以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る小型船舶の構成を説明するための図解的な平面図である。小型船舶1は、船体2、左舷エンジン(内燃機関)3L、右舷エンジン(内燃機関)3R、左舷プロペラ4L、右舷プロペラ4R、左舷バッテリ5L、右舷バッテリ5R、アクセサリバッテリ6、発電機7、およびキャビン(船室)8を備えている。左舷エンジン3L、右舷エンジン3R、左舷バッテリ5L、右舷バッテリ5R、アクセサリバッテリ6、および発電機7は、船体2の後部に設けられた機関室10に収容されている。機関室10は、たとえば、デッキの下方に区画されている。
左舷プロペラ4Lは、船尾付近の左舷側において船体2の下方に配置されており、左舷エンジン3Lが発生する駆動力によって回転するように構成されている。同様に、右舷プロペラ4Rは、船尾付近の右舷側において船体2の下方に配置されており、右舷エンジン3Rが発生する駆動力によって回転するように構成されている。このように、この実施形態では、船内外機(スターンドライブ)の形態の推進機が備えられている。
左舷バッテリ5Lは、左舷エンジン3Lに左舷バッテリケーブル11Lを介して接続されている。左舷バッテリ5Lは、左舷エンジン3Lに備えられた電装品に電力を供給する。左舷バッテリケーブル11Lには、左舷バッテリスイッチ12Lが介装されている。同様に、右舷バッテリ5Rは、右舷エンジン3Rに右舷バッテリケーブル11Rを介して接続されている。右舷バッテリ5Rは、右舷エンジン3Rに備えられた電装品に電力を供給する。バッテリケーブル11Rには、右舷バッテリスイッチ12Rが介装されている。前記電装品は、エンジンコントローラ、点火プラグ、燃料噴射装置、スロットルアクチュエータその他エンジンの運転に必要な電気機器を含む。
アクセサリバッテリ6は、船舶1に備えられたアクセサリ機器に電力を供給する。アクセサリ機器とは、エンジン3L,3Rの電装品以外の電気機器である。アクセサリ機器の例は、照明装置、空調装置、音響装置、冷蔵庫、冷凍庫、電気レンジ、電子レンジおよび魚群探知機を含む。アクセサリ機器は、直流電源によって作動するDC機器と、交流電源によって作動するAC機器とに分類できる。これらのうち、アクセサリバッテリ6は、DC機器に電力を供給する。
発電機7は、エンジン(内燃機関)を備え、エンジンの駆動力によって電力を発生する装置である。発生した電力は、アクセサリバッテリ6の充電のために用いられるほか、アクセサリ機器(AC機器)への給電のためにも用いられる。発電機7の内蔵エンジンを始動するためのスタータモータ(図示せず)は、アクセサリバッテリ6から電力の供給を受けて駆動される。アクセサリバッテリ6から発電機7への給電経路には、この給電経路を開閉する発電機−バッテリスイッチ13が介装されている。この発電機−バッテリスイッチ13は、機関室10に配置されている。
キャビン8は、たとえば、船体2の中央から船首側にかけての領域に形成されている。キャビン8は、たとえば、デッキ上方に区画された上室と、デッキ下方に区画された下室とを有していてもよい。これらのうち、上室内の前方部には、操船ステーション15が配置されている。また、上室の後方部には、キャビン8への出入り口14が設けられている。
操船ステーション15には、操船者が着座するシート16と、左舷キースイッチ17L、右舷キースイッチ17R、リモコン装置18、ステアリング装置19、および計器類20が配置されている。
左舷キースイッチ17Lは、左舷エンジン3Lへの電源投入/遮断および始動/停止のために操船者によって操作されるスイッチである。同様に、右舷キースイッチ17Rは、右舷エンジン3Rへの電源投入/遮断および始動/停止のために操船者によって操作されるスイッチである。
リモコン装置18は、それぞれ前後に傾倒操作可能な左舷レバー18Lおよび右舷レバー18Rを含む。左舷レバー18Lの操作により、左舷エンジン3Lの出力を調節でき、かつ、左舷プロペラ4Lの回転方向を調節できるようになっている。同様に、右舷レバー18Rの操作により、右舷エンジン3Rの出力を調節でき、かつ、右舷プロペラ4Rの回転方向を調節できるようになっている。これにより、推進力の大きさおよび方向(前方または後方)を調整できる。
ステアリング装置19は、操船者によって回動操作されるステアリングホイール19aを含む。左舷プロペラ4Lおよび右舷プロペラ4Rは、ステアリングホイール19aの回動操作に応答する操舵機構(図示省略)によって左右に回動されるようになっている。これにより、推進力の方向を左右に変更できるので、船舶1を右旋回または左旋回させることができる。計器類20は、たとえば、エンジン3L,3Rの回転速度を表示する回転速度計を含む。
キャビン8の内部において出入り口14の近くには、たとえばキャビン8の内壁面上に、操作パネル28が配置されている。操作パネル28は、この実施形態では、いわゆるタッチパネルである。すなわち、操作パネル28は、液晶表示装置その他の二次元表示装置と、この表示装置の表示画面上に配置された透明シート状入力装置とを含む。
操作パネル28は、船舶1の電源状態を設定するための操作手段として用いられる。たとえば、航走時の電源状態(航走モード)、停泊時の電源状態(停泊モード)、離船時の電源状態(システム終了)などの電源状態を操作パネル28からの操作によって設定できるようになっている。航走モードとは、エンジン3L,3Rを運転して船舶1を航走させるときの電源状態を設定するためのモードである。停泊モードとは、エンジン3L,3Rを停止した状態で船舶1を使用する場合、すなわち、前述のアクセサリ機器のみを使用する場合に適した電源状態を設定するためのモードである。システム終了とは、船舶1の全ての電気機器の使用を停止することを意味する。
これらのほか、操作パネル28からの操作によって、発電機7の駆動/停止を遠隔操作したり、陸電設備からの電力供給/停止を遠隔操作したり、空調機器や照明装置などの電気機器への電力供給を個別に遠隔操作したりすることができるようになっていてもよい。陸電設備とは、港湾その他の船舶係留場所に設置された給電設備である。この陸電設備からの電力は、電源ケーブルによって船舶1へと取り込んで使用することができる。そのほか、操作パネル28から、空調機器、照明装置、音響装置その他の動作を遠隔制御できるようになっていてもよい。また、操作のために使用されないときには、操作パネル28において、静止画または動画を表示できるようになっていてもよい。
図2は、小型船舶1の電気的構成を説明するためのブロック図である。図2において、実線は電力供給経路を表し、破線は検出信号または制御信号の経路を表す。
小型船舶1には、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)40と、ブレーカ群50と、リレー群60とが備えられている。PLC40には、アクセサリバッテリ6からの電力がシステム電源線24を介して供給されるようになっている。システム電源線24には、メインスイッチ25が介装されている。メインスイッチ25は、たとえば、操作パネル28の近くに配置されたキースイッチであってもよい。
アクセサリバッテリ6の電力は、さらに、ブレーカ群50およびリレー群60を介してDC機器70に供給される。また、前述のとおり、アクセサリバッテリ6の電力は、発電機−バッテリスイッチ13を介して、発電機7に供給され、その内蔵エンジンの始動等のために用いられるようになっている。
発電機7が発生する電力は、切換器23および充電回路26を介して、アクセサリバッテリ6に供給される。また、発電機7が発生する電力(交流)は、ブレーカ群50およびリレー群60を介してAC機器71に供給されるようになっている。さらに、陸電設備9からの電力は、切換器23および充電回路26を介してアクセサリバッテリ6に供給される。したがって、アクセサリバッテリ6は、切換器23の選択状態に応じて、発電機7または陸電設備9のいずれかによって充電されるようになっている。そして、アクセサリバッテリ6の蓄電残量が少ないときでも、発電機7または陸電設備9を利用して充電しているときには、DC機器70を使用することができる。陸電設備9から電力(交流)は、また、ブレーカ群50およびリレー群60を介してAC機器71に供給されるようになっている。
左舷エンジン3Lは、左舷発電機30Lと、左舷エンジンコントローラ31Lと、左舷充電回路32Lと、左舷電源保持回路33Lと、左舷スタータモータ34Lとを含む。左舷発電機30Lは、左舷エンジン3Lによって駆動されて電力を発生する。左舷エンジンコントローラ31Lは、左舷エンジン3Lに備えられた点火プラグ、燃料噴射装置、スロットルアクチュエータその他の電装品を制御する。左舷充電回路32Lは、左舷発電機30Lによって発生された電力により、左舷バッテリケーブル11Lを介して、左舷バッテリ5Lを充電する。左舷電源保持回路33Lは、左舷エンジンコントローラ31Lによって制御され、左舷キースイッチ17Lの遮断後にも左舷エンジン3Lへの電力供給を保持する回路である。左舷キースイッチ17Lは、左舷バッテリスイッチ12Lと直列に左舷バッテリケーブル11Lに介装されている。左舷電源保持回路33Lは、左舷キースイッチ17Lを迂回して、左舷バッテリスイッチ12Lと左舷エンジン3Lとの間を接続可能に構成されており、左舷エンジンコントローラ31Lによって開閉されるリレーを含む。左舷スタータモータ34Lは、左舷エンジン3Lを始動するときに駆動される電動モータである。
左舷キースイッチ17Lからの始動指令が左舷エンジンコントローラ31Lに入力されると、左舷エンジンコントローラ31Lは、左舷スタータモータ34Lを始動し、点火制御および燃料噴射制御を開始して、左舷エンジン3Lを始動させる。左舷エンジン3Lの運転中に左舷キースイッチ17Lが遮断されると、左舷エンジンコントローラ31Lは、点火制御および燃料噴射制御を停止して、左舷エンジン3Lを停止させる。
