例えば図12(A)に示すように、側面側に流下した遊技球が嵌るように内側に窪んだ形状となっている。そして、側面側開口84の窪み部分における奥行きは、回転体86の下方に設けられた特定入賞口66Aまでは達しない程度の大きさに形成されている。したがって、側面側開口84に嵌った遊技球は、特定入賞口66Aに入賞することなく、回転体86の回転駆動にしたがって回転体86の左方に導かれる。回転体の左方には排出口83と連結する排出口連結口83aが設けられており、回転体86の左方に導かれた遊技球は、排出口連結口83aから排出口83に導かれ、役物排出スイッチ85aで検出される。
一方、回転体86の側面側に落下しても、落下した勢いでバウンドすることなどにより、側面側開口84に進入せずに傾斜部73に遊技球が留まる場合がある。この場合には、図12(B)に示すように、回転体86の回転により特定側面側開口66bが次に正面側に位置する状態となるときに、傾斜部73に留まった遊技球が特定側面側開口66bに進入して特定入賞口66Aに入賞し、特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出されることもある。したがって、第2進入口72に進入して第2経路900Bを経由した遊技球が回転体86の上面にて特定開口66に進入できずに側面側に落下したとしても、さらに特定側面側開口66bに進入して特定入賞口66Aに入賞する可能性がある。なお、回転体86の回転により次に正面側に位置する開口が特定側面側開口66b以外の側面側開口84である場合には、傾斜部73に遊技球が留まったとしても、遊技球は特定入賞口66Aに入賞することはできず、回転体86の左方に設けられた排出口連結口83aを介して排出口83から排出され、役物排出スイッチ85aで検出されることになる(すなわち、はずれとなる)。
図11及び図12に示す例では、特定入賞口66Aに入賞した遊技球を検出する役物排出スイッチ85aと、排出口83から排出される遊技球を検出する役物排出スイッチ85aとを別々に設けている。これに対して、1つの役物排出スイッチ85aのみを用いて遊技球を検出するようにしてもよい。例えば、特定入賞口66Aに入賞した遊技球が通る経路と排出口83に進入した遊技球が通る経路とを遊技盤6の裏側で合流させるように構成し、合流後の経路に1つの役物排出スイッチ85aを設けて、特定入賞口66Aに入賞した遊技球と排出口83に進入した遊技球との両方を検出するようにしてもよい。
回転体86の近傍には、位置検出のための2つのセンサが設けられている。一例として、2つのセンサは所定距離だけ離れた位置(例えば、回転体86の中心に対して180度反対側の位置)に配置されていればよい。各センサは、例えば、回転体86を挟むように設置されている発光ダイオード等の発光素子とフォトダイオードやフォトトランジスタ等の受光素子とを含んで構成されている。そして、回転体86の下部には、回転体86とともに回転する円盤部材にスリット(穴部)が設けられている。スリットは、回転体86の内部領域における所定位置に形成されている。具体的には、円盤部材が回転体86とともに回転して、スリットを含む領域がセンサ設置位置に対応する位置にくると発光素子からの光を受光素子側に通過させるように形成されていればよい。なお、センサごとに設けられた各受光素子は、それぞれ回転体第1位置センサ87a及び回転体第2位置センサ87bを構成する。一例として、回転体第1位置センサ87a及び回転体第2位置センサ87bは、回転体86の特定開口66及び特定側面側開口66bが設けられている側が正面側に到達したタイミングで、スリットを検出する位置に設けられている。この場合、回転体86の特定開口66及び特定側面側開口66bが設けられている側が正面側に到達したタイミングで、回転体第1位置センサ87aや回転体第2位置センサ87bは、オン信号を出力する。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を落下する。打球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄の可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10により普通図柄の可変表示(普図ゲーム)が開始される。その一方で、普通図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示に関する保留記憶数としての普図保留記憶数が上限数(例えば「4」)未満である場合に、普図保留記憶数を1増やす。すなわち、普通図柄始動記憶表示器41における点灯するLEDを1増やす。
普通図柄表示器10による普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)として表示された停止図柄が予め決められた表示結果(当り図柄)となり普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったときには、普通可変入賞球装置61にて始動入賞口を開放状態としてから所定時間が経過すると閉鎖状態に戻す動作が所定回数行われる。始動入賞口が開放状態となる期間では、遊技球が始動入賞口に進入可能になる。
遊技球が始動入賞口に進入して始動口スイッチ60で検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8により特別図柄の可変表示(特図ゲーム)が開始される。その一方で、特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示に関する保留記憶数としての特図保留記憶数が上限数(例えば「4」)未満である場合に、特図保留記憶数を1増やす。すなわち、特別図柄始動記憶表示器18aにおける点灯するLEDを1増やす。
特別図柄表示器8による特図ゲームでは、特別図柄(「0」〜「9」)の可変表示が開始されてから、所定時間が経過したときに可変表示が停止して特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。この確定特別図柄が大当り図柄として予め定められた特別図柄となることで、特定表示結果が導出表示されたときには、大当り遊技状態のうちの第1大当り遊技状態に移行する。すなわち、第1大当り遊技状態は、特別図柄表示器8による特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄となった場合に、特定入賞口66Aに進入した遊技球が特定領域スイッチ66aで検出されたか否かに関わりなく、制御が開始される大当り遊技状態である。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄としている。また、特図ゲームにおける確定特別図柄が「7」の数字を示す大当り図柄となることは、特図表示結果が「大当り」になるとも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が小当り図柄として予め定められた特別図柄となることで、開放表示結果が導出表示されたときには、始動動作状態に移行する。始動動作状態では、可変入賞球装置20の内部に設けられている特定領域に遊技球が入賞すると、第2大当り遊技状態に移行する。すなわち、第2大当り遊技状態は、始動動作状態にて第1進入口71又は第2進入口72から可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が、特定入賞口66Aに進入して特定領域スイッチ66aで検出されたことにより、制御が開始される大当り遊技状態である。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「5」の数字を示す特別図柄を小当り図柄としている。また、特図ゲームにおける確定特別図柄が「1」、「3」、「5」の数字のいずれかを示す小当り図柄となることは、特図表示結果が「小当り」になるとも称される。
第1大当り遊技状態や第2大当り遊技状態といった大当り遊技状態では、ラウンド遊技として予め定められた動作単位の特定動作が実行可能となり、開閉板16によって開閉される大入賞口が、第2の状態としての閉鎖状態から第1の状態としての開放状態となる。一例として、開閉板16は、ソレノイド21の駆動により、大入賞口を閉鎖状態から開放状態へと変化させた後、所定時間(例えば29秒間)が経過したこと、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生したことに応じて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態へと変化させる。こうした大入賞口を閉鎖状態から開放状態とした後、再び閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位が、1回のラウンド遊技として定められている。また、大当り遊技状態にてラウンド遊技を繰り返し実行可能(継続可能)な最大継続回数としての大当り時ラウンド数(ラウンド最大値あるいは大入賞口最大開放回数とも称される)は、例えば「2」、「7」、「15」といった、複数種類のいずれかに決定される。ここで、大当り時ラウンド数が「15」に決定された大当り遊技状態は、大当り時ラウンド数が「2」や「7」に決定された大当り遊技状態に比べて、大入賞口に多くの遊技球が入賞することで払い出される賞球の個数を多くすることが可能であり、遊技者にとって有利である。
大当り時ラウンド数は、第1大当り遊技状態であるか否かや、第2大当り遊技状態となる前に実行された特図ゲームにおける確定特別図柄などに対応して、複数種類のいずれかに決定されればよい。この実施の形態では、第1大当り遊技状態に制御される場合と、特図ゲームにおける確定特別図柄が「1」、「3」、「5」の数字を示す小当り図柄のうち「5」の数字を示す小当り図柄となったことに基づく始動動作状態から第2大当り遊技状態に制御される場合に、大当り時ラウンド数が「15」となる。また、特図ゲームにおける確定特別図柄が「3」の数字を示す小当り図柄となったことに基づく始動動作状態から第2大当り遊技状態に制御される場合には、大当り時ラウンド数が「7」となる。さらに、特図ゲームにおける確定特別図柄が「1」の数字を示す小当り図柄となったことに基づく始動動作状態から第2大当り遊技状態に制御される場合には、大当り時ラウンド数が「2」となる。
なお、特図ゲームにおける確定特別図柄が「1」の数字を示す小当り図柄となることは、特図表示結果が「小当り」になる場合のうちで、特に、特図表示結果が「第1小当り」になるとも称される。また、特図ゲームにおける確定特別図柄が「3」の数字を示す小当り図柄となることは、特図表示結果が「小当り」になる場合のうちで、特に、特図表示結果が「第2小当り」になるとも称される。さらに、特図ゲームにおける確定特別図柄が「5」の数字を示す小当り図柄となることは、特図表示結果が「小当り」になる場合のうちで、特に、特図表示結果が「第3小当り」になるとも称される。
この実施の形態では、特図表示結果が「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれであるかに対応して、始動動作状態で可変入賞球装置20における第1進入口71及び第2進入口72が閉鎖状態から開放状態へと変化する動作回数としての入賞口開放回数が、複数種類のいずれかに設定される。例えば、特図表示結果が「第1小当り」となる場合には、入賞口開放回数が「1」に設定される。また、特図表示結果が「第2小当り」又は「第3小当り」となる場合には、入賞口開放回数が「2」に設定される。
大当り遊技状態が終了した後には、通常遊技状態(通常状態)や大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態とは異なり、通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利な特別遊技状態としての有利状態に制御される。なお、通常状態としての通常遊技状態は、大当り遊技状態等の特定遊技状態や有利状態等の特別遊技状態及び小当り遊技状態以外の遊技状態であり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率などが、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一に制御されている。有利状態では、例えば普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間である普図変動時間を通常状態等のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態等のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づき普通可変入賞球装置61を開放状態とする開放時間や開放回数を通常状態等のときよりも増加させる制御、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせた制御といった、始動入賞口に遊技球が進入しやすい開放状態となる頻度を向上させて特図ゲームの実行条件(特図始動条件)が成立する可能性を高めることで、遊技者にとって有利となる有利開放制御(高開放制御)が行われる。また、有利状態であるときには、有利開放制御とともに、特図ゲームにおける特図変動時間や飾り図柄の可変表示時間が、通常状態のときよりも短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われるようにしてもよい。
この実施の形態では、大当り遊技状態が終了した後、特図ゲームの実行回数が所定回数に達するまで、遊技状態が有利状態に制御される。そして、有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数は、大当り遊技状態に制御された経緯に応じて、複数種類のいずれかに設定される。例えば、有利状態にて特図ゲームでの特図表示結果が「小当り」となったことに基づく始動動作状態で遊技球が特定入賞口66Aに進入(V入賞)したことにより大当り遊技状態に制御された場合には、その大当り遊技状態の終了後に制御される有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が「10」に設定される。また、有利状態にて特図ゲームでの特図表示結果が「大当り」となったことにより大当り遊技状態に制御された場合には、その大当り遊技状態の終了後に制御される有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が「15」に設定される。通常状態にて特図ゲームでの特図表示結果が「小当り」となったことに基づく始動動作状態で遊技球が特定入賞口66Aに進入(V入賞)したことにより大当り遊技状態に制御された場合には、その大当り遊技状態の終了後に制御される有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が「3」に設定される。通常状態にて特図ゲームでの特図表示結果が「大当り」となったことにより大当り遊技状態に制御された場合には、その大当り遊技状態の終了後に制御される有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が「5」に設定される。なお、大当り遊技状態に制御されるときには、有利状態が終了して、その大当り遊技状態が終了するときに、改めて有利状態が開始されるようにしてもよい。
演出表示装置9の表示領域では、特別図柄表示器8による特図ゲームにて特別図柄の可変表示が行われることに対応して、飾り図柄の可変表示(例えば上下方向のスクロール表示など)が行われる。そして、特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄となる場合には、飾り図柄の可変表示結果として、例えば「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて所定の大当り組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示される。このような大当り組合せの確定飾り図柄には、例えば「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて、「7」の数字を示す飾り図柄といった、同一の飾り図柄が揃って導出表示されるものが含まれていればよい。また、特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となる場合には、飾り図柄の可変表示結果として、例えば「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて所定の小当り組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示される。このような小当り組合せの確定飾り図柄には、例えば「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて、「2」、「4」、「6」の数字を示す飾り図柄のうちいずれか1つといった、大当り組合せを構成する確定飾り図柄とは異なる同一の飾り図柄が揃って導出表示されるものや、「左」、「中」、「右」の可変表示部にそれぞれ「1」、「3」、「5」の数字を示す飾り図柄を停止表示させる場合のように、予め定められた組合せの飾り図柄が導出表示されるものが、含まれていればよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各可変表示部における確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せや小当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せや小当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の可変表示部における一部(例えば「左」及び「右」の可変表示部など)では予め定められた大当り組合せや小当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの可変表示部(例えば「中」の可変表示部など)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の可変表示部における全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せや小当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置9の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行されることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置9の表示領域における表示動作のみならず、スピーカ27による効果音出力動作や、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、装飾ランプ及び装飾用LEDといった装飾発光体の点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」ともいう)などが異なる。
また、飾り図柄の可変表示中には、変動中昇格演出が実行されてもよい。変動中昇格演出では、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各可変表示部に小当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、大当り組合せとなる飾り図柄と、小当り組合せとなる飾り図柄のうちいずれかを、確定飾り図柄として導出表示させる。ここで、特図表示結果が「小当り」となる場合に変動中昇格演出が実行されるときには、その変動中昇格演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に小当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する変動中昇格失敗演出が行われる。これに対して、特図表示結果が「大当り」となる場合に変動中昇格演出が実行されるときには、その変動中昇格演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する変動中昇格成功演出が行われる。
さらに、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出や変動中昇格演出とは異なり、例えば所定のキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示することなどのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、始動動作状態での入賞口開放回数や大当り遊技状態における大当り時ラウンド数、また、特図表示結果が「大当り」となる可能性などを、遊技者が特定可能に報知するための変動中予告演出が実行されることがある。変動中予告演出となる演出動作は、例えば「左」、「中」、「右」の可変表示部の全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、確定飾り図柄が導出表示されて飾り図柄の可変表示が終了するまでの所定期間内にて実行(開始)されるものであればよい。この実施の形態では、「ボタン操作予告」や「ステップアップ動作」といった、複数種類の変動中予告演出が実行可能に設定されている。変動中予告演出となる演出動作は、それが実行されるか否かによっては特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)に変化が生じないものであればよい。
「ボタン操作予告」の変動中予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、遊技者により操作ボタン120が操作されたことに応じて、例えば演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示を変更することや、スピーカ27から出力させる音声を変更することにより、演出動作を変化させる。一例として、「ボタン操作予告」の予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、ボタン操作促進演出となる所定の演出動作が行われる。ボタン操作促進演出は、例えば演出表示装置9の表示領域における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、遊技者による操作ボタン120の操作を促す演出動作であればよい。遊技者による操作ボタン120の操作を促す演出動作としては、演出表示装置9に演出画像を表示させるものに限定されず、スピーカ27から所定の音声を出力させるもの、装飾発光体を所定の点灯パターンで点灯あるいは点滅させるもの、遊技領域7の内部又は外部に設けられた演出用可動部材を所定の動作態様で動作させるもの、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせたものであってもよい。
こうしたボタン操作促進演出が行われるときには、遊技者による操作ボタン120の操作を有効に検出する操作有効期間となる。そして、操作有効期間内に遊技者による操作ボタン120の操作が検出されると、その操作が検出されたタイミングにて、ボタン操作促進演出の実行を停止するとともに、例えば予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれかの演出画像を演出表示装置9に表示させることや、予め用意された複数種類の音声パターンのうちいずれかの音声パターンに対応する効果音をスピーカ27から出力させることといった、各種の演出動作が実行される。
「ステップアップ動作」の変動中予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば演出表示装置9の表示領域にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り替えて表示させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するようなステップアップ演出動作が行われることがある。なお、「ステップアップ動作」の変動中予告演出では、予め用意された複数種類の演出画像のうち、いずれか1つ(例えば所定の順番において最初に表示される演出画像など)が表示された後、演出画像が切り替えられることなく、変動中予告演出における演出表示を終了させることがあるようにしてもよい。また、「ステップアップ動作」の変動中予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば演出用可動部材を所定の順番に従って複数種類の動作態様で動作させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われることがあってもよい。なお、「ステップアップ動作」の変動中予告演出では、演出用可動部材が1種類の動作態様で演出動作を行った後、2段階目の演出動作に切り替えられることなく、変動中予告演出における演出動作を終了させることがあるようにしてもよい。
このように、「ステップアップ動作」の変動中予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでの所定期間内に実行される演出動作の一種であり、特に演出動作の態様(表示、音声、ランプ、可動物等)が複数段階に変化(ステップアップ)する演出動作である。一例として、この実施の形態では、変化する回数(ステップ数)が多い程に特図ゲームでの可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となる可能性(信頼度)が高くなる。また、「ステップアップ動作」の変動中予告演出におけるステップ数、あるいは、各ステップにおける演出態様に応じて、始動動作状態での入賞口開放回数や大当り遊技状態における大当り時ラウンド数、特定のリーチ演出が実行されることなどが、予告されるようにしてもよい。さらに変化する回数(ステップ数)によって予告する対象が変化するものとしてもよい。例えば第2ステップまで行くと「スーパーリーチ確定」、第3ステップまで行くと「大当り時ラウンド数が15確定」、第4ステップまで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。演出態様の変化(ステップアップ)としては、異なるキャラクタ画像が順番に表示されるものであってもよいし、1つのキャラクタにおける形状や色等が変化することでステップアップするようなものであってもよい。すなわち、遊技者から見て予告する手段(表示、音声、ランプ、可動物等)の状態が段階的に変化したと認識可能なものであればよい。
また、始動動作状態にて開放状態となった可変入賞球装置20の第1進入口71及び第2進入口72のいずれかに進入した遊技球が検出されたときには、例えば所定の演出画像を表示するといった演出動作により、遊技球がスペシャルルートとしての第2経路900Bへと誘導されるか否かや、遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度としてのV入賞期待度などを、遊技者が特定可能に報知するための入賞時予告演出が実行されることがある。入賞時予告演出となる演出動作は、例えば可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が第1役物入賞スイッチ71a又は第2役物入賞スイッチ72aで検出されたタイミングから、その遊技球が第1貯留部又は第2貯留部で貯留状態が開放されるより以前の所定期間内にて実行(開始)されるものであればよい。この実施の形態では、「キャラクタメッセージ表示」や「演出画像表示」といった、複数種類の入賞時予告演出が実行可能に設定されている。
「キャラクタメッセージ表示」の入賞時予告演出では、演出表示装置9の表示領域に表示されたキャラクタ画像が所定のメッセージを通知するような演出動作が実行される。この実施の形態では、キャラクタ画像によるメッセージの一例として、可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が第1経路900Aと第2経路900Bのいずれに誘導されるかが、遊技者により特定可能に報知される。
「演出画像表示」の入賞時予告演出では、演出表示装置9の表示領域に、「キャラクタメッセージ表示」の入賞時予告演出とは異なる所定の演出画像を表示するなどの演出動作が実行される。この実施の形態では、一例として、「演出画像表示」の入賞時予告演出における演出画像の表示態様により、V入賞期待度が遊技者により特定可能に報知される。
さらに、例えば始動動作状態にて可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が第1貯留部又は第2貯留部にて貯留状態となる所定期間内などでは、演出表示装置9にパワーバーを示す演出画像を表示した後、操作ボタン120の操作に応じて、パワーバーの目盛り表示を変更することなどにより、V入賞期待度を報知するV入賞期待度報知演出が実行される。
パチンコ遊技機1には、例えば図13に示すような主基板(遊技制御基板)31、演出制御基板80、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、払出制御基板37といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板31と演出制御基板80との間で伝送される各種の制御信号を中継する中継基板177なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤6などの背面には、例えば電源基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されていればよい。
主基板31は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板31は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板80などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板31は、特別図柄表示器8を構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って特図ゲームにおける特別図柄の可変表示を制御することや、普通図柄表示器10の点灯/消灯/発色制御などを行って普図ゲームにおける普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板31には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ560や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ560に伝送する入力ドライバ回路58、遊技制御用マイクロコンピュータ560からソレノイド等の駆動信号を主基板31の外部へと伝送させる出力回路59などが搭載されている。
演出制御基板80は、主基板31とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板177を介して主基板31から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置9、スピーカ27及び装飾発光体等を含んだ演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板80は、演出表示装置9における表示動作や、スピーカ27からの音声出力動作の全部又は一部、装飾発光体における点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声出力基板70は、演出制御基板80とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板80からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ27から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプドライバ基板35は、演出制御基板80とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板80からの指令や制御データなどに基づき、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c等の装飾発光体における点灯/消灯/発色駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図13に示すように、主基板31には、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ60、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、入賞口スイッチ33a、38a、39a、カウントスイッチ23といった各種スイッチや、上側位置センサ91a、下側位置センサ91b、回転体第1位置センサ87a、回転体第2位置センサ87b、第1貯留部位置センサ90cといった各種センサからの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板31には、普通可変入賞球装置61を開閉するための可動部ソレノイド62、開閉板16を開閉するためのソレノイド21、開放扉76A、76Bを連動して開閉させる開放ソレノイド75、第1貯留部材93aを移動させる第1貯留部ソレノイド90a、第2貯留部材93bを移動させる第2貯留部ソレノイド90bといった各種ソレノイドや、可動部材77を移動させるための可動部材駆動モータ77B、回転体86を回転駆動するための回転駆動モータ87といった各種モータに対して、駆動信号を伝送する配線が接続されている。
主基板31には、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線の他にも、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線などが接続されている。その他にも、主基板31には、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)などが、搭載されていてもよい。
主基板31から演出制御基板80に向けて伝送される制御信号は、中継基板177によって中継される。主基板31には、例えば中継基板177に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ560との間には、例えば図14に示すように、出力バッファ回路を含んだ出力ポート571が接続されている。出力ポート571に含まれる出力バッファ回路は、主基板31から中継基板177を介して演出制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板177から主基板31への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板80や中継基板177の側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。
中継基板177には、例えば主基板31から演出制御基板80に対して制御信号を伝送するための配線毎に、例えば図14に示すような伝送方向規制回路177Aが設けられていればよい。各伝送方向規制回路177Aは、主基板31対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板80対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路177Aは、演出制御基板80から中継基板177への信号の入力を阻止して、主基板31から演出制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板80の側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板177において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路177Aを設けるとともに、主基板31にて遊技制御用マイクロコンピュータ560と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を含んだ出力ポート571設けることで、外部から主基板31への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板177を介して主基板31から演出制御基板80に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置9における演出画像の表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ27からの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、装飾発光体における点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図15は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図15に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
