JP5257398B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排気再循環機構を備えた内燃機関と電動機とを駆動源として用いる車両の制御装置に関するものである。
近年、内燃機関に加えて電動機を駆動源として用いて運転される車両、いわゆるハイブリッド車両が実用されている(例えば特許文献1参照)。また内燃機関に、その排気通路に排出されたガス(排気)の一部を吸気通路に戻して再循環させる排気再循環(EGR)機構を取り付けることが多用されている。この排気再循環機構は、内燃機関の排気通路および吸気通路を連通するEGR通路と同通路に設けられたEGRバルブとを備えている。そして、このEGRバルブの開弁駆動を通じて内燃機関の排気通路から吸気通路へと排気が還流されるようになっている。
ここでEGR機構を備えた内燃機関では、その温度が低い状況でEGRバルブが開弁駆動されると高温の排気が吸気通路に導入されるようになるために、同吸気通路やEGR通路の内部において凝縮水が発生することがある。そうした凝縮水の発生は内燃機関の耐久性能を低下させる一因となるために好ましくない。また、低温の環境下において凝縮水が発生した状態で内燃機関の運転が停止されて放置されるようなことがあると、凝縮水が凍結してEGRバルブの作動不良を招いてしまうおそれがある。
そのため従来、内燃機関の温度が低いときにおけるEGRバルブの開弁駆動を禁止する装置が提案されている。こうした装置によれば、内燃機関の温度が低いときにおける吸気通路への排気導入が禁止されるために、上述した凝縮水の発生や凍結による不都合が回避されるようになる。
特開2009−91961号公報
EGR機構を備えた内燃機関は、吸気通路への排気導入を実行することによって安定した運転状態で高い出力性能を得ることの可能なように、その作動特性が設定されている。そのため、内燃機関の温度が低いことをもって単に排気導入を禁止すると、排気導入による効果が見込めなくなる分だけノッキングが頻発したりすることによって、同内燃機関の運転状態の不安定化や出力低下を招くおそれがある。
こうした不都合を回避するためには、吸気通路への排気導入を実行せずとも安定した運転状態で高い出力性能が得られるように内燃機関の作動特性を設定することが考えられる。しかしながら、この場合には内燃機関の作動特性の設定についての自由度が低くなってしまうなるために、同内燃機関の出力性能、ひいては車両の走行性能の低下を招くおそれがあり好ましくない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機関吸気通路への排気導入の実行状況によることなく車両運転状態を好適に制御することのできる車両の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、駆動源として内燃機関と電動機とを有する車両に適用されて、前記内燃機関の吸気通路および排気通路を連通する排気再循環通路と同通路に設けられた排気再循環バルブとからなる排気再循環機構を備え、前記排気再循環バルブの開弁駆動を通じて前記排気通路内の排気を前記吸気通路に導入して再循環させる排気再循環制御と、前記内燃機関の温度が低いときに前記排気再循環バルブの開弁駆動を禁止する開弁禁止制御とを実行する車両の制御装置において、前記開弁駆動を禁止することに合わせて、前記開弁駆動を禁止しないときと比較して前記内燃機関の出力を低下させるとともに前記電動機の出力を増加させる出力調節手段を備えることをその要旨とする。
上記構成によれば、機関温度が高くなっているために排気再循環(EGR)バルブの開弁駆動、すなわち吸気通路への排気導入が禁止されない場合には、そのときどきの車両運転状態に見合うように内燃機関および電動機の作動制御を適正に実行することができる。しかも機関温度が低いために吸気通路への排気導入が禁止される場合には、ノッキングが発生しやすくなるとはいえ、機関出力を制限することによって同ノッキングの発生を抑えることができるために、内燃機関の運転状態が不安定になることを抑えることができる。また、このとき機関出力を低下させた分を電動機の出力を増加させた分によって補うことができるために車両の出力性能の低下を抑えることができ、車両運転状態の変化を抑えることもできる。このように上記構成によれば、内燃機関の吸気通路への排気導入の実行状況によることなく車両の運転状態を好適に制御することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の制御装置において、前記出力調節手段は、予め設定された上限値によって機関トルクを制限することによって前記内燃機関の出力を低下させるものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、内燃機関の運転領域が機関トルク、ひいては機関出力の大きい領域になることを的確に抑えることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両の制御装置において、前記出力調節手段は、前記上限値を、前記内燃機関におけるノッキングの発生状況に基づいて変更しつつ設定することをその要旨とする。
上記構成によれば、機関出力を制限したにも関わらずノッキングが頻発してしまうような場合において機関出力を更に小さく制限するといったように、機関出力が制限された状態でのノッキングの発生状況に応じて上限値を変更することができる。したがって、ノッキングの発生を好適に抑えることができ、内燃機関の運転状態の不安定化を好適に抑えることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の車両の制御装置において、前記出力調節手段は、機関回転速度に基づいて前記上限値を算出して設定することをその要旨とする。
