実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9の表示画面には、可変表示の実行条件である始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域がある。また、演出表示装置9の表示画面には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する表示領域(保留記憶表示領域18c)がある。保留記憶表示領域18cでは、有効始動入賞がある毎に、保留記憶数を示す保留記憶表示の点灯色を1つ変化させる(例えば赤色から青色に変化させる)。そして、演出表示装置9での可変表示が開始される毎に、保留記憶表示の点灯色を1つもとに戻す(例えば青色から赤色に戻す)。
なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
遊技盤6における左側方下部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の2つの表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。よって、特別図柄表示器8は、特別図柄としての00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されている。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動は、特別図柄表示器8における左右の表示器のそれぞれに表示される図柄が「−」→「0」→・・・→「9」と変化することによって実現される。
特別図柄表示器8の近傍には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、特別図柄表示器8での可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示器8は、遊技制御基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
可変表示装置9の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口13が形成されている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口13の真下には、第2始動入賞口14が形成されている。そして、第2始動入賞口14には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15が閉状態のときは第2始動入賞口14に遊技球が入賞せず、可変入賞球装置15が開状態のときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開閉される。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
可変表示装置9の下部には、第2大入賞口を形成する役物75が設けられている。役物75には、モータ等の駆動装置によって駆動される羽根状の可動部材76が設けられている。可動部材76が左に倒れるような位置に制御されると、遊技球が第2大入賞口に進入可能な状態(開放状態)になる。可動部材76が第2大入賞口を塞ぐような位置に制御されると、遊技球が第2大入賞口に進入不可能な状態(閉鎖状態)になる。以下、役物75を、「第2大入賞口」または「第2大入賞口(役物)」と表現することがある。
第2大入賞口(役物)の内部には、進入した遊技球を検出する第2大入賞口入賞スイッチ71aが設けられている。さらに、第1特定領域73と、第1特定領域73を通過した遊技球を検出する第1特定領域通過スイッチ73aとが設けられている。また、第2特定領域74と、第2特定領域74を通過した遊技球を検出する第2特定領域通過スイッチ74aとが設けられている。
また、可変入賞球装置15の下方には、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示された場合に生ずる特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板を備え、第1大入賞口を形成する。第1大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(第2大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、前回の可変表示または大当り遊技が終了し、可変表示の開始条件が成立したこと)、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、保留記憶数を1増やす。
図2は、この実施の形態の遊技機の遊技の進み方の一例を示す説明図である。第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、すなわち始動入賞が生ずると、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)によって抽選が実行される。抽選では、はずれ、第1大当りA、第1大当りB、小当りA、小当りB、第2大当りのいずれかが決定される。そして、可変表示の開始条件が成立したことにもとづいて、特別図柄および飾り図柄の変動(可変表示)が開始される。
変動時間(可変表示時間)が経過すると、特別図柄および飾り図柄の変動が終了する。抽選の結果、はずれに決定されている場合には、大当り遊技は実行されず、第1大入賞口は開放されない。抽選の結果、第1大当りAに決定されている場合には、第1大入賞口が15回(15ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開放する第1大当り遊技(第1大当り遊技A)が行われ、第1大当りBに決定されている場合には、第1大入賞口が2回(2ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開放する第1大当り遊技(第1大当り遊技B)が行われる。なお、第1大当りAと第1大当りBとを第1大当りと総称し、第1大当りと第2大当りとを、大当りと総称することがある。
抽選の結果、小当りAおよび小当りBのいずれかに決定されている場合には、第2大入賞口が2回開放する(1回当り0.5秒の開放)。但し、小当りAに決定された場合と小当りBに決定された場合とは、第2大入賞口が開放するタイミングが異なる。すなわち、図柄の変動が終了したとき(停止図柄が導出表示されたとき)から第2大入賞口が開放されるまでのタイミングが、小当りAに決定された場合と小当りBに決定された場合とで異なる。なお、小当りAに決定されたときの第2大入賞口が開放するタイミングを開放タイミングAといい、小当りBに決定されたときの第2大入賞口が開放するタイミングを開放タイミングBという。また、第2大入賞口が2回開放(1回当り0.5秒の開放の場合)する動作を始動動作ということがある。
遊技球が、第2大入賞口内に進入し、第2大入賞口内の第1特定領域73に入賞した場合には、第2大入賞口が15ラウンド開放する(1ラウンド当り2秒、7回の開放)第2大当り遊技が実行される。遊技球が、第2大入賞口内の第2特定領域74に入賞した場合には、第2大入賞口が7ラウンド開放する(1ラウンド当り2秒、7回の開放)第2大当り遊技が実行される。なお、始動動作中でも、第2大当り動作中でも、第2大入賞口に遊技球が入賞し、第2大入賞口入賞スイッチ71aで遊技球が検出されると賞球払出がなされる。
抽選の結果、第2大当りにすることに決定されている場合には、始動動作が行われることなく、第2大入賞口が15ラウンド開放する(1ラウンド当り2秒、7回の開放)第2大当り遊技が実行される。
図3〜図5は、第2大入賞口を形成する役物75内の構造例、および役物75内の遊技球の流れの様子を示す説明図である。また、図6および図7は、流路切替部材78の貯留動作を説明するための説明図である。役物75において、駆動装置としてのモータ24によって可動部材76が倒れた状態になると、第2大入賞口が開放し、遊技球が第2大入賞口内に進入可能になる。第2大入賞口内に進入した遊技球は、例えば近接スイッチによる第2大入賞口入賞スイッチ71aで検出され、流路切替部材78に至る。
流路切替部材78は、モータ22で駆動され、図3に示す下方に倒れた状態(遊技球を役物75内の下部に導く状態)と、図4〜図7に示す水平の状態(遊技球を流路切替部材78の先に導く状態)と、図6に示す上方に立った状態(遊技球を貯留(止める)状態)とに変化する。このように流路切替部材78が変化(可動)することによって、第2大入賞口内に進入した遊技球の流路(経路)が切り替えられる。この実施の形態では、流路切替部材78は、最初、水平の状態にある。そして、図柄の変動が終了して停止図柄(小当りになったことを示す小当り図柄)が導出表示されてから所定時間経過したときに、流路切替部材78の動作が開始される。そして、下方に倒れた状態と水平の状態と上方に立った状態とを所定期間交互に繰り返す。なお、この実施の形態では、小当りAが発生したとき(小当りAになったことを示す小当り図柄が導出表示されたとき)も、小当りBが発生したとき(小当りBになったことを示す小当り図柄が導出表示されたとき)も、小当り図柄が導出表示されてから流路切替部材78の動作が開始されるまでの時間は一定とされている。これに対し、この実施の形態では、小当りAが発生したときと小当りBが発生したときとで、小当り図柄が導出表示されてから可動部材76が動作されるまでの時間を異ならせている。
流路切替部材78が下方に倒れた状態のときに遊技球が流路切替部材78に到達すると、図3に示すように、遊技球は役物75内の下部に導かれる。役物75内の下部に導かれた遊技球は、遊技盤6の背面側に導かれて排出される。なお、遊技盤6の背面側に導かれた遊技球は、1つの排出経路に導かれ、排出経路に設けられている第2大入賞口排出スイッチ72aで検出される。
流路切替部材78は、例えばモータ22の逆回転によって、図4および図5に示すように、遊技球を流路切替部材78の先に導くような位置に戻る(流路切替部材78が水平になる)。流路切替部材78の先には、第1特定領域73と第2特定領域74とが設けられている。
図4に示すように、第1特定領域73を通過した遊技球は、例えば近接スイッチによる第1特定領域スイッチ73aで検出された後、遊技盤6の背面側に導かれて排出される。なお、遊技盤6の背面側に導かれた遊技球は、1つの排出経路に導かれ、排出経路に設けられている第2大入賞口排出スイッチ72aで検出される。
また、図5に示すように、第2特定領域74を通過した遊技球は、例えば近接スイッチによる第2特定領域スイッチ74aで検出された後、遊技盤6の背面側に導かれて排出される。なお、遊技盤6の背面側に導かれた遊技球は、1つの排出経路に導かれ、排出経路に設けられている第2大入賞口排出スイッチ72aで検出される。
流路切替部材78が上方に立った状態のときに遊技球が流路切替部材78に到達すると、図6に示すように、遊技球は流路切替部材78でせき止められ一旦貯留される。その後、流路切替部材78が水平な状態に戻ると、貯留されていた遊技球が、第1特定領域73および第2特定領域74が設けられているクルーン(遊技球を振り分けるために用いられる皿状で穴の開いている部品。役物の一部。)の方へゆっくりと進行する。この場合、遊技球の進行速度が遅いので、遊技球は手前側に設けられている第1特定領域73に進入する割合が高くなる。
流路切替部材78が水平の状態のときに遊技球が流路切替部材78に到達すると、図7に示すように、遊技球は貯留されずに流路切替部材78を通過する。流路切替部材78を通過した遊技球は、第1特定領域73および第2特定領域74が設けられているクルーンの方へ速い速度で進行する。この場合、遊技球の進行速度が速いので、遊技球は奥側に設けられている第2特定領域74に進入する割合が高くなる。
以上のように、遊技球が第2大入賞口内に進入したときの流路切替部材78の状態によって、経路が切り替えられる。すなわち、流路切替部材78が下方に倒れた状態であるかどうかによって、有利経路(特定領域に至る経路)と不利経路(特定領域に至らない経路)とが切り替えられる。また、流路切替部材78が上方に立った状態であるかどうかによって、第1特定領域73に進入しやすいか第2特定領域74に進入しやすいかが決定される。
この実施の形態では、流路切替部材78はモータ22の駆動に応じて位置を変えるが、流路切替部材78をソレノイドで駆動するようにしてもよい。また、可動部材76はモータ24の駆動に応じて位置を変えるが、可動部材76をソレノイドで駆動するようにしてもよい。
図3〜図5に例示された役物75の構造は一例であって、第1特定領域73と第2特定領域74との位置関係、大きさの差、第1特定領域と第2特定領域の数の違いなどを変更してもよい。
図8は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図8には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、第2大入賞口入賞スイッチ71a、第2大入賞口排出スイッチ72a、第1特定領域通過スイッチ73aおよび第2特定領域通過スイッチ74aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、第1大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、第2大入賞口(役物)内への遊技球の進入を許容するための可動部材76を駆動するモータ24、および第2大入賞口(役物)内の流路切替部材78を駆動するモータ22を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
図9は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図9に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路77Aが搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図9には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図8に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
次に、遊技機の動作について説明する。図10は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、可変表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、停止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、停止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、可変表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図11に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、第2大入賞口入賞スイッチ71a、第2大入賞口排出スイッチ72a、第1特定領域通過スイッチ73aおよび第2特定領域通過スイッチ74aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口)に遊技球が入賞したことを検出した場合や、正規の時期以外の時期において第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に、異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図12は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当り(小当りを含む。)を発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させるときの特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム3: 特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
図11に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り図柄決定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(7)の乱数以外の乱数も用いられている。また、この実施の形態では、特別図柄のはずれ図柄を1種類(例えば、「−−」)にしているので、はずれ図柄決定用乱数を用いなくてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27A)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8および大入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口)を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、切替部材制御処理を行う(ステップS27B)。切替部材制御処理では、所定のタイミングになると流路切替部材78の作動を開始させ、所定のタイミングなると流路切替部材78の作動を停止させる制御を行う。
また、CPU56は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、CPU56は、可変表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第2大入賞口入賞スイッチ71a、およびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第2大入賞口入賞スイッチ71a、およびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。また、CPU56は、出力処理において、モータ22,24を駆動するための信号出力処理も行う。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図13は、大当り判定用乱数と大当り判定値との関係の一例を示す説明図である。CPU56は、所定の時期に、大当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図13に示す大当り判定値に一致すると、大当り(第1大当りA、第1大当りBまたは第2大当り)または小当り(小当りAまたは小当りB)とすることに決定する。
なお、この実施の形態では、抽選の結果、大当りが発生する確率が高められる確変状態に制御しない。つまり、確変状態は生じない。しかし、所定の確変状態移行条件が成立すると、遊技状態を、大当りが発生する確率を高めた確変状態に制御するようにしてもよい。その場合、確変状態では、大当り判定値の数が多くなる。また、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められるようにしてもよい。
一方、この実施の形態では、第1大当り遊技の終了後に所定の変動回数(例えば50回)だけ遊技状態が時短状態(特別図柄の可変表示時間が通常遊技状態のときよりも短縮される遊技状態)に制御される。このように可変表示時間が短縮されることにより、頻繁に図柄の可変表示が実行され、単位時間当たりの大当りの発生確率が向上する結果、遊技者にとって有利な状態となる。なお、後述する図30には示していないが、第1大当り終了処理では、遊技状態が時短状態に制御されていることを示す時短フラグがセットされる。また、特別図柄プロセス処理における所定の処理(例えば変動パターン設定処理など)において時短状態への移行後の変動回数を変動回数カウンタでカウントし、第1大当り遊技終了後の変動回数が所定回数(例えば50回)に達した時点で時短フラグをリセットする処理が行われる。また、この実施の形態では、時短状態に制御されているときには、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が通常遊技状態のときよりも高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が通常遊技状態のときよりも高められる(図44参照)。さらに、時短状態に制御されているときには、普通図柄の可変表示時間(変動時間)を短縮する制御が行われる。これにより、第2始動入賞(第2始動入賞口14への入賞)が発生する確率が高くなり、遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が向上し、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数の一方または双方が高められ、普通図柄の可変表示時間が短縮された状態を高ベース状態といい、高ベース状態以外の通常の状態を低ベース状態という。
図14は、この実施の形態での始動入賞にもとづいて特別図柄の変動が行われた場合の遊技状態の変化の仕方を説明するための説明図である。始動入賞が生ずると、CPU56は大当りまたは小当りとするか否かの抽選処理を行う。抽選結果が「第1大当りA」を発生させることである場合には、特別図柄の可変表示が終了した後、第1大当り遊技に移行され、第1大入賞口が15回(15R=15ラウンド)開閉される。また、抽選結果が「第1大当りB」を発生させることである場合には、特別図柄の可変表示が終了した後、第1大当り遊技に移行され、第1大入賞口が2回(2R=2ラウンド)開閉される。また、抽選結果が「第2大当り」を発生させることである場合には、特別図柄の可変表示が終了した後、第2大当り遊技に移行され、第2大入賞口が所定回(15Rまたは7R)開閉される。また、抽選結果が「小当りA」を発生させることである場合には、特別図柄の可変表示が終了した後、小当り遊技に移行されて第2大入賞口が2回開閉され、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞したことによって第2大当り遊技に移行され、さらに第2大入賞口が所定回(15Rまたは7R)開閉される。また、抽選結果が「小当りB」を発生させることである場合には、特別図柄の可変表示が終了した後、小当り遊技に移行されて第2大入賞口が2回開閉され、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞したことによって第2大当り遊技に移行され、さらに第2大入賞口が所定回(15Rまたは7R)開閉される。
図15は、可変表示装置9における飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図15に示す例では、第1大当りAが発生する場合には、停止図柄として「777」(第1大当りAの発生を想起させるような停止図柄)が導出表示される。また、第1大当りBが発生する場合には、「111」「333」「555」「999」(第1大当りBの発生を想起させるような停止図柄)が導出表示される。また、第2大当りが発生する場合には、「222」「444」「666」「888」(第2大当りの発生を想起させるような停止図柄)が導出表示される。また、小当りAが発生する場合には、「135」「357」「579」(小当りAの発生を想起させるような停止図柄)が導出表示される。また、小当りBが発生する場合には、「123」「345」「567」(小当りBの発生を想起させるような停止図柄)が導出表示される。そして、はずれの場合には、左中右の図柄が不揃いの停止図柄または左右図柄と中図柄とが一致しない停止図柄(小当り図柄を除く。)が導出表示される。なお、可変表示装置9において可変表示および停止表示される飾り図柄は、数字、アルファベット、キャラクタ状の図柄、キャラクタ状の表示物の中に数字等が表示されている図柄、その他どのような図柄であってもよい。以下、第1大当り(第1大当りAまたは第1大当りB)の発生を想起させるような飾り図柄の停止図柄も、第2大当りの発生を想起させるような飾り図柄の停止図柄も、大当り図柄という。また、小当り(小当りAまたは小当りB)の発生を想起させるような飾り図柄の停止図柄を、小当り図柄という。
なお、特別図柄の停止図柄は、大当りが発生する場合には、例えば左右の数字が奇数の数字で揃った状態の図柄であり、小当りが発生する場合には、例えば左右の数字が偶数の数字で揃った状態の図柄であり、大当りおよび小当りが発生しない場合には、例えば左右の数字が揃わない状態の図柄である。
図16は、小当りにもとづいて役物75が開放状態に制御された場合の状態変化を示す説明図である。小当りが発生すると可動部材76が開放状態になって第2大入賞口が開放するのであるが、第2大入賞口内に設けられている第1特別領域73に遊技球が入賞すると、さらに第2大入賞口が15ラウンド(1ラウンド当り2秒、7回)開放する第2大当り遊技が実行され、第2大入賞口内に設けられている第2特別領域74に遊技球が入賞すると、さらに第2入賞口が7ラウンド(1ラウンド当り2秒、7回)開放する第2大当り遊技が実行される。なお、可動部材76が開放状態になることを羽根開放ともいう。また、この実施の形態では、小当り遊技は、始動動作と、それに続く第2大当り遊技とを含めた遊技である。
図17は、始動動作としての第2大入賞口開放後の遊技状態の変化の仕方を説明するための説明図である。可動部材76が開放状態になると((A)参照)、遊技球が第2大入賞口(役物)に進入可能になるが、進入した遊技球が流路切替部材78によって落下させられると、遊技球は特定領域(第1特定領域73および第2特定領域74)に入賞できない((B)参照)。
第2大入賞口(役物)に進入した遊技球が流路切替部材78によって落下させられず、第1特定領域73を通過すると((C)参照)、15ラウンドの第2大当り遊技が実行される。また、第2大入賞口(役物)に進入した遊技球が流路切替部材78によって落下させられず、第2特定領域74を通過すると((D)参照)、7ラウンドの第2大当り遊技が実行される。
図18および図19は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口)を制御するための処理が実行される。
CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS321のY)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS322)。
