JP5258013B2 - 天井クレーンによる搬送方法およびこの搬送方法を利用した天井クレーンシステム - Google Patents

天井クレーンによる搬送方法およびこの搬送方法を利用した天井クレーンシステム Download PDF

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本発明は、天井クレーンによる搬送方法およびこの搬送方法を利用した天井クレーンシステムに関する。
従来,クレーンの自動化を目指す様々な研究が行われている。例えば,振れ止め制御の研究として,ゲインスケジューリングによる振れ止め制御(非特許文献1),経路計画に関する研究では,最小エネルギ,最短距離となる搬送経路を分枝限定法によって導出する研究などである(非特許文献2)。
しかしながら,時々刻々と変化する現場の障害物をオンラインで検出しなければいけないことや,入り組んだ位置決めが要求される組付作業などでは完全自動化を行うことは困難である。そのため,機械にはできない柔軟な判断を人間によって行うことが求められており,パワーアシストによる荷物の搬送,組付の研究がされている。
高齢化が進む作業者の作業負担の軽減と多様化する作業へ柔軟に対応するための組立作業支援システムとして,スキルアシストと呼ばれる作業過程をフェーズにわけ,操作点のインピーダンスを適切に変化させるフェーズ・インピーダンス手法を提案し実際のレーンに導入し有効性を示した(非特許文献3・4)。また,人間-機械系で効率化と快適性を向上させるため,人間が主体であるパワーアシストモードと機械が主体である搬送モードを滑らかに切り替える手法を提案し有効性を示した(非特許文献5)。
しかしながら,パワーアシストを用いた長距離搬送は,搬送時間が増え作業効率が低下するという問題がある。また,パワーアシストモードと搬送モードモードの切り替えを行う手法も提案されているが,モードを切り替え時に制御入力が急変しやすく,精密機器の搬送を行う場合に問題がある。
西村秀和、種村英朗、野波健蔵著、「走行クレーンのロープ長変動に対するゲインスケジュール位置決め制御」日本機械学会論文集(C編)、Vol.62、No.599、2692/2697(1996)。 兼重明宏、寺島一彦、鈴木薪雄、殷雷著、「障害物認識と経路計画を考慮した天井クレーンの自律化」日本機械学会論文集(C編)、Vol.64、No.618、487/494(1998)。 鴻巣仁司、荒木勇、山田陽滋著、「自動車組立作業支援装置スキルアシストの実用化」日本ロボット学会誌、Vol.22、No.4、508/514(2004)。 山田陽滋、鴻巣仁司、荒木勇著、「パワーアシストロボット、スキルアイストロボット、自動車組立工程の搭載作業のためのスキルアシストロボットの開発」、ロボット、No.162、20/25(2004)。 原進著、「人間―機械共働型ロボットシステムのためのモード切り換え制御手法(パワーアシストモードから自動位置決めモードへの切り替え)」、日本機械学会論文集(C編)、Vol.71、No.706、1907/1913(2005)。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので,その目的は,フルオートシステムとパワーアシストをシームレスで併用し,両者の欠点を補うことで,生産性の向上と作業者の負担低減する天井クレーンによる搬送方法およびこの搬送方法を利用した天井クレーンシステムを提供することにある。
上記の問題を解消するために請求項1の本発明は、天井クレーンをパワーアシストとして用いて作業者が、望む方向へ望む速度で半自動的に搬送する方法であって、コンピュータを利用した制御装置によって自動生成された速度指令より移動する天井クレーンを用いるとともに、天井クレーンのロープ巻揚げドラムから垂れ下がるロープの下端に掛止されて水平移動される荷物に作業者の操作力を加えて、天井クレーンによるパワーアシストを得ながら作業者が、望む方向へ望む速度で当該荷物を、搬送開始位置から目標搬送位置の真上までの3次元空間における搬送経路に沿って半自動的に搬送することを特徴とする。
また、請求項2の本発明は、コンピュータを利用した制御装置によって自動生成された速度指令より移動する天井クレーンを用いるとともに、天井クレーンのロープ巻揚げドラムから垂れ下がるロープの下端に掛止されて水平移動される荷物に作業者の操作力を加えて、天井クレーンによるパワーアシストを得ながら作業者が、望む方向へ望む速度で当該荷物を、搬送開始位置から目標搬送位置の真上までの3次元空間における搬送経路に沿って半自動的に搬送する天井クレーンによる搬送方法であって;レーザーポインタによりレーザー光線を目標搬送位置床表面に照射してスポット光を生成し;この生成されたスポット光を、固定配設された少なくとも1台のカメラで撮像し、この撮像データを利用してスポット重心位置の3次元空間座標を決定し;前記3次元空間座標を前記目標搬送位置データとして利用して前記コントローラによって前記搬送経路を決定し;前記荷物に作業者の操作力を加えながら、この搬送経路に沿って前記荷物を前記搬送開始位置から前記目標搬送位置の真上まで半自動的に搬送することを特徴とする。
以上の説明から明らかなように本発明は、天井クレーンをパワーアシストとして用いて作業者が、望む方向へ望む速度で半自動的に搬送する方法であって、コンピュータを利用した制御装置によって自動生成された速度指令より移動する天井クレーンを用いるとともに、天井クレーンのロープ巻揚げドラムから垂れ下がるロープの下端に掛止されて水平移動される荷物に作業者の操作力を加えて、天井クレーンによるパワーアシストを得ながら作業者が、望む方向へ望む速度で当該荷物を、搬送開始位置から目標搬送位置の真上までの3次元空間における搬送経路に沿って半自動的に搬送するから、フルオートシステムとパワーアシストをシームレスで併用し,両者の欠点を補うことで,生産性の向上と作業者の負担低減することができるなどの優れた実用的効果を奏する。
図1に本発明の実施の形態の天井クレーンシステム1の概要図を示す。本天井クレーンシステム1の天井クレーン(以下、クレーンと略称する)は台車2と、台車2を平面内で走行自在に支持するフレーム3と含む。走行方向(X軸)方向はガーダ4が移動し、横行方向(Y軸)はガーダ4上を荷物10を吊り下げた台車2が移動することによりX、Y方向への独立した搬送が可能である。台車2の移動は台車2に設けたACサーボモータ(図示省略)の駆動をタイミングベルト5Aを介し、コントローラ6からACサーボモータへの電圧指令を与え、台車2の速度を制御する。また、荷物10はロープ(以下、ロープと略称する)7により吊り下げられ、ACサーボモータの駆動により台車2の下部の巻き取りドラム(図示省略)を回転させることにより、上下方向(Z軸)に移動する。台車2、ガーダ4、ロープ7、荷物、ACサーボモータの関係は公知であり、詳細に説明はしない。