内燃機関の出力トルク(機関トルク)が同一の状況であっても同内燃機関の出力軸の回転速度(機関回転速度)が高いときほど機関出力は大きくなる。上記構成によれば、そうした機関回転速度に応じて機関トルクについての上限値が設定されるため、内燃機関の出力を適正に制限することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の車両の制御装置において、当該制御装置は、機関回転速度と機関トルクとにより定まる機関動作点が予め定められた動作線上を移動するように前記内燃機関の運転制御を実行するものであり、前記出力調節手段は、前記動作線を低トルク側に変更することにより前記内燃機関の出力を低下させるものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、排気導入が禁止されるときにおいて機関トルク、ひいては機関出力の大きい運転領域で内燃機関が運転されることを的確に抑えることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の車両の制御装置において、前記出力調節手段は、前記動作線を低トルク側に変更することに合わせて高回転側に変更するものであることをその要旨とする。
ノッキングは、機関トルクが大きい運転領域の中でも機関回転速度が低い運転領域において発生し易い。上記構成によれば、排気導入の禁止時における前記動作線をノッキングが発生し易い運転領域からトルク方向において離間するように変更することに合わせて、回転速度方向においても離間するように変更することができる。これにより上記動作線をノッキングが発生し易い運転領域から的確に離間させることができるようになるため、機関動作点がノッキングの発生し易い運転領域になることを的確に抑えることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の車両の制御装置において、前記出力調節手段は、前記動作線を、前記内燃機関におけるノッキングの発生状況に基づいて変更しつつ設定することをその要旨とする。
上記構成によれば、上記動作線を変更したにも関わらずノッキングが頻発してしまうような場合において動作線を更に変更するといったように、動作線が変更された状態でのノッキングの発生状況に応じて動作線を変更することができる。したがって、ノッキングの発生を好適に抑えることができ、内燃機関の運転状態の不安定化を好適に抑えることができる。
本発明を具体化した第1の実施の形態にかかる制御装置が適用される車両の駆動系の概略構成を示す略図。 同車両に搭載される内燃機関およびその周辺機器の概略構成を示す略図。 同車両の制御構造を示す略図。 第1の実施の形態におけるパワー要求と目標機関回転速度との関係を示すグラフ。 第1の実施の形態にかかる変更処理の実行手順を示すフローチャート。 本発明を具体化した第2の実施の形態におけるパワー要求と目標機関回転速度との関係を示すグラフ。 第2の実施の形態にかかる設定処理の実行手順を示すフローチャート。
(第1の実施の形態)
本発明を具体化した第1の実施の形態にかかる車両の制御装置について説明する。
ここでは先ず、本実施の形態にかかる制御装置が適用されるハイブリッド車両の駆動系について図1を参照して説明する。
図1に示すように、このハイブリッド車両には、その駆動源として内燃機関ENGと二つの回転機(第1回転機MG1および第2回転機MG2)とが搭載されている。第1回転機MG1は主にバッテリ(図示略)への充電電力の供給や上記第2回転機MG2への駆動電力の供給を行うための発電機として機能する。第2回転機MG2は主に、車両の加速時や発進時などといった大きい出力が必要とされるときに同車両の駆動軸であるプロペラシャフトPSに回転トルクを付与するための電動機として機能する。また車両のトランスアクスルには、動力分配機構と二つの遊星歯車機構(フロント遊星歯車機構P1およびリア遊星歯車機構P2)とが設けられている。
内燃機関ENGの出力軸(後述するクランクシャフト19)は、サンギアs1、キャリアc1、リングギアr1の3回転要素からなるフロント遊星歯車機構P1のキャリアc1に接続されている。フロント遊星歯車機構P1のサンギアs1は、上記第1回転機MG1の回転子に一体回転可能に接続されている。またフロント遊星歯車機構P1のリングギアr1は、リア遊星歯車機構P2のリングギアr2に一体回転可能に接続されている。リア遊星歯車機構P2は、トランスアクスルの出力軸OSに、ひいてはプロペラシャフトPSに一体回転可能に接続されたサンギアs2と、回転不能に固定されたキャリアc2とを備えている。そしてプロペラシャフトPSには、第2回転機MG2の回転子が一体回転可能に接続されている。
次に、上記内燃機関ENGおよびその周辺機器について図2を参照して説明する。
図2に示すように、内燃機関ENGの吸気通路11にはスロットルバルブ12が設けられている。スロットルバルブ12には、スロットルモータ13が連結されている。そして、このスロットルモータ13の駆動制御(スロットル制御)を通じてスロットルバルブ12の開度(スロットル開度TA)が調節され、これにより吸気通路11を通じて燃焼室14内に吸入される空気の量が調節される。また、上記吸気通路11には燃料噴射バルブ15が設けられている。この燃料噴射バルブ15の駆動制御(燃料噴射制御)を通じて吸気通路11内に燃料が噴射される。
内燃機関ENGには、その燃焼室14内部の吸入空気と噴射燃料とからなる混合気に対して点火を行うための点火プラグ16が設けられている。この点火プラグ16にはイグナイタ17が接続されている。点火プラグ16は、イグナイタ17から出力される高電圧が印加されることによって作動する。このイグナイタ17の作動制御(点火時期制御)を通じて適宜のタイミングで混合気が燃焼してピストン18が往復移動し、内燃機関ENGの出力軸としてのクランクシャフト19が回転する。そして、燃焼後の混合気は排気として燃焼室14から排気通路20に送り出される。
また内燃機関ENGには、排気通路20を流れる排気の一部を吸気通路11に戻すための排気再循環(EGR)機構30が取り付けられている。このEGR機構30は、吸気通路11の上記スロットルバルブ12より下流側の部分と排気通路20とを連通するEGR通路31、同EGR通路31に設けられたEGRバルブ32、並びにEGRバルブ32の開度を調整するためのEGRアクチュエータ33を備えている。EGR機構30の作動制御(EGR制御)では、内燃機関ENGの運転状態に応じてEGRアクチュエータ33の作動が制御されてEGRバルブ32の開度(EGR開度)が制御され、EGR通路31を通じて再循環される排気(EGRガス)の量(EGR量)が調節される。
次に、本実施の形態のハイブリッド車両の制御構造について図3を参照して説明する。
