以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の顔料分散組成物に用いられる有機顔料は、色相的に限定されるものではなく、例えば、ペリレン化合物顔料、ペリノン化合物顔料、キナクリドン化合物顔料、キナクリドンキノン化合物顔料、アントラキノン化合物顔料、アントアントロン化合物顔料、ベンズイミダゾロン化合物顔料、ジスアゾ縮合化合物顔料、ジスアゾ化合物顔料、アゾ化合物顔料、インダントロン化合物顔料、フタロシアニン化合物顔料、トリアリールカルボニウム化合物顔料、ジオキサジン化合物顔料、アミノアントラキノン化合物顔料、ジケトピロロピロール化合物顔料、チオインジゴ化合物顔料、イソインドリン化合物顔料、イソインドリノン化合物顔料、ピラントロン化合物顔料、イソビオラントロン化合物顔料、それらの混合物などが挙げられる。
なかでも、キナクリドン化合物顔料、ジケトピロロピロール化合物顔料、ジオキサジン化合物顔料、フタロシアニン化合物顔料、またはアゾ化合物顔料であることが好ましく、ジケトピロロピロール化合物顔料又はジオキサジン化合物顔料がより好ましい。
更に詳しくは、たとえば、C.I.ピグメントレッド190(C.I.番号71140)、C.I.ピグメントレッド224(C.I.番号71127)、C.I.ピグメントバイオレット29(C.I.番号71129)等のペリレン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ43(C.I.番号71105)、もしくはC.I.ピグメントレッド194(C.I.番号71100)等のペリノン系顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(C.I.番号73900)、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントレッド122(C.I.番号73915)、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド202(C.I.番号73907)、C.I.ピグメントレッド207(C.I.番号73900、73906)、もしくはC.I.ピグメントレッド209(C.I.番号73905)のキナクリドン系顔料、C.I.ピグメントレッド206(C.I.番号73900/73920)、C.I.ピグメントオレンジ48(C.I.番号73900/73920)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ49(C.I.番号73900/73920)等のキナクリドンキノン系顔料、C.I.ピグメントイエロー147(C.I.番号60645)等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド168(C.I.番号59300)等のアントアントロン系顔料、C.I.ピグメントブラウン25(C.I.番号12510)、C.I.ピグメントバイオレット32(C.I.番号12517)、C.I.ピグメントイエロー180(C.I.番号21290)、C.I.ピグメントイエロー181(C.I.番号11777)、C.I.ピグメントオレンジ62(C.I.番号11775)、もしくはC.I.ピグメントレッド185(C.I.番号12516)等のベンズイミダゾロン系顔料、C.I.ピグメントイエロー93(C.I.番号20710)、C.I.ピグメントイエロー94(C.I.番号20038)、C.I.ピグメントイエロー95(C.I.番号20034)、C.I.ピグメントイエロー128(C.I.番号20037)、C.I.ピグメントイエロー166(C.I.番号20035)、C.I.ピグメントオレンジ34(C.I.番号21115)、C.I.ピグメントオレンジ13(C.I.番号21110)、C.I.ピグメントオレンジ31(C.I.番号20050)、C.I.ピグメントレッド144(C.I.番号20735)、C.I.ピグメントレッド166(C.I.番号20730)、C.I.ピグメントレッド220(C.I.番号20055)、C.I.ピグメントレッド221(C.I.番号20065)、C.I.ピグメントレッド242(C.I.番号20067)、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド262、もしくはC.I.ピグメントブラウン23(C.I.番号20060)等のジスアゾ縮合系顔料、C.I.ピグメントイエロー13(C.I.番号21100)、C.I.ピグメントイエロー83(C.I.番号21108)、もしくはC.I.ピグメントイエロー188(C.I.番号21094)等のジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド187(C.I.番号12486)、C.I.ピグメントレッド170(C.I.番号12475)、C.I.ピグメントイエロー74(C.I.番号11714)、C.I.ピグメントイエロー150(C.I.番号48545)、C.I.ピグメントレッド48(C.I.番号15865)、C.I.ピグメントレッド53(C.I.番号15585)、C.I.ピグメントオレンジ64(C.I.番号12760)、もしくはC.I.ピグメントレッド247(C.I.番号15915)等のアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー60(C.I.番号69800)等のインダントロン系顔料、C.I.ピグメントグリーン7(C.I.番号74260)、C.I.ピグメントグリーン36(C.I.番号74265)、ピグメントグリーン37(C.I.番号74255)、ピグメントブルー16(C.I.番号74100)、C.I.ピグメントブルー75(C.I.番号74160:2)、もしくは15(C.I.番号74160)等のフタロシアニン系顔料、C.I.ピグメントブルー56(C.I.番号42800)、もしくはC.I.ピグメントブルー61(C.I.番号42765:1)等のトリアリールカルボニウム系顔料、C.I.ピグメントバイオレット23(C.I.番号51319)、もしくはC.I.ピグメントバイオレット37(C.I.番号51345)等のジオキサジン系顔料、C.I.ピグメントレッド177(C.I.番号65300)等のアミノアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド254(C.I.番号56110)、C.I.ピグメントレッド255(C.I.番号561050)、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272(C.I.番号561150)、C.I.ピグメントオレンジ71、もしくはC.I.ピグメントオレンジ73等のジケトピロロピロール系顔料、C.I.ピグメントレッド88(C.I.番号73312)等のチオインジゴ系顔料、C.I.ピグメントイエロー139(C.I.番号56298)、C.I.ピグメントオレンジ66(C.I.番号48210)等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントイエロー109(C.I.番号56284)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ61(C.I.番号11295)等のイソインドリノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ40(C.I.番号59700)、もしくはC.I.ピグメントレッド216(C.I.番号59710)等のピラントロン系顔料、またはC.I.ピグメントバイオレット31(60010)等のイソビオラントロン系顔料が挙げられる。
本発明の顔料分散組成物において、2種類以上の有機顔料または有機顔料の固溶体を組み合わせて用いることもできる。
本発明の分散組成物に含まれる有機顔料ナノ粒子は、一次粒子での数平均粒子径が50nm以下であり、かつ、数平均粒径と体積平均粒径との比([体積平均粒径]/[数平均粒径])が1.0〜2.0の範囲にある。本発明において、前記体積平均粒径、数平均粒径の値は、走査型電子顕微鏡で250個の粒子の粒径を計測して求めた値と定義する。具体的に数平均粒径とは、粒子の集合において、個々の粒子の直径の総和を、粒子の総数で割ったものであり、下記式(I)で表される。
式(I)
数平均粒径 dn = Σfidi / Σfi
fi:粒径がdiである粒子の数(分率)
一方、前記体積平均粒径とは、粒子体積で重み付けした平均粒径であり、粒子の集合において、個々の粒子の直径にその粒子の体積を乗じたものの総和を、粒子の総体積で割ったものであり、下記式(II)で表される。
式(II)
体積平均粒径 dv = Σfidi4 / Σfidi3
fi:粒径がdiである粒子の数(分率)
体積平均粒径と数平均粒径との関係としては、体積平均粒径dvが、数平均粒径dnと等しい又は数平均粒径dnより大きい関係(体積平均粒径≧数平均粒径)にある。従って、完全に粒径が同一の粒子の集合において、両者の値は等しくなり、体積平均粒径dvと数平均粒径dnとの比(体積平均粒径dv/数平均粒径dn)は1となる。また、体積平均粒径dvと数平均粒径dnとの比が大きくなるほど、粒径分布が広いことを表す。なお、体積平均粒径及び数平均粒径については、室井宗一著「高分子ラテックスの化学」高分子刊行会、119頁に記載がある。
このような有機顔料ナノ粒子には制限はないが、有機顔料を良溶媒(第1溶媒)に溶解した有機顔料溶液と、前記良溶媒に対しては相溶性を有し、有機顔料に対しては貧溶媒(第2溶媒)となる溶媒とを混合して析出させた有機顔料のナノ粒子を用いることが好ましい。この方法の詳細については、特開2007−23169号明細書、特願2006−129714号に記載を参考に出来る。以下、この微粒子析出における具体的な実施態様について説明する。
良溶媒(第1溶媒)は、有機顔料溶解することが可能で、貧溶媒(第2溶媒)と相溶するもしくは均一に混ざるものであれば特に限定されない。第1溶媒に対する有機顔料の溶解度は、0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。この溶解度に特に上限はないが、通常用いられる有機顔料を考慮すると50質量%以下であることが実際的である。
第1溶媒と第2溶媒との相溶性は、第1溶媒の第2溶媒に対する溶解量が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。第1溶媒の第2溶媒に対する溶解量に特に上限はないが、任意の割合で混じり合うことが実際的である。