X、Y、Z方向の最大移動距離は、本実施の形態においては、2.0m、1.0m、1.2m、荷物10は質量30Kgの鋼塊である。前記ロープ7の振れ角の測定にはレーザーセンサ(KEYENCE、VG−035)をロープ7の付け根の近くに取り付けて行う。
クレーンのフレームに2台の白黒CCDカメラ(SONY、XC−HR58、以下、カメラと略称する)11A,11Bを固定して、レーザーポインタのスポット光の撮像のために利用する。カメラ11A,11Bのレンズの前には色ガラスフィルタ(HOYA、R−60)を取り付けることでレーザー光以外の外乱交を遮断する。画像処理装置には画像処理ボード(Linx、銀河++M2)を利用する。カメラ11A,11Bのレンズは台車2の可動範囲にあるX、Y軸方向の床面を全て撮像でき、Z軸方向は最低0.3m、最高1.0mの高さから撮像できる。レーザーポインタはスポット光の径が3m先で約7mm〜40mmの直径に調整できるもの(VEROS、LEPO650)を使用する。
前記コントローラ6は種々の演算を実行するコンピュータを含み、前記カメラ11A,11Bに接続されカメラ11A,11Bが撮像した像を解析しスポット光の位置を決定できるように構成されている。また、以下に説明する各処理はコントローラ6によってなされる。
前記スポット光の位置は次のようにして計測される。
まず、スポット光の位置は次のようにして求められる。図1に示すように、スポット光を認識する2つのカメラ11A,11Bはクレーンのフレーム3に固定されているため、障害物の設置位置によってはカメラ11A,11Bの死角が存在する。そのため、図2を使って想定される状況を述べる。
図2に示すA領域のように、大きい方の障害物の上面A1とその側部の床面A2は両方のカメラ11A,11Bで撮像できる。図2のB領域とC領域はカメラ11Aのみが撮像できる。1つのカメラでのみ表面のスポット光を撮像できるときは、床面の座標をZ=0として2次元の(X、Y)座標をコントローラ6で決定できるが、図2のC領域のスポット光により、3次元のクレーン座標(X、Y、Z)を決定することは不可能である。しかし、本発明では光切断法により全て把握されている障害物位置情報を用いることで1つのカメラの撮像により決定された(U、V)座標から3次元のクレーン座標(X、Y、Z)を決定することができる。
そこで、カメラ11A,11Bが2台ともスポット光を認識できる場合のスポット光のクレーン座標を求める。図2のカメラ11AのカメラのパラメータをCA1〜CA11、カメラ11Aの座標を(U、V)、カメラ11BのカメラのパラメータをCB1〜CB11、カメラ11Bの座標を(U、V)、スポット光の座標を(X,Y,Z)とすると,非特許文献(井口征士、3次元画像計測、昭晃堂)に記載されるように、次式の関係が成り立つ。次式を行列で表したあと,一般逆行列を用いて最小二乗解を求めることで(X,Y,Z)を求める。
また、障害物によってカメラの死角が生じる場合、カメラは1台しかスポット光を認識できないときがある。このときは(2)式によりスポット光の2次元クレーン座標を求める。(2)式はZ=0のときの(1)式を変形させた式である。(2)式はカメラ11Aのものであるが,カメラ11Bのものも同様な式で求めることができる。
1つのカメラで3次元位置を求めるアルゴリズムは次の通りである。図2のC領域(小さな方の障害物の上面)に吊り荷を搬送したい場合の例を図3に示す。C領域は、先に述べたように、A領域を有する大きい方の障害物に邪魔されてカメラ11Bでは撮像できないが、カメラ11Aで撮像可能である。
図3において破線で示すように斜め上方からにレーザー光線をC領域に照射した場合を考える。スポット光がC領域に形成されるので、カメラ11Aにより該ポット光を撮像する。後に説明する方法である、スポット光重心を求めるアルゴリズムにより、撮像したスポット光画像からスポット光の重心Bを画像的に決定し、コントローラ6を介してカメラ11Aの光軸をB点に合わせる。カメラ11Aの位置Cは既知であり、その座標は(X,Z)である。B点の未知の座標を(X,Z)とする。カメラ11Aの光軸と床面(2つの障害物が載っている面)との交点Aの未知の座標を(X1,Z1)とする。B(X,Z)、すなわち、目標搬送位置を図3に関して、次に述べる方法で求める。
最初に(2)式により座標A(X,Z)を求める(ステップ1)。次に、既知である座標C(X,Z)を利用して,障害物のZ座標を探索するZを,Z=Zとして定義する(ステップ2)。続いて、Z−10[mm]を計算し,X方向を探索する係数Xを以下の(3)式により求める(ステップ3)。
上記アルゴリズムのステップ1で床面上の点Aの座標(X,Z)は、座標B(X,Z)とA(X,Z)はカメラの画像面上では同じU,V座標にあるため,Z=0という仮定と(2)式を用いることで求まるものである。上記(3)式による計算を数回行うことで,最初はX=X,Z=Zであったのが徐々にX,ZはX,Zに近づいていき,最終的にX<X,Z<Zが成立するように変化する。上記の計算により,障害物上の目標搬送位置の座標B(X,Z)を求めることができる。
説明を簡便にするために、図3に示すX−Z平面のみに関して説明したが、Y−Z平面に関しても同様であり、この計算法を使うことで障害物位置情報とスポット光の画像から3次元位置を求めることができる。この計算法を使うメリットとしては,カメラ11A,11Bの画像面の座標と3次元座標との対応付けを行う必要がなくなるため,障害物の位置を変更するたびに3次元座標との対応付けを行う手間や,対応付けのためのプログラム変更の手間を省くことができる。
上記(3)式は空間上の2点間を結ぶ直線の方程式を変形させたものである。なお,この方法は光切断法により障害物位置情報が全て既知であるという前提のもとで行っている。
次に、スポット光重心の導出について述べる。 一般的にスポット光は大きさを持っている。レーザーポインタの当て方によっては大きな楕円となってしまい、楕円のどの位置を計測するかによって測定値が変わる問題が生じる。そこで本発明ではスポット光の重心位置を求めることでこの問題を解決する。スポット光の重心を求める方法としては、下に述べるアルゴリズムを用いる。
最初に、カメラ11A,11Bで撮像した画像から輝度値を取得し、輝度値200以上の座標(図4の例では最も色の濃い領域)を取得する(ステップ1)。次に、輝度値200以上の座標(上記最も色の濃い領域)の中で、最も上下左右にある4つの座標(A、B、C、D)を取得する(ステップ2)。続いて、(A+D)/2と(B+C)/2を計算してEの座標を求める(ステップ3)。この重心を求める方法は公知であり、一般に使用されている。
輝度値は0〜255段階に分かれる。コンクリートなどの画像は輝度値200未満であるが、スポット光は輝度値200以上となるので、撮像した画像から輝度値200以上の画像を取得することでスポット光のみを取得できる。スポット光周辺(図4の例では色の薄い領域と周辺の背景)の輝度値は200未満であるため、輝度値を取得する際に排除することができる。この処理によって撮像した画像はスポット光の画像(図4の例では色の濃い領域)のみが残るため、座標(A、B、C、D)の位置を判別することが容易となる。