図3に示すように、ハイブリッド車両には、その運転状態を制御するための三つの電子制御ユニット(ハイブリッドECU40、機関ECU41、回転機ECU42)が設けられている。これら電子制御ユニットは、各種センサの出力信号を取り込むとともに各種の演算処理を実行し、その演算結果に基づき内燃機関ENGの運転制御や回転機の作動制御などといったハイブリッド車両の運転にかかる各種制御を実行する。
各種センサとしては、例えば車両の走行速度(車速SPD)を検出するための車速センサ43や、アクセル操作部材21(例えばアクセルペダルやアクセルレバーなど)の操作量(アクセル操作量ACC)を検出するためのアクセルセンサ44、内燃機関ENGの吸入空気量GAを検出するための吸気量センサ45が設けられている。その他、クランクシャフト19の回転位相(クランク角CA)および回転速度(機関回転速度NE)を検出するためのクランクセンサ46や、内燃機関ENGの冷却水の温度(水温THW)を検出するための温度センサ47、内燃機関ENGにおけるノッキングの発生を検出するためのノックセンサ48なども設けられている。
ハイブリッドECU40は、ハイブリッド車両の運転状態を統括的に制御する。具体的には、アクセル操作量ACCおよび車速SPDに基づいてプロペラシャフトPS(図1参照)の回転力についての制御目標値(要求トータル出力)を算出するとともに、この要求トータル出力に基づいて機関出力の制御目標値(要求機関出力)と第1回転機MG1および第2回転機MG2の出力の制御目標値(要求回転機出力)とをそれぞれ算出する。要求機関出力は機関ECU41に出力されるとともに、要求回転機出力は回転機ECU42に出力される。そして、要求機関出力に基づいて機関ECU41により内燃機関ENGの運転制御が実行されるとともに、要求回転機出力に基づいて回転機ECU42により第1回転機MG1および第2回転機MG2の作動制御が実行される。
要求機関出力としては、内燃機関ENGの運転によってクランクシャフト19に付与される回転トルク(機関トルク)についての制御目標値(パワー要求Tkl)と機関回転速度NEについての制御目標値(目標機関回転速度Tne)とが算出される。
本実施の形態では、パワー要求Tklと目標機関回転速度Tneとの関係として、図4に動作線L1で示すような関係が予め定められている。具体的には、目標機関回転速度Tneが比較的低い領域では、同目標機関回転速度Tneが高いときほどパワー要求Tklが大きくなる。また、目標機関回転速度Tneが高い領域では、パワー要求Tklが同目標機関回転速度Tneよることなく一定の値になる。上記動作線L1としては、内燃機関ENGの燃料消費量を少なく抑えた状態で車両を運転することの可能な機関動作点の集合体が実験やシミュレーションの結果などに基づき予め求められて設定されている。このように本実施の形態では、内燃機関ENGの運転制御が、機関トルクおよび機関回転速度NEにより定まる機関動作点が上記動作線L1上を移動するように実行される。
機関ECU41は、内燃機関ENGの運転制御を実行する。具体的には、ハイブリッドECU40から入力される要求機関出力(パワー要求Tkl、目標機関回転速度Tne)に基づいて内燃機関ENGの各種制御パラメータの制御目標値を算出するとともに、それら制御目標値をもとに各種制御パラメータを制御する。
上記制御目標値としては、例えばスロットル開度TAについての制御目標値(目標スロットル開度Tta)が算出される。そしてスロットル制御においては、この目標スロットル開度Ttaと実際のスロットル開度TAとが一致するように同スロットルバルブ12の開度が制御される。
また上記制御目標値として、燃料噴射バルブ15から噴射される燃料の量についての制御目標値(目標燃料噴射量TQ)が算出される。そして燃料噴射制御においては、この目標燃料噴射量TQと同量の燃料が噴射されるように燃料噴射バルブ15が開弁駆動される。
さらに上記制御目標値として、機関点火時期についての制御目標値(目標点火時期TR)が算出される。そして点火時期制御においては、この目標点火時期TRにおいて点火プラグ16による点火動作が行われるように同点火プラグ16(詳しくはイグナイタ17)の作動が制御される。なお、この目標点火時期TRの算出に際しては、内燃機関ENGにおけるノッキングの発生状況に応じて目標点火時期TRを設定する制御、いわゆるノック制御が実行される。このノック制御は以下のように実行される。
すなわち先ず、ノックセンサ48の検出信号に基づいて内燃機関ENGにおけるノッキングの発生の有無が判定されるとともに、その判定結果に応じてノック制御量AKCSが変更・更新される。このノック制御量AKCSは、目標点火時期TRをノッキングの発生時には遅角側の時期に変更するとともにノッキングの未発生時には進角側の時期に変更するといったように、そのときどきのノッキングの発生状況に応じて目標点火時期TRを制御するための値として機能する。ノック制御量AKCSは詳しくは、ノッキングの発生時にはノック制御量AKCSから所定値(例えば、0.4°CA)を減算する一方、ノッキングの非発生時にはノック制御量AKCSに所定値(例えば、0.01°CA)を加算するといったように更新される。
また、このノック制御量AKCSに基づいてノック学習量AGKNKが変更・更新される。このノック学習量AGKNKは、ノックキングが頻繁に発生する傾向がある場合には相対的に小さい値(目標点火時期TRが遅角側の時期になる値)が設定される一方、ノッキングの発生回数が少ない場合には相対的に大きい値(目標点火時期TRが進角側の時期になる値)が設定される。ノック学習量AGKNKは詳しくは、ノック制御量AKCSが所定値(例えば、1.0°CA)よりも大きいときには所定値(例えば、0.5°CA)を加算する一方、ノック制御量AKCSが所定値(例えば、−1.0°CA)よりも小さいときには所定値(例えば、0.5°CA)を減算するといったように更新される。
そして本実施の形態のノック制御では、これらノック制御量AKCSおよびノック学習量AGKNKに基づいて目標点火時期TRが設定される。