第1溶媒としては、特に限定されないが、有機酸(例えば、ギ酸、ジクロロ酢酸、メタンスルホン酸等)、有機塩基(例えば、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、ナトリウムメトキシド等)、水系溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール等)、ケトン系溶媒(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホラン等)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、乳酸エチル等)、アミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン等)、芳香族炭化水素系溶媒(例えば、トルエン、キシレン等)、脂肪族炭化水素系溶媒(例えば、オクタン等)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル等)、ハロゲン系溶媒(例えば、四塩化炭素、ジクロロメタン等)、イオン性液体(例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート等)、二硫化炭素溶媒、またはこれらの混合物などが好適に挙げられる。
第2溶媒は特に限定されないが、第2溶媒に対する有機顔料の溶解度が0.02質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましい。有機顔料の第2溶媒への溶解度にとくに下限はないが、通常用いられる有機顔料を考慮すると0.0001質量%以上が実際的である。有機顔料の第2溶媒への溶解度にとくに下限はないが、通常用いられる高分子化合物を考慮すると0.001質量%以上が実際的である。
第2溶媒としては、特に限定されないが、水系溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール等)、ケトン系溶媒(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホラン等)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、乳酸エチル等)、アミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン等)、芳香族炭化水素系溶媒(例えば、トルエン、キシレン等)、脂肪族炭化水素系溶媒(例えば、オクタン等)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル等)、ハロゲン系溶媒(例えば、四塩化炭素、ジクロロメタン等)、イオン性液体(例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート等)、二硫化炭素溶媒、またはこれらの混合物などが好適に挙げられる。
第1溶媒の具体例として列挙したものと第2溶媒として列挙したものとで共通するものもあるが、第1溶媒及び第2溶媒として同じものを組み合わせることはない。採用する各有機顔料に対しては、第1溶媒に対する溶解度が第2溶媒に対する溶解度より十分高いことが好ましい。顔料に関しては、例えば、その溶解度差が0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。第1溶媒と第2溶媒に対する溶解度の差に特に上限はないが、通常用いられる有機顔料を考慮すると50質量%以下であることが実際的である。
第2溶媒の状態は特に限定されず、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。常圧での温度は−30〜100℃が好ましく、−10〜60℃がより好ましく、0〜30℃が特に好ましい。有機顔料溶液の粘度は0.5〜100.0mPa・sであることが好ましく1.0〜50.0mPa・sであることがより好ましい。
有機顔料溶液と第2溶媒とを混合する際、両者のどちらを添加して混合してもよいが、有機顔料溶液を第2溶媒に噴流して混合することが好ましく、その際に第2溶媒が撹拌された状態であることが好ましい。撹拌速度は100〜10000rpmが好ましく150〜8000rpmがより好ましく、200〜6000rpmが特に好ましい。添加にはポンプ等を用いることもできるし、用いなくてもよい。また、液中添加でも液外添加でもよいが、液中添加がより好ましい。さらに供給管を介してポンプで液中に連続供給することが好ましい。供給管の内径は0.1〜200mmが好ましく0.2〜100mmがより好ましい。供給管から液中に供給される速度としては1〜10000ml/minが好ましく、5〜5000ml/minがより好ましい。
有機顔料溶液と第2溶媒との混合比は体積比で1/50〜2/3が好ましく、1/40〜1/2がより好ましく、1/20〜3/8が特に好ましい。
有機顔料微粒子を析出させた場合の液中の粒子濃度は特に制限されないが、溶媒1000mlに対して有機顔料微粒子が10〜40000mgの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜30000mgの範囲であり、特に好ましくは50〜25000mgの範囲である。
本発明の顔料分散組成物において顔料の含有量は特に限定されないが、2〜30質量%であることが好ましく、4〜20質量%であることがより好ましい。
本発明の分散組成物は、幹鎖に少なくとも有機色素残基を含む繰り返し単位を有するグラフト重合体を含有する。上記グラフト重合体は、幹鎖(主鎖)に少なくとも有機色素残基を含む繰り返し単位を有していればよく、幹鎖にはその他のモノマー等を共重合単位として含んでいてもよい。
上記グラフト重合体の質量平均分子量(Mw)としては、3000〜100000が好ましく、5000から50000がさらに好ましい。上記質量平均分子量(Mw)が3000未満であると、顔料の凝集を防ぐことが困難となり、粘度が上昇してしまうことがある。また、上記質量平均分子量(Mw)が100000を超えると有機溶媒への溶解性が不足し、粘度が上昇してしまうことがある。尚、上記質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(キャリア:テトラヒドロフラン)によって測定されるポリスチレン換算質量平均分子量である。
上記グラフト重合体の側鎖は特に限定されないが、1つの側鎖の炭素原子数が40〜600であることが好ましく、50〜500であることがより好ましい。上記グラフト重合体における側鎖の数も特に限定されないが、1〜10個であることが好ましい。
上記グラフト型高分子としては、ポリスチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリカプロラクトン等が好適に挙げられるが、下記一般式(1)で表される構成単位を側鎖(枝部)に少なくとも有するグラフト型高分子がより好ましい。
一般式(1)中、R
1は、水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、Qはシアノ基、炭素原子数6〜30のアリール基、または−COOR
2(ここで、R
2は水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基を表す。)を表す。
一般式(1)中、R1で表される基がアルキル基であるとき、炭素原子1〜6のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。このアルキル基は置換基を有していてもよく、アルキル基の置換基としてはハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、等が挙げられる。このようなアルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、ヘキシル基、オクチル基、トリフルオロメチル基、カルボキシメチル基、メトキシカルボニルメチル基などが挙げられる。このようなR1のうち、水素原子、メチル基が好ましい。
一般式(1)中、Qで表される基がアリール基であるとき、炭素原子6〜20のアリール基が好ましく、特に炭素原子6〜12のアリール基が好ましい。このアリール基は置換基を有していてもよく、アリール基の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。このようなアリール基の具体的な例としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、等が挙げられる。このようなアリール基のうち、無置換アリール基、ハロゲン原子、アルキル基、もしくはアルコキシ基で置換されたアリール基が好ましく、特に無置換アリール基、アルキル基で置換されたアリール基が好ましい。
一般式(1)のQで表される基が−COOR2であり、R2で表される基がアルキル基であるとき、このアルキル基は置換基を有していてもよい。R2がアルキル基であるとき、炭素原子1〜12のアルキル基が好ましく、特に炭素原子1〜8のアルキル基が好ましい。アルキル基の置換基としてはハロゲン原子、アルケニル基、アリール基、水酸基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイル基等が挙げられる。このようなアルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、2−ブロモプロピル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル基、ビシクロ〔3.2.1〕オクト−2−イル基、1−アダマンチル基、ジメチルアミノプロピル基、アセチルアミノエチル基、N,N−ジブチルアミノカルバモイルメチル基などが挙げられる。このようなアルキル基のうち、無置換アルキル基、ハロゲン原子、アリール基、もしくは水酸基で置換されたアルキル基が好ましく、特に無置換アルキル基が好ましい。
一般式(1)のQで表される基が−COOR2であり、R2で表される基がアリール基であるとき、このアリール基は置換基を有していてもよい。R2がアリール基であるとき、炭素原子6〜20のアリール基が好ましく、特に炭素原子6〜12のアリール基が好ましい。アリール基の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基等が挙げられる。このようなアリール基の具体的な例としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル基、等が挙げられる。このようなアリール基のうち、無置換アリール基、ハロゲン原子、アルキル基、もしくはアルコキシ基で置換されたアリール基が好ましく、特にアルキル基で置換されたアリール基が好ましい。
このようなR2のうち、水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基が好ましく、特に、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基が好ましい。