同様に、右舷エンジン3Rは、右舷発電機30Rと、右舷エンジンコントローラ31Rと、右舷充電回路32Rと、右舷電源保持回路33Rと、右舷スタータモータ34Rとを含む。右舷発電機30Rは、右舷エンジン3Rによって駆動されて電力を発生する。右舷エンジンコントローラ31Rは、右舷エンジン3Rに備えられた点火プラグ、燃料噴射装置、スロットルアクチュエータその他の電装品を制御する。右舷充電回路32Rは、右舷発電機30Rによって発生された電力により、右舷バッテリケーブル11Rを介して、右舷バッテリ5Rを充電する。右舷電源保持回路33Rは、右舷エンジンコントローラ31Rによって制御され、右舷キースイッチ17Rの遮断後にも右舷エンジン3Rへの電力供給を保持する回路である。右舷キースイッチ17Rは、右舷バッテリスイッチ12Rと直列に右舷バッテリケーブル11Rに介装されている。右舷電源保持回路33Rは、右舷キースイッチ17Rを迂回して、右舷バッテリスイッチ12Rと右舷エンジン3Rとの間を接続可能に構成されており、右舷エンジンコントローラ31Rによって開閉されるリレーを含む。右舷スタータモータ34Rは、右舷エンジン3Rを始動するときに駆動される電動モータである。
右舷キースイッチ17Rからの始動指令が右舷エンジンコントローラ31Rに入力されると、右舷エンジンコントローラ31Rは、右舷スタータモータ34Rを始動し、点火制御および燃料噴射制御を開始して、右舷エンジン3Rを始動させる。右舷エンジン3Rの運転中に右舷キースイッチ17Rが遮断されると、右舷エンジンコントローラ31Rは、点火制御および燃料噴射制御を停止して、右舷エンジン3Rを停止させる。
エンジンコントローラ31L,31Rは、それぞれ、マイクロコンピュータ35L,35Rと、不揮発性メモリ36L,36Rとを含む。不揮発性メモリ36L,36Rは、たとえば、EEPROM(電気的消去/書込可能な読出専用メモリ)を含む。エンジンコントローラ31L,31Rは、対応するキースイッチ17L,17Rが遮断されると、電源保持回路33L,33Rを導通状態に保持して電源供給を確保した状態で、所定の終了処理を行う。この終了処理の完了後に、エンジンコントローラ31L,31Rは、電源保持回路33L,33Rを遮断して、電源供給を遮断する。終了処理は、不揮発性メモリ36L,36Rへの運転状態データの書き込み処理を含む。すなわち、マイクロコンピュータ35L,35Rは、対応するエンジン3L,3Rの直前の運転状態を表すデータを不揮発性メモリ36L,36Rに記録する記録手段として機能する。記録されたデータは、後日の故障診断のために活用される。終了処理に要する最長時間は、たとえば、20秒程度である。
PLC40には、操作パネル28、入力PLCリレーユニット41および出力PLCリレーユニット42が接続されている。入力PLCリレーユニット41は、PLC40に対する入力インタフェースを提供するユニットであり、複数の入力リレーを含む。出力PLCリレーユニット42は、PLC40からの出力インタフェースを提供するユニットであり、複数の出力リレーを含む。入力PLCリレーユニット41および出力PLCリレーユニット42は、PLC41の入力ポートおよび出力ポートにそれぞれ接続されている。入力PLCリレーユニット41は、リレー群60に接続されている。出力PLCリレーユニット42は、ブレーカ群50およびリレー群60に接続されている。
リレー群60には、左舷キースイッチ17L、右舷キースイッチ17R、発電機7、左舷バッテリスイッチ12L、および右舷バッテリスイッチ12Rが接続されている。リレー群60には、さらに、DC機器70およびAC機器71が接続されている。また、リレー群60とブレーカ群50とは、相互に接続されている。ブレーカ群50は、DC機器70のためのブレーカと、AC機器71のためのブレーカとを含む。
図3Aおよび図3Bは、操作パネル28による電源状態の設定に関連する構成を説明するためのより詳細なブロック図である。図3Aは、PLC40に対する信号入力に関連する構成を示し、図3BはPLC40からの信号出力に関連する構成を示す。PLC40に操作パネル28が接続されており、PLC40と操作パネル28との間で信号の授受を行うことができる。また、PLC40には、前述のとおり、入力PLCリレーユニット41と、出力PLCリレーユニット42とが接続されている。
図3Aに示すように、入力PLCリレーユニット41には、左舷キースイッチ17L、右舷キースイッチ17R、発電機7、左舷バッテリスイッチ12L、および右舷バッテリスイッチ12Rが、リレー601〜605をそれぞれ介して接続されている。さらに、入力PLCリレーユニット41には、DC機器メインブレーカ501、第1のAC機器メインブレーカ505、および第2のAC機器メインブレーカ507が、それぞれ、大容量リレー51,55,56を介して接続されている。さらに、第2のAC機器メインブレーカ507には、陸電設備の接続状態を監視するための一対のリレー606,607が接続されている。一方のリレー606は、陸電設備が正常に接続されると導通し、入力PLCリレーユニット41を介してPLC40に陸電回路通電通知を与える。他方のリレー607は、陸電設備の誤接続を監視する。すなわち、リレー607は、陸電設備が誤接続されると導通し、入力PLCユニット41を介してPLC40に陸電回路誤接続通知を与える。
左舷キースイッチ17Lが導通するとリレー601が導通し、入力PLCリレーユニット41の対応する入力リレーが導通する。これにより、PLC40の対応する入力ポートに信号(左舷キースイッチ導通通知)が与えられる。左舷キースイッチ17Lが遮断されるとリレー601が遮断され、入力PLCリレーユニット41の対応する入力リレーが遮断される。これにより、PLC40の対応する入力ポートに左舷キースイッチ遮断通知が与えられる。同様の仕組みにより、右舷キースイッチ17R、左舷バッテリスイッチ12L、および右舷バッテリスイッチ12Rの導通通知および遮断通知が、リレー602,604,605および入力PLCリレーユニット41を介して、PLC40に入力される。
発電機7に対応したリレー603は、発電機7が発電を開始することによって導通し、発電を停止することによって遮断されるように構成されている。これにより、PLC40には、入力PLCリレーユニット41を介して、発電中/発電停止中を通知する信号が入力されるようになっている。
また、DC機器70への電源供給のために大容量リレー51が導通すると、入力PLCリレーユニット41の対応する入力リレーが導通する。これにより、PLC40の対応する入力ポートに信号(DCアクセサリ回路導通通知)が与えられる。大容量リレー51が遮断されると、入力PLCリレーユニット41の対応する入力リレーが遮断される。これにより、PLC40の対応する入力ポートにDCアクセサリ回路遮断通知が与えられる。同様の仕組みにより、AC機器回路の導通通知および遮断通知が、大容量リレー55,56および入力PLCリレーユニット41を介して、PLC40に入力される。こうして、アクセサリ機器(DC機器70およびAC機器71)の回路への通電が、PLC40によって監視されるように構成されている。
図3Bに示すように、出力PLCリレーユニット42には、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rをそれぞれオン/オフするためのリレー611,612が接続されている。これらのリレー611,612は、出力PLCリレーユニット42内の2つの出力リレーにそれぞれ接続されている。たとえば、PLC40が、左舷バッテリスイッチ12Lに対応した出力リレーを導通させると、この出力リレーからリレー611に駆動電流が供給される。これにより、リレー611が導通し、これに応答して、左舷バッテリスイッチ12Lが導通する。同様の仕組みが、右舷バッテリスイッチ12Rに対応して設けられている。
さらに、出力PLCリレーユニット42には、複数のDC機器70を個別にオン/オフするための複数のDC機器用リレー614と、複数のAC機器71を個別にオン/オフするための複数のAC機器用リレー621とが接続されている。PLC40は、出力PLCリレーユニット42を介して、これらのリレー614,621を個別にオン/オフ制御する。これにより、操作パネル28からの遠隔操作によって、DC機器70およびAC機器71を個別にオン/オフできる。具体的には、操作パネル28に、DC機器70およびAC機器71を個別にオン/オフするための操作ボタンを備えておけばよい。PLC40は、当該操作ボタンの操作に応答して、対応する出力リレーに信号を出力する。これにより、DC機器70およびAC機器71を個別にオン/オフできる。操作ボタンは、操作パネル28の画面上に表示されるボタン画像と、画面上に配置されたタッチパネルとで構成できる。すなわち、ソフトウェアによって操作ボタンを準備することができる。
DC機器70には、アクセサリバッテリ6からの電力が、DC機器メインブレーカ501、大容量リレー51およびDC機器サブブレーカ502を順に介して供給されるようになっている。したがって、これらがいずれも導通状態のときに、DC機器70への電力供給が可能になる。その状態で、個別のDC機器用リレー614が導通されることによって、対応するDC機器70が作動可能となる。
大容量リレー51が導通状態のとき、PLC40に対してDCアクセサリ回路導通通知が与えられる(図3A参照)。逆に、大容量リレー51が遮断状態となると、PLC40に対してDCアクセサリ回路遮断通知が与えられる(図3A参照)。
全てのDC機器70への通電を遮断するときには、大容量リレー51が遮断される。大容量リレー51の遠隔操作のために、リレー616が備えられている。リレー616は、出力PLCリレーユニット42に備えられた一つの出力リレーに接続されている。PLC40が当該出力リレーを導通させると、リレー616が導通し、それに応じて大容量リレー51が導通する。逆に、PLC40が当該出力リレーを遮断してリレー616を遮断すると、大容量リレー51が遮断される。こうして、遠隔操作により、すべてのDC機器70に対する電源投入/遮断を制御できる。
図3Bには、2つのDC機器サブブレーカ502が備えられている例が示されている。これにより、DC機器70が2つのグループに分類されており、各グループ毎に電源の投入/遮断が可能となっている。DC機器サブブレーカ502の個数は2個に限られない。すなわち、小型船舶1に備えられるDC機器70の個数や消費電力、およびDC機器サブブレーカ502の容量に応じて、DC機器サブブレーカ502の個数を選択すればよい。