また上記制御目標値として、EGR開度についての制御目標値(目標EGR開度)が算出される。そしてEGR制御では、この目標EGR開度と実際のEGR開度とが一致するように、EGRバルブ32(詳しくは、EGRアクチュエータ33)の作動が制御される。こうしたEGR制御を通じてEGR量が内燃機関ENGの運転状態に見合う量に調節される。なお本実施の形態では、目標EGR開度の算出に際して、水温THWが所定温度Tlow(本実施の形態では、60度)より低いときにおいてEGRバルブ32の開弁駆動を禁止する開弁禁止制御が実行される。こうした開弁禁止制御を実行することにより、内燃機関ENGの温度が低いときにおいて高温の排気が吸気通路11に導入されなくなるために、前述したような吸気通路11への排気導入による凝縮水の発生や同凝縮水の凍結による不都合が回避されるようになる。
回転機ECU42は、第1回転機MG1および第2回転機MG2の作動状態を制御する。具体的には、ハイブリッドECU40から入力される要求回転機出力に基づいて、第1回転機MG1の制御量の制御目標値Tmg1と、第2回転機MG2の制御量の制御目標値Tmg2とを算出する。そして、制御目標値Tmg1に応じて第1回転機MG1(詳しくは、制御回路TR1)の作動が制御され、制御目標値Tmg2に応じて第2回転機MG2(詳しくは、制御回路TR2)の作動が制御される。本実施の形態の車両では、第1回転機MG1が制御回路TR1を介して、また第2回転機MG2が制御回路TR2を介してそれぞれバッテリBATに接続されている。
ここで、本実施の形態の内燃機関ENGとしては、吸気通路11への排気導入を実行することによって安定した運転状態を維持することの可能なものが採用されている。具体的には、出力性能の向上を図るべく圧縮比が高く設定されるとともに燃焼室14内において発生する気流(詳しくはタンブル流)の勢いが高められた構造の内燃機関ENGが採用されている。こうした内燃機関ENGでは、上述した開弁禁止制御を通じて単に排気導入を禁止すると、排気導入による効果が見込めなくなる分だけノッキングが頻発して運転状態が不安定になってしまう。
この点をふまえて本実施の形態では、開弁禁止制御を通じてEGRバルブ32の開弁駆動を禁止する際に、その禁止に合わせて、EGRバルブ32の開弁駆動を禁止しないときと比較して内燃機関ENGの出力(要求機関出力)を低下させるとともに第1回転機MG1および第2回転機MG2の出力(要求回転機出力)を増加させるようにしている。
これによりEGRバルブ32の開弁駆動、すなわち吸気通路11への排気導入が禁止された場合には、その禁止に起因してノッキングが発生しやすくなるとはいえ、その発生を抑えるように内燃機関ENGの出力が制限されるために、内燃機関ENGの運転状態が不安定になることが抑えられるようになる。また、そのようにして内燃機関ENGの出力を低下させた分を第1回転機MG1および第2回転機MG2の出力を増加させることによって補うことができるため、車両の出力性能の低下が抑えられて、同車両の運転状態の変化も抑えられるようになる。一方、内燃機関ENGの温度が十分に高いためにEGRバルブ32の開弁駆動が禁止されない場合には、同内燃機関ENGの出力を制限することなく内燃機関ENGの運転制御や第1回転機MG1および第2回転機MGの作動制御を実行することができる。すなわち、内燃機関ENGの吸気通路11への排気導入が実行された状態での車両運転状態に見合うように、同内燃機関ENGの運転制御や第1回転機MG1および第2回転機MGの作動制御を適正に実行することができる。このように本実施の形態にかかる制御装置によれば、内燃機関ENGの吸気通路11への排気導入の実行状況によることなく車両の運転状態が好適に制御されるようになる。
なお本実施の形態の内燃機関ENGでは、仮にその運転制御の実行態様を変更することなく開弁禁止制御を通じてEGRバルブ32の開弁駆動を禁止した場合に、機関トルクが大きい運転領域においてノッキングが頻発して運転状態が不安定になってしまう。そのため本実施の形態では、予め定められた上限値GD(図4の破線参照)によって機関トルク(詳しくはパワー要求Tkl)を制限することによって内燃機関ENGの出力を低下させるようにしている。この上限値GDとしては、開弁禁止制御を通じてEGRバルブ32の開弁駆動が禁止された場合において運転制御の実行態様を変更せずとも内燃機関ENGを安定した状態で運転することの可能な機関トルクについての上限値が実験やシミュレーションの結果をもとに予め求められて設定されている。こうした上限値GDによってパワー要求Tklを制限することにより、内燃機関ENGの運転状態が不安定になるおそれのある程度に機関トルクが大きい運転領域で内燃機関ENGが運転されることが的確に抑えられるようになる。
また本実施の形態にかかる制御装置では、上限値GDによってパワー要求Tklを制限することによってノッキングの発生が抑えられるようになるとはいえ、内燃機関ENGの個体差や経時変化の影響などといった種々の要因によってノッキングが頻繁に発生するようになる可能性は残る。そうしたノッキングの頻発を確実に抑えるためには要求機関出力の制限度合いを十分に大きくしておくことが考えられる。しかしながら、この場合には内燃機関ENGの出力性能の低下を招くばかりか、車両走行性能の低下を招くこととなるため好ましくない。
ここで本実施の形態にかかる制御装置では、ノック制御におけるノック制御量AKCSをもとにノッキングの発生状況を把握することが可能になっている。詳しくは、ノッキングが頻発する状況においてはノック制御量AKCSが所定値JD(例えば「0」)より小さい値になる一方、ノッキングの発生が適切に抑えられる状況においてはノック制御量AKCSが同所定値JDより大きい値になる。
この点をふまえて本実施の形態では、そうしたノッキングの発生状況の指標値であるノック制御量AKCSに応じたかたちで上限値GDを変更しつつ設定するようにしている。具体的には、ノック制御量AKCSが所定値JDより小さくなったときに、図4中に黒塗りの矢印で示すように、上限値GDが所定値Aだけ小さい値に変更される。これにより、要求機関出力を制限したにも関わらずノッキングが頻発してしまうような場合において要求機関出力(詳しくはパワー要求Tkl)が更に小さく制限されるようになる。このように本実施の形態によれば、要求機関出力が制限された状態でのノッキングの発生状況に応じて上限値GDが変更されるようになるため、ノッキングの発生が好適に抑えられるようになる。
以下、開弁禁止制御の実行態様に応じて内燃機関ENG、第1回転機MG1および第2回転機MG2の出力を変更するための処理(変更処理)について詳細に説明する。