一般式(1)で表される構成単位を枝部に少なくとも有するグラフト型高分子の枝部の具体的な例としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリ−i−ブチル(メタ)アクリレート、ポリ(メチル(メタ)アクリレート−co−ベンジル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチル(メタ)アクリレート−co−スチレン)、ポリ(メチル(メタ)アクリレート−co−(メタ)アクリル酸)、ポリ(メチル(メタ)アクリレート−co−アクリロニトリル)などが挙げられる。
一般式(1)で表される構成単位を枝部に少なくとも有するグラフト型高分子の合成には、いずれの方法を用いてもよい。例えば、グラフト鎖を有しない線状ポリマーとグラフト鎖成分との高分子反応や、「幹鎖を構成する有機色素残基を含むモノマー」と「側鎖を構成する重合性オリゴマー」とのグラフト共重合などにより合成することが出来るが、合成時のグラフト鎖の制御の観点から後者が好ましい。具体的には、一般式(1)で表される構成単位を少なくとも有するマクロモノマーと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとの共重合が挙げられる。
上記幹鎖ないし上記側鎖は、必要に応じて酸性モノマー、他のモノマーを共重合単位として含んでいてもよい。
上記グラフト共重合体における上記共重合単位の含有量としては、「上記重合性オリゴマー」が50〜99質量%であり、好ましくは60〜98質量%であり、「上記有機色素残基を有するモノマー」が50〜1質量%であり、好ましくは40〜2質量%である。
上記重合性オリゴマーの含有量が、50質量%未満であると、顔料分散剤としての立体反発効果が得られず、顔料の凝集の防止が困難となり、また、分散溶媒への溶解性が低下し、分散安定化のために必要な吸着層を十分に確保することが困難となり、99質量%を超えると、上記有機色素残基および/または複素環を有するモノマーの割合が減り、顔料に対する吸着能力が低下し、分散性を十分に発揮できない場合がある。上記有機色素残基を有するモノマーの含有量が1質量%未満であると、顔料に対する吸着能力が低下し、分散性を十分に発揮できない場合があり、50質量%を超えると、上記重合性オリゴマーの割合が減ることから、顔料分散剤としての立体反発効果が得られず、顔料の凝集を十分に防止できないことがあり、また、分散溶媒への溶解性が低下し、分散安定化のために必要な吸着層を十分に確保することが困難となることがある。また、これらと共重合可能な他のモノマーを使用する場合、該他のモノマーの含有量としては1〜49質量%の範囲内が好ましい。
上記重合性オリゴマー(以下「マクロモノマー」と称することがある)は、エチレン性不飽和二重結合を有する基を末端に有するオリゴマーである。本発明においては、上記重合性オリゴマーの中でも、該オリゴマーの両末端の一方にのみ上記エチレン性不飽和二重結合を有する基を有するのが好ましい。
一般式(1)で表される構成単位を少なくとも有するマクロモノマーのうち、好ましいものは下記一般式(2)で表されるものである。
一般式(2)中、R
3は、水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、水素原子、メチル基が特に好ましい。Wは単結合または、
(Z
1、Z
2は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、シアノ基、ヒドロキシル基を表し、Z
3は水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基を表す。)等の原子団から選ばれた単独の連結基もしくは任意の組合せで構成された連結基を表し、特に−COO−、フェニレンが好ましい。Aは、前記した一般式(1)で表される構成単位を少なくとも有する基を表す。
このような一般式(2)で表されるマクロモノマーの具体的な例としては、
が挙げられる(Aは、前記一般式(2)におけるAと同義である)。
上記重合性オリゴマーの分子量としては、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1000〜20000であるのが好ましく、2000〜15000であるのがより好ましい。上記数平均分子量が、1000未満であると、顔料分散剤としての立体反発効果が十分でないことがあり、20000を超えると、立体効果により、顔料への吸着に時間を要することがある。
上記重合性オリゴマーの具体例としては、ポリ−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリスチレンポリマー、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリ−i−ブチル(メタ)アクリレート、それらの共重合体であって、分子末端の一個に(メタ)アクリロイル基が結合したポリマーが好適に挙げられる。
上記重合性オリゴマーは、市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよく、該市販品としては、例えば、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー(Mn=6000、商品名:AS−6、東亜合成化学工業(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AA−6、東亜合成化学工業(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AB−6、東亜合成化学工業(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートオリゴマー(Mn=7000、商品名:AA−714、東亜合成化学工業(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリブチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートオリゴマー(Mn=7000、商品名:707S、東亜合成化学工業(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリ2−エチルヘキシルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートオリゴマー(Mn=7000、商品名:AY−707S、AY−714S、東亜合成化学工業(株)製)、などが挙げられる。
本発明における上記重合性オリゴマーの好ましい具体例としては、アルキル(メタ)アクリレートの重合体、および、アルキル(メタ)アクリレートとポリスチレンとの共重合体から選択される少なくとも1種のオリゴマーであって、数平均分子量が1000〜20000であり、末端に(メタ)アクリロイル基を有するものが挙げられる。
本発明において「有機色素残基」とは、有機色素母核の特定の構造部位を取り除いた残りの部分をいい、有機色素母核に含まれる部分骨格を意味する。本発明において有機色素残基は、組成物中に共存する顔料と吸着する機能をもつことが好ましく、有機色素残基自体が着色するものであってもしないものであってもよい。上記有機色素残基は、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、又はアントラキノンの複素環構造を有し、ベンズイミダゾロン、ナフタルイミド、カルバゾール、アクリドンが特に好ましい。
以下に、上記有機色素残基の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。またこれらの有機色素残基は更に置換基を有していても良く、置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシルアミノ基などが挙げられる。
上記有機色素残基を有するモノマーとしては、下記一般式(3)で表わされる化合物が好適である。
上記一般式(3)中、R4は、水素原子またはメチル基を表わす。また、R5は単結合または炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基は置換基を有していてもよく、途中にエーテルもしくはエステル結合を介して結合されていてもよい。具体的には、(CH2)lなどのアルキレン(lは1〜10の整数)、イソプロピリデンなどの分岐アルキレン、シクロヘキシレンなどの環状アルキレン、フェニレン、トルイレン、キシリレン、ナフチレンなどの芳香族環を有する基、(C2H4O)m、(C3H6O)nなどのエーテル結合を介するもの(mは1〜5の整数、nは1〜3の整数)、(CH2)p1−OCO−(CH2)p2や、(CH2)p1−COO−(CH2)p2などのエステル結合を介するもの(p1+p2は1〜9の整数)、更に炭素炭素二重結合、三重結合を介するもの、並びにこれらの組み合わせなどが挙げられ、(CH2)lなどのアルキレン(lは1〜10の整数)、イソプロピリデンなどの分岐アルキレン、(C2H4O)m、(C3H6O)nなどのエーテル結合を介するもの(mは1〜5の整数、nは1〜3の整数)が好ましい。
上記一般式(3)中Pは、有機色素残基を表わす。上記Pは、上記有機色素群から選ばれる有機色素残基であれば特に限定されないが、具体的には上述した有機色素残基の具体例と同様のものが挙げられる。この中でも、ベンズイミダゾロン、ナフタルイミド、カルバゾール、アクリドンが好ましい。
上記一般式(3)中、X1は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、フェニレンを表し、−COO−、−CONH−、フェニレンが好ましい。
上記一般式(3)中、X2は、−O−、−N(R6)−、−N(R7)CON(R8)−、−N(R9)COO−、−OCON(R10)−を表す。X2中、R6〜R10は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す。
以下に、上記有機色素残基を有するモノマーの具体例(例示化合物1−1〜1−13)を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば一般式(3)中のR4、R5、X1、X2およびPの組合せを適宜変えたものなども含まれる。