次に、ポテンシャル法を用いた障害物回避経路の導出について述べる。
なお、ポテンシャル法とは、非特許文献(G.K.Schmidt,
K.Azarm,“Mobile robot path planning and execution based on a diffusion equation strategy”,
Advanced Robotics 7-5(1993),pp.479-490)に説明されるように、拡散方程式を用い、搬送領域内に仮想的な拡散物質を拡散させ、その濃度勾配(ポテンシャル場)を用いて経路を得るものである。3次元拡散方程式は次式となる。
差分法により数値計算を行うため,(4)式を差分化すると、非特許文献(斉藤武雄、“数値伝熱学”、養賢堂、(1986))に示されるように、次式となる。
さらに、境界条件として、以下の(6)式を恒久的に与え、
(a)に示す3次元障害物環境に(5)〜(7)式を用いてポテンシャル場を生成した例を図(b)に示す。ここで、スタート地点Sを(0.1[m],0.1[m],0.3[m])、ゴール地点Gを(1.9[m],0.9[m],0.3[m])、荷物10半径を0.15[m](グリッド幅Δh=0.05[m]の場合の3グリッド相当)として障害物を拡大した。図(a)の障害物周辺に拡大された障害物領域を示す。
ただし,地面(Z=0[m])にのみ拡大障害物領域を示すものとする。図5より境界条件であるゴール地点で濃度C=1,障害物領域内で濃度C=0,障害物領域外ではゴール地点に近接するほど濃度は1に近く,離れるほど濃度は低下する。なお,実験の際には障害物の拡大処理を0.2[m](荷物半径0.15[m]+安全余裕0.05[m])とする。
従って,スタート地点(図6に黒丸で示す基本グリッド(i,j,k)からその周囲26グリッド(図中。印)の濃度を参照し,最大濃度となるグリッドを選択することで,障害物に衝突せずゴール地点にたどり着くことができる。このとき選択したグリッドを連結して得られる経路が障害物回避経路となる。図7に回避経路を導出した例を示す。実線が荷物10の重心位置を示す回避経路である。
ここで,拡散方程式に基づくポテンシャル法の手順を以下にまとめる。
対象となる3次元搬送領域(X,Y,Z)をグリッド幅Δhのメッシュで区切り、障害物を該当するグリッドに配置する(ステップ1 )。障害物を荷物半径だけ拡大する(ステップ2)。(6 )(7)式により全グリッドの初期濃度Co,i,j,kを与える(ステップ3)。(5)式を用いて境界条件を除く全グリッドの濃度Ct,i,j,kを更新する(ステップ4)。(8)式の終了条件を満足する場合には(ステップ6)へ。満足しない場合には(ステップ4)へ(ステップ5)。与えられたスタートグリッドSを選択グリッドPとする(ステップ6)。選択グリッドPの周囲26グリッドの中から最大濃度グリッドを選択し、選択グリッドPをストックし更新する(ステップ7)。選択グリッドPの濃度C=1(ゴール地点G)であれば終了。それ以外は(ステップ7)へ(ステップ8)。
この手順においてストックされた選択グリッドPが回避経路となる。なお、拡散終了条件には次式を用いる。
図7に示すように、ポテンシャル法によって得られた経路は折れ点の多い経路となる。台車軌道は折れ点の影響を受けやすく、不要な折れ点は搬送時間の増大を招く。そのため、最大濃度グリッドの点群を折れ線近似法により直線で近似する。この手法により不必要な折れ点を少なくする。近似の際には、経路が障害物領域に侵入しないことを条件に近似を行う。図8に障害物環境を用いた折れ線近似法の概要を示す。
図中△印で示されるスタート地点を線分の始点とする。線分の終点をゴール地点から経路データの点群(同図。印)を走査していき、障害物と衝突しない直線を探索する。図中の破線は障害物領域へ進入してしまうため選択されない。障害物と衝突しない直線を決定したならば、その直線の終点を新たに始点として直線を探索する。この操作を繰り返し行うと図9に示すような近似結果が得られる。同図破線がポテンシャル法により得られた経路を表し、実線が直線近似を行った近似経路である。近似経路の折れ点数は14点から4点に減少し、搬送距離が短縮されていることが分かる。
以下に折れ線近似法の手順を示す。ポテンシャル法により得られた選択グリッドをP(i=1、・・・、n)として、s=1、g=nとおく(ステップ1 )。グリッドPからグリッドPまでの直線が障害物領域内を通過するか判定する。またはP(j=s、・・・、g)の点群に対し、近似誤差がemax以下であることを判定する(ステップ2)。障害物領域を通過しない、または最大近似誤差以上の場合はg=g−1として(ステップ2)へ。それ以外の場合、Pを折れ点としてストックし(ステップ4)へ(ステップ3)。g=nなら終了、gがnでないならs=g、g=nとして(ステップ2)へ(ステップ4)。
次に、各種制約条件を考慮した荷物軌道の導出について述べる。
まず、5次Bスプライン曲線について述べると、逆動力学計算を用いた制御系において、荷物軌道は4階微分が可能であることが求められるため、本発明では5次Bスプライン曲線を用いて荷物軌道を表現する。区間[i,i+1]、(i=0、・・・、N−1)における5次Bスプライン曲線で表現された荷物軌道ベクトルp(t)=[px(t)py(t)pz(t)]Tと時刻t(s)を次式で定義する。
従って,荷物軌道ベクトルp(t)は重みN(s)を与えた周囲6点の制御点の線形結合により求められる。なお,(10)式のスプライン基底関数N(s)はsの5次式で与えられることから,得られる荷物軌道ベクトルp(t)は4階微分可能となる。
次に、制御点および終端時刻を記述する制御点ベクトルをベクトルp=[pxipyi pzitf]Tと定義し,各種制約条件を考慮して評価関数を定式化し、最適解を導出する。制約条件に応じて与えるペナルティ項を付加した評価関数Jを次式で定義する。
(11)式は制約条件下で高速な軌道を導出することを目的とした評価関数である。ペナルティ項の重みWは10000とする。Wは搬送時間tに対して十分に大きな値を与えることで,制約条件を満足する軌道が導出できる。また,h(t)はペナルティ関数であり,常に正値でなければならないので,制約条件g(t)に応じて次式で与える。
次に各種制約条件について述べる。モータには有限の速度,加速度を有するので,モータの装置制約を考慮する必要がある。最適制御問題における制約条件をg(t)≧0の形で表すと,台車速度dqx/dtおよび台車加速度d2qx/dt2の制約は次式となる。
g1(t)= [ dqxmax/dt]2−[ dqx(t)/dt]2≧0
g2(t)= [ d2qxmax/dt2]2−[ d2qx(t)/dt2]2≧0
(13)
ここで、dqxmax/dt、d2qxmax/dt2はそれぞれX軸最大台車速度、X軸最大台車加速度を表す。Y軸についても同様である。Z軸についてもモータの装置制約を考える。
Z軸のロープ巻き上げ下げ速度dl/dt、およびロープ巻き上げ下げ加速度d2l/dt2
の制約は次式となる。