また、CPU56は、遊技盤6に設けられている第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS323のY)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS324)。そして、ステップS300〜S314のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S314の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると可変表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄を停止表示する時間が経過(特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、第1大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。第2大当りフラグまたは小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。そして、第1大当りフラグ、第2大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、第1大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば第1大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して第1大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は第1大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。第1大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や第1大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。第1大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。第1大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
役物開放制御通常処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りフラグがセットされている場合は、始動動作を行わせるための処理を実行して、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物開放中処理(ステップS309)に応じた値(この例では9)に更新する。小当りフラグがセットされていない場合(つまり第2大当りフラグがセットされている場合)には、第2大当り遊技状態を開始させるための処理を実行して、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を第2大入賞口開放前処理(ステップS311)に応じた値(この例では11)に更新する。
役物開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。遊技球が第1特別領域73に入賞したことを検出したら第1V入賞フラグをセットし、遊技球が第2特別領域74に入賞したことを検出したら第2V入賞フラグをセットする。始動入賞時の第2大入賞口開放時間が経過したら、第2大入賞口を閉鎖する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物閉鎖後処理(ステップS310)に応じた値(この例では10)に更新する。
役物閉鎖後処理(ステップS402):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。遊技球が第1特別領域73に入賞したことを検出したら第1V入賞フラグをセットし、遊技球が第2特別領域74に入賞したことを検出したら第2V入賞フラグをセットする。第2大入賞口に入賞した遊技球が全て第2大入賞口から排出された場合に、始動動作における2回の第2大入賞口の開放が完了していたときには、第1V入賞フラグまたは第2V入賞フラグがセットされていることを条件に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を第2大入賞口開放前処理(ステップS311)に応じた値(この例では11)に更新する。第1V入賞フラグおよび第2V入賞フラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値(この例では0)に更新する。始動動作における2回の第2大入賞口の開放が完了していないときには、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物開放中処理(ステップS309)に応じた値(この例では9)に更新する。
第2大入賞口開放前処理(ステップS311):特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。第2大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば第2大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、モータ24を駆動して第2大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第2大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を第2大入賞口開放中処理(ステップS312)に応じた値(この例では12)に更新する。なお、第2大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第2大入賞口開放前処理は第2大当り遊技を開始する処理でもある。
第2大入賞口開放中処理(ステップS312):特別図柄プロセスフラグの値が12であるときに実行される。第2大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。第2大入賞口の閉成条件が成立した場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を第2大入賞口閉鎖後処理(ステップS313)に応じた値(この例では13)に更新する。
第2大入賞口閉鎖後処理(ステップS313):特別図柄プロセスフラグの値が13であるときに実行される。第2大入賞口から全ての遊技球が排出されたことを確認する処理等を行う。全ての遊技球が排出され、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を第2大入賞口開放中処理(ステップS312)に応じた値(この例では12)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を第2大当り終了処理(ステップS314)に応じた値(この例では14)に更新する。
第2大当り終了処理(ステップS314):特別図柄プロセスフラグの値が14であるときに実行される。第2大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値(この例では0)に更新する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図20は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図20に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図21に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図21に示された極性と逆極性であってもよい。
図22は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図22に示す例において、コマンド8001(H)〜8008(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8008(H)のいずれかを受信すると、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を第1大当りA図柄(図13参照)にすることを指定する演出制御コマンド(第1大当りA指定コマンド)である。コマンド8C02(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を第1大当りB図柄にすることを指定する演出制御コマンド(第1大当りB指定コマンド)である。コマンド8C03(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りA図柄にすることを指定する演出制御コマンド(小当りA指定コマンド)である。コマンド8C04(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りB図柄にすることを指定する演出制御コマンド(小当りB指定コマンド)である。コマンド8C05(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を第2大当り図柄にすることを指定する演出制御コマンド(第2大当り指定コマンド)である。コマンド8C06(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれ図柄とすることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C06(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C06(H)を表示結果特定コマンドという。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が表示結果特定コマンドを送信するのではなく、第1大当りA/第1大当りB/小当りA/小当りB/第2大当り/はずれのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、第1大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、第1大当り終了画面を表示すること、すなわち第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドA501(H)は、第2大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA701(H)は、第2大当り終了画面を表示すること、すなわち第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、第1大入賞口への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(第1異常入賞指定コマンド)である。コマンドD002(H)は、第2始動入賞口14への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(第2異常入賞指定コマンド)である。コマンドD003(H)は、第2大入賞口への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(第3異常入賞指定コマンド)である。コマンドD004(H)は、第2大入賞口から遊技球が排出されないことの報知を指示する演出制御コマンド(排出異常指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図22に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
なお、変動パターンコマンドを送信する前に、遊技状態(例えば、確変状態や時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)に制御するように構成されている場合の通常状態/時短状態/確変状態)に応じた可変表示装置9における背景画像を指定する背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、表示結果特定コマンドに続いて保留記憶数を示す演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
図23は、ステップS322の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS322A)。保留記憶数が4になっている場合には(ステップS322AのY)、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には(ステップS322AのN)、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS322B)。また、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS322C)。ステップ322Cでは、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜4(図12参照)の値を抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
ステップS324の第2始動口スイッチ通過処理については、図23に示した第1始動口スイッチ通過処理と同内容であるので、図示および説明を省略する。
図24および図25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理が実行される状態は、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされておらず、第1大当り遊技状態、始動動作が行われている状態、第2大当り遊技状態のいずれでもない場合である。
特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数を確認する(ステップS50)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば(ステップS50のY)、処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ(ステップS50のN)、CPU56は、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS51)、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS52)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域からランダム1(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図13参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(第1大当りA、第1大当りBまたは第2大当り)または小当り(小当りAまたは小当りB)とすることに決定する処理を実行するプログラムである。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。また、この実施の形態では、図13に示すように、高い割合で小当り(小当りA、小当りB)とすることに決定される。
第1大当り(第1大当りAまたは第1大当りB)とすることに決定した場合(ステップS63のY)であって、第1大当りAとすることに決定したときには(ステップS64のY)、CPU56は、第1大当りAフラグをセットする(ステップS65)。また、第1大当りフラグをセットする(ステップS66)。さらに、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS67)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄としての大当り図柄を決定する(ステップS68)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS69)。
第1大当りとすることに決定しなかった場合(ステップS63のN)であって、第2大当りとすることに決定したときには(ステップS81のY)、CPU56は、第2大当りフラグをセットする(ステップS82)。また、小当りとすることに決定したときには(ステップS83のY)、CPU56は、小当りフラグをセットする(ステップS84)。そして、小当りが小当りAである場合には(ステップS85のY)、CPU56は、小当りAフラグをセットする(ステップS86)。
大当りまたは小当りとしないことに決定した場合には(ステップS83のN)、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS87)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS88)。この場合には、はずれ図柄(この例では「−−」)を決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS69)。
図26は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS201)。そして、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンを決定する(ステップS202)。
さらに、CPU56は、ステップS202で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図22参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS203)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS204)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS205)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS206)。
図27は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているかどうか確認し(ステップS211)、第1大当りフラグがセットされているときは(ステップS211のY)、第1大当りAフラグがセットされているかどうか確認する(ステップS212)。第1大当りAフラグがセットされているときは(ステップS212のY)、第1大当りA指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS213)、第1大当りAフラグがセットされていないときには(ステップS212のN)、第1大当りB指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS214)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS220)。
第1大当りフラグがセットされていないときは(ステップS211のN)、CPU56は、第2大当りフラグがセットされているかどうか確認する(ステップS215A)。第2大当りフラグがセットされているときは(ステップS215AのY)、CPU56は、第2大当り指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS215B)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS220)。
第2大当りフラグがセットされていないときは(ステップS215AのN)、CPU56は、小当りフラグがセットされているかどうか確認する(ステップS216A)。小当りフラグがセットされているときは(ステップS216AのY)、CPU56は、小当りAフラグがセットされているかどうか確認する(ステップS216B)。小当りAフラグがセットされているときは(ステップS216BのY)、CPU56は、小当りA指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS217)、小当りAフラグがセットされていないときは(ステップS216BのN)、小当りB指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS218)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS220)。
小当りフラグがセットされていないときは(ステップS216AのN)、CPU56は、はずれ指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS219)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS220)。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS221)、変動時間タイマがタイムアウトしたかどうか確認する(ステップS222)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
変動時間タイマがタイムアウトしたら、CPU56は、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS223)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS224)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスタイマに、特別図柄の停止図柄を表示する時間(停止表示時間)をセットして(ステップS225)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS226)。
図29は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、特別図柄プロセスタイマの値を1減算し(ステップS231)、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS232)。特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。
特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたときは(ステップS232のY)、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているかどうか確認する(ステップS233)。第1大当りフラグがセットされている場合には(ステップS233のY)、CPU56は、第1大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS234)。また、第1大当り表示時間タイマに第1大当り表示時間(第1大当りが発生したことを例えば可変表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS235)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS236)。
第1大当りフラグがセットされていない場合には(ステップS233のN)、CPU56は、第2大当りフラグがセットされているかどうか確認する(ステップS237)。第2大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、役物開放時間タイマに所定時間(例えば2秒)を設定し(ステップS238A)、第2大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS238B)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を役物開放制御通常処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS244)。
第2大当りフラグがセットされていない場合には(ステップS237のN)、CPU56は、小当りフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS239)。小当りフラグがセットされている場合には(ステップS239のY)、CPU56は、小当りAフラグがセットされているかどうか確認する(ステップS240)。小当りAフラグがセットされているときは(ステップS240のY)、小当りAが発生することになるので、CPU56は、役物開放時間タイマに開放タイミングAの時間を設定する(ステップS241)。開放タイミングAの時間は、小当りA図柄が導出表示された状態で図柄停止時間が経過した時点から可動部材76が最初に作動(動作)するまでの時間である。
小当りAフラグがセットされていないときは(ステップS240のN)、小当りBが発生することになるので、CPU56は、役物開放時間タイマに開放タイミングBの時間を設定する(ステップS242)。開放タイミングBの時間は、小当りB図柄が導出表示された状態で図柄停止時間が経過した時点から可動部材76が最初に作動(動作)するまでの時間である。
そして、CPU56は、切替部材制御タイマに作動開始時間を設定する(ステップS243)。作動開始時間は、小当り図柄(小当りA図柄または小当りB図柄)が導出表示された状態で図柄停止時間が経過した時点(停止図柄が確定した時点)から流路切替部材78が作動(動作)を開始するまでの時間である。その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を役物開放制御通常処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS244)。
なお、この実施の形態では、小当りが発生したときに小当り遊技の開始(第2大入賞口(可動部材76)の始動動作)を指定する演出制御コマンドを送信する制御を行っていないが、そのような演出制御コマンドを送信するように構成してもよい。この場合は、演出制御用CPU101は、小当り遊技の開始(第2大入賞口の始動動作)を指定する演出制御コマンドを受信したことにもとづいて、小当り遊技の開始を遊技者に報知する演出を可変表示装置9等の演出装置を用いて実行する。
小当りフラグがセットされていない場合には(ステップS239のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS245)。
この実施の形態では、大当り遊技中の処理として以下のような処理を実行する。