グラフト重合体の幹部には前記した有機色素残基を含む繰り返し単位の他に、他の繰り返し単位を有していてもよい。他の繰り返し単位は、前記した重合性マクロモノマーと有機色素残基を有するモノマーの共重合の際に、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、マレイミド類、(メタ)アクリロニトリルなどのモノマーを共存させ重合することで含有させることができる。これらの単量体は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルなどが挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテートなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ビニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、ビニル安息香酸メチル、およびα−メチルスチレンなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
ビニルケトン類の例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどが挙げられる。
本発明の顔料分散組成物中、上記のグラフト型高分子化合物の含有量は特に限定されないが、顔料分散組成物の全固形分に対し、10〜70質量%であることが好ましく、20〜50質量%であることがより好ましい。
上記幹鎖に少なくとも有機色素残基を含む繰り返し単位を有するグラフト重合体の例を下記一般式Gに示すが、本発明はこれに限定されるものではない。ここで一般式Gで表されるグラフト重合体は繰り返し単位G1〜G3を有し、X1、X2、R3、R4、R5、A、Pは、前記一般式(2)及び(3)におけるものと同じである。R11は水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基であり、R12は水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基、または炭素原子数6〜30のアリール基である。aは50〜99質量%であり、bは1〜50質量%であり、cは0〜40質量%である。
本発明においては上記グラフト型高分子化合物とともに、これ以外のポリマーや各種分散剤も使用できる。本発明において特に制限されないが、好ましく用いられるものとして、顔料誘導体型化合物が挙げられる。
本発明の顔料分散組成物は溶剤を少なくとも1種含有することが好ましい。前記溶剤としては特に限定はないが、有機溶媒であることが好ましく、例えば、後述の≪光硬化性組成物≫の項で説明する溶剤が挙げられる。
本発明の顔料分散組成物は、以上で説明した、一次粒子の数平均粒径が50nm以下で、かつ(体積平均粒径)/(数平均粒径)が1.0〜2.0である有機顔料ナノ粒子と、幹鎖に少なくとも有機色素残基を含む繰り返し単位を有するグラフト重合体とを含有し、さらに溶剤を含むことが好ましく、これら以外にも必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
本発明の顔料分散組成物は、例えば、塗料、印刷インク(印刷インキ)、それらを用いたカラー表示板、あるいはカラープルーフ等の基体上の多色の着色画像の形成に用いることができ、特に、カラー液晶ディスプレイ、固体撮像素子等に使用されるカラーフィルタの製造に好適に用いることができる。
本発明の有機顔料ナノ粒子は、分散組成物中で所定の処理・操作等をして、ナノ粒子の軟凝集体を形成することが好ましい。ここで軟凝集とは必要により再分散しうる程度の弱い凝集であり、その軟凝集体を特にフロックということがある。このようにすることで、例えば水系の分散組成物中に析出させた有機顔料微粒子を素早くろ過等により分離することができる。そして、分離した軟凝集体を幹鎖に少なくとも有機色素残基を含む繰り返し単位を有するグラフト重合体とともに、カラーフィルタの作製に適した有機溶媒に再分散させ、効率良く有機溶媒系の分散組成物とすることができる。すなわち、良溶媒及び貧溶媒の混合溶媒が水系の溶媒であるとき、これを効率的に有機溶媒からなる第3の溶媒へ置換し分散媒(連続相)を切り換えることができる。なお、本発明において分散組成物とは、液状組成物(分散液)だけでなく、半固形状もしくは固形状の組成物を含む意味に用いる。凝集体の平均粒径は特に限定されないが、上述したろ過性を考慮し1〜1000μmであることが好ましく、5〜100μmであることがより好ましい。
本発明の光硬化性組成物は、既述の本発明の顔料分散組成物と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性化合物と、光重合開始剤とを少なくとも含んでなり、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。この光硬化性組成物は、既述のグラフト型高分子化合物の少なくとも一種を顔料分散剤として含むので、組成物中で顔料を良好な分散状態で保ち、良好な色特性が得られるとともに、例えばカラーフィルタを構成したときには高いコントラストを得ることができる。以下、各成分について詳述する。
本発明の光硬化性組成物は、顔料分散組成物の少なくとも一種を用いて構成されるものである。光硬化性組成物を構成する本発明の顔料分散組成物の詳細については、既述のとおりである。顔料分散組成物の光硬化性組成物中における含有量としては、光硬化性組成物の全固形分(質量)に対して、顔料の含有量が5〜70質量%の範囲となる量が好ましく、顔料の含有量が15〜60質量%の範囲となる量がより好ましい。顔料分散組成物の含有量が前記範囲内であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保するのに有効である。
本発明の光硬化性組成物は、アルカリ可溶性樹脂の少なくとも一種を含有することが好ましい。アルカリ可溶性樹脂としては、高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。このうち、更に好ましくは、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。
アルカリ可溶性樹脂の製造には、例えばラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類およびその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
上記の高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましい。例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等が挙げられ、さらに側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂として具体的には、特に(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体と、の共重合体が好適である。
前記(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、オレフィン類、マレイミド類、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。
これらの中では特に、(メタ)アクリル酸ベンジル/(メタ)アクリル酸共重合体や(メタ)アクリル酸ベンジル/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
このほか、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを共重合したもの等も有用なものとして挙げられる。該ポリマーは任意の量で混合して用いることができる。
上記以外に、特開平7−140654号公報に記載の、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル/ポリスチレンマクロモノマー/メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸共重合体、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸共重合体、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/ポリスチレンマクロモノマー/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/ポリスチレンマクロモノマー/メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
また、側鎖にアリル基やビニルエステル基とカルボキシル基を有する(メタ)アクリル樹脂および特開2000−187322号公報、特開2002−62698号公報に記載されている側鎖に二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂や、特開2001−242612号公報に記載されている側鎖にアミド基を有するアルカリ可溶性樹脂が膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
本発明で使用しうるアルカリ可溶性樹脂の質量平均分子量としては、好ましくは5、000以上であり、さらに好ましくは1万〜30万の範囲であり、数平均分子量については好ましくは1、000以上であり、さらに好ましくは2、000〜25万の範囲である。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は1.1〜10の範囲が好ましく、さらに好ましくは1.2〜5の範囲である。
これらのアルカリ可溶性樹脂は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
本発明で用いうるアルカリ可溶性樹脂は、従来公知の方法により合成できる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独でまたは2種以上混合して用いられる。
本発明において用いうるアルカリ可溶性樹脂を合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の光硬化性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、1〜20質量%が好ましく、より好ましくは2〜15質量%であり、特に好ましくは3〜12質量%である。
本発明の光硬化性組成物は、光重合性化合物の少なくとも一種を含有する。本発明に用いることができる光重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの付加重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。硬化感度の観点から、(メタ)アクリル酸エステル構造を2個以上含有する化合物を用いることが好ましく、3個以上含有する化合物を用いることがより好ましく、4個以上含有する化合物を用いることが最も好ましい。また、硬化感度、および、未露光部の現像性の観点では、EO変性体を含有することが好ましい。また、硬化感度、および、露光部強度の観点ではウレタン結合を含有することが好ましい。