g5(t)=
[ dlxmax/dt]2−[
dl(t)/dt]2≧0
g6(t)=
[ d2lmax/dt2]2−[ d2l(t)/dt2]2≧0
(14 )
ここで、dlxmax/dt、d2lmax/dt2はそれぞれ最大ロープ巻き上げ速度、最大ロープ巻き上げ加速度である。
また,残留振動抑制のためには搬送スタート地点及びゴール地点において荷物10と台車2は停止していなければならない。そのため,搬送スタート地点及びゴール地点ではベクトルpの速度、ベクトルpの加速度およびベクトルpの加加速度はOの条件が与えられる。
つぎに、ラプラス方程式を用いた進入抑制制約について述べる。
荷物10の障害物領域内への進入を抑制する制約としてラプラス方程式を用いた障害物回避のための制約条件を利用する。この制約条件を利用することで,求めた荷物軌道が障害物領域内に進入していないかを評価できる。次の手順で制約のための荷物軌道ベクトルq(τ)により定まるポテンシャル場Cr(ベクトルq(τ))を生成する。搬送領域内に2つのポテンシャル場Co,Cnを(15)式のラプラス方程式により導出する。
(16)式の境界条件より,Coは障害物領域内でのみ値を有するポテンシャル場であり,Cnは障害物領域内外でのみ値を有するポテンシャル場となる。得られた2つのポテンシャル場を用いてポテンシャル制約Cを求める。
=logC0-
logCn (17 )
ここでlogをとるのはC及びCの指数的な変化を考慮するためである。
図1(a)に障害物環境、図1(b)にラプラス方程式により生成されたポテンシャル制約Cを示す。同図より生成されたポテンシャル場Cは必ず障害物領域内で正、領域外で負、境界で零となることが確認できる。また、搬送領域全域で勾配を有し、障害物が密集する領域ほどポテンシャル値Crは大きくなっている。ここで、Cが負であれば障害物領域に侵入しないことから、進入抑制のための制約条件は次式で与えられる。
g7=Cmax-Cr(ベクトルp(τ)) ≧0 (18)
次に、コンプレックス法について述べる。
(9)、(10)式で、4階微分可能な荷物軌道ベクトルp(t)は表現できる。しかし、(10)(11)式において制御点ベクトルpiと搬送終端時刻tを決定する必要がある。従って、これらの変数を操作量とし、障害物回避等の各種制約条件を満足する最適制御問題を考える。
そこで、制御点および終端時刻を記述する制御点ベクトルをベクトルp=[pxipyipzitf]Tと定義し、これを非線形最適化手法の一種であるコンプレックス法(非特許文献: 須永照雄、“機械工学における最適化手法”機械の研究、41−8、(1989)、pp.1048−1055)により最適化する。制御点の数を折れ線近似法により得られた折れ点の数Nとすれば、始端と終端の位置は固定されるため、ベクトルPは3(N−2)+1の最適化変数を有する。また、コンプレックス法における初期点の数Mは最適化変数の2倍程度にすることが好ましいとされているので、M=6(N-2)+1個の初期点を与えることとした(非特許文献:須永照雄、“機械工学における最適化手法”機械の研究、41−8、(1989)、pp.867−872)。
次に、制御点ベクトルPをコンプレックス法により改善する手順を以下に示す。
折れ点近似法により得られた制御点ベクトルをベクトルPとし、残りのM−1個の制御点ベクトルP2、……、PMの要素を次式により決定する(ステップ1 )。
各制御点ベクトルで定まる軌道に対して評価関数を計算し、評価値の最大値Jを与える制御点ベクトルPHと最小値Jを与える制御点ベクトルPLを求める(ステップ2
)。εを収束の判定定数としてJ−J≦εの場合は終了、J−J>εの場合は(ステップ4)へ(ステップ3)。最大点ベクトルPHを除く制御点ベクトルの重心ベクトルPGを求める。次式により最大点ベクトルPHと重心ベクトルPGとを結ぶ直線上で改良点ベクトルPCを求め、その評価値Jとおく(ステップ4)。
ベクトルPC=ベクトルPG+α(ベクトルPG−ベクトルPH) (20)
<Jならば最大点ベクトルPHを改良点ベクトルPCで置き換え、(ステップ2)へ、J≧Jならばεαを十分小さな値として、α≧εαならαをα・βで置き換え(ステップ4)へ、α<εαならαを初期値に戻し、重心ベクトルPGを制御点ベクトルPLに置き換え(ステップ4)へ(ステップ5)。
次に、制振制御と軌道追従のための制御系の構築について述べる。
本発明では、荷物10の軌道追従、振動抑制を非特許文献(柳井法貴、山本元司、毛利彰、“逆動力学計算に基づくクレーンのフィードバック制御”計測自動制御学会論文集、37−11、(2001)、pp.1048−1055)に記載される逆動力学計算によるフィードフォワード制御により行う。この手法は荷物軌道ベクトルp(t)=[px(t)py(t)pz(t)]Tを実現する台車軌道ベクトルq(t)を力の釣り合いから得られる以下の(21)式によって導出する手法である。ここで,gは重力加速度である。
さらに,この台車軌道をモータの逆モデルに入力することで,実際の天井クレーンの台車軌道及び荷物軌道が概略台車軌道ベクトルq(t)=台車軌道ベクトルq(t)、概略荷物軌道ベクトルp(t)=荷物軌道ベクトルp(t)となる FF制御入力ベクトルu(t)を得る。FF制御入力導出の過程は図12となる。
ただし,(21)式及びモータの逆モデルはそれぞれ入力の2階微分を含むことから,荷物軌道は4階微分可能なものしか実現することができない。そのため,本発明では5次Bスプライン曲線を導入することで4回微分可能な荷物軌道ベクトルp(t)を得ている。
次に,天井クレーンのモータを1次遅れ系と仮定すると,与えられた台車軌道ベクトルq(t)を実現する制御入力ベクトルu(t)=[ux(t)uy(t)uz(t)]Tは次式により求められる。
図14に示すように、前記台車2上に搭載されて荷物10を昇降させる巻揚げ機においては、ロープ巻揚げドラム(図示せず)の回転軸にこれを正逆回転させるサーボモータ8の出力軸が連結してあり、さらにロープ巻揚げドラムから巻き下げられたロープ7の下端にはロープ7の下端に掛かる力の大きさを計測する力計測手段としてのロードセル9が装着してある。ロードセル9の下端には昇降すべき荷物10がフック(図示せず)を介して掛止してある。また、前記ロードセル9にはこれの計測結果に基づき、前記サーボモータ8の回転の方向および速度を演算する第1演算部としての機能と、この第1演算部の演算に基づき前記サーボモータ8に駆動指令信号を出す第1制御手段としての機能も有する前記コントローラ6に電気的に接続してある。
また、図15に示すように、前記ロープ巻揚げドラムはクレーンの台車2に装着してあり、さらに、前記クレーンには、前記ロープ巻揚げドラムから巻き下げられたロープ7の長さを計測する長さ計測手段(図示せず)と、前記ロープ7によって吊り下げられた荷物10の重量を計測する重量計測手段(図示せず)と、前記荷物を作業者が押した時の前記ロープ7が垂直面とで成す振れ角の角度を計測する角度計測手段(図示せず)と、前記長さ計測手段、前記重量計測手段および前記角度計測手段からの情報に基づき、前記クレーンの走行条件を演算する第2演算手段としての機能と、この第2演算手段の演算結果に基づき前記クレーンに駆動指令信号を出す第2制御手段としての機能も有する前記コントローラ6に電気的に接続してある。