第1大入賞口開放前処理では、CPU56は、第1大当り表示時間タイマが設定されている場合には、第1大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、第1大入賞口を開放する制御を行うとともに、第1大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば29秒)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。なお、第1大当り表示時間タイマが設定されている場合とは、第1ラウンドの開始前の場合である。インターバルタイマ(ラウンド間のインターバル時間を決めるためのタイマ)が設定されている場合には、インターバルタイマがタイムアウトしたら、第1大入賞口を開放する制御を行うとともに、第1大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば29秒)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。
第1大入賞口開放中処理では、CPU56は、第1大入賞口開放時間タイマがタイムアウトするか、または第1大入賞口への入賞球数が所定数(例えば10個)に達したら、最終ラウンドが終了していない場合には、第1大入賞口を閉鎖する制御を行うとともに、インターバルタイマにインターバル時間に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
図30は、第1大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、第1大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS250)、第1大当り終了表示タイマが設定されている場合には(ステップS250のY)、ステップS255に移行する。第1大当り終了表示タイマが設定されていない場合には(ステップS250のN)、第1大当りフラグをリセットし(ステップS251)、第1大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS252)。また、CPU56は、第1大当りAフラグがセットされている場合には、その第1大当りAフラグをリセットする(ステップS253)。そして、CPU56は、第1大当り終了表示タイマに、可変表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(第1大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS254)、処理を終了する。
ステップS255では、第1大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、第1大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち第1大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS256)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS257)。
図31は、役物開放制御通常処理(ステップS308)を示すフローチャートである。役物開放制御通常処理において、CPU56は、まず、役物開放時間タイマの値を1減算する(ステップS410A)。そして、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしたかどうか(役物開放時間タイマの値が0になったかどうか)確認する(ステップS410B)。ここで、役物開放時間タイマによって、ステップS241で設定された開放タイミングAの時間(小当りA図柄が確定してから第2大入賞口が最初に開放するまでの時間)またはステップS242で設定された開放タイミングBの時間(小当りB図柄が確定してから第2大入賞口が最初に開放するまでの時間)を計測している。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS410BのN)、そのまま処理を終了する。役物開放時間タイマがタイムアウトしたときは(ステップS410BのY)、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS411)。小当りフラグがセットされていない場合(ステップS411のN)、すなわち、第2大当りフラグがセットされている場合(大当り判定で第2大当りになると決定された場合)には、ステップS418に移行する。
小当りフラグがセットされている場合(ステップS411のY)、すなわち、大当り判定において小当り(小当りAまたは小当りB)になると決定された場合には、CPU56は、役物開放回数カウンタに2を設定する(ステップS412)。また、役物開放時間タイマに0.5秒に相当する値を設定する(ステップS413)。さらに、第2大入賞口(役物)を開放状態に制御する(ステップS414)。具体的には、第2大入賞口(役物)内への遊技球の進入を許容するための可動部材76の回転軸に接続されている駆動するモータ24を駆動して、可動部材76を、遊技球が第2大入賞口(役物)の内部に進入可能な状態に設定する。また、第2大入賞口(役物)の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS415)、第2大入賞口(役物)が開放状態にあることを示す役物開放中フラグをセットする(ステップS416)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS309)に応じた値に更新する(ステップS417)。
ステップS418では、CPU56は、役物開放回数カウンタに15を設定する(ステップS418)。また、第2大当り開始要求フラグをセットする(ステップS419A)。また、役物開放時間タイマに0.5秒に相当する値を設定する(ステップS419B)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、第2大入賞口開放前処理(ステップS311)に応じた値に更新する(ステップS420)。ステップS418〜S420の処理によって、始動動作を行うことなく、第2大当り遊技に移行されることになる。
図32は、役物開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、役物開放時間タイマの値を−1する(ステップS421)。そして、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS422)。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS422のN)、CPU56は、第2大入賞口入賞スイッチ71aがオンしたかどうか確認する(ステップS423)。第2大入賞口入賞スイッチ71aがオンしたら(ステップS423のY)、すなわち第2大入賞口に進入した遊技球を検出したら、役物内遊技球個数カウンタの値を+1する(ステップS424)。また、CPU56は、第2大入賞口排出スイッチ72aがオンしたかどうか確認する(ステップS425)。第2大入賞口排出スイッチ72aがオンしたら(ステップS425のY)、すなわち第2大入賞口から排出された遊技球を検出したら、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS426)。なお、第1特定領域73および第2特定領域74を通過しない遊技球を通過させる通過口と、通過口を通過した遊技球を検出する通過口スイッチを設け、第1特定領域通過スイッチ73a、第2特定領域通過スイッチ74aおよび通過口スイッチで検出された遊技球の合計で排出球数を計測してもよい。
遊技球が第1特定領域73を通過したことを示す第1特定領域通過スイッチ73aがオンしたら(ステップS427のY)、CPU56は、第1V入賞フラグをセットする(ステップS428)。また、遊技球が第2特定領域74を通過したことを示す第2特定領域通過スイッチ74aがオンしたら(ステップS429のY)、CPU56は、第2V入賞フラグをセットする(ステップS430)。
役物開放時間タイマがタイムアウトした場合には(ステップS422のY)、CPU56は、第2大入賞口(役物)を閉鎖状態に制御する(ステップS431)。具体的には、第2大入賞口(役物)内への遊技球の進入を禁止するためにモータ24を逆回転させ、可動部材76を、遊技球が第2大入賞口(役物)の内部に進入不可能な状態に戻す。そして、CPU56は、第2大入賞口(役物)に進入した遊技球が第2大入賞口(役物)から排出されたことを監視する時間である検出監視時間に相当する値を排出監視タイマに設定し(ステップS432)、特別図柄プロセスフラグの値を、役物閉鎖後処理(ステップS310)に応じた値に更新する(ステップS433)。
図33および図34は、役物閉鎖後処理(ステップS310)を示すフローチャートである。役物閉鎖後処理において、CPU56は、排出監視タイマの値を−1する(ステップS441)。そして、排出監視タイマの値が0になったかどうか、すなわち排出監視タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS442)。排出監視タイマがタイムアウトしていない場合には、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する(ステップS443)。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているということは、遊技球が第2大入賞口に全く入賞しなかったか、または、第2大入賞口に入賞した全ての遊技球が第2大入賞口から排出されたことを意味する。
役物内遊技球個数カウンタの値が0になっている場合には、CPU56は、役物開放回数カウンタの値を−1する(ステップS453)。そして、役物開放回数カウンタの値を確認し(ステップS454)、役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には(ステップS454のN)、ステップS463に移行する。役物開放回数カウンタの値が0になっている場合(ステップS454のY)、すなわち、始動動作における2回の開放が終了している場合には、第1V入賞フラグまたは第2V入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS455、S457)。第1V入賞フラグがセットされている場合には、役物開放回数カウンタに7を設定して(ステップS456)、ステップS459に移行する。なお、この場合に役物開放回数カウンタに設定される値は、第2大当り遊技における第1ラウンドの第2大入賞口の開放回数を示す。
第2V入賞フラグがセットされている場合には(ステップS457のY)、役物開放回数カウンタに7を設定する(ステップS458)。なお、この場合に役物開放回数カウンタに設定される値も、第2大当り遊技における第1ラウンドの第2大入賞口の開放回数を示す。
ステップS459では、CPU56は、第2大当り開始要求フラグをセットし(ステップS459)、また、役物開放時間タイマに0.5秒に相当する時間を設定する(ステップS460)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、第2大入賞口開放前処理(ステップS311)に応じた値に更新する(ステップS461)。
第1V入賞フラグも第2V入賞フラグもセットされていない場合には(ステップS457のN)、ステップS467に移行する。
なお、この実施の形態では、第1V入賞フラグと第2V入賞フラグとの双方がセットされている場合には、第1V入賞フラグが優先されて、15Rの第2大当り遊技が開始される。
ステップS443の処理で役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていないことを確認したら、すなわち大入賞口(役物)内に遊技球がまだ存在している場合には、第2大入賞口排出スイッチ72aがオンしたら、すなわち第2大入賞口から排出された遊技球を検出したら(ステップS444)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS445)。また、遊技球が第1特定領域73を通過したことを示す第1特定領域通過スイッチ73aがオンしたら(ステップS446)、第1V入賞フラグをセットする(ステップS447)。また、遊技球が第2特定領域74を通過したことを示す第2特定領域通過スイッチ74aがオンしたら(ステップS448)、第2V入賞フラグをセットする(ステップS449)。
CPU56は、ステップS442で排出監視タイマがタイムアウトしたことを確認したら、すなわち第2大入賞口(役物)から全ての遊技球が排出される前に排出監視タイマがタイムアウトした場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に、排出異常指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS451)。その後、ループ処理を実行する。
よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御処理を実行しない状態に移行する。すなわち、遊技の進行が停止される。換言すれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技を停止させる制御を行う。
ステップS463では、CPU56は、役物開放時間タイマに0.5秒に相当する値を設定する。さらに、第2大入賞口(役物)を開放状態に制御する(ステップS464)。第2大入賞口(役物)の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS465)、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS309)に応じた値に更新する(ステップS466)。
ステップS467では、CPU56は、役物開放中フラグをリセットする。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS468)。第1V入賞フラグも第2V入賞フラグもセットされていないので、すなわち、第1特定領域73にも第2特別領域74にも遊技球が入賞しなかったので、第2大当り遊技に移行することなく、始動動作が終了する。
図35は、第2大入賞口開放前処理(ステップS311)を示すフローチャートである。第2大入賞口開放前処理において、CPU56は、第2大当り開始要求フラグがセットされている場合には(ステップS470のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100に第2大当り開始指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS471A)、第2大当り開始要求フラグをリセットする(ステップS471B)。そして、ステップS472Aに移行する。なお、第2大当り開始要求フラグがセットされていない場合には、直ちにステップS472Aに移行する。
ステップS472Aでは、CPU56は、役物開放時間タイマの値を1減算し(ステップS472A)、そして、役物開放時間タイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS472B)。役物開放時間タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS472BのN)、そのまま処理を終了する。
役物開放時間タイマがタイムアウトしたときは(ステップS472NのY)、CPU56は、第2大当り遊技のラウンド数をカウントするラウンド数カウンタの値を1加算する(ステップS472C)。また、CPU56は、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS473)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。そして、役物開放時間タイマに2.0秒に相当する値を設定する(ステップS474)。さらに、第2大入賞口(役物)を開放状態に制御する(ステップS475)。第2大入賞口(役物)の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS476)、役物開放中フラグをセットする(ステップS477)、そして、特別図柄プロセスフラグの値を、第2大入賞口開放中処理(ステップS312)に応じた値に更新する(ステップS478)。なお、小当り遊技が開始された場合には、役物開放中フラグは、既にセットされている(ステップS416参照)。
図36は、第2大入賞口開放中処理(ステップS312)を示すフローチャートである。第2大入賞口開放中処理において、CPU56は、役物開放時間タイマの値を1減算する(ステップS481)。役物開放時間タイマの値が0になっていたら、すなわち、役物開放時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS482のY)、ステップS491に移行する。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS482のN)、CPU56は、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS483)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS491に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、第2大入賞口入賞スイッチ71aがオンしたら、すなわち第2大入賞口に進入した遊技球を検出したら(ステップS484のY)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1する(ステップS485)。また、第2大入賞口排出スイッチ72aがオンしたら、すなわち第2大入賞口から排出された遊技球を検出したら(ステップS486のY)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS487)。また、遊技球が第1特定領域73を通過したことを示す第1特定領域通過スイッチ73aまたは遊技球が第2特定領域74を通過したことを示す第2特定領域通過スイッチ74aがオンしたら(ステップS488のY)、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS489)。
ステップS491では、CPU56は、第2大入賞口を閉鎖させるための処理を行う。具体的には、第2大入賞口(役物)を閉鎖状態に制御する。また、第2大入賞口(役物)に進入した遊技球が第2大入賞口(役物)から排出されたことを監視する時間である検出監視時間に相当する値を排出監視タイマに設定する(ステップS492)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、第2大入賞口閉鎖後処理(ステップS313)に応じた値に更新する(ステップS493)。
図37は、第2大入賞口開放後処理(ステップS313)を示すフローチャートである。第2大入賞口開放後処理において、CPU56は、排出監視タイマの値を−1する(ステップS501)。そして、排出監視タイマの値が0になったかどうか、すなわち排出監視タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS502)。排出監視タイマがタイムアウトした場合には(ステップS502のY)、ステップS506に移行する。排出監視タイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS502のN)、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する(ステップS503)。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているということは、遊技球が第2大入賞口に全く入賞しなかったか、または、第2大入賞口に入賞した全ての遊技球が第2大入賞口から排出されたことを意味する。
役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合、すなわち大入賞口(役物)内に遊技球がまだ存在している場合には(ステップS503のN)、第2大入賞口排出スイッチ72aがオンしたら、すなわち第2大入賞口から排出された遊技球を検出したら(ステップS504のY)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS505)。
役物内遊技球個数カウンタの値が0になっている場合には(ステップS503のY)、CPU56は、役物開放回数カウンタの値を−1する(ステップS511)。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には(ステップS512のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、第2大入賞口開放前処理(ステップS311)に応じた値に更新する(ステップS513)。役物開放回数カウンタの値が0になっている場合(ステップS512のY)、1ラウンドにおける7回の第2大入賞口の開放動作が終了している場合には、CPU56は、ラウンド数カウンタの値を確認する。そして、CPU56は、15ラウンドの第2大当りであるとき(つまり、第1V入賞フラグがセットされているとき)は、ラウンド数カウンタの値が15であるかどうか判定し、7ラウンドの第2大当りであるとき(つまり、第2V入賞フラグがセットされているとき)は、ラウンド数カウンタの値が7であるかどうか判定する(ステップS514)。
ラウンド数カウンタの値が7または15でない場合(ステップS514のN)、すなわち第2大当り遊技における全てのラウンドが終了していない場合には、役物開放回数カウンタに7を設定し(ステップS515)、特別図柄プロセスフラグの値を、第2大入賞口開放前処理(ステップS311)に応じた値に更新する(ステップS516)。
ラウンド数カウンタの値が7または15である場合(ステップS514のY)、すなわち、第2大当り遊技における全てのラウンドが終了している場合には、役物開放中フラグをリセットする(ステップS517)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、第2大当り終了処理(ステップS314)に応じた値に更新する(ステップS518)。
ステップS506では、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、排出異常指定コマンドを送信する制御を行う。その後、ループ処理を実行する。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御処理を実行しない状態に移行する。すなわち、遊技の進行が停止される。換言すれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技を停止させる制御を行う。なお、ここでは、第2大当り遊技中に排出異常が検出された場合に排出異常指定コマンドが送信されることになるが、始動動作において排出異常が検出された場合にも排出異常指定コマンドが送信される(ステップS451参照)。
図38は、第2大当り終了処理(ステップS314)を示すフローチャートである。第2大当り終了処理において、CPU56は、第2大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS521)、第2大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS524に移行する。第2大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第2大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS522)。そして、第2大当り終了表示タイマに、可変表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(第2大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS523)、処理を終了する。
ステップS524では、第2大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、第2大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち第2大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS525)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、小当りフラグや小当りAフラグがセットされている場合には小当りフラグや小当りAフラグをリセットし(ステップS526)、第2大当りフラグがセットされている場合には第2大当りフラグをリセットする(ステップS527)。また、第1V入賞フラグまたは第2V入賞フラグをリセットする(ステップS528)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS529)。
図39は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する切替部材制御処理(ステップS27B)を示すフローチャートである。切替部材制御処理において、CPU56は、まず、特別図柄プロセスフラグの値が8〜10であるか、すなわち、役物開放制御通常処理(ステップS308)、役物開放中処理(ステップS309)または役物閉鎖後処理(ステップS310)の実行中であるかどうかを確認する(ステップS531)。特別図柄プロセスフラグの値が8〜10でないときは(ステップS531のN)、CPU56は、流路切替部材78が初期位置(水平な状態)にあるかどうかを確認する(ステップS536)。なお、この実施の形態では、流路切替部材78が作動しておらず待機しているときは、常に流路切替部材78は初期位置(水平な状態)に位置している。従って、流路切替部材78が作動を開始していない状態では、常に流路切替部材78が初期位置にあると判断され(ステップS536のN)、流路切替部材78は作動を停止したままの状態に維持される(ステップS537)。