また、重合性層中の他の成分(例えばアルカリ可溶性樹脂、開始剤、着色剤(顔料、染料等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板や後述のオーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
以上の観点より、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが好ましいものとして挙げられ、また、市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)が好ましい。
なかでも、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが、市販品としては、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)がより好ましい。
光重合性化合物は、1種単独で用いる以外に、2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合性化合物の光硬化性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、1〜90質量%であることが好ましく、5〜80質量%であることがより好ましく、10〜70質量%であることが更に好ましい。光重合性化合物の含有量が前記範囲内であると、硬化反応が充分に行なえる。
特に、本発明の光硬化性組成物をカラーフィルタの着色パターン形成に使用する場合には前記含有量の範囲において5〜50質量%であることが好ましく、7〜40質量%であることがより好ましく、10〜35質量%であることが更に好ましい。
本発明の光硬化性組成物は、光重合開始剤の少なくとも1種を含有する。本発明における光重合開始剤は、光により分解し、後述するエチレン性不飽和結合を含有する化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。また、光重合開始剤は、単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。
有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号、M.P.Hutt“Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン誘導体、チオキサントン誘導体を挙げることができる。
ケタール化合物としては、ベンジルメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルエチルアセタールなどを挙げることができる。
ベンゾイン化合物としては、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベンゾエートなどを挙げることができる。
アクリジン化合物としては、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタンなどを挙げることができる。
有機過酸化化合物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を挙げることができる。
クマリン化合物としては、例えば、3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を挙げることができる。
アジド化合物としては、米国特許第2848328号明細書、米国特許第2852379号明細書ならびに米国特許第2940853号明細書に記載の有機アジド化合物、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−エチルシクロヘキサノン(BAC−E)等が挙げられる。
メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報記載の種々のチタノセン化合物、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物が挙げられる。
有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特開2000−131837、特開2002−107916、特許第2764769号、特願2000−310808号、等の各公報、および、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体或いは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報、特願2001−132318号明細書等記載される化合物等が挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II(1979)1653−1660)、J.C.S. Perkin II(1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報記載の化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号、米国特許第339,049号、同第410,201号の各明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号の各公報に記載のヨードニウム塩などが挙げられる。
アシルホスフィン(オキシド)化合物としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
光重合開始剤の光硬化性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%である。この範囲で、良好な感度とパターン形成性が得られる。
次に、上記以外の成分について説明する。
本発明の顔料分散組成物および光硬化性組成物は、一般に上記成分と共に溶剤を用いて好適に調製することができる。
溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、並びに、3−オキシプロピオン酸メチルおよび3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル)、並びに、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、および2−オキシプロピオン酸プロピルなどの2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル)、並びに、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;
エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(本明細書中では「1−メトキシ−2−プロピルアセテート」ともいう)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等;
ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;
芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン、等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が好適である。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の光硬化性組成物は、ラジカル開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。本発明に用いることができる増感剤としては、前記した光重合開始剤に対し、電子移動機構またはエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
本発明の顔料分散組成物または光硬化性組成物には、必要に応じて、フッ素系有機化合物、熱重合防止剤、着色剤、光重合開始剤、その他充填剤、上記の一般式(1)または(2)で表される高分子化合物およびアルカリ可溶性樹脂以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、熱重合防止剤などの各種添加物を含有することができる。
次に、カラーフィルタおよびその製造方法について説明する。
カラーフィルタは、支持体上に、本発明の光硬化性組成物を用いてなる着色パターンを有することが好ましい。以下、カラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。
カラーフィルタの製造方法は、本発明の光硬化性組成物を、直接もしくは他の層を介して基板上に付与して感光性膜を形成する工程(以下、適宜「感光性膜形成工程」と略称する。)と、形成された感光性膜を、パターン露光する(マスクを介して露光する)工程(以下、適宜「露光工程」と略称する。)と、露光後の感光性膜を現像して着色パターンを形成する工程(以下、適宜「現像工程」と略称する。)と、を含むことが好ましい。
感光性膜形成工程では、直接もしくは他の層を有する基板上に、本発明の光硬化性組成物を塗布して(付与して)感光性膜を形成する。本工程に用いうる基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。また、これらの基板上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは、基板表面の平坦化のために下塗り層(他の層)を設けてもよい。
基板上への本発明の光硬化性組成物の塗布方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。光硬化性組成物の塗布膜厚としては、0.1〜10μmが好ましく、0.2〜5μmがより好ましく、0.2〜3μmがさらに好ましい。基板上に塗布された感光性膜の乾燥(プリベーク)は、ホットプレート、オーブン等で50℃〜140℃の温度で10〜300秒で行うことができる。