そして、前記荷物10は、作業者により右方向へ押されてクレーンを介して移動されるようになっている。
このように構成した搬送手段を用いて作業者が荷物10を任意の場所へ搬送する際のこの搬送手段の動作について説明する。最初に、ロープ7によって吊り下げられた荷物10を作業者が上方または下方へ押して荷物10を作業者の望む方向へ望む速度で昇降される手順について述べる。作業者が荷物10を上方または下方へ押すと、ロードセル9がロープ7に掛かる力の大きさを計測してコントローラ6に送信する。すると、巻揚げ機を介しての作業者による荷物10の昇降をアシストすべく、コントローラ6においては下記に示す原理に基づき演算が行われる。
すなわち、基本的な原理としては、図15に示すように、作業者が荷物10に操作力f[N]を加えると、ロードセル9が力f[N]を検知して、コントローラーKは制御入力u(=rv[m/s]指示速度)を生成し、この結果、巻揚げ機は命じられた速度νに従って荷物10を上昇または下降させる。
ここで、m[kg]は荷物10の質量である。
なお、z軸方向は下向きを正とする。
上述の作用は以下に示す理論によって行われる。すなわち、

制御された荷物10の昇降速度v=rv=K
(23)
の関係式が成り立つ。
ここで、力fは操作力fから荷物10の加速度dv/dtによる見かけの重量を差し引いたものであるから、
=f−mdv/dt
(24)
となり、荷物10は操作力fにより以下の伝達関数で表させる昇降速度を得る。
ν(s)=K(s)F(s)/[1+msK(s)] (25)
したがって、K(s)のゲインを大きくすることにより、作業者は僅かな力で荷物を昇降することができる。
ここで、sはラプラス演算子[1/s]、Fは操作力[N]である。
ところで、コントローラーKのパラメータとして、定常状態で、制御された荷物10の昇降速度rv=kpとなる、操作力から巻き上げ下げ速度の変換係数kp[(m /s/N)]を定義する。
ここで、kpは操作力1[N]当りの荷重の移動速度[m /s]を示す。
この変数はユーザの要求によって決定され、荷物10の搬送速度を遅くし荷物10の正確な位置決めを行いたい場合にはkpを小さく選び、わずかな力で高速に搬送したい場合はkpを大きく選ぶ。
また、巻揚げ機の共振周波数とそのピークゲインの変動を乗法変動として考慮すると次式のように表わすことができる。
ここで、波バーPは実際の伝達関数、Pは式P(s)=Fm(s) /Rv=msで表されるノーマルな伝達関数、Δは変動である。
また、図17にモデル化誤差とおもみ関数の見積もりの関係を示す。この図17において、左図細線がΔを見積もった伝達関数であるとすると、ロバスト性の安定化のために、|Wr|>|Δとなる重み関数Wrを
Wr=ωps /ωc(s+ωp) (27)
として、図17の左図太線を得る。
なお、この図17において、ωc[rad /s]は交差角周波数、ωp[rad /s]はΔピークとなる周波数である。
また、本発明のように、混合感度の問題の制御のブック図は図18に示すようになる。そして、wからz間での伝達関数は本システムの相補感度関数で、ロバスト安定の条件は重み関数Wrを考慮して||Twz2||<1となる。
したがって、要求するコントローラは(28)式で示すように定式化できる。
ここで、w(=f)からz1までの伝達関数Twz1は、操作力fと荷物速度rvの誤差に相当する。本演算手段の目的はステップ状の操作力に対し、定常速度kp[(m /s/N)]にできるだけ速く整定するコントローラーKを設計することであるから、次式のように重み関数Wsを決定する。
Ws=1 /s (29)
なお、上記のコントローラーKは、下記のようにして得られる。
すなわち、重み関数Wr、Wsおよびノーマルな伝達関数P(s)の次数の合計が2であるので、最適コントローラーは2次となる。したがって、コントローラーKの構造を次式のように表すことができる。
=kp(as2+bs+c) /(s2+2ζωns+ωn 2) (30)
ここで、aおよびbは定数、cは変数、sはラプラス演算子[1/s]、ζは減衰係数、ωnは固有角周波数である。
また、ロバスト安定性の観点から、a=b=0となる。a≠0、b≠0とすると、変動が大きい場合にロバスト安定条件を満たさなくなる場合が起こる。
定常状態における式v=k fを満たすために以下のように変数cを得る。
したがって、コントローラーKの解析解は次の方程式となる。
=kωn 2 /(s2+2ζωns+ωn 2) (32)
このとき、伝達関数Twvr、Twz1およびTwzは以下のように書き表せる。
ところで、荷物10の残留振動あるいはオーバーシュートは、非常に危険であり、ζ'は1.0より大きくしなければならない。したがって、ζは以下のように制約される。

ζ>1.0- kpmωn/2 (34)
また、ロバスト安定条件より、伝達関数のノルム|Twz2|は以下のように1未満である。
なお、第2項と第3項は条件ζ'>1のもとで1未満となる。
したがって、ωnに関して次の関係を得る。
ωn<平方根ωc/mkp (36)
また、コントローラーKは、Twz1のH2ノルムを最小限にするように設計されなければならない。単純な計算によって、式(33)から次式を得る。
なお、最小限のためにはζ'>1.0の制約下で、ζ'はできるだけ小さくなくてはならず、かつωnは式(36)の制約下で、できるだけ大きくなくてはならない。したがって、
以上の考察によって、演算部として以下の最適ロバストコントローラーが決定される。
このとき、最適なH2ノルムは次式となる。
最後に、ロープ7によって吊り下げられた荷物10を作業者が水平方向へ押して移動される手順について述べる。ロープ7によって吊り下げられた荷物を作業者が右方へ押すと、コントローラ6においては、クレーンを介しての作業者による荷物10の搬送をアシストすべく次のような演算が行われる。
すなわち、図15に示すクレーンの運動方程式は、式 m・l・dθ/dt−m・l・dx/dt・cosθ+m・l・g・sinθ=F・l ;p=x+l・sinθ で表される。
ここでm[kg]は荷物の質量、 l[m]はロ−プの長さ、g[m/s2]は重力加速度、θ[rad]はロ−プの振れ角の角度、x[m]は台車2の位置、dx/dt[m/s2]はその加速度、F[N]は作業者が与える操作力、p[m]は荷物10の位置である。
次いで、ロープ7の振れ角の角度をθ→0にして式(23)を線形に近似し、さらに、式
dx/dt=−Kθ のように、フィ−ドバックゲインKを用いて振れ角の角度θ[rad]から台車2の速度を決定する。これにより式(41)を得る。
また、第2制御手段11においてはPID制御動作が行われる。
ここで、PID制御動作とは、操作量が制御偏差に比例する制御動作であるP制御動作と、操作量が制御偏差の積分値に比例する制御動作であるI動作と、操作量が微分値に比例する制御動作であるD動作を加え合わせたものである。