一方、AC機器71には、発電機7からの電力が、AC機器メインブレーカ505、大容量リレー55およびAC機器サブブレーカ506を順に介して供給されるようになっている。また、AC機器71には、陸電設備9からの電力が、AC機器メインブレーカ507、大容量リレー56およびAC機器サブブレーカ506を順に介して供給されるようになっている。
大容量リレー55が導通状態のとき、PLC40に対してAC発電機回路導通通知が与えられる(図3A参照)。同様に、大容量リレー56が導通状態のとき、PLC40に対してAC陸電回路導通通知が与えられる(図3A参照)。逆に、大容量リレー55,56が遮断状態のとき、PLC40に対して、それぞれ、AC発電機回路遮断通知およびAC陸電回路遮断通知が与えられる(図3A参照)。
大容量リレー55,56をそれぞれ制御するために、リレー618,619が備えられている。また、並列に接続された2個のAC機器サブブレーカ506をそれぞれ制御するために2個のリレー620が備えられている。さらに、複数のAC機器を個別にオン/オフするために、PLC40によってオン/オフ制御される複数のAC機器用リレー621が備えられている。さらに、発電機7に始動指令を与えるためのリレー622と、発電機7に停止指令を与えるためのリレー623とが備えられている。これらのリレー618〜623は、出力PLCリレーユニット42に接続され、PLC40によって制御されるようになっている。
PLC40は、リレー622を導通させることによって、発電機7を始動させることができる。また、PLC40は、リレー623を導通させることによって、発電機7の運転を停止させることができる。発電機7の始動完了または運転停止完了は、発電機7の電力により導通するリレー603(図3A参照)からの入力を監視することにより、PLC40で認識可能である。
また、PLC40は、リレー618,619を制御することにより、大容量リレー55,56を導通/遮断することができる。これにより、発電機7または陸電設備9のいずれかが、AC機器71の電源として選択される。これにより、遠隔操作により、全てのAC機器71に対する電源投入/遮断を制御できる。
発電機7が運転されており、AC機器メインブレーカ505、大容量リレー55およびAC機器サブブレーカ506が導通しているとき、AC機器71への電力供給が可能になる。また、陸電設備9への接続がされており、AC機器メインブレーカ505、大容量リレー56およびAC機器サブブレーカ506が導通しているとき、AC機器71への電力供給が可能になる。いずれかの状態で、個別のAC機器用リレー621が導通されることによって、対応するAC機器71が作動可能となる。
AC機器サブブレーカ506は、いわゆるリモコンブレーカで構成されており、この実施形態では、2個が並列接続されている。リモコンブレーカとは、外部からの制御信号入力によって回路を開閉できるように構成されたブレーカである。2個のAC機器サブブレーカ506には、2個のリレー620がそれぞれ接続されており、これらのリレー620から、遠隔操作のための制御信号が入力されるようになっている。各リレー620は、出力PLCリレーユニット42に備えられた一つの出力リレーに接続されている。そして、各リレー620のオン/オフに応じて、対応するAC機器サブブレーカ506がオン/オフするようになっている。こうして、遠隔操作により、AC機器サブブレーカ506に接続された複数のAC機器71に対する電源投入/遮断を制御できる。
図3Bには、2つのAC機器サブブレーカ506が備えられている例が示されている。これにより、AC機器71が2つのグループに分類されており、各グループ毎に電源の投入/遮断が可能となる。AC機器サブブレーカ506の個数は2個に限られない。すなわち、小型船舶1に備えられるAC機器71の個数や消費電力、およびAC機器サブブレーカ506の容量に応じて、AC機器サブブレーカ506の個数を選択すればよい。
さらに、図3Bに示すように、発電機−バッテリスイッチ13を開閉するために、リレー613が備えられている。PLC40は、出力PLCリレーユニット42を介して、リレー613をオン/オフする。これにより、発電機−バッテリスイッチ13が開閉される。発電機7を使用しないときには、発電機−バッテリスイッチ13を遮断しておくことにより、アクセサリバッテリ6からの漏電その他の故障を予防できる。
図4は、操作パネル28の構成例を説明するための図であり、操作パネル28の表示例が示されている。操作パネル28には、予め表示画面をプログラムしておくことができる。図4の例では、タブ75〜79のタッチ操作によって選択可能な複数の表示画面がプログラムされている。複数の表示画面は、図4の例では、モード選択画面(Select Mode)、照明調節画面(Light Control)、交流電源選択画面(AC Power)、画像表示画面(Image)、およびシステム終了画面(離船)を含む。メインスイッチ25(図1および図2参照)が投入されたときに表示される初期画面は、たとえば、モード選択画面である。このモード選択画面を図4に示す。
タブ75に対応したモード選択画面は、航走モード設定ボタン81と、停泊モード設定ボタン82と、左舷バッテリスイッチインジケータ83と、右舷バッテリスイッチインジケータ84と、DCアクセサリ回路インジケータ85と、交流電源状態表示部86とを含む。
航走モード設定ボタン81は、小型船舶1の電源状態を航走モードに設定したり、その設定を解除したりするために用いられる。航走モードとは、エンジン3L,3Rを運転して船舶1を航走させるときに適した電源モードである。より具体的には、バッテリスイッチ12L,12R,13をいずれも導通状態とする電源モードである。航走モード設定ボタン81は、航走モード設定時にはアクティブ状態で表示(たとえば、彩色表示)され、航走モード非設定時には非アクティブ状態で表示(たとえば無彩色表示)されるようにプログラムされている。つまり、航走モード設定ボタン81は、航走モード設定/解除を表示するインジケータを兼ねている。
同様に、停泊モード設定ボタン82は、小型船舶1の電源状態を停泊モードに設定したり、その設定を解除したりするために用いられる。停泊モードとは、エンジン3L,3Rを停止した状態で船舶1を使用するときに適した電源モードである。より具体的には、バッテリスイッチ12L,12Rを遮断し、大容量リレー51を導通状態とする電源モードである。停泊モード設定ボタン82は、停泊モード設定時にはアクティブ状態で表示(たとえば、彩色表示)され、停泊モード非設定時には非アクティブ状態で表示(たとえば無彩色表示)されるようにプログラムされている。つまり、停泊モード設定ボタン82は、停泊モード設定/解除を表示するインジケータを兼ねている。
左舷バッテリスイッチインジケータ83は、左舷バッテリスイッチ12Lが導通状態のときに点灯(たとえば彩色表示)し、左舷バッテリスイッチ12Lが遮断状態のときに消灯(たとえば無彩色表示)するようにプログラムされている。同様に、右舷バッテリスイッチインジケータ84は、右舷バッテリスイッチ12Rが導通状態のときに点灯(たとえば彩色表示)し、右舷バッテリスイッチ12Rが遮断状態のときに消灯(たとえば無彩色表示)するようにプログラムされている。さらに、DCアクセサリ回路インジケータ85は、大容量リレー51が導通状態のときに点灯(たとえば彩色表示)し、大容量リレー51が遮断状態のときに消灯(たとえば無彩色表示)するようにプログラムされている。
交流電源状態表示部86は、陸電設備9からの電力供給状態を表示する陸電表示部86Aと、発電機7の状態を表示する発電機表示部86Bとを含む。陸電表示部86Aは、通電インジケータ88と、誤接続インジケータ89とを含む。発電機表示部86Bは、運転インジケータ90と、停止インジケータ91とを含む。
通電インジケータ88は、陸電設備9からの電力供給を受けているとき、すなわち、リレー606(図3A参照)から陸電回路導通通知が与えられているときに点灯(たとえば彩色表示)するようにプログラムされている。また、陸電設備9からの電力供給を受けていないとき、すなわち、リレー606が遮断されているときには、通電インジケータ88は消灯(たとえば無彩色表示)するようにプログラムされている。誤接続インジケータ89は、陸電設備9への誤接続が行われているときに点灯(たとえば彩色表示)し、誤接続がされていないときに消灯(たとえば無彩色表示)されるようにプログラムされている。誤接続はリレー607(図3A参照)から通知され、この通知を受けると誤接続インジケータ89が点灯するようになっている。誤接続とは、たとえば、陸電設備9が100V配線(ライン配線)2本と0V配線(ニュートラル)とで成り立つAC単相100VおよびAC単相200V回路である場合に、ACサブブレーカ506(たとえば片切りブレーカ)にライン配線が接続されなかったときが該当する。すなわち、ライン配線が、船舶側のACサブブレーカ506側でない配線に接続されると、回路がショートしたときにACサブブレーカ506に電流が流れず、電流を遮断できない場合がある。
運転インジケータ90は、発電機7の運転中に点灯(たとえば彩色表示)し、運転中でなければ消灯(たとえば無彩色表示)されるようにプログラムされている。停止インジケータ91は、逆に、発電機7の停止中に点灯(たとえば彩色表示)し、運転中に消灯(たとえば無彩色表示)されるようにプログラムされている。
タブ76に対応した照明調節画面は、船舶1に備えられた照明装置を遠隔操作するための画面である。たとえば、照明調節画面は、複数の照明装置を、個別に、または一括して、オン/オフするための操作ボタンを含む。たとえば、照明装置は、DC機器70の一種であってもよい。この場合、照明装置をオン/オフするための操作ボタンを操作すると、この操作信号がPLC40に入力される。PLC40は、その操作信号に応答して、当該照明装置に対応したDC機器用リレー614(図3B参照)を導通または遮断させる。こうして、照明装置を遠隔操作によって点灯/消灯させることができる。