図5は上記変更処理の具体的な実行手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、所定周期毎の割り込み処理としてハイブリッドECU40により実行される。
図5に示すように、この処理では先ず、水温THWが前記所定温度Tlowより低いか否かが判断されるとともに(ステップS101)、パワー要求Tklが上限値GDより大きいか否かが判断される(ステップS102)。
そして、水温THWが所定温度Tlow以上である場合には(ステップS101:NO)、このときEGRバルブ32の開弁駆動が禁止されていないとして、以下の処理を実行することなく本処理は一旦終了される。また、パワー要求Tklが上限値GD以下である場合には(ステップS102:NO)、このときEGRバルブ32の開弁駆動が禁止されているとはいえノッキングの頻発を招く程度にパワー要求Tklが大きくなっていないとして、以下の処理を実行することなく本処理は一旦終了される。
一方、水温THWが所定温度Tlowより低く(ステップS101:YES)且つパワー要求Tklが上限値GDより大きい場合には(ステップS102:YES)、このとき開弁禁止制御を通じてEGRバルブ32の開弁駆動が禁止されており、しかもノッキングの頻発を招く程度にパワー要求Tklが大きくなっていると判断される。そのため、このときパワー要求Tklとして上限値GDが設定されることによって同パワー要求Tklが上限値GDによって制限される(ステップS103)。内燃機関ENGの運転制御では、パワー要求Tklと目標機関回転速度Tneとの関係が前記動作線L1(図4参照)によって定まるため、パワー要求Tklが制限されると、それに伴って目標機関回転速度Tneが低下するようになる。そのため、このとき内燃機関ENGの出力が制限されるようになる。
また、そのようにして内燃機関ENGの出力が制限された分、すなわち車両運転状態に見合う機関作動点(例えば、図4の点P1)における機関出力と上限値GDによって制限されたときの機関作動点(図4の点P2)における機関出力との差が算出されるとともに同差が要求回転機出力に加算される(図5のステップS104)。なおステップS104の処理では、機関出力として、パワー要求Tklに目標機関回転速度Tneを乗算した値(=Tkl×Tne)が算出されて用いられる。本実施の形態では、ステップS103の処理およびステップS104の処理が出力調節手段として機能する。
その後、ノック制御量AKCSが所定値JDより小さいか否かが判断される(ステップS105)。そして、ノック制御量AKCSが所定値JDよりも小さい場合には(ステップS105:YES)、ノッキングが頻発する状況になっている可能性があるとして、予め定められた所定値Aを上限値GDから減算した値が新たな上限値GDとして設定される(ステップS106)。一方、ノック制御量AKCSが所定値JD以上である場合には(ステップS105:NO)、ステップS106の処理が実行されない。このようにノック制御量AKCSに応じたかたちで上限値GDが適宜更新された後、本処理は一旦終了される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)開弁禁止制御を通じてEGRバルブ32の開弁駆動を禁止する際に、その禁止に合わせて、EGRバルブ32の開弁駆動を禁止しないときと比較して要求機関出力を低下させるとともに要求回転機出力を増加させるようにした。そのため、吸気通路11への排気導入が禁止された場合における内燃機関ENGの運転状態の不安定化や車両の運転状態の変化を抑えることができる。また、EGRバルブ32の開弁駆動が禁止されない場合には、内燃機関ENGの吸気通路11への排気導入が実行された状態での車両運転状態に見合うように、内燃機関ENGの運転制御や第1回転機MG1および第2回転機MGの作動制御を適正に実行することができる。したがって、内燃機関ENGの吸気通路11への排気導入の実行状況によることなく車両の運転状態を好適に制御することができる。
(2)上限値GDによってパワー要求Tklを制限することによって内燃機関ENGの出力を低下させるようにした。そのため、内燃機関ENGの運転状態が不安定になるおそれのある程度に機関トルクが大きい運転領域で内燃機関ENGが運転されることを的確に抑えることができる。
(3)ノック制御量AKCSに応じたかたちで上限値GDを変更しつつ設定するようにしたために、要求機関出力が制限された状態でのノッキングの発生状況に応じて上限値GDを変更することができる。そのため、ノッキングの発生を好適に抑えることができ、内燃機関ENGの運転状態の不安定化を好適に抑えることができる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施の形態にかかる車両の制御装置について、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお以下では、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、同構成についての詳細な説明は省略する。
本実施の形態にかかる制御装置と先の第1の実施の形態にかかる制御装置とは、前記開弁禁止制御を通じたEGRバルブ32の開弁駆動の禁止時における要求機関出力の設定態様と要求回転機出力の設定態様とが異なる。
以下、本実施の形態における要求機関出力の設定態様および要求回転機出力の設定態様について詳細に説明する。
本実施の形態にかかる制御装置では、要求トータル出力と要求機関出力と要求回転機出力との関係として、二つの異なる関係が予め定められている。それら関係の一方(第1の関係)にはEGRバルブ32の開弁駆動が禁止されない状況に適した関係が設定されるとともに、他方(第2の関係)にはEGRバルブ32の開弁駆動が禁止される状況に適した関係が設定されている。第2の関係には、第1の関係と比較して、要求機関出力が小さく且つ要求回転機出力が大きい関係が設定されている。そして、開弁禁止制御を通じてEGRバルブ32の開弁駆動が禁止されないときには、要求トータル出力に基づいて第1の関係から要求機関出力と要求回転機出力とが算出される。一方、開弁禁止制御を通じてEGRバルブ32の開弁駆動が禁止されるときには、要求トータル出力に基づいて第2の関係から要求機関出力と要求回転機出力とが算出される。