これにより、式(41)のKをK=K+Ks+K/sに置きて換え式(42)および(43)を得る。
ところで、式(43)において、簡単のためにK=0とした時、式(42)は次ぎの式(44)ように変形できる。
ロープ7のような制動抵抗の小さな軟構造物によって吊り下げた荷物10に作業者が操作力を印加した場合には、荷物10の残留振動が懸念されるが、式(44)から適切なKを与えることによってζ>0.707となり、振動のない荷物10の操作が可能になる。
また、クレーンによる搬送速度と作業者による操作力の関係は、ω≪ωにおいて式(43)からdp/dt=K/mg・Fとなり、操作力に比例した搬送速度が得られる。
また、作業者の負担を軽くするためには、作業者の操作力の変化に応答よくクレーンが反応するということが重要である。つまり式(44)に示されたωを大きくするということがクレーン全体の反応を早くすることにつながる。これは、式(44)から、−l<微分ゲインK<0の範囲で負の微分ゲインKを設定することにより実現される。
このことは以下のように説明できる。微分ゲインK<0とは、作業者があえて操作力の方向とは反対方向に台車2(クレーン)を動かそうとすることを意味する。すなわち、図15において台車2が左方向である負の方向に加速すると、右方向である正の方向に振れ角が生じることになり、正の方向に振れ角を作ろうとする作業者の操作力を助けることになる。
また、式(43)の右項は分母子がわずかに異なる2次の有理式である。そのためωがωよりも小さな領域では式(45)のように線形に近似することができる。
コンピュータを利用した制御装置によって自動生成された自動速度生成とパワーアシストを併用した搬送システムのブロック図を図19に示す。
ここで,θ [rad]はロープの振れ角,dx/dt
[m/s]は天井クレーンの台車への速度指令,f [N]は作業者が与える操作力,Kはパワーアシストのためのフィードバックコントローラ,v [m/s]はシーケンサなどにより自動生成された速度指令,KFは補償フィルタ,vobj
[m/s]は荷物の速度である。
また、コンピュータを利用した制御装置によって自動生成された自動速度として、レーザーポインタによりレーザー光線を目標搬送位置床表面に照射してスポット光を生成し、この生成されたスポット光を、カメラで撮像し、この撮像データを利用してスポット重心位置の3次元空間座標を決定し、この3次元空間座標を目標搬送位置データとして利用してコンピュータによって搬送経路を決定し、この決定に基づき生成されたされたものがある。
本発明においてパワーアシストは次のような構成をとる。作業者の力fにより生じた振れ角θを台車速度に正方向にフィードバックすることでクレーンの台車2を荷物10が振れた方向に運動させる。本システムは,パワーアシストの機能を有効にしつつ,自動生成された速度指令により,目標位置まで荷物を搬送する。
したがって,速度指令による台車2の運動によりロープ7が振れることによってパワーアシストが機能し,荷物10が目標軌道に追従できない場合が起こる.そこで,逆モデルを用いてフィードフォワード入力を再構成することでパワーアシストの影響をなくし荷物10を目標軌道に追従させることができる。
図1にシステムの概要図を示す.台車2の移動はACサーボモータからタイミングベルトを介し,速度制御される。また,荷物10はロープにより吊り下げられ,ACサーボモータの駆動により,上下方向に移動する.ロープ7の振れ角はレーザーセンサを用いて測定する。
一軸方向のみを考えると,クレーンの台車2と荷物位置の運動方程式は以下のように表される。
ml22θ/dt2+ml22x/dt2 mlgsinθ=fhl
p=x+lsinθ
(46)
ここでm [kg]は荷物の質量,l [m]はロープ7の長さ,g
[m/s]は重力加速度,θ [rad]はロープの振れ角,x [m]は台車2の位置,dx/dt
[m/s]はその加速度,f [N]は作業者が与える操作力,p [m]は荷物10の位置である。
式(47 )のように,振れ角θ [rad]とフィードバックコントローラKvの積,そして自動生成された速度指令vr [m/s]と補償フィルタKFの積の和を台車2の速度とする。
dx/dt=Kθ+K (47)
式(46)をθ≒0で線形近似し,さらに式(47 )を代入することで式(48 )を得る。
ml22θ/dt2+ml(Kdθ/dt+Kdv/dt)+ mlgsinθ=fhl
p=x+lθ
(48)
荷物10の速度は式(48)より以下のように表される。
obj=dp/dt=dx/dt+ldθ/dt
=Kθ+K+ldθ/dt (49)
式(48)と式(49)をラプラス変換すると,作業者が与える操作力F
[N]と自動生成された速度指令v [m/s]からロープの振れ角θ
[rad]と荷物10の速度vobj [m/s]との関係は,以下の式のように表される。
このコントローラKvは,高次モード振動抑制を行い,2次振動が生じた際にシステムが不安定になるのを防ぎ,かつ速応性の良いシステムを構築するためにノッチフィルタ状に設計した。これを式(50 )に代入することで,4次の伝達関数を得る。
自動生成された速度指令v [m/s]から荷物10の速度vobj [m/s]までの伝達関数のボード線図を図20の破線に示す。実線については後述する。なお,ボード線図は表1の数値を用いた。図20において,1 [rad/s]〜4 [rad/s]においてゲインが約3
[dB]減少し,6.28 [rad/s]においてはゲインが約10 [dB]減少している。
このことから,パワーアシストが機能し,自動生成された速度指令vrに荷物の速度vobjが十分追従しないことが分かる。そこで,補償フィルタとして逆モデルと,プロパーとするためのローパスフィルタを組み合わせ以下とした。
補償フィルタのボード線図を図21に示す.補償フィルタを用いたときの自動生成された速度指令v [m/s]から荷物の速度vobj [m/s]までの伝達関数のボード線図を図20の実線に示す。補償フィルタを用いることにより,1 [rad/s]〜6.28
[rad/s]においてゲインがほぼ0 [dB]の直線となり,自動生成された速度指令vに荷物10の速度vobjが追従することが分かる。
シミュレーション条件を表1に示す。
自動速度生成とパワーアシスト併用システムのシミュレーション結果を図22,23に示す。図22の上図は,x軸の荷物10の速度vobjのシミュレーション結果である。補償フィルタを付加することで,自動生成された速度指令vに対する荷物10の速度vobjの減少は小さく,自動生成された速度指令vに追従している。一方,補償フィルタを付加しない場合は,vobjの減少が0.07 [m/s]と大きく,追従できていない。
下図のy軸も同様である。
x,y軸の両方ともに,6秒付近で荷物10の速度vobjが0 [m/s]に収束しておらず,滑らかな停止が行えていない。