演出制御コマンドは1バイト(8ビット)の演出制御コマンドデータを単位として、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータ取込処理を開始する。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100からは、演出制御INT信号が、演出制御コマンドデータの取込みの契機となる信号に相当する。演出制御コマンドは、例えば演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目及び2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回ずつパルス状(矩形波状)に出力されることである。
図15に例示した演出制御コマンドのうち、コマンド80XXHは、普通図柄表示器10による普通図柄を用いた普図ゲームにおける可変表示結果としての普図表示結果を通知する普図表示結果通知コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる通知内容や指定内容に応じて任意に設定される値であればよい。普図表示結果通知コマンドでは、通知する普図表示結果などに応じて、異なるEXTデータが設定される。また、この実施の形態では、普図表示結果通知コマンドにより通知される普図表示結果に対応して、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間である普図変動時間も指定される。
コマンド81XXHは、特別図柄表示器8による特別図柄を用いた特図ゲームに対応して演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各可変表示部で可変表示される飾り図柄などの変動パターン(特図変動パターン)を指定する特図変動パターン指定コマンドである。この実施の形態では、特図変動パターン指定コマンドにより指定される特図変動パターンに対応して、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間である特図変動時間も指定される。
コマンド8CXXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を通知する特図表示結果通知コマンドである。特図表示結果通知コマンドでは、例えば特図表示結果が「大当り」、「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれとなるかの決定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、特図表示結果が「大当り」となる旨の決定結果を示す第1特図表示結果通知コマンドである。コマンド8C01は、特図表示結果が「第1小当り」となる旨の決定結果を示す第2特図表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、特図表示結果が「第2小当り」となる旨の決定結果を示す第3特図表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、特図表示結果が「第3小当り」となる旨の決定結果を示す第4特図表示結果通知コマンドである。
この実施の形態では、特図変動パターン指定コマンドと特図表示結果通知コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、特図変動パターン指定コマンドに示される特図変動パターンと、特図表示結果通知コマンドに示される特図表示結果とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、特図変動パターンと特図表示結果(「大当り」、「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれか)との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、特図変動パターンと特図表示結果を特定可能な情報が伝送されるようにしてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、特図変動パターンと特図表示結果とを特定できるようにしてもよい。ここで、特図変動パターンと特図表示結果とを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの特図変動パターンに対して、複数種類の特図表示結果に応じた複数種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、特図変動パターンを指定する演出制御コマンドと、特図表示結果を通知する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、特図変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドと、特図表示結果の種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8F00Hは、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示(変動)を終了して普図表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す普図変動終了コマンドである。コマンド8F01Hは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示(変動)を終了して特図表示結果(確定特別図柄)を導出表示することを示す特図変動終了コマンドである。演出制御基板80の側では、特図変動終了コマンドを受信したことに対応して、飾り図柄の可変表示(変動)を終了させて表示結果(確定飾り図柄)を導出表示するための制御が行われる。
コマンドA001Hは、大当り遊技状態への制御によりラウンド遊技等といった大当り遊技の実行が開始されることを指定する大当り開始指定コマンドである。コマンドA002Hは、始動動作状態への制御により可変入賞球装置20における第1進入口71及び第2進入口72の開閉動作等といった小当り遊技の実行が開始されることを指定する小当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において大入賞口が開閉板16により開放状態となっている期間における演出画像の表示である大入賞口開放時表示を指定する大入賞口開放時表示コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において大入賞口が開閉板16により開放状態から閉鎖状態に変化した期間における演出画像(例えばラウンド間のインターバルにおける演出画像)の表示である大入賞口開放後表示を指定する大入賞口開放後表示コマンドである。大入賞口開放時表示コマンドや大入賞口開放後表示コマンドでは、例えば大当り遊技状態にて実行されたラウンド遊技の回数に対応して、異なるEXTデータが設定されればよい。なお、大当り遊技状態では、例えば一連の動画像を演出画像として表示する場合のように、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかに関わりなく、大当り遊技状態の開始時点から終了時点まで、継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。こうした演出動作とともに、あるいは、こうした演出動作とは別に、例えばラウンド遊技の実行回数を示す演出画像を表示する場合のように、大入賞口が開放状態となって新たなラウンド遊技の実行が開始されるごとに、表示内容などが変化する演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドA301Hは、大当り遊技の終了を指定する大当り終了指定コマンド(エンディング指定コマンド)である。演出制御基板80の側では、大当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、大当り遊技状態の終了を示す演出画像(エンディング画像)の表示といった演出動作を実行するための制御が行われる。コマンドA302Hは、特定入賞口66Aへの入賞球(V入賞)がなく小当り遊技状態が終了する旨を指定する小当り終了指定コマンドである。
コマンドE000Hは、始動入賞口に進入した遊技球である始動入賞球の有効検出(特図保留記憶数が「4」以下となる場合の検出)を通知する始動入賞通知コマンドである。なお、始動入賞球の有効検出に代えて、特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドを用いてもよい。コマンドE001Hは、可変入賞球装置20における第1進入口71への入賞球検出(役物入賞検出)を通知する第1役物入賞通知コマンドである。コマンドE002Hは、可変入賞球装置20における第2進入口72への入賞球検出(役物入賞検出)を通知する第2役物入賞通知コマンドである。コマンドE003Hは、特定入賞口66Aへの入賞球検出(V入賞検出)を通知するV入賞通知コマンドである。
コマンドE1XXHは、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときに実行可能な特図ゲームの残り回数を通知する有利状態残回数通知コマンドである。なお、有利状態残回数通知コマンドに代えて、有利状態にて実行済みとなった特図ゲームの回数を通知する演出制御コマンドを用いてもよい。コマンドE2XXHは、可変入賞球装置20に進入した遊技球が特定入賞口66Aに入賞する期待度としてのV入賞期待度を通知するV入賞期待度通知コマンドである。V入賞期待度通知コマンドでは、V入賞期待度の大きさに対応して、EXTデータが設定されればよい。具体的な一例として、コマンドE200HをV入賞期待度が大きい場合のV入賞期待度大通知コマンドとし、コマンドE201HをV入賞期待度が小さい場合のV入賞期待度小通知コマンドとすればよい。
主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、例えば図13に示すように、ゲーム制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)54と、ゲーム制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)55と、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)56と、I/O(Input/Output port)57と、CPU56とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路503とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、CPU56がROM54から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU56がROM54から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU56がRAM55に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU56がRAM55に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU56がI/O57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU56がI/O57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ560を構成する1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56の他にRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/O57は、外付けであってもよい。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ560ではCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
主基板31では、例えば図13に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備える乱数回路503などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図16は、主基板31の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図16に示すように、この実施の形態では、主基板31の側において、普図表示結果決定用の乱数値MR1、特図表示結果決定用の乱数値MR2、特図変動パターン決定用の乱数値MR3のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路503は、これらの乱数値MR1〜MR3の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU56は、例えば図22に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路503とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR3の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果決定用の乱数値MR2を示す数値データは、乱数回路503によりCPU56とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR1、MR3を示す数値データは、CPU56がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路503により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR3の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。乱数回路503は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ560とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
普図表示結果決定用の乱数値MR1は、普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「150」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果決定用の乱数値MR1は、普図ゲームにおける可変表示結果に基づき普通可変入賞球装置61が形成する始動入賞口を遊技球が入賞不可能な閉鎖状態から入賞可能な開放状態へと変化させるか否かなどの決定を行うために用いられる。
特図表示結果決定用の乱数値MR2は、特図表示結果を「大当り」、「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれとするかを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。すなわち、特図表示結果決定用の乱数値MR2は、特図ゲームにおける可変表示結果を、特定表示結果としての「大当り」とするか、開放表示結果としての「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれかとするかを決定して、始動動作状態とすることなく大当り遊技状態とするか、始動動作状態とするかの決定を行うために用いられる。特図変動パターン決定用の乱数値MR3は、特図変動パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「300」の範囲の値をとる。
図13に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるROM54には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM54には、CPU56が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM54には、CPU56が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、特図変動パターンを複数種類格納する特図変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
図17は、ROM54に記憶される図柄表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、図柄表示結果決定テーブルとして、図17(A)に示す普図表示結果決定テーブル130Aと、図17(B)に示す特図表示結果決定テーブル130Bとが、予め用意されている。普図表示結果決定テーブル130Aは、普通図柄表示器10による普図ゲームにおいて可変表示結果となる確定普通図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「普図当り」として始動入賞口を遊技球が入賞可能な開放状態とするか否かを、普図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。特図表示結果決定テーブル130Bは、特別図柄表示器8による特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどを、特図表示結果決定用の乱数値MR2に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
普図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であるか有利状態であるかに応じて、普図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「第1普図当り」又は「第2普図当り」といった「普図当り」の普図表示結果や、「第1普図ハズレ」又は「第2普図ハズレ」といった「普図ハズレ」の普図表示結果などに、割り当てられている。普図表示結果決定テーブル130Aは、「第1普図当り」や「第2普図当り」、「第1普図ハズレ」や「第2普図ハズレ」の各普図表示結果に対応して、普図変動時間を複数種類のいずれかに設定するための設定用データや、乱数値MR1が「第1普図当り」又は「第2普図当り」の普図表示結果のいずれかに割り当てられた決定値と合致した場合に、始動入賞口を遊技球が入賞可能な開放状態とする制御を行う時間(開放時間)と回数(開放回数)を設定するための設定用データなどを、含んでいてもよい。
図17(A)に示す普図表示結果決定テーブル130Aの設定では、遊技状態が通常状態である場合に対応して、普図表示結果決定用の乱数値MR1が「1」〜「50」のいずれかであるときに「第1普図当り」の普図表示結果とすることが決定される。その一方で、遊技状態が有利状態である場合に対応して、普図表示結果決定用の乱数値MR1が「1」〜「130」のいずれかであるときに「第2普図当り」の普図表示結果とすることが決定される。したがって、有利状態であるときには通常状態であるときに比べて、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率が高くなる。また、遊技状態が有利状態であるときには、普図表示結果が「第2普図当り」であれば普図変動時間が「3秒」となり、普図表示結果が「第2普図ハズレ」であれば普図変動時間が「2秒」となる。これに対して、遊技状態が通常状態であるときには、普図表示結果が「第1普図当り」であれば普図変動時間が「15秒」となり、普図表示結果が「第1普図ハズレ」であれば普図変動時間が「10秒」となる。したがって、有利状態であるときには通常状態であるときに比べて、普図変動時間が短くなる。さらに、遊技状態が有利状態であるときには、普図表示結果が「第2普図当り」の場合に対応した開放時間と開放回数が「3.0秒×2回」となる。これに対して、遊技状態が通常状態であるときには、普図表示結果が「第1普図当り」に対応した開放時間と開放回数が「0.7秒×1回」となる。したがって、有利状態であるときには通常状態であるときに比べて、開放時間や開放回数が増加する。これらの設定により、有利状態であるときには通常状態であるときに比べて、始動入賞口を遊技球が入賞可能な開放状態とする制御が行われる頻度を高めることができる。
特図表示結果決定テーブル130Bでは、特図表示結果決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「大当り」あるいは「第1小当り」〜「第3小当り」といった複数種類の特図表示結果のいずれかに割り当てられている。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503などから数値データを抽出して抽出値を特図表示結果決定用の乱数値MR2とする。そして、抽出された数値データに一致する決定値が割り当てられた特図表示結果が、今回の特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果として決定される。この実施の形態では、始動動作状態にて可変入賞球装置20が開放状態となる回数である入賞口開放回数や、大当り遊技状態に移行した場合のラウンド遊技の実行回数である大当り時ラウンド数に対応して、3種類の小当り(「第1小当り」〜「第3小当り」)が、予め用意されている。3種類の小当りとなる「第1小当り」〜「第3小当り」は、小当り種別として区別される。なお、入賞口開放回数は、役物開放回数とも称される。
図18は、ROM54に記憶される特図変動パターン決定テーブル131の構成例を示している。特図変動パターン決定テーブル131は、特図表示結果に応じた特図変動パターンを、特図変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて決定するために参照されるテーブルであり、特図表示結果と各種動作との関係を示している。この実施の形態では、複数種類の特図表示結果のうち、「大当り」の特図表示結果に決定された場合には、特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示が終了すると、可変入賞球装置20の始動動作を行うことなく、大当り遊技状態に移行して大当り時ラウンド数が「15」となる。「第1小当り」の特図表示結果に決定された場合には、特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示が終了すると、可変入賞球装置20における入賞口開放回数が「1」となる始動動作状態に移行する。そして、始動動作状態にて可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が特定入賞口66Aに入賞(V入賞)すれば、大当り遊技状態に移行して大当り時ラウンド数が「2」となる。「第2小当り」の特図表示結果に決定された場合には、特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示が終了すると、可変入賞球装置20における入賞口開放回数が「2」となる始動動作状態に移行する。そして、始動動作状態にて可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が特定入賞口66Aに入賞(V入賞)すれば、大当り遊技状態に移行して大当り時ラウンド数が「7」となる。「第3小当り」の特図表示結果に決定された場合には、特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示が終了すると、可変入賞球装置20における入賞口開放回数「2」となる始動動作状態に移行する。そして、始動動作状態にて可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が特定入賞口66Aに入賞(V入賞)すれば、大当り遊技状態に移行して大当り時ラウンド数が「15」となる。
特図変動パターン決定テーブル131では、特図表示結果が「大当り」である場合に対応して、特図変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、特図変動パターンPA1−1〜特図変動パターンPA1−3に対して割り当てられている。ここで、特図変動パターンPA1−1は、飾り図柄の可変表示中に「ノーマル」のリーチ演出が実行される変動パターンである。特図変動パターンPA1−2は、飾り図柄の可変表示中に「ノーマル」とは演出態様が異なる「スーパーA」のリーチ演出が実行される変動パターンである。特図変動パターンPA1−3は、飾り図柄の可変表示中に「ノーマル」及び「スーパーA」とは演出態様が異なる「スーパーB」のリーチ演出が実行される変動パターンである。
また、特図表示結果が「第1小当り」である場合には、特図変動パターンPA2−1に対して全ての決定値が割り当てられている。ここで、特図変動パターンPA2−1は、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない「リーチなし」の変動パターンである。特図表示結果が「第2小当り」である場合には、特図変動パターンPA2−2及び特図変動パターンPA2−3に対して決定値が割り当てられている。特図変動パターンPA2−2は、「ノーマル」のリーチ演出が実行される変動パターンである。特図変動パターンPA2−3は、「スーパーA」のリーチ演出が実行される変動パターンである。特図表示結果が「第3小当り」である場合には、特図変動パターンPA2−4〜特図変動パターンPA2−6に対して決定値が割り当てられている。特図変動パターンPA2−4は、「ノーマル」のリーチ演出が実行される変動パターンである。特図変動パターンPA2−5は、「スーパーA」のリーチ演出が実行される変動パターンである。特図変動パターンPA2−6は、「スーパーB」のリーチ演出が実行される変動パターンである。
こうした特図変動パターン決定テーブル131の設定により、飾り図柄の可変表示中にリーチ演出が実行された場合には、特図表示結果が「大当り」あるいは「第2小当り」及び「第3小当り」のいずれかとなり、リーチ演出が実行されない場合には、特図表示結果が「第1小当り」となる。そして、特図表示結果が「第2小当り」又は「第3小当り」のときには、特図表示結果が「第1小当り」のときに比べて、始動動作状態での入賞口開放回数が多くなるように設定されている。したがって、リーチ演出が実行されることにより、大当り遊技状態に制御されることへの期待感が高められる。また、飾り図柄の可変表示中に「スーパーA」や「スーパーB」といったスーパーリーチとなるリーチ演出が実行された場合に、特図表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるように、各特図変動パターンに対して決定値が割り当てられている。したがって、スーパーリーチとなるリーチ演出が実行されることにより、始動動作状態とならずに大当り遊技状態に制御されることに対する期待感が高められる。
図19は、ROM54に記憶される動作制御パターンテーブル140の構成例を示している。動作制御パターンテーブル140は、普通可変入賞球装置61が形成する始動入賞口や、可変入賞球装置20が形成する第1進入口71及び第2進入口72、開閉板16により開閉される大入賞口といった、可変入賞口の開閉動作を制御するために用意された複数の制御パターンを格納している。この実施の形態では、動作制御パターンテーブル140に、始動入賞開放動作制御パターン141と、役物開放動作制御パターン142と、大入賞口開放動作制御パターン143とが格納されている。始動入賞開放動作制御パターン141は、普通可変入賞球装置61が形成する始動入賞口の開閉動作を制御するための制御パターンである。役物開放動作制御パターン142は、始動動作状態にて可変入賞球装置20が備える第1進入口71及び第2進入口の開閉動作を制御するための制御パターンである。大入賞口開放動作制御パターン143は、大当り遊技状態にて開閉板16による大入賞口の開閉動作を制御するための制御パターンである。
一例として、始動入賞開放動作制御パターン141には、図20(A)に示す第1始動入賞開放動作制御パターン141Aや、図20(B)に示す第2始動入賞開放動作制御パターン141Bなどが、含まれている。各始動入賞開放動作制御パターン141A、141Bには、始動入賞口の開放時間と開放間の閉鎖時間とを加算した可動部開放制御時間に対応する値を示すデータと、可動部ソレノイド62へと伝送する駆動信号の状態(オン/オフ)に対応する値を示す可動部ソレノイド出力データと、開放時間や閉鎖時間あるいは終了コードに対応する値を示すデータとが、含まれている。ここで、可動部開放制御時間や始動入賞口の開放時間及び閉鎖時間などは、2ミリ秒ごとに更新されるタイマを用いて計測される。したがって、各始動入賞開放動作制御パターン141A、141Bでは、2ミリ秒×(データの値)が実際の制御時間となるデータが、16進数で設定されている。このことは、動作制御パターンテーブル140に格納される他のパターン(役物開放動作制御パターン142、大入賞口開放動作制御パターン143)でも、同様である。なお、可動部開放制御時間に対応するデータと、可動部ソレノイド出力データ等とは、互いに別個のパターンテーブルにより指定され、可動部開放制御時間に対応するデータが含まれるパターンテーブルでは、可動部ソレノイド出力データ等が含まれるパターンテーブルのアドレス(ROM54における記憶位置)が指定されるようにしてもよい。この点についても、動作制御パターンテーブル140に格納される他のパターン(役物開放動作制御パターン142、大入賞口開放動作制御パターン143)において、同様である。
第1始動入賞開放動作制御パターン141Aは、普図ゲームにおける普図表示結果が「第1普図当り」(通常状態時)となったときに、普通可変入賞球装置61における始動入賞口の開放時間及び開放回数を「0.7秒×1回」とする制御パターンである。第1始動入賞開放動作制御パターン141Aでは、可動部開放制御時間を示すデータに続いて、可動部ソレノイド62をオン状態とすることに対応した「01」の値を示す可動部ソレノイド出力データと、開放時間(0.7秒)を示す値のデータ、可動部ソレノイド62をオフ状態とすることに対応した「00」の値を示すソレノイド出力データ、終了コードが、順次に設定されている。
第2始動入賞開放動作制御パターン141Bは、普図ゲームにおける普図表示結果が「第2普図当り」(有利状態時)となったときに、普通可変入賞球装置61における始動入賞口の開放時間及び開放回数を「3.0秒×2回」とする制御パターンである。第2始動入賞開放動作制御パターン141Bでは、可動部開放制御時間を示すデータに続いて、「01」の値を示す可動部ソレノイド出力データ(1回目の開放に対応)と、開放時間(3.0秒)を示す値のデータ、「00」の値を示すソレノイド出力データ、閉鎖時間(0.5秒)を示す値のデータ、「01」の値を示す可動部ソレノイド出力データ(2回目の開放に対応)、開放時間(3.0秒)を示す値のデータ、「00」の値を示すソレノイド出力データ、終了コードが、順次に設定されている。
役物開放動作制御パターン142には、図21(A)に示す第1役物開放動作制御パターン142Aや、図21(B)に示す第2役物開放動作制御パターン142Bなどが、含まれている。各役物開放動作制御パターン142A、142Bには、可変入賞球装置20の開放時間と開放間の閉鎖時間とを加算した役物開放制御時間に対応する値を示すデータと、開放ソレノイド75へと伝送する駆動信号の状態(オン/オフ)に対応する値を示す開放ソレノイド出力データと、開放時間や閉鎖時間あるいは終了コードに対応する値を示すデータとが、含まれている。
第1役物開放動作制御パターン142Aは、特図ゲームにおける特図表示結果が「第1小当り」となったときに、可変入賞球装置20における第1進入口71及び第2進入口72の開放時間及び開放回数を「0.9秒×1回」とする制御パターンである。第1役物開放動作制御パターン142Aでは、役物開放制御時間を示すデータに続いて、開放ソレノイド75をオン状態とすることに対応した「01」の値を示す開放ソレノイド出力データと、開放時間(0.9秒)を示す値のデータ、開放ソレノイド75をオフ状態とすることに対応した「00」の値を示す開放ソレノイド出力データ、終了コードが、順次に設定されている。
第2役物開放動作制御パターン142Bは、特図ゲームにおける特図表示結果が「第2小当り」又は「第3小当り」となったときに、可変入賞球装置20における第1進入口71及び第2進入口72の開放時間及び開放回数を「0.9秒×2回」とする制御パターンである。第2役物開放動作制御パターン142Bでは、役物開放制御時間を示すデータに続いて、「01」の値を示す開放ソレノイド出力データ(1回目の開放に対応)と、開放時間(0.9秒)を示す値のデータ、「00」の値を示す開放ソレノイド出力データ、閉鎖時間(0.6秒)を示す値のデータ、「01」の値を示す開放ソレノイド出力データ(2回目の開放に対応)、開放時間(0.9秒)を示す値のデータ、「00」の値を示す開放ソレノイド出力データ、終了コードが、順次に設定されている。
図13に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるRAM55は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM55には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図22に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図22に示す遊技制御用データ保持エリア150は、普図保留記憶部151Aと、特図保留記憶部151Bと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
普図保留記憶部151Aは、ゲート32を遊技球が通過して普図始動条件は成立したが普図開始条件は成立していない普図ゲーム(普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示)の保留データを記憶する。一例として、普図保留記憶部151Aは、ゲート32の通過順に保留番号と関連付けて、その通過による普図始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路503等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを保留データとし、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置61における始動入賞口に遊技球が入賞して特図始動条件は成立したが特図開始条件は成立していない特図ゲーム(特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示)の保留データを記憶する。一例として、特図保留記憶部151Bは、始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による特図始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路503等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR2を示す数値データを保留データとし、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御フラグ設定部152に、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、普図当りフラグ、有利状態フラグ、有利状態終了フラグ、第1貯留部開放フラグ、第2貯留部開放フラグ、V入賞フラグ、可動部材動作中フラグ、可動部材動作完了フラグ、可動部材初期位置設定要求フラグ、初期位置制御中フラグなどが設けられている。
特図プロセスフラグは、特別図柄表示器8による特別図柄を用いた特図ゲームの進行などを制御するために実行される図34に示すステップS15や図35に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示器10による普通図柄を用いた普図ゲームの進行などを制御するために実行される図34に示すステップS16や図49に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに特図表示結果を「大当り」とする旨の決定(事前決定)や、始動動作状態にて可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が特定入賞口66Aに入賞(V入賞)したことに基づいて、オン状態にセットされる。その一方で、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数が大当り時ラウンド数に達したことなどに対応して、大当りフラグがクリアされてオフ状態となる。普図当りフラグは、普図ゲームが開始されるときに普図表示結果を「普図当り」とする旨の決定に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、普図ゲームにおける可変表示結果として普通図柄表示器10で「普図当り」に対応する表示が行われたことなどに対応して、普図当りフラグがクリアされてオフ状態となる。
有利状態フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、有利状態が終了することなどに対応してオフ状態となる。有利状態終了フラグは、有利状態における特図ゲームの実行回数に基づき有利状態を終了すると判定されたことに対応してオン状態にセットされる一方で、有利状態が終了することなどに対応してオフ状態となる。