特別図柄プロセスフラグの値が8〜10であるときは(ステップS531のY)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が8であるか、すなわち、役物開放制御通常処理(ステップS308)の実行中であるかどうかを確認する(ステップS532)。特別図柄プロセスフラグの値が8であるときは(ステップS532のY)、CPU56は、切替部材制御タイマを−1する(ステップS533)。そして、CPU56は、切替部材制御タイマがタイムアウトしたかどうか確認する(ステップS534)。切替部材制御タイマがタイムアウトしていないときは(ステップS532のN)、作動開始時間が経過しておらず、未だ流路切替部材78の作動開始タイミングに至っていないので、処理を終了する。
切替部材制御タイマがタイムアウトしたときは(ステップS534のY)、CPU56は、流路切替部材78の作動を開始させる制御を実行する(ステップS535)。流路切替部材78の制御では、CPU56は、例えば流路切替部材78の回転軸に接続されているモータ22を正回転させる制御と逆回転させる制御とを所定時間(例えば、1秒)毎に繰り返す。例えば、モータ22が正回転すると、流路切替部材78は、遊技球を落下させる状態になるように動く。また、モータ22が逆回転すると、流路切替部材78は、遊技球を有利経路に通過させる状態(水平な状態)になるように戻る。また、モータ22が逆回転すると、流路切替部材78は、遊技球を貯留する状態になるように動く。さらに、モータ22が正回転すると、流路切替部材78は、遊技球を有利経路に通過させる状態になるように戻る。
ここで、小当り図柄が確定してから流路切替部材78の作動が開始するまでの時間(作動開始時間)については、小当りA,Bのいずれが決定された場合でも一定である。一方、小当り図柄が確定してから羽根状の可動部材76の作動が開始する(第2大入賞口が開放する)までの時間については、上述したように、小当りAが決定されたときは開放タイミングAの時間であり、小当りBが決定されたときは開放タイミングBの時間である。このように、小当りの種類(小当りA,B)に応じて第2大入賞口が開放するタイミングを複数種類設けることにより、小当りの種類に応じて第2大入賞口が開放したときの流路切替部材78の状態をあらかじめ設定することが可能となる。
例えば、小当りAが決定されたときの第2大入賞口を開放する開放タイミングAを、流路切替部材78が水平の状態から下方に倒れた状態になる直前のタイミングに設定する。このようなタイミングであれば、第2大入賞口が開放した直後に第2大入賞口内に入賞した遊技球は役物75内の下部に導かれる可能性が高くなり、第2大入賞口が閉鎖する直前に第2大入賞口内に入賞した遊技球は流路切替部材78で貯留されずに通過し、第2特定領域74に入賞する可能性が高くなる。一方、小当りBが決定されたときの第2大入賞口を開放する開放タイミングBを、流路切替部材78が水平の状態から下方に倒れた状態になり、その状態から水平の状態に戻り、そして上方(垂直)に立った状態になる直前のタイミングに設定する。このようなタイミングであれば、第2大入賞口が開放した直後に第2大入賞口内に入賞した遊技球は流路切替部材78で貯留される可能性が高くなり、その結果、第1特定領域73に入賞する可能性が高くなる。また、第2大入賞口が閉鎖する直前に第2大入賞口内に入賞した遊技球は流路切替部材78で貯留されずに通過し、第2特定領域74に入賞する可能性が高くなる。
このような構成によれば、同じタイミングで遊技球が打ち出されても、第2大入賞口への遊技球の進入割合や、第1特定領域73および第2特定領域74への遊技球の進入割合が異なってくるため、遊技が単調になるのを防止することができる。なお、以上のような第2大入賞口の開放タイミングが一例であって、その他のタイミングであってもよい。
ステップS532において、特別図柄プロセスフラグの値が8でない場合(ステップS532のN)、すなわち、役物開放中処理(ステップS309)または役物閉鎖後処理(ステップS310)の実行中である場合は、CPU56は、流路切替部材78の作動をそのまま継続させる。
その後、始動動作(第2大入賞口の2回の開放動作)が終了すると、特別図柄プロセスフラグの値は8〜10でない値となる(ステップS531のN)。この場合、CPU56は、流路切替部材78が初期位置(水平な状態)にあるかどうかを確認する(ステップS536)。この時点(始動動作が終了した時点)で、流路切替部材78が初期位置になっていない場合には(ステップS536のN)、流路切替部材78を継続して作動させる。流路切替部材78が初期位置に戻った場合は(ステップS536のY)、CPU56は、流路切替部材78の作動を停止させる(ステップS537)。このような処理によって、流路切替部材78が作動していないときは初期位置に維持されることになる。
なお、この実施の形態では、流路切替部材78の作動開始時間を一定にし、第2大入賞口の開放タイミングを小当りの種類に応じて異ならせていたが、第2大入賞口の開放タイミングを一定にし、流路切替部材78の作動開始時間を小当りの種類に応じて異ならせるようにしてもよい。具体的には、図29に示す特別図柄停止処理において、小当りAか小当りBかによって異なる作動開始時間を切替部材制御タイマに設定し、また一定の開放タイミングの時間を役物開放時間タイマに設定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、始動動作中に流路切替部材78を作動させるようにしていたが、第2大当り遊技中にも流路切替部材78を作動させるようにしてもよい。この場合、特別図柄プロセスフラグの値が第2大入賞口開放前処理(ステップS311)を示す値(この例では11)になったときに流路切替部材78の作動を開始させ、特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り終了処理(ステップS314)または特別図柄通常処理(ステップS300)を示す値(この例では14または0)になったときに流路切替部材78の作動を停止させるようにすればよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)について説明する。図40は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS112)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS100〜S103に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(ステップS112):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
普通図柄通常処理(ステップS100):普通図柄プロセスフラグが0のときに実行される。CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS101):普通図柄プロセスフラグの値が1のときに実行される。CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS102):普通図柄プロセスフラグの値が2のときに実行される。CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS103):普通図柄プロセスフラグの値が3のときに実行される。CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行う(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図41は、普通図柄通常処理(ステップS100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS121)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS121のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS121のN)、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS122)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS123)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し(ステップS124)、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするかを決定する(ステップS125)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。例えば、時短フラグがセットされているとき、すなわち高ベース状態(時短状態)のときには、当り判定値を1〜10のいずれかとし、低ベース状態のときには、当り判定値を3または7としている。普通図柄当り判定用乱数が0〜10の数値範囲で更新されるとすると、高ベース状態のときの当選確率は10/11となり、低ベース状態のときの当選確率は2/11となる。このように、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとならない。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし(ステップS126)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(ステップS127)。なお、この実施の形態では、図44に示すように、低ベース時の普通図柄の変動時間は30.0秒とされ、高ベース時の普通図柄の変動時間は1.0秒とされている。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する(ステップS128)。
図42は、普通図柄変動処理(ステップS101)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS131)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS131のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS135)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(ステップS131のY)、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(ステップS132)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS133)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する(ステップS134)。
図43は、普通図柄停止処理(ステップS102)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS141)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS141のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS142)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(ステップS141のY)、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(ステップS125にて当りと判定されたかどうか)を確認する(ステップS143)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、例えば、ステップS125にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(ステップS143のY)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(ステップS144)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。普通電動役物作動時間は、高ベース状態のときの方が低ベース状態のときよりも長い時間に設定されている。
次いで、CPU56は、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを確認する(ステップS145)。高ベース状態であるか低ベース状態であるかは、時短フラグがセットされているかどうかによって確認することができる。時短フラグがセットされているときは高ベース状態であると判断し、時短フラグがセットされていないときは低ベース状態であると判断することができる。なお、高ベース状態のときに、高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットし、そのフラグがセットされているかどうかによって、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断するようにしてもよい。
高ベース状態であるときは(ステップS145のY)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図44に示す高ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS146)。一方、低ベース状態であるときは(ステップS145のN)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図44に示す低ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS147)。図44に示す例では、低ベース時テーブルには、開放時間が0.5秒で、開放回数が1回の開放パターンのデータが設定されている。また、高ベース時テーブルには、開放時間が2.5秒で、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。
そして、CPU56は、ステップS146またはS147で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(ステップS148)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行われる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する(ステップS149)。
ステップS143において、普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(ステップS143のN)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS150)。
図45は、普通電動役物作動処理(ステップS103)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS161)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS161のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS162)。
そして、CPU56は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS163)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
CPU56は、第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aの対応ビット)において1がセットされているかどうかを確認する(ステップS164)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(ステップS164のN)、ステップS168の処理に移行する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(ステップS164のY)、第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、CPU56は、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(ステップS165)。そして、CPU56は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(ステップS166)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(ステップS166のN)、つまり8以上である場合は、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する(ステップS167)。この処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる(ステップS161のY、S172参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了するようにしている。
次に、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(ステップS168)。そして、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS169)。タイムアウトしていなければ(ステップS169のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(ステップS169のY)、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(ステップS170)。そして、CPU56は、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(ステップS171)。
具体的には、可変入賞球装置15が閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を開放する。可変入賞球装置15が開状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を閉鎖する。
以上のステップS168〜S171の処理によって、低ベース状態のときの開放パターンと高ベース状態のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低ベース状態のときは、開放時間が0.5秒であり開放回数が1回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に0.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。また、遊技状態が高ベース状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
ステップS161において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(ステップS161のY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS172)。
図46は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図46に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、第2特定領域通過スイッチ74a、第1特定領域通過スイッチ73a、第2大入賞口排出スイッチ72a、第2大入賞口入賞スイッチ71a、第2始動口スイッチ14a、および第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0は、図8に示されたI/Oポート部57の一部である。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御コマンド(払出制御信号)について説明する。図47は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータに対して出力される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。
賞球REQ信号は、賞球個数コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。4ビットの賞球個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
図48は、図47に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図48に示すように、賞球REQ信号および賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。出力回路67は、主基板31において、図8に示されたI/Oポート部57の外側に設置されている(図8では図示せず)。また、払出制御基板37において、払出制御用マイクロコンピュータにおける入力ポートの前段に出力回路67が設置されている。
図49は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図49に示すように、入賞検出スイッチ(カウントスイッチ23、第2大入賞口入賞スイッチ71a、第1始動口スイッチ13a、および第2始動口スイッチ14a)が遊技球の入賞を検出したことにもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことが入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数をバックアップRAMに形成されている総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。
また、この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、第2大入賞口入賞スイッチ71aで遊技球が検出されると10個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
また、この実施の形態では、賞球個数信号は、主基板31から払出制御基板37に向かう方にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるが、双方向通信によって、主基板31から払出制御基板37に賞球個数信号が送信されるようにしてもよい。双方向通信を行う場合に、払出制御用マイクロコンピュータは、例えば、賞球REQ信号の受信に応じてACK信号(応答信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信したり、賞球個数信号を受信したことを示すACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は2ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と2ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
図50は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各1バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、図46に示すビット0〜7に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット1〜7に設定される。
図51は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、CPU56は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(ステップS331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(ステップS332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(ステップS333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(ステップS334)。
そして、入力ポート0のデータを入力し(ステップS335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(ステップS336)。ステップS334,S336の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、CPU56は、入力ポート0から入力したデータと前回データの論理積をとる(ステップS337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、7つのスイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、ステップS337で前回データと入力ポート0から入力したデータとの論理積をとると、入力ポート0から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
CPU56は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(ステップS338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、CPU56は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図52は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数加算処理(ステップS341)と賞球制御処理(ステップS342)とを実行する。
賞球個数加算処理では、図53に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「5」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図46参照)。
図54は、ステップS341の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS353)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS355)。また、ポインタの値を1増やす(ステップS356)。