タブ77に対応した交流電源選択画面は、交流電力を発電機7から供給するか、または陸電設備9から供給するかを選択するための操作ボタンを含む。操作者が、交流電源として発電機7を選択する操作を行うと、その操作信号がPLC40に入力される。PLC40は、その操作信号に応答して、大容量リレー55のためのリレー618を駆動する。これにより、大容量リレー55が導通する。さらに、PLC40は、発電機7を始動するために、リレー622を導通させる。これにより、発電機7に始動指令が与えられる。この始動指令を受けて、発電機7では、スタータモータ(図示せず)が駆動され、始動制御動作が実行される。発電機7による発電が始まると、発電機7に対応した入力側のリレー603(図3A参照)が導通する。これにより、PLC40は、発電機7が運転状態となったことを認識し、リレー622を遮断して、発電機7への始動指令を停止する。
タブ78に対応した画像表示画面は、操作パネル28内のメモリに予め蓄積しておいた静止画または動画を表示させるための画面である。操作のために操作パネル28を用いないときには、画像表示画面を選択しておくことにより、装飾的効果が得られるうえに、不用意な操作を回避できる。
タブ79に対応したシステム終了画面は、電力を使用するすべての機器の使用を終了するときに選択される画面である。システム終了画面に備えられた後述のシステム終了ボタンを操作することによって、全電力の使用を終了することができる。
図5Aは、航走モード設定時の動作を説明するためのフローチャートであり、図6Aは航走モード設定時における操作パネル28の表示の変化を説明するための図である。
船舶1の使用を開始するとき、船舶1に乗り込んだ乗員は、キャビン8内に入ると、出入り口14の近くにある操作パネル28に向かう。そして、操作パネル28の使用に先立ち、メインスイッチ25(図1および図2参照)を投入する。これにより、アクセサリバッテリ6からの電力がシステム電源線24を介してPLC40および操作パネル28に供給される。これにより、図6Aに表示画面A1として上段に示すモード選択画面(初期画面)が操作パネル28に表示される。このとき、航走モード設定ボタン81および停泊モード設定ボタン82はいずれも非アクティブ状態で表示される。すなわち、いずれの使用モードも未選択である。また、左舷バッテリスイッチインジケータ83、右舷バッテリスイッチインジケータ84およびDCアクセサリ回路インジケータ85は、いずれも消灯状態である。すなわち、左舷バッテリスイッチ12L、右舷バッテリスイッチ12Rおよび大容量リレー51は、いずれも遮断状態となっている。
この状態から航走モード設定ボタン81が操作されると(ステップS1)、このことが操作パネル28からPLC40に通知される。この通知に応答して、PLC40は、操作パネル28に指令を与え、図6Aの中段に示すポップアップ画面A2(航走モード設定確認画面)を操作パネル28の画面に表示させる(ステップS2)。このポップアップ画面A2は、航走モード設定の確認を促す画面であり、OKボタン91と、キャンセルボタン92とを含む。キャンセルボタン92が操作されると(ステップS3)、このことがPLC40に通知される。これに応答して、PLC40は、操作パネル28に対して、はじめのモード選択画面(図6Aの表示画面A1)の再表示を指示する。これにより、画面表示が表示画面A1(モード選択画面)に戻り、入力待機状態(ステップS1)となる。
ポップアップ画面A2(図6Aの中段)において、操作者がOKボタン91を操作すると(ステップS3)、このことが操作パネル28からPLC40に通知される。これに応答して、PLC40は、左舷バッテリスイッチ12L、右舷バッテリスイッチ12Rおよび大容量リレー51を導通させる(ステップS4,S5,S6)。より詳細に説明すると、PLC40は、出力PLCリレーユニット42に対して、リレー611,612,616(図3B参照)をそれぞれ導通させるための信号を与える。これらのリレー611,612,616が導通することにより、左舷バッテリスイッチ12L、右舷バッテリスイッチ12Rおよび大容量リレー51が導通する。
PLC40は、リレー604,605および大容量リレー51(図3A参照)から入力PLCリレーユニット41を介して入力される信号によって、左舷バッテリスイッチ12L、右舷バッテリスイッチ12Rおよび大容量リレー51の導通をそれぞれ確認する。これらのバッテリスイッチ12L,12Rおよび大容量リレー51の導通が確認されると、PLC40は、操作パネル28に指令を与えて、左舷バッテリスイッチインジケータ83、右舷バッテリスイッチインジケータ84およびDCアクセサリ回路インジケータ85をそれぞれ点灯表示させる(ステップS7,S8,S9)。さらに、PLC40は、操作パネル28に対して指令を与え、航走モード設定ボタン81をアクティブ状態表示に変更させる(ステップS10)。こうして、操作パネル28は、図6Aの下段に示す表示画面A3を表示する。
この後、使用者は、操船ステーション15に向かい、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rを操作して、左舷エンジン3Lおよび右舷エンジン3Rを始動する。
このように、操作パネル28を用いて航走モードを設定する簡単な操作で、バッテリスイッチ12L,12Rおよび大容量リレー51を導通させることができる。したがって、船舶1を速やかに航走可能な状態とすることができる。
図5Bは、停泊モード設定時の動作を説明するためのフローチャートであり、図6Bは停泊モード設定時における操作パネル28の表示の変化を説明するための図である。初期状態では、図6Bに表示画面B1として上段に示すモード選択画面(初期画面)が操作パネル28に表示されている。この状態から、停泊モード設定ボタン82が操作されると(ステップS11)、このことが操作パネル28からPLC40に通知される。この通知に応答して、PLC40は、操作パネル28に指令を与え、図6Bに中段に示すポップアップ画面B2(停泊モード設定確認画面)を操作パネル28の画面に表示させる(ステップS12)。このポップアップ画面B2は、停泊モード設定の確認を促す画面であり、OKボタン93と、キャンセルボタン94とを含む。キャンセルボタン94が操作されると(ステップS13)、このことがPLC40に通知される。これに応答して、PLC40は、操作パネル28に対して、モード選択画面(図6Bの表示画面B1)の再表示を指示する。これにより、画面表示が表示画面B1(モード選択画面)に戻り、入力待機状態(ステップS11)となる。
ポップアップ画面B2(図6Bの中段)において、操作者がOKボタン93を操作すると(ステップS13)、このことが操作パネル28からPLC40に通知される。これに応答して、PLC40は、大容量リレー51を導通させる(ステップS14)。より詳細に説明すると、PLC40は、出力PLCリレーユニット42に対して、リレー616(図3B参照)を導通させるための信号を与える。このリレー616が導通することにより、大容量リレー51が導通する。
PLC40は、大容量リレー51(図3A参照)から入力PLCリレーユニット41を介して入力されるDCアクセサリ回路導通通知によって、大容量リレー51の導通を確認する。大容量リレー51の導通が確認されると、PLC40は、操作パネル28に指令を与えて、DCアクセサリ回路インジケータ85を点灯表示させる(ステップS15)。さらに、PLC40は、操作パネル28に対して指令を与え、停泊モード設定ボタン82をアクティブ状態表示に変更させる(ステップS16)。こうして、操作パネル28は、図6Bの下段に示す表示画面B3を表示する。
この後、使用者は、必要に応じて、交流電源として、発電機7または陸電設備9を選択する。これにより、発電機7または陸電設備9からの電力でアクセサリバッテリ6を充電しながら、小型船舶1に搭載されたDC機器70およびAC機器71を使用できる。
このように、操作パネル28を用いて停泊モードを設定する簡単な操作で、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rを遮断状態に保持し、その一方で、大容量リレー51を導通させることができる。したがって、エンジン3L,3Rを運転しないときに適した電源状態を速やかに設定して、小型船舶1の設備を使用することができる。
図5Cは、航走モード終了時の動作を説明するためのフローチャートであり、図6Cは航走モード終了時における操作パネル28の表示の変化を説明するための図である。航走モードの終了操作は、左舷および右舷のエンジン3L,3Rの使用を終え、さらに、アクセサリバッテリ6からの電力供給を停止する場合に行われる。より具体的には、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rならびに大容量リレー51を遮断するための操作である。エンジン3L,3Rの運転中にバッテリスイッチ12L,12Rが遮断されると、充電回路32L,32Rからの電力が行き場を失い、エンジンコントローラ31L,31R内の電圧が高くなるおそれがある。したがって、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rの遮断は、エンジン3L,3Rの停止後になされなければならない。そのための仕組みがPLC40に備えられている。以下に具体的に説明する。
航走モードのときのモード選択画面は、図6Cに示す表示画面C1のとおりである。すなわち、航走モード設定ボタン81がアクティブ状態で表示されており、停泊モード設定ボタン82が非アクティブ状態で表示されている。さらに、左舷バッテリスイッチインジケータ83、右舷バッテリスイッチインジケータ84およびDCアクセサリ回路インジケータ85は、いずれも点灯状態である。すなわち、左舷バッテリスイッチ12L、右舷バッテリスイッチ12Rおよび大容量リレー51は、いずれも導通状態となっている。
この状態から航走モード設定ボタン81が操作されると(ステップS21)、このことが操作パネル28からPLC40に通知される。この通知に応答して、PLC40は、操作パネル28に指令を与え、図6Cに示すポップアップ画面C2(航走モード終了確認画面)を操作パネル28の画面に表示させる(ステップS22)。このポップアップ画面C2は、航走モード終了の確認を促す画面であり、OKボタン95と、キャンセルボタン96とを含む。さらに、ポップアップ画面C2は、たとえば、「エンジンキースイッチ、DC12V機器をOFFにしてください」というメッセージを含む。このメッセージは、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの遮断操作(したがって、エンジン停止操作)を使用者に促し、かつ、DC機器70の停止を使用者に促す。