第1貯留部開放フラグは、可変入賞球装置20の内部にて第1経路900Aに含まれる経路部材92から導かれた遊技球を一旦貯留する第1貯留部が開放状態に制御されることに対応して、オン状態にセットされる。その一方で、第1貯留部が開放状態から閉鎖状態に制御されることに対応して、第1貯留部開放フラグがクリアされてオフ状態となる。第2貯留部開放フラグは、可変入賞球装置20の内部にて第2経路900Bに含まれる経路部材94から導かれた遊技球を一旦貯留する第2貯留部が開放状態に制御されることに対応して、オン状態にセットされる。その一方で、第2貯留部が開放状態から閉鎖状態に制御されることに対応して、第2貯留部開放フラグがクリアされてオフ状態となる。V入賞フラグは、始動動作状態にて可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が特定入賞口66Aに入賞(V入賞)したことに対応して、オン状態にセットされる。その一方で、V入賞に基づき始動動作状態から大当り遊技状態に制御されるときに、V入賞フラグがクリアされてオフ状態となる。
可動部材動作中フラグは、始動動作状態にて、可変入賞球装置20の内部に設けられた可動部材駆動モータ77Bの駆動により、可動部材77に連結されたナット状部材77Cを上方から下方へと移動させることに対応して、オン状態にセットされる。その一方で、可動部材動作中フラグは、可動部材77の配置が下方に変更されて下側位置センサ91bで可動部材77が検出されたときに、クリアされてオフ状態となる。可動部材動作完了フラグと可動部材初期位置設定要求フラグは、下側位置センサ91bで可動部材77が検出されたことに対応して、オン状態にセットされる。また、可動部材初期位置設定要求フラグは、可動部材駆動モータ77Bの駆動により、可動部材77に連結されたナット状部材77Cを下方から上方へと移動させるときに、クリアされてオフ状態となる。初期位置制御中フラグは、可動部材駆動モータ77Bの駆動により、可動部材77に連結されたナット状部材77Cを下方から上方へと移動させることに対応して、オン状態にセットされる。その一方で、初期位置制御中フラグは、可動部材77の配置が上方に戻されて上側位置センサ91aで可動部材77が検出されたときに、クリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御タイマ設定部153に、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマ、役物開放タイマなどが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板31の側にて計測するためのものである。一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。より具体的には、大当り遊技状態にてラウンド遊技が開始される以前には、遊技制御プロセスタイマに各ラウンド遊技間での待ち時間となるラウンド開始待ち時間に対応したタイマ初期値が設定され、定期的なカウントダウンが開始される。そして、ラウンド開始待ち時間が経過したときに、開閉板16により大入賞口を開放状態とする制御を行うことにより、1回のラウンド遊技が開始される。このときには、遊技制御プロセスタイマに各ラウンド遊技における大入賞口の最大開放時間に対応したタイマ初期値が設定され、定期的なカウントダウンが開始される。その後、大入賞口における遊技球の入賞個数が所定の最大入賞個数(例えば「9」)に達するより前に、大入賞口の最大開放時間が経過した場合には、開閉板16により大入賞口を閉鎖状態とする制御を行うことにより、1回のラウンド遊技が終了する。
特図変動タイマは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)といった特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板31の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)といった普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板31の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
役物開放タイマは、始動動作状態にて可変入賞球装置20の第1進入口71及び第2進入口72を閉鎖状態から開放状態へと変化させる制御の開始時点から、経過時間を計測するためのものである。具体的な一例として、役物開放タイマは、始動動作状態の開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられる。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部154に、ランダムカウンタ、特図保留記憶カウンタ、普図保留記憶カウンタ、有利状態カウンタ、大入賞口開放カウンタ、役物内遊技球カウンタ、入賞個数カウンタ、回転体位置計測カウンタなどが設けられている。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタは、遊技の進行を制御するために用いられる乱数値を示す数値データの全部又は一部を、乱数回路503とは別個に、あるいは、乱数回路503から抽出された数値データを用いて、CPU56がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR1〜MR3を示す数値データの一部又は全部が、ランダムカウント値として記憶され、CPU56によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU56がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路503における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路503から抽出された数値データにスクランブル処理や演算(加減乗除)処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
特図保留記憶カウンタは、特図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶数である特図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、特図保留記憶カウンタには、特図保留記憶数に対応したカウント値データが、特図保留記憶数カウント値として記憶され、特図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。普図保留記憶カウンタは、普図保留記憶部151Aにおける保留データの記憶数である普図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、普図保留記憶数カウンタには、普図保留記憶数に対応したカウント値データが、普図保留記憶数カウント値として記憶され、普図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
有利状態カウンタは、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときに、有利状態を終了するまでに実行可能な特図ゲームの残存回数を特定可能にカウントするためのものである。一例として、有利状態カウンタには、大当り遊技状態が終了するときに、その大当り遊技状態に制御された経緯に応じたカウント初期値を示すデータが、有利状態カウント値として設定される。その後、次の大当り遊技状態に制御されるまでは、特図ゲームが終了するごとに、有利状態カウント値が1減算されるなどして更新される。そして、有利状態カウント値が「0」に達したときには、有利状態終了フラグをオン状態にセットすることなどにより、有利状態を終了して通常状態へと移行するための設定が行われる。
大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の残存回数などを特定可能にカウントするためのものである。一例として、大入賞口開放回数カウンタには、大当り遊技状態が開始されるときに、特図表示結果に対応したカウント初期値を示すデータが、大入賞口開放回数カウント値として設定される。その後、大当り遊技状態にて1回のラウンド遊技が終了するごとに、大入賞口開放回数カウント値が1減算されるなどして更新される。そして、大入賞口開放回数カウント値が「0」に達したときには、大当り遊技状態を終了させる制御が行われる。
役物内遊技球カウンタは、可変入賞球装置20の内部に残存している遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、役物内遊技球カウンタには、第1役物入賞スイッチ71a又は第2役物入賞スイッチ72aにより遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、役物内入賞球カウント値としてセットされる。そして、役物排出スイッチ85aにより遊技球が検出されるごとに、役物内入賞球カウント値が1減算されるように更新される。入賞個数カウンタは、開閉板16により開放状態とされた大入賞口に入賞した遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、入賞個数カウンタには、カウントスイッチ23により遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、入賞個数カウント値としてセットされる。そして、入賞個数カウント値が所定の最大入賞個数(例えば「9」)に対応した値になれば、1回のラウンド遊技が終了する。また、大当り遊技状態にて各ラウンド遊技が開始されるときには、入賞個数カウンタがクリアされて、入賞個数カウント値が「0」に初期化される。
回転体位置計測カウンタは、可変入賞球装置20の内部に設けられた回転体86の回転位置を特定するために用いられる。例えば、回転体位置計測カウンタは、回転体第1位置センサ87aがオン状態となったときにクリアされて、その格納値である回転体位置計測カウント値が「0」に初期化される。そして、回転体第2位置センサ87bがオン状態となるごとに、回転体位置計測カウント値が1加算されるように更新される。この実施の形態では、回転体位置計測カウント値がおよそ「16000」までカウントされると、回転体86が1回転する。このときには、再び回転体第1位置センサ87aがオン状態となり、回転体位置計測カウンタがクリアされる。
遊技制御バッファ設定部155パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御バッファ設定部155に、送信コマンドバッファ、特図表示結果バッファなどが設けられている。
送信コマンドバッファは、主基板31からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。例えば、送信コマンドバッファは、複数(例えば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM54における記憶アドレスを示す設定データなどが、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行うバッファ領域は、送信コマンドポインタなどによって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
特図表示結果バッファには、特図表示結果を「大当り」あるいは「第1小当り」〜「第3小当り」といった複数種類のいずれかとする決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、特図表示結果が「大当り」であれば特図表示結果バッファ値が「1」に設定され、特図表示結果が「第1小当り」であれば特図表示結果バッファ値が「2」に設定され、特図表示結果が「第2小当り」であれば特図表示結果バッファ値が「3」に設定され、特図表示結果が「第3小当り」であれば特図表示結果バッファ値が「4」に設定される。
図13に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるI/O57は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図13に示す演出制御基板80には、例えば図14に示すような演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、中継基板177を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9における表示制御などを行う。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプドライバ基板35を介して、天枠ランプ28aや左枠ランプ28b、右枠ランプ28cの点灯制御や、その他の装飾発光部材の点灯制御などを行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27における音声出力制御を行う。
図14は、中継基板177、演出制御基板80、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図14に示す例では、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用CPU101や、演出に関する情報を記憶するRAMなどを含んで構成されていればよい。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていなくてもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板177を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103aを介して演出制御コマンドを受信する。なお、以下では、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けのROMを、演出制御用ROMともいう。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを一時記憶(展開)するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御基板80に搭載された入力ポート103bには、操作ボタン120からの情報信号としての操作検出信号を伝送するための配線が接続されている。入力ポート103bに入力された操作検出信号は、演出制御用マイクロコンピュータ100へと伝送される。演出制御用マイクロコンピュータ100では、操作ボタン120からの操作検出信号に基づいて、例えば予告演出等の遊技の演出を行うための処理を実行する。
演出制御コマンド及び演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板177から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板177への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路であればよい。入力ドライバ102に入力された演出制御コマンド等は、入力ポート103aを介して演出制御用マイクロコンピュータ100へと伝送される。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して、第1貯留部装飾部ソレノイド90dや装飾部材駆動モータ78B、剣駆動モータ79を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介しランプドライバ基板35に対して装飾発光部材を駆動する信号を出力する。加えて、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介し音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、装飾発光部材を駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、装飾発光部材を駆動する信号に基づいて、天枠ランプ28aや左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの装飾発光部材に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声データROM704には、音番号データに応じた音声データが格納されている。音番号データに応じた音声データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生させるための音声データを音声データROM704から読み出して所定の音声RAM等に一時記憶(展開)した後、音声データに対応して生成した音声信号(アナログ音声信号)を増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100では、内蔵又は外付けの乱数回路(図示せず)などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図23は、演出制御基板80の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図23に示すように、この実施の形態では、演出制御基板80の側において、変動中予告パターン種別決定用の乱数値SR1−1、役物入賞時予告パターン種別決定用の乱数値SR1−2、第1〜第5予告パターン決定用の乱数値SR2−1〜SR2−5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けの乱数回路は、これらの乱数値の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。演出制御用CPU101は、例えば図33に示す演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けの乱数回路により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。また、演出制御基板80に乱数回路が搭載されていない場合には、演出制御用CPU101がランダムカウンタを用いて、乱数値の全部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
変動中予告パターン種別決定用の乱数値SR1−1は、飾り図柄の可変表示中に演出表示装置9の表示領域に所定の演出画像を表示することなどによる変動中予告演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合における予告パターン種別としての変動中予告パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。役物入賞時予告パターン種別決定用の乱数値SR1−2は、始動動作状態にて開放状態となった可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が検出されたときに演出表示装置9の表示領域に所定の演出画像を表示することなどによる入賞時予告演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合における予告パターン種別としての入賞時予告パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。一例として、変動中予告パターン種別決定用の乱数値SR1−1は「1」〜「191」の範囲の値をとり、役物入賞時予告パターン種別決定用の乱数値SR1−2は「1」〜「61」の範囲の値をとる。
第1〜第5予告パターン決定用の乱数値SR2−1〜SR2−5は、変動中予告演出や入賞時予告演出といった予告演出を実行する場合に、演出動作の内容に対応した予告パターンを、複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。ここで、第1〜第5予告パターン決定用の乱数値SR2−1〜SR2−5のうち、第1〜第3予告パターン決定用の乱数値SR2−1〜SR2−3は、変動中予告演出を実行する場合における予告パターンを決定するときに用いられる。これに対して、第4及び第5予告パターン決定用の乱数値SR2−4、SR2−5は、入賞時予告演出を実行する場合における予告パターンを決定するときに用いられる。一例として、第1予告パターン決定用の乱数値SR2−1は「1」〜「499」の範囲の値をとり、第2予告パターン決定用の乱数値SR2−2は「1」〜「1009」の範囲の値をとり、第3予告パターン決定用の乱数値SR2−3は「1」〜「1013」の範囲の値をとり、第4予告パターン決定用の乱数値SR2−4は「1」〜「153」の範囲の値をとり、第5予告パターン決定用の乱数値SR2−5は「1」〜「509」の範囲の値をとる。
演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けの演出制御用ROMには、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、演出制御用ROMには、演出制御用CPU101が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、制御パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。こうしたテーブルデータを記憶する領域として、例えば図24に示す演出制御用テーブル格納エリア160が設けられている。この実施の形態では、演出制御用テーブル格納エリア160に、最終停止図柄決定テーブル161と、仮停止図柄決定テーブル162と、演出実行決定テーブル163と、演出パターン決定テーブル164と、演出制御パターンテーブル165とが格納されている。
最終停止図柄決定テーブル161は、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄としての最終停止図柄を決定するために参照されるテーブルである。例えば、最終停止図柄決定テーブル161では、可変表示結果や可変表示態様などに応じて、最終停止図柄決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、最終停止図柄となる飾り図柄などに割り当てられていればよい。
仮停止図柄決定テーブル162は、飾り図柄の可変表示中に仮停止表示される飾り図柄としての仮停止図柄を決定するために参照されるテーブルである。例えば、仮停止図柄決定テーブル162では、変動中昇格演出を実行する場合などに対応して、仮停止図柄決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、仮停止図柄となる飾り図柄などに割り当てられていればよい。
演出実行決定テーブル163は、演出制御基板80の側において演出動作の有無や実行内容を決定可能な演出動作について、実行するか否かを決定するために参照されるテーブルである。例えば、演出実行決定テーブル163では、演出実行決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、各演出動作を実行するか否かの決定結果などに割り当てられていればよい。
演出パターン決定テーブル164は、例えば変動中予告演出や入賞時予告演出といった予告演出における予告パターン種別や予告パターンといった、各種の演出動作における実行内容に対応する演出パターンなどを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。例えば、演出パターン決定テーブル164では、演出パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、各演出パターンなどに割り当てられていればよい。
演出制御パターンテーブル165には、CPU56が各種の演出動作を制御するために使用する演出制御パターンが複数種類格納されている。例えば、演出制御パターンテーブル165には、図柄変動制御パターンテーブルと、各種演出制御パターンテーブルと、予告演出制御パターンテーブルとが、含まれている。
図25(A)は、演出パターン決定テーブル164に含まれる変動中予告パターン種別決定テーブル170の構成例を示している。変動中予告パターン種別決定テーブル170は、変動中予告演出を実行するか否か、また、実行する場合における変動中予告パターン種別を複数種類のいずれとするかを、変動中予告パターン種別決定用の乱数値SR1−1に基づいて、決定するために参照されるテーブルである。変動中予告パターン種別決定テーブル170では、特図変動パターン指定コマンドに示された特図変動パターンに応じて、変動中予告なし、あるいは、変動中予告種別CAY1〜変動中予告種別CAY3からなる変動中予告パターン種別のいずれかに、変動中予告パターン種別決定用の乱数値SR1−1と比較される数値(決定値)が割り当てられている。
図25(B)は、変動中予告種別CAY1〜変動中予告種別CAY3の各変動中予告パターン種別に対応した変動中予告演出での演出内容と予告事項を示している。変動中予告種別CAY1の変動中予告パターン種別は、「ボタン操作予告」の変動中予告演出に含まれる演出動作として、遊技者により操作ボタン120が操作されたことに応じて、所定の演出態様で、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示が変更されるなどの演出動作が実行される予告パターン種別である。また、変動中予告種別CAY1の変動中予告パターン種別に分類される変動中予告演出では、始動動作状態において可変入賞球装置20が開放状態となる回数である役物開放回数(入賞口開放回数)を報知・示唆するための演出動作が実行される。
変動中予告種別CAY2の変動中予告パターン種別は、「ボタン操作予告」の変動中予告演出に含まれる演出動作として、遊技者により操作ボタン120が操作されたことに応じて、変動中予告種別CAY1の変動中予告パターン種別とは異なる所定の演出態様で、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示が変更されるなどの演出動作が実行される予告パターン種別である。また、変動中予告種別CAY2の変動中予告パターン種別に分類される変動中予告演出では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数(大当り時ラウンド数)を報知・示唆するための演出動作が実行される。
一例として、変動中予告種別CAY1の変動中予告パターン種別では、遊技者により操作ボタン120が操作されたことに応じて、キャラクタ画像によるセリフを示す演出表示などが実行される。これに対して、変動中予告種別CAY2の変動中予告パターン種別では、遊技者により操作ボタン120が操作されたことに応じて、メールのメッセージ画像及び音声による演出動作などが実行される。
変動中予告種別CAY3の変動中予告パターン種別は、「ステップアップ動作」の変動中予告演出に含まれる演出動作として、演出表示装置9の表示領域にて、複数のキャラクタ画像となる演出画像を所定の順番に従って表示可能とするキャラクタ表示のステップアップ予告演出が実行される予告パターン種別である。また、変動中予告種別CAY3の変動中予告パターン種別に分類される変動中予告演出では、特図表示結果が「大当り」となる可能性などを報知・示唆するための演出動作が実行される。
図26は、演出パターン決定テーブル164に含まれる変動中予告パターン決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動中予告パターン決定テーブルとして、図26(A)に示す変動中予告パターン決定テーブル171Aと、図26(B)に示す変動中予告パターン決定テーブル171Bと、図26(C)に示す変動中予告パターン決定テーブル171Cとが、予め用意されている。変動中予告パターン決定テーブル171Aは、変動中予告種別CAY1の変動中予告パターン種別に決定された場合に、第1予告パターン決定用の乱数値SR2−1に基づいて、変動中予告演出の有無を決定するためや、変動中予告パターンを複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動中予告パターン決定テーブル171Bは、変動中予告種別CAY2の変動中予告パターン種別に決定された場合に、第2予告パターン決定用の乱数値SR2−2に基づいて、変動中予告演出の有無を決定するためや、変動中予告パターンを複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動中予告パターン決定テーブル171Cは、変動中予告種別CAY3の変動中予告パターン種別に決定された場合に、第3予告パターン決定用の乱数値SR2−3に基づいて、変動中予告演出の有無を決定するためや、変動中予告パターンを複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
変動中予告パターン決定テーブル171Aでは、特図変動パターン指定コマンド(図15に示すコマンド81XXH)により指定された特図変動パターンに応じて、予告なし、あるいは、変動中予告パターンYAP1−1〜変動中予告パターンYAP1−4の全部又は一部に、第1予告パターン決定用の乱数値SR2−1と比較される数値(決定値)が割り当てられている。変動中予告パターン決定テーブル171Bでは、特図変動パターン指定コマンドにより指定された特図変動パターンに応じて、予告なし、あるいは、変動中予告パターンYAP2−1〜変動中予告パターンYAP2−8の一部に、第2予告パターン決定用の乱数値SR2−2と比較される数値(決定値)が割り当てられている。変動中予告パターン決定テーブル171Cでは、特図変動パターン指定コマンドにより指定された特図変動パターンに応じて、予告なし、あるいは、変動中予告パターンYAP3−1〜変動中予告パターンYAP3−4の一部に、第3予告パターン決定用の乱数値SR2−3と比較される数値(決定値)が割り当てられている。なお、各変動中予告パターン決定テーブル171A〜171Cでは、予告なしの決定結果に対して、決定値が割り当てられないようにしてもよい。このようにしても、図25(A)に示す変動中予告パターン種別決定テーブル170にて変動中予告なしの決定結果に決定値が割り当てられていることから、変動中予告演出が実行されない場合を設けることができる。あるいは、変動中予告パターン種別決定テーブル170では、変動中予告なしの決定結果に対して決定値が割り当てられないように設定する一方で、各変動中予告パターン決定テーブル171A〜171Cでは、予告なしの決定結果に対して決定値が割り当てられるようにしてもよい。
図27(A)〜(C)は、各変動中予告パターンに対応した変動中予告演出での具体的な演出内容の設定例を示している。図27(A)に示す設定例において、変動中予告パターンYAP1−1では、操作ボタン120の操作(例えば押下操作など)に応じて「・・・」(セリフなし)が報知される。変動中予告パターンYAP1−2では、操作ボタン120の操作に応じて「がんばって!」のセリフ内容が報知される。変動中予告パターンYAP1−3では、操作ボタン120の操作に応じて「2回開放かな?」のセリフ内容が報知される。変動中予告パターンYAP1−4では、操作ボタン120の操作に応じて「2回開放だよ!」のセリフ内容が報知される。このように、変動中予告パターンYAP1−1〜変動中予告パターンYAP1−4におけるセリフ内容の報知動作は、「ボタン操作予告」の変動中予告演出で操作ボタン120の操作に応じて実行される演出動作となる。
図27(B)に示す設定例において、変動中予告パターンYAP2−1では、操作ボタン120の操作に応じて「V入賞すれば2ラウンドかも?」のメール内容が報知される。変動中予告パターンYAP2−2では、操作ボタン120の操作に応じて「V入賞すれば2ラウンドだよ!」のメール内容が報知される。変動中予告パターンYAP2−3では、操作ボタン120の操作に応じて「V入賞すれば7ラウンドかも?」のメール内容が報知される。変動中予告パターンYAP2−4では、操作ボタン120の操作に応じて「V入賞すれば7ラウンドだよ!」のメール内容が報知される。変動中予告パターンYAP2−5では、操作ボタン120の操作に応じて「V入賞すれば15ラウンドかも?」のメール内容が報知される。変動中予告パターンYAP2−6では、操作ボタン120の操作に応じて「V入賞すれば15ラウンドだよ!」のメール内容が報知される。変動中予告パターンYAP2−7では、操作ボタン120の操作に応じて「15ラウンドかも?」のメール内容が報知される。変動中予告パターンYAP2−8では、操作ボタン120の操作に応じて「15ラウンドだよ!」のメール内容が報知される。このように、変動中予告パターンYAP2−1〜変動中予告パターンYAP2−8におけるメール内容の報知動作は、「ボタン操作予告」の変動中予告演出で操作ボタン120の操作に応じて実行される演出動作となる。
図27(C)に示す設定例において、変動中予告パターンYAP3−1では、キャラクタCH11を示す演出画像が表示される。変動中予告パターンYAP3−2では、キャラクタCH11の表示に続いてキャラクタCH12を示す演出画像が表示される。変動中予告パターンYAP3−3では、キャラクタCH11及びキャラクタCH12の表示に続いてキャラクタCH13を示す演出画像が表示される。変動中予告パターンYAP3−4では、キャラクタCH11〜キャラクタCH13の表示に続いてキャラクタCH14を示す演出画像が表示される。ここで、キャラクタCH11を示す演出画像は、「ステップアップ動作」の予告演出における第1ステップの演出画像となる。また、キャラクタCH12〜キャラクタCH14を示す演出画像はそれぞれ、「ステップアップ動作」の予告演出における第2ステップ〜第4ステップの演出画像となる。なお、キャラクタCH11〜キャラクタCH14のうち、あるキャラクタの表示が行われるときには、他のキャラクタの表示が行われないようにしてもよいし、複数のキャラクタが同時に表示されるようにしてもよい。
図28(A)は、演出パターン決定テーブル164に含まれる入賞時予告パターン種別決定テーブル172の構成例を示している。入賞時予告パターン種別決定テーブル172は、入賞時予告演出を実行するか否か、また、実行する場合における入賞時予告パターン種別を複数種類のいずれとするかを、役物入賞時予告パターン種別決定用の乱数値SR1−2に基づいて、決定するために参照されるテーブルである。入賞時予告パターン種別決定テーブル172では、特図表示結果が「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれであるかに応じて、入賞時予告なし、あるいは、入賞時予告種別CBY1及び入賞時予告種別CBY2からなる入賞時予告パターン種別のいずれかに、役物入賞時予告パターン種別決定用の乱数値SR1−2と比較される数値(決定値)が割り当てられている。
図28(B)は、入賞時予告種別CBY1及び入賞時予告種別CBY2の各入賞時予告パターン種別に対応した入賞時予告演出での演出内容と予告事項を示している。入賞時予告種別CBY1の入賞時予告パターン種別は、「キャラクタメッセージ表示」の入賞時予告演出に含まれる演出動作として、演出表示装置9の表示領域にて、キャラクタ画像によるメッセージを示す演出表示などが実行される予告パターン種別である。また、入賞時予告種別CBY1の入賞時予告パターン種別に分類される入賞時予告演出では、始動動作状態にて開放状態となった可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が、ノーマルルートとしての第1経路900Aと、スペシャルルートとしての第2経路900Bとのうち、いずれを通過するかという通過経路を報知・示唆するための演出動作が実行される。
入賞時予告種別CBY2の入賞時予告パターン種別は、「演出画像表示」の入賞時予告演出に含まれる演出動作として、入賞時予告種別CBY1の入賞時予告パターン種別とは異なる所定の演出画像が表示されるなどの演出動作が実行される予告パターン種別である。また、入賞時予告種別CBY2の入賞時予告パターン種別に分類される入賞時予告演出では、可変入賞球装置20の開放動作が開始されるタイミングにおける回転体86の位置計測結果などに基づいて、可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が特定入賞口66Aに入賞(V入賞)する期待度を報知・示唆するための演出動作が実行される。
図29は、演出パターン決定テーブル164に含まれる入賞時予告パターン決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、入賞時予告パターン決定テーブルとして、図29(A)に示す入賞時予告パターン決定テーブル173Aと、図29(B)に示す入賞時予告パターン決定テーブル173Bとが、予め用意されている。入賞時予告パターン決定テーブル173Aは、入賞時予告種別CBY1の入賞時予告パターン種別に決定された場合に、第4予告パターン決定用の乱数値SR2−4に基づいて、入賞時予告演出の有無を決定するためや、入賞時予告パターンを複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。入賞時予告パターン決定テーブル173Bは、入賞時予告種別CBY2の入賞時予告パターン種別に決定された場合に、第5予告パターン決定用の乱数値SR2−5に基づいて、入賞時予告演出の有無を決定するためや、入賞時予告パターンを複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