図23に,荷物軌道のシミュレーション結果を示す.三角がスタート地点,四角がゴール地点である。補償フィルタを付加した場合,上記の通り自動生成された速度指令vに荷物10の速度vobjが追従する。したがって,パワーアシストによる荷物10の速度vobjの減衰が小さく障害物回避が行えていることが分かる。一方,補償フィルタを付加していない場合,パワーアシストによる荷物10の速度vobjの減衰が大きく,荷物10が障害物に衝突している。自動速度生成とパワーアシスト併用システムのシミュレーションにより,補償フィルタが有効であることが確認できた。
実験例
作業者が与える操作力f
[N]と自動生成された速度指令v [m/s]が作用しているときの定常状態は,最終値の定理より式(55 ),(56 )を得る。
θ(∞)=F/mg (55)
obj(∞)=Fkpω 2/
ω1 2mg +v (56)
したがって,定常状態では式(55)の振れ角を保ちながら式(56)の速度で等速運動する。
図24に自動生成された速度指令方向とパワーアシストの操作入力の方向が異なる場合の実験結果を示す.台車2へは0.1
[m/s]を指令し,荷物に加える操作力を変えながら実験を行った。
図24のc-dの区間に着目すると,操作力はf=-12
[N]で,この時ロープの振れ角の実験値は-0.036 [rad]で理論値の-0.04 [rad]とほぼ等しいことが分かる。また,荷物10の速度の実験値は-0.08 [m/s]で,理論値vobj=-0.11 [m/s]に対し,30%程度のずれであった。
作業者が与える操作力f
[N]と速度指令v [m/s]が競合した場合を考える。v [m/s]とf
[N]が逆向きの場合,式(55),(56)より,以下の条件で荷物10は停止する。
θ=ω1 2/kpω 2
h0=Fkpω 2/
ω1 2mg +v
(57)
図24においてa-bの区間が釣り合い状態で,荷物10は停止している.式(11)より,v=0.1 [m/s]の時,fh0=-5.6
[N]であり,実験値の-7.0 [N]とは25%のずれであった。
自動速度生成とパワーアシスト併用システムの競合の検証を行った.併用システムの定常状態を示し,自動速度生成とパワーアシストの協調した搬送やパワーアシストによる軌道の修正ができることを示した。
なお、前記コントローラは、コンピュータ、シーケンサ、またはペンダントスイッチを含むことができる。
本発明のクレーンシステムの斜視図。 図1のクレーンシステムにおけるスポット光測定環境を示す斜視図。 カメラ位置とスポット光位置の関係を示す概略図。 障害物環境を示す図。 スポット光の重心を求めるための説明図。 図6aは3次元障害物環境を示す図であり、図6bは3次元拡散によるポテンシャル場を示す図。 拡散法における基本グリッドと周囲26グリッドを示す図。 ポテンシャル法により得られた障害物回避径路を示す図。 折れ線近似法の概念を示す図。 折れ線近似法の例を示す図。 ラプラス方程式を用いた侵入制約を示す図。 Bスプライン曲線による改善された搬送路を示す図。 FF制御の概念を示す図。 本発明を適用した最良の形態のうち荷物10を昇降させる場合の構造を示す概略図。 本発明を適用した最良の形態のうち荷物10を水平移動させる場合の構造を示す概略図。 図14に示す構造物に係る制御のブロック図。 モデル化誤差と重く関数の見積もりとの関係を示すグラフ。 混合感度問題のブロック図。 図1に示す実施例に係る制御システムのブロック図。 破線は,自動生成された速度指令v [m/s]から荷物の速度vobj [m/s]までの伝達関数のボード線図。実線は,補償フィルタを用いたときの自動生成された速度指令v [m/s]から荷物の速度vobj [m/s]までの伝達関数のボード線図。 補償フィルタのボード線図。 荷物の速度vobjのシミュレーション結果。 荷物軌道のシミュレーション結果。 自動生成された速度指令方向とパワーアシストの操作入力の方向が異なる場合の実験結果。

Claims (19)

  1. コンピュータを利用した制御装置によって自動生成された速度指令より移動する天井クレーンを用いるとともに、天井クレーンのロープ巻揚げドラムから垂れ下がるロープの下端に掛止されて水平移動される荷物に作業者の操作力を加えて、天井クレーンによるパワーアシストを得ながら作業者が、望む方向へ望む速度で当該荷物を、搬送開始位置から目標搬送位置の真上までの3次元空間における搬送経路に沿って半自動的に搬送する天井クレーンシステムによる搬送方法であって;
    レーザーポインタによりレーザー光線を目標搬送位置床表面に照射してスポット光を生成し;
    この生成されたスポット光を、固定配設された少なくとも1台のカメラで撮像し、この撮像データを利用してスポット光重心位置の3次元空間座標を決定し;
    前記3次元空間座標を前記目標搬送位置データとして利用してコントローラによって前記搬送経路を決定し;
    前記天井クレーンの自動生成された速度指令前記天井クレーンシステムが追随するように特性を補償する補助フィルタを適用し;
    前記荷物に作業者の操作力を加えながら、この搬送経路に沿って前記荷物を前記搬送開始位置から前記目標搬送位置の真上まで半自動的に搬送することを特徴とする天井クレーンによる搬送方法。
  2. 請求項1に記載の天井クレーンによる搬送方法において、
    前記コントローラは、コンピュータ、シーケンサ、またはペンダントスイッチを含む制御手段であることを特徴とする天井クレーンによる搬送方法。
  3. 請求項1または2に記載の天井クレーンによる搬送方法において、
    生成されたスポット光を撮像するカメラを少なくとも2台固定配設し、
    これら少なくとも2台のカメラのうち任意のカメラと前記スポット光の間に障害物が存在しない場合、これら2台のカメラにより前記スポット光を撮像し、この撮像データを利用してスポット光重心位置の3次元空間座標を決定し、また、前記少なくとも2台のカメラのうち1台のカメラだけが前記スポット光を撮像することができ、他のカメラが障害物のために前記スポット光を撮像することができない場合、前記スポット光を撮像することができる1台のカメラにより前記スポット光を撮像し、この撮像データを利用してスポット光重心位置の3次元空間座標を決定することを特徴とする天井クレーンによる搬送方法。
  4. 請求項3に記載の天井クレーンによる搬送方法において、
    前記スポット光を撮像することができるカメラが1台である場合、前記スポット光を撮像することができる1台のカメラによる前記撮像データと、前記カメラの位置の公知の座標と、光切断法により予め求めておいた前記障害物の位置情報とを利用してスポット光重心位置の3次元空間座標を決定することを特徴とする天井クレーンによる搬送方法。
  5. 請求項4に記載の天井クレーンによる搬送方法において、
    前記搬送開始位置と、前記スポット光重心位置とを結ぶ直線上に障害物が存在する場合、3次元拡散方程式に基づくポテンシャル法を適用して前記障害物の3次元障害物を回避するための折れ線状の障害物回避経路を決定することを特徴とする天井クレーンによる搬送方法。