ステップS355における演算結果が0でなければ、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば(ステップS361のN)、ステップS362に移行する。ステップS355における演算結果が0であれば(ステップS361のY)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(ステップS359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS354に戻る(ステップS360)。
ステップS362では、CPU56は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する。すなわち、ステップS361でカウントスイッチ23がオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチがカウントスイッチ23であったか否か)確認する。スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であった場合には(ステップS362のY)、ステップS363に移行する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値でない場合には(ステップS362のN)、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値が、第2大入賞口入賞スイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する(ステップS364)。すなわち、ステップS361で第2大入賞口入賞スイッチ71aがオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチが第2大入賞口入賞スイッチ71aであったか否か)確認する。スイッチ入力ビット判定値が第2大入賞口入賞スイッチ入力ビット判定値であった場合には(ステップS364のY)、ステップS365に移行する。
スイッチ入力ビット判定値が第2大入賞口入賞スイッチ入力ビット判定値でない場合には(ステップS364のN)、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値が、第2始動口スイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する(ステップS366)。すなわち、ステップS361で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチが第2始動口スイッチ14aであったか否か)確認する。スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であった場合には(ステップS366のY)、ステップS367に移行する。スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値でない場合は(ステップS366のN)、ステップS368に移行する。
ステップS363では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7であるか否か確認する。特別図柄プロセスフラグの値が5〜7であるということは、特別図柄プロセス処理において、ステップS305の第1大入賞口開放前処理からステップS307の第1大当り終了処理まで処理が実行されていることを意味する。すなわち、第1大当り遊技中であることを意味する。なお、ここでは、第1大当り遊技中は、大当り表示が開始されてから第1大当り終了処理が終了するまでの期間とする。つまり、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7であるということは、遊技制御が正常に実行されている場合において、第1大入賞口が開放される制御がなされる可能性がある状態であることを示す。
CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7であれば、ステップS368に移行する。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづいて総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行する。しかし、特別図柄プロセスフラグの値が5未満または8以上であれば、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行せずに、ステップS359に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満または8以上である状態は、第1大当り遊技は実行されず、第1大入賞口を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態においてカウントスイッチ23がオンしたことが検出されたということは、第1大入賞口に異常入賞が生じたこと、またはカウントスイッチ23からの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態でカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合には、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする。
なお、ここでは、CPU56が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて第1大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に第1大入賞口を開放していないときにカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合に、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。第1大入賞口は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に第1大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、第1大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に第1大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、第1大入賞口を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に第1大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、第1大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に第1大入賞口を閉鎖する制御を行ってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
しかし、この実施の形態のように、第1大当り終了処理が終了してから、第1大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するように構成されている場合には、第1大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮する必要はない。第1大入賞口が閉鎖されてから、第1大当り終了処理の処理期間中に、閉鎖直前に第1大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23の設置位置まで到達しているからである。なお、この実施の形態では、第1大当り終了処理の処理期間、すなわち可変表示装置9において第1大当り終了表示がなされている期間は、第1大入賞口に入賞した遊技球がカウントスイッチ23の設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定されている。
ステップS365では、CPU56は、第2大入賞口が開放していることを示す役物開放中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS365)。なお、具体的には、役物開放中フラグは、小当り遊技および第2大当り遊技を開始するときにセットされ、小当り遊技および第2大当り遊技における最終ラウンドで第2大入賞口が閉鎖された後、第2大入賞口内の遊技球が全て第2大入賞口から排出されたときにリセットされる。すなわち、役物開放中フラグは、遊技制御が正常に実行されているときに、第2大入賞口が開放する可能性がある状態においてセット状態になっている。
役物開放中フラグがセットされていない場合には(ステップS365のN)、ステップS359に移行する。役物開放中フラグがセットされていないときに第2大入賞口入賞スイッチ71aがオンしたということは、第2大入賞口への異常入賞が生じたか、または第2大入賞口入賞スイッチ71aからの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。つまり、第2大入賞口への正規の入賞が生じたわけではない。そこで、CPU56は、役物開放中フラグがセットされていないときに第2大入賞口に入賞したことが検出された場合には、その入賞にもとづく賞球払出を行わないようにする。
なお、ここでは、CPU56が、役物開放中フラグの値にもとづいて第2大入賞口についての異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に第2大入賞口を開放していないときに第2大入賞口入賞スイッチ71aがオンしたことが検出された場合に、第2大入賞口入賞スイッチ71aがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、役物開放中フラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。第2大入賞口は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に第2大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、第2大入賞口の入口から第2大入賞口入賞スイッチ71aの設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に第2大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、第2大入賞口を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に第2大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、第2大入賞口の入口から第2大入賞口入賞スイッチ71aの設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に第2大入賞口を閉鎖する制御を行ってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
しかし、この実施の形態のように、第2大当り終了処理が終了してから、第2大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するように構成されている場合には、第2大入賞口の入口から第2大入賞口入賞スイッチ71aの設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮する必要はない。第2大入賞口が閉鎖されてから、第2大当り終了処理の処理期間中に、閉鎖直前に第2大入賞口に入賞した遊技球は第2大入賞口入賞スイッチ71aの設置位置まで到達しているからである。なお、この実施の形態では、第2大当り終了処理の処理期間、すなわち可変表示装置9において第2大当り終了表示がなされている期間は、第2大入賞口に入賞した遊技球が第2大入賞口入賞スイッチ71aの設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定されている。
ステップS367では、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(ステップS367)。普通図柄プロセスフラグの値が3であるということは、普通図柄プロセス処理において、ステップS103の普通電動役物作動処理が実行されていることを意味する。すなわち、普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉動作中であることを意味する。
CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3であれば、ステップS368に移行する。すなわち、第2始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづいて総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行する。しかし、普通図柄プロセスフラグの値が3でなければ、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行せずに、ステップS359に移行する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は、可変入賞球装置15が動作しておらず、可変入賞球装置15を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態において第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出されたということは、第2始動入賞口14に異常入賞が生じたこと、または第2始動口スイッチ14aからの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合には(ステップS367のN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、第2始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS368,S369の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。
なお、ここで、CPU56が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが(ステップS367参照)、実際に可変入賞球装置15を開放していないとき(すなわち、図45に示す普通電動役物作動処理において遊技状態に応じた開放パターンにもとづいて可変入賞球装置15が開閉動作を繰り返すときの可変入賞球装置15が閉鎖状態のとき)に第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合に、第2始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。例えば、高ベース状態のときのように可変入賞球装置15が複数回(実施の形態では2回)に亘って開放されたり閉鎖されたりする場合には、実際に可変入賞球装置15を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化するが、普通図柄プロセスフラグにより判定することで処理を簡素化することができる。
また、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に可変入賞球装置15を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に第2始動入賞口14に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。そこで、この実施の形態では、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせている。
具体的には、可変入賞球装置15が最後に閉鎖してから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまで(つまりステップS171で可変入賞球装置15が閉鎖してからステップS161のYとなるまで)の時間を、第2始動入賞口14に入賞した遊技球が第2始動口スイッ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定している。すなわち、ステップS170で普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間(例えば5秒)をセットし、ステップS171で普通電動役物を最後に閉鎖させてから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまでの時間を閉鎖時間(例えば5秒)よりも短い時間(例えば3秒)になるように普通電動役物作動時間をセットする(ステップS144)。普通電動役物を最後に閉鎖させてから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまでの時間(例えば3秒)は、第2始動入賞口14に入賞した遊技球が第2始動口スイッ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも十分長い時間である。このようにしておけば、可変入賞球装置15の閉鎖直前に遊技球が入賞したことによって、異常入賞が発生したと誤検出してしまうのを防止することができる。
ステップS368では、CPU56は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS368)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS369)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。そして、ステップS359の処理に移行する。
異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、上記の例では、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしていたが、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行うようにしてもよい。具体的には、普通図柄プロセスフラグの値が3から0になった時点(例えば、図45のステップS172の直前あるいは直後)でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において普通図柄プロセスフラグの値が3でないと判定されたときに(ステップS367のN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにステップS368,S369の処理をスキップしてステップS359の処理に移行するようにする。このような構成によっても、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。
なお、大入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口)への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。具体的には、第1大入賞口への異常入賞の判定の場合は、特別図柄プロセスフラグの値が7から0になった時点でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において特別図柄プロセスフラグの値が5以上7以下でないと判定されたときに(ステップS363のN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにステップS368,S369の処理をスキップしてステップS359の処理に移行するようにする。また、第2大入賞口への異常入賞の判定の場合は、役物開放中フラグがリセットされた時点でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において役物開放中フラグがセットされていないと判定されたときに(ステップS365のN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにステップS368,S369の処理をスキップしてステップS359の処理に移行するようにする。
なお、異常入賞が発生したと判定した場合(ステップS363のN、S365のN、S367のN)に、賞球払い出しを禁止する制御を行わないようにしてもよい。後述するように、異常入賞が発生したと判定された場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が異常入賞の発生を報知するように構成されているので、異常入賞にもとづく賞球払い出しは最小限に食い止めることができると考えられるからである。
図55は、ステップS342の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS371)。その値が0であれば処理を終了する。0でなければ、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS372)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS373)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS374)。そして、賞球個数バッファの内容を、賞球個数信号を出力するための出力ポートにセットする(ステップS375)。また、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「1」をセットする(ステップS376)。
ステップS376の処理によって、賞球REQ信号が出力される。すなわち、賞球REQ信号がオン状態になる。また、ステップS375の処理によって、賞球個数信号が出力される(図49参照)。なお、この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。
賞球個数信号を送信すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS377)。
次いで、CPU56は、賞球REQ信号のオン期間を設定する。具体的には、ウェイトカウンタに、初期値をセットする(ステップS378)。そして、ウェイトカウンタの値が0になるまでウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS379,S380)。ウェイトカウンタの値が0になったら、オン期間を終了させる。
すなわち、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「0」をセットし(ステップS381)、賞球個数信号を出力するための出力ポートに00(H)をセットする(ステップS382)。
払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数信号を受信すると、賞球個数信号で指定された数の遊技球が払い出されるように払出装置97を駆動する。
図56および図57は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU56は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS551)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図10におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS555に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS552)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS553,S554)。
次いで、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7(5以上で7以下)であるか否か確認する(ステップS555)。特別図柄プロセスフラグの値が5〜7である状態は、第1大当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、第1大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、第1大入賞口への異常入賞が生じたことの確認を行わない。すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7であれば、ステップS556〜S559の処理を実行することなく、ステップS560に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満または8以上(第1大当り遊技が行われていない状態)であれば、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS556)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(02(H)、図53参照)との論理積をとる(ステップS557)。スイッチオンバッファの内容が02(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は02(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には、第1大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、第1異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS558,S559)。論理積の演算結果が0である場合には、ステップS560に移行する。
ステップS560では、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(ステップS560)。普通図柄プロセスフラグの値が3である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作している状態である。そのような状態であれば、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性があるので、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことの確認を行わない。すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が3であれば、ステップS561〜S564の処理を実行することなく、ステップS565に移行する。