入賞時予告パターン決定テーブル173Aでは、主基板31からの受信コマンドが第1役物入賞通知コマンド(図15に示すコマンドE001H)と第2役物入賞通知コマンド(図15に示すコマンドE002H)のいずれであるかに応じて、予告なし、あるいは、入賞時予告パターンYBP1−1〜入賞時予告パターンYBP1−4の一部に、第4予告パターン決定用の乱数値SR2−4と比較される数値(決定値)が割り当てられている。入賞時予告パターン決定テーブル173Bでは、V入賞期待度通知コマンド(図15に示すコマンドE2XXH)から特定されるV入賞期待度に応じて、予告なし、あるいは、入賞時予告パターンYBP2−1〜入賞時予告パターンYBP2−3に、第5予告パターン決定用の乱数値SR2−5と比較される数値(決定値)が割り当てられている。この実施の形態では、V入賞期待度通知コマンドから特定されるV入賞期待度が、「大」(V入賞期待度が高い)又は「小」(V入賞期待度が低い)の2段階に分類されている。これに対して、例えば「大」、「中」、「小」の3段階といった、より多くの複数段階に分類されるようにしてもよい。なお、各入賞時予告パターン決定テーブル173A、173Bでは、予告なしの決定結果に対して、決定値が割り当てられないようにしてもよい。このようにしても、図28(A)に示す入賞時予告パターン種別決定テーブル172にて入賞時予告なしの決定結果に決定値が割り当てられていることから、入賞時予告演出が実行されない場合を設けることができる。あるいは、入賞時予告パターン種別決定テーブル172では入賞時予告なしの決定結果に対して決定値が割り当てられないように設定する一方で、各入賞時予告パターン決定テーブル173A、173Bでは、予告なしの決定結果に対して決定値が割り当てられるようにしてもよい。
図30(A)及び(B)は、各入賞時予告パターンに対応した入賞時予告演出での具体的な演出内容の設定例を示している。図30(A)に示す設定例において、入賞時予告パターンYBP1−1では、「がんばれ!!」のメッセージ内容が報知される。入賞時予告パターンYBP1−2では、「ノーマルルート!!」のメッセージ内容が報知される。入賞時予告パターンYBP1−3では、「激アツ!!」のメッセージ内容が報知される。入賞時予告パターンYBP1−4では、「スペシャルルート!!」のメッセージ内容が報知される。このように、入賞時予告パターンYBP1−1〜入賞時予告パターンYBP1−4におけるメッセージ内容の報知動作は、「キャラクタメッセージ表示」の入賞時予告演出で通過経路を報知・示唆するために実行される演出動作となる。
図30(B)に示す設定例において、入賞時予告パターンYBP2−1では、クラッカー不発を示す演出画像が表示される。入賞時予告パターンYBP2−2では、クラッカー破裂小を示す演出画像が表示される。入賞時予告パターンYBP2−3では、クラッカー破裂大を示す演出画像が表示される。このように、入賞時予告パターンYBP2−1〜入賞時予告パターンYBP2−3における演出画像の表示動作は、「演出画像表示」の入賞時予告演出でV入賞期待度を報知・示唆するために実行される演出動作となる。
この実施の形態では、演出制御パターンテーブル165に含まれる図柄変動制御パターンテーブルとして、図31(A)に示す図柄変動制御パターンテーブル180が予め用意され、演出制御パターンテーブル165に含まれる各種演出制御パターンテーブルとして、図31(B)に示す各種演出制御パターンテーブル181が予め用意され、演出制御パターンテーブル165に含まれる予告演出制御パターンテーブルとして、予告演出制御パターンテーブル182が予め用意されている。なお、演出制御パターンテーブル165は、複数種類の演出制御パターンを構成するパターンデータの記憶アドレスを管理するアドレス管理テーブルとして構成されてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けの演出制御用ROMにおいて、演出制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが所定の記憶領域に記憶され、この記憶領域とは別の領域に、個々の演出制御パターンを構成するパターンデータが記憶されればよい。
図柄変動制御パターンテーブル180には、複数の特図変動パターン等に対応して、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における飾り図柄の可変表示動作や、リーチ演出における演出表示動作といった、各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されていればよい。各種演出制御パターンテーブル181には、始動動作状態に制御されている期間(小当り中)や大当り遊技状態に制御されている期間(大当り中)などにおける、各種の演出制御の内容を示すデータが、各種演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。予告演出制御パターンテーブル182には、変動中予告パターンや入賞時予告パターンといった複数の予告パターンに対応して、変動中予告演出や入賞時予告演出といった予告演出における演出動作の制御内容を示すデータが、予告演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。
図32(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。図柄変動パターンテーブル180に格納された図柄変動制御パターンや、各種演出制御パターンテーブル181に格納された各種演出制御パターン、予告演出制御パターンテーブル182に格納された予告演出制御パターンといった、各種の演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データの全部又は一部から構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。
演出制御プロセスタイマ判定値は、図33に示す演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ100において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ27からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば天枠ランプ28aや左枠ランプ28b、右枠ランプ28cといった、装飾発光部材の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、装飾発光部材の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン120に対する操作を有効に検出する操作有効期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、操作ボタン120を用いた演出動作態様を示すデータが含まれている。
図32(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用マイクロコンピュータ100において、演出制御用CPU101は演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置9の表示領域に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ27から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で装飾発光部材を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にて操作ボタン120に対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、特図変動パターン指定コマンドに示された特図変動パターンなどに基づいて各種の演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、演出制御用ROMから読み出してRAMの所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータの演出制御用ROMにおける記憶アドレスを、RAMの所定領域に一時記憶させて、演出制御用ROMにおける記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU101は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、天枠ランプ28a等の装飾発光部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容などを示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用マイクロコンピュータ100からVDP109や音声出力基板70などに対して出力される。演出制御用マイクロコンピュータ100からの指令を受けたVDP109では、その指令に示される画像データをCGROMから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100からの指令を受けた音声出力基板70では、例えば音声合成用IC703がその指令に示される音声データを音声データROM704から読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けされたRAMには、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図33に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図33に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示状態といった演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板31では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ560が起動し、CPU56によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU56は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM55がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU56へ送出され、CPU56は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU56は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図34のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図34に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU56は、まず、所定の電源断処理を実行する(ステップS11)。この電源断処理では、所定の電源確認信号における信号状態をチェックする。電源確認信号は、パチンコ遊技機1に供給される電源電圧の低下が検出されたか否かを示す信号として、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路などから出力される。そして、電源電圧の低下により電源断が発生したと判定された場合には、バックアップに必要なデータをRAM55のバックアップ領域に保存した後、チェックサムバッファの設定や、RAM55をアクセス禁止とする設定、電源確認信号の監視などといった、所定の設定や処理を実行する。
電源断処理に続いてスイッチ処理を実行することにより、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ60、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、入賞口スイッチ33a、38a、39a、カウントスイッチ23、上側位置センサ91a、下側位置センサ91b、回転体第1位置センサ87a、回転体第2位置センサ87b及び第1貯留部位置センサ90cといった各種スイッチやセンサから、入力ドライバ回路58を介して入力される検出信号の状態を判定する(ステップS12)。スイッチ処理を実行した後には、表示制御処理を実行する(ステップS13)。表示制御処理では、特別図柄表示器8や普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41における表示制御を行うための駆動信号などが、各表示器へと出力される。表示制御処理に続いて、遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。遊技用乱数更新処理では、遊技用乱数となる各種の乱数値を示す数値データの全部又は一部を、CPU56がソフトウェアにより更新する。
遊技用乱数更新処理に続いて特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、その特図プロセスフラグの値に対応して、特別図柄表示器8による特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うための各種設定や、可変入賞球装置20における入賞口の開閉動作や開閉板16による大入賞口の開閉動作を制御するための各種設定などが行われる。特別図柄プロセス処理を実行した後には、普通図柄プロセス処理を実行する(ステップS16)。普通図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、その普図プロセスフラグの値に対応して、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示を行うための各種設定や、普通可変入賞球装置61における始動入賞口の開閉動作を制御するための各種設定などが行われる。
普通図柄プロセス処理に続いてコマンド制御処理を実行する(ステップS17)。コマンド制御処理では、例えば演出制御コマンドといった各種の制御コマンドが、メイン側である主基板31からサブ側となる各種の制御基板(演出制御基板80など)に対して送信される。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O57に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板80に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。
コマンド制御処理を実行した後には、回転体制御処理を実行する(ステップS18)。回転体制御処理では、回転体駆動モータ87に対して駆動信号を出力することなどにより、回転体86の駆動制御が行われる。この実施の形態では、CPU56が遊技制御用タイマ割込み処理を実行するごとに、ステップS18にて回転体制御処理が繰り返し実行されることにより、特別図柄の可変表示状態や可変入賞球装置20の開閉状態などに関わりなく、遊技中に回転体86が常に回転動作を行うように制御する。これに対して、可変入賞球装置20が始動動作を開始するタイミングで回転体86の回転動作を開始させ、始動動作が終了してから所定時間が経過したことなどを条件に回転体86の回転動作を停止させるようにしてもよい。この場合には、回転体86の回転動作を停止させるときに、回転体の回転位置を所定の初期位置に戻さないようにしてもよいし、回転動作が停止するごとに、回転位置を初期位置に戻すようにしてもよい。
回転体制御処理に続いて回転体位置計測処理を実行する(ステップ19)。回転体位置計測処理では、回転体第1位置センサ87aから伝送された検出信号に基づいて、回転体86の回転位置が計測される。回転体位置計測処理を実行した後には、情報出力処理を実行する(ステップS20)。情報出力処理では、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報や始動情報、有利状態情報などのデータを作成して、主基板31からパチンコ遊技機1の外部へと出力するための設定などが行われる。情報出力処理に続いて賞球処理を実行する(ステップS21)。賞球処理では、始動スイッチ60や第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、入賞口スイッチ33a、38a、39a、カウントスイッチ23などから伝送される検出信号に基づき、払出制御基板37に対し遊技球の入賞検出に応じた賞球個数を示す払出制御コマンドを送信するための設定などが行われる。
賞球処理を実行した後にはソレノイド出力処理を実行する(ステップS22)。ソレノイド出力処理では、可動部ソレノイド62や開閉板16用のソレノイド21、開放ソレノイド75、第1貯留部ソレノイド90a、第2貯留部ソレノイド90bといった、各種のソレノイドを駆動あるいは停止させるために、駆動信号の出力制御などが行われる。ソレノイド出力処理に続いて可動部材初期位置制御処理を実行する(ステップS23)。可動部材初期位置制御処理では、可動部材77の位置を初期位置に設定するための制御などが行われる。
可動部材初期位置制御処理を実行した後には、特別図柄表示制御処理を実行する(ステップS24)。特別図柄表示制御処理では、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示を行うための特別図柄表示制御データを、例えば遊技制御バッファ設定部155に含まれる特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理などが行われる。この出力バッファに設定された特別図柄表示制御データに応じて、CPU56がステップS13の表示制御処理で駆動信号を出力することにより、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示が実行される。特別図柄表示制御処理に続いて普通図柄表示制御処理を実行する(ステップS25)。普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示を行うための普通図柄表示制御データを、例えば遊技制御バッファ設定部155に含まれる普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理などが行われる。この出力バッファに設定された普通図柄表示制御データに応じて、CPU56がステップS13の表示制御処理で駆動信号を出力することにより、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示が実行される。普通図柄表示制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定するなどしてから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了すればよい。
図35は、特別図柄プロセス処理として、図34に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図36は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図36に示す始動入賞判定処理において、CPU56は、まず、始動口スイッチ60から伝送される検出信号をチェックすることなどにより、始動口スイッチ60がオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、始動口スイッチ60がオフであれば(ステップS201;No)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口スイッチ60がオンであるときには(ステップS201;Yes)、特図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶数に対応した特図保留記憶数を示す特図保留記憶カウント値が、特図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。
ステップS202にて特図保留記憶カウント値が特図保留上限値であれば(ステップS202;Yes)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、特図保留記憶カウント値が特図保留上限値ではない場合には(ステップS202;No)、特図保留記憶カウント値を1加算して更新する(ステップS203)。そして、乱数回路503等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR2を示す数値データを抽出する(ステップS204)。このとき抽出した乱数値MR2を示す数値データが、保留データとして特図保留記憶部151Bにおける空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR2が記憶される(ステップS205)。
ステップS205の処理に続いて、特別図柄保留記憶表示器18の表示を、特図保留記憶カウント値に対応した表示に更新する(ステップS206)。そして、演出制御基板80に対して、始動入賞通知コマンドを送信するための設定を行ってから(ステップS207)、始動入賞判定処理を終了する。ステップS207の処理では、例えばROM54における始動入賞通知コマンドテーブルの記憶アドレスを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにセットすればよい。こうして設定された始動入賞通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図34に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から中継基板177を介し演出制御基板80に対して伝送される。以上のような始動入賞判定処理を実行した後には、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、図35に示すステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶の有無などに基づいて、特別図柄表示器8による特図ゲームを開始するための特図開始条件が成立したか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、特図表示結果を「大当り」あるいは「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれとするかの判定が行われる。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特図表示結果に対応して、特別図柄表示器8による特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄又は小当り図柄)が設定される。
ステップS111の特図変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される 。この特図変動パターン設定処理には、特図表示結果などに基づいて、特図変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。なお、特別図柄表示器8による特図ゲームにおける確定特別図柄を設定する処理は、特図変動パターン設定処理に含まれてもよい。
ステップS112の特別図柄変動中処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動中処理には、特別図柄表示器8において特別図柄の変動が開始されてからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動中処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、特別図柄表示器8による特別図柄を用いた特図ゲームにおける経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が特図変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、特別図柄表示器8にて特別図柄の変動を停止させ、特図表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定が行われ、大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに対応して、特図プロセスフラグの値を“7”に更新する。また、大当りフラグがオフである場合には、特図表示結果が「小当り」であることに対応して、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。
ステップS114の役物開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この役物開放前処理では、始動動作状態にて可変入賞球装置20を閉鎖状態から開放状態に変化させるための設定などが行われる。ステップS115の役物開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この役物開放中処理では、役物開放動作制御パターン142に基づいて、可変入賞球装置20を所定の開放時間(例えば0.9秒)及び入賞口開放回数(1回又は2回)まで開放状態とする制御が行われる。また、役物開放中処理には、可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球や排出された遊技球、特定入賞口66Aに入賞(V入賞)した遊技球などを検出するための処理なども含まれている。ステップS116の役物開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この役物開放後処理では、始動動作状態を終了するための設定などが行われる。このとき、特定入賞口66Aに入賞(V入賞)した遊技球が検出されていれば、大当り遊技状態に制御されることに対応して、特図プロセスフラグの値を“7”に更新する。また、特定入賞口66Aに入賞(V入賞)した遊技球が検出されていなければ、大当り遊技状態とならずに始動動作状態が終了することに対応して、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS117の大入賞口開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大入賞口開放前処理では、大当り遊技状態にて開閉板16により大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を開始するための設定などが行われる。ステップS118の大入賞口開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この大入賞口開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻して1回のラウンド遊技を終了させるタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。ステップS119の大入賞口開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この大入賞口開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が大当り時ラウンド数に対応した回数に達したか否かを判定する処理などが含まれている。ステップS120の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了後に制御される有利状態の設定を行う処理などが含まれている。
図37は、図35のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図37に示す特別図柄通常処理において、CPU56は、まず、特図保留記憶カウント値が「0」であるか否か、すなわち、特図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS221)。このとき、特図保留記憶カウント値が「0」以外の値であれば(ステップS221;No)、特図保留記憶部151Bから、保留データを読み出す(ステップS222)。このときには、特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR2を示す数値データを読み出す。
ステップS222の処理に続いて、特図保留記憶カウント値を1減算するとともに、特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS223)。また、特図表示結果を「大当り」とするか「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれかとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130Bを選択してセットする(ステップS224)。例えば、ステップS224の処理では、ROM54における特図表示結果決定テーブル130Bの記憶アドレス(先頭アドレス)が、使用テーブルポインタにセットされる。CPU56は、こうしてセットされた特図表示結果決定テーブル130Bを参照することにより、ステップS222にて読み出された特図表示結果決定用の乱数値MR2を示す数値データが、「大当り」の特図表示結果に割り当てられた決定値のいずれかと合致するか否かに応じて、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」とするか否かを判定する(ステップS225)。このときには、特図表示結果決定テーブル130Bを用いて決定された特図表示結果に対応して、遊技制御バッファ設定部155に設けられた特図表示結果バッファの格納値である特図表示結果バッファ値が更新されればよい。
ステップS225にて可変表示結果を「大当り」にすると判定された場合には(ステップS225;Yes)、特図ゲームの終了後に始動動作状態とならずに大当り遊技状態に制御することに対応して、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS226)。これに対して、可変表示結果を「大当り」にしないと判定された場合には(ステップS225;No)、特図表示結果を「小当り」とすることに対応して、有利状態フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS227)。このとき、有利状態フラグがオンであれば(ステップS227;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた有利状態カウンタの格納値である有利状態カウント値を、1減算して更新する(ステップS228)。ここで、有利状態カウンタには、大当り遊技状態の終了時に、有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数に対応したカウント初期値が設定される。そして、ステップS228の処理で有利状態カウント値が1減算されることにより、特図表示結果が「大当り」とならない特図ゲームが実行されるごとに、有利状態にて実行可能な特図ゲームの残存回数がカウントダウンされる。
ステップS228の処理を実行したときには、演出制御基板80に対して有利状態残回数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS229)。ステップS209の処理では、例えばROM54における有利状態残回数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを、送信コマンドバッファにセットすればよい。こうして設定された有利状態残回数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図34に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から中継基板177を介し演出制御基板80に対して伝送される。その後、ステップS228における更新後の有利状態カウント値が「0」となったか否かを判定する(ステップS230)。このとき、有利状態カウント値が「0」であれば(ステップS230;Yes)、有利状態を終了することに対応して、遊技制御フラグ設定部152に設けられた有利状態終了フラグをオン状態にセットする(ステップS231)。
ステップS226の処理を実行した後や、ステップS227にて有利状態フラグがオフである場合(ステップS227;No)、ステップS230にて有利状態カウント値が「0」以外である場合(ステップS230;No)、あるいは、ステップS231の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を特図変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS232)、特別図柄通常処理を終了する。なお、特別図柄通常処理を終了する前に、特図表示結果に応じた特図表示結果通知コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定が行われるようにしてもよい。
ステップS221にて特図保留記憶カウント値が「0」である場合には(ステップS221;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS233)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS233におけるデモ表示設定では、例えば演出表示装置9において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する客待ちデモ指定コマンドが、主基板31から演出制御基板80に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、例えばROM54における客待ちデモ指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、客待ちデモ指定コマンドの送信設定を行う。
図38は、図35のステップS111にて実行される特図変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す特図変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、特図変動パターンを決定するための使用テーブルとして、特図変動パターン決定テーブル131を選択してセットする(ステップS241)。続いて、遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS242)。CPU56は、ステップS241にてセットされた特図変動パターン決定テーブル131を参照することにより、ステップS242にて抽出された特図変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づき、特図変動パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS243)。
ステップS243の処理を実行した後には、決定された特図変動パターンに応じた特図変動パターン指定コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS244)。このときには、例えばステップS243の処理で決定された特図変動パターンにおける特図変動時間に対応したタイマ初期値を遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにセットすることなどにより、特図変動時間を設定する(ステップS245)。また、例えばROM54に記憶されている特別図柄表示制御データの読出設定を行うといった、特別図柄の変動を開始するための設定を行う(ステップS246)。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS247)、特図変動パターン設定処理を終了する。
図39は、図35のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図39に示す特別図柄停止処理において、CPU56は、まず、例えばROM54に記憶されている特別図柄表示制御データのうちで、確定特別図柄に対応した制御データの読出設定を行うといった、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS261)。このときには、特図変動終了コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS262)。そして、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS263)。
ステップS263にて大当りフラグがオンである場合には(ステップS263;Yes)、大当り開始指定コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS264)。また、大入賞口開放カウント初期値の設定を行う(ステップS265)。このときには、特図表示結果が「大当り」となったことに対応して、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた大入賞口開放カウンタに、大当り時ラウンド数の「15」が設定されればよい。そして、CPU56は、ラウンド開始待ち時間を設定する(ステップS266)。例えば、ステップS266の処理では、ラウンド開始待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。その後、特図プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS267)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS263にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS263;No)、有利状態終了フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS268)。このとき、有利状態終了フラグがオンであれば(ステップS268;Yes)、有利状態終了フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS269)、有利状態フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS270)。こうして、有利状態を終了するための設定が行われる。