また、本実施の形態にかかる制御装置では、前記パワー要求Tklと目標機関回転速度Tneとの関係として、図6に示すように、二つの異なる関係(動作線L2,L3)が予め定められている。それら関係においては共に、目標機関回転速度Tneが比較的低い領域では同目標機関回転速度Tneが高いときほどパワー要求Tklが大きくなる。また目標機関回転速度Tneが高い領域ではパワー要求Tklが同目標機関回転速度Tneよることなく一定の値になる。なお本実施の形態では、それら関係として、要求機関出力とパワー要求Tklと目標機関回転速度Tneとの関係が複数定められた演算用のマップがそれぞれ記憶されている。そして、パワー要求Tklおよび目標機関回転速度Tneは上記マップに記憶されているマップ値を補間するようにして算出される。
上記動作線L2に定められた関係(第3の関係)としては、前記第1の関係から算出される要求機関出力に見合う関係であって、EGRバルブ32の開弁駆動が禁止されない状況において内燃機関ENGの燃料消費量を少なく抑えた状態で車両を運転することの可能な機関動作点の集合体が設定されている。詳しくは、そうした条件を満たす要求機関出力とパワー要求Tklと目標機関回転速度Tneとの関係が実験やシミュレーションの結果などに基づき予め求められてハイブリッドECU40に予め記憶されている。そして、前記開弁禁止制御を通じてEGRバルブ32の開弁駆動が禁止されないときには、内燃機関ENGの運転制御が上記第3の関係をもとに実行される。これにより、機関トルクおよび機関回転速度NEにより定まる機関動作点が上記動作線L2上を移動するように内燃機関ENGの運転制御が実行される。
一方、動作線L3に定められた関係(第4の関係)としては、前記第2の関係から算出される要求機関出力に見合う関係が設定されている。具体的には、EGRバルブ32の開弁駆動が禁止される状況において、ノッキングの頻発を招く可能性が高い特定領域(図中にFIで示す領域)での機関運転を回避しつつ安定状態での機関運転が可能な機関動作点の集合体が実験やシミュレーションの結果などに基づき予め求められて設定されている。この第4の関係として詳しくは、上記第3の関係と比較して機関トルクが低い側(低トルク側)の関係であり且つ機関回転速度NEが高い側(高回転側)の関係が定められている。具体的には、そうした条件を満たす要求機関出力とパワー要求Tklと目標機関回転速度Tneとの関係が実験やシミュレーションの結果などに基づき予め求められてハイブリッドECU40に予め記憶されている。そして、内燃機関ENGの温度が低いためにEGRバルブ32の開弁駆動が禁止されるときには、内燃機関ENGの運転制御が上記第4の関係をもとに実行される。これにより、機関トルクおよび機関回転速度NEにより定まる機関動作点が上記動作線L3上を移動するように実行される。
ここでノッキングは機関トルクが大きい運転領域の中でも機関回転速度NEが低い運転領域において発生し易い。本実施の形態では、EGRバルブ32の開弁駆動が禁止されると、パワー要求Tklと目標機関回転速度Tneとの関係として、同EGRバルブ32の開弁駆動が禁止されない場合と比較して低トルク側の関係であり且つ高回転側の関係が設定されるようになる。すなわち、EGRバルブ32の開弁駆動の禁止時におけるパワー要求Tklと目標機関回転速度Tneとの関係が、ノッキングの頻発を招く可能性が高い特定領域FIからトルク方向(図中における上下方向)および回転速度方向(図中における左右方向)の双方において離間するように変更されるようになる。このように本実施の形態によれば、EGRバルブ32の開弁駆動が禁止されたときにおいて、パワー要求Tklと目標機関回転速度Tneとの関係(上記第4の関係[動作線L3])がノッキングの頻発を招く可能性の高い特定領域FIから確実に離間するようになる。そのため、機関動作点がノッキングの頻発を招く可能性が高い領域になることが的確に抑えられるようになる。
また、このとき内燃機関ENGの出力(詳しくは、要求機関出力)が小さくなるとはいえ、その低下分が第1回転機MG1および第2回転機MG2の出力(詳しくは、要求回転機出力)を増加させることによって補われるようになるため、車両の出力性能の低下が抑えられて、同車両の運転状態の変化も抑えられるようになる。
また本実施の形態にかかる制御装置では、内燃機関ENGの動作線を変更することによってノッキングの発生が抑えられるようになるとはいえ、同内燃機関ENGの個体差や経時変化の影響などといった種々の要因によってノッキングが頻繁に発生するようになる可能性は残る。そうしたノッキングの頻発を確実に抑えるためにはより低トルク側であり且つより高回転側の動作線を予め設定しておくことが考えられる。しかしながら、この場合には内燃機関ENGの出力性能の低下を招くばかりか、車両走行性能の低下を招くこととなるため好ましくない。
この点をふまえて本実施の形態では、ノッキングの発生状況の指標値である前記ノック制御量AKCSに応じたかたちで内燃機関ENGの動作線を変更しつつ設定するようにしている。具体的には、ノック制御量AKCSが前記所定値JDより小さくなったときに、図6中に黒塗りの矢印で示すように、動作線L3が低トルク側であり且つ高回転側に変更される。これにより、内燃機関ENGの動作線を予め変更したにも関わらずノッキングが頻発してしまうような場合において、動作線が更に変更されるようになる。このように本実施の形態によれば、予め動作線が変更された状態でのノッキングの発生状況に応じて動作線が変更されるようになるため、ノッキングの発生が好適に抑えられるようになる。なお本実施の形態では、上記動作線L3(第2の関係)の変更が、演算用のマップに記憶されている各パワー要求Tklから所定値を減算するとともに各目標機関回転速度Tneに所定値を加算するといったように実行される。また、このように動作線を変更することに合わせて、要求トータル出力と要求機関出力と要求回転機出力との関係(前記第2の関係)が変更される。詳しくは、要求機関出力としてさらに小さい値が算出されるとともに要求回転機出力としてさらに大きい値が算出されるようになる関係に変更される。これにより、車両の出力性能の低下を抑えつつ要求機関出力がより小さく抑えられるようになる。