露光工程では、前記感光性膜形成工程において形成された感光性膜を、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光する、即ち、パターン露光を行う。本工程では、塗布膜である感光性膜に対し、所定のマスクパターンを介して露光を行うことで、光照射された塗布膜部分だけを硬化させることができる。露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。照射量は5〜1500mJ/cm2が好ましく10〜1000mJ/cm2がより好ましく、10〜500mJ/cm2が最も好ましい。カラーフィルタが液晶表示素子用である場合は、上記範囲の中で5〜200mJ/cm2が好ましく10〜150mJ/cm2がより好ましく、10〜100mJ/cm2が最も好ましい。また、カラーフィルタが固体撮像素子用である場合は、上記範囲の中で30〜1500mJ/cm2が好ましく50〜1000mJ/cm2がより好ましく、80〜500mJ/cm2が最も好ましい。
次いで、現像処理を行うことにより、露光工程における未露光部分が現像液に溶出し、光硬化した部分だけが残る。現像液としては、未硬化部における光硬化性組成物の膜を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。現像温度としては、通常20℃〜30℃であり、現像時間は20〜90秒である。
前記有機溶剤としては、本発明の顔料分散組成物または光硬化性組成物を調製する際に使用できる既述の溶剤が挙げられる。前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
現像工程後、余剰の現像液を洗浄除去し、乾燥を施した後に加熱処理(ポストベーク)を行う。ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、通常100℃〜240℃の熱硬化処理を行う。基板がガラス基板またはシリコン基板の場合は上記温度範囲の中でも200℃〜240℃が好ましい。このポストベーク処理は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
以上説明した、感光性膜形成工程、露光工程、および現像工程(更に、必要により加熱処理)を所望の色相数だけ繰り返すことにより、所望の色相よりなるカラーフィルタが作製される。
本発明の光硬化性組成物を基板上に付与して膜形成する場合、膜の乾燥厚みとしては、一般に0.3〜5.0μmであり、好ましくは0.5〜3.5μmであり、最も望ましくは1.0〜2.5μmである。
基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等、並びにプラスチック基板が挙げられる。これらの基板上には、通常、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている。プラスチック基板には、その表面にガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。
本発明の光硬化性組成物の用途として、主にカラーフィルタの画素への用途を主体に述べてきたが、カラーフィルタの画素間に設けられるブラックマトリックスにも適用できることは言うまでもない。ブラックマトリックスは、本発明の光硬化性組成物に着色剤として、カーボンブラック、チタンブラックなどの黒色の着色剤を添加したものを用いる他は、上記画素の作製方法と同様に、パターン露光、アルカリ現像し、更にその後、ポストベークして膜の硬化を促進させて形成させることができる。
(実施例1−1)
ジメチルスルホキシド1500mlに、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液50.0ml、顔料C.I.ピグメントレッド254:(商品名、イルガフォア レッド BT−CF チバ・スペシャルティケミカルズ(株)社製)80g、ポリビニルピロリドン85.0gを添加した顔料溶液Aを調製した。これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸20mlを含有した水1500mlを用意した。
ここで、18℃に温度コントロールし、藤沢薬品工業社製GK−0222−10型ラモンドスターラーにより500rpmで攪拌した貧溶媒の水1500mlに、顔料溶液Aを日本精密化学社製NP−KX−500型大容量無脈流ポンプを用いて注入した。顔料溶液Aの送液配管の流路径及び供給口径は0.5mmとし、その供給口を貧溶媒中に入れ流速50ml/minで100ml注入することにより、有機顔料粒子を形成し、顔料分散液Aを調製した。この顔料分散液を、走査型顕微鏡を用いて250個の粒子を数え、粒径、単分散度を測定したところ、数平均粒径35nm、Mv/Mn1.49であった。
上記方法で調製した、顔料ナノ粒子分散液を得られた顔料分散液Aを、コクサン(株)製H−112型遠心ろ過機および敷島カンバス(株)製P89C型ろ布を用いて3500rpmで60分濃縮し、得られた顔料ナノ粒子濃縮ペーストを回収した。ペーストの顔料含率をアジレント(Agilent)社製8453型分光光度計を用いて測定したところ、13.5質量%であった。
上記顔料ナノ粒子調製ペースト25.0gに乳酸エチル70.0ccを加え、ディソルバーで1500rpm・60分攪拌した後住友電工ファインポリマ社製FP−010型フィルタを用いて、ろ過することにより、ペースト状の濃縮顔料液A(ナノ顔料濃度29質量%)を得た。
[顔料分散組成物の調製]
前記ペーストを用い、下記組成の顔料分散組成物Aを調製した。
前記ペースト状の濃縮顔料液A 22.4g
顔料分散剤A 8.1g
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 42.4g
・顔料分散剤A
{前記例示化合物1−12(m/p比=50/50モル比)}/{片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AA−6、東亜合成化学工業(株)製)}共重合体(質量比8/92、質量平均分子量:20000、40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)
上記組成の顔料分散組成物をモーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで1時間分散し、顔料分散組成物Aを得た。
(実施例1−2)
実施例1−1の顔料分散組成物Aにおいて、顔料分散剤Aを顔料分散剤Bとした以外は、実施例1−1と同様にして顔料分散組成物Bを調製した。実施例1−1と同様に処理して、顔料分散組成物Bを得た。
・顔料分散剤B
{前記例示化合物1−11(m/p比=50/50モル比)}/{片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AA−6、東亜合成化学工業(株)製)}共重合体(質量比8/92、質量平均分子量:21000、40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)
(実施例1−3)
実施例1−1の顔料分散組成物Aにおいて、顔料分散剤Aを顔料分散剤Cとした以外は、実施例1−1と同様にして顔料分散組成物Cを調製した。実施例1−1と同様に処理して、顔料分散組成物Cを得た。
・顔料分散剤C
{前記例示化合物1−7/{片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AA−6、東亜合成化学工業(株)製)}共重合体(質量比10/90、質量平均分子量:19000、40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)
(実施例1−4)
実施例1−1の顔料分散組成物Aにおいて、顔料分散剤Aを顔料分散剤Dとした以外は、実施例1−1と同様にして顔料分散組成物Dを調製した。実施例1−1と同様に処理して、顔料分散組成物Dを得た。
・顔料分散剤D
{前記例示化合物1−1/{片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AA−6、東亜合成化学工業(株)製)}共重合体(モル比7/93、質量平均分子量:20000、40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)
(比較例1−1)
実施例1−1の顔料分散組成物Aにおいて、顔料分散剤Aを顔料分散剤Eとした以外は、実施例1−1と同様にして顔料分散組成物Eを調製した。実施例1−1と同様に処理して、顔料分散組成物Eを得た。
・顔料分散剤E
{メタクリル酸メチル/{片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AA−6、東亜合成化学工業(株)製)}共重合体(モル比8/92、質量平均分子量:2万、40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)
なお、上記顔料分散組成物A〜Eの調製には下記試薬を用いた。
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試薬 製造元
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ピグメントレッド254(イルガフォアレッド BT−CF)
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
1−メチル−2−ピロリドン 和光純薬社製
ジメチルスルホキシド 和光純薬社製
2−(1−メトキシ)プロピルアセテート 和光純薬社製
1mol/l 塩酸水溶液 和光純薬社製
8mol/l 水酸化カリウム水溶液 和光純薬社製
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得られた顔料分散組成物A〜Eを、それぞれガラス基板上に厚みが2μmになるように塗布し、サンプルを作製した。バックライトユニットとして3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)社製FWL18EX−N)に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板((株)サンリツ社製の偏光板HLC2−2518)の間にこのサンプルを置き、偏光軸が平行のときと、垂直のときとの透過光量を測定し、その比をコントラストとした(「1990年第7回色彩光学コンファレンス、512色表示10.4”サイズTFT−LCD用カラーフィルタ、植木、小関、福永、山中」等参照。)。色度の測定には色彩輝度計((株)トプコン社製BM−5)を用いた。2枚の偏光板、サンプル、色彩輝度計の設置位置は、バックライトから13mmの位置に偏光板を、40mm〜60mmの位置に直径11mm長さ20mmの円筒を設置し、この中を透過した光を、65mmの位置に設置した測定サンプルに照射し、透過した光を、100mmの位置に設置した偏光板を通して、400mmの位置に設置した色彩輝度計で測定した。色彩輝度計の測定角は2°に設定した。バックライトの光量は、サンプルを設置しない状態で、2枚の偏光板をパラレルニコルに設置したときの輝度が1280cd/m2になるように設定した。