ステップS268にて有利状態終了フラグがオフである場合や(ステップS268;No)、ステップS270の処理を実行した後には、小当り開始コマンドを主基板31から演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS271)。その後、特図プロセスフラグの値を役物開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS272)、特別図柄停止処理を終了する。
図40は、図35のステップS114にて実行される役物開放前処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す役物開放前処理において、CPU56は、まず、例えば特図表示結果バッファ値を読み取ることなどにより、特図表示結果が「第1小当り」であるか否かを判定する(ステップS281)。このとき、特図表示結果が「第1小当り」であれば(ステップS281;Yes)、始動動作状態にて可変入賞球装置20の開閉動作を制御するための使用パターンとして、第1役物開放動作制御パターン142Aを選択してセットする(ステップS282)。これに対して、特図表示結果が「第1小当り」以外であれば(ステップS281;No)、特図表示結果が「第2小当り」又は「第3小当り」である場合に対応して、可変入賞球装置20の開閉動作を制御するための使用パターンとして、第2役物開放動作制御パターン142Bを選択してセットする(ステップS283)。
ステップS282、S283の処理のいずれかを実行した後には、役物開放制御時間を設定する(ステップS284)。例えば、ステップS284の処理では、ステップS282にてセットされた第1役物開放動作制御パターン142A、又は、ステップS283にてセットされた第2役物開放動作制御パターン142Bから、役物開放制御時間を示すデータを読み出し、役物開放制御タイマにセットすればよい。その後、開放ソレノイド出力データをセットする(ステップS285)。例えば、ステップS285の処理では、ステップS282にてセットされた第1役物開放動作制御パターン142A、又は、ステップS283にてセットされた第2役物開放動作制御パターン142Bにて、役物開放制御時間を示すデータに続いて格納された開放ソレノイド出力データを読み出し、遊技制御バッファ設定部155に設けられたポート出力用バッファなどにセットすればよい。ここで、図34に示すステップS22のソレノイド出力処理では、ポート出力用バッファにセットされた開放ソレノイド出力データに基づいて開放ソレノイド75が駆動されることにより、可変入賞球装置20の開閉動作が行われる。
ステップS285の処理に続いて、開放時間あるいは閉鎖時間の設定を行う(ステップS286)。例えば、ステップS286の処理では、ステップS285の処理で読み出した開放ソレノイド出力データに続いて格納された開放時間又は閉鎖時間を示す値のデータを読み出し、開放閉鎖タイマにセットすればよい。また、CPU56は、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた役物内遊技球カウンタをクリアして、その格納値である役物内遊技球カウント値を「0」に初期化する(ステップS287)。そして、遊技制御タイマ設定部153に設けられた役物開放タイマをスタートさせることにより(ステップS288)、始動動作状態にて可変入賞球装置20を開放状態としてからの経過時間を計測する。
ステップS288の処理を実行した後には、図34に示すステップS19の回転体位置計測処理で更新される回転体位置計測カウント値を読み出す(ステップS289)。そして、ステップS289での読出値に基づき、例えば予め用意されたV入賞期待度判定テーブルを参照することなどにより、回転体位置計測カウント値に対応したV入賞期待度を特定する(ステップS290)。例えば、ステップS290の処理では、可変入賞球装置20の内部に設けられたノーマルルートとなる第1経路900Aとスペシャルルートとなる第2経路900Bのそれぞれについて、遊技球がV入賞する期待度を特定すればよい。ここで、始動動作状態にて可変入賞球装置20を開放状態とする制御が開始されるタイミングから所定時間が経過したときに、第1貯留部や第2貯留部が閉鎖状態から開放状態となることから、可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球がV入賞する期待度は、始動動作状態の開始タイミングにおける回転体86の位置計測結果から、ある程度までは予測することができる。そこで、可変入賞球装置20を開放状態とする制御が開始されたときに回転体86の回転位置から、V入賞する可能性を特定可能に予めV入賞期待度判定テーブルに設定しておけばよい。
なお、V入賞期待度の特定は、演出制御基板80の側で行われるようにしてもよい。この場合、例えば演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101が、図34に示すステップS19の回転体位置計測処理と同様の処理を実行することにより、回転体86の回転位置を計測すればよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、可変入賞球装置20を開放状態とする制御を開始するときに、役物開放指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する。このとき、演出制御用CPU101は、ステップS290と同様の処理を実行して、V入賞期待度を特定すればよい。
一例として、V入賞期待度判定テーブルでは、回転体位置計測カウント値が「10000」〜「10999」のいずれかであればV入賞期待度が高いと判定され、それ以外の値であればV入賞期待度が低いと判定されるように、テーブルデータが構成されていればよい。なお、第1経路900Aと第2経路900Bのそれぞれに対応して、異なる回転体位置計測カウント値に応じてV入賞期待度の高低が判定されるようにテーブルデータが構成されてもよい。
ステップS290の処理に続いて、特定されたV入賞期待度を通知するV入賞期待度通知コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS291)。その後、特図プロセスフラグの値を役物開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS292)、役物開放前処理を終了する。 図41及び図42は、図35のステップS115にて実行される役物開放中処理の一例を示すフローチャートである。この役物開放中処理において、CPU56は、まず、例えば役物開放制御タイマにおける格納値である役物開放制御タイマ値をチェックすることなどにより、役物開放制御時間が経過したか否かを判定する(図41のステップS301)。ここで、役物開放制御タイマ値は、例えば図40に示すステップS284の処理で初期値が設定された後、ステップS301にて役物開放制御時間が経過したと判定されるまで、役物開放中処理が実行されるごとに1減算するように更新されればよい。そして、ステップS301の処理では、更新後の役物開放制御タイマ値が「0」となったか否かに応じて、役物開放制御時間が経過したか否かを判定すればよい。
ステップS301にて役物開放制御時間が経過していない場合には(ステップS301;No)、例えば開放閉鎖タイマにおける格納値である開放閉鎖タイマ値をチェックすることなどにより、開放時間あるいは閉鎖時間が経過したか否かを判定する(ステップS302)。ここで、開放閉鎖タイマ値は、例えば図40に示すステップS286の処理や、後述するステップS317の処理にて、初期値が設定された後、ステップS302にて開放時間あるいは閉鎖時間が経過したと判定されるまで、役物開放中処理が実行されるごとに1減算するように更新されればよい。そして、ステップS302の処理では、更新後の開放閉鎖タイマ値が「0」となったか否かに応じて、開放時間あるいは閉鎖時間が経過したか否かを判定すればよい。
ステップS302にて開放時間あるいは閉鎖時間が経過していない場合には(ステップS302;No)、第1役物入賞スイッチ71aから伝送される検出信号をチェックすることなどにより、第1役物入賞スイッチ71aがオンであるか否かを判定する(ステップS303)。このとき、第1役物入賞スイッチ71aがオンであれば(ステップS303;Yes)、可変入賞球装置20の第1進入口71に入賞した遊技球が検出されたことに対応して、役物内遊技球カウント値を1加算して更新するとともに(ステップS304)、演出制御基板80に対して第1役物入賞通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS305)。
ステップS303にて第1役物入賞スイッチ71aがオフである場合や(ステップS303;No)、ステップS305の処理を実行した後には、第2役物入賞スイッチ72aから伝送される検出信号をチェックすることなどにより、第2役物入賞スイッチ72aがオンであるか否かを判定する(ステップS306)。このとき、第2役物入賞スイッチ72aがオンであれば(ステップS306;Yes)、可変入賞球装置20の第2進入口72に入賞した遊技球が検出されたことに対応して、役物内遊技球カウント値を1加算して更新するとともに(ステップS307)、演出制御基板80に対して第2役物入賞通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS308)。
ステップS306にて第2役物入賞スイッチ72aがオフである場合や(ステップS306;No)、ステップS308の処理を実行した後などには、役物排出スイッチ85aから伝送される検出信号をチェックすることなどにより、役物排出スイッチ85aがオンであるか否かを判定する(ステップS309)。このとき、役物排出スイッチ85aがオンであれば(ステップS309;Yes)、可変入賞球装置20の内部から排出された遊技球が検出されたことに対応して、役物内遊技球カウント値を1減算して更新する(ステップS310)。
ステップS309にて役物排出スイッチ85aがオフである場合や(ステップS309;No)、ステップS310の処理を実行した後には、特定領域スイッチ66aから伝送される検出信号をチェックすることなどにより、特定領域スイッチ66aがオンであるか否かを判定する(ステップS311)。このとき、特定領域スイッチ66aがオンであれば(ステップS311;Yes)、遊技球が特定入賞口66Aに進入したことに対応して、V入賞フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS312)、演出制御基板80に対してV入賞通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS313)。ステップS311にて特定領域スイッチ66aがオフである場合や(ステップS311;No)、ステップS313の処理を実行した後には、役物開放中処理を終了する。
ステップS302にて開放時間あるいは閉鎖時間が経過した場合には(ステップS302;Yes)、次の開放ソレノイド出力データをセットする(ステップS314)。例えば、ステップS314の処理では、図40に示すステップS282にてセットされた第1役物開放動作制御パターン142A、又は、ステップS283にてセットされた第2役物開放動作制御パターン142Bから、既に用いられた開放時間又は閉鎖時間を示す値のデータに続いて格納されている開放ソレノイド出力データを読み出し、ポート出力用バッファなどにセットすればよい。その後、ステップS314でセットした開放ソレノイド出力データに続いて格納されているデータが終了コードであるか否かを判定する(ステップS315)。
ステップS315にて終了コードであると判定された場合には(ステップS315;Yes)、入賞監視時間を設定してから(ステップS316)、役物開放中処理を終了する。例えば、ステップS316の処理では、入賞監視時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマなどにセットされればよい。ステップS315にて終了コードではないと判定された場合には(ステップS315;No)、開放時間あるいは閉鎖時間を設定してから(ステップS317)、役物開放中処理を終了する。例えば、ステップS317の処理では、ステップS314の処理で読み出した開放ソレノイド出力データに続いて格納された開放時間又は閉鎖時間を示す値のデータを読み出し、開放閉鎖タイマにセットすればよい。
ステップS301にて役物開放制御時間が経過した場合には(ステップS301;Yes)、入賞監視時間が経過したか否かを判定する(ステップS318)。このとき、入賞監視時間が経過していなければ(ステップS318;No)、ステップS302の処理に進む。これに対して、入賞監視時間が経過した場合には(ステップS318;Yes)、役物内遊技球カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS319)。
ステップS319にて役物内遊技球カウント値が「0」である場合には(ステップS319;Yes)、役物開放タイマをリセットする(ステップS320)。そして、特図プロセスフラグの値を役物開放後処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS321)、役物開放中処理を終了する。
ステップS319にて役物内遊技球カウント値が「0」になっていない場合には(ステップS319;No)、可変入賞球装置20の内部に設けられた第1貯留部を開放状態としていることを示す第1貯留部開放フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS322)。このとき、第1貯留部開放フラグがオフであれば(ステップS322;No)、役物開放タイマ値が所定の第1貯留部開放判定値と合致するか否かを判定する(ステップS323)。ここで、第1貯留部開放判定値は、例えば可変入賞球装置20を1回目の開放状態とする制御が開始されてから所定時間(例えば8秒)が経過したタイミングを、役物開放タイマ値に基づいて判定できるように、予め定められた値であればよい。
ステップS323にて第1貯留部開放判定値と合致した場合には(ステップS323;Yes)、第1貯留部ソレノイド90aを駆動して第1貯留部材93aを移動(退避)させるための設定といった、第1貯留部を開放状態とする設定を行う(ステップS324)。このときには、第1貯留部開放フラグをオン状態にセットする(ステップS325)。
可変入賞球装置20の第1進入口71に進入した遊技球が第1経路900Aを経由して第1貯留部に貯留された場合には、ステップS322〜S325の処理が実行されることにより、始動動作状態にて可変入賞球装置20の入賞口開放動作が開始されてから所定時間が経過した後に、第1貯留部が開放状態となり、遊技球が回転体86へと誘導される(図9(A)〜(C)参照)。そして、特定入賞口66Aに入賞した場合には図41に示すステップS311の処理で特定領域スイッチ66aにより遊技球が検出され、特定入賞口66Aに入賞せずに排出された場合には図41に示すステップS309の処理で役物排出スイッチ85aにより遊技球が検出されることになる。なお、特定入賞口66Aに入賞した場合にも、図41に示すステップS309の処理で役物排出スイッチ85aにより遊技球が検出されてもよい。
ステップS322にて第1貯留部開放フラグがオンである場合や(ステップS322;Yes)、ステップS323にて役物開放タイマ値が第1貯留部開放判定値と合致しない場合(ステップS323;No)、あるいは、ステップS325の処理を実行した後には、可変入賞球装置20の内部に設けられた第2貯留部を開放状態としていることを示す第2貯留部開放フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS326)。このとき、第2貯留部開放フラグがオフであれば(ステップS326;No)、役物開放タイマ値が所定の第2貯留部開放判定値と合致するか否かを判定する(ステップS327)。ここで、第2貯留部開放判定値は、例えば可変入賞球装置20を1回目の開放状態とする制御が開始されてから所定時間(例えば12秒)が経過したタイミングを、役物開放タイマ値に基づいて判定できるように、予め定められた値であればよい。
ステップS327にて第2貯留部開放判定値と合致した場合には(ステップS327;Yes)、第2貯留部ソレノイド90bを駆動して第2貯留部材93bを移動(退避)させるための設定といった、第2貯留部を開放状態とする設定を行う(ステップS328)。このときには、第2貯留部開放フラグをオン状態にセットする(ステップS329)。
ステップS326にて第2貯留部開放フラグがオンである場合や(ステップS326;Yes)、ステップS327にて役物開放タイマ値が第2貯留部開放判定値と合致しない場合(ステップS327;No)、あるいは、ステップS329の処理を実行した後には、役物開放タイマ値が所定の可動部材駆動判定値と合致するか否かを判定する(ステップS330)。ここで、可動部材駆動判定値は、例えば可変入賞球装置20を1回目の開放状態とする制御が開始されてから所定時間(例えば13秒)が経過したタイミングを、役物開放タイマ値に基づいて判定できるように、予め定められた値であればよい。
ステップS330にて可動部材駆動判定値と合致した場合には(ステップS330;Yes)、可動部材制御処理を実行してから(ステップS331)、図41に示すステップS309の処理に進む。また、ステップS330にて可動部材駆動判定値と合致しない場合には(ステップS330;No)、ステップS331の可動部材制御処理を実行せずに、図41に示すステップS309の処理に進む。
可変入賞球装置20の第2進入口72に進入した遊技球が第2経路900Bを経由して第2貯留部に貯留された場合には、ステップS326〜S331の処理が実行されることにより、始動動作状態にて可変入賞球装置20の入賞口開放動作が開始されてから所定時間が経過した後に、第2貯留部が開放状態となり、遊技球が可動部材77へと誘導される。そして、可動部材77の配置が右上方から左下方に斜めに傾斜した状態に変更されることにより、遊技球が可動部材77の内部を通過して回転体86へと誘導される(図10(A)及び(B)参照)。この後、特定入賞口66Aに入賞した場合には図41に示すステップS311の処理で特定領域スイッチ66aにより遊技球が検出され、特定入賞口66Aに入賞せずに排出された場合には図41に示すステップS309の処理で役物排出スイッチ85aにより遊技球が検出されることになる。なお、特定入賞口66Aに入賞した場合にも、図41に示すステップS309の処理で役物排出スイッチ85aにより遊技球が検出されてもよい。
なお、図41に示すステップS303〜S313の処理は、例えば役物開放中処理と役物開放後処理との間で実行される処理といった、役物開放中処理とは別個の処理として実行されてよい。また、ステップS301にて役物開放制御時間が経過する以前であっても、例えば所定個数の遊技球が可変入賞球装置20の内部に進入したことが検出されたときなどに、始動動作状態を終了させるようにしてもよい。さらに、図41に示すステップS311にて特定領域スイッチ66aがオンであると判定されたときには、直ちに始動動作状態を終了して大当り遊技状態へと制御するようにしてもよい。
図43は、図42のステップS331にて実行される可動部材制御処理の一例を示すフローチャートである。図43に示す可動部材制御処理において、CPU56は、まず、可動部材77を動作中としていることを示す可動部材動作中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、可動部材動作中フラグがオフであれば(ステップS501;No)、可動部材77の配置を既に変更したことを示す可動部材動作完了フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、可動部材動作完了フラグがオンである場合には(ステップS502;Yes)、可動部材制御処理を終了する。
ステップS502にて可動部材動作完了フラグがオフである場合には(ステップS502;No)、可動部材駆動モータ77Bを駆動して可動部材77の配置変更を開始するための設定を行う(ステップS503)。これにより、例えば図6に示すように、可変入賞球装置20の内部にて上方で水平な状態から、可変入賞球装置20の内部にて右上方から左下方に斜めに傾いた状態となるように、可動部材77の配置が変更される。なお、可動部材77の配置変更と連動して、装飾部材78の配置変更が行われることにより、例えば図6に示すように、装飾部材78が可動部材77の前方に重なるように連携した移動が行われる。ステップS503の処理を実行したときには、可動部材動作中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS504)、可動部材制御処理を終了する。
ステップS501にて可動部材動作中フラグがオンである場合には(ステップS501;Yes)、下側位置センサ91bから伝送される検出信号をチェックすることなどにより、下側位置センサ91bがオンであるか否かを判定する(ステップS505)。このとき、下側位置センサ91bがオフであれば(ステップS505;No)、可動部材制御処理を終了して、可動部材77の配置変更を継続させるように制御を行う。
ステップS505にて下側位置センサ91bがオンである場合には(ステップS505;Yes)、可動部材駆動モータ77Bの駆動を停止して可動部材77の配置変更を停止するための設定を行う(ステップS506)。このときには、可動部材動作中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS507)。また、可動部材77を初期位置に復帰させることを要求する可動部材初期位置設定要求フラグをオン状態にセットする(ステップS508)。そして、可動部材動作完了フラグをオン状態にセットしてから(ステップS509)、可動部材制御処理を終了する。この実施の形態では、可動部材77の左端部分が最も下方まで移動してステップS506で配置変更が停止された場合に、ステップS508で可動部材初期位置設定要求フラグがオン状態にセットされたことに基づいて、図34に示すステップS23の可動部材初期位置制御処理により直ちに可動部材77を初期位置に戻す制御が開始される。
図44は、図35のステップS116にて実行される役物開放後処理の一例を示すフローチャートである。図44に示す役物開放後処理において、CPU56は、まず、第1貯留部開放フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS341)。このとき、第1貯留部開放フラグがオンであれば(ステップS341;Yes)、第1貯留部ソレノイド90aの駆動を停止して第1貯留部材93aを移動(進出)させるための設定といった、第1貯留部を閉鎖状態とする設定を行う(ステップS342)。このときには、第1貯留部開放フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS343)。
ステップS341にて第1貯留部開放フラグがオフである場合や(ステップS341;No)、ステップS343の処理を実行した後には、演出制御基板80に対して小当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS345)。続いて、V入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS346)。このとき、V入賞フラグがオフであれば(ステップS346;No)、始動動作状態が終了しても大当り遊技状態には制御されないことから、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新して(ステップS347)、役物開放後処理を終了する。
ステップS346にてV入賞フラグがオンである場合には(ステップS346;Yes)、大入賞口開放カウント初期値を設定する(ステップS348)。例えば、ステップS348の処理では、特図表示結果バッファ値を読み取ることなどにより、特図表示結果が「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれであったかを特定する。そして、特定された特図表示結果に応じた大当り時ラウンド数を、大入賞口開放カウンタにセットすればよい。より具体的には、特図表示結果が「第1小当り」であれば大当り時ラウンド数として「2」が大入賞口開放カウンタにセットされ、「第2小当り」であれば大当り時ラウンド数として「7」が大入賞口カウンタにセットされ、「第3小当り」であれば大当り時ラウンド数として「15」が大入賞口カウンタにセットされる。
ステップS348の処理に続いて、ラウンド開始待ち時間を設定する(ステップS349)。また、大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS350)。さらに、大当り開始指定コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS351)。そして、特図プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS352)、役物開放後処理を終了する。
図45は、図35のステップS117にて実行される大入賞口開放後処理の一例を示すフローチャートである。図45に示す大入賞口開放後処理において、CPU56は、まず、大入賞口開放時表示コマンドを送信済みであるか否かを判定する(ステップS361)。このとき、大入賞口開放時表示コマンドを送信していなければ(ステップS361;No)、演出制御基板80に対して大入賞口開放時表示コマンドを送信するための設定を行う(ステップS362)。
ステップS361にて大入賞口開放時表示コマンドを送信済みである場合や(ステップS361;Yes)、ステップS362の処理を実行した後には、ラウンド開始待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS363)。このとき、ラウンド開始待ち時間が経過していなければ(ステップS363;No)、大入賞口開放前処理を終了する。これに対して、ラウンド開始待ち時間が経過した場合には(ステップS363;Yes)、入賞個数カウンタをクリアして、その格納値である入賞個数カウント値を「0」に初期化する(ステップS364)。また、大入賞口最大開放時間(例えば29秒)を設定する(ステップS365)。そして、例えばソレノイド21を駆動して開閉板16により大入賞口を開放状態とする設定を行ってから(ステップS366)、大入賞口開放前処理を終了する。
図46は、図35のステップS118にて実行される大入賞口開放中処理の一例を示すフローチャートである。図46に示す大入賞口開放中処理において、CPU56は、まず、大入賞口最大開放時間が経過したか否かを判定する(ステップS381)。このとき、大入賞口最大開放時間が経過していなければ(ステップS381;No)、入賞個数カウント値が所定の最大入賞判定値(例えば「9」)に達したか否かを判定する(ステップS382)。
ステップS382にて最大入賞判定値に達していない場合には(ステップS382;No)、カウントスイッチ23から伝送される検出信号をチェックすることなどにより、カウントスイッチ23がオンであるか否かを判定する(ステップS383)。そして、カウントスイッチ23がオフであれば(ステップS383;No)、大入賞口開放中処理を終了する。これに対して、カウントスイッチ23がオンである場合には(ステップS383;Yes)、入賞個数カウント値を1加算するように更新してから(ステップS384)、大入賞口開放中処理を終了する。
ステップS381にて大入賞口最大開放時間が経過した場合や(ステップS381;Yes)、ステップS382にて入賞個数カウント値が最大入賞判定値に達した場合には(ステップS382;Yes)、例えばソレノイド21の駆動を停止して開閉板16により大入賞口を閉鎖状態とする設定を行う(ステップS385)。続いて、大入賞口開放後表示コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS386)。そして、特図プロセスフラグの値を大入賞口開放後処理に対応した値である“9”に更新してから(ステップS387)、大入賞口開放中処理を終了する。
図47は、図35のステップS119にて実行される大入賞口開放後処理の一例を示すフローチャートである。図47に示す大入賞口開放後処理において、CPU56は、まず、大入賞口開放カウント値を1減算して更新する(ステップS401)。このときには、更新後の大入賞口開放カウント値が「0」となったか否かを判定する(ステップS402)。
ステップS402にて大入賞口開放カウント値が「0」以外の値である場合には(ステップS402;No)、ラウンド開始待ち時間を設定する(ステップS403)。そして、特図プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS404)、大入賞口開放後処理を終了する。
ステップS402にて大入賞口開放カウント値が「0」である場合には(ステップS402;Yes)、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が大当り時ラウンド数に達したことから、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS405)。このときには、特図プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である“10”に更新してから、大入賞口開放後処理を終了する。
図48は、図35のステップS120にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図48に示す大当り終了処理において、CPU56は、まず、大当り終了指定コマンドを送信済みであるか否かを判定する(ステップS421)。このとき、大当り終了指定コマンドを送信していなければ(ステップS421;No)、演出制御基板80に対して大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS422)。そして、大当り終了待ち時間を設定してから(ステップS423)、大当り終了処理を終了する。
ステップS421にて大当り終了指定コマンドを送信済みである場合には(ステップS421;Yes)、大当り終了待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS424)。このとき、大当り終了待ち時間が経過していなければ(ステップS424;No)、大当り終了処理を終了する。これに対して、大当り終了待ち時間が経過した場合には(ステップS424;Yes)、有利状態フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS425)。
ステップS425にて有利状態フラグがオンである場合には(ステップS425;Yes)、V入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS426)。このとき、V入賞フラグがオフであれば(ステップS426;No)、有利状態中に特図表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されたという有利状態中特図大当りに対応する有利状態カウント初期値を設定する(ステップS427)。例えば、ステップS427の処理では、有利状態カウンタに「15」のカウント初期値をセットすることにより、大当り遊技状態の終了後における有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数を「15」に設定する。ステップS426にてV入賞フラグがオンである場合には(ステップS426;Yes)、有利状態中に特図表示結果が「小当り」となり始動動作状態で遊技球がV入賞して大当り遊技状態に制御されたという有利状態中V入賞に対応する有利状態カウント初期値を設定する(ステップS428)。例えば、ステップS428の処理では、有利状態カウンタに「10」のカウント初期値をセットすることにより、大当り遊技状態の終了後における有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数を「10」に設定する。ステップS428の処理を実行したときには、V入賞フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS429)。
ステップS425にて有利状態フラグがオフである場合にも(ステップS425;No)、V入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS430)。このとき、V入賞フラグがオフであれば(ステップS430;No)、通常状態中に特図表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されたという通常状態中大当りに対応する有利状態カウント初期値を設定する(ステップS431)。例えば、ステップS431の処理では、有利状態カウンタに「5」のカウント初期値をセットすることにより、大当り遊技状態の終了後における有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数を「5」に設定する。ステップS430にてV入賞フラグがオンである場合には(ステップS430;Yes)、通常状態中に特図表示結果が「小当り」となり始動動作状態で遊技球がV入賞して大当り遊技状態に制御されたという通常状態中V入賞に対応する有利状態カウント初期値を設定する(ステップS432)。例えば、ステップS432の処理では、有利状態カウンタに「3」のカウント初期値をセットすることにより、大当り遊技状態の終了後における有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数を「3」に設定する。ステップS432の処理を実行したときには、V入賞フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS433)。
ステップS431、S433の処理のいずれかを実行した後には、有利状態フラグをオン状態にセットすることにより(ステップS434)、パチンコ遊技機1における遊技状態を有利状態とする設定を行う。ステップS427、S429、S434の処理のいずれかを実行した後には、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップS435)、大当り終了処理を終了する。
図49は、普通図柄プロセス処理として、図34に示すステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、ゲートスイッチ32aから伝送される検出信号をチェックすることなどにより、ゲートスイッチ32aがオンであるか否かを判定する(ステップS131)。このとき、ゲートスイッチ32aがオンであれば(ステップS131;Yes)、普図保留記憶部151Aにおける保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS132)。
ステップS132にて普図保留記憶カウント値が普図保留上限値ではない場合には(ステップS132;No)、普図保留記憶カウント値を1加算して更新する(ステップS133)。そして、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを抽出する(ステップS134)。このとき抽出した乱数値MR1を示すデータが、保留データとして普図保留記憶部151Aにおける空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR1が記憶される(ステップS135)。
ステップS131にてゲートスイッチ32aがオフである場合や(ステップS131;No)、ステップS132にて普図保留記憶カウント値が普図保留上限値である場合(ステップS132;Yes)、あるいは、ステップS135の処理を実行した後には、遊技制御フラグ設定部に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、図49のに示すステップS140〜S145の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部151Aにおける保留データの記憶の有無などに基づいて、普通図柄表示器10による普図ゲームを開始するための普図開始条件が成立したか否かの判定が行われる。また、普通図柄通常処理では、普図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、普図表示結果を「普図当り」とするか否かの判定が行われる。
ステップS141の普図変動設定処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普図変動設定処理には、例えば普図変動タイマを用いて普図表示結果などに対応した普図変動時間を設定する処理や、普通図柄表示器10の点灯制御による普通図柄の変動を開始するための設定を行う処理などが、含まれている。