エンジン3L,3Rを引き続き使用したい場合や、DC機器70を引き続き使用したいときには、操作者は、ポップアップ画面C2においてキャンセルボタン96を操作する(ステップS23)。この操作は、操作パネル28からPLC40に通知される。これに応答して、PLC40は、操作パネル28に対して、モード選択画面(図6Cの表示画面C1)の再表示を指示する。これにより、画面表示が表示画面C1(モード選択画面)に戻り、入力待機状態(ステップS21)となる。
エンジン3L,3RおよびDC機器70の使用を終えるときには、操作者は、ポップアップ画面C2(図6C参照)において、OKボタン95を操作する(ステップS23)。この操作に先立ち、操作者は、ポップアップ画面C2のメッセージに従って、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rを遮断(または遮断を確認)し、かつ、DC機器70への電源供給を遮断(または遮断を確認)する。DC機器70の電源遮断は、DC機器70に個別に設けられた手動スイッチによって行うことができる。むろん、操作パネル28からの遠隔操作によってDC機器70の電源が遮断できるようになっていてもよい。この場合、操作者は、ポップアップ画面C2において、キャンセルボタン96を操作する。これにより、表示画面C1に戻った後、別途準備されたDC機器操作画面(図示せず)を表示させる。このDC機器操作画面から、DC機器70の遮断操作を行えばよい。たとえば、図3Bから明らかなとおり、大容量リレー51を遮断する操作により全DC機器70の使用を一斉に停止できる。さらに、個別のDC機器70への電源供給を遮断するための操作を行うこともできる。
ポップアップ画面C2においてOKボタン95が操作されると(ステップS23)、このことが操作パネル28からPLC40に通知される。これに応答して、PLC40は、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの状態を調べる(ステップS24,S25)。具体的には、PLC40は、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rに対応したリレー601,602(図3A参照)からの入力信号を、入力PLCリレーユニット41を介して取得する。これにより、PLC40は、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rがそれぞれ導通状態か遮断状態かを判断する。
左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの少なくともいずれか一方が導通状態のとき、PLC40は、操作パネル28に指令を与え、図6Cに示すエラー画面C3をポップアップ表示させる(ステップS26。報知手段としての機能)。このエラー画面C3は、操作者の確認を促すOKボタン97を含む。また、エラー画面C3は、図6Cの例では、「エンジンキースイッチをOFFにしてください。」というメッセージを含む。このメッセージは、操作者に対して、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの遮断操作(したがって、エンジン停止操作)を促す。操作者がOKボタン97を操作すると(ステップS27)、航走モード終了の確認を促すポップアップ画面C2(図6C参照)に戻る。
エラー画面C3は、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rを予め遮断する操作を行うことなく航走モードを終了しようとした場合に表示される。操作者は、エラー画面C3に促されて、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rを遮断することになる。
DC機器70に関しては、必ずしも事前に遮断しておかなくても、航走モードを終了することができる。これは、大容量リレー51の遮断によって、DC機器70への電源供給が一斉に遮断されるからである。DC機器70の一斉遮断は小型船舶1の航走に大きく影響することはないので、DC機器70の使用中における航走モードの終了を許容する設計となっている。ポップアップ画面C2(図6C参照)では、DC機器70の遮断を促すメッセージが表示されるけれども、このメッセージは、航走モードの終了によってDC機器70が使用できなくなることを通知することを主目的としている。
ポップアップ画面C2(図6C参照)においてOKボタン95が操作されたときに、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの両方が遮断されていれば、PLC40は、次のステップに処理を移す。すなわち、PLC40は、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの両方が遮断されたことに応答して当該PLC40が計時開始する所定時間(たとえば30秒)の経過を待機する(ステップS28)。この所定時間は、エンジンコントローラ31L,31Rにおける終了処理に要する最長時間以上に定められている。この所定時間の間に、エンジンコントローラ31L,31R(図2参照)内のマイクロコンピュータ35L,35Rは、エンジン3L,3Rの運転状態データを不揮発性メモリ36L,36Rに書き込む運転状態記録処理を実行する。この運転状態記録処理は、前記終了処理の一例である。
前記所定時間(ステップS28)が経過すると、PLC40は、左舷バッテリスイッチ12L、右舷バッテリスイッチ12Rおよび大容量リレー51を遮断させる(ステップS29,S30,S31)。より詳細に説明すると、PLC40は、出力PLCリレーユニット42に対して、リレー611,612,616(図3B参照)をそれぞれ遮断させるための信号を与える。これらのリレー611,612,616が遮断することにより、左舷バッテリスイッチ12L、右舷バッテリスイッチ12Rおよび大容量リレー51が遮断される。
PLC40は、リレー604,605および大容量リレー51(図3A参照)から入力PLCリレーユニット41を介して入力される信号によって、左舷バッテリスイッチ12L、右舷バッテリスイッチ12Rおよび大容量リレー51の遮断をそれぞれ確認する。これらのバッテリスイッチ12L,12R大容量リレー51の遮断が確認されると、PLC40は、操作パネル28に指令を与えて、左舷バッテリスイッチインジケータ83、右舷バッテリスイッチインジケータ84およびDCアクセサリ回路インジケータ85をそれぞれ消灯表示させる(ステップS32,S33,S34)。さらに、PLC40は、操作パネル28に対して指令を与え、航走モード設定ボタン81を非アクティブ状態表示に変更させる(ステップS35)。こうして、操作パネル28の表示は、図6Cに示す表示画面C4となる。
このように、操作パネル28を用いて航走モードを終了する簡単な操作で、バッテリスイッチ12L,12Rおよび大容量リレー51を遮断させることができる。この場合に、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rを事前に遮断しておかなければ、航走モードの終了処理が進まない。すなわち、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rの遮断が禁止される。これにより、エンジン3L,3Rの運転中にバッテリスイッチ12L,12Rが遮断されることを回避できる。
操作パネル28は、使用者の利便性を考慮して、キャビン8の出入り口14の近傍に配置されている。この位置は、操船ステーション15から離れており、しかも、操船者以外の乗員もアクセス可能である。したがって、航走モード終了のための操作が不用意に行われるかもしれない。このような場合であっても、前述の仕組みによって、エンジン3L,3Rの運転中は、航走モードを終了することができず、したがって、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rが遮断されることはない。これにより、エンジンコントローラ31L,31Rの損傷その他の不具合を回避できる。
図5Dは、停泊モード終了時の動作を説明するためのフローチャートであり、図6Dは停泊モード終了時における操作パネル28の表示の変化を説明するための図である。停泊モードの終了操作は、DC機器70の使用を終え、アクセサリバッテリ6からの電力供給を停止する場合に行われる。より具体的には、大容量リレー51を遮断するための操作である。停泊モード時には、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rはいずれも遮断状態であり、したがって、左舷エンジン3Lおよび右舷エンジン3Rはいずれも停止している。したがって、航走モード終了時とは異なり、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの状態を判別する必要はない。
停泊モードのときのモード選択画面は、図6Dの上段に示す表示画面D1のとおりである。すなわち、航走モード設定ボタン81が非アクティブ状態で表示されており、停泊モード設定ボタン82がアクティブ状態で表示されている。さらに、左舷バッテリスイッチインジケータ83および右舷バッテリスイッチインジケータ84はいずれも消灯状態であり、DCアクセサリ回路インジケータ85は点灯状態である。
この状態から停泊モード設定ボタン82が操作されると(ステップS41)、このことが操作パネル28からPLC40に通知される。この通知に応答して、PLC40は、操作パネル28に指令を与え、図6Dの2段目に示すポップアップ画面D2(停泊モード終了確認画面)を操作パネル28の画面に表示させる(ステップS42)。このポップアップ画面D2は、停泊モード終了の確認を促す画面であり、OKボタン99と、キャンセルボタン100とを含む。さらに、ポップアップ画面D2は、たとえば、「DC12V機器をOFFにしてください」というメッセージを含む。このメッセージは、DC機器70の停止を使用者に促す。