またこのサンプルを90mW/cm2の高圧水銀ランプで24時間照射し、照射前後の色差を測定し、耐光性の指標とした。なお、本発明において色度は、顕微分光光度計(オリンパス光学社製;OSP100又は200)により測定し、F10光源視野2度の結果として計算して、xyz表色系のxyY値で表す。また、色度の差は、La*b*表色系の色差で表す。この色差が小さいほど好ましい。
顔料分散組成物A〜Eから得たサンプルのコントラスト及び耐光性の測定結果を表1に示す。
[表1]
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試料 コントラスト 備考
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顔料分散組成物A 17500 本発明
顔料分散組成物B 18000 本発明
顔料分散組成物C 17600 本発明
顔料分散組成物D 18000 本発明
顔料分散組成物E 15000 比較例
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表1に示すように、比較例のものに比べて、本発明の顔料分散組成物は高いコントラストを示した。
(実施例2−1)
メタンスルホン酸(第1溶媒)(和光純薬社製)2500mlを80℃に加熱しながら、顔料C.I.ピグメントバイオレット23(クラリアント社製、Hostaperm Violet RL−NF)112.5g及びポリビニルピロリドン(K−30、商品名、和光純薬社製)80.0gを添加して、顔料溶液Fを調製した。
これとは別に貧溶媒(第2溶媒)として、1mol/l水酸化ナトリウム溶液(和光純薬社製)20mlを含有した水2000mlを用意した。
ここで、25℃に温度コントロールし、GK−0222−10型ラモンドスターラー(商品名、藤沢薬品工業社製)により500rpmで攪拌した貧溶媒の水2000mlに、80℃にした顔料溶液AをNP−KX−500型大容量無脈流ポンプ(商品名、日本精密化学社製)を用いて注入した。顔料溶液Fの送液配管の流路径及び供給口径を2.2mmとし、その供給口を貧溶媒中に入れ、流速200ml/minで220ml注入することにより、有機顔料粒子を形成し、顔料分散液Fを調製した。この顔料分散液を走査型顕微鏡を用いて250個の粒子を数え、粒径、単分散度を測定したところ、数平均粒径34nm、Mv/Mn1.50であった。
上記の手順で調製した顔料分散液Fを(株)コクサン社製H−110A型遠心濾過機および敷島カンバス(株)社製P89C型ロ布を用いて3000rpmで90分濃縮し、顔料分散液Fから溶媒分を取り除いて減じ(第1濃縮・除去工程)、顔料ナノ粒子濃縮ペーストを回収した。ペーストの顔料含率をアジレント(Agilent)社製8453型分光光度計を用いて測定したところ、15.0質量%であった。
上記顔料ナノ粒子濃縮ペースト16.1gに、乳酸エチル(第3溶媒)80.0ccに前記顔料分散剤A6.0gを添加した溶液を加えた。これをディゾルバで1200rpm・80分攪拌し、さらに酢酸エチル30.0ccを添加しディゾルバで500rpm・10分攪拌して分散液とした。
この分散液を、住友電工ファインポリマ社製FP−010型フィルタを用いて、ろ過することにより(第2濃縮・除去工程)、ペースト状の濃縮顔料液F(ナノ顔料濃度30.5質量%)を得た。
前記ペースト状の濃縮顔料液Fを用い、下記組成の顔料分散組成物Fを作製した。
前記ペースト状の濃縮顔料液F 21.1g
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 43.2g
上記組成の顔料分散組成物FをモーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで2時間分散した。
(実施例2−2)
実施例2−1において、ペースト状の濃縮顔料液Fの作製時に用いた顔料分散剤A6.0gを顔料分散剤B6.0gに置き換えるほかは、顔料分散物Fと全く同様にして、顔料分散物Gを作製した。
(実施例2−3)
実施例2−1において、ペースト状の濃縮顔料液Fの作製時に用いた顔料分散剤A6.0gを顔料分散剤C6.0gに置き換えるほかは、顔料分散物Fと全く同様にして、顔料分散物Hを作製した。
(実施例2−4)
実施例2−1において、ペースト状の濃縮顔料液Fの作製時に用いた顔料分散剤A6.0gを顔料分散剤D6.0gに置き換えるほかは、顔料分散物Fと全く同様にして、顔料分散物Iを作製した。
(比較例2−1)
実施例2−1の顔料分散組成物Fにおいて、顔料分散剤Aを顔料分散剤Eとした以外は、実施例2−1と同様にして顔料分散組成物Jを調製した。実施例2−1と同様に処理して、顔料分散組成物Jを得た。
[コントラストの測定]
得られた顔料分散組成物F〜Jを、それぞれガラス基板上に厚みが2μmになるように塗布し、サンプルを作製した。バックライトユニットとして3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)社製FWL18EX−N)に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板((株)サンリツ社製の偏光板HLC2−2518)の間にこのサンプルを置き、偏光軸が平行のときと、垂直のときとの透過光量を測定し、その比をコントラストとした(「1990年第7回色彩光学コンファレンス、512色表示10.4”サイズTFT−LCD用カラーフィルタ、植木、小関、福永、山中」等参照。)。2枚の偏光板、サンプル、色彩輝度計の設置位置は、バックライトから13mmの位置に偏光板を、40mm〜60mmの位置に直径11mm長さ20mmの円筒を設置し、この中を透過した光を、65mmの位置に設置した測定サンプルに照射し、透過した光を、100mmの位置に設置した偏光板を通して、400mmの位置に設置した色彩輝度計で測定した。色彩輝度計の測定角は2°に設定した。バックライトの光量は、サンプルを設置しない状態で、2枚の偏光板をパラレルニコルに設置したときの輝度が1280cd/m2になるように設定した。
顔料分散組成物F〜Jから得たサンプルのコントラストの測定結果を表2に示す。
[表2]
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試料 コントラスト 備考
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顔料分散組成物F 15000 本発明
顔料分散組成物G 15500 本発明
顔料分散組成物H 16000 本発明
顔料分散組成物I 16000 本発明
顔料分散組成物J 7500 比較例
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表2に示すように、本発明の顔料分散組成物は、比較例のものに比べて極めて優れたコントラストを示した。
(実施例3)
[カラーフィルタの作製(スリット状ノズルを用いた塗布による作製)]
〔ブラック(K)画像の形成〕
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。該基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
該基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、下記表3に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置;東京応化工業(株)社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃で3分間プリベークして膜厚2.4μmの感光性樹脂層K1を得た。
[表3]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
組成成分 K 含有量(質量部)
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K顔料分散物1(カーボンブラック) 25
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8.0
メチルエチルケトン 53
バインダー2 9.1
ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002
DPHA液 4.2
重合開始剤A 0.16
界面活性剤1 0.044
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
超高圧水銀灯を有すプロキシミティ型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量300mJ/cm2でパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光性樹脂層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)にて23℃で80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、ブラック(K)の画像Kを得た。引き続き、220℃で30分間熱処理した。
〔レッド(R)画素の形成〕
前記画像Kを形成した基板に、下記表4に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物R1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済み画素Rを形成した。
該感光性樹脂層R1の膜厚及び顔料(C.I.P.R.254及びC.I.P.R.177)の塗布量を以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 1.60
顔料塗布量(g/m2) 1.00
C.I.P.R.254塗布量(g/m2) 0.70
C.I.P.R.177塗布量(g/m2) 0.30
[表4]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
組成成分 含有量(質量部)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
R顔料分散物1(C.I.P.R.254) 35
R顔料分散物2(C.I.P.R.177) 6.8
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 7.6
メチルエチルケトン 37
バインダー1 0.7
DPHA液 3.8
重合開始剤B 0.12
重合開始剤A 0.05
フェノチアジン 0.01
界面活性剤1 0.06