ステップS142の普図図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普図図柄変動処理には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動が開始されてからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS142の普図図柄変動処理が実行されるごとに、普図変動タイマにおける格納値である普図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、普通図柄表示器10による普通図柄を用いた普図ゲームにおける経過時間の測定が行われる。そして、普通図柄の変動を開始してからの経過時間が普図変動時間に達したときには、普図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS143の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通図柄停止処理には、普通図柄表示器10にて普通図柄の変動を停止させ、普図表示結果を停止表示(導出表示)させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図当りフラグがオンとなっているか否かの判定が行われ、普図当りフラグがオンである場合には、普図表示結果が「普図当り」であることなどに対応して、普図プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、普図当りフラグがオフである場合には、普図表示結果が「普図ハズレ」であることに対応して、普図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS144の始動入賞開放前処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この始動入賞開放前処理では、普通可変入賞球装置61が形成する始動入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化させるための設定などが行われる。ステップS145の始動入賞開放後処理は、普図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この始動入賞開放後処理では、例えば始動入賞口の開閉動作が終了したか否かが判定される。そして、開閉動作が終了すれば、普図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
図50は、図49のステップS140にて実行される普通図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図50に示す普通図柄通常処理において、CPU56は、まず、普図保留記憶カウント値が「0」であるか否か、すなわち、普図保留記憶部151Aにおける保留データの記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS451)。このとき、普図保留記憶カウント値が「0」であれば(ステップS451;Yes)、保留データの記憶数が「0」で普図開始条件が成立しないことから、普通図柄通常処理を終了する。
ステップS451にて普図保留記憶カウント値が「0」以外の値である場合には(ステップS451;No)、普図保留記憶部151Aから、保留データを読み出す(ステップS452)。このときには、普図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、普図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを読み出す。
ステップS452の処理に続いて、普図保留記憶カウント値を1減算するとともに、普図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS453)。また、普図表示結果を「普図当り」とするか否かを決定するための使用テーブルとして、普図表示結果決定テーブル130Aを選択してセットする(ステップS454)。CPU56は、こうしてセットされた普図表示結果決定テーブル130Aを参照することにより、ステップS452にて読み出された普図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「普図当り」の普図表示結果に割り当てられた決定値のいずれかと合致するか否かに応じて、普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか否かを判定する(ステップS455)。このときには、普図表示結果決定テーブル130Aを用いて決定された普図表示結果に対応して、遊技制御バッファ設定部155に設けられた普図表示結果バッファの格納値である普図表示結果バッファ値が更新されればよい。
普図表示結果決定テーブル130Aでは、遊技状態が有利状態であるときに普図表示結果が「第2普図当り」に決定される割合を、遊技状態が通常状態であるときに普図表示結果が「第1普図当り」に決定される割合よりも高くなるように、乱数値MR1と比較される決定値が普図表示結果に割り当てられている。これにより、遊技状態が有利状態であるときには、通常状態であるときに比べて普図表示結果が「普図当り」となりやすくなることで、普通可変入賞球装置61が形成する始動入賞口を開放状態とする頻度が向上する。また、遊技状態が有利状態であるときの普図変動時間は、遊技状態が通常状態であるときの普図変動時間よりも短くなるように設定される。これにより、遊技状態が有利状態であるときには、通常状態であるときに比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の普図表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置61が形成する始動入賞口を開放状態とする頻度が向上する。
ステップS455にて可変表示結果を「普図当り」にすると判定された場合には(ステップS455;Yes)、普図当りフラグをオン状態にセットする(ステップS456)。ステップS455にて可変表示結果を「普図当り」にしないと判定された場合や(ステップS455;No)、ステップS456の処理を実行した後には、普図表示結果に応じた普図表示結果通知コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS457)。そして、普図プロセスフラグの値を普図変動設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS458)、普通図柄通常処理を終了する。
図51は、図49のステップS143にて実行される普通図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図51に示す普通図柄停止処理において、CPU56は、まず、例えばROM54に記憶されている普通図柄表示制御データのうちで、確定普通図柄に対応した制御データの読出設定を行うといった、確定普通図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS471)。このときには、普図変動終了コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS472)。そして、普図当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS473)。
ステップS473にて普図当りフラグがオンである場合には(ステップS473;Yes)、普図当りフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS474)、例えば普図表示結果バッファ値を読み取ることなどにより、普図表示結果が「第1普図当り」であるか「第2普図当り」であるかを判定する(ステップS475)。このとき、普図表示結果が「第1普図当り」であれば(ステップS475;第1)、普通可変入賞球装置61が形成する始動入賞口の開閉動作を制御するための使用パターンとして、第1始動入賞開放動作制御パターン141Aを選択してセットする(ステップS476)。これに対して、普図表示結果が「第2普図当り」であれば(ステップS475;第2)、始動入賞口の開閉動作を制御するための使用パターンとして、第2始動入賞開放動作制御パターン141Bを選択してセットする(ステップS477)。
第2始動入賞開放動作制御パターン141Bでは、始動入賞口の開放時間及び開放回数が、第1始動入賞開放動作制御パターン141Aよりも増加するように、各種の制御データが設定されている。これにより、遊技状態が有利状態であるときには、通常状態であるときに比べて始動入賞口が開放状態となる時間が長くなるとともに開放状態となる回数が多くなり、開放状態とする頻度が向上する。なお、始動入賞口の開放時間及び開放回数の設定は、普通図柄停止処理以外の処理(例えばステップS140の普通図柄通常処理やステップS144の始動入賞開放前処理など)にて行われてもよい。
ステップS476、S477の処理のいずれかを実行した後には、普図プロセスフラグの値を始動入賞開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS478)、普通図柄停止処理を終了する。また、ステップS473にて普図当りフラグがオフである場合には(ステップS473;No)、普図プロセスフラグの値を普通図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップS479)、普通図柄停止処理を終了する。
図52は、可動部材初期位置制御処理として、図34のステップS23にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この可動部材初期位置設定処理において、CPU56は、まず、可動部材77を初期位置に戻す動作中としていることを示す初期位置制御中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS161)。このとき、初期位置制御中フラグがオフであれば(ステップS161;No)、可動部材初期位置設定要求フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS162)。
ステップS162にて可動部材初期位置設定要求フラグがオフである場合には(ステップS162;No)、可動部材初期位置制御処理を終了する。これに対して、可動部材初期位置設定要求フラグがオンである場合には(ステップS162;Yes)、可動部材初期位置設定要求フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS163)。このときには、第2貯留部ソレノイド90bの駆動を停止して第2貯留部材93bを移動(進出)させるための設定といった、第2貯留部を閉鎖状態とする設定を行う(ステップS164)。また、第2貯留部開放フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS165)。
ステップS165の処理に続いて、可動部材駆動モータ77Bを駆動して可動部材77を初期位置に戻す動作を開始するための設定を行う(ステップS166)。このときには、初期位置制御中フラグをオン状態にセットする(ステップS167)。
ステップS161にて初期位置制御中フラグがオンである場合や(ステップS161;Yes)、ステップS167の処理を実行した後には、上側位置センサ91aから伝送される検出信号をチェックすることなどにより、上側位置センサ91aがオンであるか否かを判定する(ステップS168)。このとき、上側位置センサ91aがオフであれば(ステップS168;No)、可動部材初期位置制御処理を終了して、可動部材77を初期位置に戻す動作を継続させるように制御を行う。
ステップS168にて上側位置センサ91aがオンである場合には(ステップS168;Yes)、可動部材駆動モータ77Bの駆動を停止して可動部材77の動作を停止するための設定を行う(ステップS169)。このときには、初期位置制御中フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS170)、可動部材初期位置制御処理を終了する。
次に、演出制御基板80における動作を説明する。演出制御基板80では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101が起動し、図53のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図53に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU101は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS601)、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMのクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板80に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS602)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS602;No)、ステップS602の処理を繰り返し実行して待機する。また、演出制御基板80の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU101は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU101は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、例えば図14に示す入力ポート103aのうちで、中継基板177を介して主基板31から伝送された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMの演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU101は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS602にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS602;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS603)、コマンド解析処理を実行する(ステップS604)。ステップS604にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS604にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS605)。この演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ27からの音声出力動作、天枠ランプ28a等の装飾発光部材における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板31から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS605の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS606)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMの演出制御カウンタ設定部193などに設けられたランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。また、報知制御処理を実行することにより(ステップS607)、演出表示装置9等の演出装置を用いて異常発生等を報知するための制御が行われる。そして、装飾部材初期位置制御処理を実行してから(ステップS608)、ステップS602の処理に戻る。ステップS608の装飾部材初期位置制御処理では、可変入賞球装置20の内部に設けられた装飾部材78の配置を初期位置に戻すための設定などが行われる。
図54は、演出制御プロセス処理として、図53のステップS605にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS700〜S709の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS700の飾り図柄変動開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この飾り図柄変動開始待ち処理には、主基板31から伝送される特図変動パターン指定コマンドなどを受信したか否かに応じて、演出表示装置9の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各可変表示部における飾り図柄の可変表示を開始するか否かの判定を行う処理などが含まれている。このとき、可変表示を開始する旨の判定がなされれば、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS701の飾り図柄変動設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動設定処理には、特別図柄表示器8による特別図柄を用いた特図ゲームの開始に対応して、飾り図柄の可変表示を含めた各種の演出動作を行うために、特図変動パターンや特図表示結果に応じた最終停止図柄となる確定飾り図柄や仮停止図柄、予告演出の有無、予告パターン等を決定し、その決定結果に応じて、予め用意された複数種類の演出制御パターンのいずれかを、使用パターンとして選択して設定する処理などが含まれている。こうした決定や設定などが行われた後には、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS702の飾り図柄変動中処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動中処理には、例えば演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値などに対応して、使用パターンとなる演出制御パターンなどから各種の制御データを読み出して、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。そして、例えば演出制御プロセスタイマ値が所定の可変表示終了値(例えば「0」)となったこと、あるいは、主基板31から伝送される特図変動終了コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。演出制御プロセスタイマ値が可変表示終了値となったことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、特図変動パターン指定コマンドにより指定された特図変動パターンにおける特図変動時間が経過したときに、主基板31からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板80の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS703の飾り図柄変動終了時処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動終了時処理には、主基板31から伝送される大当り開始指定コマンドと小当り開始指定コマンドのいずれを受信したかを判定する処理が含まれている。このとき、大当り開始指定コマンドを受信した旨の判定がなされれば、演出プロセスフラグの値が“7”に更新され、小当り開始指定コマンドを受信した旨の判定がなされれば、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される。
ステップS704の小当り時演出設定処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り時演出設定処理には、特図表示結果が「小当り」となったことに基づく始動動作状態における各種の演出制御を開始するための設定を行う処理が含まれている。ステップS705の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り演出中処理には、始動動作状態における各種の演出制御を実行する処理が含まれている。ステップS706の小当り後演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この小当り後演出処理には、始動動作状態の終了時における各種の演出制御を実行する処理などが含まれている。このとき、大当り開始指定コマンドを受信すれば、演出プロセスフラグの値が“7”に更新され、小当り終了指定コマンドを受信すれば、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS707の大当り時演出設定処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。この大当り時演出設定処理には、大当り遊技状態における各種の演出制御を開始するための設定を行う処理が含まれている。ステップS708の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“8”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理には、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する処理などが含まれている。ステップS709の大当り後演出処理は、演出プロセスフラグの値が“9”のときに実行される処理である。この大当り後演出処理には、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する処理などが含まれている。このとき、大当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図55は、図54のステップS701にて実行される飾り図柄変動設定処理の一例を示すフローチャートである。図55に示す飾り図柄変動設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、例えば主基板31から伝送された特図表示結果通知コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、特図ゲームにおける可変表示結果である特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS801)。このとき、可変表示結果が「大当り」であれば(ステップS801;Yes)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄を決定する(ステップS802)。一例として、ステップS802の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、最終停止図柄決定テーブル161に含まれる大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の可変表示部に停止表示される飾り図柄を決定する。
ステップS801にて可変表示結果が「小当り」である場合には(ステップS801;No)、小当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄を決定する(ステップS803)。一例として、ステップS803の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される小当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、最終停止図柄決定テーブル161に含まれる小当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の可変表示部に停止表示される飾り図柄を決定する。
ステップS802、S803の処理のいずれかを実行した後には、変動中予告設定処理を実行する(ステップS804)。図56は、ステップS804にて実行される変動中予告設定処理の一例を示すフローチャートである。図56に示す変動中予告設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動中予告演出を実行するか否かや、実行する場合における変動中予告パターン種別を決定するための使用テーブルとして、変動中予告パターン種別決定テーブル170を選択してセットする(ステップS901)。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、変動中予告パターン種別決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する(ステップS902)。そして、ステップS902にて抽出した乱数値SR1−1を示す数値データに基づき、変動中予告パターン種別決定テーブル170を参照することにより、特図変動パターンに応じて、変動中予告なし、あるいは、変動中予告種別CAY1〜変動中予告種別CAY3の変動中予告パターン種別のいずれかに決定する(ステップS903)。
その後、ステップS903の処理において、変動中予告なしに決定されたか否かを判定する(ステップS904)。このとき、変動中予告なしに決定されていれば(ステップS904;Yes)、変動中予告演出が実行されないことから、変動中予告設定処理を終了する。これに対して、変動中予告種別CAY1〜変動中予告種別CAY3の変動中予告パターン種別のいずれかに決定された場合には(ステップS904;No)、決定された変動中予告パターン種別に応じて、変動中予告パターン決定テーブル171A〜171Cのいずれかを選択し、使用テーブルとしてセットする(ステップS905)。すなわち、ステップS903にて変動中予告種別CAY1の変動中予告パターン種別に決定された場合には変動中予告パターン決定テーブル171Aをセットし、変動中予告種別CAY2の変動中予告パターン種別に決定された場合には変動中予告パターン決定テーブル171Bをセットし、変動中予告種別CAY3の変動中予告パターン種別に決定された場合には変動中予告パターン決定テーブル171Cをセットする。
ステップS905の処理に続いて、変動中予告パターン種別に応じて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1〜第3予告パターン決定用の乱数値SR2−1〜SR2−3を示す数値データのいずれかを抽出する(ステップS906)。すなわち、ステップS903にて変動中予告種別CAY1の変動中予告パターン種別に決定された場合には第1予告パターン決定用の乱数値SR2−1を示す数値データを抽出し、変動中予告種別CAY2の変動中予告パターン種別に決定された場合には第2予告パターン決定用の乱数値SR2−2を示す数値データを抽出し、変動中予告種別CAY3の変動中予告パターン種別に決定された場合には第3予告パターン決定用の乱数値SR2−3を示す数値データを抽出する。
ステップS906の処理を実行した後には、変動中予告パターンの決定を行ってから(ステップS907)、変動中予告設定処理を終了する。ステップS907の処理では、ステップS906にて抽出した乱数値SR2−1〜SR2−3のいずれかに基づき、ステップS905にてセットした変動中予告パターン決定テーブル171A〜171Cのいずれかを参照することにより、変動中予告パターンを決定する。
図55に示すステップS804にて以上のような変動中予告設定処理を実行した後には、複数種類の演出制御パターンのうちから、使用パターンとなるものを選択してセットする(ステップS805)。このとき、演出制御用CPU101は、例えば特図変動パターン指定コマンドにより指定された特図変動パターンなどに対応して、図柄変動制御パターンテーブル180に格納された複数種類の図柄変動制御パターンのいずれかを選択してセットする。また、例えば図56に示すステップS907の処理で決定された変動中予告パターンに対応して、予告演出制御パターンテーブル182に格納された複数種類の予告演出制御パターンのいずれかを選択してセットする。
ステップS805の処理に続いて、例えば特図変動パターン指定コマンドにより指定された特図変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS806)。そして、例えば図柄変動制御パターンに含まれる表示制御データに対応した表示制御指令をVDP109に供給することなどにより、演出表示装置9の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて飾り図柄の変動を開始させるといった、演出表示装置9における飾り図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS807)。そして、演出プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS808)、飾り図柄変動設定処理を終了する。
図57は、図54のステップS702にて実行される飾り図柄変動中処理の一例を示すフローチャートである。図57に示す飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)してから(ステップS821)、更新後の演出制御プロセスタイマ値を演出制御パターンにて示される演出制御プロセスタイマ判定値と比較して、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行う(ステップS822)。
ステップS822にてタイマ判定値と合致した場合には(ステップS822;Yes)、そのタイマ判定値と対応付けて演出制御パターンに格納された各種データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データといった演出制御実行データ、あるいは、終了コードのいずれか)を読み出す(ステップS823)。ここで、ステップS822の処理で演出制御パターンにて示される複数のタイマ判定値が演出制御プロセスタイマ値と合致した場合には、合致した各々のタイマ判定値と対応付けて格納されている複数の制御データを、ステップS823の処理にて読み出すようにすればよい。そして、ステップS823にて読み出された制御データが終了コードであるか否かの判定を行う(ステップS824)。このとき、終了コードではないと判定されれば(ステップS824;No)、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた異常報知中フラグをチェックすることなどにより、所定の異常報知中となっているか否かを判定する(ステップS825)。
ステップS825にて異常報知中ではない場合には(ステップS825;No)、ステップS823にて読み出した演出制御実行データに基づく演出制御を行う(ステップS826)。一例として、ステップS823にて読み出した演出制御実行データが表示制御データであれば、対応する表示制御指令を作成してVDP109へと伝送させる。また、演出制御実行データが音声制御データであれば、対応する音番号データを作成して音声出力基板70へと伝送させる。演出制御実行データがランプ制御データであれば、対応する装飾発光部材の駆動信号を作成してランプドライバ基板35へと伝送させる。演出制御実行データが操作検出制御データであれば、操作ボタン120の操作を有効に検出する操作有効期間とするか否かの設定や、操作有効期間にて操作ボタン120の操作が検出された場合に対応した演出動作の切替設定といった各種設定を行う。
ステップS825にて異常報知中である場合には(ステップS825;Yes)、異常報知中における演出制御を行う(ステップS827)。一例として、ステップS827の処理では、音声制御データを除く演出制御実行データについては、ステップS823にて読み出したデータを用いた演出制御を行う。その一方で、音声制御データについては、異常報知用に予め用意されたデータを用いた演出制御を行うことにより、異常報知に応じた音声出力を可能にする。また、表示制御データについては、重畳表示を指定する表示制御指令をVDP109へと伝送させることなどにより、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出とともに、異常報知に応じた画像表示を可能にしてもよい。
ステップS822にてタイマ判定値と合致しない場合や(ステップS822;No)、ステップS826、S827の処理のいずれかを実行した後には、例えば特図変動パターン指定コマンドで指定された特図変動パターンなどに対応して、飾り図柄の可変表示中に「スーパーA」や「スーパーB」といったスーパーリーチとなるリーチ演出が実行されるか否かを判定する(ステップS828)。このとき、スーパーリーチとなるリーチ演出が実行されないのであれば(ステップS828;No)、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる「リーチあり」であるか否かを判定する(ステップS829)。そして、「リーチあり」である場合には(ステップS829;Yes)、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応したリーチ演出が実行中であるか否かを判定する(ステップS830)。
ステップS828にてスーパーリーチとなるリーチ演出が実行される場合や(ステップS828;Yes)、ステップS830にてリーチ演出が実行中である場合には(ステップS830;Yes)、装飾部材78を動作させる装飾部材制御処理を実行する(ステップS831)。ステップS829にて「リーチなし」である場合や(ステップS829;No)、ステップS830にてリーチ演出が実行中ではない場合(ステップS830;No)、あるいは、ステップS831にて装飾部材制御処理を実行した後には、特図変動終了コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS832)。このとき、特図変動終了コマンドの受信があれば(ステップS832;Yes)、演出プロセスフラグの値を飾り図柄変動終了時処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS833)、飾り図柄変動中処理を終了する。その一方で、特図変動終了コマンドの受信がなければ(ステップS832;No)、ステップS833の処理を実行せずに、飾り図柄変動中処理を終了する。
図58は、図57のステップS831等にて実行される装飾部材制御処理の一例を示すフローチャートである。図58に示す装飾部材制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、装飾部材78を動作中としていることを示す装飾部材動作中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS921)。このとき、装飾部材動作中フラグがオフであれば(ステップS921;No)、装飾部材78の配置を既に変更したことを示す装飾部材動作完了フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS922)。そして、装飾部材動作完了フラグがオンである場合には(ステップS922;Yes)、装飾部材制御処理を終了する。
ステップS922にて装飾部材動作完了フラグがオフである場合には(ステップS922;No)、装飾部材駆動モータ78Bを駆動して装飾部材78の配置変更を開始するための設定を行う(ステップS923)。これにより、例えば図6に示すように、可変入賞球装置20の内部にて上方で水平な状態から、可変入賞球装置20の内部にて右上方から左下方に斜めに傾いた状態となるように、装飾部材78の配置が変更される。また、ステップS923の処理では、剣駆動モータ79を駆動して装飾部材78を開いた状態に制御するための設定が行われてもよい。ステップS923の処理を実行したときには、装飾部材動作中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS924)、装飾部材制御処理を終了する。
ステップS901にて装飾部材動作中フラグがオンである場合には(ステップS901;Yes)、下側位置センサ91bから伝送される検出信号をチェックすることなどにより、下側位置センサ91bがオンであるか否かを判定する(ステップS925)。このとき、下側位置センサ91bがオフであれば(ステップS925;No)、装飾部材制御処理を終了して、装飾部材78の配置変更を継続させるように制御を行う。
ステップS925にて下側位置センサ91bがオンである場合には(ステップS925;Yes)、装飾部材モータ78Bの駆動を停止して装飾部材78の配置変更を停止するための設定を行う(ステップS926)。このときには、装飾部材動作中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS927)。また、装飾部材78を初期位置に復帰させることを要求する装飾部材初期位置設定要求フラグをオン状態にセットする(ステップS928)。そして、装飾部材動作完了フラグをオン状態にセットしてから(ステップS929)、装飾部材制御処理を終了する。この実施の形態では、装飾部材78の左端部分が最も下方まで移動してステップS926で配置変更が停止された場合に、ステップS928で装飾部材初期位置設定要求フラグがオン状態にセットされたことに基づいて、図53に示すステップS608の装飾部材初期位置制御処理により直ちに装飾部材78を初期位置に戻す制御が開始される。