以下、要求機関出力および要求回転機出力を設定するための処理(設定処理)について図7を参照して説明する。
図7は上記設定処理の具体的な実行手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、所定周期毎の割り込み処理として、ハイブリッドECU40や回転機ECU42により実行される。
図7に示すように、この処理では先ず、水温THWが前記所定温度Tlowより低いか否かが判断される(ステップS201)。
そして、水温THWが所定温度Tlow以上である場合には(ステップS201:NO)、このときEGRバルブ32の開弁駆動が禁止されていないとして、要求トータル出力に基づいて第1の関係から要求機関出力と要求回転機出力とが算出される(ステップS202)。また、この要求機関出力に基づいて第3の関係(図6の動作線L2参照)からパワー要求Tklと目標機関回転速度Tneとが算出されて設定される(ステップS203)。さらに、要求回転機出力に基づいて制御目標値Tmg1,Tmg2が算出されて設定される(ステップS204)。その後、本処理は一旦終了される。
一方、水温THWが所定温度Tlowより低い場合には(ステップS201:YES)、このときEGRバルブ32の開弁駆動が禁止されているとして、要求トータル出力に基づいて第2の関係(第1の関係より要求機関出力が小さく且つ要求回転機出力が大きい関係)から要求機関出力と要求回転機出力とが算出される(ステップS205)。その後、この要求機関出力に基づいて第4の関係(図6の動作線L3参照)からパワー要求Tklと目標機関回転速度Tneとが算出されて設定される(ステップS206)。本実施の形態では、ステップS205の処理およびステップS206の処理が出力調節手段として機能する。また、要求回転機出力に基づいて制御目標値Tmg1,Tmg2が算出されて設定される(ステップS207)。
その後、ノック制御量AKCSが所定値JDより小さいか否かが判断される(ステップS208)。そして、ノック制御量AKCSが所定値JDよりも小さい場合には(ステップS208:YES)、ノッキングが頻発する状況になっている可能性があるとして第2の関係が、要求機関出力が小さく且つ要求回転機出力が大きい関係に変更される(ステップS209)。また、第4の関係(動作線L3)が低トルク側であって且つ高回転側の関係に変更される(ステップS210)。一方、ノック制御量AKCSが所定値JD以上である場合には(ステップS208:NO)、ステップS209の処理およびステップS210の処理が実行されない。このようにノック制御量AKCSに応じたかたちで第2の関係と第4の関係とが適宜更新された後、本処理は一旦終了される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、先の(1)に記載の効果に加えて、以下の(4)〜(6)に記載する効果が得られるようになる。
(4)内燃機関ENGの動作線を低トルク側に変更することにより同内燃機関ENGの出力を低下させるようにした。そのため、EGRバルブ32の開弁駆動が禁止されるときにおいて機関トルク、ひいては機関出力の大きい運転領域で内燃機関ENGが運転されることを的確に抑えることができる。
(5)内燃機関ENGの動作線を低トルク側に変更することに合わせて高回転側に変更するようにした。そのため、EGRバルブ32の開弁駆動の禁止時における内燃機関ENGの動作線をノッキングが発生し易い特定領域FIからトルク方向において離間するように変更することに合わせて、回転速度方向においても離間するように変更することができる。これにより上記動作線を特定領域FIから的確に離間させることができるようになるため、機関動作点がノッキングの発生し易い運転領域になることを的確に抑えることができる。
(6)ノック制御量AKCSに応じたかたちで内燃機関ENGの動作線L3を変更するようにしたために、内燃機関ENGの動作線が変更された状態でのノッキングの発生状況に応じて該動作線を変更することができる。そのため、ノッキングの発生を好適に抑えることができ、内燃機関ENGの運転状態の不安定化を好適に抑えることができる。
(その他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・第1の実施の形態において、ノッキングの発生状況に基づく上限値GDの変更態様は任意に変更することができる。例えばノッキングの発生時に上限値GDを低トルク側の値に変更する一方、ノッキングの非発生時において上限値GDを高負荷側の値に変更するなどといったように、ノック制御量AKCSの更新に合わせて上限値GDを変更するようにしてもよい。
・第1の実施の形態において、ノッキングの発生状況に応じて上限値GDを変更する構成(具体的には、図5のステップS105およびステップS106の処理)を省略してもよい。
・第1の実施の形態において、上限値GDを、機関回転速度NEに基づいて算出して設定するようにしてもよい。機関トルクが同一の状況であっても機関回転速度NEが高いときほど同内燃機関ENGの出力は大きくなる。上記構成によれば、そうした機関回転速度NEに応じて機関トルクについての上限値GDが設定されるために、内燃機関ENGの出力を適正に制限することができる。
・第2の実施の形態において、EGRバルブ32の開弁駆動が禁止されるときと禁止されないときとの間で、要求トータル出力と要求機関出力との関係を変更することなく、要求機関出力とパワー要求Tklと目標機関回転速度Tneとの関係のみを変更するようにしてもよい。この場合、EGRバルブ32の開弁駆動の禁止時における要求機関出力とパワー要求Tklと目標機関回転速度Tneとの関係として、同開弁駆動の非禁止時における関係より内燃機関ENGの出力が小さくなる関係であって、同内燃機関ENGの動作線が低トルク側であり且つ高回転側になる関係を設定するようにすればよい。また、EGRバルブ32の開弁駆動の禁止時における要求回転機出力として、同開弁駆動の非禁止時における値と比較して、禁止時における要求機関出力と非禁止時における要求回転機出力との差分だけ大きい値を設定するようにすればよい。