普通図柄プロセスフラグの値が3以外の値(普通電動役物が開閉動作していない状態)であれば、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS561)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第2始動口スイッチ入力ビット判定値(08(H)、図53参照)との論理積をとる(ステップS562)。スイッチオンバッファの内容が08(H)であったとき、すなわち第2始動口スイッチ14aがオンしているときには、論理積の演算結果は08(H)になる。第2始動口スイッチ14aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、第2異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS563,S564)。論理積の演算結果が0である場合には、ステップS565に移行する。
ステップS565では、CPU56は、役物開放中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS565)。役物開放中フラグがセットされている場合には、処理を終了する。
不正行為を受けたりスイッチからの検出信号にノイズが乗ったりしない限り、役物開放中フラグがセットされていないときに第2大入賞口に入賞したことを示す検出信号が第2大入賞口入賞スイッチ71aから出力されることはない。そこで、CPU56は、役物開放中フラグがセットされていない場合に第2大入賞口入賞スイッチ71aから検出信号が出力されたと判定すると第2大入賞口について異常入賞が発生したと見なす。
具体的には、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS566)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第2大入賞口入賞スイッチ入力ビット判定値(04(H)、図53参照)との論理積をとり(ステップS567)、論理積の演算結果が0でない場合には、第2大入賞口について異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、第3異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS568,S569)。
以上のような処理によって、第1大当り遊技が行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、第1異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉動作が行われていない状態において第2始動口スイッチ14aがオンした場合には、第2異常入賞報知指定コマンドが送信される。さらに、第2大当り遊技および小当り遊技が行われていない状態において第2大入賞口入賞スイッチ71aがオンした場合には、第3異常入賞報知指定コマンドが送信される。さらに、ステップS551〜S553の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU101)が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、役物開放中フラグにもとづいて異常入賞を検出している。また、上述したように、役物開放中フラグは、小当り遊技(始動動作を含む。)および第2大当り遊技における最終ラウンドで第2大入賞口が閉鎖された後、第2大入賞口内の遊技球が全て第2大入賞口から排出されたときにリセットされる。役物開放中フラグがリセットされた状態において異常入賞を検出しているので、第2大入賞口(役物)が第2の状態(例えば、開放状態)に変化したときに、第2大入賞口(役物)に進入した遊技球が第2大入賞口(役物)から排出されたことが判定されたことを条件に異常入賞の検出が実行されていることになる。なお、小当り遊技(始動動作を含む。)および第2大当り遊技が全く実行されていないときにも、異常入賞の検出が実行されることになる。
なお、ステップS565では、役物開放中フラグがセットされているかどうかによって、第2大当り遊技および小当り遊技が行われている状態であるかどうかを判定するようにしていたが、例えば、特別図柄プロセスフラグの値が8〜14であるかどうか(役物開放制御通常処理(ステップS308)から第2大当り終了処理(ステップS314)までの処理の実行中であるかどうか)で判定するようにしてもよい。ステップS365の処理においても同様である。
なお、ステップS555の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて第1大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、ステップS363の処理と同様に、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、特別可変入賞球装置20が閉鎖した後に第1大当り終了処理が所定時間実行されるので、特別可変入賞球装置20が閉鎖する直前に第1大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、ステップS560の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、ステップS367の処理と同様に、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしているので、可変入賞球装置15が閉鎖する直前に第2始動入賞口14に入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に第2始動口スイッチ14aで検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、ステップS565の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)が、役物開放中フラグにもとづいて第2大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、ステップS365の処理と同様に、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、第2大入賞口が閉鎖した後に第2大当り終了処理が所定時間実行されるので、第2大入賞口が閉鎖する直前に第2大入賞口に入賞した遊技球が、役物開放中フラグがリセットされた後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
なお、上述したように、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行うようにしてもよい。また、大入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口)への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図58は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御を実行する。また、所定の乱数(例えば、飾り図柄の停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。さらに、可変表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図59は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図22参照)であるのか解析する。
図60および図61は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。そして、表示結果特定コマンド受信フラグをセットする(ステップS619)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが第1大当り開始指定コマンドあれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、第1大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。受信した演出制御コマンドが第2大当り開始指定コマンドあれば(ステップS625)、第2大当り画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS626)。なお、第2大当り画面は、例えば所定時間経過後に消去される。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632A)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS632B)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS632C)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンド(第1異常報知指定コマンド、第2異常報知指定コマンド、または第3異常報知指定コマンド)を受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが第1大当り終了指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、第1大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが第2大当り終了指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、第2大当り終了画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS644)。なお、第2大当り終了画面は、所定時間(第2大当り終了表示時間)が経過すると消去される。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンド(第1異常入賞報知指定コマンド、第2異常入賞報知指定コマンド、または第3異常入賞報知指定コマンド)であれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンドに応じた異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。具体的には、演出制御用CPU101は、第1異常入賞報知指定コマンドを受信したときは、第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットし、第2異常入賞報知指定コマンドを受信したときは、第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットし、第3異常入賞報知指定コマンドを受信したときは、第3異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが排出異常報知指定コマンドであれば(ステップS647)、排出異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS649)。そして、ステップS611に移行する。
図62は、図58に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、可変表示装置9に第1大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):第1大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、可変表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS806):可変表示装置9において、第1大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図63は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図64は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS821)。また、表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。ステップS822では、受信した表示結果特定コマンドが第1大当りA指定コマンド、第1大当りB指定コマンドまたは第2大当り指定コマンドであれば、左中右が揃った飾り図柄の組合せを停止図柄として決定する(図15参照)。受信した表示結果特定コマンドが小当りA指定コマンドであれば、「135」「357」または「579」の飾り図柄の組み合わせを停止図柄として決定する(図15参照)。受信した表示結果特定コマンドが小当りB指定コマンドであれば、「123」「345」または「567」の飾り図柄の組み合わせを停止図柄として決定する(図15参照)。受信した表示結果特定コマンドがはずれ指定コマンドである場合には、左中右が不一致の飾り図柄の組合せ(小当り図柄を除く。)または左右のみが揃った飾り図柄の組合せを停止図柄として決定する。
ステップS822において、演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、表示結果特定コマンド受信フラグをリセットしておく(ステップS823)。
なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
さらに、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS833)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS834)。
図65は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って可変表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、可変表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。
図65に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
そして、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、第3異常報知中フラグまたは排出異常報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての可変表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS835A,S835B)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、第3異常報知中フラグまたは排出異常報知中フラグ)がセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS835A,S835C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。なお、可変表示に応じた音演出の効果音と異常入賞の報知に応じた警報音(報知音)とが別チャンネルに設定され、それらの音を同時に音出力することが可能であれば、ステップS835BとステップS835Cの処理を分ける必要はない。
また、ステップS835Cの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、可変表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に可変表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、第3異常報知中フラグまたは排出異常報知中フラグ)がセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS836)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS837)。
図66は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS844)。また、異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、第3異常報知中フラグまたは排出異常報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS845A,S845B)。
異常報知中フラグ(第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグ、第3異常報知中フラグまたは排出異常報知中フラグ)がセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS845A,S845C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS845Cの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS847)、ステップS848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図67は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、決定されている停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。そして、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS854)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS855)。大当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS856)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、飾り図柄の変動(可変表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、飾り図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図68は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、第1大当り終了指定コマンドを受信したことを示す第1大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS881)。第1大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、可変表示装置9に、第1大当り終了画面(第1大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。具体的には、VDP109に、第1大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
第1大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は(ステップS881のN)、CPU56は、第2大当り終了指定コマンドを受信したことを示す第2大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS885)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS886)、可変表示装置9に、第2大当り終了画面(第2大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS887)。具体的には、VDP109に、第2大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
ステップS885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS888)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS889)。
なお、大当り表示処理において、大当りが発生したことが遊技者に報知される。このとき、第1大当りが発生したか第2大当りが発生したかを特定可能に報知するのが好ましい。また、第1大当りが発生したことを報知する場合も、15ラウンドの第1大当りが発生したか2ラウンドの第1大当りが発生したかを特定可能に報知するのが好ましい。さらに、第2大当りが発生したことを報知する場合も、15ラウンドの第2大当りが発生したか7ラウンドの第2大当りが発生したかを特定可能に報知するのが好ましい。
また、大当り遊技中処理において、大当り中の演出が実行される。このとき、第1大当り中の演出と第2大当り中の演出とを区別してもよい。また、第1大当り中の演出も、15ラウンドの第1大当り中の演出と2ラウンドの第1大当り中の演出とを区別してもよい。さらに、第2大当り中の演出も、15ラウンドの第2大当り中の演出と7ラウンドの第2大当り中の演出を区別してもよい。
図69は、可変表示装置9に表示される初期画面と停電復旧画面の例を示す説明図である。図69(A)には、演出制御用CPU101が、初期化指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図69(B)には、演出制御用CPU101が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。
図70は、可変表示装置9に表示される異常報知画面の例を示す説明図である。図70(A)には、演出制御用CPU101が、第1異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する第1異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、第1異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図70(A)の右側参照)。図70(B)には、演出制御用CPU101が、第2異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する第2異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、第2異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図70(B)の右側参照)。図70(C)には、演出制御用CPU101が、第3異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する第3異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、第3異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図70(C)の右側参照)。図70(D)には、演出制御用CPU101が、排出異常報知指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する排出異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、排出異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図70(D)の右側参照)。
図71および図72は、ステップS707の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS901)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図61におけるステップS632B参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS906に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS632Cで設定された期間タイマの値を−1する(ステップS902)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS903,S904)。
さらに、演出制御用CPU101は、可変表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS905)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS906では、演出制御用CPU101は、第1異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS911に移行する。第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS907)、可変表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、第1異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS908)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9に第1異常報知画面を重畳表示する(図70(A)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS909)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す第1異常報知中フラグをセットする(ステップS910)。
ステップS911では、演出制御用CPU101は、第2異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS916に移行する。第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS912)、可変表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、第2異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS913)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9に第2異常報知画面を重畳表示する(図70(B)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS914)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す第2異常報知中フラグをセットする(ステップS915)。