図59は、図54のステップS704にて実行される小当り時演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図59に示す小当り時演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、特図表示結果が「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれであるかという、小当り種別に応じた演出制御パターンをセットする(ステップS841)。一例として、ステップS841の処理では、特図表示結果通知コマンドで通知された特図表示結果などから、小当り種別が「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれであるかを特定する。そして、各種演出制御パターンテーブル181に格納されている小当り中演出用の各種演出制御パターンCKE1−1〜各種演出制御パターンCKE1−3のうちで、特定された小当り種別に応じたものを使用パターンとして選択しセットする。
ステップS841の処理に続いて、例えば小当り中演出の実行時間に対応して予め定められた演出制御プロセスタイマ初期値を設定する(ステップS842)。そして、例えば各種演出制御パターンに含まれる表示制御データに対応した表示制御指令をVDP109に供給することなどにより、小当り中演出となる演出動作を開始させるための設定を行う(ステップS843)。このときには、例えば演出制御タイマ設定部192に設けられた小当り開始後タイマをスタートさせることにより(ステップS844)、始動動作状態に対応した小当り中演出を開始してからの経過時間を計測する。そして、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS845)、小当り時演出設定処理を終了する。
図60は、図54のステップS705にて実行される小当り中演出処理の一例を示すフローチャートである。図60に示す小当り中演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、小当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS861)。このとき、小当り終了指定コマンドの受信がなければ(ステップS861;No)、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)してから(ステップS862)、更新後の演出制御プロセスタイマ値を演出制御パターンにて示される演出制御プロセスタイマ判定値と比較して、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行う(ステップS863)。
ステップS863にてタイマ判定値と合致した場合には(ステップS863;Yes)、そのタイマ判定値と対応付けて演出制御パターンに格納された各種データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データといった演出制御実行データ、あるいは、終了コードのいずれか)を読み出す(ステップS864)。そして、例えば異常報知中フラグをチェックすることなどにより、所定の異常報知中となっているか否かを判定する(ステップS865)。
ステップS865にて異常報知中ではない場合には(ステップS865;No)、ステップS864にて読み出した演出制御実行データに基づく演出制御を行う(ステップS866)。これに対して、異常報知中である場合には(ステップS865;Yes)、異常報知中における演出制御を行う(ステップS867)。例えば、ステップS866の処理では図57に示すステップS826と同様の処理が実行される一方、ステップS867の処理では図57に示すステップS827と同様の処理が実行されればよい。
ステップS863にてタイマ判定値と合致しない場合や(ステップS863;No)、ステップS866、S867の処理のいずれかを実行した後には、小当り開始後タイマの格納値である小当り開始後タイマ値が、所定の装飾部材駆動判定値と合致したか否かを判定する(ステップS868)。このとき、装飾部材駆動判定値と合致すれば(ステップS868;Yes)、例えば図57に示すステップS831と同様の装飾部材制御処理を実行して、装飾部材78を動作させる(ステップS869)。
ステップS868にて装飾部材駆動判定値と合致しない場合や(ステップS868;No)、ステップS869にて装飾部材制御処理を実行した後には、役物入賞時予告設定処理を実行する(ステップS870)。図61は、ステップS870にて実行される役物入賞時予告設定処理の一例を示すフローチャートである。図61に示す役物入賞時予告設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、第1役物入賞通知コマンド又は第2役物入賞通知コマンドといった、役物入賞通知コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS941)。このとき、役物入賞通知コマンドの受信がなければ(ステップS941;No)、入賞時予告演出となる演出動作が実行されないことから、役物入賞時予告設定処理を終了する。
ステップS941にて役物入賞通知コマンドの受信がある場合には(ステップS941;Yes)、入賞時予告演出を実行するか否かや、実行する場合における入賞時予告パターン種別を決定するための使用テーブルとして、入賞時予告パターン種別決定テーブル172を選択してセットする(ステップS942)。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、役物入賞時予告パターン種別決定用の乱数値SR1−2を示す数値データを抽出する(ステップS943)。そして、ステップS943にて抽出した乱数値SR1−2を示す数値データに基づき、入賞時予告パターン種別決定テーブル172を参照することにより、特図表示結果が「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれであるかに応じて、入賞時予告なし、あるいは、入賞時予告種別CBY1及び入賞時予告種別CBY2の入賞時予告パターン種別のいずれかに決定する(ステップS944)。
その後、ステップS944の処理において、入賞時予告なしに決定されたか否かを判定する(ステップS945)。このとき、入賞時予告なしに決定されていれば(ステップS945;Yes)、入賞時予告演出が実行されないことから、役物入賞時予告設定処理を終了する。これに対して、入賞時予告種別CBY1及び入賞時予告種別CBY2の入賞時予告パターン種別のいずれかに決定された場合には(ステップS945;No)、決定された入賞時予告パターン種別に応じて、入賞時予告パターン決定テーブル173A、173Bのいずれかを選択し、使用テーブルとしてセットする(ステップS946)。すなわち、ステップS944にて入賞時予告種別CBY1の入賞時予告パターン種別に決定された場合には入賞時予告パターン決定テーブル173Aをセットし、入賞時予告種別CBY2の入賞時予告パターン種別に決定された場合には入賞時予告パターン決定テーブル173Bをセットする。
ステップS946の処理に続いて、入賞時予告パターン種別に応じて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第4及び第5予告パターン決定用の乱数値SR2−4、SR2−5を示す数値データのいずれかを抽出する(ステップS947)。すなわち、ステップS944にて入賞時予告種別CBY1の入賞時予告パターン種別に決定された場合には第4予告パターン決定用の乱数値SR2−4を示す数値データを抽出し、入賞時予告種別CBY2の入賞時予告パターン種別に決定された場合には第5予告パターン決定用の乱数値SR2−5を示す数値データを抽出する。
ステップS947の処理を実行した後には、入賞時予告パターンを決定する(ステップS948)。例えば、ステップS948の処理では、ステップS947にて抽出した乱数値SR2−4、SR2−5のいずれかに基づき、ステップS946にてセットした入賞時予告パターン決定テーブル173A、173Bのいずれかを参照することにより、入賞時予告パターンを決定する。そして、ステップS948で決定された入賞時予告パターンに対応する演出制御パターンをセットしてから(ステップS949)、役物入賞時予告設定処理を終了する。ステップS949の処理では、入賞時予告パターンに対応して、予告演出制御パターンテーブル182に格納された複数種類の予告演出制御パターンのいずれかを選択し、使用テーブルとしてセットする。
ステップS949にて予告演出制御パターンをセットした後には、図60に示すステップS863の処理にて、この予告演出制御パターンで示される演出制御プロセスタイマ判定値が演出制御プロセスタイマ値と比較され、いずれかのタイマ判定値と合致した場合には、ステップS864の処理にて読み出された演出制御実行データに基づき、ステップS866での演出制御により、入賞時予告演出となる演出動作が実行されることになる。
図60に示すステップS870にて以上のような役物入賞時予告設定処理を実行した後には、貯留時演出設定処理を実行してから(ステップS871)、小当り中演出処理を終了する。図62は、ステップS871にて実行される貯留時演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図62に示す貯留時演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、例えば小当り開始後タイマ値のチェック結果などに基づき、貯留時演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS961)。
ステップS961にて貯留時演出実行期間である場合には(ステップS961;Yes)、貯留時演出としてのV入賞期待度報知演出を実行中としていることを示すV入賞期待度報知中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS962)。このとき、V入賞期待度報知中フラグがオフであれば(ステップS962;No)、V入賞期待度通知コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS963)。
ステップS963にてV入賞期待度通知コマンドの受信がある場合には(ステップS963;Yes)、例えば演出表示装置9にパワーバーを重畳表示するための表示制御指令をVDP109へと伝送させることなどにより、V入賞期待度報知演出を開始するための設定を行う(ステップS964)。このときには、V入賞期待度報知中フラグをオン状態にセットする(ステップS965)。
ステップS962にてV入賞期待度報知中フラグがオンである場合や(ステップS962;Yes)、ステップS965の処理を実行した後には、例えば小当り開始後タイマ値のチェック結果などに基づき、第1貯留部装飾部駆動期間が終了したか否かを判定する(ステップS966)。このとき、第1貯留部装飾部駆動期間が終了していなければ(ステップS966;No)、例えば操作ボタン120から伝送される検出信号をチェックすることなどにより、操作ボタン120がオンとなって遊技者等による操作の検出があったか否かを判定する(ステップS967)。
ステップS967にて操作ボタン120に対する操作の検出がある場合には(ステップS976;Yes)、第1貯留部装飾部ソレノイド90dを駆動して第1貯留部装飾部90eを移動(前進)させるための設定といった、第1貯留部装飾部90eの動作を開始させる設定を行う(ステップS977)。続いて、パワーバーの目盛りを1増加させるための設定を行う(ステップS978)。一例として、ステップS978の処理では、パワーバーの目盛り表示が既にV入賞期待度を示すレベルの1つ前の段階に到達しているか否かを判定する。このとき、1つ前の段階に到達していれば、パワーバーの目盛り表示を更新せずに、ステップS978の処理を終了する。これに対して、1つ前の段階に到達していなければ、パワーバーの目盛り表示を1増加させるように、表示制御を行えばよい。
ステップS966にて第1貯留部装飾部駆動期間が終了している場合には(ステップS966;Yes)、第1貯留部装飾部ソレノイド90dの駆動を停止して第1貯留部装飾部90eを移動(後退)させるための設定といった、第1貯留部装飾部90eの動作を終了させる設定を行う(ステップS970)。このときには、操作ボタン120に対する操作の検出があったか否かを判定する(ステップS971)。そして、操作ボタン120に対する操作の検出があれば(ステップS971;Yes)、パワーバーの目盛り表示をV入賞期待度を示すレベルまで増加させる設定といった、パワーバーの目盛りを最終表示とする設定を行う(ステップS972)。続いて、V入賞期待度報知中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS973)。
なお、ステップS972の処理でパワーバーの目盛りを最終表示とする設定を行うよりも前の所定期間では、演出表示装置9に表示されたパワーバーの目盛り表示が触れているような態様で、いわゆる煽り演出が行われるようにしてもよい。一例として、操作ボタン120の連打に応じて、パワーバーの目盛り表示が一定のレベルまで増加するような表示演出を行うことにより、遊技者に対して操作ボタン120の操作を促すような演出動作を行えばよい。また、煽り演出としては、例えば操作ボタン120が1回操作されたことに応答して、演出表示装置9に表示された複数の選択画像の中から1つが選択され、その選択結果に対応して複数段階のV入賞期待度のいずれかが選択的に表示されるといった、任意の演出態様での演出動作が行われればよい。
ステップS961にて貯留時演出実行期間でない場合や(ステップS961;No)、ステップS963にてV入賞期待度通知コマンドの受信がない場合(ステップS963;No)、ステップS967又はステップS971にて操作ボタン120に対する操作の検出がない場合(ステップS967;No、又は、ステップS971;No)、あるいは、ステップS969、S973の処理のいずれかを実行した後には、V入賞通知コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS974)。このとき、V入賞通知コマンドの受信がなければ(ステップS974;No)、貯留時演出設定処理を終了する。
ステップS974にてV入賞通知コマンドの受信がある場合には(ステップS974;Yes)、各種演出制御パターンテーブル181に格納された複数種類の各種演出制御パターンのうちから、V入賞時用の各種演出制御パターンCKE2−1を選択し、使用パターンとしてセットする(ステップS975)。そして、例えばステップS975にてセットした各種演出制御パターンCKE2−1から読み出した表示制御データに対応する表示制御指令をVDP109へと伝送させることなどにより、V入賞時演出となる演出動作を開始させる設定を行ってから(ステップS976)、貯留時演出設定処理を終了する。
図60に示すステップS861にて小当り終了指定コマンドの受信がある場合には(ステップS861;Yes)、小当り後演出設定処理を実行してから(ステップS872)、小当り中演出処理を終了する。図63は、ステップS872にて実行される小当り後演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図63に示す小当り後演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、第1貯留部装飾部ソレノイド90dの駆動を停止して第1貯留部装飾部90eを移動(後退)させるための設定といった、第1貯留部装飾部90eの動作を終了させる設定を行う(ステップS991)。そして、小当り後演出時間を設定する(ステップS992)。例えば、ステップS992の処理では、小当り後演出時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御プロセスタイマにセットされればよい。
ステップS992の処理に続いて、各種演出制御パターンテーブル181に格納された複数種類の各種演出制御パターンのうちから、小当り後演出用の各種演出制御パターンCKE3−1を選択し、使用パターンとしてセットする(ステップS993)。そして、例えばステップS993にてセットした各種演出制御パターンCKE3−1から読み出した表示制御データに対応する表示制御指令をVDP109へと伝送させることなどにより、小当り後演出となる演出動作を開始させる設定を行う(ステップS994)。また、演出プロセスフラグの値を小当り後演出処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS995)、小当り後演出設定処理を終了する。
図64は、図53のステップS608にて実行される装飾部材初期位置制御処理の一例を示すフローチャートである。図64に示す装飾部材初期位置制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、装飾部材78を初期位置に戻す動作中としていることを示す装飾部材初期位置制御中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS721)。このとき、装飾部材初期位置制御中フラグがオフであれば(ステップS721;No)、装飾部材初期位置設定要求フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS722)。
ステップS722にて装飾部材初期位置設定要求フラグがオフである場合には(ステップS722;No)、装飾部材初期位置制御処理を終了する。これに対して、装飾部材初期位置設定要求フラグがオンである場合には(ステップS722;Yes)、装飾部材初期位置設定要求フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS723)。このときには、装飾部材駆動モータ78Bを駆動して装飾部材78を初期位置に戻す動作を開始するための設定を行う(ステップS724)。そして、装飾部材初期位置制御中フラグをオン状態にセットする(ステップS725)。
ステップS721にて装飾部材初期位置制御中フラグがオンである場合や(ステップS721;Yes)、ステップS725の処理を実行した後には、上側位置センサ91aから伝送される検出信号をチェックすることなどにより、上側位置センサ91aがオンであるか否かを判定する(ステップS726)。このとき、上側位置センサ91aがオフであれば(ステップS726;No)、装飾部材初期位置制御処理を終了して、装飾部材78を初期位置に戻す動作を継続させるように制御を行う。
ステップS726にて上側位置センサ91aがオンである場合には(ステップS726;Yes)、装飾部材駆動モータ78Bの駆動を停止して装飾部材78の動作を停止するための設定を行う(ステップS727)。このときには、装飾部材初期位置制御中フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS728)、装飾部材初期位置制御処理を終了する。
次に、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作を中心とした、各種の演出動作の具体例について説明する。普通可変入賞球装置61が形成する始動入賞口に進入(始動入賞)した遊技球が始動口スイッチ60により検出されると、図36に示すステップS202にて特図保留記憶カウント値が特図保留上限値(例えば「4」)に達していないと判定されたことに基づいて、ステップS204にて抽出した乱数値MR2を示す数値データが、ステップS205にて保留データとして特図保留記憶部151Bに記憶されることにより、特別図柄表示器8による特別図柄を用いた特図ゲームを実行するための特図始動条件が成立する。
その後、図37に示すステップS221にて特図保留記憶カウント値が「0」以外の値であると判定されたときには、特別図柄を用いた特図ゲームを開始するための特図開始条件が成立する。こうして特図開始条件が成立したときには、ステップS224にて使用テーブルにセットした特図表示結果決定テーブル130Bを参照することなどにより、ステップS225では、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、特定表示結果としての「大当り」とするか、開放表示結果としての「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれかとするかの判定を行う。このときには、特定表示結果を「大当り」とするか否かの判定結果に応じて、特図ゲームの終了後に始動動作状態(小当り遊技状態)とすることなく大当り遊技状態とするか否かが決定される。そして、特図表示結果を「大当り」とする場合には、開放状態とした可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が特定入賞口66Aに入賞(V入賞)して特定領域スイッチ66aにより検出されたか否かに関わりなく、大当り遊技状態に制御されることになる。また、特定表示結果を「第1小当り」〜「第3小当り」といった「小当り」とする場合には、その特図表示結果に対応して、入賞口開放回数(役物開放回数)や、V入賞により大当り遊技状態となったときのラウンド遊技の実行回数(大当り時ラウンド数)が、設定される。
続いて、図38に示すステップS241にて使用テーブルにセットした特図変動パターン決定テーブル131を参照することなどにより、ステップS243では、特図表示結果に応じて特図変動パターンが複数種類のいずれかに決定される。また、ステップS244の処理を実行することなどにより、特図変動パターンの決定結果に対応した特図変動パターン指定コマンドが、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
演出制御基板80では、主基板31から伝送された特図変動パターン指定コマンドなどを受信したことに対応して、例えば演出制御用CPU101が図55に示すステップS807にて所定の表示制御指令をVDP109に供給することなどにより、演出表示装置9の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の可変表示部にて、飾り図柄の変動を開始させる。
こうした飾り図柄の変動が開始された後、最終停止図柄となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、例えば飾り図柄の可変表示が開始される以前に、図56に示すステップS903にて変動中予告種別CAY1〜変動中予告種別CAY3の変動中予告パターン種別のいずれかに決定されたこと、及び、ステップS907にて変動中予告パターンが決定されたことなどに基づき、変動中予告演出となる演出動作が実行される。
図65は、図56に示すステップS903にて変動中予告種別CAY1の変動中予告パターン種別に決定されたことに基づき、「ボタン操作予告」の変動中予告演出が実行される場合の表示動作例を示している。この表示動作例では、まず、例えば特図ゲームにおける特別図柄の変動開始などに対応して、図65(A)に示すように「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて停止表示されていた飾り図柄が、図65(B)に示すように「左」、「中」、「右」の可変表示部の全部にて変動を開始する。その後、例えば図56に示すステップS907の処理で決定された変動中予告パターンYAP1−3に対応して図55に示すステップS805の処理でセットされた予告演出制御パターンから読み出した表示制御データなどに従い、図65(C)に示すように、遊技者に操作ボタン120の操作を促す演出画像YH11を表示させる。そして、遊技者が所定期間内に操作ボタン120を操作した場合には、例えば図65(D1)に示すようなキャラクタ画像によるセリフ内容を示す演出画像YH12を表示させる。これに対して、所定期間内に操作ボタン120の操作が検出されなかった場合には、例えば図65(D2)に示すように演出画像YH11が消去されて、変動中予告演出が終了する。その後、例えば図65(E)に示すように「左」の可変表示部にて飾り図柄を仮停止表示するなど、飾り図柄の可変表示が進行してゆく。
こうして、変動中予告種別CAY1の変動中予告パターン種別に決定された場合には、キャラクタ画像によるセリフ内容を示す演出画像を表示することなどにより、始動動作状態において可変入賞球装置20が開放状態となる回数である役物開放回数(入賞口開放回数)を報知・示唆する変動中予告演出が実行可能となる。そして、役物開放回数を報知・示唆する変動中予告演出が実行される変動中予告パターンは、その演出態様あるいは予告事項に基づいて変動中予告種別CAY1の変動中予告パターン種別に分類されるように設定している。したがって、変動中予告種別CAY1の変動中予告パターン種別内で変動中予告パターンを追加したり、各変動中予告パターンによる変動中予告演出の発生率を変更する際には、その変動中予告パターン種別内で変動中予告パターン決定テーブル171Aにおける第1予告パターン決定用の乱数値SR2−1と比較される決定値の設定のみを変更すればよいので、遊技機の開発時間や乱数値の設定時間を短縮化することができる。
図66は、図56に示すステップS903にて変動中予告種別CAY2の変動中予告パターン種別に決定されたことに基づき、「ボタン操作予告」の変動中予告演出が実行される場合の表示動作例を示している。この表示動作例では、まず、例えば特図ゲームにおける特別図柄の変動開始などに対応して、図66(A)に示すように「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて停止表示されていた飾り図柄が、図66(B)に示すように「左」、「中」、「右」の可変表示部の全部にて変動を開始する。その後、例えば図56に示すステップS907の処理で決定された変動中予告パターンYAP2−6に対応して図55に示すステップS805の処理でセットされた予告演出制御パターンから読み出した表示制御データなどに従い、図66(C)に示すように、遊技者に操作ボタン120の操作を促す演出画像YH21を表示させる。そして、遊技者が所定期間内に操作ボタン120を操作した場合には、例えば図66(D1)に示すようなメール内容を示す演出画像YH22を表示させる。これに対して、所定期間内に操作ボタン120の操作が検出されなかった場合には、例えば図66(D2)に示すように演出画像YH21が消去されて、変動中予告演出が終了する。その後、例えば図66(E)に示すように「左」の可変表示部にて飾り図柄を仮停止表示するなど、飾り図柄の可変表示が進行してゆく。
こうして、変動中予告種別CAY2の変動中予告パターン種別に決定された場合には、メール内容を示す演出画像を表示することなどにより、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数(大当り時ラウンド数)を報知・示唆する変動中予告演出が実行可能となる。そして、ラウンド遊技の実行回数を報知・示唆する変動中予告演出が実行される変動中予告パターンは、その演出態様あるいは予告事項に基づいて変動中予告種別CAY2の変動中予告パターン種別に分類されるように設定している。したがって、変動中予告種別CAY2の変動中予告パターン種別内で変動中予告パターンを追加したり、各変動中予告パターンによる変動中予告演出の発生率を変更する際には、その変動中予告パターン種別内で変動中予告パターン決定テーブル171Bにおける第2予告パターン決定用の乱数値SR2−2と比較される決定値の設定のみを変更すればよいので、遊技機の開発時間や乱数値の設定時間を短縮化することができる。
図67は、図56に示すステップS903にて変動中予告種別CAY3の変動中予告パターン種別に決定されたことに基づき、「ステップアップ動作」の変動中予告演出が実行される場合の表示動作例を示している。この表示動作例では、まず、例えば特図ゲームにおける特別図柄の変動開始などに対応して、図67(A)に示すように「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて停止表示されていた飾り図柄が、図67(B)に示すように「左」、「中」、「右」の可変表示部の全部にて変動を開始する。このときには、例えば図56に示すステップS907の処理で決定された変動中予告パターンYAP3−4に対応して図55に示すステップS805の処理でセットされた予告演出制御パターンから読み出した表示制御データなどに従い、キャラクタ画像CH10となる演出画像を表示することにより、1段階目となる演出表示を実行する。続いて、例えば図67(C)に示すように、キャラクタ画像CH10とは異なるキャラクタ画像CH11となる演出画像を表示することにより、2段階目となる演出表示を実行する。さらに、例えば図67(D)に示すように、「左」の可変表示部にて「6」を示す数字が停止表示(仮停止表示)されるとともに、キャラクタ画像CH10、CH11とは異なるキャラクタ画像CH12となる演出画像を表示することにより、3段階目となる演出表示を実行する。その後、例えば図67(E)に示すように、「右」の可変表示部にて「6」の数字を示す飾り図柄が揃って停止表示(仮停止表示)されることにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。
図67(E)に示すようにしてリーチ状態となった後には、例えば図67(F)に示すように、キャラクタ画像CH14となる演出画像を表示することにより、4段階目となる演出表示を実行する。こうして、変動中予告パターンYAP3−4に対応して、飾り図柄の可変表示が実行されているときに、4段階に変化(ステップアップ)するステップアップ予告演出が実行される。また、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出を実行する。そして、例えば図67(G)に示すように、「左」、「中」、「右」の可変表示部にて「6」を示す数字が揃って停止表示(仮停止表示)されることにより、小当り組合せを構成する飾り図柄が仮停止表示される。その後、例えば図67(H)に示すような変動中昇格演出が実行され、図67(I)に示すように、「左」、「中」、「右」の可変表示部にて「7」を示す数字が揃って停止表示(完全停止表示)されることにより、大当り組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
こうして、変動中予告種別CAY3の変動中予告パターン種別に決定された場合には、キャラクタ画像となる演出画像を所定の順番に従って表示することなどにより、特図表示結果が「大当り」となる可能性などを報知・示唆する変動中予告演出が実行可能となる。そして、特図表示結果が「大当り」となる可能性などを報知・示唆する変動中予告演出が実行される変動中予告パターンは、その演出態様あるいは予告事項に基づいて変動中予告種別CAY3の変動中予告パターン種別に分類されるように設定している。したがって、変動中予告種別CAY3の変動中予告パターン種別内で変動中予告パターンを追加したり、各変動中予告パターンによる変動中予告演出の発生率を変更する際には、その変動中予告パターン種別内で変動中予告パターン決定テーブル171Cにおける第3予告パターン決定用の乱数値SR2−3と比較される決定値の設定のみを変更すればよいので、遊技機の開発時間や乱数値の設定時間を短縮化することができる。
また、変動中予告種別CAY1〜変動中予告種別CAY3の変動中予告パターン種別とは異なる新たな変動中予告パターン種別を追加したり、変動中予告パターン種別の発生率を変更する際には、変動中予告パターン種別決定テーブル170における変動中予告パターン種別決定用の乱数値SR1−1と比較される決定値の設定のみを変更すればよいので、遊技機の開発時間や乱数値の設定時間を短縮化することができる。
特図表示結果が「小当り」となった場合には、始動動作状態にて可変入賞球装置20が開放状態となり、第1進入口71及び第2進入口72から可変入賞球装置20の内部へと遊技球が進入(入賞)可能となる。そして、第1進入口71又は第2進入口72に進入した遊技球が第1役物入賞スイッチ71a又は第2役物入賞スイッチ72aにより検出されたときには、図41に示すステップS305又はステップS308におけるコマンド送信設定などに基づいて、主基板31から演出制御基板80に対して第1役物入賞通知コマンド(第1進入口71への入賞時)又は第2役物入賞通知コマンド(第2進入口72への入賞時)が伝送される。また、始動動作状態にて可変入賞球装置20を開放状態とする制御を開始するときには、図40に示すステップS291におけるコマンド送信設定などに基づいて、主基板31から演出制御基板80に対してV入賞期待度通知コマンドが伝送される。
演出制御基板80では、始動動作状態の開始に対応して、例えば演出制御用CPU101が図59に示すステップS843にて所定の表示制御指令をVDP109に供給することなどにより、小当り中演出となる演出動作が開始される。その後、図61に示すステップS941にて第1役物入賞通知コマンドや第2役物入賞通知コマンドといった役物入賞通知コマンドの受信があると判定したときには、ステップS944にて入賞時予告種別CBY1及び入賞時予告種別CBY2の入賞時予告パターン種別のいずれかに決定されたこと、及び、ステップS948にて入賞時予告パターンが決定されたことなどに基づき、入賞時予告演出となる演出動作が実行される。
図68は、図61に示すステップS944にて入賞時予告種別CBY1の入賞時予告パターン種別に決定されたことに基づき、「キャラクタメッセージ表示」の入賞時予告演出が実行される場合の表示動作例を示している。この表示動作例では、例えば図61に示すステップS948にて決定された入賞時予告パターンYBP1−2による入賞時予告演出として、図68(A)に示すような演出画像の表示などにより、可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球がノーマルルートとなる第1経路900Aに誘導されることを特定可能なメッセージを通知する。また、例えば図61に示すステップS948にて決定された入賞時予告パターンYBP1−4による入賞時予告演出として、図68(B)に示すような演出画像の表示などにより、可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球がスペシャルルートとなる第2経路900Bに誘導されることを特定可能なメッセージを通知する。
こうして、入賞時予告種別CBY1の入賞時予告パターン種別に決定された場合には、キャラクタ画像によるメッセージを通知する演出画像を表示することなどにより、可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が複数の通過経路のいずれに誘導されるかを報知・示唆する入賞時予告演出が実行可能となる。そして、遊技球が誘導される通過経路を報知・示唆する入賞時予告演出が実行される入賞時予告パターンは、その演出態様あるいは予告事項に基づいて入賞時予告種別CBY1の入賞時予告パターン種別に分類されるように設定している。したがって、入賞時予告種別CBY1の入賞時予告パターン種別内で入賞時予告パターンを追加したり、各入賞時予告パターンによる入賞時予告演出の発生率を変更する際には、その入賞時予告パターン種別内で入賞時予告パターン決定テーブル173Aにおける第4予告パターン決定用の乱数値SR2−4と比較される決定値の設定のみを変更すればよいので、遊技機の開発時間や乱数値の設定時間を短縮化することができる。
図61に示すステップS944にて入賞時予告種別CBY2の入賞時予告パターン種別に決定された場合には、可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が特定入賞口66Aに入賞(V入賞)する期待度を報知・示唆する入賞時予告演出が実行可能となる。図69は、回転体86の回転位置とV入賞期待度との関係を示している。図69(C)に示すように、この実施の形態では、例えば第1貯留部が開放された後に遊技球が回転体86に到達したタイミングで、回転体位置計測カウント値が「3500」〜「4499」の範囲であれば、回転体86の特定入賞口66Aが前面側付近に位置する状態となり、特定入賞口66Aに遊技球が入賞(V入賞)する可能性が高くなる。したがって、可変入賞球装置20を開放状態とする制御を開始してから遊技球が回転体86に到達するまでの期間における回転体86の回転量を用いて逆算すれば、可変入賞球装置20の開放タイミングで回転体86の回転位置を示す回転体位置計測カウント値がどの範囲にあれば、V入賞の期待度が大きいか否か判定することができる。一例として、図69(A)に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、可変入賞球装置20を開放状態とする制御を開始するタイミングにて、図40に示すステップS290、S291の処理により、回転体位置計測カウント値が「10000」〜「10999」の範囲内であれば、V入賞期待度「大」(期待度が高い)と判定する。その後、図69(B)に示すように、回転体第1位置センサ87aがオンとなったことにより回転体位置計測カウンタがクリアされた後、図69(C)に示すように、遊技球が回転体86に到達するタイミングで回転体位置計測カウント値が「3500」〜「4499」となり、回転体86における特定入賞口66Aが前面側に位置する状態となり、高い確率で遊技球が特定入賞口66Aに入賞(V入賞)する。
図70は、図61に示すステップS944にて入賞時予告種別CBY2の入賞時予告パターン種別に決定されたことに基づき、「演出画像表示」の入賞時予告演出が実行される場合の表示動作例を示している。この表示動作例では、図61に示すステップS948にて決定された入賞時予告パターンYBP2−1による入賞時予告演出として、図70(A)に示すような演出画像を表示する。また、図61に示すステップS948にて決定された入賞時予告パターンYBP2−2による入賞時予告演出として、図70(B)に示すような演出画像を表示する。さらに、図61に示すステップS948にて決定された入賞時予告パターンYBP2−3による入賞時予告演出として、図70(C)に示すような演出画像を表示する。