DC機器70を引き続き使用したいときには、操作者は、ポップアップ画面D2においてキャンセルボタン100を操作する(ステップS43)。この操作は、操作パネル28からPLC40に通知される。これに応答して、PLC40は、操作パネル28に対して、はじめのモード選択画面(図6Dの表示画面D1)の再表示を指示する。これにより、画面表示が表示画面D1(モード選択画面)に戻り、入力待機状態(ステップS41)となる。
DC機器70の使用を終えるときには、操作者は、ポップアップ画面D2(図6Dの2段目)において、OKボタン99を操作する(ステップS43)。この操作に先立ち、操作者は、ポップアップ画面D2のメッセージに従って、DC機器70への電源供給を遮断(または遮断を確認)する。ただし、DC機器70は、必ずしも事前に遮断しておかなくても、停泊モードを終了することができる。これは、大容量リレー51の遮断によって、DC機器70への電源供給が一斉に遮断されるからである。前述のとおり、DC機器70を一斉遮断しても航走に大きな影響はないので、DC機器70の使用中における停泊モードの終了を許容する設計となっている。
ポップアップ画面D2においてOKボタン99が操作されると(ステップS43)、このことが操作パネル28からPLC40に通知される。これに応答して、PLC40は、大容量リレー51を遮断させる(ステップS44)。より詳細に説明すると、PLC40は、出力PLCリレーユニット42に対して、リレー616(図3B参照)を遮断させるための信号を与える。このリレー616が遮断することにより、大容量リレー51が遮断される。
PLC40は、大容量リレー51(図3A参照)から入力PLCリレーユニット41を介して入力されるDCアクセサリ回路遮断通知によって、大容量リレー51の遮断を確認する。大容量リレー51の遮断が確認されると、PLC40は、操作パネル28に指令を与えて、DCアクセサリ回路インジケータ85を消灯表示させる(ステップS45)。さらに、PLC40は、操作パネル28に対して指令を与え、停泊モード設定ボタン82を非アクティブ状態表示に変更させる(ステップS46)。こうして、操作パネル28の表示は、図6Dの下段に示す表示画面D3となる。
このように、操作パネル28を用いて停泊モードを終了する簡単な操作で、大容量リレー51を遠隔操作によって遮断させることができる。
図5Eは、航走モードから停泊モードへの切換時の動作を説明するためのフローチャートであり、図6Eは航走モードから停泊モードへの切換時における操作パネル28の表示の変化を説明するための図である。航走モードから停泊モードへの切換操作は、左舷および右舷のエンジン3L,3Rの使用を終える一方、アクセサリバッテリ6からの電力供給を継続する場合に行われる。より具体的には、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rを遮断し、大容量リレー51を導通状態に維持するための操作である。航走モードの終了時(図5Cおよび図6C参照)と同じく、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rの遮断は、エンジン3L,3Rの停止後になされなければならない。
航走モードのときのモード選択画面は、図6Eに示す表示画面E1のとおりである。すなわち、航走モード設定ボタン81がアクティブ状態で表示されており、停泊モード設定ボタン82が非アクティブ状態で表示されている。さらに、左舷バッテリスイッチインジケータ83、右舷バッテリスイッチインジケータ84およびDCアクセサリ回路インジケータ85は、いずれも点灯状態である。すなわち、左舷バッテリスイッチ12L、右舷バッテリスイッチ12Rおよび大容量リレー51は、いずれも導通状態となっている。
この状態から停泊モード設定ボタン82が操作されると(ステップS51)、このことが操作パネル28からPLC40に通知される。この通知に応答して、PLC40は、操作パネル28に指令を与え、図6Eに示すポップアップ画面E2(停泊モードへの切換確認画面)を操作パネル28の画面に表示させる(ステップS52)。このポップアップ画面E2は、航走モードを終了して停泊モードに切り換えることの確認を促す画面であり、OKボタン101と、キャンセルボタン102とを含む。さらに、ポップアップ画面E2は、たとえば、「エンジンキースイッチをOFFにしてください」というメッセージを含む。このメッセージは、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの遮断操作(したがって、エンジン停止操作)を使用者に促す。
エンジン3L,3Rを引き続き使用したい場合には、操作者は、ポップアップ画面E2においてキャンセルボタン102を操作する(ステップS53)。この操作は、操作パネル28からPLC40に通知される。これに応答して、PLC40は、操作パネル28に対して、モード選択画面(図6Dの表示画面E1)の再表示を指示する。これにより、画面表示が表示画面E1(モード選択画面)に戻り、入力待機状態(ステップS51)となる。
エンジン3L,3Rの使用を終えるときには、操作者は、ポップアップ画面E2(図6E参照)において、OKボタン101を操作する(ステップS53)。この操作に先立ち、操作者は、ポップアップ画面E2のメッセージに従って、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rを遮断(または遮断を確認)する。
ポップアップ画面E2においてOKボタン101が操作されると(ステップS53)、このことが操作パネル28からPLC40に通知される。これに応答して、航走モード終了時と同様の動作が行われる。すなわち、PLC40は、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの状態を調べる(ステップS54,S55)。具体的には、PLC40は、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rに対応したリレー601,602(図3A参照)からの入力信号を、入力PLCリレーユニット41を介して取得する。これにより、PLC40は、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rがそれぞれ導通状態か遮断状態かを判断する。左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの少なくともいずれか一方が導通状態のとき、PLC40は、操作パネル28に指令を与え、図6Eに示すエラー画面E3をポップアップ表示させる(ステップS56。報知手段としての機能)。このエラー画面E3は、操作者の確認を促すOKボタン103を含む。また、エラー画面E3は、図6Eの例では、「エンジンキースイッチをOFFにしてください。」というメッセージを含む。このメッセージは、操作者に対して、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの遮断操作(したがって、エンジン停止操作)を促す。操作者がOKボタン103を操作すると(ステップS57)、航走モードから停泊モードへの切換確認を促すポップアップ画面E2(図6E参照)に戻る。
エラー画面E3は、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rを予め遮断する操作を行うことなく航走モードを終了しようとした場合に表示される。操作者は、エラー画面E3に促されて、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rを遮断することになる。
ポップアップ画面E2(図6E参照)においてOKボタン101が操作されたときに、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの両方が遮断されていれば、PLC40は、次のステップに処理を移す。すなわち、PLC40は、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの両方が遮断されたことに応答して当該PLC40が計時開始する所定時間(たとえば30秒)の経過を待機する(ステップS28)。この所定時間は、エンジンコントローラ31L,31Rにおける終了処理に要する最長時間以上に定められている。この所定時間の間に、エンジンコントローラ31L,31Rのマイクロコンピュータ35L,35R(図2参照)は、エンジン3L,3Rの運転状態データを不揮発性メモリ36L,36Rに書き込む運転状態記録処理を実行する。この運転状態記録処理は、前記終了処理の一例である。
前記所定時間(ステップS58)が経過すると、PLC40は、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rを遮断させる(ステップS59,S60)。より詳細に説明すると、PLC40は、出力PLCリレーユニット42に対して、リレー611,612(図3B参照)をそれぞれ遮断させるための信号を与える。これらのリレー611,612が遮断することにより、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rが遮断される。
PLC40は、リレー604,605(図3A参照)から入力PLCリレーユニット41を介して入力される信号によって、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rの遮断をそれぞれ確認する。これらのバッテリスイッチ12L,12Rの遮断が確認されると、PLC40は、操作パネル28に指令を与えて、左舷バッテリスイッチインジケータ83および右舷バッテリスイッチインジケータ84をそれぞれ消灯表示させる(ステップS61,S62)。さらに、PLC40は、操作パネル28に対して指令を与え、航走モード設定ボタン81を非アクティブ状態表示に変更させ、停泊モード設定ボタン82をアクティブ状態表示に変更させる(ステップS63)。こうして、操作パネル28の表示は、図6Eに示す表示画面E4となる。