ステップS916では、演出制御用CPU101は、第3異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す第3異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS921に移行する。第3異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第3異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS917)、可変表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、第3異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS918)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9に第3異常報知画面を重畳表示する(図70(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS919)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す第3異常報知中フラグをセットする(ステップS920)。
なお、演出制御用CPU101は、第1大入賞口への異常入賞が発生したときの異常報知(ステップS908,S909の処理による異常報知)と、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したときの異常報知(ステップS913,S914の処理による異常報知)と、第2大入賞口に関する異常入賞が発生したときの異常報知(ステップS918,S919の処理による異常報知)とを区別可能に異常報知を行う(図70参照)。
ステップS921では、演出制御用CPU101は、排出異常報知指定コマンドを受信したことを示す排出異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、処理を終了する。排出異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、排出異常報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS922)、可変表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、排出異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS923)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9に排出異常報知画面を重畳表示する(図70(D)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、排出異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS924)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、排出異常の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、排出異常報知を行っていることを示す排出異常報知中フラグをセットする(ステップS925)。
図73は、可変表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図73(A)には、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が行われているときの例が示されている。図73(B)には、可変表示装置9において初期化報知が行われている場合の例が示されている。
図73(C)には、可変表示装置9において異常入賞の報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1異常入賞報知指定コマンド、第2異常入賞報知指定コマンドまたは第3異常入賞報知指定コマンドを受信すると、可変表示装置9に異常報知画面(第1異常報知画面、第2異常報知画面または第3異常報知画面)を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、可変表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、飾り図柄の可変表示が終了しても、可変表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、可変表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、異常報知は、可変表示装置9とスピーカ27とによってなされるが、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、ランプ・LEDを、通常状態(異常入賞が発生していないとき)における態様とは異なる態様で点滅させるように制御する。
図73(C)には、異常入賞の報知が行われる場合が例示されているが、排出異常の報知が行われる場合にも、可変表示装置9に異常報知画面(排出異常報知画面)を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、可変表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、飾り図柄の可変表示が終了しても、可変表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、排出異常の場合にも、可変表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞および排出異常の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドおよび排出異常報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定の数値範囲(この実施の形態では5〜7)のときには常時第1大入賞口に関する異常入賞の検出を行い、普通図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では3)のときには常時第2始動入賞口14に関する異常入賞の検出を行い、役物開放中フラグがセットされていないときには常時第2大入賞口に関する異常入賞の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行わないようにしてもよい。また、排出異常に関して、役物開放中フラグがセットされていないときには常時第2大入賞口に関する排出異常の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に排出異常報知指定コマンドを受信した場合には、排出異常の報知を行わないようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、初期化報知が異常報知(異常入賞の報知および排出異常の報知)に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき以外でも、プログラムを先頭番地(例えば、0000番地)から実行開始させるユーザリセットが発生したときには、初期化指定コマンドを送信する。ユーザリセットが発生する原因として、例えば、ウォッチドッグタイマを使用するように構成されている場合において、プログラムの円滑な進行を妨げるような不正行為によってウォッチドッグタイマがタイムアウトしたような場合がある。そのような不正行為は、特に、大当り判定用乱数にもとづいて大当り遊技状態に制御するように構成されている場合に生じやすい。つまり、遊技制御用マイクロコンピュータ560を初期化して大当り判定用乱数を生成するためのカウンタを初期化させ、そのカウンタのカウント値を把握しやすくするような不正行為を受けやすい。この実施の形態のように、初期化報知を目立つようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化されたことを遊技機の外部から容易に把握できるので、不正行為がなされた可能性があることが容易に認識される。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが(ステップS901〜S905参照)、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。例えば、初期化報知が開始されてから最初に飾り図柄の可変表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、飾り図柄の可変表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識することができるのに十分な期間だけ、初期化報知が継続されることが好ましい。
また、上記の実施の形態では、第2大入賞口内の特定領域となる第1特定領域73および第2特定領域74と、第2大入賞口内の入賞領域とを兼用したが、それらを別にしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、異常入賞の発生タイミング(特別図柄プロセスフラグの値が4以下または8以上、普通図柄プロセスフラグの値が3以外、役物開放中フラグのリセット)のときに1個の遊技球が大入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口)または第2始動入賞口14に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定していたが、このような構成に限られず、異常入賞の発生タイミングのときに所定個数の遊技球が大入賞口または第2始動入賞口14に入賞した場合に、異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。例えば、第1大当り遊技中以外のときに累積して5個の遊技球が大入賞口に入賞したと判定された場合に異常入賞が発生したと判定する。また、第2大当り遊技中以外のときに累積して5個の遊技球が大入賞口に入賞したと判定された場合に異常入賞が発生したと判定する。また、可変入賞球装置15の開閉動作中以外のときに累積して2個の遊技球が第2始動入賞口14に入賞したと判定された場合に異常入賞が発生したと判定する。
また、異常入賞の種類に応じて異常入賞が発生したことを報知する報知音を変化させてもよい。例えば、大入賞口への異常入賞が発生した場合と第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合とで異なる報知音を鳴らすようにしてもよく、また、大入賞口への異常入賞が発生した場合の方が第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合よりも大きな音で異常報知を行うようにしてもよい。
実施の形態2.
上記の実施の形態1では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことが検出されたときでも、特別図柄表示器8における特別図柄の変動や可変表示装置9における飾り図柄の変動は継続して実行されるように構成されていた。従って、不正に第2始動入賞口14に遊技球を入賞させた場合(例えば、普通図柄が当り図柄になっていないのに不正に可変入賞球装置15を開放させ、第2始動入賞口14に遊技球を入賞させたような場合)であっても、その始動入賞により大当りが発生してしまい、不正に出球が獲得させてしまうことが生じ得る。そこで、この実施の形態2では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことが検出されたときに、所定のタイミングで特別図柄の変動および飾り図柄の変動を停止するように構成している。
図74は、実施の形態2における特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたことを示す異常入賞検出フラグがセットされたかどうか確認する(ステップS325A)。ここで、異常入賞検出フラグは、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたとき、つまり、図56のステップS563のNのときにセットされる。
異常入賞検出フラグがセットされているときは(ステップS325AのY)、CPU56は、特別図柄表示器8において特別図柄の変動が行われているかどうか、具体的には特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動中処理(ステップS302)を示す値(「3」)であるかどうかを判定する(ステップS325B)。特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動中処理を示す値(「3」)であるときは(ステップS325BのY)、ステップS321以降の処理を実行する。すなわち、特別図柄表示器8において特別図柄の変動を継続して実行させる。一方、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動中処理を示す値(「3」)でないときは(ステップS325BのN)、特別図柄プロセス処理を終了させる。すなわち、特別図柄表示器8において特別図柄の変動制御を停止させる。このような構成により、第2始動入賞口への異常入賞が検出された時点で、特別図柄の変動中でないときは、直ちに特別図柄の変動が禁止され、特別図柄の変動中であったときは、特別図柄の変動を継続させ、次の特別図柄の変動が禁止されることになる。また、特別図柄の変動が禁止されることにより、小当り図柄が導出表示されることがなくなり、第2大入賞口の開放も禁止されることになる。
図75は、実施の形態2における演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、まず、第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされたかどうか確認する(ステップS807A)。第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているときは(ステップS807AのY)、演出制御用CPU101は、可変表示装置9において飾り図柄の変動が行われているかどうか、具体的には演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示す値(「2」)であるかどうかを判定する(ステップS807B)。演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理を示す値(「2」)であるときは(ステップS807BのY)、飾り図柄変動中処理(ステップS802)を実行する。すなわち、可変表示装置9において飾り図柄の変動を継続して実行させる。一方、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理を示す値(「2」)でないときは(ステップS807BのN)、演出制御プロセス処理を終了させる。すなわち、可変表示装置9において飾り図柄の変動制御を停止させる。このような構成により、異常入賞報知指定コマンドを受信した時点で、飾り図柄の変動中でないときは、直ちに飾り図柄の変動が禁止され、飾り図柄の変動中であったときは、飾り図柄の変動を継続させ、次の飾り図柄の変動が禁止されることになる。
以上のように、この実施の形態2によれば、第2始動入賞口14への異常入賞の検出にもとづいて特別図柄表示器8における特別図柄の変動および可変表示装置9における飾り図柄の変動を禁止する制御を実行するので、不正行為によって第2始動入賞口14への入賞を発生させたような場合(例えば、普通図柄が当り図柄になっていないのに可変入賞球装置15を開放させて遊技球を第2始動入賞口14に入賞させるような場合)であっても、その入賞にもとづいて第1大当りが発生するのを確実に防止することができる。また、特別図柄の変動が禁止されると、小当り図柄が導出表示されることも禁止されることになり、第2大入賞口の開放も禁止される。従って、不正行為によって第2大当りが発生することも確実に防止することができる。
なお、上記の実施の形態2では、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動中処理を示す値になっているかどうか、および演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理を示す値になっていないかどうかを確認して、図柄の変動を禁止する制御を実行していたが、このような構成に限られるわけではなく、例えば、異常入賞検出フラグがセットされたとき、および異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされたときに、直ちに図柄の変動を禁止する制御を行うようにしてもよい。また、第2始動入賞口14への異常入賞が検出された時点の保留記憶数を確認し、その保留記憶数分の図柄の変動が終了するまで、図柄の変動を継続し、保留記憶数分の図柄の変動が終了すると、図柄の変動を禁止する制御を行うようにしてもよい。具体的には、異常入賞検出フラグがセットされたときに保留記憶数を確認し、確認した保留記憶数分の変動が実行されたかどうかをカウンタでカウントし、保留記憶数分の変動が終了したときに変動を禁止する制御を実行する。このような構成によれば、正常な第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく変動については継続させ、異常入賞にもとづく変動について禁止することができる。なお、上記の構成において、正確に異常入賞にもとづく図柄の変動を禁止させる場合には、異常入賞が検出された時点の保留記憶数−1分の変動が終了した時点で図柄の変動を禁止するようにしてもよい。
実施の形態3.
上記の実施の形態1では、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)であるかどうかを確認することによって、正常なタイミングで第2始動入賞口14への入賞が発生したかどうかを判断するようにしていた(図56のステップS560〜S563参照)。しかし、このような構成に限られるわけではなく、可変入賞球装置15が閉鎖されているタイミングで第2始動入賞口14への入賞が生じたかどうかを確認することによって、正常なタイミングで第2始動入賞口14への入賞が発生したかどうかを判断するようにしてもよい。
図76は、実施の形態3における普通電動役物作動処理を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS161)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS161のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS162)。
次に、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(ステップS181)。そして、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS182)。タイムアウトしていなければ(ステップS182のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(ステップS182のY)、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(ステップS183)。次いで、CPU56は、例えば出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを確認することによって、可変入賞球装置15が閉鎖中であるかどうか確認する(ステップS184)。
可変入賞球装置15が閉鎖中であるときは(ステップS184のY)、CPU56は、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置15を開放する制御を行う(ステップS185)。そして、このタイミングは第2始動入賞口14に正常に遊技球が入賞するタイミングではないので、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないかどうか確認する処理を行う。すなわち、CPU56は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS187)。そして、CPU56は、第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされているかどうかを確認する(ステップS188)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。
第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(ステップS188のN)、処理を終了する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(ステップS188のY)、不正なタイミングで第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、CPU56は、異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS189)。
ステップS184において可変入賞球装置15が開放中であるときは(ステップS184のN)、CPU56は、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行う(ステップS186)。このタイミングは第2始動入賞口14に正常に遊技球が入賞するタイミングであるので、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないかどうか確認する処理を行わない。
ステップS161において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(ステップS161のY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS172)。
なお、図76に示す普通電動役物作動処理において、図45に示す普通電動役物作動処理のステップS164〜S167の処理(普通電動役物入賞カウント処理)に相当する処理を示していないが、図76に示す普通電動役物作動処理においても同様に実行するようにしてもよい。また、図76に示す普通電動役物作動処理で第2始動入賞口14への異常入賞を検出するようにした場合には、図56に示す異常入賞報知処理のステップS560〜S563を実行する必要はない。
以上のような構成によれば、可変入賞球装置15の閉鎖タイミングで第2始動入賞口14への異常入賞を検出するようにしているので、より正確なタイミングで第2始動入賞口14への異常入賞を検出することができるようになる。
なお、上記の実施の形態1で説明したのと同様に、この実施の形態3においても、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。例えば、可変入賞球装置15が開放している状態から閉鎖した状態に変化した時点(すなわちステップS184のNからYになった時点)でタイマをスタートさせ、そのタイマがタイムアウトしたときにステップS187〜S190の処理を実行するようにする。このような方法によれば、正規のタイミングで第2始動入賞口14に遊技球が入賞したにもかかわらず誤って異常入賞が発生したと判定してしまうことを防止することができる。
実施の形態4.
上記の実施の形態1では、図54に示す賞球個数加算処理で、第2始動入賞口14への遊技球の入賞があり(ステップS366のY)、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)であるときに、総賞球数格納バッファに賞球個数を加算しないように構成することにより、異常入賞にもとづいて賞球の払い出しが行われないように構成していた。しかし、このような構成に限られるわけではなく、スイッチ処理において、第2始動入賞口14への異常入賞を検出した場合には、その入賞自体を無効にするように構成されていてもよい。
図77は、実施の形態4におけるスイッチ処理を示すフローチャートである。スイッチ処理において、ステップS331〜S338は、図51で説明した処理と同様である。ステップS338の処理の実行後、CPU56は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開放中であるかどうかを確認する(ステップS339)。ここで、可変入賞球装置15が開放中であるかどうかは、例えば、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを確認することによって判断することができる。
可変入賞球装置15が開放中であるときは(ステップS339のY)、そのまま処理を終了する。可変入賞球装置15が開放中でなく閉鎖中であるときは(ステップS339のN)、CPU56は、スイッチオンバッファの第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aに対応するビット)をクリア(0)にする(ステップS340)。これによって、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合は、その始動入賞自体を無効にすることができる。この場合は、賞球個数加算処理で、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたときに、総賞球数格納バッファに賞球個数を加算しないようにする処理を実行する必要はない。
なお、ステップS339では、普通電動役物が開放中かどうかを確認していたが、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)かどうかを確認して、第2始動入賞を無効にするようにしてもよい。
また、上記の実施の形態3で説明したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
実施の形態5.