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
〔グリーン(G)画素の形成〕
前記画像Kと画素Rを形成した基板に、下記表5に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物G1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済み画素Gを形成した。該感光性樹脂層G1の膜厚及び顔料(C.I.P.G.36及びC.I.P.Y.150)の塗布量を以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 1.60
顔料塗布量(g/m2) 1.92
C.I.P.G.36塗布量(g/m2) 1.34
C.I.P.Y.150塗布量(g/m2) 0.58
[表5]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
組成成分 含有量(質量部)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
G顔料分散物1(C.I.P.G.36) 28
Y顔料分散物1(C.I.P.Y.150) 15
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 29
メチルエチルケトン 26
シクロヘキサノン 1.3
バインダー2 2.5
DPHA液 3.5
重合開始剤B 0.12
重合開始剤A 0.05
フェノチアジン 0.01
界面活性剤1 0.07
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
〔ブルー(B)画素の形成〕
前記画像K、画素R及び画素Gを形成した基板に、下記表6に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物B1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済み画素Bを形成し、目的のカラーフィルタAを得た。
該感光性樹脂層B1の膜厚及び顔料(C.I.P.B.15:6及びC.I.P.V.23)の塗布量を以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 1.60
顔料塗布量(g/m2) 0.75
C.I.P.B.15:6塗布量(g/m2) 0.45
C.I.P.V.23塗布量(g/m2) 0.30
[表6]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
組成成分 含有量(質量部)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
B顔料分散物1(C.I.P.B.15:6) 15.0
V顔料分散組成物A(C.I.P.V.23) 7.5
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 28
メチルエチルケトン 26
バインダー3 17
DPHA液 4.0
重合開始剤B 0.17
フェノチアジン 0.02
界面活性剤1 0.06
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ここで、上記表3〜6に記載の着色感光性樹脂組成物K1、R1、G1、B1の調製についてさらに詳細に説明する。
着色感光性樹脂組成物K1は、まず表3に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、重合開始剤A(2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン)、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得た。
尚、表3に記載の組成物の内、下記成分についてその組成を以下に示した。
<K顔料分散物1>
・カーボンブラック(商品名:Nipex 35、デグサ ジャパン(株)社製)
13.1質量部
・顔料分散剤F(特開2000−239554号公報参考) 0.65質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53質量部
<バインダー2>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、分子量3.8万) 27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
着色感光性樹脂組成物R1は、まず表4に記載の量の顔料分散物1、R顔料分散物2、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表4に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー1、DPHA液、重合開始剤B(2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール)、重合開始剤A、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150rpmで30分間攪拌し、更に、表2に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpmで5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
尚、表4に記載の組成物の内、顔料分散物1、2は国際公開第WO2006/121016号パンフレットの実施例1に記載の方法を用いて、その組成が下記質量部となるようにしてそれぞれ調製したものである。
<R顔料分散物1>
・C.I.P.R.254(商品名:Irgaphor Red BT−CF チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)
10質量部
・顔料分散剤F 1質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3万)
10質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79質量部
<R顔料分散物2>
・C.I.P.R.177(商品名:Cromophtal Red A2B、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製) 22.5質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3万)
15質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 62.5質量部
<バインダー1>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート
=38/25/37モル比のランダム共重合物、分子量4万)27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
着色感光性樹脂組成物G1は、まず表5に記載の量のG顔料分散物1、Y顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表5に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー2、DPHA液、重合開始剤B、重合開始剤A、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150rpmで30分間攪拌し、更に、表に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpmで5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
尚、表5に記載の組成物のうち、G顔料分散物1は、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)社製の「商品名:GT−2」を用いた。Y顔料分散物1は、御国色素(株)社製の「商品名:CFエロ−EX3393」を用いた。
着色感光性樹脂組成物B1は、まず表6に記載の量のB顔料分散物1、B顔料分散物2、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表6に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー3、DPHA液、重合開始剤B、フェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌し、更に、表に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpmで5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
尚、表6に記載の組成物のうち、B顔料分散物1は、御国色素(株)社製の「商品名:CFブル−EX3357」を用いた。V顔料分散物として、実施例2−1で作製した顔料分散物Aを用いた。
バインダー3の組成は、以下のとおりである。
<バインダー3>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート
=36/22/42モル比のランダム共重合物、分子量3.7万)27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
以上のようにして、カラーフィルタAを作製した。上記カラーフィルタAで用いたV顔料分散物である顔料分散物Fを顔料分散物G〜Jに、それぞれ置き換えるほかはカラーフィルタAと同様にカラーフィルタB〜Eを作製した。それぞれのカラーフィルタについて前記[コントラストの測定]と同様にしてコントラスト及び耐光性を測定した結果を表7に示した。
[表7]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
コントラスト 備考
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
カラーフィルタA 13000 本発明
カラーフィルタB 13100 本発明
カラーフィルタC 14000 本発明
カラーフィルタD 13800 本発明
カラーフィルタE 5000 比較例
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
上記の結果から本発明の顔料分散組成物から作製したカラーフィルタは、いずれもコントラストが高く、良好なカラーフィルタであった。一方、比較例のカラーフィルタは、コントラストが低い。