このように、操作パネル28を用いて航走モードから停泊モードへと切り換える簡単な操作で、バッテリスイッチ12L,12Rを遮断させることができる。この場合に、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rを事前に遮断しておかなければ、モード切換処理が進まない。つまり、エンジン3L,3Rの運転中に、万一、モード切換操作が不用意に行われたとしても、航走モードから停泊モードへの切換が禁止される。すなわち、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rの遮断が禁止される。これにより、エンジン3L,3Rの運転中にバッテリスイッチ12L,12Rが遮断されることを回避できる。したがって、エンジンコントローラ31L,31Rの損傷その他の不具合を回避できる。
図5Fは、停泊モードから航走モードへの切換時の動作を説明するためのフローチャートであり、図6Fは停泊モードから航走モードへの切換時における操作パネル28の表示の変化を説明するための図である。停泊モードから航走モードへの切換操作は、左舷および右舷のエンジン3L,3Rを使用するために、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rを導通するための操作である。航走モード設定操作(図5Aおよび図6A参照)と比較すると、大容量リレー51がすでに導通状態である点が異なる。
停泊モードのときのモード選択画面は、図6Fの上段に示す表示画面F1のとおりである。すなわち、航走モード設定ボタン81が非アクティブ状態で表示されており、停泊モード設定ボタン82がアクティブ状態で表示されている。さらに、左舷バッテリスイッチインジケータ83および右舷バッテリスイッチインジケータ84はいずれも消灯状態であり、DCアクセサリ回路インジケータ85は点灯状態である。
この状態から航走モード設定ボタン81が操作されると(ステップS71)、このことが操作パネル28からPLC40に通知される。この通知に応答して、PLC40は、操作パネル28に指令を与え、図6Fの中段に示すポップアップ画面F2(航走モードへの切換確認画面)を操作パネル28の画面に表示させる(ステップS72)。このポップアップ画面F2は、航走モードへの切換確認を促す画面であり、OKボタン105と、キャンセルボタン106とを含む。キャンセルボタン106が操作されると(ステップS73)、このことがPLC40に通知される。これに応答して、PLC40は、操作パネル28に対して、モード選択画面(図6Fの表示画面F1)の再表示を指示する。これにより、画面表示が表示画面F1(モード選択画面)に戻り、入力待機状態(ステップS71)となる。
ポップアップ画面F2(図6Fの中段)において、操作者がOKボタン105を操作すると(ステップS73)、このことが操作パネル28からPLC40に通知される。これに応答して、PLC40は、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rを導通させる(ステップS74,S75)。より詳細に説明すると、PLC40は、出力PLCリレーユニット42に対して、リレー611,612(図3B参照)をそれぞれ導通させるための信号を与える。これらのリレー611,612が導通することにより、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rが導通する。
PLC40は、リレー604,605から入力PLCリレーユニット41を介して入力される信号によって、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rの導通をそれぞれ確認する。これらのバッテリスイッチ12L,12Rの導通が確認されると、PLC40は、操作パネル28に指令を与えて、左舷バッテリスイッチインジケータ83および右舷バッテリスイッチインジケータ84をそれぞれ点灯表示させる(ステップS76,S77)。さらに、PLC40は、操作パネル28に対して指令を与え、航走モード設定ボタン81をアクティブ状態表示に変更させ、停泊モード設定ボタン82を非アクティブ状態表示に変更させる(ステップS78)。こうして、操作パネル28は、図6Fの下段に示す表示画面F3を表示する。
この後、使用者は、操船ステーション15に向かい、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rを操作して、左舷エンジン3Lおよび右舷エンジン3Rを始動する。
このように、操作パネル28を用いて停泊モードから航走モードに切り換える簡単な操作で、バッテリスイッチ12L,12Rを導通させることができる。したがって、船舶1を速やかに航走可能な状態とすることができる。
図5Gは、システム終了時の動作を説明するためのフローチャートであり、図6Gはシステム終了時における操作パネル28の表示の変化を説明するための図である。システム終了操作は、たとえば、全ての乗員が船舶1を離れるとき(離船時)に実行される操作であり、エンジン3L,3R、DC機器70およびAC機器71を含む電気負荷への電力供給を遮断するための処理である。より具体的には、全てのバッテリスイッチ12L,12Rおよび大容量リレー51を遮断し、さらに、発電機7が停止され、陸電回路が遮断される。陸電回路とは、陸電設備9からの電力回路である。航走モード終了時と同じく、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rの遮断は、エンジン3L,3Rの停止後になされなければならない。
タブ79を選択したときに表示されるシステム終了操作画面の一例は、図6Gに示す表示画面G1である。システム終了操作画面は、システム終了ボタン107を含む。
システム終了操作画面が表示されている状態で、システム終了ボタン107が操作されると(ステップS81)、このことが操作パネル28からPLC40に通知される。この通知に応答して、PLC40は、操作パネル28に指令を与え、図6Gに示すポップアップ画面G2(システム終了確認画面)を操作パネル28の画面に表示させる(ステップS82)。このポップアップ画面G2は、システム終了の確認を促す画面であり、OKボタン109と、キャンセルボタン110とを含む。さらに、ポップアップ画面G2は、たとえば、「エンジンキースイッチをOFFにしてください」というメッセージを含む。このメッセージは、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの遮断操作(したがって、エンジン停止操作)を使用者に促す。むろん、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rをすでに遮断してエンジン3L,3Rを停止してあれば、再度キースイッチ17L,17Rを操作する必要はない。
エンジン3L,3Rを引き続き使用したい場合や、DC機器70またはAC機器71を引き続き使用したいときには、操作者は、ポップアップ画面G2においてキャンセルボタン110を操作する(ステップS83)。このキャンセル操作は、操作パネル28からPLC40に通知される。これに応答して、PLC40は、操作パネル28に対して、システム終了操作画面(図6Gの表示画面G1)の再表示を指示する。これにより、画面表示が表示画面G1(システム終了操作画面)に戻り、入力待機状態(ステップS81)となる。
エンジン3L,3R、DC機器70およびAC機器71の使用を終えるときには、操作者は、ポップアップ画面G2(図6G参照)において、OKボタン109を操作する(ステップS83)。この操作に先立ち、操作者は、ポップアップ画面G2のメッセージに従って、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rを遮断(または遮断を確認)し、かつ、DC機器70およびAC機器71への電源供給を遮断(または遮断を確認)する。ただし、DC機器70およびAC機器71の遮断操作は省かれてもよい。
DC機器70およびAC機器71の電源遮断は、それらの回路に個別に設けられた手動スイッチによって行うことができる。むろん、操作パネル28からの遠隔操作によってDC機器70およびAC機器71の電源が遮断できるようになっていてもよい。この場合、操作者は、ポップアップ画面G2において、キャンセルボタン110を操作する。これにより、表示画面G1に戻った後、別途準備された機器操作画面(図示せず)を表示させる。この機器操作画面から、DC機器70およびAC機器71の遮断操作を行えばよい。たとえば、図3Bから明らかなとおり、大容量リレー51を遮断する操作により全DC機器70の使用を一斉に停止できる。また、個別のDC機器70への電源供給を遮断するための操作を行うこともできる。同様に、大容量リレー55,56を遮断する操作により全AC機器71の使用を一斉に停止できる。また、AC機器サブブレーカ506を遮断することにより、所定のグループ単位でAC機器71の使用を停止できる。むろん、個別のDC機器70およびAC機器71への電源供給を遮断するための操作を行ってもよい。
ポップアップ画面G2においてOKボタン109が操作されると(ステップS83)、このことが操作パネル28からPLC40に通知される。これに応答して、PLC40は、図6Gに示す表示画面G3を操作パネル28に表示させる(ステップS84)。表示画面G3は、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rの状態表示113、大容量リレー51の状態表示114、交流電源の状態表示115、発電機7の状態表示116、および陸電回路の状態表示117を含む。図6Gの例では、状態表示113(ON)は、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rがいずれも導通状態であることを示す。また、状態表示114(ON)は、大容量リレー51が導通状態であることを示す。状態表示115(ON)は、発電機7または陸電設備9のいずれかから交流電源が供給されていることを表す。状態表示116(ON)は、発電機7が運転中であることを表す。状態表示117(ON)は、陸電回路が導通状態であること、すなわち、大容量リレー56(図3B参照)が導通状態であることを表す。