・第2の実施の形態において、要求機関出力を小さく抑えるとともに内燃機関ENGの動作線を低トルク側であり且つ高回転側に変更するとの処理を、変更前のパワー要求Tklおよび目標機関回転速度Tneにより定まる運転領域が高トルク側の運転領域であり且つ低回転側の運転領域であるとき、言い換えれば前記特定領域FIになる可能性のある機関運転領域であるときに限って実行するようにしてもよい。
・第2の実施の形態において、ノッキングの発生状況に基づく動作線の変更態様は任意に変更することができる。例えばノッキングの発生時に動作線L3を低トルク側であり且つ高回転側に変更する一方、ノッキングの非発生時において動作線L3を高負荷側であり且つ低回転側に変更するなどといったように、ノック制御量AKCSの更新に合わせて動作線L3を変更するようにしてもよい。
・第2の実施の形態において、ノッキング発生状況に応じて動作線L3を変更する構成(具体的には、図6のステップS208〜ステップS210の処理)を省略してもよい。
・第2の実施の形態において、動作線L3を、低トルク側であり且つ高回転側に変更することに代えて、単に低トルク側に変更するようにしてもよい。
・各実施の形態において、要求トータル出力と要求機関出力と要求回転機出力との関係や要求機関出力とパワー要求Tklと目標機関回転速度Tneとの関係として、演算用のマップを設定することの他、計算式を設定することもできる。
・第1の実施の形態にかかる変更処理や、第2の実施の形態にかかる設定処理を実行することに代えて、開弁禁止制御を通じてEGRバルブ32の開弁駆動が禁止されるときに、予め定められた一定値を要求機関出力から減算するとともに同一定値を要求回転機出力に加算するようにしてもよい。要は、開弁禁止制御を通じてEGRバルブ32の開弁駆動が禁止されるときに、要求機関出力を低下させるとともに、その低下分を補う分だけ要求回転機出力を増加させることができればよい。
・各実施の形態においては、水温THWに基づいて開弁禁止制御にかかる処理や第1の実施の形態にかかる変更処理(詳しくは、図5のステップS101の処理)、第2の実施の形態にかかる設定処理(詳しくは、図7のステップS201の処理)を実行するようにした。それら処理を、例えば内燃機関ENGの潤滑油の温度など、水温THW以外の内燃機関ENGの温度指標値に基づいて実行するようにしてもよい。また、新たに設けた温度センサにより直接検出した内燃機関ENGの温度に基づいて上記各処理を実行するようにしてもよい。
・本発明にかかる制御装置は、駆動源として内燃機関と電動機とを有する車両であれば、例えば電動機を一つのみ備えた車両などにも適用することができる。
ENG…内燃機関、MG1…第1回転機、MG2…第2回転機、TR1,TR2…制御回路、P1…フロント遊星歯車機構(s1…サンギア,c1…キャリア,r1…リングギア)、P2…リア遊星歯車機構(s2…サンギア,c2キャリア,r2…リングギア)、OS…トランスアクスルの出力軸、PS…プロペラシャフト、11…吸気通路、12…スロットルバルブ、13…スロットルモータ、14…燃焼室、15…燃料噴射バルブ、16…点火プラグ、17…イグナイタ、18…ピストン、19…クランクシャフト、20…排気通路、21…アクセル操作部材、30…排気再循環(EGR)機構、31…EGR通路、32…EGRバルブ、33…EGRアクチュエータ、40…ハイブリッドECU、41…機関ECU、42…回転機ECU、43…車速センサ、44…アクセルセンサ、45…吸気量センサ、46…クランクセンサ、47…温度センサ、48…ノックセンサ。

Claims (7)

  1. 駆動源として内燃機関と電動機とを有する車両に適用されて、前記内燃機関の吸気通路および排気通路を連通する排気再循環通路と同通路に設けられた排気再循環バルブとからなる排気再循環機構を備え、前記排気再循環バルブの開弁駆動を通じて前記排気通路内の排気を前記吸気通路に導入して再循環させる排気再循環制御と、前記内燃機関の温度が低いときに前記排気再循環バルブの開弁駆動を禁止する開弁禁止制御とを実行する車両の制御装置において、
    前記開弁駆動を禁止することに合わせて、前記開弁駆動を禁止しないときと比較して前記内燃機関の出力を低下させるとともに前記電動機の出力を増加させる出力調節手段を備える
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の制御装置において、
    前記出力調節手段は、予め設定された上限値によって機関トルクを制限することによって前記内燃機関の出力を低下させるものである
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両の制御装置において、
    前記出力調節手段は、前記上限値を、前記内燃機関におけるノッキングの発生状況に基づいて変更しつつ設定する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  4. 請求項2または3に記載の車両の制御装置において、
    前記出力調節手段は、機関回転速度に基づいて前記上限値を算出して設定する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  5. 請求項1に記載の車両の制御装置において、
    当該制御装置は、機関回転速度と機関トルクとにより定まる機関動作点が予め定められた動作線上を移動するように前記内燃機関の運転制御を実行するものであり、
    前記出力調節手段は、前記動作線を低トルク側に変更することにより前記内燃機関の出力を低下させるものである
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  6. 請求項5に記載の車両の制御装置において、
    前記出力調節手段は、前記動作線を低トルク側に変更することに合わせて高回転側に変更するものである
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  7. 請求項5または6に記載の車両の制御装置において、
    前記出力調節手段は、前記動作線を、前記内燃機関におけるノッキングの発生状況に基づいて変更しつつ設定する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
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