図29(B)に示す入賞時予告パターン決定テーブル173Bの設定例では、V入賞期待度が「小」(期待度が低い)ときに、決定割合が高いものから入賞時予告パターンYBP2−1、入賞時予告パターンYBP2−2、入賞時予告パターンYBP2−3の順で決定割合が低下していくように、各入賞時予告パターンに対して決定値が割り当てられている。その一方で、V入賞期待度が「大」(期待度が高い)ときに、決定割合が低いものから入賞時予告パターンYBP2−1、入賞時予告パターンYBP2−2、入賞時予告パターンYBP2−3の順で決定割合が向上していくように、各入賞時予告パターンに対して決定値が割り当てられている。したがって、入賞時予告パターンYBP2−1により図70(A)に示すような演出画像を表示する入賞時予告演出が実行されたときには、V入賞期待度が低いことが報知・示唆され、入賞時予告パターンYBP2−2により図70(B)に示すような演出画像を表示する入賞時予告演出が実行されたときには、入賞時予告パターンYBP2−1の場合よりもV入賞期待度が高いことが報知・示唆され、入賞時予告パターンYBP2−3により図70(C)に示すような演出画像を表示する入賞時予告演出が実行されたときには、V入賞期待度が最も高くなっていることが報知・示唆されることになる。
こうして、入賞時予告種別CBY2の入賞時予告パターン種別に決定された場合には、入賞時予告種別CBY1の入賞時予告パターン種別に決定された場合とは異なる演出画像を表示することなどにより、可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が特定入賞口66Aに入賞(V入賞)する期待度を報知・示唆する入賞時予告演出が実行可能となる。そして、遊技球がV入賞する期待度を報知・示唆する入賞時予告演出が実行される入賞時予告パターンは、その演出態様あるいは予告事項に基づいて入賞時予告種別CBY2の入賞時予告パターン種別に分類されるように設定している。したがって、入賞時予告種別CBY2の入賞時予告パターン種別内で入賞時予告パターンを追加したり、各入賞時予告パターンによる入賞時予告演出の発生率を変更する際には、その入賞時予告パターン種別内で入賞時予告パターン決定テーブル173Bにおける第5予告パターン決定用の乱数値SR2−5と比較される決定値の設定のみを変更すればよいので、遊技機の開発時間や乱数値の設定時間を短縮化することができる。
次に、可変入賞球装置20への遊技球の入賞及び排出のタイミングと可動部材77の動作タイミングとを説明する。図71〜図74は、可変入賞球装置20への遊技球の進入及び排出のタイミングと可動部材77の動作タイミングとを示す説明図である。このうち、図71は、可変入賞球装置20の開放期間中に第1進入口71及び第2進入口72のいずれにも遊技球が進入しなかった場合の遊技球の進入及び排出タイミングと可動部材の動作タイミングとを示している。
図71に示す動作例において、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、始動動作状態に移行すると、図40に示すステップS285の処理や、図34に示すステップS22のソレノイド出力処理により、開放ソレノイド75を駆動して、開放扉76A、76Bを開放する。図71に示す動作例では、開放扉76A、76Bを開放した後に第1進入口71及び第2進入口72のいずれにも遊技球は進入していない。したがって、第1役物入賞スイッチ71a及び第2役物入賞スイッチ72aのいずれのオン信号も検出しておらず、役物内遊技球個数カウント値が「0」に維持される。こうして、役物開放制御時間及び入賞監視時間が経過すると、図41に示すステップS319にて役物内入賞球個数カウント値が「0」であり、図42に示すステップS322〜S331の処理が実行されないことから、第1貯留部及び第2貯留部のいずれも開放状態とはならず、可動部材77の配置変更も行われることなく、始動動作状態(小当り遊技状態)を終了する。
図72は、開放状態となった可変入賞球装置20における第1進入口71のみに遊技球が進入した場合の遊技球の進入及び排出タイミングと可動部材の動作タイミングとを示している。図72に示す動作例において、CPU56は、始動動作状態に移行すると、図71の動作例と同様に、開放ソレノイド75を駆動して、開放扉76A、76Bを開放する。その一方で、図72に示す動作例では、図41に示すステップS303の処理で第1進入口71に進入した遊技球が第1役物入賞スイッチ71aにより検出されたことに対応して、ステップS304の処理にて役物内遊技球カウント値が1加算される。
その後、遊技球は可変入賞球装置20の内部にて第1経路900Aを通過して、図7〜図9に示すように、可変入賞球装置20の左方に設けられた経路部材92を通り第1貯留部に一旦貯留される。そして、役物開放制御時間及び入賞監視時間が経過すると、図41に示すステップS319にて役物内入賞球個数カウント値が「0」でないことから、図42に示すステップS323における役物開放タイマ値の判定結果に基づき、ステップS324にて第1貯留部を開放状態とすることができる。こうして、図9(C)に示すように、第1貯留部から開放された遊技球は回転体86の前面側に導かれ、特定側面側開口66bを介して特定入賞口66Aに入賞し、又は、他の側面側開口84に入って排出される。
続いて、図41に示すステップS309の処理で役物排出スイッチ85aにより遊技球が検出されると、ステップS310の処理にて役物内入賞球個数カウント値が1減算され、始動動作状態(小当り遊技状態)が終了する。なお、第1進入口71に進入した遊技球が特定入賞口66Aに入賞又は排出されて役物排出スイッチ85aで検出されるまでの時間は、例えば10秒程度となるように、可変入賞球装置20の内部構成や第1貯留部の開放動作が設定されている。その一方で、第2貯留部の開放時間は、第1進入口71に進入した遊技球が排出されるまでの時間(例えば10秒)よりも十分長い時間(例えば12秒)に設定されている。したがって、図72に示す動作例では、図41に示すステップS301にて役物開放制御時間が経過して、さらにステップS319にて役物内入賞球個数カウント値が「0」になると、図42に示すステップS326〜S331の処理により第2貯留部の開放や可動部材77の配置変更が行われることなく(ステップS327;No、及び、ステップS330;No)、始動動作状態(小当り遊技状態)を終了する。すなわち、第2進入口72に遊技球が進入しておらず第2役物入賞スイッチ72aで検出されていなければ、可動部材77の配置が変更されることはない。
図73は、開放状態となった可変入賞球装置20における第2進入口72のみに遊技球が進入した場合の遊技球の進入及び排出タイミングと可動部材の動作タイミングとを示している。図73に示す動作例において、CPU56は、始動動作状態に移行すると、図71及び図72の動作例と同様に、開放ソレノイド75を駆動して、開放扉76A、76Bを開放する。その一方で、図73に示す動作例では、図41に示すステップS306の処理で第2進入口72に進入した遊技球が第2役物入賞スイッチ72aにより検出されたことに対応して、ステップS307の処理にて役物内遊技球カウント値が1加算される。
その後、遊技球は可変入賞球装置20の内部にて第2経路900Bを通過して、図10(A)に示すように、経路部材94を通り可変入賞球装置20の右上方に誘導され第2貯留部に一旦貯留される。そして、役物開放制御時間及び入賞監視時間が経過すると、図41に示すステップS319にて役物内入賞球個数カウント値が「0」でないことから、図42に示すステップS323における役物開放タイマ値の判定結果に基づき、ステップS324にて第1貯留部を開放状態とすることができる。ここで、図73に示す動作例では、第1進入口71には遊技球が進入していないので、第1貯留部を開放しても遊技球の特定入賞口66Aへの入賞や排出は生じない。
続いて、図73に示す動作例では、図42に示すステップS327における役物開放タイマ値の判定結果に基づき、ステップS328にて第2貯留部を開放状態とすることができる。また、図42に示すステップS330における役物開放タイマ値の判定結果に基づき、ステップS331にて可動部材制御処理を実行することにより、可動部材77の配置を変更する制御が行われる。こうして、図10(B)に示すように、第2貯留部が開放されるとともに、可動部材77が移動して右上方から左下方に斜めに傾いた状態に変化する。このときには、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101が図60に示すステップS868における小当り開始後タイマ値の判定結果に基づき、ステップS869にて装飾部材制御処理を実行することにより、装飾部材78も可動部材77と連携して移動する。そして、第2貯留部から開放された遊技球は可動部材77内および経路部材95を通り回転体86の上面に落下し、図11及び図12に示すように、特定開口66又は特定側面側開口66bを介して特定入賞口66Aに入賞し、又は、他の側面側開口84に入って排出される。
可動部材77が最も下方まで移動すると、図43に示すステップS505の処理で下側位置センサ91bがオンとなり、ステップS508にて可動部材初期位置設定要求フラグがオン状態にセットされる。これに基づいて、図34に示すステップS23の可動部材初期位置制御処理では、図52に示すステップS163〜S167の処理が実行されることにより、直ちに可動部材77を初期位置に戻す制御が行われる。
そして、図41に示すステップS309の処理で役物排出スイッチ85aにより遊技球が検出されると、ステップS310の処理にて役物内入賞球個数カウント値が1減算され、始動動作状態(小当り遊技状態)が終了する。こうして、第2進入口72に遊技球が進入して第2役物入賞スイッチ72aで検出された場合にのみ、可動部材77の配置が変更され、装飾部材78が連携して移動する演出が実行される。そして、第2貯留部から開放された遊技球は可動部材77内および経路部材95を通り回転体86の上面に落下し、図11及び図12に示すように、特定開口66又は特定側面側開口66bを介して特定入賞口66Aに入賞し、あるいは、他の側面側開口84に入って排出される。
図74は、開放状態となった可変入賞球装置20における第1進入口71に遊技球が進入するとともに第2進入口72に遊技球が進入した場合の遊技球の進入及び排出タイミングと可動部材の動作タイミングとを示している。図74に示す動作例では、図41に示すステップS303の処理で第1進入口71に進入した遊技球が第1役物入賞スイッチ71aにより検出されたことに対応して、ステップS304の処理にて役物内遊技球カウント値が1加算される。また、図74に示す動作例では、図41に示すステップS306の処理で第2進入口72に進入した遊技球が第2役物入賞スイッチ72aにより検出されたことに対応して、ステップS307の処理にて役物内遊技球カウント値が1加算される。こうして、役物内入賞球個数カウント値は「2」となる。
その後、第1進入口71に進入した遊技球は可変入賞球装置20の内部にて第1経路900Aを通過して、図7及び図8に示すように、可変入賞球装置20の左方に設けられた経路部材92を通り第1貯留部に一旦貯留される。また、第2進入口72に進入した遊技球は可変入賞球装置20の内部にて第2経路900Bを通過して、図10(A)に示すように、経路部材94を通り可変入賞球装置20の右上方に誘導され第2貯留部に一旦貯留される。
続いて、役物開放制御時間及び入賞監視時間が経過すると、図41に示すステップS319にて役物内入賞球個数カウント値が「0」でないことから、図42に示すステップS323における役物開放タイマ値の判定結果に基づき、ステップS324にて第1貯留部を開放状態とすることができる。これにより、図9(C)に示すように、第1貯留部から開放された遊技球は回転体86の前面側に導かれ、特定側面側開口66bを介して特定入賞口66Aに入賞し、又は、他の側面側開口84に入って排出される。図74に示す動作例では、第1貯留部から開放された遊技球が側面側開口84に入ってはずれとなる。このとき、図41に示すステップS309の処理で役物排出スイッチ85aにより遊技球が検出されると、ステップS310の処理にて役物内入賞球個数カウント値が1減算されて「1」となる。
この場合には、さらに図41に示すステップS319にて役物内入賞球個数カウント値が「0」でないことから、図42に示すステップS327における役物開放タイマ値の判定結果に基づき、ステップS328にて第2貯留部を開放状態とすることができる。また、図42に示すステップS330における役物開放タイマ値の判定結果に基づき、ステップS331にて可動部材制御処理を実行することにより、可動部材77の配置を変更する制御が行われる。こうして、図10(B)に示すように、第2貯留部が開放されるとともに、可動部材77が移動して右上方から左下方に斜めに傾いた状態に変化する。このときには、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101が図60に示すステップS868における小当り開始後タイマ値の判定結果に基づき、ステップS869にて装飾部材制御処理を実行することにより、装飾部材78も可動部材77と連携して移動する。そして、第2貯留部から開放された遊技球は可動部材77内および経路部材95を通り回転体86の上面に落下し、図11及び図12に示すように、特定開口66又は特定側面側開口66bを介して特定入賞口66Aに入賞し、又は、他の側面側開口84に入って排出される。
可動部材77が最も下方まで移動すると、図43に示すステップS505の処理で下側位置センサ91bがオンとなり、ステップS508にて可動部材初期位置設定要求フラグがオン状態にセットされる。これに基づいて、図34に示すステップS23の可動部材初期位置制御処理では、図52に示すステップS163〜S167の処理が実行されることにより、直ちに可動部材77を初期位置に戻す制御が行われる。
そして、図41に示すステップS309の処理で役物排出スイッチ85aにより遊技球が検出されると、ステップS310の処理にて役物内入賞球個数カウント値が1減算されて「0」となり、始動動作状態(小当り遊技状態)が終了する。
次に、第1貯留部材93aによって停留状態とされている遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度が報知されるV入賞期待度報知演出の具体例について説明する。図75は、V入賞期待度報知演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、図40に示すステップS289、S290の処理を実行することにより、可変入賞球装置20を開放状態とする制御が開始される役物開放時に、回転体位置計測カウント値に基づいてV入賞期待度を特定する。これにより、可変入賞球装置20を開放状態としたタイミングと、回転体第1位置センサ87aが検出した回転体86の回転位置とに基づいて、V入賞期待度が判定される。そして、この判定結果に基づき、図40に示すステップS291の処理などにより、V入賞期待度通知コマンドが演出制御基板80に対して伝送される。
演出制御基板80の側では、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101が、図60に示すステップS871にて貯留時演出設定処理を実行することなどにより、V入賞期待度通知コマンドを受信したことに基づき、操作ボタン120の操作に応じて、演出表示装置9においてパワーバーの目盛り表示が段階的に増加するような表示演出を実行する。このときには、図62に示すステップS967、S968の処理などにより、操作ボタン120の操作に応じて第1貯留部装飾部90eを動作させる。その後、例えば第1貯留部を開放状態とするタイミングなどに対応して、演出制御用CPU101が図62に示すステップS971、S972の処理を実行することにより、操作ボタン120の操作に応じて、V入賞期待度を報知する。
図75に示す動作例では、第1貯留部が開放された後に遊技球が回転体86に到達したタイミングで、回転体位置計測カウント値が「3500」〜「4499」の範囲内であれば、回転体86の特定入賞口66Aがちょうど前面側付近に位置する状態となり、特定入賞口66AにV入賞する可能性が高くなる。そこで、可変入賞球装置20を開放状態としてから遊技球が回転体86に到達するまでの期間における回転体86の回転量を用いて逆算すれば、役物開放のタイミングで回転体86の回転位置を示す回転体位置計測カウント値がどの範囲にあれば、V入賞の期待度が大きいか否か判定することができる。図75に示す動作例では、役物開放のタイミングで回転体位置計測カウント値が「10000」〜「10999」の範囲内となり、V入賞期待度「大」と判定される。その後、図75に示すように、回転体第1位置センサ87aがオンとなったことにより回転体位置計測カウンタがクリアされた後、遊技球が回転体86に到達するタイミングで回転体位置計測カウンタの値が「3500」〜「4499」の範囲内となり、高い確率で遊技球が特定入賞口66AにV入賞する。
そして、少なくとも第1貯留部が開放状態とされ可変入賞球装置20に進入した遊技球の停留状態が解除されるタイミングで、第1貯留部材93aによって停留状態とされている遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度を報知する。これにより、操作ボタン120を用いた操作によって第1貯留部材93aによる遊技球の貯留状態の解除に影響を与えたような印象を与えることができ、遊技者に対して操作ボタン120を用いた操作への参加意欲を高めさせることができる。
図76は、V入賞期待度報知演出における報知態様の一例を示している。演出制御用CPU101は、図62に示 すステップS963にてV入賞期待度通知コマンドの受信があったと判定したときに、ステップS964の処理を実行することなどにより、例えば図76(A)に示すように、演出表示装置9に「ボタンを連打してね!」などの文字列を重畳表示させるとともに、パワーバーを重畳表示させる。続いて、図62に示すステップS966にて第1貯留部装飾部駆動期間が終了したと判定される前であれば、ステップS967にて遊技者による操作ボタン120の操作が検出されたことに応じて、ステップS968の処理により、例えば図76(B)に示すように、演出表示装置9に表示するパワーバーの目盛り表示を1ずつ増加させる。ただし、演出表示装置9に表示しているパワーバーの目盛り表示がV入賞期待度を示すレベルの1つ前の段階に到達している場合には、第1貯留部装飾部駆動期間が終了するまで、それ以上目盛り表示を増加させないように制御する。
その後、第1貯留部装飾部駆動期間が終了すると、図62に示すステップS971にて遊技者による操作ボタン120の操作が検出されたことに応じて、ステップS972の処理により、例えば図76(C)に示すように、パワーバーの目盛り表示をV入賞期待度を示すレベルの領域まで増加させる演出表示が行われる。ここで、図76(C)に示す表示動作例では、パワーバーの目盛り表示が最大まで増加せず、「・・・!?」などの文字列が重畳表示されることで、V入賞期待度「小」(期待度が低い状態)であることを報知・示唆している。これに対して、パワーバーの目盛り表示が最大まで増加するとともに、「熱い!」などの文字列が重畳表示されることで、V入賞期待度「大」(期待度が高い状態)であることを報知・示唆してもよい。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、例えば図25(A)に示す変動中予告パターン種別決定テーブル170を用いて、図37に示すステップS225により決定された特図表示結果に基づいて図38に示すステップS243で決定された特図変動パターンなどに対応する決定割合で、飾り図柄の可変表示中に変動中予告演出を実行するための変動中予告パターン種別が、図56に示すステップS903にて予め複数用意されたいずれかに決定される。その後、変動中予告パターン種別の決定結果に基づき、図56に示すステップS907にて、例えば図26(A)〜(C)に示す変動中予告パターン決定テーブル171A〜171Cのいずれかを用いて、変動中予告パターンが予め複数用意されたいずれかに決定される。これにより、変動中予告パターン種別の追加や発生率の変更を行う場合には、変動中予告パターン種別決定テーブル170における決定値の設定のみを変更すればよいので、設計時間を短縮化することができる。また、詳細な変動中予告パターンの追加や発生率の変更を行う場合には、変動中予告パターン決定テーブル171A〜171Cにおける決定値の設定のみを変更すればよいので、設計時間を短縮化することができる。すなわち、変動中予告パターン種別の決定割合と、変動中予告パターンの決定割合とを、別個に設定することができるので、変動中予告パターン種別や変動中予告パターンの振分けにかかわる設計変更を容易に行うことができる。
変動中予告種別CAY1の変動中予告パターン種別には、始動動作状態において可変入賞球装置20が開放状態となる回数である役物開放回数(入賞口開放回数)を報知・示唆する変動中予告演出を実行するための変動中予告パターンが、複数パターン含まれている。これにより、役物開放回数を報知・示唆する予告演出を実行して、遊技の興趣を向上させることができる。
変動中予告種別CAY2の変動中予告パターン種別には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数(大当り時ラウンド数)を報知・示唆する変動中予告演出を実行するための変動中予告パターンが、複数パターン含まれている。これにより、大当り時ラウンド数を報知・示唆する予告演出を実行して、遊技の興趣を向上させることができる。
変動中予告種別CAY3の変動中予告パターン種別には、特図表示結果が「大当り」となる可能性を報知・示唆する変動中予告演出を実行するための変動中予告パターンが、複数パターン含まれている。これにより、特図表示結果が「大当り」となる可能性を報知・示唆する予告演出を実行して、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、例えば図28(A)に示す入賞時予告パターン種別決定テーブル172を用いて、図41に示すステップS303やステップS306で第1役物入賞スイッチ71a又は第2役物入賞スイッチ72aがオンとなったことに基づいて図61に示すステップS941で役物入賞通知コマンドの受信ありとなったときに、可変入賞球装置20の内部に遊技球が進入してから排出されるまでに入賞時予告演出を実行するための入賞時予告パターン種別が、図61に示すステップS944にて予め複数用意されたいずれかに決定される。その後、入賞時予告パターン種別の決定結果に基づき、図61に示すステップS948にて、例えば図29(A)及び(B)に示す入賞時予告パターン決定テーブル173A、173Bのいずれかを用いて、入賞時予告パターンが予め複数用意されたいずれかに決定される。これにより、入賞時予告パターン種別の追加や発生率の変更を行う場合には、入賞時予告パターン種別決定テーブル172における決定値の設定のみを変更すればよいので、設計時間を短縮化することができる。また、詳細な入賞時予告パターンの追加や発生率の変更を行う場合には、入賞時予告パターン決定テーブル173A、173Bにおける決定値の設定のみを変更すればよいので、設計時間を短縮化することができる。すなわち、入賞時予告パターン種別の決定割合と、入賞時予告パターンの決定割合とを、別個に設定することができるので、入賞時予告パターン種別や入賞時予告パターンの振分けにかかわる設計変更を容易に行うことができる。
入賞時予告種別CBY1の入賞時予告パターン種別には、可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球がスペシャルルートとなる第2経路900Bを通過するか否かを報知・示唆する入賞時予告演出を実行するための入賞時予告パターンが、複数パターン含まれている。これにより、第1経路900Aよりも遊技者に有利な第2経路900Bを遊技球が通過するか否かを報知・示唆する予告演出を実行して、遊技の興趣を向上させることができる。
入賞時予告種別CBY2の入賞時予告パターン種別には、V入賞期待度通知コマンドにより通知されたV入賞期待度を報知・示唆する入賞時予告演出を実行するための入賞時予告パターンが、複数パターン含まれている。これにより、V入賞期待度を報知・示唆する予告演出を実行して、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、回転体第1位置センサ87aによる回転体86の位置検出結果と操作ボタン120による操作を検出したか否かの判定結果とに基づいて、図60に示すステップS871にて貯留時演出設定処理が実行されることなどにより、第1貯留部材93aによって停留状態とされている遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度を報知するV入賞期待度報知演出が実行される。これにより、遊技者の操作に応じて、可変入賞球装置20の内部に進入した遊技球が特定入賞口66Aに進入する可能性を報知・示唆する演出動作を実行して、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、可変入賞球装置20を開放状態とする制御を開始するときに、図40に示すステップS289、S290によりV入賞期待度が特定され、そのV入賞期待度を報知・示唆する入賞時予告演出が、図61に示すステップS941にて役物入賞通知コマンドの受信ありという判定に基づいて開始される。すなわち、上記実施の形態では、第1役物入賞スイッチ71a又は第2役物入賞スイッチ72aによる遊技球の検出は、V入賞期待度を報知・示唆する入賞時予告演出の開始タイミングを規定する一方で、V入賞期待度そのものには影響を与えないものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1役物入賞スイッチ71a又は第2役物入賞スイッチ72aによる遊技球の検出タイミングに応じて、異なるV入賞期待度を報知・示唆する入賞時予告演出が実行されるようにしてもよい。
一例として、可変入賞球装置20の内部に第1貯留部や第2貯留部が設けられない場合には、第1進入口71又は第2進入口72に遊技球が進入してから回転体86に到達するまでの期間における回転体86の回転量を用いた逆算により、遊技球の進入タイミングで回転体86の回転位置を示す回転体位置計測カウント値がどの範囲にあれば、V入賞の期待度が大きいか否か判定することができる。この場合には、例えば図41に示すステップS303にて第1役物入賞スイッチ71aがオンであると判定したときや、ステップS306にて第2役物入賞スイッチ72aがオンであると判定したときに、図40に示すステップS289、S290に相当する処理を実行して、回転体位置計測カウント値からV入賞期待度を特定すればよい。
上記実施の形態では、回転体86が常時回転しており、可変入賞球装置20を開放状態とする制御を開始するときに、回転体位置計測カウント値からV入賞期待度を特定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、回転体86は、可変入賞球装置20を開放状態とする制御を開始するときに、所定の初期位置から回転動作を開始するように制御されてもよい。この場合には、例えば第1貯留部や第2貯留部を閉鎖状態から開放状態とする開放タイミングを、予め複数用意したいずれかのタイミングに決定し、その開放タイミングに応じてV入賞期待度が異なるように設定してもよい。そして、V入賞期待度を報知・示唆する入賞時予告演出については、第1貯留部や第2貯留部における開放タイミングの決定結果に応じて異なる決定割合で、入賞時予告パターンが予め複数用意されたいずれかに決定されるようにすればよい。
上記実施の形態では、回転体86が一定の回転速度で回転動作を行っていることから、可変入賞球装置20を開放状態とする制御を開始してから遊技球が回転体86に到達するまでの期間における回転体86の回転量を用いて逆算すれば、可変入賞球装置20の開放タイミングで回転体86の回転位置を示す回転体位置計測カウント値がどの範囲にあれば、V入賞の期待度が大きいか否か判定することができる。しかしながら、この発明はこれに限定されず、回転体86が可変速度で回転動作を行い、回転体86の回転速度は、予め複数用意された複数の回転動作パターンに応じて設定されるようにしてもよい。この場合には、例えば可変入賞球装置20の開放タイミングにおける回転体位置計測カウント値だけでなく、回転体86の回転速度を設定する回転動作パターンの決定結果も用いて、V入賞期待度を特定するためのV入賞期待度判定テーブルを用意すればよい。
上記実施の形態では、可変入賞球装置20を開放状態とする制御を開始するときに、図40に示すステップS289、S290によりV入賞期待度が特定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば飾り図柄の可変表示を開始するタイミングや、特図変動パターンにおける特図変動時間から、飾り図柄の可変表示を開始するときの回転体位置計測カウント値に基づいてV入賞期待度が特定されるようにしてもよい。この場合には、例えば特図変動パターンにおける特図変動時間に対応して、回転体位置計測カウント値からV入賞期待度を特定するためのV入賞期待度判定テーブルを用いて、V入賞期待度が特定されればよい。
上記実施の形態では、開閉板16により開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口が、可変入賞球装置20とは別個に設けられるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、可変入賞球装置20における第1進入口71や第2進入口72を大入賞口として、大当り遊技状態では可変入賞球装置20を開放状態とするラウンド遊技が行われるようにしてもよい。また、開閉板16により開閉される大入賞口と、可変入賞球装置20にて開閉される大入賞口とを両方用いるようにしてもよい。この場合、例えば大当り遊技状態に制御された回数やラウンド遊技の実行回数といった、各種条件の成否に応じて開放状態とする大入賞口を切り替えるようにしてもよい。一例として、ラウンド遊技の実行回数に応じて開放状態とする大入賞口を切り替える場合、奇数番目のラウンド遊技では、開閉板16により開閉される大入賞口を開放状態とし、偶数番目のラウンド遊技では、可変入賞球装置20にて開閉される大入賞口を開放状態としてもよい。あるいは、大当り時ラウンド数の決定結果に応じて開放状態とする大入賞口を切り替えるようにしてもよい。例えば、大当り時ラウンド数が「2」である場合には、可変入賞球装置20にて開閉される大入賞口を開放状態とし、大当り時ラウンド数が「7」又は「15」である場合には、開閉板16により開閉される大入賞口を開放状態としてもよい。
上記実施の形態では、図37に示すステップS224にて図17(B)に示すような特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルとしてセットすることにより、ステップS225では、特図ゲームにおける可変表示結果となる特図表示結果が、「大当り」あるいは「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれかに決定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば特図表示結果が「ハズレ」となる場合を設けてもよい。そして、特図表示結果が「ハズレ」となったときには、特図ゲームの終了後に、大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれにも制御されることなく、次の特図ゲームを開始可能となるように制御すればよい。より具体的には、図39に示すステップS263にて大当りフラグがオフである場合には、特図表示結果が「ハズレ」であるか否かの判定を行い、特図表示結果が「ハズレ」であれば、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから、特別図柄停止処理を終了すればよい。
上記実施の形態では、図18に示す特図変動パターン決定テーブル131の設定により、特図表示結果が「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれかに決定された場合に、その特図表示結果に対応して、大当り時ラウンド数と入賞口開放回数との組合せが、1種類に決定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大当り時ラウンド数と入賞口開放回数との組合せは、予め用意された複数種類のいずれかに決定されるようにしてもよい。一例として、特図表示結果が「第1小当り」に決定された場合には、大当り時ラウンド数は「2」のみに決定される一方で、入賞口開放回数は「1」及び「2」のいずれかに決定されるようにしてもよい。また、特図表示結果が「第2小当り」や「第3小当り」に決定された場合にも、入賞口開放回数が「1」に決定されることがあるようにしてもよい。これにより、始動動作状態における入賞口開放回数から大当り時ラウンド数を特定することが困難になり、大当り遊技状態となる以前に大当り時ラウンド数が特定されてしまうことによる遊技興趣の低下を抑制できる。なお、入賞口開放回数は「1」又は「2」に決定されるものに限定されず、例えば「3」や「4」といった、より多くの回数が含まれていてもよい。
上記実施の形態では、図37に示すステップS225にて特図表示結果を「大当り」とすることが決定された場合に、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数である大当り時ラウンド数が常に「15」となるように設定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、特図表示結果が「大当り」となる場合には、例えばCPU56が乱数回路503やランダムカウンタなどから取得した乱数値を示す数値データに基づいて、大当り時ラウンド数を予め複数用意されたいずれかに決定するようにしてもよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果が「大当り」となる部分を、大当り時ラウンド数が異なる複数種類の「大当り」が含まれるように設定してもよい。
上記実施の形態では、演出制御基板80にVDP109が搭載され、演出制御基板80の制御下にて、演出表示装置9における表示動作などを制御するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出制御基板80とは別個にマイクロコンピュータが搭載された表示制御基板を設け、その表示制御基板にVDP109などが搭載されるように構成してもよい。この場合、表示制御基板では、演出制御用マイクロコンピュータ100とは別個に構成されたマイクロコンピュータにて、演出制御基板80からの制御信号を受け、その制御信号に対応して所定の表示制御データを参照することなどにより、各種の制御を行うようにすればよい。
上記実施の形態では、普通可変入賞球装置61が形成する始動入賞口に入賞した遊技球が始動口スイッチ60により検出されたことに基づいて、特別図柄表示器8による特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば複数(例えば2つ)の特別図柄表示装置を設けて複数の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるようにしてもよい。一例として、遊技領域7に設けられた第1始動入賞口に入賞した遊技球が第1始動口スイッチにより検出されたことに基づいて、第1特別図柄表示器による第1特図を用いた特図ゲームが実行される。また、遊技領域7に第1始動入賞口とは別個に設けられた第2始動入賞口に入賞した遊技球が第2始動口スイッチにより検出されたことに基づいて、第2特別図柄表示器による第2特図を用いた特図ゲームが実行される。この場合には、第1特図を用いた特図ゲームと、第2特図を用いた特図ゲームとで、特図表示結果の決定割合を異ならせるようにしてもよい。また、第1特図を用いた特図ゲームと、第2特図を用いた特図ゲームとのうち、一方の特図ゲームで決定可能な特図表示結果には、他方の特図ゲームで決定不能な特図表示結果が含まれるように設定してもよい。一例として、第1特図を用いた特図ゲームでは、特図表示結果が「大当り」あるいは「第1小当り」〜「第3小当り」のいずれかに決定される一方で、第2特図を用いた特図ゲームでは、特図表示結果が「大当り」又は「ハズレ」に決定されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果となる普図表示結果が「普図当り」となることにより、始動入賞口が開放状態となって遊技球が入賞可能になるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、普図表示結果に関わりなく、常時入賞可能な玉受部材などを用いて形成された始動入賞口を設けてもよい。また、普図表示結果が「普図当り」となることにより開放状態となり入賞可能となる始動入賞口とともに、常時入賞可能な始動入賞口を設けるようにしてもよい。
上記実施の形態では、特図保留記憶部151Bを設けて、特図開始条件の成立していない特図ゲームの保留データを記憶するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、特図保留記憶部151Bを有しない構成としてもよい。そして、始動入賞口に入賞した遊技球が検出されたときに特図ゲームを開始できない状態(例えば前回の特図ゲームが実行中である場合や大当り遊技状態中、小当り遊技状態中など)であれば、賞球の払出しのみが行われ、特図ゲームの保留記憶が行われないようにしてもよい。また、保留データの記憶数における上限値は「4」に限定されず、例えば「1」として、1回分の特図ゲームに対応した保留データのみを記憶可能としてもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。