さらに、PLC40は、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの状態を調べる(ステップS85,S86)。具体的には、PLC40は、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rに対応したリレー601,602(図3A参照)からの入力信号を、入力PLCリレーユニット41を介して取得する。これにより、PLC40は、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rがそれぞれ導通状態か遮断状態かを判断する。
左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの少なくともいずれか一方が導通状態のとき、PLC40は、操作パネル28に指令を与え、図6Gに示すエラー画面G4をポップアップ表示させる(ステップS87。報知手段としての機能)。このエラー画面G4は、操作者の確認を促すOKボタン111を含む。また、エラー画面G4は、図6Gの例では、「システム終了できません。エンジンキースイッチをOFFにしてください。」というメッセージを含む。このメッセージは、操作者に対して、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの遮断操作(したがって、エンジン停止操作)を促す。操作者がOKボタン111を操作すると(ステップS88)、システム終了の確認を促すポップアップ画面G2(図6G参照)に戻る。
エラー画面G4は、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rを予め遮断する操作を行うことなくシステム終了操作を実行しようとした場合に表示される。操作者は、エラー画面G4に促されて、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rを遮断することになる。DC機器70およびAC機器71は、必ずしも事前に遮断しておかなくても、システム終了を実行することができる。これは、大容量リレー51の遮断によってDC機器70への電源供給が一斉に遮断され、発電機7の停止および陸電回路の遮断によってAC機器71への電源供給が一斉に遮断されるからである。DC機器70またはAC機器71を一斉遮断しても小型船舶1の航走に大きな影響ないので、DC機器70またはAC機器71の使用中におけるシステム終了を許容する設計となっている。
ポップアップ画面G2(図6G参照)においてOKボタン109が操作されたときに、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの両方が遮断されていれば、PLC40は、次のステップに処理を移す。すなわち、PLC40は、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rの両方が遮断されたことに応答して当該PLC40が計時開始する所定時間(たとえば30秒)の経過を待機する(ステップS89)。この所定時間は、エンジンコントローラ31L,31Rにおける終了処理に要する最長時間以上に定められている。この所定時間の間に、エンジンコントローラ31L,31Rのマイクロコンピュータ35L,35R(図2参照)は、エンジン3L,3Rの運転状態データを不揮発性メモリ36L,36Rに書き込む運転状態記録処理を実行する。この運転状態記録処理は、前記終了処理の一例である。
前記所定時間(ステップS89)が経過すると、PLC40は、左舷バッテリスイッチ12L、右舷バッテリスイッチ12Rおよび大容量リレー51を遮断させる(ステップS90,S91,S92)。より詳細に説明すると、PLC40は、出力PLCリレーユニット42に対して、リレー611,612,616(図3B参照)をそれぞれ遮断させるための信号を与える。これらのリレー611,612,616が遮断することにより、左舷バッテリスイッチ12L、右舷バッテリスイッチ12Rおよび大容量リレー51が遮断される。
PLC40は、リレー604,605および大容量リレー51(図3A参照)から入力PLCリレーユニット41を介して入力される信号によって、左舷バッテリスイッチ12L、右舷バッテリスイッチ12Rおよび大容量リレー51の遮断をそれぞれ確認する。
さらに、PLC40は、発電機7を停止させ(ステップS93)、陸電回路を遮断する(ステップS94)。より具体的には、PLC40は、出力PLCリレーユニット42に対して、発電機停止用のリレー623(図3B参照)を導通させるための信号を与える。これにより、発電機7に備えられた停止回路は、当該発電機7のエンジンを停止させるためのエンジン停止処理を実行する。エンジン停止処理は、点火制御の停止および燃料供給の停止を含む。PLC40は、この間、発電機監視用のリレー603(図3A参照)を介して、発電機7の動作を監視している。発電機7の発電が停止すると、リレー603が遮断する。これに応答して、PLC40は、発電機停止用のリレー623の駆動を停止する。こうして、発電機7が停止される。また、PLC40は、陸電回路を遮断するために、陸電設備用の大容量リレー56(図3B参照)を遮断する。これにより、陸電設備9からの電力供給が遮断される。
バッテリスイッチ12L,12Rの遮断、大容量リレー51の遮断、発電機7の停止および陸電回路の遮断が確認されると、PLC40は、操作パネル28に指令を与えて、図6Gに示す表示画面G5の状態に表示を変更させる(ステップS95)。表示画面G5では、状態表示113(OFF)は、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rがいずれも遮断状態であることを示す。また、状態表示114(OFF)は、大容量リレー51が遮断状態であることを示す。状態表示115(OFF)は、発電機7および陸電設備のいずれかからも交流電源が供給されていないことを表す。状態表示116(OFF)は、発電機7が停止中であることを表す。状態表示117(OFF)は、陸電回路が遮断状態であること、すなわち、大容量リレー56(図3B参照)が遮断状態であることを表す。
このように、操作パネル28を用いてシステム終了を実行する簡単な操作で、バッテリスイッチ12L,12Rおよび大容量リレー51を遮断させ、発電機7を停止させ、さらに、陸電回路を遮断することができる。この場合に、左舷キースイッチ17Lおよび右舷キースイッチ17Rを事前に遮断しておかなければ、システム終了の処理が進まない。すなわち、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rの遮断が禁止される。これにより、エンジン3L,3Rが運転中にバッテリスイッチ12L,12Rが遮断されることを回避できる。
操作パネル28は、キャビン8の出入り口14の近傍に配置されているので、使用者は、離船直前にシステム終了のための処理を実行できる。この位置は、操船ステーション15から離れているけれども、システム終了操作を行うことにより、操船ステーション15まで行かなくても、キースイッチ17L,17Rの状態を確認できる。そして、エンジン運転中に不用意にシステム終了のための操作が行われたとしても、前述の仕組みによって、システム終了処理が中断される。したがって、エンジン運転中に、左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rが遮断されることはない。これにより、エンジンコントローラ31L,31Rの損傷その他の不具合を回避できる。
一つの比較例として、操作パネル28から左舷バッテリスイッチ12Lおよび右舷バッテリスイッチ12Rを遮断すべき電源状態が設定されたとき、左舷エンジン3Lおよび右舷エンジン3Rを停止するための制御を先に実行することが考えられるかもしれない。しかし、この構成では、操船ステーション15から離れた場所に配置された操作パネル28からの操作によってエンジン3L,3Rが停止され得る。したがって、エンジン3L,3Rを運転して小型船舶1を航走させているときに、操船者の意図に反してエンジン3L,3Rが停止され、推進力を失うおそれがある。したがって、乗員に違和感を与えるおそれがある。これに対して、前述の実施形態の構成では、操船者以外の乗員もアクセス可能な位置に設けられた操作パネル28によっては、エンジン3L,3Rの運転を停止することはできない。これにより、操船者の意図に反して不用意にエンジン3L,3Rが停止することを回避できる。
以上、この発明の一実施形態について説明したけれども、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、左舷および右舷に2基のエンジン3L,3Rが備えられた例を示したけれども、推進力を発生するための駆動源としてのエンジンは、1基でもよいし、3基以上備えられてもよい。また、前述の実施形態では、タッチパネルの形態を有する操作パネル28が備えられているけれども、むろん、他の形態の操作装置および表示装置が備えられてもよい。さらに、前述の実施形態では、タッチパネルからの遠隔操作によって、DC機器70およびAC機器71への給電に関する制御も行うことができるようになっているけれども、これらの機能は省かれてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
以下に、「課題を解決するための手段」の項に記載した用語と前述の実施形態における用語との対応関係を示す。
船体:船体2
推進力発生部材:左舷プロペラ4L、右舷プロペラ4R
エンジン:左舷エンジン3L、右舷エンジン3R
エンジンコントローラ:左舷エンジンコントローラ31L、右舷エンジンコントローラ31R
バッテリ:左舷バッテリ5L、右舷バッテリ5R
発電機:左舷発電機30L、右舷発電機30R
充電回路:左舷充電回路32L、右舷充電回路32R
バッテリスイッチ:左舷バッテリスイッチ12L、右舷バッテリスイッチ12R
キースイッチ:左舷キースイッチ17L、右舷キースイッチ17R
スイッチコントローラ:PLC40
操作手段:操作パネル28
報知手段:PLC40、操作パネル28、ステップS26,S56,S87
操船席:操船ステーション15
メモリ:不揮発性メモリ36L,36R
記録手段:マイクロコンピュータ35L,35R