  6. 請求項5に記載の天井クレーンによる搬送方法において、
    前記障害物回避経路に関して折れ線近似法を適用して前記障害物回避経路の折れ線の数を減少した搬送経路を決定することを特徴とする天井クレーンによる搬送方法。
  7. 請求項6に記載の天井クレーンによる搬送方法において、
    前記折れ線の数を減少した搬送経路を5次Bスプライン曲線で表し、この5次Bスプライン曲線を搬送経路とすることを特徴とする天井クレーンによる搬送方法。
  8. 請求項5に記載の天井クレーンによる搬送方法において、
    ラプラス方程式を用いた障害物回避のための制御条件を利用することを特徴とする天井クレーンによる搬送方法。
  9. 請求項6に記載の天井クレーンによる搬送方法において、
    前記折れ線の数を減少した搬送経路にコンプレックス法を適用して搬送経路を非線形最適化することを特徴とする天井クレーンによる搬送方法。
  10. 請求項7に記載の天井クレーンによる搬送方法において、
    前記5次Bスプライン曲線を搬送経路に関して逆動力学計算によるFF制御を行うことを特徴とする天井クレーンによる搬送方法。
  11. 請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の天井クレーンによる搬送方法において、
    前記ロープが垂直面とで成す振れ角は、搬送するために作業者が前記荷物を押すか、または前記ロープにおける揺れの回転中心が前記荷物を置いた位置の真上位置と異なることにより生じることを特徴とする天井クレーンによる搬送方法。
  12. 自動生成された速度指令より移動する天井クレーンを用いるとともに、天井クレーンに搭載されかつサーボモータによって駆動されるロープ巻揚げドラムから垂れ下がるロープの下端に掛止されて水平移動される荷物に作業者の操作力を加えて、アシスト力を得ながら作業者が望む方向へ望む速度で当該荷物を、搬送開始位置から目標搬送位置の真上までの3次元空間における搬送経路に沿って半自動的に移動させる天井クレーンシステムであって、
    前記目標搬送位置の床表面にレーザー光線を照射してスポット光を生成するレーザーポインタと;
    ロープ巻揚げドラムを備えた巻上げ機を搭載して水平面内で移動可能な台車と、この台車を水平移動自在に支持しかつ水平面内で移動可能なフレームを含む天井クレーンと;
    別途固定配設されて前記スポット光を撮像する少なくとも1台のカメラと;
    この少なくとも1台のカメラに接続され撮像したスポット光を利用してスポット光重心位置の3次元空間座標を決定し、かつ決定された3次元空間座標を前記目標搬送位置として前記天井クレーンの駆動装置に指令を発信するコントローラと;
    前記ロープの下部に掛かる力であって作業者による上下方向の操作力、荷物の質量および荷物の加速度による力の大きさを計測する力計測手段と;
    この力計測手段の計測結果に基づき第1演算部が前記サーボモータの回転の方向および速度を演算してサーボモータに指令を発信する第1制御手段と;
    前記ロープ巻揚げドラムから巻き下げられたロープの長さを計測する長さ計測手段と;
    前記ロープによって吊り下げられた荷物の重量を計測する重量計測手段と;
    作業者が前記荷物を水平方向へ押した時の前記ロープが垂直面とで成す振れ角の角度を計測する角度計測手段と;
    前記長さ計測手段、前記重量計測手段および前記角度計測手段からの計測情報に基づき第2演算手段が前記天井クレーンの走行条件を演算して前記コントローラに発信する第2制御手段と;
    前記コントローラにおける前記天井クレーンの自動生成された速度指令前記天井クレーンシステムが速度指令に追随するように特性を補償する補助フィルタと;
    を具備したことを特徴とする天井クレーンシステム。
  13. 請求項12に記載の天井クレーンシステムにおいて、
    前記カメラはCCDカメラであることを特徴とする天井クレーンシステム。
  14. 請求項12に記載の天井クレーンシステムにおいて、
    前記カメラを2台備えていて前記2台のカメラと前記スポット光の間に障害物が存在しない場合、前記コントローラは、前記2台のカメラにより前記スポット光を撮像し、この撮像データを利用してスポット光重心位置の3次元空間座標を決定し、また、前記2台のカメラのうち1台のカメラだけが前記スポット光を撮像することができ、他のカメラが障害物のために前記スポット光を撮像することができない場合、前記1台のカメラにより撮像したスポット光の撮像データを利用してスポット光重心位置の3次元空間座標を決定することを特徴とする天井クレーンシステム。
  15. 請求項14に記載の天井クレーンシステムにおいて、
    前記スポット光を撮像することができるカメラが1台である場合、前記コントローラは、
    前記カメラによる撮像データと、前記カメラの位置の公知の座標と、光切断法により予め求めておいた前記障害物の位置情報とを利用してスポット光重心位置の3次元空間座標を決定することを特徴とする天井クレーンシステム。
  16. 請求項15に記載の天井クレーンシステムにおいて、
    前記搬送開始位置と前記スポット光重心位置とを結ぶ直線上に障害物が存在する場合、前記コントローラは、3次元拡散方程式に基づくポテンシャル法を適して前記障害物の3次元障害物を回避するための折れ線状の障害物回避経路を演算し、障害物回避経路を前記搬送経路として前記天井クレーンの駆動装置に指令を発信することを特徴とする天井クレーンシステム。
  17. 請求項16に記載の天井クレーンシステムにおいて、
    前記コントローラは、前記障害物回避経路に関して折れ線近似法を適用して前記障害物回避経路の折れ線の数を減少した搬送経路を決定し、この決定した搬送経路を前記天井クレーンの駆動装置に指令として発信することを特徴とする天井クレーンシステム。
  18. 請求項12〜17のうちいずれか1項に記載の天井クレーンシステムにおいて、
    前記第1演算部には (式)K=kpωn 2 / (s2+2ζωns+ωn 2)で表されるコントローラーKが記憶されていて、前記力計測手段からの計測結果に基づき、前記第1演算部は、前記コントローラーKにより最小時間で所定の昇降速度を演算することを特徴とする天井クレーンシステム。
    ただし、kpは変換係数 [(m/s/N)]、ωnは固有角周波数[rad/s]、sはラプラス演算子[1/s]、ζは減衰係数である。
  19. 請求項12〜18のうちいずれか1項に記載の天井クレーンシステムにおいて、
    前記ロープが垂直面とで成す振れ角は、搬送するために作業者が前記荷物を押すか、または前記ロープにおける揺れの回転中心が前記荷物を置いた位置の真上位置と異なることにより生じる角度であることを特徴とする天井クレーンシステム。
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