上記の実施の形態4では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合には、スイッチ処理において、その始動入賞自体を無効としていたが、この実施の形態5では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合には、特別図柄プロセス処理において、その始動入賞自体を無効にするようにしている。
図78は、実施の形態5における特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、図18で説明したのと同様に、第1始動口スイッチ13aがオンしたら(ステップS321)、第1始動口通過処理(ステップS322の処理)を実行する。そして、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたかどうかを確認する前に、無効フラグがセットされているかどうか確認する(ステップS326)。ここで、無効フラグは、第2始動入賞口14への異常入賞が検出された場合にセットされる。具体的には、実施の形態1の場合は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」であるときに第2始動口スイッチ14aがオンしたとき、実施の形態3の場合は、可変入賞球装置15の閉鎖中に第2始動口スイッチ14aがオンしたときである。なお、ステップS326において、無効フラグの代わりに、実施の形態2で説明した異常入賞検出フラグがセットされているかどうかを確認するようにしてもよい。
CPU56は、無効フラグがセットされているときは(ステップS326のY)、第2始動口スイッチ14aがオンしたかどうかの確認処理(ステップS323)や第2始動口通知処理(ステップS324の処理)を実行しない。無効フラグがセットされていないときに(ステップS326のN)、第2始動口スイッチ14aがオンしたかどうかの確認処理(ステップS323)や第2始動口通知処理(ステップS324の処理)を実行する。このような構成によれば、異常な第2始動入賞にもとづく乱数の抽出などを行わないようにすることができ、異常入賞にもとづく変動が禁止され、異常入賞にもとづく大当りの発生を確実に防止することができる。
なお、この実施の形態5の場合は、異常入賞にもとづく賞球払い出しを禁止することはできないので、実施の形態1(図54の賞球個数加算処理)および実施の形態4(図77のスイッチ処理)で説明したような異常入賞にもとづく賞球払い出しを禁止する制御を同時に実行するようにするのが好ましい。
実施の形態6.
上記の実施の形態1では、流路切替部材78で遊技球が貯留されるかどうかで、遊技価値の高い第2大当り(15ラウンドの第2大当り)を発生させる第1特定領域73に遊技球が進入しやすいかどうかを振り分けていた。すなわち、流路切替部材78で遊技球が貯留されたときは第1特定領域73に遊技球が進入しやすく、流路切替部材78で遊技球が貯留されなかったときは第1特定領域73に遊技球が進入しにくくなるようになっていた。これに対して、この実施の形態6では、第2大入賞口内に進入した遊技球を優先的に第1特定領域73に進入させるように構成している。
図79は、実施の形態6における第2大入賞口を形成する役物内の構造例、および役物内の遊技球の流れの様子を示す説明図である。図79に示すように、第2特定領域74内に開閉可能なシャッター79が設けられている。シャッター79が閉じているときは、遊技球がシャッター79で止められて落下せずに貯留される。一方、シャッター79が開いているときは、遊技球がシャッター79を通過して落下する。従って、第2特定領域通過スイッチ74aで遊技球の進入が検出される。
シャッター79は、第2大入賞口が開放してから所定時間が経過したときに開けられる。所定時間は、第2大入賞口に入賞した遊技球が第1特定領域73に進入するのに十分な時間とされている。従って、第2大入賞口が開放してから所定時間が経過する前に、第2大入賞口に入賞した遊技球が第2特定領域74へ向かうとシャッター79で貯留され、遊技球が第1特定領域73へ向かうと第1特定領域通過スイッチ73aで検出されて優先的に15ラウンドの第2大当りが発生する。一方、シャッター79で遊技球が貯留されたが、遊技球が第1特定領域73へ向かわなかったため第1特定領域通過スイッチ73aで検出されなかった場合は、所定時間経過後にシャッター79が開くことにより、シャッター79で貯留されている遊技球が落下して第2特定領域通過スイッチ74aで検出され、7ラウンドの大当りが発生することになる。なお、シャッター79の開閉動作の制御は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が行うものとする。
このような構成によれば、第1特定領域73と第2特定領域74に同時に遊技球が進入してしまうのを確実に防止することができるとともに、遊技者にとって有利な第1特定領域73への入賞を優先的に生じさせることができる。
なお、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、可変表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
なお、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。
なお、上記に示した各実施の形態では、以下の(1)〜(9)に示すような遊技機の特徴的構成も示されている。
(1)開閉判定手段によって第2の可変入賞装置が閉状態であると判定されているときに、検出手段によって遊技球の入賞が検出された場合、第1の可変入賞装置の動作の開始を禁止する動作禁止手段(例えば、実施の形態2では遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS325A,S325Bを実行する部分、実施の形態4では遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS339,S340を実行する部分、実施の形態5では遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS326を実行する部分)を備えていてもよい。
そのような構成によれば、開閉判定手段によって第2の可変入賞装置が閉状態であると判定されているときに、検出手段によって遊技球の入賞が検出された場合、第1の可変入賞装置の動作の開始を禁止する動作禁止手段を備えているので、不正行為によって特定遊技状態に移行されるのを確実に防止することができる。
(2)第1の始動領域に遊技球が入賞したことに応じて遊技球を払い出す制御を実行する払出制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS362〜S369、S371〜S382の処理を実行する部分)を備え、払出制御手段は、開閉判定手段によって第2の可変入賞装置が閉状態であると判定されているときに、検出手段によって遊技球の入賞が検出されたことにもとづいて、遊技球を払い出す制御の実行を禁止する払出制御禁止手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS366,367を実行する部分)を含む構成とされていてもよい。
そのような構成によれば、払出制御手段が、開閉判定手段によって第2の可変入賞装置が閉状態であると判定されているときに、検出手段によって遊技球の入賞が検出されたことにもとづいて、遊技球を払い出す制御の実行を禁止する払出制御禁止手段を含むので、不正行為によって第1の始動領域に入賞した可能性がある場合に、入賞にもとづく賞球払出をしないようにして遊技店に不利益が与えられることを防止できる。
(3)遊技制御手段は、所定の数値を更新する数値更新手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS24の処理を実行する部分)と、所定の時期(例えば、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に遊技球が入賞したとき)に数値更新手段から数値を抽出する数値抽出手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS322(特にS322C),S324を実行する部分)と、数値抽出手段が抽出した数値にもとづいて識別情報の可変表示の表示結果(例えば停止図柄)を特定可能な情報を決定する表示結果決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS67,S68、S87,S88を実行する部分)と、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、数値を初期値に設定する初期化処理を実行する初期化手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS12の処理を実行する部分)とを含み、初期化手段が初期化処理を実行したときに、所定の終了条件が成立するまで初期化処理が実行されたことを示す初期化報知を行う初期化報知手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS13の処理を実行する部分、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS632Aを実行する部分)と、初期化報知手段が初期化報知を行っているときに、異常報知手段による異常報知の開始を禁止する異常報知禁止手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS44,S45、S551〜S553の処理を実行する部分)とを備えていてもよい。
そのような構成によれば、初期化報知手段が初期化報知を行っているときに、異常報知手段による異常報知の開始を禁止する異常報知禁止手段を備えているので、初期化報知が入賞異常報知よりも優先して実行され、識別情報の可変表示の表示結果を特定可能な情報を決定する数値に初期値が設定されたことを遊技機の外部で確実に認識することができる。
(4)特定遊技状態において遊技球が入賞しない状態(例えば閉状態)から入賞しやすい状態(例えば開状態)に変化可能な特別可変入賞装置(例えば、第1大入賞口(特別可変入賞球装置20))と、特別可変入賞装置に入賞した遊技球を検出して検出信号を出力する入賞検出手段(例えば、カウントスイッチ23)とを備え、遊技制御手段は、入賞検出手段からの検出信号を入力したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS331〜S338、S351〜S361の処理を実行する部分;特に、カウントスイッチ入力ビット判定値を用いてステップS355,S361の処理を実行する部分)を含み、異常報知手段は、特定遊技状態以外の遊技状態において入賞判定手段が検出信号を入力したことにもとづいて、異常報知を実行する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS555〜S559を実行する部分、演出制御用マイクロコンピュータ100においてステップS906〜S909を実行する)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、異常報知手段が、特定遊技状態以外の遊技状態において入賞判定手段が検出信号を入力したことにもとづいて、異常報知を実行するので、特別可変入賞装置に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、特別可変入賞装置に対する不正行為を確実に防止することができる。また、入賞異常の報知がなされているときも遊技を継続することが可能であるので、誤動作で報知がなされた場合でも遊技者が不利益を被ることはない。
(5)遊技制御手段は、遊技進行状態を示すデータ(例えば特別図柄プロセスフラグ)にもとづいて可変表示装置および特別可変入賞装置の状態を制御する状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560における特別図柄プロセス処理(ステップS27A)を実行する部分)を含み、異常報知手段は、遊技進行状態を示すデータが所定範囲の数値(例えば、4以下または8以上)を示しているときに(例えばステップS555のN)、入賞判定手段が検出信号を入力したことにもとづいて(例えばステップS558のN)、異常報知を実行する(例えばステップS559を実行する)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、異常報知手段が、遊技進行状態を示すデータが所定範囲の数値を示しているときに、入賞判定手段が検出信号を入力したことにもとづいて、異常報知を実行するように構成されているので、特定遊技状態以外の遊技状態を容易に判定することができ、確実に特別可変入賞装置に対する不正行為による入賞異常を報知することができる。
(6)第1の可変入賞装置内には、特別領域として、遊技球が入賞すると第1特定遊技状態に移行しやすい第1特別領域(例えば第1特定領域73)と、遊技球が入賞すると第1特定遊技状態(例えば15ラウンドの第2大当り遊技状態)よりも遊技者に付与される遊技価値が低い第2特定遊技状態(例えば7ラウンドの第2大当り遊技状態)に移行しやすい第2特別領域(例えば第2特定領域)とが設けられ、第1の可変入賞装置に進入した遊技球の経路を第1特別領域へ誘導する態様と第2特別領域へ誘導する態様とに切替可能な経路切替部材を設けた構成とされていてもよい(例えば、図6では遊技球が第1特定領域73に進入しやすく、図7では遊技球が第2特定領域74に進入しやすい状態を示している。)。
そのような構成によれば、第1の可変入賞装置内には、特別領域として、遊技球が入賞すると第1特定遊技状態に移行しやすい第1特別領域と、遊技球が入賞すると第1特定遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が低い第2特定遊技状態に移行しやすい第2特別領域とが設けられ、第1の可変入賞装置に進入した遊技球の経路を第1特別領域へ誘導する態様と第2特別領域へ誘導する態様とに切替可能に設けられているので、同じタイミングで遊技球が打ち出されても、第1特別領域に遊技球が進入するか第2特別領域に遊技球が進入するかがわからなくなり、遊技が単調になるのを防止することができる。
(7)第1の可変入賞装置内には、第2特別領域の入側で遊技球を貯留する貯留部材(例えば、流路切替部材78)が設けられ、貯留部材は、第1の可変入賞装置に進入した遊技球が第1特別領域に進入するのに十分な時間が経過した後に貯留状態を解除する(例えば、図79に示すように、第2特定領域74に設けられたシャッター79で遊技球が所定時間経過するまで貯留されることによって、遊技球が第1特定領域73に優先的に進入する)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、第1の可変入賞装置内には、第2特別領域の入側で遊技球を貯留する貯留部材が設けられ、貯留部材が、第1の可変入賞装置に進入した遊技球が第1特別領域に進入するのに十分な時間が経過した後に貯留状態を解除するように構成されているので、第1特別領域と第2特別領域に同時に遊技球が入賞してしまうのを確実に防止することができるとともに、遊技者にとって有利な第1特別領域への入賞を優先的に発生させることができる。
(8)遊技領域に設けられた第1の始動領域(例えば第2始動入賞口14)に遊技球が入賞したことにもとづいて各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄、飾り図柄)の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば、特別図柄表示器8、可変表示装置9)を備え、該可変表示装置に第1特定表示結果(例えば大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば第1大当り遊技状態)に移行させ、可変表示装置に第2特定表示結果(例えば小当り図柄)が導出表示されたときに第1の可変入賞装置(例えば、第2大入賞口(役物75))を第2の状態(例えば開状態)に変化させる遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、開閉判定手段によって第2の可変入賞装置が閉状態であると判定されているときに、検出手段によって遊技球の入賞が検出された場合、可変表示装置における識別情報の可変表示を禁止する可変表示禁止手段(例えば、実施の形態2では遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS325A,S325Bを実行する部分と演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS807A,S807Bを実行する部分、実施の形態4では遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS339,S340を実行する部分、実施の形態5では遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS326を実行する部分)を備えていてもよい。
(9)第2特定表示結果が複数種類(例えば小当りA図柄と小当りB図柄)設けられ、第1の可変入賞装置に進入した遊技球の経路を切り替え可能な経路切替部材(例えば、流路切替部材78)と、第1の可変入賞装置が第2の状態に変化したときから所定のタイミングで経路切替部材を動作させて経路を切り替える経路切替手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS27B,S308〜S310を実行する部分)と、該経路切替手段による経路の切り替えタイミングを可変表示装置に導出表示された第2特定表示結果の種類に応じて異ならせる切替期間選択手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS240〜S242を実行する部分)とを備えていてもよい。